閻魔王・鬼哭啾々黄泉降

えんまおう・きこくしゅうしゅうよみくだり


おはよう陰顎。喰い殺せ 


地獄狼・陰顎と、その巫女である朧々院西環による星招術

まさかの人物が行使した、人とマガツ、これこそが本来人類に許される正しい星招術の発動法。
それは契約した十三魔将に魂魄を一時明渡し、人間(ヒト)には使えぬその御業を代わりに描いてもらうことである。

言ってしまえば、朧々院西環は己が存在を依代(うつわ)として、憑霊した契約相手の人型マガツにすべての制御を預けること。
呼吸も、鼓動も、七大森羅の召喚まで。十三魔将が第七轟──地獄狼・陰顎の叫びを、吼えるためだけの巫女と化す。
当然、それは生殺与奪を魔の化身へ自ら握らせる行いで、ほんの少し地獄狼が気まぐれを起こすだけで即、終わり。彼女の自我や生命は、蝋燭の火がごとく簡単に消え失せる。
言うまでもなく危険極まる状態であり、だからこそ最も重要なのは力量以上に“気に入られる”こと。

己と同じ、陽気を嫌う根暗にしか心を許さぬ地獄
鬱々とした性格を好むゆえ、もう一人ではなく朧々院西環地獄狼・陰顎に選ばれた理由である。「──男は嫌だ。女がいい」


日本の擁する究極殲霊兵器。
ヒノモト機構と契約している十三魔将、地獄狼・陰顎の星招術こそ、滅式──閻魔王・鬼哭啾々黄泉降


滅式とは相性殺しの極致で、天式の逆。
獲物の霊煌それ自体を死の顎門(あぎと)に変える、ダメ人間を体現したかのような術。

例のごとく現代風に言うと、相手のレベルとステータスが高いほど大ダメージが入る技ということ。
残りHPとMPまで猛毒みたいに裏返る。おまけにデバフと状態異常もてんこ盛りで入るので、後は死ぬまで苦しめ、あるいは死んでも苦しみぬけと言わんばかりの能力。


絶対を誇る最強火力さえ、最強のまま闇へと堕ちる。
不倶戴天の猛毒に変換され、残り半分の輝き諸共、対消滅まで導く。
ほんの少しでも浴びれば、魂のこらず腐り果てるという。
霧散する闇の残滓に触れようものなら人間ごとき、苦しみぬいて死ぬだけだろう。


詠唱


秘術・来光──狼牢印(ろうろういん)。おはよう陰顎(いんが)。喰い殺せ 



我が誓願。聞き届けたまえ、極晃よ



殺生(せっしょう)偸盗(ちゅうとう)邪淫(じゃいん)奸詐(かんさ)妄語(もうご)邪見(じゃけん)瀆聖(とくせい)無間業(むけんごう)
罪深き者、蒼褪めろ。裁きの時が訪れる

朧に霞む月華こそ六文銭の餞別なれば

無明の底へ(あくた)と沈み、冥府の闇を囃すがいい



謳え、滅式──星招術
閻魔王(えんまおう)鬼哭啾々黄泉降(きこくしゅうしゅうよみくだり)──!







  • 強く眩い光を貶めるのが本領なのにまるで罪人を裁くみたいな詠唱で草 -- 名無しさん (2024-06-09 21:22:09)
  • ↑確かにどっちかってーとケラウノス的な詠唱よな -- 名無しさん (2024-06-10 16:34:27)
  • 陰顎そのものの詠唱じゃなくて、陰顎を召喚して極悪マガツをぶち殺す為の詠唱だからかな。閃奏らしき毘沙門が周囲への配慮を無くして絶対悪ぶっ殺すマンになった総統みたいなのになってるのに、不倶戴天の滅奏ぽい奴が人の祈りを聞き届ける処刑人やってるのが皮肉すぎるな。 -- 名無しさん (2024-06-10 20:44:56)
  • ↑悪の敵のみを抽出した感じだよね毘沙門 -- 名無しさん (2024-06-10 20:51:37)
  • 実際まぁろくでなしだけど最低限の自制心はある(それはそれとしてやらかす)なゼファーさんと総統でどっちが周囲への被害酷いかって言うと間違いなく後者だし -- 名無しさん (2024-06-10 21:01:05)
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最終更新:2024年06月10日 21:01