聖少女領域/薔薇獄乙女 ◆ew5bR2RQj.
「ったく、無茶し過ぎだよ」
「いやぁ、スイマセン……」
「いやぁ、スイマセン……」
荒れ果てた地面に座り込んでいる北岡とクーガー。
愚痴を吐く北岡に対し、クーガーは困ったように笑っている。
空から墜落する寸前、北岡が彼を受け止めることで事無きことを得たのだ。
愚痴を吐く北岡に対し、クーガーは困ったように笑っている。
空から墜落する寸前、北岡が彼を受け止めることで事無きことを得たのだ。
「あーあ、さっきので腰に来ちゃったよ、どうしてくれるのさ」
「歳ですか? 普段からもっと鍛えないと駄目ですよ」
「歳ですか? 普段からもっと鍛えないと駄目ですよ」
あくまでも軽い調子を崩さないクーガーに、北岡は露骨に肩を竦める。
「ふぅ……」
彼らが談話を続けていると、溜息を吐きながら狭間が戻ってきた。
「ジェレミアは大丈夫だったの?」
「ああ、辛うじてな」
「ああ、辛うじてな」
回復魔法を連続で使用した影響か、元々青白い狭間の顔はさらに血の気が失せている。
血の海の中に沈んでいたジェレミア。
騎士服には大きな十字傷が刻まれ、その淵には黒々とした焦げ跡もあった。
北岡が気付いた時点で相当危険な状態だったが、狭間の応急処置で辛うじて命を繋いだのだ。
血の海の中に沈んでいたジェレミア。
騎士服には大きな十字傷が刻まれ、その淵には黒々とした焦げ跡もあった。
北岡が気付いた時点で相当危険な状態だったが、狭間の応急処置で辛うじて命を繋いだのだ。
「私の魔法では機械部分の修復まではできない、しばらくは眠ったままだろう」
沈痛な面持ちで告げる狭間。
ジェレミアを斬り裂いた斬撃は、彼の左半身に深い傷跡を残していた。
後藤の猛攻ですら耐え抜いた装甲。
それを容易く斬り裂いた志々雄の実力は、想像を絶する段階に達しているだろう。
ジェレミアを斬り裂いた斬撃は、彼の左半身に深い傷跡を残していた。
後藤の猛攻ですら耐え抜いた装甲。
それを容易く斬り裂いた志々雄の実力は、想像を絶する段階に達しているだろう。
「だが、生体部分であの斬撃を受けていれば即死は免れなかっただろう、皮肉な話だがな……」
瓦礫の傍で眠り続けるジェレミアを見ながら狭間は言う。
彼の隣では、つかさも寝息を立てていた。
彼の隣では、つかさも寝息を立てていた。
「次はお前達が回復する番だ」
「いや、俺はいいよ」
「俺もいらねえな」
「いや、俺はいいよ」
「俺もいらねえな」
狭間の申し出に対し、北岡とクーガーは首を横に振る。
「俺達よりもお前の方がヤバそうじゃない、さっきも言ったけど頑張り過ぎだよ」
回復魔法には大きな枷が嵌められている。
それを乱用した狭間は、大幅に魔力を消費していた。
それを乱用した狭間は、大幅に魔力を消費していた。
「迷惑をかける……」
「随分とあの男に深手を負わされたようではないか」
接近してくる狭間を一瞥すると、シャドームーンは嘲るように言葉を投げ掛ける。
「問題はない、既に回復済みだ」
「忘れていないだろうな? 私が貴様らに失望した瞬間、契約は無効になることを」
「忘れてないさ。だがあの志々雄という男。
悔しい話ではあるが、剣の腕では確実に私やお前の上を行くだろう」
「忘れていないだろうな? 私が貴様らに失望した瞬間、契約は無効になることを」
「忘れてないさ。だがあの志々雄という男。
悔しい話ではあるが、剣の腕では確実に私やお前の上を行くだろう」
剣を携えて悪魔が巣食う塔を登りつめた狭間。
脳に直接剣術を刻み込まれたシャドームーン。
彼らが剣術を嗜んでいるのは事実だが、それは戦術の一つでしかない。
一方で志々雄は、刀一つで明治政府を掌握する寸前までのし上がっている。
期間にして十年以上、殺した人間の脂が刃先に染み込む程だ。
文字通り、彼らとは年季が違う。
脳に直接剣術を刻み込まれたシャドームーン。
彼らが剣術を嗜んでいるのは事実だが、それは戦術の一つでしかない。
一方で志々雄は、刀一つで明治政府を掌握する寸前までのし上がっている。
期間にして十年以上、殺した人間の脂が刃先に染み込む程だ。
文字通り、彼らとは年季が違う。
一つ一つの言葉のやり取りですら、異様な重さを秘めている二人。
静寂が訪れると、彼らがそれっきり言葉を交わすことはない。
くるりと身体を反転させ、狭間は北岡達の休憩する場所に戻った。
静寂が訪れると、彼らがそれっきり言葉を交わすことはない。
くるりと身体を反転させ、狭間は北岡達の休憩する場所に戻った。
「何しに行ったんだ?」
「翠星石が居なくなったからな、確認のようなものだ」
「それよりもこれからどうするのさ?」
「主催に乗り込む方法は整えた。後は首輪を解除する手段だ」
「研究所にあるゲフィオンディスターバーってやつで無効にできるんだっけ?」
「翠星石が居なくなったからな、確認のようなものだ」
「それよりもこれからどうするのさ?」
「主催に乗り込む方法は整えた。後は首輪を解除する手段だ」
「研究所にあるゲフィオンディスターバーってやつで無効にできるんだっけ?」
首輪の機能を停止させる手段は二つ。
一つ目は停止させる首輪の半径二メートル以内に機能停止していない首輪を四つ用意すること。
しかしこの方法では、全員の首輪を解除することができない。
全員での脱出を約束した以上、この方法は使用不可能だ。
となると、残った方法は一つ。
研究所にあるゲフィオンディスターバーを起動させることだ。
一つ目は停止させる首輪の半径二メートル以内に機能停止していない首輪を四つ用意すること。
しかしこの方法では、全員の首輪を解除することができない。
全員での脱出を約束した以上、この方法は使用不可能だ。
となると、残った方法は一つ。
研究所にあるゲフィオンディスターバーを起動させることだ。
思わず声を張り上げる狭間。
棚からぼた餅はまさにこのことだろう。
棚からぼた餅はまさにこのことだろう。
「首輪を解除する手筈は整った、か」
「でも研究所ってちょっと遠くない?」
「移動に関しては任せてください、俺のアルターなら一っ飛びですよ」
「でも研究所ってちょっと遠くない?」
「移動に関しては任せてください、俺のアルターなら一っ飛びですよ」
クーガーのラディカル・グッドスピードは、あらゆる乗り物を超高速仕様に改造できる。
ここから研究所までの道路も整備されているため、移動は容易に行えるだろう。
ここから研究所までの道路も整備されているため、移動は容易に行えるだろう。
「でもそれってあいつと同じ車に乗るってことでしょ? 正直勘弁して欲しいなぁ」
傍目にシャドームーンを捉えながら北岡は愚痴を零す。
先程の防衛戦の際、シャドームーンの独断専行によって彼らの連携は崩れた。
しかも翠星石が奪われた最大の原因は、シャドービームによる無差別攻撃である。
先程の防衛戦の際、シャドームーンの独断専行によって彼らの連携は崩れた。
しかも翠星石が奪われた最大の原因は、シャドービームによる無差別攻撃である。
「奴が手出しすることは有り得ない、私が保証する」
「それにアイツは自前のバイクを持ってますし、俺達と車に乗るってことはないでしょう」
「あっ、そっか。でもやっぱりアイツと仲間ってのは難しいんじゃないの?」
「それにアイツは自前のバイクを持ってますし、俺達と車に乗るってことはないでしょう」
「あっ、そっか。でもやっぱりアイツと仲間ってのは難しいんじゃないの?」
拡散して放たれていたためか、シャドービームによる負傷は大きくない。
それでも身体の節々に鈍い痛みは残っている。
シャドームーンは停戦協定に同意したが、他の参加者を気遣うつもりはない。
この一戦で、それがはっきりと理解できたのだ。
それでも身体の節々に鈍い痛みは残っている。
