西町の星砂
西町のほど近くに、干潟をもつ小さな入り江がある。
ここは塩分を含んだ泥炭の湿地となっており、開拓には適さない地形だ。しかし、西町の経済発展に挑むゴルゲリオス=ゴードン男爵はこの土地からも利益を上げるべく、泥炭を乾かし燃料として売り出した。利益は微々たる物であったが、資源の乏しい西町で得られた収益ということに気を良くした男爵は、配下に泥炭を用いた商品の開発を命じた。
いくつか失敗をかさねた後、配下の者は塩分を含んだ泥炭から塩を得ることを思いついた。塩の作り方はいたって簡単なもので、まず塩を含んだ泥炭や砂と海水を混ぜることで塩を溶かし出し、それを濾過することで“かん水”(塩分を多く含んだ水)を作る。あとは泥炭を燃料として、その“かん水”を煮詰め塩を得るのだ。燃料代もかからない効率のよさに、ゴルゲリオス男爵も大変気に入り、“西町の星砂”という名で大々的に売り出すことにした。
ここは塩分を含んだ泥炭の湿地となっており、開拓には適さない地形だ。しかし、西町の経済発展に挑むゴルゲリオス=ゴードン男爵はこの土地からも利益を上げるべく、泥炭を乾かし燃料として売り出した。利益は微々たる物であったが、資源の乏しい西町で得られた収益ということに気を良くした男爵は、配下に泥炭を用いた商品の開発を命じた。
いくつか失敗をかさねた後、配下の者は塩分を含んだ泥炭から塩を得ることを思いついた。塩の作り方はいたって簡単なもので、まず塩を含んだ泥炭や砂と海水を混ぜることで塩を溶かし出し、それを濾過することで“かん水”(塩分を多く含んだ水)を作る。あとは泥炭を燃料として、その“かん水”を煮詰め塩を得るのだ。燃料代もかからない効率のよさに、ゴルゲリオス男爵も大変気に入り、“西町の星砂”という名で大々的に売り出すことにした。
さて、人間の生活に欠かせない塩に関しては、塩を取り扱う商人ギルドの“塩商ギルド”が大きな力を持ち、その流通を一手に扱っていた。ゴルゲリオス男爵は領主自身の商売として、塩商ギルドを介さず独自の流通で“西町の星砂”を卸し始めた。
塩商ギルドはこの”新規参入”を苦々しく思ったが、領主である男爵には逆らうことができない。
そこで、塩商ギルドは「西町の星砂」を使う料理人には塩を卸さないという妨害をかけたのだった。
「星砂」は生産量が少なく、料理人たちは塩商ギルドの塩を使わないわけにはいかなかったのだ。男爵も塩商ギルドへ圧力をかけて妨害を止めようとしたが、塩商ギルドの影響力と東町の反対によって実現しなかった。
結果、「西町の星砂」はトーチ・ポートから姿を消し、他の町への交易品となった。
塩商ギルドはこの”新規参入”を苦々しく思ったが、領主である男爵には逆らうことができない。
そこで、塩商ギルドは「西町の星砂」を使う料理人には塩を卸さないという妨害をかけたのだった。
「星砂」は生産量が少なく、料理人たちは塩商ギルドの塩を使わないわけにはいかなかったのだ。男爵も塩商ギルドへ圧力をかけて妨害を止めようとしたが、塩商ギルドの影響力と東町の反対によって実現しなかった。
結果、「西町の星砂」はトーチ・ポートから姿を消し、他の町への交易品となった。
これで収まらないのは、トーチ・ポートの料理人たちである。「西町の星砂」は、極めて良質の塩であったのだ。
有名な“怒れる料理人”ヂャグ氏によれば、「ああ、あの塩はすっげえなあ。俺の得意なのは肉料理だが、あの塩は魚料理にめちゃくちゃ合う。この俺が、魚料理を作りたくなるなんて、たいしたもんだぜ。」 という。塩の質が良い上、泥炭による香りがつき、魚料理には最適らしい。とくに、この塩に漬けた魚を西町の泥炭で燻製すると、酒の肴に最高なのだ。
現在、塩商ギルドに隠れて、トーチ・ポート中の料理人が「星砂」を使っているらしい。ここまで広がった要因には、裏の流通なのに手ごろな値段で購入できるのも関係している。これは、塩商ギルドに反発した男爵がわざと値を下げているとも、将来において塩商ギルドを牛耳るための布石だとも言われている。
