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リメンバー・ミー

原題:Coco
公開:2017年11月22日
時間:105分
監督:リー・アンクリッチ*

2018 2018(UHD)



  • 目次

ストーリー

ミュージシャンを夢見るミゲル・リヴェラの一族では、音楽を選んで家族を捨てた高祖父が原因で音楽が禁じられていた。ミゲルは密かに音楽を愛し、『リメンバー・ミー』で知られるミュージシャン、エルネスト・デラクルスを敬愛していた。ミゲルの理解者は野良犬のダンテと高齢のため認知症になりつつある曾祖母のママ・ココのみ。

メキシコ*の祝祭日である死者の日*にダンテが一族の家族写真をひっくり返してしまい、顔のない高祖父の写真にエルネスト・デラクルスのギターが写っていることに気付く。デラクルスが自分の高祖父だと確信したミゲルはミュージシャンになることを宣言する。ミゲルに靴職人を継がせるつもりだった祖母のエレナ・リヴェラは激怒してミゲルのギターを破壊。ミゲルも「こんな家族イヤだ」と吐き捨て、広場へと走り去る。

死者の日の音楽コンテストに出るためにギターが必要なミゲルは、デラクルスの霊廟から彼のギターを盗み出してしまう。その瞬間、ミゲルは人間から認識されなくなり、ダンテに導かれて死者の国から生者の国へやってきた先祖たちに出会う。事情を察した先祖たちはミゲルを死者の国へと連れて行く。

概要

ピクサー・アニメーション・スタジオ長編アニメーション映画第19作。

メキシコ*の祝祭日死者の日*をモチーフに、死者の国を舞台とした物語が展開される。スタッフはメキシコへの調査旅行に出掛けて文化を勉強した。

音楽はピクサーの常連マイケル・ジアッキーノが務めた。また、ピクサーとしては珍しくキャラクターが挿入歌を歌うミュージカル形式を取っており、作曲はジャーメイン・フランコ*、作詞は共同監督のエイドリアン・モリーナ*が担当した。主題歌の『リメンバー・ミー』のみ、『アナと雪の女王』(2013年)のロバート・ロペス*クリステン・アンダーソン=ロペス*が楽曲制作を務めた。

制作費は1.75億ドル。キャストがラテン系の俳優で固められている作品としては過去最高額となった。

2017年10月20日、メキシコ*でプレミア上映が行われた。その後、メキシコで一般公開が行われ、3週間後にアメリカ合衆国*でも上映がスタートした。


歴史

トイ・ストーリー3』(2010年)の制作中、監督のリー・アンクリッチ*はアメリカ人の子供と母親の死に関する物語を発案していたが、主人公をメキシコ*の子供に変えることにした。そこでメキシコの死に関する文化を本格的に取り入れるため、スタッフはメキシコへ向かった。7年弱という長期の制作期間に5回に渡ってメキシコへリサーチに行き、現地の家族と触れ合い、現地の文化を映画に反映させることに努力した。

他にも『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『ジョン・ウィック』などからも影響を受けている。

2013年、ディズニーは映画のタイトルとして『Dia de los Muertos』を商標登録しようとするが、メキシコ系アメリカ人から批判の声が挙がった。メキシコの漫画家ラロ・アルカラズは巨大な骸骨のミッキーマウスのイラストを描き、批判した。題名変更の署名は2万人を超え、翌週ディズニーはタイトルを『Coco』に変更することを発表した。

2015年、ピクサーはメキシコの文化を尊重するためにメキシコで活動する著名人を相談役として雇い、その中にはアルカラズも含まれていた。ミゲルの祖母エレナ・リヴェラがサンダルでマリアッチを殴るのはアルカラズのアイディアである。

脚本

初期の脚本では、ミゲルがどのように元の世界に戻るかに焦点が当てられており、マリーゴールドの橋の渡り方が重要な要素となる予定だった。また、物語に音楽を組み込むために一族が歌に関する呪いをかけられるという設定も検討されていた。

主題歌を担当したロペス夫妻も多くの楽曲を制作しており、死者の休日について説明する曲や、ミゲルの母親が靴作りの伝統について説明する曲もあったという。

キャスティング

ミゲル・リヴェラ役のアンソニー・ゴンザレスが本作のオーディションを受けたのは9歳の時で、決定までは2年を要した。彼の歌声が見事だったことから、ミゲルには歌が上手という設定が追加された。ゴンザレスは「自分もミゲルも夢を追うことや伝統の大切さを知っている」とコメントした。