シャドームーンは停戦協定に同意したが、他の参加者を気遣うつもりはない。
この一戦で、それがはっきりと理解できたのだ。
「どちらにせよ、もう引き返すことはできません
進むも地獄、退くも地獄なら、せめて進むしかない、そうでしょう?」
進むも地獄、退くも地獄なら、せめて進むしかない、そうでしょう?」
普段と変わらない微笑を浮かべ、クーガーは問いかけてくる。
だが、その瞳の奥には強い覚悟が秘められていた。
目の前に広がっているのは地獄への直通路。
退路は断たれ、道を逸れることも許されない。
最大の武器は自分達すらも巻き込みかねない諸刃の剣。
導火線は、今も減り続けている。
だが、その瞳の奥には強い覚悟が秘められていた。
目の前に広がっているのは地獄への直通路。
退路は断たれ、道を逸れることも許されない。
最大の武器は自分達すらも巻き込みかねない諸刃の剣。
導火線は、今も減り続けている。
「ま、分かってるけどさ」
北岡は何度目か分からない溜息を吐き、疲れを隠すように笑った。
【二日目/深夜/F-8 市街地】
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎 (一時間変身不可)
[所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎
FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、
デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、五ェ門の確認済み支給品(0~1)(刀剣類では無い)
[状態]ダメージ(中)
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:つかさに対する罪悪感。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。
※レナ、狭間と情報交換をしました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※ミニクーパー@ルパン三世は近くの民家に駐車してあります。
[装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎 (一時間変身不可)
[所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎
FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、
デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、五ェ門の確認済み支給品(0~1)(刀剣類では無い)
[状態]ダメージ(中)
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:つかさに対する罪悪感。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。
※レナ、狭間と情報交換をしました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※ミニクーパー@ルパン三世は近くの民家に駐車してあります。
【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ3つ)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、食材@現実(一部使用)、
パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた
[状態]気絶中
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:錬金術でみんなに協力したい。
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ3つ)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、食材@現実(一部使用)、
パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた
[状態]気絶中
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:錬金術でみんなに協力したい。
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
琥珀湯×1、フラム×1、リフュールポット×2、不明支給品(0~1)、薬材料(買い物袋一つ分程度)、エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、
メタルゲラスの装甲板、メタルゲラスの角と爪
[状態]気絶中、機械部分に深い裂傷、疲労(小)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:V.V.を殺す。
2:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
3:全て終えてからルルーシュの後を追う。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。
※制限により、ギアスキャンセラーを使用すると疲労が増大します。他にも制限があるかも知れません。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
[装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
琥珀湯×1、フラム×1、リフュールポット×2、不明支給品(0~1)、薬材料(買い物袋一つ分程度)、エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、
メタルゲラスの装甲板、メタルゲラスの角と爪
[状態]気絶中、機械部分に深い裂傷、疲労(小)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:V.V.を殺す。
2:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
3:全て終えてからルルーシュの後を追う。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。
※制限により、ギアスキャンセラーを使用すると疲労が増大します。他にも制限があるかも知れません。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、
ブラフマーストラ@真・女神転生if…、鉈@ひぐらしのなく頃に
[状態]:人間形態、疲労(大)、魔力消費(極大)
[思考・行動]
0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。
1:シャドームーンとの契約を遵守する。
2:翠星石を保護する。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、
ブラフマーストラ@真・女神転生if…、鉈@ひぐらしのなく頃に
[状態]:人間形態、疲労(大)、魔力消費(極大)
[思考・行動]
0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。
