Switch(Choice[Player]){...} ◆GvGzqHuQe.
ここまで来れば、追って来ないだろう。
そう判断し、箒の高度を下げ、地面に腰を掛けて一息つく。
そして頭に浮かぶ可能性を種に、思考を回していく。
疑いの輪廻が止まらない。
信じようにも、信じられない。
考えられる事が多すぎて。
何か真実なのか、何が嘘なのか、わからない。
ただ、ただ、頭に浮かんでくることを拒否するだけ。
何も信じないし、何も受け入れない。
どうせ皆、信用なんて出来ないんだから。
「うう、うううう」
腹を空かせた犬のような声が漏れる。
信頼というエサを吊るされながら、それに食いつけずに居る。
そのエサには、毒が塗られていそうだから。
それを食べれば、死んでしまうかもしれないから。
「う、ううああああ!!」
信じられる材料なんて一つも無いし、信じられない材料も少し足りない。
やめることは出来ない思考の輪廻を繰り返し、飲み込まれていく。
割れそうなほどに痛い頭を使って、思考と可能性の吟味と否定を繰返す。
何度も何度も考えては捨て、考えては捨て。
繰返すたびに痛みが増して行き、体が熱くなる。
このまま体温が上がりきって、沸騰して死んでしまうのではないか。
そんなことが頭をよぎったときである。
見覚えのあるクーパーが、ブレーキ音を鳴らした。
誰が乗っているのかは、車のライトによる逆光で見えない。
片手に箒を握りしめ、いざとなれば即座に逃げ出せる準備を整えながら、やってきたクーパーへと意識を集中させる。
しばらく、硬直した状態が続く。
場に流れる重い空気が、すべての物に重くのしかかる。
永遠に思える長い時が続いた後、夜の中でひときわ輝いていた車のライトが消える。
その後、少し時間をおいて解錠音が夜空に響いた。
クーパーの助手席側のドアがゆっくりと開く。
そこから現れたのは、北岡でもジェレミアでもつかさでもない。
「はざ……ま、さん?」
気高き白を纏う、一人の高校生だった。
そう判断し、箒の高度を下げ、地面に腰を掛けて一息つく。
そして頭に浮かぶ可能性を種に、思考を回していく。
疑いの輪廻が止まらない。
信じようにも、信じられない。
考えられる事が多すぎて。
何か真実なのか、何が嘘なのか、わからない。
ただ、ただ、頭に浮かんでくることを拒否するだけ。
何も信じないし、何も受け入れない。
どうせ皆、信用なんて出来ないんだから。
「うう、うううう」
腹を空かせた犬のような声が漏れる。
信頼というエサを吊るされながら、それに食いつけずに居る。
そのエサには、毒が塗られていそうだから。
それを食べれば、死んでしまうかもしれないから。
「う、ううああああ!!」
信じられる材料なんて一つも無いし、信じられない材料も少し足りない。
やめることは出来ない思考の輪廻を繰り返し、飲み込まれていく。
割れそうなほどに痛い頭を使って、思考と可能性の吟味と否定を繰返す。
何度も何度も考えては捨て、考えては捨て。
繰返すたびに痛みが増して行き、体が熱くなる。
このまま体温が上がりきって、沸騰して死んでしまうのではないか。
そんなことが頭をよぎったときである。
見覚えのあるクーパーが、ブレーキ音を鳴らした。
誰が乗っているのかは、車のライトによる逆光で見えない。
片手に箒を握りしめ、いざとなれば即座に逃げ出せる準備を整えながら、やってきたクーパーへと意識を集中させる。
しばらく、硬直した状態が続く。
場に流れる重い空気が、すべての物に重くのしかかる。
永遠に思える長い時が続いた後、夜の中でひときわ輝いていた車のライトが消える。
その後、少し時間をおいて解錠音が夜空に響いた。
クーパーの助手席側のドアがゆっくりと開く。
そこから現れたのは、北岡でもジェレミアでもつかさでもない。
「はざ……ま、さん?」
気高き白を纏う、一人の高校生だった。
北岡の少し荒っぽい運転の中、狭間は情報を頭に詰め込む。
この三人が、自分を頼るに至った経緯をもう一度洗い直す。
鷹野という女が強力な装備を手にしていること。
その女の手によって、竜宮レナは首に妙な薬品を打ち込まれたということ。
そして、耳打ちによる「真実」を告げられたこと。
その後、竜宮レナは対話にすら応じず、その場を飛び出していったこと。
瞬時に人を信じられなくさせる麻薬。
そんなものの存在は聞いたことはないが、異世界とつながるこの空間ならあり得ない話ではない。
人為的に生み出されたとはいえ、今の竜宮レナは「まともに対話できる状態」ではない。
考えられる可能性と自分の手札を瞬時に整理し、最善手を高速で弾き出して行く。
トライ、アンド、エラー。
自分の中でこの後の結末を仮想的に組み立てていく。
何百、何千、何万通りの可能性を、並行的に試行していく。
狭間の中での答えにたどり着いたあたりで、クーパーのライトが一人の影を映し出した。
「待て」
その姿を見るや否や、飛び出して駆け寄ろうとする北岡たちを一言で引き止める。
「竜宮レナの説得は、私一人で行う」
「はぁ!?」
シートベルトを外し、ドアに手をかけて今にも飛び出そうとしていた北岡が叫ぶ。
その声に反応するように、つかさとジェレミアの二人も車内に残る。
北岡の声にも動じる様子はなく、狭間は助手席で腕を組んだまま続けて口を開く。
「竜宮レナは錯乱状態にあるのだろう?
複数人数で押しかけて、一気に語りかけようとしても逆に恐怖を植えつけるだけだ。
そもそも、錯乱状態の人間にとって"多くの人間に囲まれる事"がどれだけ恐ろしいのか理解しているのか?
今、お前たちが取ろうとしている行動は悪手にしかならん」
人を信じることができない人間に、人間をぶつけるの悪手中の悪手。
ましてやそれが錯乱中の人間なら、混乱が加速してしまう。
人間を信じられないという状況に最も経験のある狭間だからこそ、その答えが手に取るようにわかる。
徒党を組んで仮初めの言葉で辻褄を合わせているだけ。
真心も何もない、傷つける為だけに作られた偽りの真実。
大人数が作り出した、正しいと言われることを、彼も拒否し続けてきたのだから。
雰囲気をガラリと変えて語りだした狭間の話に、北岡達は席に座りなおして話を聞かざるを得ない。
「なら誰が残るのかという話だが、考えなくてもわかるだろう。
既に貴様ら三人は竜宮に拒絶されている、現時点で奴と十分な対話が望める可能性は低い。
そして打ち込まれた毒とやらが解除できる可能性があるのは私しか居ない。
少しでも可能性の高い方法を選ぶのならば、これが最善の手であると思うが」
腕を組んだまま、視線のみを動かして北岡に問いかけるように見つめる。
現状を冷静に分析し、最善手と思われる行動を示していく。
事実と正論で固められた提案に反論することも出来ず、三人が三人とも黙り込んでしまう。
ふん、と小さく嘲るような溜息を零した後に、狭間は言葉を続けていく。
「貴様達はその間に鷹野とやらが居ないか探せ。
そこまで回りくどい方法を取って竜宮を逃がした以上、何かしらの目的があるのは間違いない。
ならばその結果を見届けに、竜宮の様子を見に来ているに違いない。
この殺し合いについての情報や、万が一私の解毒魔法が効かなかった時のこともある。
出来るだけ早急に捕らえろ。
分かってはいると思うがもちろん生かして、な」
何故、鷹野三四はこの三人を圧倒できる力を持っていながらも、竜宮レナに毒薬を盛るだけで見逃したのか?
