ヘフティグ地方
トーチ・ポートの西部、ウィルドニス村を境にした荒野をヘフティグと呼ぶ。比較的安全なトーチ周囲とは異なり、怪物がうろつく危険な地域である。例の東西戦争で多くの都市が壊滅し、ろくに復興できぬまま危険地域と化しているからだ。
とはいえ共同体がないかと言えば、そうでもない。荒地の端や山地の隙間、怪物のいない地域にたくましく人々が生きている。決して楽な生活ではないが、みな明るく、激しく生活している。この地方では『タフでなければ生きていけない』のである。

とはいえ共同体がないかと言えば、そうでもない。荒地の端や山地の隙間、怪物のいない地域にたくましく人々が生きている。決して楽な生活ではないが、みな明るく、激しく生活している。この地方では『タフでなければ生きていけない』のである。

<歴史>
ヘフティグは戦の神に取り憑かれた場所である。東西の戦いのもっと昔、まだトーチ・ポートができる前にも大きな戦いがあった。それは大陸全土に影響を与える、雄々しくも過酷な戦いであった。
このあたりには“銀輪山に竜が眠っている”という伝承が残っている。今では子供向けのホラ話と思われているが、それは真実である。この地方の地下深くでは、今もたくさんの竜が眠りについている。はるかな昔、まだ人間よりもエルフやドワーフが地上の主役だった頃、銀輪山の麓で尋常ならざるドラゴン同士の戦いがあったからだ。
その頃のドラゴンは、今よりも深い知恵と巨大な力を兼ね備えていた(今のドラゴンと区別するために“魔竜”と呼ばれる)。メタルとクロマティックに派閥が分かれた魔竜たちは、地上の覇権をかけて激しく争った。両陣営のリーダーである金竜と赤竜が相討ちになったが、銀竜と黒竜がその跡を継いで戦いは続けられた。指導者を失った両陣営は戦力不足を補うためにそれぞれメタルが人間やエルフ、クロマティックがゴブリンやオークといったヒューマノイドを文字通り“歩兵”として戦線に投入し始めた。
この時、人間とゴブリンの活躍はめざましかったと言う。これによって両者は魔竜から大きな力を与えられ、その後地上で一大勢力を持つに至ったのだと伝説は伝えている。人間は楯の紋章を、ゴブリンは髑髏の紋章をかかげて戦った。この紋章が両軍の象徴となり、いつしかこの戦いは“楯と髑髏の戦い(シールド・アンド・スカル・ウォー)”と呼ばれるようになった。戦争末期には完全に主役がヒューマノイドとなり、人間たちは楯の軍団(シールド・アーミー)、対するゴブリンは髑髏部隊(スカル・フォース)と称していた。ちなみに、楯の軍団で最も活躍した三人が、この地方のほこらに祭られている“三聖人”である。同様に髑髏部隊の子孫であるとか、末裔やらなにやらというのがゴブリン族にはたくさんいるらしい。そのほとんどが眉唾であるらしいが……。
結局、戦いはメタル陣営の勝利に終わった。勇猛で、強い意志を持ち、なおかつゴブリン顔負けの繁殖力を持った人間たちの助けを得た銀竜は、特殊な儀式で黒竜を地の底に閉じ込めたのであった。
それから数百年が経った。今も残る銀輪山の印象的な“銀の輪”は、銀竜の行なった封印の儀式の名残である。二匹の魔竜が放射する魔力は甚大であったため、その影響は今でも銀輪山にかすかに残留しているのだ。
ヘフティグは戦の神に取り憑かれた場所である。東西の戦いのもっと昔、まだトーチ・ポートができる前にも大きな戦いがあった。それは大陸全土に影響を与える、雄々しくも過酷な戦いであった。
このあたりには“銀輪山に竜が眠っている”という伝承が残っている。今では子供向けのホラ話と思われているが、それは真実である。この地方の地下深くでは、今もたくさんの竜が眠りについている。はるかな昔、まだ人間よりもエルフやドワーフが地上の主役だった頃、銀輪山の麓で尋常ならざるドラゴン同士の戦いがあったからだ。