1:シャドームーンとの契約を遵守する。
2:翠星石を保護する。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページのユーザ名はtakano、パスワードは123です。
またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。
全参加者の詳細プロフィール
全参加者のこれまでの動向。
現時点での死者の一覧。
各参加者の世界観区分。
nのフィールドの詳細及び危険性。
「彼」が使用したギアスの一覧。
※目的の欄を閲覧することはできませんでした。
またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。
全参加者の詳細プロフィール
全参加者のこれまでの動向。
現時点での死者の一覧。
各参加者の世界観区分。
nのフィールドの詳細及び危険性。
「彼」が使用したギアスの一覧。
※目的の欄を閲覧することはできませんでした。
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:なし
[所持品]:基本支給品一式
[状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(極大)、貧血
[思考・行動]
1:生きる。
2:翠星石を迎えに行く。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。
※真司、C.C.らと情報交換をしました。
※田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。
それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。
[装備]:なし
[所持品]:基本支給品一式
[状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(極大)、貧血
[思考・行動]
1:生きる。
2:翠星石を迎えに行く。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。
※真司、C.C.らと情報交換をしました。
※田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。
それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み)
[状態]:疲労(大)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷
[思考・行動]
0:創世王を殺す。
1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。
2:狭間との契約は守る。
3:キングストーン(太陽の石)を回収する。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※会場の端には空間の歪みがあると考えています。
※空間に干渉する能力が増大しました。
※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。
※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。
※バトルホッパーは近くに停まっています。
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み)
[状態]:疲労(大)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷
[思考・行動]
0:創世王を殺す。
1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。
2:狭間との契約は守る。
3:キングストーン(太陽の石)を回収する。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※会場の端には空間の歪みがあると考えています。
※空間に干渉する能力が増大しました。
※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。
※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。
※バトルホッパーは近くに停まっています。
※狭間偉出夫とシャドームーンは契約を交わしました。内容は以下の通りです。
シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする)
狭間はシャドームーンの首輪を解除する。
狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。
シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える)
主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。
主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。
主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。
シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする)
狭間はシャドームーンの首輪を解除する。
狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。
シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える)
主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。
主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。
主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。
☆ ☆ ☆
翠星石が目を覚ました時、目の前の景色は大きく移り変わっていた。
物がない荒廃した街中から、大量のモニターが壁に埋め込まれた屋内へと。
照明は設置されているものの頼りなく、モニターが不気味に光っている。
しばらく周囲を見渡していると、自分がソファーに座らされていることに気付いた。
物がない荒廃した街中から、大量のモニターが壁に埋め込まれた屋内へと。
照明は設置されているものの頼りなく、モニターが不気味に光っている。
しばらく周囲を見渡していると、自分がソファーに座らされていることに気付いた。
「やぁ、起きたんだね」
背後から声。
振り向いた先にいたのはV.V.。
一度しか姿は見ていないが、特徴的な外見のため間違えようがない。
振り向いた先にいたのはV.V.。
一度しか姿は見ていないが、特徴的な外見のため間違えようがない。
「V.V.……ッ!」
黒翼を展開して飛翔。
V.V.の頭上を取った後、頭部に掌を翳す。
V.V.の頭上を取った後、頭部に掌を翳す。
「そんなに怒らないでよ、僕は説明しに来ただけなんだから」
「どういうことですか!?」
「君は条件を満たした上で脱出する意思を表明したからね、ちょっと乱暴だったけど脱出してもらったのさ」