参加者のせん滅が目的ならば、そんな回りくどいことをせず、竜宮レナを人質に取った時点でもっと優位に事を進めればいいだけの話だ。
そもそも一人で北岡とジェレミアをあしらうことが出来るほどの力があるというのならば、その力で早々に北岡達を始末すればよかっただけの話である。
心底この殺し合いを楽しんで眺めていそうなV.V.が、わざわざ参加者へこんな形で水差しにくるとも考えにくい。
つまり、鷹野三四が主催の人間だとしても、この行動は独断によるモノと考えられる。
何かしらの目的があり、北岡達に接近し、竜宮を捕らえて毒を盛り、そして逃がした。
その先に何かしらある"結果"を見るためにその行動をとったのだとすれば、竜宮レナの行動を観察しに来ているはずだ。
ここまで手の込んだ方法を取っておきながら、あとはぬくぬくと安全な場所で結末を見届けている可能性は低い。
きっとリアルタイムでの状況の変化を楽しむ為に、竜宮レナの言動が察知できるくらいの近距離には向かってくるだろう。
今、鷹野三四はこのどこかに居る。
狭間の中には確信に近い考えがあった。
車があり、人手が三人分あり、探索する範囲が限られているのだから、鷹野が見つかるのは時間の問題だろう。
先ほど完膚無きまでに敗北した相手を捕らえられるかどうかは別問題だが、発見することぐらいなら出来る。
場所さえ分かれば、後々合流して捕らえるなり手段はある。
竜宮レナに盛られた毒薬についてもだが、この殺し合いについて重要な鍵を持っている存在を、みすみす見逃すわけには行かない。
「ライトを落とせ、私が前に立ったのを確認したら車を後退させて鷹野を探しに行け。
ぐるりとこの遊園地を一週ぐらいすれば、いるかいないかの判断くらいは出来るだろう」
高圧的な態度で指示し続ける狭間に不快感を示しながらも、理論の正確さの前には引き下がるしかない。
小さな舌打ちと共に北岡がライトを落としたのを確認した狭間は、ゆっくりとシートベルトを外し、ドアの鍵を開けた。
「もし……」
車から出る前に、狭間が何かを言いかける。
少し言葉を止めた後に、なんでもないと言い残して一気にドアを開けようとする。
「なんだよ」
北岡が止める。
その先の言葉を聞き出そうと、狭間を止める。
狭間は深く息をついた後、一気に喋り出す。
「……どうという事はない。
竜宮の受け答え次第では、次に貴様達に会うとき、私は敵かもしれんという事だ。
私はあの女の本心がどうなのか、真実を問うだけ。
それを確かめに行くだけで、貴様等に手を貸すのはそのついでだ」
そこまで一口で言い切り、ゆっくりとドアを開ける。
北岡の罵声を背に浴びながら、意にも介さぬ様子で外へ出ていく。
開けたドアをくぐるとき、狭間は小さく言葉を漏らした。
「……腹が減りそうだな」
北岡の後ろに座っていたジェレミアは、北岡の声にかき消されて聞こえることはなかった。
だが、狭間の後ろに座っていた柊つかさにはしっかりと聞こえていた。
いや、つかさにのみ聞こえるようにしたのか。
その言葉が聞こえたとき、つかさは狭間の姿に重なるように黄色い人影が見えた気がした。
この三人が、自分を頼るに至った経緯をもう一度洗い直す。
鷹野という女が強力な装備を手にしていること。
その女の手によって、竜宮レナは首に妙な薬品を打ち込まれたということ。
そして、耳打ちによる「真実」を告げられたこと。
その後、竜宮レナは対話にすら応じず、その場を飛び出していったこと。
瞬時に人を信じられなくさせる麻薬。
そんなものの存在は聞いたことはないが、異世界とつながるこの空間ならあり得ない話ではない。
人為的に生み出されたとはいえ、今の竜宮レナは「まともに対話できる状態」ではない。
考えられる可能性と自分の手札を瞬時に整理し、最善手を高速で弾き出して行く。
トライ、アンド、エラー。
自分の中でこの後の結末を仮想的に組み立てていく。
何百、何千、何万通りの可能性を、並行的に試行していく。
狭間の中での答えにたどり着いたあたりで、クーパーのライトが一人の影を映し出した。
「待て」
その姿を見るや否や、飛び出して駆け寄ろうとする北岡たちを一言で引き止める。
「竜宮レナの説得は、私一人で行う」
「はぁ!?」
シートベルトを外し、ドアに手をかけて今にも飛び出そうとしていた北岡が叫ぶ。
その声に反応するように、つかさとジェレミアの二人も車内に残る。
北岡の声にも動じる様子はなく、狭間は助手席で腕を組んだまま続けて口を開く。
「竜宮レナは錯乱状態にあるのだろう?
複数人数で押しかけて、一気に語りかけようとしても逆に恐怖を植えつけるだけだ。
そもそも、錯乱状態の人間にとって"多くの人間に囲まれる事"がどれだけ恐ろしいのか理解しているのか?
今、お前たちが取ろうとしている行動は悪手にしかならん」
人を信じることができない人間に、人間をぶつけるの悪手中の悪手。
ましてやそれが錯乱中の人間なら、混乱が加速してしまう。
人間を信じられないという状況に最も経験のある狭間だからこそ、その答えが手に取るようにわかる。
徒党を組んで仮初めの言葉で辻褄を合わせているだけ。
真心も何もない、傷つける為だけに作られた偽りの真実。
大人数が作り出した、正しいと言われることを、彼も拒否し続けてきたのだから。
雰囲気をガラリと変えて語りだした狭間の話に、北岡達は席に座りなおして話を聞かざるを得ない。
「なら誰が残るのかという話だが、考えなくてもわかるだろう。
既に貴様ら三人は竜宮に拒絶されている、現時点で奴と十分な対話が望める可能性は低い。
そして打ち込まれた毒とやらが解除できる可能性があるのは私しか居ない。
少しでも可能性の高い方法を選ぶのならば、これが最善の手であると思うが」
腕を組んだまま、視線のみを動かして北岡に問いかけるように見つめる。
現状を冷静に分析し、最善手と思われる行動を示していく。
事実と正論で固められた提案に反論することも出来ず、三人が三人とも黙り込んでしまう。
ふん、と小さく嘲るような溜息を零した後に、狭間は言葉を続けていく。
「貴様達はその間に鷹野とやらが居ないか探せ。
そこまで回りくどい方法を取って竜宮を逃がした以上、何かしらの目的があるのは間違いない。
ならばその結果を見届けに、竜宮の様子を見に来ているに違いない。
この殺し合いについての情報や、万が一私の解毒魔法が効かなかった時のこともある。
出来るだけ早急に捕らえろ。
分かってはいると思うがもちろん生かして、な」
何故、鷹野三四はこの三人を圧倒できる力を持っていながらも、竜宮レナに毒薬を盛るだけで見逃したのか?
参加者のせん滅が目的ならば、そんな回りくどいことをせず、竜宮レナを人質に取った時点でもっと優位に事を進めればいいだけの話だ。
そもそも一人で北岡とジェレミアをあしらうことが出来るほどの力があるというのならば、その力で早々に北岡達を始末すればよかっただけの話である。
心底この殺し合いを楽しんで眺めていそうなV.V.が、わざわざ参加者へこんな形で水差しにくるとも考えにくい。
つまり、鷹野三四が主催の人間だとしても、この行動は独断によるモノと考えられる。
何かしらの目的があり、北岡達に接近し、竜宮を捕らえて毒を盛り、そして逃がした。
その先に何かしらある"結果"を見るためにその行動をとったのだとすれば、竜宮レナの行動を観察しに来ているはずだ。
ここまで手の込んだ方法を取っておきながら、あとはぬくぬくと安全な場所で結末を見届けている可能性は低い。
きっとリアルタイムでの状況の変化を楽しむ為に、竜宮レナの言動が察知できるくらいの近距離には向かってくるだろう。
今、鷹野三四はこのどこかに居る。
狭間の中には確信に近い考えがあった。
車があり、人手が三人分あり、探索する範囲が限られているのだから、鷹野が見つかるのは時間の問題だろう。
先ほど完膚無きまでに敗北した相手を捕らえられるかどうかは別問題だが、発見することぐらいなら出来る。
場所さえ分かれば、後々合流して捕らえるなり手段はある。
竜宮レナに盛られた毒薬についてもだが、この殺し合いについて重要な鍵を持っている存在を、みすみす見逃すわけには行かない。
「ライトを落とせ、私が前に立ったのを確認したら車を後退させて鷹野を探しに行け。
ぐるりとこの遊園地を一週ぐらいすれば、いるかいないかの判断くらいは出来るだろう」
高圧的な態度で指示し続ける狭間に不快感を示しながらも、理論の正確さの前には引き下がるしかない。
小さな舌打ちと共に北岡がライトを落としたのを確認した狭間は、ゆっくりとシートベルトを外し、ドアの鍵を開けた。
「もし……」
車から出る前に、狭間が何かを言いかける。
少し言葉を止めた後に、なんでもないと言い残して一気にドアを開けようとする。
「なんだよ」
北岡が止める。
その先の言葉を聞き出そうと、狭間を止める。
狭間は深く息をついた後、一気に喋り出す。
「……どうという事はない。
竜宮の受け答え次第では、次に貴様達に会うとき、私は敵かもしれんという事だ。
私はあの女の本心がどうなのか、真実を問うだけ。
それを確かめに行くだけで、貴様等に手を貸すのはそのついでだ」
そこまで一口で言い切り、ゆっくりとドアを開ける。
北岡の罵声を背に浴びながら、意にも介さぬ様子で外へ出ていく。
開けたドアをくぐるとき、狭間は小さく言葉を漏らした。
「……腹が減りそうだな」
北岡の後ろに座っていたジェレミアは、北岡の声にかき消されて聞こえることはなかった。
だが、狭間の後ろに座っていた柊つかさにはしっかりと聞こえていた。
いや、つかさにのみ聞こえるようにしたのか。
その言葉が聞こえたとき、つかさは狭間の姿に重なるように黄色い人影が見えた気がした。
狭間が車の前に立ったのを確認し、もう一度回しながら北岡は車を後退させていく。
そして、狭間に言われたとおりに狭間から背を向けて走り出した。
狭間の言うことは正論だ、しっかりとスジが通っている。
故に、否定も反論も出来ない。
真っ当な手段がごもっともな理由と共に、示されていたから。
「ったくどいつもこいつも、カッコつけたがりばっかりかよ!」
やつあたりのように言い放ったその言葉に、微量の悔しさを含ませて。
つかさは口を開かない、何を言えばいいのか分からないから。
ジェレミアも口を開かない、北岡の言葉は自分にも差し向けられているのだから。
竜宮レナが元に戻ることを祈りつつ、三人は鷹野を探すことしかできない。
北岡だけではない、何も出来ないのはこの車に乗っている三人ともなのだから。
そして、狭間に言われたとおりに狭間から背を向けて走り出した。
狭間の言うことは正論だ、しっかりとスジが通っている。
故に、否定も反論も出来ない。
真っ当な手段がごもっともな理由と共に、示されていたから。
「ったくどいつもこいつも、カッコつけたがりばっかりかよ!」
やつあたりのように言い放ったその言葉に、微量の悔しさを含ませて。
つかさは口を開かない、何を言えばいいのか分からないから。
ジェレミアも口を開かない、北岡の言葉は自分にも差し向けられているのだから。
竜宮レナが元に戻ることを祈りつつ、三人は鷹野を探すことしかできない。
北岡だけではない、何も出来ないのはこの車に乗っている三人ともなのだから。
「あ……」
レナが声を漏らす。
現れた狭間の姿に重なるように、黄色く輝く蒼嶋の姿が一瞬見えたような気がして。
顔を大きく横に揺さぶり、幻覚を追い払う。
レナが声を漏らす。
現れた狭間の姿に重なるように、黄色く輝く蒼嶋の姿が一瞬見えたような気がして。
顔を大きく横に揺さぶり、幻覚を追い払う。
首が痒い、空いた片腕で喉を掻く。
蒼嶋駿朔。
狭間偉出夫がこの場で殺そうとしていた人物。
そう、狭間偉出夫はハナから"人を殺すつもり"だった。
もしかするとその道中で人を殺めているかもしれない。
蒼嶋の殺害が未遂に終わったとはいえ、考えるまでも無く"人殺し"だ。
だから、狭間偉出夫は信頼できない。
では、何故狭間偉出夫は北岡たちと共に現れたのか?
