アナと雪の女王
ストーリー
王家の娘・
エルサは生まれつき持っていた氷の魔力を制御できず、妹の
アナに魔法をぶつけてしまう。両親はトロールの長・
パビーに頼み、アナを回復させてもらうが、危険を防ぐため、エルサの魔法に関する記憶を失う。成長するにつれ、魔力が肥大化していったエルサは城の中で隔離されて育つ。10年後、姉妹は両親を海難事故で失ってしまう。
それから3年後、エルサの戴冠式当日、エルサは久々に人の前に姿を現すこととなった。アナとの久々の再会も束の間、アナとの口論の末、魔力が暴発。もう国にいることはできないと悟ったエルサは、雪の山奥へと逃げてゆく。
概要
歴史
戦後、MGMは単独で『アンデルセン物語』(1952年)を公開。アンデルセンをダニー・ケイが演じ、彼の描いた物語はアニメーションではなく、ミュージカルやバレエで表現された。MGMのこの映画は
アカデミー賞*6部門にノミネートしたが、ディズニー側に動きはなかった。
1990年代後半、ディズニーはアンデルセン原作の『
リトル・マーメイド』(1989年)から
ディズニー・ルネッサンス*と呼ばれるアニメ黄金期を迎え、『雪の女王』の映画化を検討し始めたが、
グレン・キーン*が他のプロジェクト(後の『
塔の上のラプンツェル』(2010年))に専念するため、2002年に中止となった。2006年にディズニーの
ピクサー・アニメーション・スタジオ買収が完了すると、両スタジオのトップになった
ジョン・ラセターが2008年に
クリス・バックをディズニーに呼び戻した(バックは『
ターザン』(1999年)を手掛けた後、移籍していた)。バックがラセターに出したアイディアの中には、『雪の女王』も含まれていた。バックはアンデルセンの映画化というより、王子からのキス以外でディズニー作品の愛を描きたかったと語っている。ラセターも長年『雪の女王』に興味を持っていたことが判明し制作が始まったが、やはり雪の女王のキャラクター作りに苦戦することとなった。
キャラクター設定においては、主人公の
アナと雪の女王を姉妹にすることで、雪の女王をただの悪役としてではなく家族ドラマのメンバーとして扱うことに決めた。姉妹というテーマは
アメリカ合衆国*のアニメーションでは珍しく、ディズニーでも『
リロ・アンド・スティッチ』(2002年)ぐらいしか存在しなかった。ディズニー社内では姉妹サミットを開催し、姉妹の思い出などの情報を集めた。
脚本
「真実の愛が凍った心を溶かす」という主題は初期から一貫していたが、そこまで至る経緯がなかなか決まらなかった。当初
エルサは悪者であり、アナの結婚式を阻止するために彼女を誘拐して吹雪を起こす設定だった。ロペス夫妻はエルサを悪役ではなく自分の力をコントロールできずに葛藤する女の子と解釈し、彼女の心の内を描いた「
レット・イット・ゴー」を一日で書き上げた。この曲が決定的となり、エルサのキャラクターや物語全体が書き換えられることとなった。結果として、ラストでアナがエルサを救うラストシーンが
ジョン・リパ*によって考案され、スタッフたちは大絶賛した。
また、物語の悪役を明らかにする方法についても様々な案があった。そもそも真の悪役は誰なのか、またどのタイミングで明かせば衝撃的か、あまりに露骨すぎて観客に予測されないかなどを吟味した。初期案だとアナは
クリストフと出会ってすぐ恋に落ちていたが、
ハンス王子と婚約していながらそのような浮気なヒロインでは観客に嫌われてしまうだろう、と設定変更された。
作品のマスコット的存在である雪だるまの
オラフは当初エルサの意地悪な相棒の予定で、彼を見たリーの感想は「殺してやりたい」という過激なものだった。
エルサが氷の魔力を手に入れた背景はトロールがナレーションで説明する予定だったが、話が膨らみすぎて予定の尺では収まりきらなかったためにカット、『
アナと雪の女王2』(2019年)へと持ち越しになった。
公開一年前になると、物語に違和感が生じ始め、2013年2月から6月にかけて脚本や楽曲の作り直しが必要となった。「
生まれてはじめて」は公開のわずか5ヶ月前に完成し、ロペス夫妻曰く最も重要な曲となった。その月にディズニーは
アリゾナ州*フェニックスでファミリー向けと大人向けの試写を2回行わせ、ラセターとキャットマルも出席した。スタッフたちは観客からの反響の大きさにこの映画には何かがあると確信し、キャットマルもリーを「よくやったね」と褒め称えた。
キャスティング
2012年3月5日、女優の
クリステン・ベルがアナ役に選ばれた。彼女は小さい頃からディズニーアニメに出ることが夢で、幼い頃に「
リトル・マーメイド」の「
パート・オブ・ユア・ワールド」を歌った音源がスタッフたちの目を引いたのだという。主人公の収録は物語の変更などに合わせて約20回に渡って行われ、終盤彼女は妊娠していた。ベルは従来のディズニーの女性キャラクターよりも親しみやすい等身大のキャラクターを演じることができて誇りに思っているという。
アニメーション
『塔の上のラプンツェル』のように、CGと従来のアニメーションを融合したスタイルを取っている。
ディズニーは3つのチームを研究調査に派遣した。アニメーターと特殊効果のスタッフは
ワイオミング州*の
ジャクソンホール*で雪の中を駆け回った。男性スタッフもスカートを履いて雪の動きを学んだ。照明と芸術のチームは
ケベック州*のアイス・ホテルを訪れて雪や氷の光の反射を学んだ。ギアイモは数名でノルウェーへ向かい、自然や建築、文化を経験した。
キャスト
- 劇場公開版:2014年3月14日公開。※旧Blu-ray・旧DVD収録。
- 新録版:2019年6月21日配信。※新Blu-ray・新DVD収録。
スタッフ
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最終更新:2024年09月08日 18:45