「どういうことですか!?」
「君は条件を満たした上で脱出する意思を表明したからね、ちょっと乱暴だったけど脱出してもらったのさ」
長い白髪を地面に引き摺らせながら、V.V.は説明を続ける。
人を小馬鹿にするような口調。
真司の名前を告げられ、翠星石の頭は憤怒に侵されていく。
真司の名前を告げられ、翠星石の頭は憤怒に侵されていく。
「だったら私の願いを叶えるです! 蒼星石達を生き返させやがれです!!」
「ううん、それはで出来ないよ
君は脱出しただけで、殺し合いに優勝したわけじゃない
願いを叶える権利があるのは、殺し合いに優勝した人だけなんだ」
「黙るです!!!」
「ううん、それはで出来ないよ
君は脱出しただけで、殺し合いに優勝したわけじゃない
願いを叶える権利があるのは、殺し合いに優勝した人だけなんだ」
「黙るです!!!」
叫びと同時に噴射される花弁。
弾丸の如き速度で床へと到達し、V.V.の周辺を抉り取る。
弾丸の如き速度で床へと到達し、V.V.の周辺を抉り取る。
「次は外さないです、さぁ、さっさとするです!!」
「はぁ……僕は話をしに来ただけなんだけどなぁ……」
「はぁ……僕は話をしに来ただけなんだけどなぁ……」
困ったように溜息を吐くV.V.。
その素振りも憐れむようなもので、翠星石の怒りは更に募っていく。
その素振りも憐れむようなもので、翠星石の怒りは更に募っていく。
「翠星石への説明は私がしましょう……」
V.V.の背後から現れる新たな来客。
ローゼンメイデン第七ドール・薔薇水晶。
ローゼンメイデン第七ドール・薔薇水晶。
「V.V.は休んでてください」
「うん、そうさせてもらうね」
「うん、そうさせてもらうね」
踵を返して、部屋から立ち去ろうとするV.V.。
逃すわけがない。
庭師の鋏を召喚し、V.V.の背中へと急降下。
一瞬で肉薄し、開いた鋏をV.V.の首に伸ばす。
逃すわけがない。
庭師の鋏を召喚し、V.V.の背中へと急降下。
一瞬で肉薄し、開いた鋏をV.V.の首に伸ばす。
そのまま閉じようと力を込めるが、刃は閉まらない。
内側に水晶が挟まれ、支え棒の役割を果たしていた。
内側に水晶が挟まれ、支え棒の役割を果たしていた。
「待ちやがれです!」
翠星石は叫ぶが、V.V.は振り向かない。
自動扉を潜り、そのまま立ち去ってしまう。
自動扉を潜り、そのまま立ち去ってしまう。
「よくも邪魔したですね……絶対に許さねぇですよ!」
さらに力を込めることで、挟み込まれた水晶を強引に砕く。
間髪入れずに腕を伸ばし、薔薇水晶の首に鋏を宛てがった。
間髪入れずに腕を伸ばし、薔薇水晶の首に鋏を宛てがった。
「その鋏で、どうするの?」
「決まってるです! 滅多刺しにした後、身体を細切れにして……ッ!?」
「決まってるです! 滅多刺しにした後、身体を細切れにして……ッ!?」
激情に任せて言葉を吐き出し、途中で止める。
遅れるようにやってきた悪寒は、瞬く間に全身を支配していく。
耐え切れずに鋏を下ろし、背後へと後退る。
自らの口から漏れ出た血腥い言葉に、言いようのない恐怖を覚えたのだ。
これではまるで――――
遅れるようにやってきた悪寒は、瞬く間に全身を支配していく。
耐え切れずに鋏を下ろし、背後へと後退る。
自らの口から漏れ出た血腥い言葉に、言いようのない恐怖を覚えたのだ。
これではまるで――――
「では、乗るのですね……アリス・ゲームに」
「ち、ちが……ッ!」
「ち、ちが……ッ!」
薔薇水晶の言う通り、アリス・ゲームに乗っているようではないか。
「乗っていないのなら、どうして貴女はローザミスティカを四つも持ってるの?」
薔薇水晶の詰問に言葉を詰まらせる翠星石。
彼女の中には、他の姉妹のローザミスティカがある。
手を掛けたのは他の参加者だが、ローザミスティカが眠っている事実は変わらない。
彼女の中には、他の姉妹のローザミスティカがある。
手を掛けたのは他の参加者だが、ローザミスティカが眠っている事実は変わらない。
「それに、もう一人殺してるじゃないですか」
くすり、と薔薇水晶の顔が歪んだ気がする。
翠星石にとって、最も触れられたくない領域であった。
翠星石にとって、最も触れられたくない領域であった。
「翠星石は……戦いたくなんか……殺したくなんか……」
しかし、反論することができない。
北岡やクーガーとの口論を経て、既に彼女の精神は磨り減っている。
北岡やクーガーとの口論を経て、既に彼女の精神は磨り減っている。
「翠星石は、城戸真司を殺したことを後悔してるの?」
「当たり前です!」
「当たり前です!」
唐突に投げ掛けられる質問。
分かり切っている答えに、翠星石はしきりに首肯する。
分かり切っている答えに、翠星石はしきりに首肯する。
「なら、話は簡単」
「え……?」
「あと、九人」
「何が……九人なんです?」
「え……?」
「あと、九人」
「何が……九人なんです?」
恐る恐るといった様子で尋ねる翠星石。
尋ねた瞬間、彼女は自分が質問の答えを知っているのではないかと気付いた。
故に声が震えているのだ。
耳を塞ごうとするが、既に賽は投げられている。
抑揚のない声で、薔薇水晶は答えを口にした。
尋ねた瞬間、彼女は自分が質問の答えを知っているのではないかと気付いた。
故に声が震えているのだ。
耳を塞ごうとするが、既に賽は投げられている。
抑揚のない声で、薔薇水晶は答えを口にした。
「願いを叶えるため、翠星石が殺さなければいけない人の数」
心が凍り付くように冷えていく。
「お前、何を馬鹿なことを言ってるですか!」
取り繕うように反論の言葉を述べる。
だが、余りにも中身が無い。
妙に白々しい発言であると、放っている彼女自身が思ってしまった。
だが、余りにも中身が無い。
妙に白々しい発言であると、放っている彼女自身が思ってしまった。
狭間偉出夫、北岡秀一、ジェレミア・ゴットバルト、柊つかさ、ストレイト・クーガー、上田次郎、ヴァン、シャドームーン、志々雄真実。
現在の生存者である九人。
狭間の連れて来た四名――――狭間、北岡、ジェレミア、つかさ。
彼らは後から現れた癖に、新一や水銀燈の犠牲を踏み躙るような協定を結んだ。
しかも四人が全員危険人物であり、全く信用することができない。
上田やヴァンもその協定に乗った時点で同罪だ。
シャドームーンは考えるまでもなく、志々雄も決して善人では無いだろう。
現在の生存者である九人。
狭間の連れて来た四名――――狭間、北岡、ジェレミア、つかさ。
彼らは後から現れた癖に、新一や水銀燈の犠牲を踏み躙るような協定を結んだ。
しかも四人が全員危険人物であり、全く信用することができない。
上田やヴァンもその協定に乗った時点で同罪だ。
シャドームーンは考えるまでもなく、志々雄も決して善人では無いだろう。
「でも、クーガーは……」
「彼もシャドームーンとの協定に乗ってる、だから変わらない」
「違う! クーガーはあいつらとは違うです!」
「……確かにストレイト・クーガーは違うでしょう」
「彼もシャドームーンとの協定に乗ってる、だから変わらない」
「違う! クーガーはあいつらとは違うです!」
「……確かにストレイト・クーガーは違うでしょう」
薔薇水晶はやけにあっさりと退く。
訝しげに首を傾げるが、不意打ちを掛けるように再び口を開いた。
訝しげに首を傾げるが、不意打ちを掛けるように再び口を開いた。
「むしろ彼らよりよっぽど酷い、翠星石は騙されてる」
目を丸くする翠星石。
クーガーに、騙されている。
脈絡もない言葉なのに、翠星石は聞き行ってしまう。
クーガーに、騙されている。
脈絡もない言葉なのに、翠星石は聞き行ってしまう。
「シャドームーンと協力するのは分かる……でも、狭間偉出夫達と協力するのは何故?