首輪の解除条件、及びこの場からの脱出方法。
それぞれを満たすためには"生贄"が必要だ。
何らかの利害関係を一致させ、狭間偉出夫の得となる行為の変わりに、自分を力づくでも連れ戻せそうな人間を選んだのだろう。
「来ないで」
懐からブラフマーストラを取り出し、動こうとする狭間へと向ける。
示すのは、拒絶の意志。
狭間は無言で目の前に立っている。
狭間偉出夫という人間がどれほどの戦闘力を持つのか、目の前で見たことはない。
蒼嶋駿朔の話が本当だったなら、武器一つで圧倒できる相手とは思えない。
蒼嶋駿朔の話が本当だったなら――――?
狭間偉出夫がこの場で殺そうとしていた人物。
そう、狭間偉出夫はハナから"人を殺すつもり"だった。
もしかするとその道中で人を殺めているかもしれない。
蒼嶋の殺害が未遂に終わったとはいえ、考えるまでも無く"人殺し"だ。
だから、狭間偉出夫は信頼できない。
では、何故狭間偉出夫は北岡たちと共に現れたのか?
首輪の解除条件、及びこの場からの脱出方法。
それぞれを満たすためには"生贄"が必要だ。
何らかの利害関係を一致させ、狭間偉出夫の得となる行為の変わりに、自分を力づくでも連れ戻せそうな人間を選んだのだろう。
「来ないで」
懐からブラフマーストラを取り出し、動こうとする狭間へと向ける。
示すのは、拒絶の意志。
狭間は無言で目の前に立っている。
狭間偉出夫という人間がどれほどの戦闘力を持つのか、目の前で見たことはない。
蒼嶋駿朔の話が本当だったなら、武器一つで圧倒できる相手とは思えない。
蒼嶋駿朔の話が本当だったなら――――?
待て。
"蒼嶋駿朔もまた、嘘つきの人殺しだったのではないか?"
まだ首が痒い、空いた片腕で喉を掻く。
狭間偉出夫という彼にとっての不都合な人間を排除するため、他の様々なモノを利用していたのではないか?
千草貴子と行動していたのも、おそらく何かしらの利害の一致だろう。
生き残ることを目的としていた二人に、自分は出会った。
自分が協力を申請し、二人がついてきた理由。
簡単なことだ、何かしらの大きな脅威を取り除けるかもしれなかったからだ。
いずれ大きな壁となるであろう人間を筆頭に減らすことが出来、なおかつ戦力も補充出来るかもしれないというならついていかない理由がないだろう。
……結果としては、散々なものだったが。
命辛々助かったという状況下に置かれながらも、蒼嶋は現状を冷静に分析して的確な判断を下していた。
千草貴子の死体からブラフマーストラを剥がし、自分と同行することを決めた。
千草貴子と行動していたのも、おそらく何かしらの利害の一致だろう。
生き残ることを目的としていた二人に、自分は出会った。
自分が協力を申請し、二人がついてきた理由。
簡単なことだ、何かしらの大きな脅威を取り除けるかもしれなかったからだ。
いずれ大きな壁となるであろう人間を筆頭に減らすことが出来、なおかつ戦力も補充出来るかもしれないというならついていかない理由がないだろう。
……結果としては、散々なものだったが。
命辛々助かったという状況下に置かれながらも、蒼嶋は現状を冷静に分析して的確な判断を下していた。
千草貴子の死体からブラフマーストラを剥がし、自分と同行することを決めた。
生き残るため。
まだ首が痒い、空いた片腕で喉を掻く。
そう、嘘だった。
向けられた優しさも、垣間見えた悲しみも、この殺し合いに対する怒りも、出会った頃の楽しそうな顔も。
すべて、生き残るための計算だった。
それが出来るほど蒼嶋駿朔は頭が切れていて、なおかつ冷酷になれる人間だった。
騙されていた。
表面上の優しさに、上っ面の表現に。
誰もが皆、自分が生き残ることしか考えてなかった。
自分だけ、自分だけ、自分だけが違った。
都会の喧噪の中で一人だけ踊り続ける道化師のように、踊らされていただけ。
信じられない、何もかもが信じられない。
こんな時に都合よく現れる狭間偉出夫という存在も、信用できない。
「来ないで!」
一歩前へ踏み出した狭間へ声を荒げて叫び、力強く引き金を引く。
白い線のような数本の光が、狭間へ向かっていく。
飛び出した光は手がぶれているのか何なのか、狙いが全く定まらず一本たりとも狭間に当たらない。
無言で目の前に立ち尽くしているだけの狭間にすら当たらない。
引き金を引く、当たらない。
引き金を引く、当たらない。
引き金を引く、当たらない。
短時間に何度と無く繰り返しても、ものの一発すらあたりはしない。
狭間はただ、こちらを見つめて立ち尽くしているだけだというのに。
向けられた優しさも、垣間見えた悲しみも、この殺し合いに対する怒りも、出会った頃の楽しそうな顔も。
すべて、生き残るための計算だった。
それが出来るほど蒼嶋駿朔は頭が切れていて、なおかつ冷酷になれる人間だった。
騙されていた。
表面上の優しさに、上っ面の表現に。
誰もが皆、自分が生き残ることしか考えてなかった。
自分だけ、自分だけ、自分だけが違った。
都会の喧噪の中で一人だけ踊り続ける道化師のように、踊らされていただけ。
信じられない、何もかもが信じられない。
こんな時に都合よく現れる狭間偉出夫という存在も、信用できない。
「来ないで!」
一歩前へ踏み出した狭間へ声を荒げて叫び、力強く引き金を引く。
白い線のような数本の光が、狭間へ向かっていく。
飛び出した光は手がぶれているのか何なのか、狙いが全く定まらず一本たりとも狭間に当たらない。
無言で目の前に立ち尽くしているだけの狭間にすら当たらない。
引き金を引く、当たらない。
引き金を引く、当たらない。
引き金を引く、当たらない。
短時間に何度と無く繰り返しても、ものの一発すらあたりはしない。
狭間はただ、こちらを見つめて立ち尽くしているだけだというのに。
まだ首が痒い、空いた片腕で首を掻く。
嘘、嘘、嘘。
綺麗な顔をした罠達が頭の中をグルグルと回り続ける。
どいつもこいつも自分のことしか考えていない。
自分がよければそれでいい、自分の得になるのならばそれでいい。
奴らの笑顔という仮面の裏にある、ゲスい笑顔が自分を見て嘲っている。
もう、何もかも信じることなど、出来ない。
「来ないでよぉっ!!」
もう一歩、前に踏み出そうとした狭間に、涙を浮かべながら叫ぶ。
引き金を何度も引きながら、懇願するように叫ぶ。
死にたくない、死にたくないからお願いしている。
まだ生き続けていたいから、まだ――――
綺麗な顔をした罠達が頭の中をグルグルと回り続ける。
どいつもこいつも自分のことしか考えていない。
自分がよければそれでいい、自分の得になるのならばそれでいい。
奴らの笑顔という仮面の裏にある、ゲスい笑顔が自分を見て嘲っている。
もう、何もかも信じることなど、出来ない。
「来ないでよぉっ!!」
もう一歩、前に踏み出そうとした狭間に、涙を浮かべながら叫ぶ。
引き金を何度も引きながら、懇願するように叫ぶ。
死にたくない、死にたくないからお願いしている。
まだ生き続けていたいから、まだ――――
あれ? なんで生きたいんだっけ?
