アベンジャーズ
公開:2012年
監督:ジョス・ウェドン
概要
アベンジャーズ(原題:
The Avengers)は2012年公開の映画。マーベルコミックに登場するスーパーヒーローチーム、
アベンジャーズの活躍を描いた。
本作は『
アイアンマン』(2008年)、『インクレディブル・ハルク』(2008年)、『アイアンマン2』(2010年)、『マイティ・ソー』(2011年)、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)に続くマーベル・スーパーヒーロー映画の
クロスオーバー世界『
マーベル・シネマティック・ユニバース』作品の第5作。
あらすじ
山岳地帯に隠された
S.H.I.E.L.D.の施設では
ニック・フューリー長官の指揮のもと、
エリック・セルヴィグ博士による四次元キューブの研究が進められていた。しかしそのエネルギーが暴走してしまい宇宙とつながる扉が開いてしまう。その向こうから現れたのは、アスガルドの悪戯の神
ロキだった。
ロキは杖の力で警護に当たっていた
ホークアイとセルヴィグ博士を洗脳。2人はロキに従い四次元キューブを奪ってしまう。
マリア・ヒルや
フィル・コールソンらエージェントたちの追撃も及ばず、ロキたちは四次元キューブのエネルギーで基地を崩壊させ逃亡してしまうのだった。
この事件を受け、別の場所で監禁されたふりをして潜入調査を行っていた
ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフはフィル・コールソンからの連絡が入ると敵を倒し脱出。「大きな男」とコンタクトを取れという命令に従い任務に向かうのだった。
インドの村で病人の治療をしていた
ブルース・バナーは、父が病気がという少女に連れられ人気のないバラック小屋に着く。そこにブラック・ウィドウが現れ、S.H.I.E.L.D.への合流を説得する。
また70年の眠りから目覚めた
キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャーズは1人トレーニングを続けていたが、そこへニック・フューリーがスカウトに現れる。
アイアンマンことトニー・スタークはスターク・タワーのクリーンエネルギー化を完成させたところにフィル・コールソンが訪れ、
アベンジャーズ計画の再始動を告げる。
ブルースとスティーブはナターシャと共にヘリキャリアに集合。スティーブはフィルのデザインによる新たなキャプテン・アメリカのコスチュームを受け取った。
一方ロキは四次元キューブを使った計画のためイリジウムを手に入れようとシュツットガルトを攻撃。そこへキャプテン・アメリカとアイアンマンも駆けつけ、ロキを降参させる。
しかし
クインジェットでロキを移送中、雷鳴と共に
ソーが現れロキを奪い去ってしまった。
山岳地帯でソーとロキが口論しているところにアイアンマンが飛来しソーを攻撃。ロキが高みの見物を決め込む中戦闘になる。さらに割って入ったキャプテン・アメリカの盾をソーがハンマーで一撃を与えると、強大な衝撃波が発生し、3人は我に返った。
ロキはヘリキャリアに連行され、ソーも一同に合流する。
トニー、ブルース、スティーブの3人でキューブの在処を探しつつロキの目的を探ろうとするが、発見したのはS.H.I.E.L.D.がキューブをエネルギー源ではなく兵器として利用しようとしていた証拠だった。これをきっかけにニック・フューリーとナターシャ・ロマノフを交えて口論になり、さらにはロキの杖の影響で5人の関係はみるみる内に険悪に。スティーブとトニーが一触即発の状況になったところに洗脳されたホークアイがクインジェットで接近。爆弾つきの矢でヘリキャリアのエンジンを破壊した。
このショックで5人がいた研究室も崩壊し、ブルースはハルク化してしまう。
アイアンマンとキャプテン・アメリカはヘリキャリアの墜落を防ぐためエンジンの修理へ。我を忘れたハルクはブラック・ウィドウに襲いかかるがソーが割って入る。ソーとハルクの戦闘の中、戦闘機がハルクを攻撃。激怒したハルクは戦闘機に飛び乗り、もろとも地上に落下してしまう。
ソーは脱走しようとしたロキを止めに入るが幻術にかかり逆に閉じ込められてしまう。そこへコールソンが新兵器の銃を持って現れるが、ロキの幻術にかかり後ろから刺されて瀕死の重症を負う。ソーは檻ごと落下させられるが、からくも脱出に成功した。
ブラック・ウィドウは一騎打ちでホークアイを倒し、気絶させる。するとホークアイの洗脳が解け、我に返った。
アイアンマンとキャプテン・アメリカはロキに操られていたエージェントたちを倒し、エンジンの復旧に成功するのだった。