狭間偉出夫も、北岡秀一も、ジェレミア・ゴットバルトも、柊つかさも
他の参加者を襲ってる……危険な人達
ストレイト・クーガーは……それを伝えてない」
狭間偉出夫も、北岡秀一も、ジェレミア・ゴットバルトも、柊つかさも
他の参加者を襲ってる……危険な人達
ストレイト・クーガーは……それを伝えてない」
薔薇水晶の指摘で気付かされる。
確かに話し合いの際、クーガーは狭間達が危険人物である可能性に一切触れていない。
シャドームーンや真司ばかりを抽出し続けた。
狭間やジェレミアへの嫌疑は微弱であるものの、北岡に関しては確かな証拠が上がっている。
北岡に関しては疑いようもないだろう。
その北岡の仲間なら、他の三人の余罪もあるかもしれない。
そして、クーガーは狭間達の仲間のように振舞っていた。
確かに話し合いの際、クーガーは狭間達が危険人物である可能性に一切触れていない。
シャドームーンや真司ばかりを抽出し続けた。
狭間やジェレミアへの嫌疑は微弱であるものの、北岡に関しては確かな証拠が上がっている。
北岡に関しては疑いようもないだろう。
その北岡の仲間なら、他の三人の余罪もあるかもしれない。
そして、クーガーは狭間達の仲間のように振舞っていた。
「じゃあ、クーガーは……」
「そう、ストレイト・クーガーは……狭間偉出夫の仲間」
「そう、ストレイト・クーガーは……狭間偉出夫の仲間」
クーガーは狭間達の仲間なら、何故翠星石を騙したのか。
そんなこと決まっている。
一人では倒せない主催陣営やシャドームーンの打倒に協力させるためだ。
そんなこと決まっている。
一人では倒せない主催陣営やシャドームーンの打倒に協力させるためだ。
「じゃあ、翠星石はもうひとりぼっち……」
今になって、北岡の暴言が心を抉る。
真司が死んだ時点で、翠星石は孤独になっていたのだ。
真司が死んだ時点で、翠星石は孤独になっていたのだ。
「違う……翠星石はひとりぼっちじゃない」
「え……?」
「翠星石には、私がいる」
「え……?」
「翠星石には、私がいる」
薔薇水晶が両手を広げる。
ぎこちない笑顔を浮かべながら、翠星石を抱き締めるように大きく。
ぎこちない笑顔を浮かべながら、翠星石を抱き締めるように大きく。
「たった七人の姉妹、どうして嫌いになれるですか」
新たに言葉を放つ薔薇水晶。
それは、総合病院で翠星石が水銀燈に放った言葉。
それは、総合病院で翠星石が水銀燈に放った言葉。
よくよく考えてみれば、翠星石は薔薇水晶のことをよく知らない。
真紅から話を聞いただけだし、一時間前に会ったばかりである。
それだけで敵と断定するのは、余りにも酷ではないだろうか。
真紅から話を聞いただけだし、一時間前に会ったばかりである。
それだけで敵と断定するのは、余りにも酷ではないだろうか。
「世界の全てが翠星石を裏切っても……私だけは貴女の味方」
「薔薇水晶……」
「だから……私と共に戦いましょう」
「薔薇水晶……」
「だから……私と共に戦いましょう」
一歩ずつ、前へと。
薔薇水晶の腕の中へ飛び込もうとする。
その、瞬間だった。
薔薇水晶の腕の中へ飛び込もうとする。
その、瞬間だった。
――――翠星石さん! 待っていてください!!
耳の奥底で。
――――必ず、必ず、貴女を迎えに行きます!!