ふと頭にその言葉がよぎったとき、小さな呟きが耳に入る。
「スクカジャ」
ハッとしながら声のする方を見ると、少し遠く離れた位置にいたはずの狭間が、目の前まで迫っている。
どんな顔をしているのかは見えない。
いや、見ることが出来ない。
視界がグルりと暗転し、何も映してくれなかったから。
伝わるのは拳の感触。
力任せに振り抜かれた拳が頬に突き刺さり、勢いを殺すことなく突き抜ける。
顔に重点的に加えられた力が作用し、首から上が高速で吹き飛び、体がつられて動き、地面を転げ回る。
二、三回ほどバウンドした後、全身に擦り傷を作りながら停止する。
痛い。
肩が、膝が、殴られた頬が。
突き刺さるように痛い。
しかし、痛みに屈している場合ではない。
こうしている間にも、狭間は自分を殺そうと迫ってくるのだから。
ゆっくりと腕をつき、顔を上げ、起きあがりながら目を開けて景色を取り込む。
ようやく視界に色が付き始めたときには既に遅かった。
猛スピードで近寄ってくる狭間に肩を押さえ込まれ、地面へと押し倒されてしまう。
そのまま、首のちょうど隣の位置に刀が突き刺さる。
そして、刀の冷たい感覚が首筋に伝わってくる。
ああ、このまま首を切り落とされて死んでしまうのか。
あっけない、あまりにもあっけない閉幕。
結局、竜宮レナという一人の人間は、回りの人間から嘲笑われながら踊り続ける道化師でしかなかった。
道化師のまま、生涯を閉じる。
……ひょっとしたら、その方が幸せなのかもしれない。
今更願ってもどうしようもないが、叶うことなら疑いを知りたくなかった。
踊らされるなら踊らされるままでいい、疑いを知らない道化師のままで眠らせてくれればよかったのに。
「スクカジャ」
ハッとしながら声のする方を見ると、少し遠く離れた位置にいたはずの狭間が、目の前まで迫っている。
どんな顔をしているのかは見えない。
いや、見ることが出来ない。
視界がグルりと暗転し、何も映してくれなかったから。
伝わるのは拳の感触。
力任せに振り抜かれた拳が頬に突き刺さり、勢いを殺すことなく突き抜ける。
顔に重点的に加えられた力が作用し、首から上が高速で吹き飛び、体がつられて動き、地面を転げ回る。
二、三回ほどバウンドした後、全身に擦り傷を作りながら停止する。
痛い。
肩が、膝が、殴られた頬が。
突き刺さるように痛い。
しかし、痛みに屈している場合ではない。
こうしている間にも、狭間は自分を殺そうと迫ってくるのだから。
ゆっくりと腕をつき、顔を上げ、起きあがりながら目を開けて景色を取り込む。
ようやく視界に色が付き始めたときには既に遅かった。
猛スピードで近寄ってくる狭間に肩を押さえ込まれ、地面へと押し倒されてしまう。
そのまま、首のちょうど隣の位置に刀が突き刺さる。
そして、刀の冷たい感覚が首筋に伝わってくる。
ああ、このまま首を切り落とされて死んでしまうのか。
あっけない、あまりにもあっけない閉幕。
結局、竜宮レナという一人の人間は、回りの人間から嘲笑われながら踊り続ける道化師でしかなかった。
道化師のまま、生涯を閉じる。
……ひょっとしたら、その方が幸せなのかもしれない。
今更願ってもどうしようもないが、叶うことなら疑いを知りたくなかった。
踊らされるなら踊らされるままでいい、疑いを知らない道化師のままで眠らせてくれればよかったのに。
「本当に、それでいいの?」
声が聞こえる。
聞き間違えるはずもない、自分自身の声。
自分自身が、自分自身へ問いかける声。
わからない、わからないけど、どうでもいい。
黙って死ぬしか、無いのだから。
竜宮レナは考えることをやめ、静かにただ静かに、来るべき死を待った。
聞き間違えるはずもない、自分自身の声。
自分自身が、自分自身へ問いかける声。
わからない、わからないけど、どうでもいい。
黙って死ぬしか、無いのだから。
竜宮レナは考えることをやめ、静かにただ静かに、来るべき死を待った。
どれくらいの時間が経っただろうか。
待てども待てども自分の命が消えていく感触は訪れない。
いや、既に感じることが出来ないのだろうか?
人が死んで感覚を失うのは、そんなに早いんだなと思いながら、彼女は目を瞑り続ける。
待てども待てども自分の命が消えていく感触は訪れない。
いや、既に感じることが出来ないのだろうか?
人が死んで感覚を失うのは、そんなに早いんだなと思いながら、彼女は目を瞑り続ける。
ぴとり。
頬に一つの感覚が伝わる。
何かが触れているという感覚は、失われていない。
冷たいようで温かい水が一粒、頬を伝い濡らしていく。
ぴとり、ぴとり、ぴとり。
不思議な水がどんどんと頬に落ちてくる。
止まることなくレナの頬へと落ちてくる。
頬に一つの感覚が伝わる。
何かが触れているという感覚は、失われていない。
冷たいようで温かい水が一粒、頬を伝い濡らしていく。
ぴとり、ぴとり、ぴとり。
不思議な水がどんどんと頬に落ちてくる。
止まることなくレナの頬へと落ちてくる。
不思議に思いながらも、竜宮レナは瞼をあけた。
ぼんやりと形を手に入れていく視界。
汚れのない白が、組み立てられていく。
やがて、上の方に少しだけ肌色が現れる。
目、鼻、口、顔と呼ばれるそれぞれの部位が姿を現す。
「え……?」
信じられない光景に思わず声が出る。
竜宮レナの肩を片手で押さえつけ、斬鉄剣の刃をギリギリのところで食い止めながら。
狭間偉出夫は、泣いていたのだから。
ぼんやりと形を手に入れていく視界。
汚れのない白が、組み立てられていく。
やがて、上の方に少しだけ肌色が現れる。
目、鼻、口、顔と呼ばれるそれぞれの部位が姿を現す。
「え……?」
信じられない光景に思わず声が出る。
竜宮レナの肩を片手で押さえつけ、斬鉄剣の刃をギリギリのところで食い止めながら。
狭間偉出夫は、泣いていたのだから。
「私を、これ以上失望させるな」
泣いていることに自覚がないのか、涙を拭うことをせずに震えた声で狭間は語り続ける。
こうして向き合っている間にも、狭間の涙はぽとぽととレナの頬へと落ちていく。
「……信じられないよ」
そんな狭間に対し、レナは声を出す。
「狭間さん、蒼嶋さんを殺そうとしてたんでしょ?」
涙は、気を引くための罠だ。そんなものに引っかかりはしない。
「蒼嶋さんだってそうだよ、狭間さんを殺そうとしてた」
どうせ、殺されるのならば。
「みんなみんな、誰かを殺したがってるし、誰かを殺してる」
言いたいことを全部言って死んでやる。
「そうしなきゃ、人殺しにならなきゃ、ここじゃ生き残れない」
すべてを、ぶちまけてやる。
「みんなのことをずっと信じてた、レナが馬鹿だったんだよ!!」
見なければよかった、知らなければよかった真実を知った道化師のように。
「あは、あははは、あははははは!! おかしいよね!! 笑っちゃうよね!!」
狂いながら、笑う。
「みんな最初から都合よく生き残ることしか考えてなかったのに!! みんな自分のことしか考えてなかったのに!!」
信用できない。世界のすべてが、この世のすべてが敵に見える。
「私だけが、私だけがずっと踊らされてた!! みんなの上辺の言葉に踊らされてたんだ!! 滑稽だよね!! おかしいよね!! あはははははは!!」
拒絶を繰り返し、笑い転げる。
自分を都合よく操るために、回りが生み出したまやかしに騙されていただけ。
そんな姿が、おかしくておかしくて、愚かで、たまらない。
刀が首筋に当てられていなければ、きっと転げ回って笑い続けただろう。
頭を揺さぶる笑い声がゆっくりとゆっくりと小さくなり、やがて竜宮レナは静かになった。
「……笑ってよ」
狭間がずっと黙って、自分を見続けていたからだ。
「狭間さんもそうでしょ? こんな、こんな哀れなレナを見て、笑いにきたんでしょ!? 笑ってよ!!」
笑えと促す。
この姿を見て、大声を出して笑えと促す。
