【種別】
呼称、集団

【初出】
S巻

【解説】
古来より長きに渡って南北アメリカ大陸を“”から守り抜いてきた、ネイティブ・アメリカンの、強大にして特異な四人のフレイムヘイズ
数ある討ち手らの中でも際立って強大かつ異質な存在であり、その世界屈指の圧倒的な実力とかつての行いから、他の討ち手からは非常な尊崇の念を抱かれ、遇されていた。
『神』という呼称を用いられているが、「“紅世”の」とは関係が無い。

いずれも“紅世の王”たちの呼び声に気付いて、苦難の旅の末に『大地の心臓』と呼ばれる場所にたどり着き、神官の先師『宙の心臓』こと『焦沙の敷き手』ノースエアのもとで天賦の才を厳しい修行で磨き上げ、人間であるうちから“存在の力”への適正を高めた上で契約した古代の神官達であった。また、『大地の四神』とノースエアの神器の名称は全員同じ名称の“テオトル”である。
彼ら自身の認識では、彼らが契約している「御憑神(“王”)」こそが本当の『大地の四神』であり、自分達は神官として『神』の力を預かっているだけだと考えている。また、この世を跋扈する“紅世の徒”のことは、『悪霊』と見なしていた。
神官の先師『宙の心臓』の教えを受け、世界の歪みの真の発生原因を知っていたが、それを公表すれば“徒”の放埒が一層激しくなるため、長らく秘密としていた。
この知識を応用したものか、殺した、あるいは砕いた“徒”の保持するこの世の“存在の力”を物質に変換して、この世に還元する自在法を有していた。

他の討ち手や“王”達とは一線を画した思考を持ち、しがらみに囚われた常人には容易に行えないことを、聖人君子が独自の論理と素朴な倫理で平然と行うような異質さを備えているようだ(一人だけ、「聖人君子」とは言えない者も含まれていた)。

真名や称号で呼ばれることを好まず、他者のことも彼らが名付けた独自の(恐らくは自在法の形容)愛称で呼んでいた。
彼ら自身は、自分たちを以下のように称している。


また、他の討ち手や契約する“王”、“徒”については、判明している限りではこのように称している。

  • 『炎髪灼眼の討ち手』:眩き(眩い)炎/“天壌の劫火”アラストール:裁きの業
  • 『震威の結い手』:天空の槌
  • 『万条の仕手』:嫋やかな舞/“夢幻の冠帯”ティアマトー:流れる力
  • 『弔詞の詠み手』:怒れる獣/“蹂躙の爪牙”マルコシアス:(不明。暴狼と呼んでいた)
  • 『極光の射手』:閃く矢/“破暁の先駆”ウートレンニャヤ&“夕暮の後塵”ヴェチェールニャヤ:翻る双面
  • 『儀装の駆り手』:聳える岩
  • 『愁夢の吹き手』:幻の涙
  • 『犀渠の護り手』:巌の盾
  • “驀地祲”リベザル:賢明な鎧
  • “蠱溺の杯”ピルソイン:忍び寄る毒

十九世紀後半の1863年に、白人によるアメリカ大陸侵略に対して決起し、それを止めようとした世界中のフレイムヘイズたちとの間に『内乱』を勃発させた。
その後、フレイムヘイズ側の混乱に乗じた“徒”の跋扈を招いたため、『内乱』は『四神』が矛を収める形で終息を余儀なくされたが、同胞と故郷の大地を苦しめる世界を守る意欲を失った彼らは、とある調律師の発案から、南北アメリカ大陸の主要四大都市の外界宿管理者となることを承諾し、それ以来「外界宿から動かない」という苦渋の鉄則を独自に持ち、表裏の世事に一切関わらないようになっていた。
そうしたかつての行い・戦いぶりから、“徒”からは「フレイムヘイズの悪徳そのもののような血に飢えた魔物ども」と考えられていた。
仮装舞踏会]の将帥の中では、フレイムヘイズ兵団との決戦以前に彼らとまともな交戦経験がある者はリベザルピルソインだけであったようだ。

[仮装舞踏会]との全面戦争が迫る中、創造神“祭礼の蛇”の行動を見極めるため、フレイムヘイズ兵団にセンターヒルを代表として派遣した。無条件参戦ではないのは、“徒”の跳梁さえも世界の理の一部ではないかと彼らが考えているためであった。
中国南西部での戦いにおいてセンターヒルが落命し、『三神』となった。