有名な“怒れる料理人”ヂャグ氏によれば、「ああ、あの塩はすっげえなあ。俺の得意なのは肉料理だが、あの塩は魚料理にめちゃくちゃ合う。この俺が、魚料理を作りたくなるなんて、たいしたもんだぜ。」 という。塩の質が良い上、泥炭による香りがつき、魚料理には最適らしい。とくに、この塩に漬けた魚を西町の泥炭で燻製すると、酒の肴に最高なのだ。
現在、塩商ギルドに隠れて、トーチ・ポート中の料理人が「星砂」を使っているらしい。ここまで広がった要因には、裏の流通なのに手ごろな値段で購入できるのも関係している。これは、塩商ギルドに反発した男爵がわざと値を下げているとも、将来において塩商ギルドを牛耳るための布石だとも言われている。
“真鍮の舌”ゴッツ・ボアピック
ドワーフの男性、コモナー2
年老いたドワーフの男性。値踏みするような目つきと胸を覆い隠す白いあご髭が特徴。塩商ギルドの長(おさ)を長く務め、若い頃の岩塩掘りから塩の荷馬車引き、そして塩の商人へと一代で成り上がった立身出世伝の持ち主。
現在は、隠居して塩問屋「金の牛亭」を息子に譲り、塩商ギルドの長を務めるだけということになっているが、今だ店の実権を握り続けている。
若い頃に苦労をしてきたためか、強欲な上にケチで有名。商売のやり方もごり押し一本で評判は芳しくない。しかし、支払期日や到着日などの時間に関しての約束だけは、たがえたことはないので、最低限の信用はある。
また、美食家としても有名で、うまいものに関してはお金を惜しまない。よく有名なコックを呼び寄せては、その料理を一人で楽しんでいる。
さらに、館の地下には、豪華な酒蔵を持っているらしいが、そこにはゴッツだけしか入れないので、その酒蔵の品揃えは謎に包まれている。酒場では、酒好きの間でこの酒蔵の中についての噂がよく飛び交っている。今まで、この酒蔵には何人もの泥棒が挑んだが、幾重にも仕掛けられた罠によっていずれも戻ってこなかったという。
なお、異名である“真鍮の舌”とは、美食家を気取るわりに繊細な味が理解できないため、料理人たちの間でつけられた蔑称である。自分の販売している岩塩と“西町の星砂”を使った料理の区別がつかないのだ。本人は“黄金の舌”と呼ばれたがっているようだが、“真鍮の舌”の名を返上するには大変な努力を必要とすることだろう。
年老いたドワーフの男性。値踏みするような目つきと胸を覆い隠す白いあご髭が特徴。塩商ギルドの長(おさ)を長く務め、若い頃の岩塩掘りから塩の荷馬車引き、そして塩の商人へと一代で成り上がった立身出世伝の持ち主。
現在は、隠居して塩問屋「金の牛亭」を息子に譲り、塩商ギルドの長を務めるだけということになっているが、今だ店の実権を握り続けている。
若い頃に苦労をしてきたためか、強欲な上にケチで有名。商売のやり方もごり押し一本で評判は芳しくない。しかし、支払期日や到着日などの時間に関しての約束だけは、たがえたことはないので、最低限の信用はある。
また、美食家としても有名で、うまいものに関してはお金を惜しまない。よく有名なコックを呼び寄せては、その料理を一人で楽しんでいる。
さらに、館の地下には、豪華な酒蔵を持っているらしいが、そこにはゴッツだけしか入れないので、その酒蔵の品揃えは謎に包まれている。酒場では、酒好きの間でこの酒蔵の中についての噂がよく飛び交っている。今まで、この酒蔵には何人もの泥棒が挑んだが、幾重にも仕掛けられた罠によっていずれも戻ってこなかったという。
なお、異名である“真鍮の舌”とは、美食家を気取るわりに繊細な味が理解できないため、料理人たちの間でつけられた蔑称である。自分の販売している岩塩と“西町の星砂”を使った料理の区別がつかないのだ。本人は“黄金の舌”と呼ばれたがっているようだが、“真鍮の舌”の名を返上するには大変な努力を必要とすることだろう。
「ふん、そいつは儲かるのか」
「いいワインだ。どうだ、そのワインを私だけに卸さないか」
「くそっ、いまいましい男爵が」
「いいワインだ。どうだ、そのワインを私だけに卸さないか」
「くそっ、いまいましい男爵が」
| + | [シナリオ・フック] |
(独楽屋)