信じることが正義(ジャスティス) ◆U1w5FvVRgk
エリアF-4の橋。
そこから直進した森の入り口付近に一人の少年がいた。
生い茂る木々の一本に背を預けているのは、オリジナル7が一人ミハエル・ギャレットだった。
参加者たちを『救う』という目標を考えれば、こんな所で座り込んでいる暇は無い筈だ。
しかし、彼にはこうする理由があった。
情けない話ではあるが、ミハエルに扱える武器が無いのだ。
いま、ミハエルの傍には三つの代物が置かれている。
そこから直進した森の入り口付近に一人の少年がいた。
生い茂る木々の一本に背を預けているのは、オリジナル7が一人ミハエル・ギャレットだった。
参加者たちを『救う』という目標を考えれば、こんな所で座り込んでいる暇は無い筈だ。
しかし、彼にはこうする理由があった。
情けない話ではあるが、ミハエルに扱える武器が無いのだ。
いま、ミハエルの傍には三つの代物が置かれている。
一つ目はナイトのカードデッキ。
使えば超人的な力を得られるが、一度使用すれば一時間は再使用できないデメリットがある。
ミハエルは先ほど使用したばかりで、まだ再使用できるほど時間は経過していない。
なので、ライダーデッキが再使用できるまでミハエルは身を潜めることにしたのだ。
二つ目は細い白木の杖。
説明書に拠ると内部に刃が仕込まれているそうだ。
これなら奇襲に使えそうだが、強度がそれほど高くないという問題点があった。
そもそも、ミハエルには剣の扱いに慣れていない。
これでヴァンのような実力者と戦えば、あっという間に倒されるだろう。
彼には目標があるが、それは最優先ではない。
ミハエルの目的はあくまでカギ爪の男の下への帰還だ。
カギ爪の男の計画には、サウダーデを操縦するミハエルは欠かせない。
だから、彼は死ぬ訳にはいかない。
故にこの杖を使うのは止むを得ない場合のみとした。
三つ目は羽の生えたサーフボード。
これは元々ミハエルに支給された物ではない。
森に隠れる際、橋の周囲に浮かんでいたのを回収したものだ。
信じられないことに、このボードには空中に浮遊する機能がある。
発見したときにはミハエルも驚きはした。
が、カードデッキのような物があるならおかしくはないと思い直し、移動手段として回収したのだ。
他にもデイパックには一応武器になりそうなカギ爪が入っているが、ミハエルに使うつもりはない。
信奉する同士の義手を血に染めることなど、彼に出来るわけがなかった。
使えば超人的な力を得られるが、一度使用すれば一時間は再使用できないデメリットがある。
ミハエルは先ほど使用したばかりで、まだ再使用できるほど時間は経過していない。
なので、ライダーデッキが再使用できるまでミハエルは身を潜めることにしたのだ。
二つ目は細い白木の杖。
説明書に拠ると内部に刃が仕込まれているそうだ。
これなら奇襲に使えそうだが、強度がそれほど高くないという問題点があった。
そもそも、ミハエルには剣の扱いに慣れていない。
これでヴァンのような実力者と戦えば、あっという間に倒されるだろう。
彼には目標があるが、それは最優先ではない。
ミハエルの目的はあくまでカギ爪の男の下への帰還だ。
カギ爪の男の計画には、サウダーデを操縦するミハエルは欠かせない。
だから、彼は死ぬ訳にはいかない。
故にこの杖を使うのは止むを得ない場合のみとした。
三つ目は羽の生えたサーフボード。
これは元々ミハエルに支給された物ではない。
森に隠れる際、橋の周囲に浮かんでいたのを回収したものだ。
信じられないことに、このボードには空中に浮遊する機能がある。
発見したときにはミハエルも驚きはした。
が、カードデッキのような物があるならおかしくはないと思い直し、移動手段として回収したのだ。
他にもデイパックには一応武器になりそうなカギ爪が入っているが、ミハエルに使うつもりはない。
信奉する同士の義手を血に染めることなど、彼に出来るわけがなかった。
せめて銃火器が支給されていればもう少し積極的に動いただろうが、無いものは仕方がない。
慎重かつ迅速に参加者を『救い』、帰還する。
難しい課題だが、ミハエルは何をしても成し遂げるつもりだった。
それが今のミハエルにとって唯一のことわりだから。
その為にも時よ過ぎろと急かすように、じれったそうに何度となく支給された時計を確認していた。
慎重かつ迅速に参加者を『救い』、帰還する。
難しい課題だが、ミハエルは何をしても成し遂げるつもりだった。
それが今のミハエルにとって唯一のことわりだから。
その為にも時よ過ぎろと急かすように、じれったそうに何度となく支給された時計を確認していた。
足音と話し声が聞こえてきたのは、そんな時だ。
ミハエルの全身に緊張が走った。
もしこちらに向かってくるようなら対処しなければならない。
仕込み杖を手にしながら、木の影からこっそりと顔を出す。