その頃のドラゴンは、今よりも深い知恵と巨大な力を兼ね備えていた(今のドラゴンと区別するために“魔竜”と呼ばれる)。メタルとクロマティックに派閥が分かれた魔竜たちは、地上の覇権をかけて激しく争った。両陣営のリーダーである金竜と赤竜が相討ちになったが、銀竜と黒竜がその跡を継いで戦いは続けられた。指導者を失った両陣営は戦力不足を補うためにそれぞれメタルが人間やエルフ、クロマティックがゴブリンやオークといったヒューマノイドを文字通り“歩兵”として戦線に投入し始めた。
この時、人間とゴブリンの活躍はめざましかったと言う。これによって両者は魔竜から大きな力を与えられ、その後地上で一大勢力を持つに至ったのだと伝説は伝えている。人間は楯の紋章を、ゴブリンは髑髏の紋章をかかげて戦った。この紋章が両軍の象徴となり、いつしかこの戦いは“楯と髑髏の戦い(シールド・アンド・スカル・ウォー)”と呼ばれるようになった。戦争末期には完全に主役がヒューマノイドとなり、人間たちは楯の軍団(シールド・アーミー)、対するゴブリンは髑髏部隊(スカル・フォース)と称していた。ちなみに、楯の軍団で最も活躍した三人が、この地方のほこらに祭られている“三聖人”である。同様に髑髏部隊の子孫であるとか、末裔やらなにやらというのがゴブリン族にはたくさんいるらしい。そのほとんどが眉唾であるらしいが……。
結局、戦いはメタル陣営の勝利に終わった。勇猛で、強い意志を持ち、なおかつゴブリン顔負けの繁殖力を持った人間たちの助けを得た銀竜は、特殊な儀式で黒竜を地の底に閉じ込めたのであった。
それから数百年が経った。今も残る銀輪山の印象的な“銀の輪”は、銀竜の行なった封印の儀式の名残である。二匹の魔竜が放射する魔力は甚大であったため、その影響は今でも銀輪山にかすかに残留しているのだ。
<主な町村>
ヴォーン(ゲイツェル)
小村:伝統的権力;属性 混沌にして中立;150gp上限;総資産13,500gp;人口600
権威:“赤き暴風”のゲイツェル、男性のリザードフォーク、バーバリアン7/ローグ3
概要:湿地にいくつかあるリザードフォーク集落のなかでも最大のもの。この地方のリザードフォークたちの長、ゲイツェルが治めていることから「ゲイツェル」と呼ばれることもある。
彼らはこのあたりで“ちょっとしたお仕事”をすることで有名であり、自分の財産が大事な者ならば湿地には近付かない。知らずに迷い込んだ無知な旅人や、不運にも道をそれて通りかかった隊商を襲うことは(多々)ある。だが、どうやら彼らなりに“ルール”があるらしく、女子供(非戦闘要員)に手を出すことはなく、必要以上の略奪もめったにしない。
また、彼らはトロルと仇敵の関係にあるらしい。過去にとある商船がトロルの一群に襲撃された時、リザードフォークの一団が助けに来たことがある。その一団を率いていたのは巨大な赤い槍を振り回す、一際大柄なリザードフォークだった。どうやら彼がゲイツェルであろうと言われている。彼らがトーチ・ポートを襲ったことは(まだ)ないが、特に同盟関係にあるわけではない。
有名な場所:大祖霊の丘──恐竜のような生物の巨大な頭骨が、半分土に埋まった状態で祀られている。この湿地に棲むリザードフォークたちが集まって会議をする場所である。なお、この情報をもたらした商人は、その後に変死を遂げた。
特別な利点:もしもリザードフォークをPCとして使いたい場合、この村の出身にするとよいだろう。使用できるかどうかも含めて詳細はDMに従うこと。
アインガング
小村:伝統的権力;属性 秩序にして中立;200gp上限;総資産1,710gp;人口171
権威:ボルックス自警団長、男性の人間、ウォリアー5
概要:北から来る商船がトーチ・ポートへ向かう際、ひとまず寄港する場所。簡単な港と船大工ギルドがあり、南北を繋ぐ水路の要となっている。南からトロルがやって来ることがあるため、自警団は常に人員不足である。リニエ川と国境川(レッド・リバー)の合流するところでもあり、漁業が盛んである。
