Calling ◆.WX8NmkbZ6
場に縁が現れた直後。
空飛ぶホウキで戦線を離脱したレナは、他の参加者の姿を探していた。
――助けを呼ばなきゃ。
――ヴァンさんは怪我をしてるんだから、私が何とかしなきゃ。
これまでにレナが出会った参加者は、真紅、後藤、ヴァン、C.C.、ミハエル、東條、縁の七人。
この会場にいる参加者の全てが殺し合いに加わっているわけではない事を、レナは知っている。
同時に殺し合いに加わっている人間が少なくない事も、知っている。
それでも仲間の命が掛かった今、レナは真紅やヴァン、C.C.のような参加者との出会いを信じた。
空飛ぶホウキで戦線を離脱したレナは、他の参加者の姿を探していた。
――助けを呼ばなきゃ。
――ヴァンさんは怪我をしてるんだから、私が何とかしなきゃ。
これまでにレナが出会った参加者は、真紅、後藤、ヴァン、C.C.、ミハエル、東條、縁の七人。
この会場にいる参加者の全てが殺し合いに加わっているわけではない事を、レナは知っている。
同時に殺し合いに加わっている人間が少なくない事も、知っている。
それでも仲間の命が掛かった今、レナは真紅やヴァン、C.C.のような参加者との出会いを信じた。
迷いはあった。
危険人物と遭遇する可能性があったから、ではない。
もし味方になってくれる参加者を発見出来たとしても、本当に助けを求めていいのかを迷っていた。
助けを求めるという事は、戦いに巻き込むという事。
殺し合いが行われている、まず自分の命を守る事を第一としなければならない状況で、それは正しいのか。
仲間を失いたくないという自分の感情一つの為に、他の参加者を危険に晒していいのか。
それでも戦う術を持たないレナには、ホウキを走らせる事しか出来なかった。
危険人物と遭遇する可能性があったから、ではない。
もし味方になってくれる参加者を発見出来たとしても、本当に助けを求めていいのかを迷っていた。
助けを求めるという事は、戦いに巻き込むという事。
殺し合いが行われている、まず自分の命を守る事を第一としなければならない状況で、それは正しいのか。
仲間を失いたくないという自分の感情一つの為に、他の参加者を危険に晒していいのか。
それでも戦う術を持たないレナには、ホウキを走らせる事しか出来なかった。
無我夢中に進んだ先で出会った蒼嶋と千草は、事情を説明すると二つ返事で応えてくれた。
移動している間に行った情報交換も信じて貰えた。
二人はレナの期待した通りの相手だったと言える。
移動している間に行った情報交換も信じて貰えた。
二人はレナの期待した通りの相手だったと言える。
「逃げろと言ったのに……」
「はぅ~……ごめんなさい……」
C.C.の腹に穿たれた傷は出血が止まっており、服に空いた穴よりも少し小さい。
先のC.C.の説明にあったように再生しているのだろう。
いつもはもっと早く復帰するのにとC.C.は違和感を口にするが、レナにしてみれば死ななかったというだけで安堵に足る。
今は二人で戦いの場から離れる事の方が重要だった。
「はぅ~……ごめんなさい……」
C.C.の腹に穿たれた傷は出血が止まっており、服に空いた穴よりも少し小さい。
先のC.C.の説明にあったように再生しているのだろう。
いつもはもっと早く復帰するのにとC.C.は違和感を口にするが、レナにしてみれば死ななかったというだけで安堵に足る。
今は二人で戦いの場から離れる事の方が重要だった。
そして。
レナの思いがもたらした『結果』が、眼前に広がる。
レナの思いがもたらした『結果』が、眼前に広がる。
「ちぃちゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」
C.C.に肩を貸した姿勢のまま。
蒼嶋の叫びを聞きながら。
千草の姿を目に焼き付けながら。
レナは立ち尽くした。
蒼嶋の叫びを聞きながら。
千草の姿を目に焼き付けながら。
レナは立ち尽くした。
▽
千草は手からブラフマーストラを落とし、膝を着く。
――悔しいなあ……。
――せめて一発、あいつを殴りたかったのに。
――せめて一発、あいつを殴りたかったのに。
もう死ぬ。
一度死んだ経験があるせいか、千草は自分の終わりを悟っていた。
――ろくでもないなあ。
――あたし、まだ十五年しか生きてないのに。
何の為に生きていたのか分からないし、何の為に生き返ったのか分からない。
狭くなり始めた視界に、蒼嶋の顔が映る。
わざわざ自分の為に、シャドームーンの攻撃をかいくぐって駆けつけてくれた――そう思うと申し訳なくなる。
一度死んだ経験があるせいか、千草は自分の終わりを悟っていた。
――ろくでもないなあ。
――あたし、まだ十五年しか生きてないのに。
何の為に生きていたのか分からないし、何の為に生き返ったのか分からない。
狭くなり始めた視界に、蒼嶋の顔が映る。
わざわざ自分の為に、シャドームーンの攻撃をかいくぐって駆けつけてくれた――そう思うと申し訳なくなる。
