【種別】
組織・施設
【初出】
V巻
【解説】
フレイムヘイズたちの活動のための情報交換・支援を行う組織及び、その組織が入っている建物のことである。
その様相に関係なく、壁一面の地図海図と、
宝具『
テッセラ』がある場所と定義されている。
19世紀に
ドレル・クーベリックによって組織としての外界宿が編制されていく過程で、金融・運輸企業を架空名義で運用するようになっており、情報交換だけでなく移動の手配、資金の融通、事件の事後処理なども担当し、現代ではではほぼ全てのフレイムヘイズが外界宿から支援を受けて、それまでより遥かに楽に行動できるようになっていた。
シャナのように、外界宿とほとんど関わりを持たないフレイムヘイズは極めて稀である。
世界各地に存在するが、特に大きく世界中の外界宿の中心に位置するのが、『愁夢の吹き手』
ドレル・クーベリックが主催する欧州チューリヒの『
ドレル・パーティー』。
他に有名な外界宿の運営主体としては、ジェノヴァに拠点を置く
ピエトロ・モンテベルディの『モンテベルディのコーロ』、東アジア一帯を管理する『
傀輪会』、中央アジアの重要拠点だった
ナムの[
故崖窟]などがあった。
南北アメリカ大陸では、東西南北の主要都市の外界宿を『
大地の四神』が管理・運営していた。
日本はアジアの中で独立管区で、東京に総本部、仙台、京都、博多に本部がある。
過去にはただの休息所・溜り場でしかなく、復讐を終えた暇な、あるいはあぶれ者や変わり者のフレイムヘイズが運営していただけであったが、ドレル・クーベリックの努力によって二十世紀初頭には本格的な支援組織としての体裁を整えた。
ドレルはそれまでの外界宿の常識を覆し、人間も構成員として組織を組み立てた。『
この世の本当のこと』のことを知らされる人間は極一部であるものの、これにより表向きは財団や企業として存在し、潤沢な資金の確保に成功した。
またフレイムヘイズたちと親交を結んだり、彼らの操る“
存在の力”と長く触れ合うことで存在の喪失を感じることが出来るようになった人間の中にフレイムヘイズとなる者がでるなど、フレイムヘイズ養成機関としての面も極一部ながら持つようになった。
人間社会の多くの公的機関等とも非常に深く繋がっており、様々なコネクションも持つ。[
仮装舞踏会]の侵攻によって日本近海でタンカーが行方不明になった時には、日本の海上保安庁と連携して、当該船舶の捜索に乗り出していた。また、チューリヒ国際空港には、フレイムヘイズのための施設が用意されていた。
シュドナイたちの襲撃によってドレルやピエトロを始めとする指導者層を失ったため、人間とフレイムヘイズの間で主導権争いが起きていたが、
ゾフィー・サバリッシュの指導者就任と情勢の緊迫化により、内紛を収め共闘するようになった。
本拠地は引き続き、スイスのチューリヒ。ドレルが拠点の分散化を進めていたため、ドレル・パーティが消されても機能は完全には失われず、彼亡き後の組織再編では、分散していた拠点機能を集めて、不完全ながら再興を果たした。
現代の
フレイムヘイズ兵団の母胎となり、東アジアの『傀輪会』とも協力して、[仮装舞踏会]との全面戦争に突入した。
しかし、中国中南部での『
星黎殿』を巡る戦いで兵団が完敗を喫し、その半日後には、チューリヒ総本部で
大命宣布の内容を巡って幹部たちが不毛な論戦を繰り広げるばかりであった。
また、来る“
徒”の日本列島大侵攻に当たって、東京総本部司令官
フリーダーと副司令
オルメスが協議の末に、日本の外界宿構成員に撤退の指示を下していた。
最終巻で、新世界『
無何有鏡』がシャナたちが織り入れた「人を喰らえない理」を含んだまま創造されたことで、この世にいたほぼ全ての“徒”が新世界へ旅立ち、それを追ってフレイムヘイズ千二百数十名が新世界へ旅立った。
シャナたちが新世界へ旅立った後、この世(旧世界)の外界宿は、
坂井悠二が復元させた
御崎市に注目しており、近場にこの世に残ったフレイムヘイズたちを駐屯させているようだ。
新世界の外界宿は、“
紅世”に関する記憶や知識が再現されなかったために混乱する人間の外界宿構成員たちを、新世界へ渡り来たフレイムヘイズや
秩序派の“
王”たちがカバーしながら、暫定首班の座に就任させられた『
鬼功の繰り手』
サーレを中心として外界宿の再編成を行っているようだ。
混乱期には『
無何有鏡』を守ろうとする古参の“徒”とも協力体制を築き、混乱期が終わってからも“徒”組織への情報提供や観戦武官の派遣要請など、旧世界での例外なかった“徒”の討滅という原則から変化の兆しを見せている。
【由来・元ネタ考察】
現在では無法者・無頼漢を意味する「outlaw」と思われる。「outlaw」という言葉は、「(共同体の)法の保護から外す」「共同体からの追放」として宣告される刑罰に由来する。既存の共同体から追放された者たちが、法の外に独自の共同体を作って無法者の集まりになり、そちらが今「outlaw」と呼ばれるようになった。
人間社会という共同体からの脱落者という意味では、討ち手たちもアウトローなのは間違いない。討ち手を指す言葉としては「フレイムヘイズ」という呼称が既にあったから、アウトローはその溜まり場(共同体)の名称になったのだろうと思われる。
最終更新:2024年12月01日 18:21