ヴォーン(ゲイツェル)
小村:伝統的権力;属性 混沌にして中立;150gp上限;総資産13,500gp;人口600
権威:“赤き暴風”のゲイツェル、男性のリザードフォーク、バーバリアン7/ローグ3
概要:湿地にいくつかあるリザードフォーク集落のなかでも最大のもの。この地方のリザードフォークたちの長、ゲイツェルが治めていることから「ゲイツェル」と呼ばれることもある。
彼らはこのあたりで“ちょっとしたお仕事”をすることで有名であり、自分の財産が大事な者ならば湿地には近付かない。知らずに迷い込んだ無知な旅人や、不運にも道をそれて通りかかった隊商を襲うことは(多々)ある。だが、どうやら彼らなりに“ルール”があるらしく、女子供(非戦闘要員)に手を出すことはなく、必要以上の略奪もめったにしない。
また、彼らはトロルと仇敵の関係にあるらしい。過去にとある商船がトロルの一群に襲撃された時、リザードフォークの一団が助けに来たことがある。その一団を率いていたのは巨大な赤い槍を振り回す、一際大柄なリザードフォークだった。どうやら彼がゲイツェルであろうと言われている。彼らがトーチ・ポートを襲ったことは(まだ)ないが、特に同盟関係にあるわけではない。
有名な場所:大祖霊の丘──恐竜のような生物の巨大な頭骨が、半分土に埋まった状態で祀られている。この湿地に棲むリザードフォークたちが集まって会議をする場所である。なお、この情報をもたらした商人は、その後に変死を遂げた。
特別な利点:もしもリザードフォークをPCとして使いたい場合、この村の出身にするとよいだろう。使用できるかどうかも含めて詳細はDMに従うこと。
アインガング
小村:伝統的権力;属性 秩序にして中立;200gp上限;総資産1,710gp;人口171
権威:ボルックス自警団長、男性の人間、ウォリアー5
概要:北から来る商船がトーチ・ポートへ向かう際、ひとまず寄港する場所。簡単な港と船大工ギルドがあり、南北を繋ぐ水路の要となっている。南からトロルがやって来ることがあるため、自警団は常に人員不足である。リニエ川と国境川(レッド・リバー)の合流するところでもあり、漁業が盛んである。
オウスガング
小村:伝統的権力;属性 真なる中立;75gp上限;総資産412gp;人口110
権威:ウールム、男性の人間、エキスパート9
概要:数少ない耕作可能地帯にある小村。水はけが悪いため、貧相な穀物しか採れない。畜産が盛んであり、乳製品や毛皮などがトーチ・ポートに卸されている。毎年『羊飼いコンテスト』が行なわれることで有名。
小村:伝統的権力;属性 真なる中立;75gp上限;総資産412gp;人口110
権威:ウールム、男性の人間、エキスパート9
概要:数少ない耕作可能地帯にある小村。水はけが悪いため、貧相な穀物しか採れない。畜産が盛んであり、乳製品や毛皮などがトーチ・ポートに卸されている。毎年『羊飼いコンテスト』が行なわれることで有名。
ホルツェラ
小村:伝統的権力;属性 中立にして善;500gp上限;総資産7,600gp;人口304
権威:アシュリー、女性の人間、レンジャー7
概要:ヴェスク森林で生計を立てる者の避難所(ヘイヴン)。きこり、狩人、薬草採取人などが定住するでもなく、かといって出て行くでもなく、付かず離れずで集まっている。村の周囲には頑丈な柵が張り巡らされ、飼い慣らされた番犬を連れた見張りが巡回している。宿泊や飲食の料金が高いのは、その経費ゆえである。ヴェスクの森には高価な薬草、食材、鉱石などが豊富にあるため、危険を承知でやって来る旅人が後を絶たない。