クーガーの叫び声が聞こえた気がしたのは。
「……どうしたの?」
抱き締める直前で後退った翠星石を訝しむ薔薇水晶。
小さな顔を可愛らしく横に倒している。
小さな顔を可愛らしく横に倒している。
「す、少し考えさせて欲しいです!」
動揺を隠すように、翠星石ははにかみ笑いを浮かべる。
理由は分からないが、咄嗟にそう言い放っていたのだ
理由は分からないが、咄嗟にそう言い放っていたのだ
「……そう」
薔薇水晶は残念そうに顔を伏せている。
その仕草に心が痛めるが、すぐに決断するべきことではない。
少しは考える時間があってもいいだろう。
その仕草に心が痛めるが、すぐに決断するべきことではない。
少しは考える時間があってもいいだろう。
「決めるのは翠星石……私は待ってる」
穏やかな口調で薔薇水晶は語る。
「でも、その前に、渡したい物がある」
「何ですか?」
「脱出の褒章……きっとこの子も翠星石と一緒の方がいいと思うから」
「何ですか?」
「脱出の褒章……きっとこの子も翠星石と一緒の方がいいと思うから」
薔薇水晶の身体が淡い光を放ち始める。
それを見つめる翠星石。
光は彼女の胸部へと集合し、強い輝きに変化。
そして発芽するように胸部から小さな欠片が解き放たれ、翠星石の身体へと吸い込まれた。
それを見つめる翠星石。
光は彼女の胸部へと集合し、強い輝きに変化。
そして発芽するように胸部から小さな欠片が解き放たれ、翠星石の身体へと吸い込まれた。
「これは……雛苺のローザミスティカ!?」
薔薇水晶が差し出したのは雛苺のローザミスティカ。
身体の中で五つのローザミスティカが共鳴する。
にわかには信じ難いが、これが雛苺のローザミスティカであることは間違いない。
身体の中で五つのローザミスティカが共鳴する。
にわかには信じ難いが、これが雛苺のローザミスティカであることは間違いない。
「まさか、お前」
「誤解しないで……雛苺はもう脱落してたの」
「誤解しないで……雛苺はもう脱落してたの」
薔薇水晶は語る。
過去に雛苺は真紅に敗退し、彼女の軍門に下った。
そうすることでローゼンメイデンで在り続ける道を選んだのだ。
だが、真紅は死んだ。
それで雛苺もアリスゲームに敗退したと判断され、機能停止したのである。
過去に雛苺は真紅に敗退し、彼女の軍門に下った。
そうすることでローゼンメイデンで在り続ける道を選んだのだ。
だが、真紅は死んだ。
それで雛苺もアリスゲームに敗退したと判断され、機能停止したのである。
「それでnのフィールドを彷徨っていたところを……私が預かった」
「そうだったんですか、疑って悪かったです」
「そうだったんですか、疑って悪かったです」
雛苺が敗退しているのは知っていたし、三人も脱落した現状となっては有り得ない話ではない。
薔薇水晶の説明は十分に納得のできるものだった。
薔薇水晶の説明は十分に納得のできるものだった。
「それじゃあ翠星石……また、なにかあったら呼んで」
背を向ける薔薇水晶。
正面にあった自動扉が開き、薄暗い廊下が顕になる。
ヒールの足音を響かせながら、薔薇水晶は去っていった。
正面にあった自動扉が開き、薄暗い廊下が顕になる。
ヒールの足音を響かせながら、薔薇水晶は去っていった。
「あ……」
薔薇水晶を呼び止めようとして、声が出ない。
寂しさが込み上げてくるが、ぐっと胸の中に仕舞い込んだ。
寂しさが込み上げてくるが、ぐっと胸の中に仕舞い込んだ。
薔薇水晶の申し出はとても魅力的なものだった。
にも関わらず、何故か断っている自分がいた。
クーガーの声が聞こえたからなのか。
しかし、クーガーとの共闘も正しいものとは思えない。
もはや何が正しいのか分からない。
にも関わらず、何故か断っている自分がいた。
クーガーの声が聞こえたからなのか。
しかし、クーガーとの共闘も正しいものとは思えない。
もはや何が正しいのか分からない。
「どうすれば、いいですか……」
呟いた言葉は、薄暗い部屋の静寂の中で霧散した。
☆ ☆ ☆
薄暗い廊下に響き渡るハイヒールの足音。
寸分の狂いもなく、常に一定の間隔でそれは刻まれている。
足音の主は薔薇水晶。
美麗な顔に無表情を貼り付けながら、片目だけで目前を見据えている。
寸分の狂いもなく、常に一定の間隔でそれは刻まれている。
足音の主は薔薇水晶。
美麗な顔に無表情を貼り付けながら、片目だけで目前を見据えている。
「よお」
暗闇から音もなく現れる影。
それだけでも恐怖に値する上、その影は全身に包帯を巻いた異形。
一般人なら卒倒しかねないが、薔薇水晶は表情すら崩さない。
それだけでも恐怖に値する上、その影は全身に包帯を巻いた異形。
一般人なら卒倒しかねないが、薔薇水晶は表情すら崩さない。
「なかなか面白いもんを見せてもらったぜ」
包帯の合間にある口を薄く笑わせながら、志々雄は悠然とした口調で話し掛ける。
「ああいうのを迫真の演技って言うのか? なぁ、ローゼンメイデン第七ドールさんよ」
皮肉交じりの志々雄の言葉を受けても、薔薇水晶は眉一つ動かさない。
そう、薔薇水晶はローゼンメイデンでは無い。
本来のローゼンメイデン第七ドールは雪華綺晶という名前である。
なら、彼女は何者なのか。
ローゼンメイデンを越えるため、ローゼンの弟子である槐が作り上げた人形。
つまりは贋作なのである。
そう、薔薇水晶はローゼンメイデンでは無い。
本来のローゼンメイデン第七ドールは雪華綺晶という名前である。
なら、彼女は何者なのか。
ローゼンメイデンを越えるため、ローゼンの弟子である槐が作り上げた人形。
つまりは贋作なのである。
「黙りか、せっかく協力してやったんだから少しは話してもいいんじゃねぇのか?」
「貴方にはサバイブを試す場所をあげた……それでおあいこ」
「貴方にはサバイブを試す場所をあげた……それでおあいこ」
これこそが志々雄が協力した理由。
新たな切り札を渡された志々雄は、それで試し切りをしたくなったのだ。