見えたのは二つの人影。
幸いにも森に向かってくる様子はなく、ミハエルは一つ息を吐いた。
月明かりが照らしているとはいえ、その姿ははっきりとは窺えない。
察するに一人は中肉中背の男性、もう一人は十歳ぐらいの子供だろうか。
二人は橋の手前まで歩くと、何やら話し込んでいる。
大方、北に向かうか橋を渡るかを相談しているのだろう。
しばらくして、二人は橋の方に歩き出した。
二人に接触すべきかとミハエルは思案して、すぐに諦めた。
北に向かっていればまだ余地があったが、東にはストレイト・クーガーが居る筈だ。
カードデッキが再使用できない状態でクーガーと遭遇するのは好ましくない。
歯痒い思いを抱きながら、ミハエルは二人が橋を渡るのを黙ってみているしかなかった。
後で必ず『救う』と決意しながらだったが。
ミハエルの全身に緊張が走った。
もしこちらに向かってくるようなら対処しなければならない。
仕込み杖を手にしながら、木の影からこっそりと顔を出す。
見えたのは二つの人影。
幸いにも森に向かってくる様子はなく、ミハエルは一つ息を吐いた。
月明かりが照らしているとはいえ、その姿ははっきりとは窺えない。
察するに一人は中肉中背の男性、もう一人は十歳ぐらいの子供だろうか。
二人は橋の手前まで歩くと、何やら話し込んでいる。
大方、北に向かうか橋を渡るかを相談しているのだろう。
しばらくして、二人は橋の方に歩き出した。
二人に接触すべきかとミハエルは思案して、すぐに諦めた。
北に向かっていればまだ余地があったが、東にはストレイト・クーガーが居る筈だ。
カードデッキが再使用できない状態でクーガーと遭遇するのは好ましくない。
歯痒い思いを抱きながら、ミハエルは二人が橋を渡るのを黙ってみているしかなかった。
後で必ず『救う』と決意しながらだったが。
それからは特に変わった事もなく、ミハエルは相変わらず時計を確認しながら過ごした。
そして、隠れてからきっちり一時間が経過したと確認すると、辺りを確認してから森を出てきた。
周囲に人影は無く、ひたすらに道路と草原が見えるだけだ。
それを少しだけ残念に感じながら、ミハエルはサーフボードを空中に浮かべる。
やはり、いざ使おうとなると躊躇するものなのか、若干躊躇いがちにミハエルはボードに腰掛けた。
最後に足を離すと、ボードはゆっくりと前進していき、先端を上に向けると空に悠然と舞い上がった。
サウダーデに乗って飛行した時とは違い、直接肌身に感じる風は不思議な感触だった。
そして、隠れてからきっちり一時間が経過したと確認すると、辺りを確認してから森を出てきた。
周囲に人影は無く、ひたすらに道路と草原が見えるだけだ。
それを少しだけ残念に感じながら、ミハエルはサーフボードを空中に浮かべる。
やはり、いざ使おうとなると躊躇するものなのか、若干躊躇いがちにミハエルはボードに腰掛けた。
最後に足を離すと、ボードはゆっくりと前進していき、先端を上に向けると空に悠然と舞い上がった。
サウダーデに乗って飛行した時とは違い、直接肌身に感じる風は不思議な感触だった。
「だけど、悪くは無いな」
人々に『救い』を与える為に少年は夜空を進む。
それが独善に過ぎず迷惑以外の何ものでもないと気付くことは――恐らくは無いだろう。
それが独善に過ぎず迷惑以外の何ものでもないと気付くことは――恐らくは無いだろう。
【一日目黎明/F-4 南部】
【ミハエル・ギャレット@ガンソード】
[装備]:フライングボード@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、カギ爪@ガンソード、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、
仕込み杖@るろうに剣心
[状態]:疲労(小)
[思考・行動]
0:どこに向かおうか?
1:同志の下に帰る。
2:1人でも多くの人を『救う』、だが無茶はしない。
【ミハエル・ギャレット@ガンソード】
[装備]:フライングボード@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、カギ爪@ガンソード、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、
仕込み杖@るろうに剣心
[状態]:疲労(小)
[思考・行動]
0:どこに向かおうか?
1:同志の下に帰る。
2:1人でも多くの人を『救う』、だが無茶はしない。
【支給品紹介】
【仕込み杖】
斉藤一が初登場時に使用した杖型のサーベル。
携帯性に優れているが、強度は玩具と変わらないらしい。
斉藤一が初登場時に使用した杖型のサーベル。
携帯性に優れているが、強度は玩具と変わらないらしい。
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