笑われない道化師なんて価値がないから。
「笑ってよ!!」
泣いていることに自覚がないのか、涙を拭うことをせずに震えた声で狭間は語り続ける。
こうして向き合っている間にも、狭間の涙はぽとぽととレナの頬へと落ちていく。
「……信じられないよ」
そんな狭間に対し、レナは声を出す。
「狭間さん、蒼嶋さんを殺そうとしてたんでしょ?」
涙は、気を引くための罠だ。そんなものに引っかかりはしない。
「蒼嶋さんだってそうだよ、狭間さんを殺そうとしてた」
どうせ、殺されるのならば。
「みんなみんな、誰かを殺したがってるし、誰かを殺してる」
言いたいことを全部言って死んでやる。
「そうしなきゃ、人殺しにならなきゃ、ここじゃ生き残れない」
すべてを、ぶちまけてやる。
「みんなのことをずっと信じてた、レナが馬鹿だったんだよ!!」
見なければよかった、知らなければよかった真実を知った道化師のように。
「あは、あははは、あははははは!! おかしいよね!! 笑っちゃうよね!!」
狂いながら、笑う。
「みんな最初から都合よく生き残ることしか考えてなかったのに!! みんな自分のことしか考えてなかったのに!!」
信用できない。世界のすべてが、この世のすべてが敵に見える。
「私だけが、私だけがずっと踊らされてた!! みんなの上辺の言葉に踊らされてたんだ!! 滑稽だよね!! おかしいよね!! あはははははは!!」
拒絶を繰り返し、笑い転げる。
自分を都合よく操るために、回りが生み出したまやかしに騙されていただけ。
そんな姿が、おかしくておかしくて、愚かで、たまらない。
刀が首筋に当てられていなければ、きっと転げ回って笑い続けただろう。
頭を揺さぶる笑い声がゆっくりとゆっくりと小さくなり、やがて竜宮レナは静かになった。
「……笑ってよ」
狭間がずっと黙って、自分を見続けていたからだ。
「狭間さんもそうでしょ? こんな、こんな哀れなレナを見て、笑いにきたんでしょ!? 笑ってよ!!」
笑えと促す。
この姿を見て、大声を出して笑えと促す。
笑われない道化師なんて価値がないから。
「笑ってよ!!」
叫びと同時に頬を叩かれる。
振り抜かれたのは握り拳ではなく、平手。
それが、三度目の催促への答え。
振り抜かれたのは握り拳ではなく、平手。
それが、三度目の催促への答え。
何をやっているのだろう。
何を言っているのだろう。
何を考えているのだろう。
何を言っているのだろう。
何を考えているのだろう。
竜宮レナは、人間など信じれないと言った。
その通りだと自分も思っている、思っていたはずだ。
だから、自分も人間を信じない。
人類とは、生きていてはいけない存在。
一刻も早く駆逐されるべき存在。
だからここで竜宮レナの首をはね、即座に動き出せばいいはずなのに。
その通りだと自分も思っている、思っていたはずだ。
だから、自分も人間を信じない。
人類とは、生きていてはいけない存在。
一刻も早く駆逐されるべき存在。
だからここで竜宮レナの首をはね、即座に動き出せばいいはずなのに。
脳が指令するのは、全く持って違う行動だった。
「ふざけるな……」
肩を振るわせながら、怒りをはっきりと込めた声で返答する。
目の涙は乾き、鋭さを増しながらレナを見つめる。
その狭間の顔を、レナは呆けた顔で見ていた。
「……確かに私は、人類とは愚かで汚らしい生き物だと思っていた。
自分が優位に立てるように他者を蹴落とし、自分より優位な存在には屈服し、生き残る為にどんな手段でも使い、悦に入るために動く、この世でもっとも醜い生物だと」
人類、それはこの世でもっとも醜い生き物。
魔神皇となる前の狭間を苦しめ続けた生き物。
魔神皇という存在を生み出させた生き物。
生きる価値など微塵も存在しない、滅ぼされるべき種である。
そう、ずっと思い続けていた。
「……そんなときだ、貴様が現れたのは」
声のトーンを若干落とし、語りかけるようにレナへと言葉を投げつけていく。
「初めてだった。
他者を蹴落とすことなく、どんな境遇でも決して屈さず、信用と信頼を持って生き抜こうとする人間は」
竜宮レナ。
宿敵、蒼嶋駿朔の遺体を目の前にした狭間偉出夫に対し、謝罪と感謝の言葉を述べ、協力を申請してきた人間。
先入観で全てを語らず、無いことをはやし立てたりもせず。
短いながらも狭間偉出夫という一人の存在をまっすぐと見つめて向き合った、生涯の中で初めて現れた唯一の存在。
「人殺しだから信じられない、と言ったな」
たった今、その存在から放たれた言葉を投げかける。
人を信じるというコトを、初めて見せた存在の言葉を投げかける。
「そんな程度で、揺るぐ考えだったのか?」
胸がざわつく、口が動いて言葉が続く。
今までの言葉を振り返っても、自分が何を言っているのかわからない。
そう思う反面、言わなければ気が済まない自分がいる。
「相手が人殺しだろうがなんだろうが構わない。
大事なのは素性ではなく、相手の気持ちだと思っていたのだろう?
自分の心に正直に、そして相手をまっすぐに信じていたのではないのか?」
言葉があふれだしてくる。
たった一人の醜い人類に、いつでも殺すことができるたった一人の少女に。
こみ上げてくる言葉を、空気振るわせて伝え続ける。
「だから、あの時私に声をかけたのだろう?」
思い出すのは、数刻前のやりとり。
あの時の竜宮レナの様子を思い浮かべながら、思った通りの言葉を出していく。
「貴様は確固たる意志で、私に同行を願い出た。
己の生存でも何でもなく、私を信用して声をかけた。
自分が信じる力と、自分が信じる道を切り開くために」
反論の余地すら許さないように、次々に口を動かす。
呆けたまま動かないレナを、まっすぐ見つめながら。
「貴様の心は……他者を信じるという心は!
そんなくだらないことで崩れ去る程度のものだったのか!?」
狭間が知らなかった、信じるという心。
その力を持った人間と、初めて出会った。
そして、その心と触れた。
「私は、初めて人間を、竜宮レナという一人の人間を信じてみようと思った」
最初は拒絶した。
それは嘘、それは偽りだと。
都合の良いことを並べているだけだと。
だが、違った。
本当に心から信頼を置いて、竜宮レナは狭間偉出夫に話しかけていた。
その全ての信頼を託して、狭間の元から去った。
「その貴様が! そんなくだらない理由で! 人を信じることをやめたなど、黙っていられるわけがないだろう!!」
だから、たった一回だけなら信じてみようと思った。
夢の中の蒼嶋に諭されたからではない、人類という存在を信用することにした。
初めて、信じると言うことを見せてくれた存在から。
人の信じ方を、知りたいと思った。
「どうだ、答えてみろ」
その存在は今、くだらない事で信じることをやめている。
狭間がかつて受けた行為に比べれば、塵芥にも等しい理由で。
信じるという心を簡単に失って見せた。
だから、問いかける。
「貴様の"信頼"とは、そんなに脆いものなのか!!」
信じる心とは、そんな簡単に失われる物なのかと。
信じる心とは、人間には付与し得ない物なのかと。
信じる心とは、この世に存在し得ない物なのかと。
「北岡や柊やジェレミアの信頼を! 貴様が信じた者の力を!」
あの時見せた他人を信じる心は、偽物だったのかと。
凛と輝き静かに燃え上がる瞳は、偽物だったのかと。
まっすぐと根を張る信頼の樹は、偽物だったのかと。
「蒼嶋駿朔の心を! 命を! 貴様という存在に託された全てを!!」
竜宮レナという一人の少女が信じ続けた物はなんだったのかと。
殺人者であるというだけで脆く崩れ去ってしまう物だったのかと。
そもそもそこに自分が信じるべき物が確かにあったのかどうかと。
「そして、何より!
人間を信じ続けてきた貴様自身の心を!!
人間を信じてみようと思った私の心を!!