特別な利益:利益というよりは損失だが、ここではあらゆるサービスが定価の1.5倍ほどである。そのかわり、買い取りも高い(通常が半額の世界の場合、ここでは7~8割になる等々)ので、生活必需品や便利なアイテム(ポーションなど)を持ち込めば喜ばれ、利益を得ることができるかもしれない。強欲な交易ギルド(ジェラスの後ろ盾があるとの噂)の目をかすめられれば、だが……。
小村:伝統的権力;属性 中立にして善;500gp上限;総資産7,600gp;人口304
権威:アシュリー、女性の人間、レンジャー7
概要:ヴェスク森林で生計を立てる者の避難所(ヘイヴン)。きこり、狩人、薬草採取人などが定住するでもなく、かといって出て行くでもなく、付かず離れずで集まっている。村の周囲には頑丈な柵が張り巡らされ、飼い慣らされた番犬を連れた見張りが巡回している。宿泊や飲食の料金が高いのは、その経費ゆえである。ヴェスクの森には高価な薬草、食材、鉱石などが豊富にあるため、危険を承知でやって来る旅人が後を絶たない。
特別な利益:利益というよりは損失だが、ここではあらゆるサービスが定価の1.5倍ほどである。そのかわり、買い取りも高い(通常が半額の世界の場合、ここでは7~8割になる等々)ので、生活必需品や便利なアイテム(ポーションなど)を持ち込めば喜ばれ、利益を得ることができるかもしれない。強欲な交易ギルド(ジェラスの後ろ盾があるとの噂)の目をかすめられれば、だが……。
イールンド
村:伝統的権力;属性 秩序にして中立;200gp上限;総資産6,000gp;人口600
権威:ルーノス、男性の人間、コモナー4/ウォリアー2
概要:この村はトーチ・ポートから西へ行く街道に名前が付いていることから有名な、ドワーフ建築士イールンド・ザ・バサルトの名を冠している。ごつごつとして頑丈な建物が密集しているのが特徴。西のスネーク・バイト、東のジェラスを繋ぐ交通の要所であり、丁寧かつ迅速なことで有名な街道馬車組合がある。
村:伝統的権力;属性 秩序にして中立;200gp上限;総資産6,000gp;人口600
権威:ルーノス、男性の人間、コモナー4/ウォリアー2
概要:この村はトーチ・ポートから西へ行く街道に名前が付いていることから有名な、ドワーフ建築士イールンド・ザ・バサルトの名を冠している。ごつごつとして頑丈な建物が密集しているのが特徴。西のスネーク・バイト、東のジェラスを繋ぐ交通の要所であり、丁寧かつ迅速なことで有名な街道馬車組合がある。
サンダークラップ
小さな町:伝統的権力;属性 秩序にして善;900gp上限;総資産486,000gp;人口1,080
権威:ヴェイガス・ゴールデンハンマー、男性のドワーフ、ファイター7/ドワーヴン・ディフェンダー2
概要:雷鳴山の地下深くに築かれているドワーフ“黄金族”の都市。豊かな鉱脈の近くにあるため、その場所は堅く秘密にされており、氏族以外の者が入ることはめったにない。内部を目撃した、数少ない幸運な旅人が語るところによると、あちこちが金色に輝く壮麗な都市であったという。もっとも、彼は一部屋に軟禁状態で数日過ごしただけらしいのだが──。
小さな町:伝統的権力;属性 秩序にして善;900gp上限;総資産486,000gp;人口1,080
権威:ヴェイガス・ゴールデンハンマー、男性のドワーフ、ファイター7/ドワーヴン・ディフェンダー2
概要:雷鳴山の地下深くに築かれているドワーフ“黄金族”の都市。豊かな鉱脈の近くにあるため、その場所は堅く秘密にされており、氏族以外の者が入ることはめったにない。内部を目撃した、数少ない幸運な旅人が語るところによると、あちこちが金色に輝く壮麗な都市であったという。もっとも、彼は一部屋に軟禁状態で数日過ごしただけらしいのだが──。
(BM)
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