「ねぇ、シュン。
あたし、さ……」
あたし、さ……」
――ねぇシュン……ぶっ飛ばしちゃってよ。
――銀色の奴も、東條も、ブイツーも、こんな下らない事してる連中、みんなみんな。
――あたしの事はもう、いいからさ。
――銀色の奴も、東條も、ブイツーも、こんな下らない事してる連中、みんなみんな。
――あたしの事はもう、いいからさ。
一度あんな死に方をしたのにまた殺し合いに連れて来られて、最悪だと思っていた。
それでも一つだけなら、いい事があった。
それでも一つだけなら、いい事があった。
「シュン……と……」
その言葉の先が紡がれる事はなかった。
ただ霞む視界の中で、蒼嶋がずっと手を離さなかった事だけははっきり覚えている。
少なくとも、独りぼっちで死ぬわけではない。
最初に死んだ時と同じで、最後に一緒にいてくれる誰かがいる。
ただ霞む視界の中で、蒼嶋がずっと手を離さなかった事だけははっきり覚えている。
少なくとも、独りぼっちで死ぬわけではない。
最初に死んだ時と同じで、最後に一緒にいてくれる誰かがいる。
――それがシュンで、よかった。
蒼嶋が気に入らない連中を一人残らずぶっ飛ばして「皆で焼き肉に行こうぜ!」なんて叫んでいる、そんな光景を夢に見る。
夢じゃない、蒼嶋はきっと夢で終わらせない。
そう信じて千草は目を閉じた。
夢じゃない、蒼嶋はきっと夢で終わらせない。
そう信じて千草は目を閉じた。
【千草貴子@バトルロワイアル 死亡】
▽
「冗談よせよ、目を開けろよ、ちぃちゃん……ちぃちゃん……!!」
無防備な姿を晒す蒼嶋を、東條は黙って眺める。
「英雄なんかじゃない」と、否定された。
これからどうすればいいのか、教えてくれる人はどこにもいない。
その混乱の中で、東條の思考に「英雄を倒せば英雄になれるのではないか」という考えがよぎった。
「強い相手に一歩も引かない」から英雄なら、その英雄に「一歩も引かな」ければ英雄。
その歪んだ思想の下に、東條は蒼嶋へと腕を振り下ろす。
「英雄なんかじゃない」と、否定された。
これからどうすればいいのか、教えてくれる人はどこにもいない。
その混乱の中で、東條の思考に「英雄を倒せば英雄になれるのではないか」という考えがよぎった。
「強い相手に一歩も引かない」から英雄なら、その英雄に「一歩も引かな」ければ英雄。
その歪んだ思想の下に、東條は蒼嶋へと腕を振り下ろす。
蒼嶋の頭を叩き割るはずだったその手を掴んで止めたのは、シャドームーンだった。
それまで善戦していたヴァンも白髪の男も、既に倒れ伏している。
「……」
シャドームーンは無言で、その銀色の仮面の上からでは表情を読み取れない。
東條は既にシャドームーンの強さと恐ろしさを見ている。
その上で間近に、思う所の知れないシャドームーンを目にするのは恐怖そのものだった。
だが東條は怯まない。
仲村、香川、沙都子、ミハエル、そして「ちぃちゃん」と呼ばれた女を手に掛けた。
強さを手に入れて英雄に近付いた、その自信があるのだ。
それまで善戦していたヴァンも白髪の男も、既に倒れ伏している。
「……」
シャドームーンは無言で、その銀色の仮面の上からでは表情を読み取れない。
東條は既にシャドームーンの強さと恐ろしさを見ている。
その上で間近に、思う所の知れないシャドームーンを目にするのは恐怖そのものだった。
だが東條は怯まない。
仲村、香川、沙都子、ミハエル、そして「ちぃちゃん」と呼ばれた女を手に掛けた。
強さを手に入れて英雄に近付いた、その自信があるのだ。
裏返せば。
これでもし、強くなっていないのなら。
英雄に近付いていないのなら。
ただの『弱虫』の『卑怯者』なのだとしたら。
これからどうすればいいのか、分からない。
これでもし、強くなっていないのなら。
英雄に近付いていないのなら。
ただの『弱虫』の『卑怯者』なのだとしたら。
これからどうすればいいのか、分からない。
掴まれていない方の手で握ったデストバイザーでシャドームーンを斬り付ける。
しかしシャドームーンはそれをサタンサーベルで容易に止めた。
そして東條の腹に蹴りを入れる。
特に力の籠められていないただの蹴りだが、ライダースーツの上からでもその衝撃は殺されなかった。
シャドームーンがその蹴りの瞬間に東條の手を離すと、東條は十メートル以上吹き飛ばされる。
「ガッ……っぁ……」
差は縮まらなかった。
それを余りに呆気なく、一瞬で思い知らされてしまった。
それでも東條は再び立ち上がる。
(皆、僕の心の中で生きている。
僕が頑張って、会場の皆を救って……英雄に――)
しかしシャドームーンはそれをサタンサーベルで容易に止めた。
そして東條の腹に蹴りを入れる。
特に力の籠められていないただの蹴りだが、ライダースーツの上からでもその衝撃は殺されなかった。
シャドームーンがその蹴りの瞬間に東條の手を離すと、東條は十メートル以上吹き飛ばされる。
「ガッ……っぁ……」
差は縮まらなかった。