この場で裏切り、投げ捨てるというのか!!」
自分が見た、信じる心もまやかしだったのかと。
自分が見た、あのレナの姿は偽りだったのかと。
自分が見た、人間を信じてみようと思った姿は嘘だったのかと。
「貴様があの時私に示して見せた"人を信じる心"は、偽りだったというのか!!」
狭間は問いかける、畳み掛けるように問いかける。
自分が見たもの、信じる心の存在、人類の本当の姿。
それら全てを、確かめるために。
「結局貴様も、他者を利用して生き残ろうとする醜い人類だったのか!?」
そして、竜宮レナの本当の心を問いかける。
「答えろ!!」
「ふざけるな……」
肩を振るわせながら、怒りをはっきりと込めた声で返答する。
目の涙は乾き、鋭さを増しながらレナを見つめる。
その狭間の顔を、レナは呆けた顔で見ていた。
「……確かに私は、人類とは愚かで汚らしい生き物だと思っていた。
自分が優位に立てるように他者を蹴落とし、自分より優位な存在には屈服し、生き残る為にどんな手段でも使い、悦に入るために動く、この世でもっとも醜い生物だと」
人類、それはこの世でもっとも醜い生き物。
魔神皇となる前の狭間を苦しめ続けた生き物。
魔神皇という存在を生み出させた生き物。
生きる価値など微塵も存在しない、滅ぼされるべき種である。
そう、ずっと思い続けていた。
「……そんなときだ、貴様が現れたのは」
声のトーンを若干落とし、語りかけるようにレナへと言葉を投げつけていく。
「初めてだった。
他者を蹴落とすことなく、どんな境遇でも決して屈さず、信用と信頼を持って生き抜こうとする人間は」
竜宮レナ。
宿敵、蒼嶋駿朔の遺体を目の前にした狭間偉出夫に対し、謝罪と感謝の言葉を述べ、協力を申請してきた人間。
先入観で全てを語らず、無いことをはやし立てたりもせず。
短いながらも狭間偉出夫という一人の存在をまっすぐと見つめて向き合った、生涯の中で初めて現れた唯一の存在。
「人殺しだから信じられない、と言ったな」
たった今、その存在から放たれた言葉を投げかける。
人を信じるというコトを、初めて見せた存在の言葉を投げかける。
「そんな程度で、揺るぐ考えだったのか?」
胸がざわつく、口が動いて言葉が続く。
今までの言葉を振り返っても、自分が何を言っているのかわからない。
そう思う反面、言わなければ気が済まない自分がいる。
「相手が人殺しだろうがなんだろうが構わない。
大事なのは素性ではなく、相手の気持ちだと思っていたのだろう?
自分の心に正直に、そして相手をまっすぐに信じていたのではないのか?」
言葉があふれだしてくる。
たった一人の醜い人類に、いつでも殺すことができるたった一人の少女に。
こみ上げてくる言葉を、空気振るわせて伝え続ける。
「だから、あの時私に声をかけたのだろう?」
思い出すのは、数刻前のやりとり。
あの時の竜宮レナの様子を思い浮かべながら、思った通りの言葉を出していく。
「貴様は確固たる意志で、私に同行を願い出た。
己の生存でも何でもなく、私を信用して声をかけた。
自分が信じる力と、自分が信じる道を切り開くために」
反論の余地すら許さないように、次々に口を動かす。
呆けたまま動かないレナを、まっすぐ見つめながら。
「貴様の心は……他者を信じるという心は!
そんなくだらないことで崩れ去る程度のものだったのか!?」
狭間が知らなかった、信じるという心。
その力を持った人間と、初めて出会った。
そして、その心と触れた。
「私は、初めて人間を、竜宮レナという一人の人間を信じてみようと思った」
最初は拒絶した。
それは嘘、それは偽りだと。
都合の良いことを並べているだけだと。
だが、違った。
本当に心から信頼を置いて、竜宮レナは狭間偉出夫に話しかけていた。
その全ての信頼を託して、狭間の元から去った。
「その貴様が! そんなくだらない理由で! 人を信じることをやめたなど、黙っていられるわけがないだろう!!」
だから、たった一回だけなら信じてみようと思った。
夢の中の蒼嶋に諭されたからではない、人類という存在を信用することにした。
初めて、信じると言うことを見せてくれた存在から。
人の信じ方を、知りたいと思った。
「どうだ、答えてみろ」
その存在は今、くだらない事で信じることをやめている。
狭間がかつて受けた行為に比べれば、塵芥にも等しい理由で。
信じるという心を簡単に失って見せた。
だから、問いかける。
「貴様の"信頼"とは、そんなに脆いものなのか!!」
信じる心とは、そんな簡単に失われる物なのかと。
信じる心とは、人間には付与し得ない物なのかと。
信じる心とは、この世に存在し得ない物なのかと。
「北岡や柊やジェレミアの信頼を! 貴様が信じた者の力を!」
あの時見せた他人を信じる心は、偽物だったのかと。
凛と輝き静かに燃え上がる瞳は、偽物だったのかと。
まっすぐと根を張る信頼の樹は、偽物だったのかと。
「蒼嶋駿朔の心を! 命を! 貴様という存在に託された全てを!!」
竜宮レナという一人の少女が信じ続けた物はなんだったのかと。
殺人者であるというだけで脆く崩れ去ってしまう物だったのかと。
そもそもそこに自分が信じるべき物が確かにあったのかどうかと。
「そして、何より!
人間を信じ続けてきた貴様自身の心を!!
人間を信じてみようと思った私の心を!!
この場で裏切り、投げ捨てるというのか!!」
自分が見た、信じる心もまやかしだったのかと。
自分が見た、あのレナの姿は偽りだったのかと。
自分が見た、人間を信じてみようと思った姿は嘘だったのかと。
「貴様があの時私に示して見せた"人を信じる心"は、偽りだったというのか!!」
狭間は問いかける、畳み掛けるように問いかける。
自分が見たもの、信じる心の存在、人類の本当の姿。
それら全てを、確かめるために。
「結局貴様も、他者を利用して生き残ろうとする醜い人類だったのか!?」
そして、竜宮レナの本当の心を問いかける。
「答えろ!!」
揺れる。
狭間の叫び声に呼応するように。
頭全体が、頭蓋骨の中身がぐらぐらと揺れる。
狭間の叫び声に呼応するように。
頭全体が、頭蓋骨の中身がぐらぐらと揺れる。
この場所に来てからの、今に至るまでの光景が全て蘇る。
はじめから、順番に、順番に。脳を駆け巡っていく。
目の前にいるはずの狭間の姿など、当然見えない。
はじめから、順番に、順番に。脳を駆け巡っていく。
目の前にいるはずの狭間の姿など、当然見えない。
――――レナ……立派なレディになりなさい
「あ……」
声が漏れる。
この場所に来て、初めて出会った人形。
最後まで誇り高く、薔薇乙女として散っていった人形。
彼女が、最後に託した言葉が響く。
声が漏れる。
この場所に来て、初めて出会った人形。
最後まで誇り高く、薔薇乙女として散っていった人形。
彼女が、最後に託した言葉が響く。
「ああ、あああ……」
次に蘇るのは、C.C.とヴァンの姿。
どこか不器用で、ガサツな二人組み。
「なんであの時に、二人とも私を助けてくれたんですか?」
その時の問いの答えだけで、自分は彼らを疑っていた。
嘘だと決め付けていた、それこそ虚像だと決め付けていた。
思い出していくのは、その次の光景。
「C.C.さんは、私達がC.C.さんの話を信じるって信じて話して下さったんですよね。
だからレナもC.C.さんを信じます」
彼らが自分を信じてくれていたから、自分も彼らを信じていた。
行動した時間は短くても、互いに信じあっていた。
"信じること"を決めたのは、自分自身だった。
そして、何より互いに信じていたから。
次に蘇るのは、C.C.とヴァンの姿。
どこか不器用で、ガサツな二人組み。
「なんであの時に、二人とも私を助けてくれたんですか?」
その時の問いの答えだけで、自分は彼らを疑っていた。
嘘だと決め付けていた、それこそ虚像だと決め付けていた。
思い出していくのは、その次の光景。
「C.C.さんは、私達がC.C.さんの話を信じるって信じて話して下さったんですよね。
だからレナもC.C.さんを信じます」
彼らが自分を信じてくれていたから、自分も彼らを信じていた。
行動した時間は短くても、互いに信じあっていた。
"信じること"を決めたのは、自分自身だった。
そして、何より互いに信じていたから。
――――レナ、ホウキを持っているんだろう?
それで逃げろ。
それで逃げろ。
――――私達はいい、早く行け!
自ら危険を背負い、自分を逃がす。
そんなことは、信用していなければ出来ない。
自分が生き残ることに躊躇いのない人殺しなら、命を賭すような真似は出来ない。
そんなことは、信用していなければ出来ない。
自分が生き残ることに躊躇いのない人殺しなら、命を賭すような真似は出来ない。
――――強い相手にだって一歩も引かない、弱い奴を見捨てない!!
あんたは何!?
英雄なんかじゃない、ただの弱虫の卑怯者!
シュン達の助けなんて要らない、あたしがあんたの相手になってあげる。
あんたみたいなやつには絶対負けないわ!!
「ごめんな、さい」
頭に響くの蒼嶋と行動を共にしていた、千草貴子の声。
その声に対し、無意識のうちに謝罪の声が漏れる。
年が近い千草は、信じていた。
蒼嶋駿朔という一人の人間の力を、心を。
最後の最期まで、信じ抜いていた。
その蒼嶋を、自分は否定した。
あんたは何!?
英雄なんかじゃない、ただの弱虫の卑怯者!
シュン達の助けなんて要らない、あたしがあんたの相手になってあげる。
あんたみたいなやつには絶対負けないわ!!
