今後ともよろしく

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今後ともよろしく  ◆y6S7Lth9N6



『出来る事なら、もう一度こうやって僕の声を聞けるようにね』
 魔神皇こと狭間偉出夫は天から降り注ぐ幼い声を聞いても足をとめることはなかった。
 メモをとらない理由はただ一つ。優れた頭脳をもつハザマは死者の名前も禁止エリアの位置もすべて脳内に収めたからだ。
 足首を覆う程度の雑草が生い茂る獣道を歩き、周囲を照らし始めた朝日に顔をしかめながらもハザマは進む。
 六時間で死者が十六人もいることは特に気を止める事項ではない。
 人間を超えて魔神皇となったハザマにとって、人間など唾棄すべき存在なのである。
 もっとも、それは彼がかつてクラスメイトに存在を無視され、イジメられていたことに起因するのだが。
 本人は決してそのことを認めはしない。
 屈辱に満ちた日々は忘れた。ここにいるのは神の力を得た存在なのだから。
 そのハザマを倒した憎い相手、蒼嶋以外の人間に気をかけることなどハザマにはない。
 もっともハザマが蒼嶋にこだわるのは、隠しておきたい自分の過去と弱さを知っていることが大きい。
 かつてアモンを封印したように、自分の心内を知るものは生かしておけない。ハザマの器の狭さの証明であった。
 ふと、力を手に入れた日に聞こえたあの声がハザマの脳裏に蘇る。
『そなたはなにもかも捨てて、無理矢理に冷酷さを装おうとしておるな。心の奥では、なにかを信じようと道を探しておるだけだ』
 くだらない。なぜいまさら思い出すのか、ハザマは見当もつかなかった。
 わけのわからない苛立ちに任せたまま足を進めるハザマは、偶然その存在を発見した。


「ジャンクは嫌よ……」
 涙を流しながら、叫ぶ力もなくつぶやくのは黒いゴシックロリータの服装に身を包んだ人形。
 銀色の腰まで届くロングヘアが背中の黒い翼と対になっている。
 整った顔立ちは完璧でなく、右眼を失っていた。欠けた眼球を右手の平に乗せて、水銀燈は身体を震わせていた。
『おはよう、皆』
 水銀燈の様子など構いはしない、とでも言いたげに放送は続く。
 余裕のない水銀燈は放送などを無視して、欠けた眼球を繋ぎ合わせようと必死である。
 右眼を喪失しジャンクになり、愛する父親(ローゼン)に嫌われるかもしれない、という恐怖心を抱えた水銀燈の哀れな行動。
 その水銀燈をあざ笑うかのように、疲労しきった心へ衝撃を放送は与えた。
『真紅』
「え――――?」
 告げられた名前に、薔薇のように赤い衣装を着る第五ドールの後ろ姿が水銀燈の脳裏に浮かんで消えた。
 腕が震えて先ほど告げられた名前をもう一度つぶやく。
 水銀燈は悲しみとも、怒りとも判断のつかない感情が表情に現れた。
 ジャンクになるという恐怖心が薄らいだのだが、水銀燈はそのことに気づかない。
「なん――で――ッ!」
 自分に断りもなく勝手に死んだのか、と理不尽な言葉を水銀燈は発した。
 水銀燈は真紅に対しては複雑な感情を抱いている。
 アリスゲームを教えなかった彼女に、歩き方を教えてくれた彼女に、愛を超えた憎しみが深く心にこびりついている。
 独占欲と似た感情が、真紅を壊すのは自分の役割だと水銀燈に刷り込ませていた。
 未来にて薔薇水晶の攻撃から真紅を庇ったように。
「真紅のローザミスティカ……誰にも渡すものですか」
 地獄の底から響くような声が、水銀燈から漏れ出した。
 それは真紅のローザミスティカを見るまでは死を信じない、という宣言に似ている。
 それにローザミスティカの力があれば、右眼を修復してアリスへの道を開けるかもしれない。
 僅かな希望と、胸の中で燃え上がるドス黒い感情に身を任せて水銀燈はユラリ、と幽鬼の如く立ち上がった。
 死体からデイパックを奪い瞳に力を取り戻す。
「なかなかいい覚悟だ」
 手の平を打ちあわす、拍手の音ともに水銀燈の耳朶を打つ陰鬱な声の主を前にして、水銀燈は己の迂闊さを呪う。
 振り向くと白い学生服に黒い髪の端正な少年が拍手の体勢で水銀燈を観察していた。