それを余りに呆気なく、一瞬で思い知らされてしまった。
それでも東條は再び立ち上がる。
(皆、僕の心の中で生きている。
僕が頑張って、会場の皆を救って……英雄に――)
パキパキ、と音がした。
見れば腰のVバックルに装填したデッキにひび割れが出来ている。
今のシャドームーンの一撃によるものである事は明らかだ。
「あ、ああああ、あ、」
手で押さえて破損を止めようとする。
これまでに『救った』者の顔を思い出しながら。
これから『救う』者の顔を思い浮かべながら。
しかし努力虚しくデッキは砕け散り、変身が解除された。
デストワイルダーの様子が急変する。
見れば腰のVバックルに装填したデッキにひび割れが出来ている。
今のシャドームーンの一撃によるものである事は明らかだ。
「あ、ああああ、あ、」
手で押さえて破損を止めようとする。
これまでに『救った』者の顔を思い出しながら。
これから『救う』者の顔を思い浮かべながら。
しかし努力虚しくデッキは砕け散り、変身が解除された。
デストワイルダーの様子が急変する。
「助けて、助けて仲村君……佐野君――」
追い掛けてくるデストワイルダーに、東條は大切な人達の名前を呼びながら逃げ惑う。
助けてくれる人が、いない。
レナとC.C.が気を失った面々を連れて逃げる背中が見えた。
シャドームーンも最早、こちらへの興味を完全に失ったようだった。
助けてくれる人が、いない。
レナとC.C.が気を失った面々を連れて逃げる背中が見えた。
シャドームーンも最早、こちらへの興味を完全に失ったようだった。
「助けて沙都子、ミハエル君、助けて――」
一歩でもその場から離れようとするが、縁とシャドームーンの攻撃を受けた体は思うように動かない。
大した距離も稼げないうちに、デストワイルダーが東條に追い付く。
大した距離も稼げないうちに、デストワイルダーが東條に追い付く。
「助けて……助けて、助けて下さい、」
腕を掴まれ、引き倒される。
神崎士郎からデッキを受け取って以降ずっと共に戦ってきたデストワイルダーの顔が、すぐ目の前まで迫っていた。
神崎士郎からデッキを受け取って以降ずっと共に戦ってきたデストワイルダーの顔が、すぐ目の前まで迫っていた。
「香川先生――……」
【東條悟@仮面ライダー龍騎 死亡】
▽
シャドームーンの注意が東條へ逸れてすぐ、C.C.とレナは行動を起こしていた。
C.C.は放置されていた東條のデイパックからフライングボードを出す。
「ヴァン、向こう岸へ逃げるぞ!」
倒れたヴァンのもとへ着くと、その体を背負う形で乗せてボードを浮き上がらせる。
レナもホウキにまたがり、放心している蒼嶋へ手を差し伸べた。
「蒼嶋さん、逃げましょう!」
「けどよ……ちぃちゃんが……」
「早く!!」
蒼嶋はレナの手と千草の亡骸を交互に見比べ、表情を歪ませる。
そして――レナの手を取った。
C.C.は放置されていた東條のデイパックからフライングボードを出す。
「ヴァン、向こう岸へ逃げるぞ!」
倒れたヴァンのもとへ着くと、その体を背負う形で乗せてボードを浮き上がらせる。
レナもホウキにまたがり、放心している蒼嶋へ手を差し伸べた。
「蒼嶋さん、逃げましょう!」
「けどよ……ちぃちゃんが……」
「早く!!」
蒼嶋はレナの手と千草の亡骸を交互に見比べ、表情を歪ませる。
そして――レナの手を取った。
空飛ぶホウキとフライングボードに二人ずつ乗って、西の海へ去って行く。
その背へシャドームーンがシャドービームを撃つとボードは海へ打ち落とせたが、ホウキは空中で忽然と姿を消した。
気にはなったものの、シャドームーンは追撃や捜索はしない。
死んでいればそれまで、死んでいないならば次に改めて殺すだけだ。
その背へシャドームーンがシャドービームを撃つとボードは海へ打ち落とせたが、ホウキは空中で忽然と姿を消した。
気にはなったものの、シャドームーンは追撃や捜索はしない。
死んでいればそれまで、死んでいないならば次に改めて殺すだけだ。
ヴァン、縁、蒼嶋の三人に負わされた傷に触れる。
時間を置けば回復するもので、深くはない。
しかし放送前の戦闘と違うのは、三人が生身の人間だった事だ。
ただの人間達が支給品の効果ではなく己の身一つ、剣一本で世紀王に立ち向かい手傷を負わせた。
それもサタンサーベルを持った状態のシャドームーンに、だ。
その事実にシャドームーンは少なからぬ感銘を覚えていた。
時間を置けば回復するもので、深くはない。
しかし放送前の戦闘と違うのは、三人が生身の人間だった事だ。
ただの人間達が支給品の効果ではなく己の身一つ、剣一本で世紀王に立ち向かい手傷を負わせた。
それもサタンサーベルを持った状態のシャドームーンに、だ。
その事実にシャドームーンは少なからぬ感銘を覚えていた。
シャドームーンの背後で、最後に残った縁が立ち上がる。
全身に走っていた管はもう見えない。
出血も疲労も一目で限界と分かるものだが、苦しげに息を吐きながらも縁は退く気配を見せなかった。