「ごめんな、さい」
頭に響くの蒼嶋と行動を共にしていた、千草貴子の声。
その声に対し、無意識のうちに謝罪の声が漏れる。
年が近い千草は、信じていた。
蒼嶋駿朔という一人の人間の力を、心を。
最後の最期まで、信じ抜いていた。
その蒼嶋を、自分は否定した。
「ごめん、な、さい」
そして、次に頭には蒼嶋と過ごした時間が蘇る。
力を貸して欲しいと願った。
力を貸して欲しいと願われた。
互いを互いに信じ合い、その全てを託してきた。
そして、詩音とカメレオンの戦闘。
蒼嶋駿朔は前線に立ち続けた。
何故か?
蒼嶋駿朔は、竜宮レナを信じていたからだ。
この殺し合いを転覆させる、そう決めた仲間同士だったから。
自分の命を賭してまで、最後の瞬間にレナを救った。
そして、次に頭には蒼嶋と過ごした時間が蘇る。
力を貸して欲しいと願った。
力を貸して欲しいと願われた。
互いを互いに信じ合い、その全てを託してきた。
そして、詩音とカメレオンの戦闘。
蒼嶋駿朔は前線に立ち続けた。
何故か?
蒼嶋駿朔は、竜宮レナを信じていたからだ。
この殺し合いを転覆させる、そう決めた仲間同士だったから。
自分の命を賭してまで、最後の瞬間にレナを救った。
――――ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――ッ!!
「ご、めんなさ、い」
石川五ェ門もそうだ、最後の瞬間に北岡を信じ、託した。
自分が死に行くというのに、満足げな表情すら浮かべながら。
あの二人の間にどれだけ細かいやり取りがあったのか、レナは知らない。
でも、あの場面だけでも分かることがある。
五ェ門は確かに、北岡秀一という一人の人間を信用していたのだと。
そして、全てを託して散っていったのだと。
自分が生き残ることしか考えていない人間なんて、あの場には誰一人いなかった。
石川五ェ門もそうだ、最後の瞬間に北岡を信じ、託した。
自分が死に行くというのに、満足げな表情すら浮かべながら。
あの二人の間にどれだけ細かいやり取りがあったのか、レナは知らない。
でも、あの場面だけでも分かることがある。
五ェ門は確かに、北岡秀一という一人の人間を信用していたのだと。
そして、全てを託して散っていったのだと。
自分が生き残ることしか考えていない人間なんて、あの場には誰一人いなかった。
「ごめんなざい!」
そして、最後に蘇る光景。
叫ぶ、叫ぶ、声がかすれるまで叫ぶ。
さっきまで行動を共にしていた、北岡秀一、柊つかさ、ジェレミア・ゴットバルト。
三人とも"信じる"と決めたばっかりだったのに。
"信じたい"と願ったはずなのに。
たった一言で、全てを拒絶し、投げ出し、裏切ったのは他の誰でもない自分だ。
そして、最後に蘇る光景。
叫ぶ、叫ぶ、声がかすれるまで叫ぶ。
さっきまで行動を共にしていた、北岡秀一、柊つかさ、ジェレミア・ゴットバルト。
三人とも"信じる"と決めたばっかりだったのに。
"信じたい"と願ったはずなのに。
たった一言で、全てを拒絶し、投げ出し、裏切ったのは他の誰でもない自分だ。
「ごめ"、んな"、ざい!」
最後に思い出す。
狭間を信用し、狭間に同行を持ちかけた自分の姿を。
初対面の狭間に対し、彼を信じきって物怖じもせずに提案をした。
最後に思い出す。
狭間を信用し、狭間に同行を持ちかけた自分の姿を。
初対面の狭間に対し、彼を信じきって物怖じもせずに提案をした。
そして、彼はそれに応えたのだろう。
今、ここに現れた。
そんな彼を、自分は突き飛ばし、拒絶した。
「ごめんなざい!!」
最後の叫びが、天空へと昇っていく。
もう、首は痒くなかった。
次々にフラッシュバックしていった場面達。
その一場面一場面に、信頼の形があった。
それを簡単に投げ捨てていたのは自分だ。
相手を信じたい、相手を信じれない、相手が信用できないではない。
"他人を信用したいと思う自分"を信じるべきだった。
そう思い続けていた自分の心を信じていなかったのだ。
それを、忘れていたのだ。
ああ、そうだ。
人を信じた先に、未来があるから。
自分は、生きなくちゃいけないんだ。
ゆっくりと、視界が元に戻る。
喉元の斬鉄剣は仕舞われ、上に被さるように乗っていたはずの狭間は既に立ち上がっている。
ふと頬に手をやると、先ほどまで痛んでいたはずの場所が殆ど痛くなくなっている。
ああ、そうかと心の中で結論をつける。
これが、蒼嶋の言っていた"魔法"なのだと。
「狭間さん」
「なんだ」
どうしても言いたい事があって、起き上がると同時に狭間を呼び止める。
ぶっきらぼうに応える狭間に対し、ゆっくりと起き上がったレナは服の埃を払い、頭を深々と下げる。
「ありがとう」
謝罪と、感謝。
両方を含んだお辞儀に対し、軽く鼻を鳴らして狭間は応える。
「蒼嶋が見込んだ女がその程度では、奴の顔が立たんからな」
そして頭を下げたままのレナに対し、言葉を続けていく。
「竜宮レナ、貴様の"信じる心"はしかと見届けた。
人間を……人を、私も"信じて"みることにしよう」
その言葉を聞いたとき、蒼嶋の姿が再び狭間に重なって見えたのは、きっと気のせいではないだろう。
喉元の斬鉄剣は仕舞われ、上に被さるように乗っていたはずの狭間は既に立ち上がっている。
ふと頬に手をやると、先ほどまで痛んでいたはずの場所が殆ど痛くなくなっている。
ああ、そうかと心の中で結論をつける。
これが、蒼嶋の言っていた"魔法"なのだと。
「狭間さん」
「なんだ」
どうしても言いたい事があって、起き上がると同時に狭間を呼び止める。
ぶっきらぼうに応える狭間に対し、ゆっくりと起き上がったレナは服の埃を払い、頭を深々と下げる。
「ありがとう」
謝罪と、感謝。
両方を含んだお辞儀に対し、軽く鼻を鳴らして狭間は応える。
「蒼嶋が見込んだ女がその程度では、奴の顔が立たんからな」
そして頭を下げたままのレナに対し、言葉を続けていく。
「竜宮レナ、貴様の"信じる心"はしかと見届けた。
人間を……人を、私も"信じて"みることにしよう」
その言葉を聞いたとき、蒼嶋の姿が再び狭間に重なって見えたのは、きっと気のせいではないだろう。
人を信じるかどうか、竜宮レナという人間に触れ合って考える。
そして、竜宮レナは見事"人を信じる"ことを思い出した。
どれだけ絶望に立たされても、人を信じることはできる。
嘗ての自分が出来なかったことを、この少女は簡単に成し遂げて見せた。
それは心の奥底から"人間を信じていた"からだ。
そして、竜宮レナは見事"人を信じる"ことを思い出した。
どれだけ絶望に立たされても、人を信じることはできる。
嘗ての自分が出来なかったことを、この少女は簡単に成し遂げて見せた。
それは心の奥底から"人間を信じていた"からだ。
こうして、狭間偉出夫と竜宮レナの一つの物語は幕を閉じる。
舞台の二人がそれぞれ選択し、答えを掴み、それぞれの道を見つけた。
人が信頼する心を取り戻す、感動のサクセスストーリー。
舞台の二人がそれぞれ選択し、答えを掴み、それぞれの道を見つけた。
人が信頼する心を取り戻す、感動のサクセスストーリー。
それを見ていた、たった一人の観客がいた。
「竜宮」
突然、狭間が短く声をかける。
「少し下がっていろ」
自分の後ろに下がるように指示し、レナはゆっくりと狭間の後ろへと移動する。
「メギド」
それを確認した後、狭間が小さく呟いた瞬間に青白い炎が真っ直ぐに伸びる。
迷いのない炎は、瓦礫にぶつかり小さな爆発を起こした。
巻き起こる煙の中、うっすらと一人分の人影が浮かび上がる。
「……貴様が鷹野三四か」
現れた仮面の存在に対し、狭間はある人物の名を言い放つ。
北岡から聞いた情報を照らし合わせても、それが鷹野三四である可能性は高い。
何より今この場にいて、このやり取りをずっと見ていたのだ。
「ふん、だんまりか。どうだ、そこでずっと見ていた感想は?」
仮面の存在、鷹野三四は答えない。
狭間に対してどのような感情を抱いているのか、どのような気持ちでそこに立っているのか。
仮面の下の表情と心を読み取ることは、二人には叶わない。
「まあいい……話は全部、北岡から聞いた。
竜宮レナに薬剤か何かを注射したそうだな? 恐らく精神を錯乱させる類の薬だろう、様子を見れば一発で分かる。
だが残念だったな。人為的な錯乱程度、この私の力なら容易く治療できる」
鷹野三四が竜宮レナに打ち込んだ薬剤、C120。
それによって竜宮レナは人為的に錯乱状態に陥った。
雛見沢症候群。
治療する手段が限られているはずの症候群。
だが、狭間にとってそれは障壁ではない。
悪魔の魔力による錯乱や恐怖に比べれば、人為的に引き起こされるものなどたかが知れている。
首を掻き続ける竜宮レナと、何も信用しないと言い切った精神状態から瞬時に錯乱を割り出し。
幽閉の塔を上り詰めたときに会得した魔法パトラを使って治療していた。
その上で、狭間は竜宮レナに問いかけをしていたのだ。
本当に人を信じる心というものが存在するのか、確かめるために。
そして、未だに口を開こうとしない鷹野に、狭間は怒りの声をぶつける。
「影でこそこそと動き、人の心を弄び、疑いを生じさせ、高みで嘲笑う。
貴様のような存在がいるから、貴様のような人間がいるから、人類は腐っているのだ!!」
鷹野三四という存在の所為で、竜宮レナは疑わなくてもいい存在を疑った。
人の心を試しているかのような行為、人の心を嘲っているかのような行為。
自身の経験にある、人間の醜い行為と重なって見える。
自分の中で決め付けていた、人間という存在に綺麗にハマるソレに怒りを示す。
許してはいけない、許すわけには行かない。
こんな存在がいるから、こんな人間がいるから。
信じる心も何もなくなってしまう、人間は汚い生物になってしまうのだから。
狭間は、より強い声で言葉を紡いで行く。
突然、狭間が短く声をかける。
「少し下がっていろ」
自分の後ろに下がるように指示し、レナはゆっくりと狭間の後ろへと移動する。
「メギド」
それを確認した後、狭間が小さく呟いた瞬間に青白い炎が真っ直ぐに伸びる。
迷いのない炎は、瓦礫にぶつかり小さな爆発を起こした。
巻き起こる煙の中、うっすらと一人分の人影が浮かび上がる。
「……貴様が鷹野三四か」
現れた仮面の存在に対し、狭間はある人物の名を言い放つ。
北岡から聞いた情報を照らし合わせても、それが鷹野三四である可能性は高い。
何より今この場にいて、このやり取りをずっと見ていたのだ。
「ふん、だんまりか。どうだ、そこでずっと見ていた感想は?」
仮面の存在、鷹野三四は答えない。
狭間に対してどのような感情を抱いているのか、どのような気持ちでそこに立っているのか。
仮面の下の表情と心を読み取ることは、二人には叶わない。
「まあいい……話は全部、北岡から聞いた。
竜宮レナに薬剤か何かを注射したそうだな? 恐らく精神を錯乱させる類の薬だろう、様子を見れば一発で分かる。