 ハザマは警戒をしながら後ずさり、構えをとろうとする水銀燈を前に右手を突き出す。
 離れきるのも、攻撃を仕掛けるのも間に合わない間合いだ。
 ハザマの端正な顔が口角をあげると同時に魔神皇としての力ではなく、自身が手に入れた魔法の名をつぶやいた。
「ディアラハン」
 ハザマの低くどこか鬱屈しているような声が響くと同時に、水銀燈の手の平の眼球がつながる。
 完璧といっていい少女の綺麗な顔たちの傷が僅かに修復され、ヒビが入っている紫水色の瞳は元の位置に収まっていた。
 戸惑う水銀燈の前に、ハザマはイタズラが成功した子供のような表情を浮かべた。
 同時に疑問も浮かぶ。
 ディアラハンはかけた相手を自分他人関わらず完治する強力な魔法である。
 かかりが中途半端な上、ハザマ自身の体にかかる負担が増していた。
 まあ、それは置いておきハザマは口を開く。
「ふむ、私の魔法でもここまで制限を加えられているのか。なるほどな」
「あなた……いったいどういうつもり?」
 警戒心をあらわに睨みつけてくる水銀燈を哀れに思う。
 ハザマは目の前の存在が人ならざる者だととっくに見抜いている。
 だからこそ久しぶりに、

「私は魔神皇、狭間偉出夫。魔界を支配するものだ。人ならざる者よ、私の力を体現したはずだ。
私と契約を結び力を貸すというのなら、さらなる奇跡をもってその傷を癒してやる。私に従え」

 傲慢で下手くそな悪魔交渉を行ってみることにした。


 ギリッ、と水銀燈は歯を鳴らしてすました顔のハザマを睨みつける。
 たった一人しか生き残れない殺し合いにて、仲間を増やそうとしているハザマの意図を掴めないのが一点。
 ハザマの傲慢な態度に無自覚な同族嫌悪をしているのがもう一点。
 以上二点が気に食わず、水銀燈は美しい顔を歪めて不機嫌を隠さない。
 水銀燈のように相手を絶対服従の状況に陥れるというならまだ理解ができるのだが。
 たまらず水銀燈は訊ねた。
「どういうつもり?」
「ただの気まぐれだ」
「気まぐれ……? 面白くない冗談ねぇ。この殺し合いで生き残れるのはたった一人なのよ、おバカさぁん」
 水銀燈の挑発を受けながらも、ハザマの表情は憎たらしい笑みをやめない。
 むしろ馬鹿にしたような感情が追加された気すらする。
 苛立つ水銀燈を前にハザマは続きを告げ始めた。
「殺し合いか、くだらないな」
「くだらない?」
「魂も輪廻も時間もすべて私のものだ。死などさして重要ではない。生きるも死ぬも私の手にかかれば自由自在」
 演技がかかった物言いがますます気に入らない。
 自分に酔ったような仕草でハザマは距離を詰めてきた。
「力を制限する結界など、この私には障害にもならない。邪魔するものはすべて排除すればいい。あのV.V.とかいう奴を含めてな。
それまでこの私に従えば君にもいい目をみせてやってもいい。どうする? 呪いの人形」
 最後まで尊大な態度を崩さず、水銀燈に言葉をかけ続けていた。
 ハザマの目を見つめて、水銀燈は一つ悟った。こいつは自分を見下している。
 水銀燈自身などどうとでもできると考えているのだ。だからこそ、組むことすら躊躇わない。
 水銀燈に自分を殺せると思っていないのだから。たいした自信だ。あの魔法とやらを考えると、相応の力があると考えるべきだ。
 普段の水銀燈なら、それでもハザマを拒絶しただろう。誇り高き「ローゼンメイデン」シリーズの第一ドールである。
 糧以外になりえない人間に見下され、呪いの人形などと暴言を吐かれるなど許せるはずがない。
 だが、水銀燈にはこの屈辱に耐えなければならない理由があった。そっと右眼周辺を白い手でなでる。
 ハザマによってある程度癒されたとはいえ、まだ傷は残っている。
 アリスは完璧な少女でなければならない。他のドールのローザミスティカを手に入れても修復される保証はない。
 逆にハザマが力を取り戻してもう一度先ほどの魔法をかけてもらえば、確実に傷は修復される。
 奥歯を強くかみしめ、水銀燈は返事をする。
「いいわぁ。アナタと手を組みましょう」
「賢い選択だ」
「けど、私はアナタをミーディアムにする気はない。そんなのごめんよ」
「ミーディアム……? まあ、構いはしない。今後ともよろしく」
「それと、二度と呪いの人形なんていわないで。……私はローゼンメイデンシリーズの第一ドール、水銀燈よ。ハザマ……」
 水銀燈が自分の名を明かしながら屈辱に耐える。ミーディアムにしないのは、せめてもの抵抗だ。
 ハザマは水銀燈の健気な様子を愉快そうに見ていた。
 ただし、