全身に走っていた管はもう見えない。
出血も疲労も一目で限界と分かるものだが、苦しげに息を吐きながらも縁は退く気配を見せなかった。
「ここは見逃してやろう。
消えろ」
消えろ」
シャドームーン自身、何故そんなつもりになったのかは分からない。
少なくとも油断によるものでないのは確かだ。
この殺し合いに、新しい可能性を見出したせいかも知れない。
少なくとも油断によるものでないのは確かだ。
この殺し合いに、新しい可能性を見出したせいかも知れない。
その声が聞こえていたのかいなかったのか、縁はシャドームーンを相手に一人刀を構えた。
「蹴 撃 ――」
縁が言い終わるよりも早くシャドームーンは縁の眼前に立つ。
拳を一撃腹へ叩き込むと、縁はその場に踏み留まる事は叶わず紙のように吹き飛ばされた。
「蹴 撃 ――」
縁が言い終わるよりも早くシャドームーンは縁の眼前に立つ。
拳を一撃腹へ叩き込むと、縁はその場に踏み留まる事は叶わず紙のように吹き飛ばされた。
「次はない。
せいぜいそれまで、残り短い生を謳歌しろ」
せいぜいそれまで、残り短い生を謳歌しろ」
世紀王には到底届かない、しかし有象無象と切り捨てられぬ敵。
シャドームーンは亀山薫との交戦から、この会場にいる参加者達をそう評価した。
だがブラックサンやシャドームーンを倒す「万一の可能性」は、起こり得る。
油断と慢心を捨てたからこそ、シャドームーンはそれを認めた。
シャドームーンは亀山薫との交戦から、この会場にいる参加者達をそう評価した。
だがブラックサンやシャドームーンを倒す「万一の可能性」は、起こり得る。
油断と慢心を捨てたからこそ、シャドームーンはそれを認めた。
前の戦闘で、シャドームーンはカードデッキを使って変身する二人を目撃した。
そこからカードデッキは参加者を「一定の強さに変える」、もしくは参加者を「強化する」為の支給品であるという仮説を立てた。
シャドームーンは更に推測を広げる。
もしもシャドームーンに生身で立ち向かったあの三人のような人間があのデッキを用いたら、どうなるだろうか。
前者の「一定の強さに変える」であれば、問題はない。
つまりは引き上げる強さに上限があるという事で、余裕を以て対処出来る事は既に証明されている。
だが後者の「強化する」であれば、楽観視は出来ない。
人間離れした力が更に強化されるなら――ブラックサンやシャドームーンに匹敵しかねないのだ。
故にシャドームーンはこの殺し合いへの警戒を更に強める。
そこからカードデッキは参加者を「一定の強さに変える」、もしくは参加者を「強化する」為の支給品であるという仮説を立てた。
シャドームーンは更に推測を広げる。
もしもシャドームーンに生身で立ち向かったあの三人のような人間があのデッキを用いたら、どうなるだろうか。
前者の「一定の強さに変える」であれば、問題はない。
つまりは引き上げる強さに上限があるという事で、余裕を以て対処出来る事は既に証明されている。
だが後者の「強化する」であれば、楽観視は出来ない。
人間離れした力が更に強化されるなら――ブラックサンやシャドームーンに匹敵しかねないのだ。
故にシャドームーンはこの殺し合いへの警戒を更に強める。
しかし例え創世王の目的が何であろうと、次期創世王はこの自分。
だからこそヴァン達が今後デッキを手にする危険性を鑑みながらも、この場では止めを刺さない。
全て真正面から打ち破って見せる――それは、シャドームーンの世紀王としてのプライドだった。
そしてこの会場でいかなる敵が現れようと、王座を争う相手はあくまで南光太郎だ。
だからこそヴァン達が今後デッキを手にする危険性を鑑みながらも、この場では止めを刺さない。
全て真正面から打ち破って見せる――それは、シャドームーンの世紀王としてのプライドだった。
そしてこの会場でいかなる敵が現れようと、王座を争う相手はあくまで南光太郎だ。
シャドームーンはこのバトルロワイアルへの思いを変化させながらも、宿敵への執念を薄れさせはしなかった。
【一日目午前/F-1】
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品1~3(確認済み)
[状態]:疲労(中)、胸とシャドーチャージャーに傷(回復中)
[思考・行動]
1:殺し合いに優勝する。
2:元の世界に帰り、創世王を殺す。
3:かなみは絶望させてから殺す。
4:死ななかった五人(ヴァン、C.C.、レナ、蒼嶋、縁)は次に会ったら殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※折れたブリッツスタッフ@ヴィオラートのアトリエ、折れた逆刃刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃(60/100)@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心が放置されています。