だが残念だったな。人為的な錯乱程度、この私の力なら容易く治療できる」
鷹野三四が竜宮レナに打ち込んだ薬剤、C120。
それによって竜宮レナは人為的に錯乱状態に陥った。
雛見沢症候群。
治療する手段が限られているはずの症候群。
だが、狭間にとってそれは障壁ではない。
悪魔の魔力による錯乱や恐怖に比べれば、人為的に引き起こされるものなどたかが知れている。
首を掻き続ける竜宮レナと、何も信用しないと言い切った精神状態から瞬時に錯乱を割り出し。
幽閉の塔を上り詰めたときに会得した魔法パトラを使って治療していた。
その上で、狭間は竜宮レナに問いかけをしていたのだ。
本当に人を信じる心というものが存在するのか、確かめるために。
そして、未だに口を開こうとしない鷹野に、狭間は怒りの声をぶつける。
「影でこそこそと動き、人の心を弄び、疑いを生じさせ、高みで嘲笑う。
貴様のような存在がいるから、貴様のような人間がいるから、人類は腐っているのだ!!」
鷹野三四という存在の所為で、竜宮レナは疑わなくてもいい存在を疑った。
人の心を試しているかのような行為、人の心を嘲っているかのような行為。
自身の経験にある、人間の醜い行為と重なって見える。
自分の中で決め付けていた、人間という存在に綺麗にハマるソレに怒りを示す。
許してはいけない、許すわけには行かない。
こんな存在がいるから、こんな人間がいるから。
信じる心も何もなくなってしまう、人間は汚い生物になってしまうのだから。
狭間は、より強い声で言葉を紡いで行く。
「貴様だけは、貴様だけは絶対に許さん。人間の心を弄ぶ、貴様だけは!
この軽子坂高校2年E組の狭間偉出夫が、魔"人"皇として裁いてやる!!」
この軽子坂高校2年E組の狭間偉出夫が、魔"人"皇として裁いてやる!!」
【一日目 真夜中/G-10 半壊した遊園地】
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)
[所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎
FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、ミニクーパー@ルパン三世
デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、確認済み支給品(0~1)(刀剣類がある場合は一つだけ)
[状態]疲労(小)、軽傷
[思考・行動]
0:遊園地内で鷹野三四の探索。
1:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
2:つかさに対する罪悪感。
※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。
※レナ、狭間と情報交換をしました。
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)
[所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎
FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、ミニクーパー@ルパン三世
デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、確認済み支給品(0~1)(刀剣類がある場合は一つだけ)
[状態]疲労(小)、軽傷
[思考・行動]
0:遊園地内で鷹野三四の探索。
1:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
2:つかさに対する罪悪感。
※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。
※レナ、狭間と情報交換をしました。
【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ3つ)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、食材@現実(一部使用)、
パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた
[状態]疲労(小)、精神的疲労(小)
[思考・行動]
0:錬金術でみんなに協力したい。
1:遊園地内で鷹野三四の探索。
2:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
3:みなみに会いたい。
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ3つ)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、食材@現実(一部使用)、
パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた
[状態]疲労(小)、精神的疲労(小)
[思考・行動]
0:錬金術でみんなに協力したい。
1:遊園地内で鷹野三四の探索。
2:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
3:みなみに会いたい。
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。
【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]無限刃@るろうに剣心、贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
ヴァンの蛮刀@ガン×ソード、琥珀湯×1、フラム×1、リフュールポット×2、不明支給品(0~1)、
薬材料(買い物袋一つ分程度)、エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、メタルゲラスの装甲板、メタルゲラスの角と爪
[状態]右半身に小ダメージ、疲労(小)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能
[思考・行動]
0:0:遊園地内で鷹野三四の探索。
1:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
2:V.V.を殺す。
3:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
4:全て終えてからルルーシュの後を追う。
5:スザクを止めたい。水銀燈を特に警戒。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。
※制限により、ギアスキャンセラーを使用すると疲労が増大します。他にも制限があるかも知れません。
[装備]無限刃@るろうに剣心、贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
ヴァンの蛮刀@ガン×ソード、琥珀湯×1、フラム×1、リフュールポット×2、不明支給品(0~1)、
薬材料(買い物袋一つ分程度)、エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、メタルゲラスの装甲板、メタルゲラスの角と爪
[状態]右半身に小ダメージ、疲労(小)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能
[思考・行動]
0:0:遊園地内で鷹野三四の探索。
1:レナを連れ戻す。鷹野を倒して解毒剤を手に入れる。
2:V.V.を殺す。
3:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
4:全て終えてからルルーシュの後を追う。
5:スザクを止めたい。水銀燈を特に警戒。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。
※制限により、ギアスキャンセラーを使用すると疲労が増大します。他にも制限があるかも知れません。
【狭間偉出夫@真・女神転生if…】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式、ニンテンドーDS型探知機
[状態]:人間形態
[思考・行動]
0:人間を信じてみる。
1:鷹野は絶対に許さない。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式、ニンテンドーDS型探知機
[状態]:人間形態
[思考・行動]
0:人間を信じてみる。
1:鷹野は絶対に許さない。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、
Kフロストマント@真・女神転生if…、ブラフマーストラ@真・女神転生if…、庭師の鋏@ローゼンメイデン
[状態]:疲労(小)、殴られた(痛くないけど)
[思考・行動]
0:"他人を信じる自分の心"を信じる。
[備考]
※ギアス、コードについて一定の理解を得ました。
※北岡達と情報交換をしました。
[装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、
Kフロストマント@真・女神転生if…、ブラフマーストラ@真・女神転生if…、庭師の鋏@ローゼンメイデン
[状態]:疲労(小)、殴られた(痛くないけど)
[思考・行動]
0:"他人を信じる自分の心"を信じる。
[備考]
※ギアス、コードについて一定の理解を得ました。
※北岡達と情報交換をしました。
【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に】
[装備]無し
[支給品]オーディンのデッキ@仮面ライダー龍騎、空の注射器、不明支給品
[状態]健康
[思考・行動]
1:?????
※鷹野のデッキに他のデッキと同様の制限が掛かっているかどうかは不明です。
[装備]無し
[支給品]オーディンのデッキ@仮面ライダー龍騎、空の注射器、不明支給品
[状態]健康
[思考・行動]
1:?????
※鷹野のデッキに他のデッキと同様の制限が掛かっているかどうかは不明です。
時系列順で読む
投下順で読む
150:2nd STAGE | 北岡秀一 | 159:魔人 が 生まれた 日(前編) |
柊つかさ | ||
ジェレミア・ゴットバルト | ||
竜宮レナ | ||
狭間偉出雄 | ||
鷹野三四 |