しかしコールソンはフューリーに「彼らがまとまるにはきっかけが必要だ」と言い残し、死亡してしまった。
コールソンの死を知った一同はロキへの復讐のため結束。また何気ない会話からロキの狙いがアーク・リアクターだと気づいたトニーはアイアンマンスーツを装着してスターク・タワーに向かった。するとそこではセルヴィク博士がキューブのエネルギーを使ったある装置を起動させていた。
そこにはロキもいて、トニーはアベンジャーズの結成について語りながらアイアンマンスーツマーク7を起動させる。しかしその瞬間セルヴィグの装置が作動。ニューヨーク上空にワームホールが発生し、宇宙からチタウリの軍隊が飛来。ニューヨークに無差別攻撃を始める。
大乱戦の中、ブルース・バナーが現れ、ハルク化。
かくしてキャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソー、ハルク、ホークアイ、ブラック・ウィドウが集結。
キャプテン・アメリカの指揮のもと、ロキ率いるチタウリへの反撃が始まる。
そんな中、ハルクがロキを撃破。大乱戦の衝撃でエリック・セルヴィグ博士も我に返る。
セルヴィグの案でブラック・ウィドウがロキの杖を拾い、これを使ってワームホール装置を止めようとする。
しかし次々と増援を送り込むチタウリにアベンジャーズたちも次第に劣勢になり、世界安全保障理事会は核兵器の使用を指示。
ニック・フューリーが阻止しようとする中、ヘリキャリアから戦闘機が発進、さらには核ミサイルを発射する。
アイアンマンはこの核ミサイルもろともワームホールに突っ込み、宇宙空間で待機していたチタウリの母艦にぶつける。
同時にブラック・ウィドウが装置を停止させると、閉じていくワームホールの中からアイアンマンが帰還した。
ニューヨークの惨事はアベンジャーズによって食い止められたが、その被害は甚大で、彼らを英雄視する人々と責任を問う声が巻き起こる。
そんな中、ソーは捕縛したロキと四次元キューブを持ってアスガルドへ帰還した。
ミッド・クレジットシーン
ポスト・クレジットシーン
無言でシャワルマを食べるアベンジャーズの面々。
主要キャスト
- ハルクことドクター・ブルース・バナー役がインクレディブル・ハルクのエドワード・ノートンからマーク・ラファロに変更となった
- アベンジャーズの映画化権利はディズニー(マーベルの親会社)、スパイダーマンはソニー・ピクチャーズが持っている。そのため、アベンジャーズにスパイダーマンが登場する事は無いと言われていた。しかし、『アベンジャーズ』の製作総指揮で『アメイジング・スパイダーマン』のプロデューサーを務めるアヴィ・アラドは「次回作で双方の作品がクロスオーバーすることは可能だ」と語っている。
そして実際2015年、「アメイジング・スパイダーマン」のシリーズ打ち切りと、マーベルシネマティックユニバースへの合流が決定した。
トリビアやイースターエッグなど
最初の世界安全保障理事会の会議シーンでニック・フューリーが「第2段階の試作機が頼りだ」(字幕)、「あの2号機の開発を急ぐべきだろう」(吹き替え)と言われるが、この「第2段階」「2号機」とはプロジェクト・ペガサスの第二段階のことで、特定の新兵器を指すものではない。原語では"Which is why you should be focusing on Phase 2."と言っている。このプロジェクト・ペガサスとは後の
『キャプテン・マーベル』にも登場する、四次元キューブを兵器として利用する計画のこと。既にキューブは奪われているが、この時点で世界安全保障理事会はアスガルドを脅威と認識していて、それに対抗しうる兵器、すなわち後述する「デストロイヤーの銃」などが含まれる。
アベンジャーズメンバーがロキの目的について議論しているシーンでニック・フューリーが「あの杖でどうやって我々の仲間を空飛ぶ猿に?」というが、これは「オズの魔法使い」に登場する悪い魔女が操る羽の生えた猿を意味する。1939年にはオズの魔法使いが映画化されており、キャップだけがその意味を理解した。
フィル・コールソンがロキに殺害されるシーンで、コールソンが所持していた銃は
『マイティ・ソー』に登場した
デストロイヤーをもとに開発したもの。
このシーンのコールソンのセリフは字幕だと「お前の兵器を基にした試作品だ」、吹き替えだと「お前にいいようにやられた後開発したんだ」としか言っていないので非常に分かりづらいが、英語では明確に”We started working on the prototype after you sent the Destroyer."と言っている。
最終更新:2022年10月07日 03:03