※デストワイルダーの行方は、後続の書き手氏にお任せします。
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品1~3(確認済み)
[状態]:疲労(中)、胸とシャドーチャージャーに傷(回復中)
[思考・行動]
1:殺し合いに優勝する。
2:元の世界に帰り、創世王を殺す。
3:かなみは絶望させてから殺す。
4:死ななかった五人(ヴァン、C.C.、レナ、蒼嶋、縁)は次に会ったら殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※折れたブリッツスタッフ@ヴィオラートのアトリエ、折れた逆刃刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃(60/100)@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心が放置されています。
※デストワイルダーの行方は、後続の書き手氏にお任せします。
▽
シャドービームで撃ち落とされたC.C.とヴァンは大きな波飛沫を上げて海へ落下した。
直撃を受けたボードは砕け、最早本来の役割は果たせそうにない。
ビームの余波で気を失いそうになりながら、C.C.は海中でデイパックに手を入れる。
取り出したのは水中呼吸を可能にするエアドロップ。
とっさの事で一粒しか見付けられなかったが、不死のC.C.には不要の物だ。
思うように身動きが取れない中、ヴァンに向かって手を伸ばす。
ヴァンは連戦で負傷して体力を失っている状態で海中に放り込まれたのだ、このままでは死ぬ。
(起きろ、ヴァン!!)
気絶したままのヴァンの腕を掴んで手繰り寄せ、その口にドロップを押し込む。
直撃を受けたボードは砕け、最早本来の役割は果たせそうにない。
ビームの余波で気を失いそうになりながら、C.C.は海中でデイパックに手を入れる。
取り出したのは水中呼吸を可能にするエアドロップ。
とっさの事で一粒しか見付けられなかったが、不死のC.C.には不要の物だ。
思うように身動きが取れない中、ヴァンに向かって手を伸ばす。
ヴァンは連戦で負傷して体力を失っている状態で海中に放り込まれたのだ、このままでは死ぬ。
(起きろ、ヴァン!!)
気絶したままのヴァンの腕を掴んで手繰り寄せ、その口にドロップを押し込む。
(ヴァン、死ぬな!!!
お前まで……お前まで私を一人に……!!)
お前まで……お前まで私を一人に……!!)
ヴァンの手を引き、レナ達を追って西へ泳ごうとする。
しかしC.C.もまた傷の回復が済んでおらず、息が保たない。
ゴボ、と肺に残った空気を吐き出すと、全身の筋肉が弛緩するのを感じた。
しかしC.C.もまた傷の回復が済んでおらず、息が保たない。
ゴボ、と肺に残った空気を吐き出すと、全身の筋肉が弛緩するのを感じた。
(ヴァン――)
▽
(抜刀斎が死んだ……?)
シャドームーンが去る足音も聴いていない。
たった今まで続いていた戦いの中、縁の眼にはヴァンも、東條も、蒼嶋も、シャドームーンさえも映っていなかった。
目の前に広がるのはただ、縁の髪が白く染め上がったあの雪の日の光景と――
たった今まで続いていた戦いの中、縁の眼にはヴァンも、東條も、蒼嶋も、シャドームーンさえも映っていなかった。
目の前に広がるのはただ、縁の髪が白く染め上がったあの雪の日の光景と――
ショックイメージの中で再生された放送。
そして初めに連れてこられた空間。
そして初めに連れてこられた空間。
抜刀斎が、死んだ。
放送を聞いた瞬間に蓋をした、目を逸らした可能性。
姉が殺されたその日から呪い続けた男の、死。
それを信じられずに刀を振るっている間は逃避出来ていた。
しかしそれが終わってしまえば、目を向ける事になる。
姉が殺されたその日から呪い続けた男の、死。
それを信じられずに刀を振るっている間は逃避出来ていた。
しかしそれが終わってしまえば、目を向ける事になる。
(殺し合い……
そんなもので命を落とすような男から、俺は姉さんを守れ、なかった)
そんなもので命を落とすような男から、俺は姉さんを守れ、なかった)
殺し合いで死ぬ、殺される。
縁はそんな弱い男からすら姉を守れなかった、最低以下の男になってしまったのだ。
縁はそんな弱い男からすら姉を守れなかった、最低以下の男になってしまったのだ。
(姉さん……教えてくれ、姉さん……俺は……)
縁の前に現れた巴の幻影は目を伏せたまま、微笑む事はなかった。
【一日目午前/F-1】
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:無し
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(大)
[思考・行動]
1:?????