「水銀燈!!」

 スザクが現れた瞬間、ハザマの表情が少しだけうろたえる。
 その様子に疑問に思いながらも、ハザマの表情に水銀燈は僅かに溜飲を下げてスザクへ振り向いた。
 日本武者の鎧に金髪のかつらを着けたスザクの姿は、確かにうろたえるものがあったと後に水銀燈は語ることになる。


ルルーシュ・ランペルージ
「え――――?」
 水銀燈を探そうとはやる気持ちを抑えて、スザクがメモを取っていたときその名前は告げられた。
 そういうこともある、と覚悟しいたはずなのに名が呼ばれるとハンマーで殴られたような衝撃がスザクにはあった。
 高良みゆきの名が呼ばれたときはチクリ、と心が痛んだ。
 水銀燈への愛を持ってどうにか心の痛みを抑えれたところ、ルルーシュの名前が呼ばれたのである。
「ル――――」
 スザクはその名前を言葉にしようとして、途中で霧散する。
 感情が思考に追いついていない。
 スザクは自分の心を落ち着かせるように言い聞かせた。
 ルルーシュは裏切り者だ。スザクを騙し、ゼロとして人々を不幸に陥れ、ユフィとシャーリーを殺した。
 特に彼の妹であるナナリーすらに嘘をついていたことはもう二度と友と思うものか、と誓ったほどである。
 ルルーシュは絶縁を言い渡した裏切り者。大切な人たちを奪った罪人。だからスザクはあいつの死を悲しまない。
 そう必死で言い聞かせているのに、スザクは両の眼から溢れる涙を止めることができなかった。
「どう……して……俺は…………」
 涙が溢れるのだろう。その言葉は形にならず空へ消える。
 格好が鎧武者のなり損ないであっても、金髪のかつらをかぶっていても、今のスザクは痛々しさがあった。
(なんで死んだんだよ……)
 あのずるがしこいルルーシュが死を装ったのではないか、とも考えてみた。
 現実味が薄い。この殺し合いの手がかかりは0といっていい。
 いくらなんでもその状況で、ルルーシュが逆転の手を打てるはずがない。
 放送が偽りではないか、とも考えてみた。
 もっともくだらない考えとすぐに切って捨てる。なにせスザクが殺した高良みゆきはちゃんと呼ばれたのだ。
 偽りであるはずがない。
 スザクは声を押し殺して泣き続ける。ルルーシュを殺す決意すらしたのは一度や二度ではない。
 それでも、実際親友と心を許した相手の死はとても重い。
 それは今でもスザクが死んだユーフェミアに負けないくらい、ルルーシュが大切であったことの証であった。


 どれくらい泣いていただろうか。スザクは顔を上げて涙をぬぐった。
「俺には……僕には……やることがある……」
 悲しんではいられない。最愛の水銀燈は一人なのだ。
 彼女を守れるのは自分だけだ。もうユフィのように大切な人が死ぬのは嫌なのだ。
 スザクはしっかり地面を踏んで立ち上がる。
 水銀燈を守ると決意したさい、思い浮かんだのはユーフェミアだけでなくルルーシュの顔もあったが気づいていない。いや、気づかないふりをした。
 死んだとしても彼は許せないことをした。スザクはいまだ頑固にそう考えている。
 赤く腫れあがった両眼に水をかけて、スザクは走り出した。
 ショックが大きすぎて自分の奇妙な格好には気づけてはいない。
 加速を続けて風を切る感覚のままスザクは必死に水銀燈を探し出す。
 すでに朝日は昇り、周囲は光に満ちていた。その中、夜の漆黒をまとったような銀髪の少女を見つけ出す。
 スザクの胸に甘酸っぱい感情が満ちて、彼女の名前を呼んだ。
「水銀燈!!」


