ヘクター
概要
家族の祭壇に写真を飾ってもらえていないため、
死者の日*に娘に会いに行くため変装や強行突破などあらゆる手を試している。変装の持ちネタは女性画家の
フリーダ・カーロ*で、たびたび披露している。たまたま死者の国に迷い込んだミゲルに写真を飾ってもらおうと取引する。ミゲルとは「家族に謝ることがある」という共通点がある。
大きなソンブレロをかぶっており、足の骨は骨折しているため歩く姿はやや不自然。『真夜中のカーボーイ』(1969年)の
ダスティン・ホフマンの影響によるもの。
死者の国では家族のないもの同士、寂れた町で互いに親戚という体で適当に呼び合っている。その仲間には
チチャロンや
チェロおばさんがいる。
初期案では死者の国のツアーバスガイドで、デラクルスに拒否されるキャラクターであった。
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靴がリヴェラ一族の象徴であるためか、ヘクターは死者の国で裸足で過ごしている。イメルダに認められてマリーゴールドの橋を渡るラストシーンでは靴を履いている。
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エピソード
死者の日*、ヘクターは
死者の国を出国して生者の国へ向かおうとしていた。しかし、ヘクターは家族の祭壇に写真が飾られていなかったため、検問を突破することができない。そこで女性芸術家の
フリーダ・カーロ*に扮して突破しようとするが、悪魔の箱(コンピューター)を騙せずに失敗する。釈放されたヘクターは生きた人間の男の子、
ミゲル・リヴェラと
ダンテに出会う。ミゲルは高祖父の
エルネスト・デラクルスに会いに行くところだと言う。デラクルスの古い友人であるヘクターは、ミゲルを彼の元へ連れて行く代わりに祭壇に自分の写真を飾るように交渉する。
ヘクターはデラクルスの
サンライズ・コンサート*の演出を務める友人
フリーダ・カーロ*のスタジオへと向かう。デラクルスが自宅のパーティー会場にいることを突き止めたミゲルはパーティーの招待券を得るために死者の国の音楽コンテストに挑むことに。
ミゲルとヘクターは、ヘクターの友人である
チチャロンにギターを借りに行く。チチャロンは消えかけていた。死者の国では生きている人間に忘れ去られると「二度目の死」が訪れ、消滅してしまうのだという。チチャロンはヘクターに歌をせがむと、安らかに消えていく。ヘクターは元々ミュージシャンであり、デラクルスとも友人だということを明かす。
コンテストにて、ミゲルはチチャロンのギターで「
ウン・ポコ・ロコ」を披露。ヘクターも偶然ステージに上がって二人はセッションをする。そこへ
ママ・イメルダ率いる先祖たちと
ペピータがミゲルを捜して会場を訪れる。デラクルスに会うために「デラクルス以外に家族はいない」と嘘をついていたミゲルはヘクターと仲違いし、一人逃げ去る。
ミゲルはコンテストの優勝グループ(
ロス・チャチャラコス)に頼み込み、ヘクターはフリーダ・カーロに扮装してデラクルスのパーティーへと潜入する。ミゲルは歌声を披露し、デラクルスに自身が孫の孫であることを伝える。喜んだデラクルスはミゲルを家族と認め、生者の国へ送り返すと約束してくれる。しかし、そこに現れたヘクターからデラクルスのヒット曲はすべてヘクターが作ったものであることを聞かされる。そしてヘクターがデラクルスに殺されたという事実に気付くと、二人はヘクターの写真を奪われ、大きな穴の中に閉じこめられてしまう。
ヘクターは死ぬ前、デラクルスにコンビ解消を告げるとミュージシャンを諦めて家族のもとへ帰ろうとしていた。デラクルスの人気はヘクターの作る曲にあったため、逆上したデラクルスに密かに毒を盛られていたのだ。ヘクターはミュージシャンになるために家族を捨て、娘の
ココのために書いたのがデラクルスのヒット曲「
リメンバー・ミー」だったのである。ココが曾祖母であることから、ミゲルは自分の高祖父がデラクルスではなくヘクターであることに気付く。高齢のココがヘクターを忘れると、彼は死者の国から消えてしまう。そこへダンテがペピータとイメルダを連れてミゲルの救出に現れる。生前の行いを詫びるヘクターに対し、イメルダは一時的に手を貸すことを約束する。
ヘクターの写真を奪い返すために、ミゲルと先祖たちはデラクルスのサンライズ・コンサートに忍び込む。写真を取り返したイメルダはうっかり舞台に出てしまい、デラクルスとデュエットしながら攻防を繰り返す。怒ったデラクルスは生前の悪事を高らかに白状すると、写真を受け取ったミゲルを高い建物から投げ落とす。ミゲルは写真を落としてしまうが、ダンテとペピータに救われる。デラクルスの悪行はコンサート会場の巨大スクリーンで中継されており、死者の国中で彼の名声はなくなってしまった。ペピータに投げ飛ばされたデラクルスは死んだときと同じく鐘の下敷きになってしまう。ミゲルは消えかけるヘクターを残し、ココに会うために急いで生者の国へ戻る。
ミゲルのおかげでココはヘクターを思い出し、持っていた彼の写真を祭壇に飾った。翌年の死者の日、リヴェラ家の祭壇にはヘクターとココの写真が飾られていた。音楽の禁は解かれ、マリアッチの衣装に身を包んだミゲルは家族の大切さを噛みしめながらヘクターとセッションする。
ゲーム
『リメンバー・ミー』の期間限定イベントに登場。
登場作品
2010年代
2020年代
声
最終更新:2024年09月08日 23:12