[備考]
※殺し合いを認識しました。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:無し
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(大)
[思考・行動]
1:?????
[備考]
※殺し合いを認識しました。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。
▽
千草が死んだ。
蒼嶋はそれが信じられなかった――と思おうとしているだけで、本当は分かっている。
蒼嶋は既に千草の死を理解し、受け入れていた。
そしてそんな冷酷とも言える自分の一面に、嫌気が差す。
「はは……女一人守れない上にこれだもんな……」
涙一つ出ない。
いっそパニックでも起こしていれば、幾らでも悲観に暮れて不幸に酔う事が出来たのに。
弱い自分や殺し合いに参加している者、殺し合いを仕組んだ者への怒りも、沸点を振り切れて逆に冷え切ってしまったようだった。
爪が掌に食い込むまで拳を握るが、その拳を振り下ろす場所を見付けられずに力なく解いた。
蒼嶋はそれが信じられなかった――と思おうとしているだけで、本当は分かっている。
蒼嶋は既に千草の死を理解し、受け入れていた。
そしてそんな冷酷とも言える自分の一面に、嫌気が差す。
「はは……女一人守れない上にこれだもんな……」
涙一つ出ない。
いっそパニックでも起こしていれば、幾らでも悲観に暮れて不幸に酔う事が出来たのに。
弱い自分や殺し合いに参加している者、殺し合いを仕組んだ者への怒りも、沸点を振り切れて逆に冷え切ってしまったようだった。
爪が掌に食い込むまで拳を握るが、その拳を振り下ろす場所を見付けられずに力なく解いた。
「ちぃちゃんが死んだんだぜ……?
これじゃホントに、化物みてえじゃねえか……」
挙げ句、千草の遺体を保身の為に見捨てた。
学校が魔界に堕ちた時もそうだった。
人が死んでいるのに――自分が生き残る為なら幾らでも冷静でいられるのだ。
その証拠が手の中にあるデイパックとブラフマーストラ。
千草の亡骸の傍に落ちていた物だ。
「戦うのに邪魔になるから」と事前に千草に預けていた蒼嶋のデイパックもその中に入っている。
あの状況下でもアイテムは見落とさない。
蒼嶋は自嘲し、ますます自暴自棄になった。
これじゃホントに、化物みてえじゃねえか……」
挙げ句、千草の遺体を保身の為に見捨てた。
学校が魔界に堕ちた時もそうだった。
人が死んでいるのに――自分が生き残る為なら幾らでも冷静でいられるのだ。
その証拠が手の中にあるデイパックとブラフマーストラ。
千草の亡骸の傍に落ちていた物だ。
「戦うのに邪魔になるから」と事前に千草に預けていた蒼嶋のデイパックもその中に入っている。
あの状況下でもアイテムは見落とさない。
蒼嶋は自嘲し、ますます自暴自棄になった。
「蒼嶋さん……ごめんなさい」
声を掛けられ、そちらへ顔を向ける。
レナの目は濡れて、今にも涙をこぼしそうだった。
「私が見た時はあの銀色の怪物はいなかったけど……それでも分かってたんです。
……あそこが危ないって。
なのにヴァンさんとC.C.さんを、私の知ってる人達を助けたいって、そればっかりで……蒼嶋さん達を……」
「……巻き込んだ、ってか。
いいよ、もう。
俺も……ちぃちゃんも、危ないの承知でレナについてったんだから」
それを聞いたレナは俯いた。
蒼嶋はレナがそのまま自身を責めて泣き続けるのだと思い、冷めた目で見る。
自分の失敗による犠牲の大きさに、人の死という重さに耐えられる中学生がどこにいるだろう。
しかしレナは制服の袖で目元を拭うと、グッと顔を上げて蒼嶋の目を見据えた。
「……移動、しましょう。
C.C.さん達はまだ来てませんけど……こっち側には後藤っていうバケモノがいるんです。
私達を見付けたらきっと襲ってくるから、隠れないと」
レナの目は濡れて、今にも涙をこぼしそうだった。
「私が見た時はあの銀色の怪物はいなかったけど……それでも分かってたんです。
……あそこが危ないって。
なのにヴァンさんとC.C.さんを、私の知ってる人達を助けたいって、そればっかりで……蒼嶋さん達を……」
「……巻き込んだ、ってか。
いいよ、もう。
俺も……ちぃちゃんも、危ないの承知でレナについてったんだから」
それを聞いたレナは俯いた。
蒼嶋はレナがそのまま自身を責めて泣き続けるのだと思い、冷めた目で見る。
自分の失敗による犠牲の大きさに、人の死という重さに耐えられる中学生がどこにいるだろう。
しかしレナは制服の袖で目元を拭うと、グッと顔を上げて蒼嶋の目を見据えた。
「……移動、しましょう。
C.C.さん達はまだ来てませんけど……こっち側には後藤っていうバケモノがいるんです。
私達を見付けたらきっと襲ってくるから、隠れないと」
(……おいおい)
「C.C.さん達は、何かあったのかも知れませんけど……絶対来ますから。
それまで、出来る事を考えましょう。
……千草さんも多分、そうして欲しいと思ってるんじゃないかな……かな」
それまで、出来る事を考えましょう。
……千草さんも多分、そうして欲しいと思ってるんじゃないかな……かな」
(おかしいだろ、それ)
「圭一君って、すっごく頼りになる男の子がいるんです。
きっと圭一君も、何とかしようとして頑張ってるから……」
きっと圭一君も、何とかしようとして頑張ってるから……」
(お前中坊だろ。親のスネかじって、友達と暢気に遊んで、人生バラ色ハッピーな歳じゃねぇか。
俺だって、人の事は言えねえけどさ)
俺だって、人の事は言えねえけどさ)
「だから、私達も頑張りましょう」
レナは恐らくただ嘆く、ただ泣く事の不毛さを知っているのだろう。