 スザクが現れたことにハザマが動揺しているのは、別に珍妙な格好だけが原因ではない。
 水銀燈が人間と組んでいたとは思っていなかった。
 ハザマは力を欲した経歴からわかるように、極度の人間嫌いである。
 むしろそれは他人に対する恐怖心があったのだが、自ら手に入れた魔神皇の力で傷つける側に反転している。
 とにかく極端な男だ。
「よかった、水銀燈が無事……その目は……」
「それよりもあなたの格好をどうにかした方がいいわ」
「あ、ごめん。水銀燈、君の……」
 ハザマは距離をとって見覚えのある鎧とかつらを脱ぎ捨てるスザクと呼ばれた少年を見つめていた。
 歳は自分と同じくらい。癖の強い茶に近い黒髪。意志の強そうな眉と瞳。
 線の細い身体だが程よく鍛えられている。ハザマが嫌うタイプである。
 同時になんらかのチャームを受けていることにも気づいた。
「この眼? そこの死んでいる男がやってくれたわ……忌々しいぃ」
「水銀燈……痛かったろう……」
「大丈夫よ。今手を組んだハザマが私の傷を癒してくれたわぁ。制限さえ解ければ完全に治してくれるそうよ。あなたも挨拶をして」
 そういってハザマに振られたが、ハザマ自身は嫌そうに顔を歪めた。
 水銀燈と組もうと気まぐれが働いたのは、彼女が彼の知る悪魔に近い存在だからに過ぎない。
 組む約束は破棄しよう。ハザマがそう結論着けたとき、スザクは目の前にいた。
 ハザマは驚愕する。視線を外したのは数瞬にも満たない。その隙に近づいたというのなら、驚異的な運動能力だ。
 スザクの手が動いた。ハザマが警戒していると、空いた右手の平をスザクの両手が握っていた。

「ありがとう! 君のおかげで水銀燈は助かった……本当にありがとう!」

 その熱烈な感謝にハザマは言葉を失った。強力なチャーム状態とはいえ、ここまで感謝を示す相手にハザマは今まで出会えなかった。
 ハザマが口下手なのもあったが、とにかく出会いに恵まれない男だったのだ。
 その彼が礼をいわれて固まるのも当然である。
「僕は枢木スザク。ハザマさん……だっけ? これからもよろしく」
「…………狭間偉出夫。呼び捨てでいい」
 ムスッとしたままのハザマに、スザクが握手を続けた。思わず魔神皇としてではなく、素で対応してしまう。
 スザクがいるから契約はここまでだ、と告げようとしたのに言葉にならない。
 ハザマが言葉にするより早く、スザクが好意をぶつけてきたからだ。
「それじゃあ、イデオ。君はこの殺し合いに知り合いはいるのか? さっきの放送で知り合いは呼ばれた?」
「いっぺんに質問するな。失礼な奴だ」
「ああ、確かに。ごめん」
 スザクが申し訳なさそうな顔をするが、ハザマの胸は少しだけもやもやした。
 別に他人に好かれる気はない。ならばスザクを利用してやってもいいか、とハザマが思いついたところでスザクがめげずに提案を始める。
「そういえばお腹すいてきたね。水銀燈、イデオ、いったん休もう。しっかり食べないとこれからがきつい。それでいいか?」
 水銀燈が頷くのが見える。ハザマが勝手に決めるな、と反抗しようとしたが、スザクが先を促す。
 毒気を抜かれ、まあ利用できるまで利用すればいい、とハザマは腹を決める。
 どうにもペースが崩されるのだが、ハザマが戸惑っているのもまもなく食事の場所を確保された。