いずれV.V.を出し抜くことを画策している志々雄。
自らがどの程度の力を有しているか把握するため、自らの力を推し量る戦場が必要だったのだ。
それを考えていた時、薔薇水晶に話を持ち掛けられたのである。
新たな切り札を渡された志々雄は、それで試し切りをしたくなったのだ。
いずれV.V.を出し抜くことを画策している志々雄。
自らがどの程度の力を有しているか把握するため、自らの力を推し量る戦場が必要だったのだ。
それを考えていた時、薔薇水晶に話を持ち掛けられたのである。
「サバイブは悪くねぇ、刀を折っちまったのが残念だがな」
「そう、私はこれで……」
「おいおい待てよ」
「なに? 私に用は無い」
「当ててやろうか?」
「何を?」
「お前が俺に力を借りてまで、翠星石を誘拐した理由」
「そう、私はこれで……」
「おいおい待てよ」
「なに? 私に用は無い」
「当ててやろうか?」
「何を?」
「お前が俺に力を借りてまで、翠星石を誘拐した理由」
威勢よく言葉を紡ぎ続ける志々雄。
対する薔薇水晶は無口。
数秒の間、二人の視線が交差する。
沈黙を肯定と判断したのか、志々雄は再び口を開いた。
対する薔薇水晶は無口。
数秒の間、二人の視線が交差する。
沈黙を肯定と判断したのか、志々雄は再び口を開いた。
「翠星石の中にあるキングストーンが、シャドームーンの手に渡ることを恐れたからだろ?」
シャドームーンはキングストーンを回収しようとして、ラプラスの魔にそれを妨害されている。
鷹野の独断専行を除けば、これが主催陣営によって初めて行われた参加者への干渉だ。
二つのキングストーンが一箇所に集合することは、主催陣営も恐れているのである。
鷹野の独断専行を除けば、これが主催陣営によって初めて行われた参加者への干渉だ。
二つのキングストーンが一箇所に集合することは、主催陣営も恐れているのである。
「……」
そこまで分かっているのなら仕方がないと言うように、薔薇水晶は首肯する。
彼女の解答に満足したのか、志々雄は満足気に笑う。
彼女の解答に満足したのか、志々雄は満足気に笑う。
「――――それともう一つ」
追撃が訪れる。
「実験だろ?」
志々雄の浮かべていた笑みの真意に気付かされる。
満足気に笑っていたのではなく、薔薇水晶を手玉に取っていたが故の笑みだったのだ。
満足気に笑っていたのではなく、薔薇水晶を手玉に取っていたが故の笑みだったのだ。
「図星って顔してやがるな」
傍に設置された窓に目を移す薔薇水晶。
自身の目が僅かに見張っていることに気付いた。
普通の人間であれば小さな変化だが、感情に乏しい彼女ならば話は別である。
そして、志々雄はそれを見逃すほど愚鈍ではない。
自身の目が僅かに見張っていることに気付いた。
普通の人間であれば小さな変化だが、感情に乏しい彼女ならば話は別である。
そして、志々雄はそれを見逃すほど愚鈍ではない。
「……そこまで気付いているのなら仕方がありません」
観念したように薔薇水晶は自らの真意を語り始める。
「ローザミスティカは元々一つの石
それをは七つに割られ、それぞれのドール達に分けられた
欠片を奪い、一つの石に戻すのが……アリスゲーム」
それをは七つに割られ、それぞれのドール達に分けられた
欠片を奪い、一つの石に戻すのが……アリスゲーム」
薔薇水晶の話を志々雄は黙して聞き続ける。
「でも、翠星石はあれを取り込んでしまった」
「キングストーンか?」
「そう、だから翠星石は強くなった」
「キングストーンか?」
「そう、だから翠星石は強くなった」
キングストーンを取り込んで以降、翠星石は比類なき力を手に入れている。
力も、速さも、能力も、以前とは比べ物にならないだろう。
力も、速さも、能力も、以前とは比べ物にならないだろう。
「ほう、ならアイツから奪い取ってやろうか」
「止した方がいい、あれは危険」
「あぁ?」
「キングストーンは完全な状態のローザミスティカみたいなもの……もしかしたらそれ以上かもしれない」
「止した方がいい、あれは危険」
「あぁ?」
「キングストーンは完全な状態のローザミスティカみたいなもの……もしかしたらそれ以上かもしれない」
キングストーン自体に善悪は無く、純粋な力の源に過ぎない。
そしてその力は、使う者によって大きく変質する。
例えば本来の歴史で南光太郎がゴルゴムを壊滅させた後、クライシス帝国が地球を侵略しようとする。
無論彼は立ち向かったが、仮面ライダーBLACKへの変身機構を破壊された上で宇宙空間に放り出されてしまった。
しかし彼の地球を守りたいという強い意思にキングストーンが応え、太陽光線を浴びることで仮面ライダーBLACK RXへと進化を遂げたのだ。
他にも更なる進化形態を生み出すなど、キングストーンの力は想像に及ばない。
そしてその力は、使う者によって大きく変質する。
例えば本来の歴史で南光太郎がゴルゴムを壊滅させた後、クライシス帝国が地球を侵略しようとする。
無論彼は立ち向かったが、仮面ライダーBLACKへの変身機構を破壊された上で宇宙空間に放り出されてしまった。
しかし彼の地球を守りたいという強い意思にキングストーンが応え、太陽光線を浴びることで仮面ライダーBLACK RXへと進化を遂げたのだ。
他にも更なる進化形態を生み出すなど、キングストーンの力は想像に及ばない。
「翠星石はおそらくキングストーンに耐えられないでしょう」
淡々と告げる薔薇水晶。
アリスになる義務が課せられている以上、翠星石には七つのローザミスティカに耐え得る器がある。
だが、それ以上はどうなのか。
アリスになる義務が課せられている以上、翠星石には七つのローザミスティカに耐え得る器がある。
だが、それ以上はどうなのか。
「今のところ肉体に変化は無い、けど、精神の方には兆候がある」
南光太郎は改造でそれに耐え得る外殻を手にし、強靭な精神力で押さえ込んだ。
しかし、翠星石にそれは出来ない。