思い返せば最初に出会った時から、レナの目には涙を擦った痕があった。
この会場で出会った友達を亡くしたと言った。
放送で親しい友達を三人も亡くしたと言った。
その四人の為に泣いて、泣いて――今のレナは、凛と立っている。
思い返せば最初に出会った時から、レナの目には涙を擦った痕があった。
この会場で出会った友達を亡くしたと言った。
放送で親しい友達を三人も亡くしたと言った。
その四人の為に泣いて、泣いて――今のレナは、凛と立っている。
(どうして俺の会う中坊はどいつもこいつも、俺より強いんだかな……)
足下をふらつかせた蒼嶋は、レナに支えられながら歩いて行く。
疲れ切って、冷め切って、握り拳一つつくれないまま。
疲れ切って、冷め切って、握り拳一つつくれないまま。
【一日目午前/ F-10 遊園地付近】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、真紅の下半身@ローゼンメイデン
[状態]:疲労(小)、悲しみ
[思考・行動]
1:圭一、詩音、C.C.、ヴァンと合流する。
2:蒼嶋と同行する。
3:翠星石と蒼星石も探す。
4:水銀燈、後藤、シャドームーン、縁を警戒。
[備考]
※この会場の西端と東端、北端と南端は繋がっています。
どこかの端からエリア外に出ると、逆の端の対応する位置へとワープします。
※ギアス、コードについて一定の理解を得ました。
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、真紅の下半身@ローゼンメイデン
[状態]:疲労(小)、悲しみ
[思考・行動]
1:圭一、詩音、C.C.、ヴァンと合流する。
2:蒼嶋と同行する。
3:翠星石と蒼星石も探す。
4:水銀燈、後藤、シャドームーン、縁を警戒。
[備考]
※この会場の西端と東端、北端と南端は繋がっています。
どこかの端からエリア外に出ると、逆の端の対応する位置へとワープします。
※ギアス、コードについて一定の理解を得ました。
【蒼嶋駿朔(男主人公)@真女神転生if…】
[装備]:ブラフマーストラ@真女神転生if…
[支給品]:支給品一式×3、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@TRICK、スイカ(残り4玉)@スクライド、
庭師の鋏@ローゼンメイデン、鉈@ひぐらしのなく頃に、織田のバイオリン@バトルロワイアル、未確認支給品(0~1)
[状態]:各部に裂傷、疲労(大)、全身打撲
[思考・行動]
基本:ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。
0:ちぃちゃん……。
1:狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。
2:一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。
[備考]
※千草が小病院でアイテムを調達しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
[装備]:ブラフマーストラ@真女神転生if…
[支給品]:支給品一式×3、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@TRICK、スイカ(残り4玉)@スクライド、
庭師の鋏@ローゼンメイデン、鉈@ひぐらしのなく頃に、織田のバイオリン@バトルロワイアル、未確認支給品(0~1)
[状態]:各部に裂傷、疲労(大)、全身打撲
[思考・行動]
基本:ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。
0:ちぃちゃん……。
1:狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。
2:一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。
[備考]
※千草が小病院でアイテムを調達しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
▽
C.C.が目を開けると、眼前には青い空が広がっていた。
まだ水中にいるのかと訝るが、身体は砂浜に横たえられている。
「ゲホ、ゴホ、……」
飲んだ海水を吐きながら上体を起こす。
視線を落とせば腹部の傷が小さくなっており、時間が少し経過している事に気付く。
服はまだ濡れているものの乾き始めていた。
水中にいたはずが地上に寝かされていたという事は、運ばれたのだろう。
そこまで考えたところで、すぐ傍にいた男の事を思い出す。
「ヴァン!」
見回すとすぐ横に、だらしなく大の字になって寝ている男がいた。
「生きてるか?」
「んん……」
声を掛けるとヴァンはうっすらと瞼を上げる。
普段通りの寝呆けた眼。
ショックイメージで起こした錯乱も、今は落ち着いているようだった。
「あの状態で人一人を抱えてここまで来るとは、大した奴だな。
今回ばかりは労わってやろう」
言って辺りを見回す。
戦闘になったF-1から西へ向かえばワープしてマップの東端に着き、遊園地が見えるはずだ。
そして近くにレナ達もいる。
その確信の下に三百六十度周囲を見たのだが、遊園地のシンボルたる観覧車の姿は見えない。
代わりに、どこか見覚えのある風景がある。
障害物の少ない荒涼とした土地に、離れた場所で細く黒煙を上げる何か――恐らく車だろう。
まだ水中にいるのかと訝るが、身体は砂浜に横たえられている。
「ゲホ、ゴホ、……」
飲んだ海水を吐きながら上体を起こす。