フレイムヘイズ兵団が大敗した後に眩き炎からセンターヒルの遺志と彼女の決意を聞き、参戦と同行を決意。御崎市決戦でその力を解放し、三方から一斉に侵攻した。

各守備隊と交戦に入ったところで侵攻を止めてわざと戦線を膠着させ、外来の“徒”を殺し続けた。その理由は、新世界に渡る“徒”のうち人喰いの経験があるものを減らすことと、人喰いが禁忌であることを骨髄まで浸透させるためだった。
つまり、「人を喰って存在してきた“徒”」が「人を喰らうことで現れた外敵であるフレイムヘイズに大量に殺された」という事実を、「人喰いをする必要のない世界」に持ち込ませることで、「人喰いはしてもメリットが無い」「人喰いをすると厄介な虐殺犯が現れかねない」→「なら人喰いは止めとこう」という流れを作るのが目的だった。
この策はシャナの「人を喰らえないという理を新世界に織り込む」という作戦の成否に関係なく効果を示すし、しかも「“徒”が虐殺された」というのはただの「事実」であるために、たとえ緘口令を敷こうと、いずれ誰かが必ず語ることになる。
一見迂遠で不合理なように見えて、戦いがどう転がろうが、真の狙いを看破されて妨害を受けようが、必ず効果をあげるという非常に巧妙な策であった。

新世界『無何有鏡』が創造された後は、三人ともフレイムヘイズとしては真っ先に『天梯』を通って新世界へ旅立った。

【由来・元ネタ】
アステカ創世神話において世界を作成した四柱の神々のことである。
テスカトリポカ(Tezcatlipoca)、ケツァルコアトル(Quetzalcóatl)、トラロック(Tlaloc)、チャルチウィトリクエ(Chalciuhtlicue)。

【コメント】
アニメ第2期では、イーストエッジのみマージョリー・ドーの回想の中で登場していた。
☆[巌楹院]や[とむらいの鐘]や[革正団]との戦いには参加しなかったんだろうな。
☆XX巻の幕間2で『儀装の駆り手カムシンに『大地の心臓の神官』と呼ばれていたのは、センターヒルが神官の先師『宙の心臓』と呼んでいた討ち手だった。
☆契約した“王”の真名に楽器名が入っているのが、共通点のひとつだった。
☆契約した人間の名前の先頭に方角が入ってるのも共通点のひとつだった。
☆彼らの自在法によって倒された“徒”は消え方が通常とは違うという共通点もあった。
☆ほとんど虐殺の戦闘の理由を知って、マジで引いた。フレイムヘイズの悪徳そのものといわれる理由がよく分かる。
☆公式ガイドブック完結編『灼眼のシャナノ全テ 完』で、『宙の心臓』についての詳細が明かされた。
☆↑×2『大地の四神』の方針はどっちかっていうと“徒”に近いけどね。復讐という感情でも使命という大義でもなく、自分たちが定めた基準で動いてるだけだからな。殺された“徒”も人を喰らって殺すことで存在してたわけだしな。
☆『宙の心臓』はノースエアという名前だった。
☆原作通り、アニメ第3期で全員登場した。
の色は、青磁、瑠璃、珊瑚、象牙と宝飾品の素材で統一されているようだ。
☆[巌楹院]のゴグマゴーグや[とむらいの鐘]の“棺の織手アシズや『九垓天秤フワワニヌルタソカルモレクウルリクムミチェルノボーグや『両翼』のイルヤンカメリヒムやウルリクムミの副官のアルラウネや[仮装舞踏会]の盟主創造神祭礼の蛇伏羲や『三柱臣』のベルペオルシュドナイヘカテー禁衛員フェコループルソンウアルや“紅世の王ガープ巡回士オルゴンや[宝石の一味]の“瓊樹の万葉コヨーテフックストンサーイイナンナや[革正団]のサラカエルドゥーグや[百鬼夜行]のセムルヴや[マカベアの兄弟]のダーインカルンや[]のギータケレブスや[狂気の城]や『色盗人』のバロメッツとも絡んでいたら面白そうだったのにな。
☆[マカベアの兄弟]や[]や[狂気の城]や『色盗人』との戦いには参加しそうもないな。
☆番外編『かぐやひめのしゃな』では、イーストエッジだけ登場した。
☆番外編『おじょうさまのしゃな』では、イーストエッジとセンターヒルが登場した。
☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、四人全員が登場した。

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最終更新:2023年12月23日 07:55