器から溢れるほどの力は、暴走に繋がる。
目覚めた直後の記憶喪失や、クーガーとの会話の最中に起きた突然の恐慌がいい例だろう。
既に彼女の精神は、キングストーンの巨大な力に呑み込まれつつある。
しかし、翠星石にそれは出来ない。
器から溢れるほどの力は、暴走に繋がる。
目覚めた直後の記憶喪失や、クーガーとの会話の最中に起きた突然の恐慌がいい例だろう。
既に彼女の精神は、キングストーンの巨大な力に呑み込まれつつある。
「私が翠星石を回収したのは、キングストーンを取り込んでどうなるかを観察するため」
「なるほどねぇ。新しいローザミスティカを取り込ませたのも暴走を早めるためってところか」
「なるほどねぇ。新しいローザミスティカを取り込ませたのも暴走を早めるためってところか」
志々雄の問いに、薔薇水晶は首肯する。
「ククッ……小さい癖して末恐ろしいもんだぜ
だが、一つだけ覚えときな」
だが、一つだけ覚えときな」
喉を鳴らして志々雄は笑う。
「全ての力を手にするのは、この志々雄真実だ
キングストーンも例外じゃねぇ、必ず俺の物にして見せるぜ」
キングストーンも例外じゃねぇ、必ず俺の物にして見せるぜ」
笑い続ける志々雄の顔は、何処までも狂気的なものであった。
【二日目深夜/???】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]庭師の如雨露@ローゼンメイデン、真紅と蒼星石と水銀燈と雛苺のローザミスティカ@ローゼンメイデン、キングストーン(太陽の石)@仮面ライダーBLACK(実写)
ローゼンメイデンの鞄@ローゼンメイデン、庭師の鋏@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、真紅のステッキ@ローゼンメイデン、情報が記されたメモ、確認済支給品(0~1)
[状態]首輪解除済み
[思考・行動]
0:???
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※ローザミスティカを複数取り込んだことで、それぞれの姉妹の能力を会得しました。
※キングストーンを取り込んだことで、能力が上がっています。
またキングストーンによる精神への悪影響が見られ、やがて暴走へ繋がる危険性があります。
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]庭師の如雨露@ローゼンメイデン、真紅と蒼星石と水銀燈と雛苺のローザミスティカ@ローゼンメイデン、キングストーン(太陽の石)@仮面ライダーBLACK(実写)
ローゼンメイデンの鞄@ローゼンメイデン、庭師の鋏@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、真紅のステッキ@ローゼンメイデン、情報が記されたメモ、確認済支給品(0~1)
[状態]首輪解除済み
[思考・行動]
0:???
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※ローザミスティカを複数取り込んだことで、それぞれの姉妹の能力を会得しました。
※キングストーンを取り込んだことで、能力が上がっています。
またキングストーンによる精神への悪影響が見られ、やがて暴走へ繋がる危険性があります。
【志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]:サバイバルナイフ@現実、ヒノカグツチ@真・女神転生if...、サバイブ(烈火)@仮面ライダー龍騎
[所持品]:支給品一式×3、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)、確認済み支給品0~3(武器ではない)、林檎×8@DEATH NOTE、鉄の棒@寄生獣
マハブフストーン×4@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)、工具@現実(現地調達)、首輪の残骸(銭形のもの)、首輪解除に関するメモ
[状態]:各部に軽度の裂傷、首輪解除済み
[思考・行動]
1:ぶいつぅの掌の上にいる。(飽きるまで)
2:気が向いたらガリア王国のジョゼフを持て成す。
3:可能なら武田観柳を利用する。
4:翠星石の中のキングストーンが欲しい。
[備考]
※クーガー、C.C.、真司らと情報交換をしました。ギアスとコードについて情報を得ました。
[装備]:サバイバルナイフ@現実、ヒノカグツチ@真・女神転生if...、サバイブ(烈火)@仮面ライダー龍騎
[所持品]:支給品一式×3、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)、確認済み支給品0~3(武器ではない)、林檎×8@DEATH NOTE、鉄の棒@寄生獣
マハブフストーン×4@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)、工具@現実(現地調達)、首輪の残骸(銭形のもの)、首輪解除に関するメモ
[状態]:各部に軽度の裂傷、首輪解除済み
[思考・行動]
1:ぶいつぅの掌の上にいる。(飽きるまで)
2:気が向いたらガリア王国のジョゼフを持て成す。
3:可能なら武田観柳を利用する。
4:翠星石の中のキングストーンが欲しい。
[備考]
※クーガー、C.C.、真司らと情報交換をしました。ギアスとコードについて情報を得ました。
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シャドームーン | ||
狭間偉出雄 | ||
北岡秀一 | ||
柊つかさ | ||
ジェレミア・ゴットバルト | ||
薔薇水晶 | ||
志々雄真実 | ||
翠星石 | ||
161:第四回放送 | V.V. |