 水銀燈はスザクによってペースを崩されるハザマを見つめて、ほくそ笑む。
 溜まっていた苛立がスゥーッと解消されるのを感じていた。
 ハザマが水銀燈に向けていた絶対の自信は、スザクに対してはない。
 これは僥倖だ。スザクは水銀燈の言いなりだ。
 約束を反故にされる可能性を減らすように進める。
 スザクはこの期に及んで新しい利用方法を持ち出してくれた。
(そうよ、いつまでもあんな人間風情にいいようにさせるものですか……)
 暗い感情が水銀燈の胸に宿る。ハザマに主導権を譲る形になってしまったが、このままで終わる気はない。
 契約を結ぶことは避けた。ハザマもそのことは同意した。
 ハザマを屈服させる逆転の目はある。
(そのためにも真紅、アナタのローザミスティカを私が奪う。誰にもアナタのローザミスティカを渡さない!)
 愛にも似た執着と憎悪。水銀燈の暗い炎が燃え盛る。
 利用すべき人間二人を視界に、彼女は進んだ。


 空元気を水銀燈に悟られなくて、スザクはホッとした。
 水で顔を洗って顔は少しマシになったものの、心はいまだ晴れてはいない。
 裏切り者の元親友。保護すべきナナリーの兄。悪夢のテロリスト・ゼロ。ユーフェミアも含めて多くの人を殺した罪人。
 憎むべきだ。死をもってしてもルルーシュのもたらしたことは重すぎる。
 なのに悲しんでしまった。
 スザクはもうこれ以上ルルーシュのことで悲しまない、と決意する。
 水銀燈を助け、彼女を救ってくれるハザマを生かし、そして元の世界でナナリーを助ける。
 水銀燈と一緒になろうとは思わない。彼女を想うが、自分が報われるべきだと考えていないからだ。
 一緒になりたい相手と別れる。それは身を引き裂かれるような、己自身に対する罰だ。
 それはスザク自身の思考ではない。惚れ薬により、なにより恋を優先する思考にねじ曲げられているのだ。
(そして、誰もが笑い合える君の理想の世界を俺が作ってみせる。……ユフィ、ナナリー……ん?)
 ユフィの名前を心中で呟いたとき、僅かな違和感がスザクに宿った。
 この違和感はなんだろうか、と考えるが思いつかない。
 それでもスザクは振り返る。愛しい水銀燈と新たな仲間の狭間偉出夫。二人とともに生き延びる。
 スザクは違和感を心の底にしまい、足を進めた。


 こうして利用するものと、利用される者たちが出会う。
 彼らはそれぞれ似ている部分を持ち、そして明らかに反発する要素を持っていた。
 人の心を操ることを嫌悪するスザクの心を操る水銀燈。
 ジャンクを避けたいという水銀燈の心理を利用する狭間偉出夫。
 ルルーシュの死を誤魔化し、ハザマにストレートな好意を示して戸惑わせるスザク。
 三者三様。
 重なる部分も、異なる部分も飲み込んだ呉越同舟が始まった。


【一日目 朝/D-7 東部】

【水銀燈@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、メロンパン×5@灼眼のシャナ、
     農作業用の鎌@バトルロワイアル、不明支給品0~3(確認済み、武器では無い)
     不明支給品0~2(橘のもの。未確認)
[状態]:右目にヒビ割れ、右眼周辺に傷、深い悲しみと憎悪
[思考・行動]
1:真紅のローザミスティカを得る。
2:スザクを通してハザマを利用する。
[備考]
参戦時期蒼星石のローザミスティカを取り込む前です。
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。


【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]:ワルサーP-38(3/9)@ルパン三世
[所持品]:支給品一式、ゼロの銃(弾丸を一発消費)@コードギアス 反逆のルルーシュ、
    ワルサーP-38の弾薬(11/20)@ルパン三世、日輪の鎧@真・女神転生if...、
    Kフロストヅーラ@真・女神転生if...
[状態]:健康、服が所々こげている、『生きろ』ギアスの効果継続中、惚れ薬の効果継続中
    ルルーシュの死が悲しいが、それを否定。
[思考・行動]
1:水銀燈に従う。
2:ハザマを生かす。
3:ルルーシュの死を悲しまない。
[備考]
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if…】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式、ニンテンドーDS型探知機
[状態]:疲労(小)、精神疲労(中)、人間形態
[思考・行動]
1:蒼嶋駿朔(男主人公)を殺す。
2:水銀燈とスザクを利用する。
3:スザクを相手にするのは勝手が違う。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。


時系列順で読む


投下順で読む


069:BATTLE ROYALE 世界の終わりまで戦い続ける者たち(後編) 水銀燈 114:人形劇
枢木スザク
056:仇敵 狭間偉出夫



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