視線を落とせば腹部の傷が小さくなっており、時間が少し経過している事に気付く。
服はまだ濡れているものの乾き始めていた。
水中にいたはずが地上に寝かされていたという事は、運ばれたのだろう。
そこまで考えたところで、すぐ傍にいた男の事を思い出す。
「ヴァン!」
見回すとすぐ横に、だらしなく大の字になって寝ている男がいた。
「生きてるか?」
「んん……」
声を掛けるとヴァンはうっすらと瞼を上げる。
普段通りの寝呆けた眼。
ショックイメージで起こした錯乱も、今は落ち着いているようだった。
「あの状態で人一人を抱えてここまで来るとは、大した奴だな。
今回ばかりは労わってやろう」
言って辺りを見回す。
戦闘になったF-1から西へ向かえばワープしてマップの東端に着き、遊園地が見えるはずだ。
そして近くにレナ達もいる。
その確信の下に三百六十度周囲を見たのだが、遊園地のシンボルたる観覧車の姿は見えない。
代わりに、どこか見覚えのある風景がある。
障害物の少ない荒涼とした土地に、離れた場所で細く黒煙を上げる何か――恐らく車だろう。
C.C.とヴァンの現在位置はH-1。
潮に流された後、ヴァンが適当に近くの浜を目指した結果だった。
潮に流された後、ヴァンが適当に近くの浜を目指した結果だった。
「……」
シャドームーンから逃げる為に会場のワープを利用しようとしたというのに、マップの西端に戻って来てしまっては意味がない。
しかもレナ達とはぐれてしまった。
シャドームーンが付近にいないのがせめてもの幸いだが――
しかもレナ達とはぐれてしまった。
シャドームーンが付近にいないのがせめてもの幸いだが――
「……私は『向こう岸へ逃げる』と言っただろう!
お前はまともな方向感覚もないのか、このバカ!!」
「……すみません」
お前はまともな方向感覚もないのか、このバカ!!」
「……すみません」
それを言った時、ヴァンは気絶していたのだから責めても仕方がない。
そう承知してはいても、C.C.はその場でヴァンを罵倒せずにはいられなかった。
そう承知してはいても、C.C.はその場でヴァンを罵倒せずにはいられなかった。
【一日目午前/H-1 砂浜】
【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:疲労(大)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
1:レイが気にならない事もない。
[備考]
※23話「みんなのうた」のミハエル戦終了後より参戦。
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。
【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:疲労(大)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
1:レイが気にならない事もない。
[備考]
※23話「みんなのうた」のミハエル戦終了後より参戦。
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。
【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎
ファサリナの三節棍@ガン×ソード、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、確認済み支給品(0~2)
[状態]:疲労(大)、腹部に傷(回復中)
[思考・行動]
1:レナ達と合流する。
2:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
3:後でピザを食べる……つもりだったが、今はそんな気分ではない。
4:後藤、シャドームーン、縁は警戒する。
[備考]
※TURN11「想いの力」終了後、日本に戻る前から参戦。
※不死でなくなっていることに気付いていませんが、回復が遅い事に違和感を覚えています。
※フライングボード@ヴィオラートのアトリエは破壊されました。
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎
ファサリナの三節棍@ガン×ソード、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、確認済み支給品(0~2)
[状態]:疲労(大)、腹部に傷(回復中)
[思考・行動]
1:レナ達と合流する。
2:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
3:後でピザを食べる……つもりだったが、今はそんな気分ではない。
4:後藤、シャドームーン、縁は警戒する。
[備考]
※TURN11「想いの力」終了後、日本に戻る前から参戦。
※不死でなくなっていることに気付いていませんが、回復が遅い事に違和感を覚えています。
※フライングボード@ヴィオラートのアトリエは破壊されました。
【チーズケーキ@ヴィオラートのアトリエ】
シャリオチーズを材料に使ったとても美味しいケーキ。
体力・精神力・生命力が結構回復する。
シャリオチーズを材料に使ったとても美味しいケーキ。
体力・精神力・生命力が結構回復する。
時系列順で読む
投下順で読む
104:英雄 | シャドームーン | 120:二心同体(前編) |
雪代縁 | 121:彼と彼女の事情 | |
ヴァン | ||
C.C. | ||
竜宮レナ | 112:Dear you | |
蒼嶋駿朔 | ||
千草貴子 | GAME OVER | |
東條悟 |