ミゲル役は当初エミリオ・フエンテス*が担当する予定だったが、制作が長期に渡っていたため降板し、ゴンザレスが臨時で仮の台詞入れなどを行っていた。ある収録の帰りに監督のアンクリッチから「少し早いけどクリスマスプレゼントがある」と箱が手渡された。ゴンザレスが箱を開けると「ミゲル役は君だ。」と書かれた大きな紙が入っており、彼は大喜びし、母親は号泣した。ちなみにフエンテスはサンライズ・コンサートのスタッフの一人としてカメオ出演している。

エルネスト・デラクルス役のベンジャミン・ブラットはキャラクターの身体的特徴が父親に似ていたことから愛着を持ったという。また、彼はスタッフからホルヘ・ネグレテ*ペドロ・インファンテ*の映像を見るように薦められたという。

ママ・イメルダ役のアラナ・ユーバックは役作りにあたって彼女のおばのフローラの影響を受けたという。

ピクサーの全作に出演しているジョン・ラッツェンバーガーはラテン系キャストではないため、本作でふさわしい役がなかなか見つからなかった。監督のアンクリッチは世界観を守りつつピクサーの伝統を守るためラッツェンバーガーを出演させたので、台詞は「グラシアス」の一言のみだった。

アニメーション

2016年4月13日、アンクリッチはアニメーションの作業を開始したと発表した。脚本家のエイドリアン・モリーナ*は共同監督に昇進した。ピクサーは明るい死者の国と落ち着いたサンタ・セシリアの町を対比したビジュアルで描くことを徹底的に求めた。

ママ・ココの顔は細部までモデリングせず、特殊なソフトウェアを使い、シェーダーで彼女の顔に層を追加していったという。キャラクターのモデリングはこれまでよりさらに高解像度のものとなった。また、ダンテの舌の部分は『ファインディング・ドリー*』のハンク*の触手の技術が活かされている。

また、骸骨のキャラクターを動かすことはCGチームにとって新たな挑戦であり、皮膚や筋肉を持たない彼らをどのように動かすべきかたくさんの絵を描いて実験を重ねたという。骸骨の体の部位はそれぞれが独立して動かなくてはならず、CGキャラクターの骨格にあたるリグは従来より複雑で、各部位にかかる力も大きくなってしまった。この問題を解決することがアニメーション上での大きな課題となった。

キャスト

ミゲル・リヴェラ アンソニー・ゴンザレス 石橋陽彩
ヘクター ガエル・ガルシア・ベルナル 藤木直人
エルネスト・デラクルス ベンジャミン・ブラット(台詞、歌) 橋本さとし
アントニオ・ソル(歌)
ママ・イメルダ アラナ・ユーバック 松雪泰子
ダンテ フランク・ウェルカー* -
エレナ・リヴェラ レニー・ヴィクター 磯辺万沙子
ママ・ココ アナ・オフェリア・ムルギア 大方斐紗子
ガブリエラ・フローリーズ(幼少期:台詞) 中村優月
リベルタ・ガルシア・フォンシ(幼少期:歌)
エンリケ・リヴェラ ハイメ・カミーユ 横山だいすけ
ルイサ・リヴェラ ソフィア・エスピノーサ 恒松あゆみ
パパ・フリオ アルフォンソ・アラウ 多田野曜平
オスカル ハーバート・シグエンサ 佐々木睦
フェリペ ハーバート・シグエンサ 佐々木睦
ロシータおばさん セレーネ・ルナ 雨蘭咲木子
ヴィクトリア・リヴェラ ディアナ・オルテリ 冠野智美
ペピータ - -
グスタヴォ ロンバルド・ボイヤー 坂口候一
チチャロン エドワード・ジェームズ・オルモス 宝亀克寿
ベルト・リヴェラ ルイス・バルディーズ 西村太佑
フランコ・リヴェラ ロベルト・ドナーティ
グロリア・リヴェラ カーラ・メディナ
カルメン・リヴェラ 井上カオリ
アベル・リヴェラ ポロ・ロジャス
ロサ・リヴェラ モンセ・ヘルナンデス 新田早規
ベニー・リヴェラ - -
マニー・リヴェラ - -
ソコロ・リヴェラ - -
ファン・ハノキョーセー ジョン・ラッツェンバーガー 立木文彦
ドン・イダルゴ ルイス・バルディーズ 西村太佑
セシリア 吉田麻実
チェロおばさん 峰かずこ
フリーダ・カーロ* ナタリア・コルドバ=バックリー 渡辺直美
ホルヘ・ネグレテ*
ペドロ・インファンテ* こばたけまさふみ
エル・サント*
マリア・フェリックス*
カンティンフラス*
アグスティン・ララ*
エミリアーノ・サパタ*
ウッディ -(カメオ出演) -
バズ・ライトイヤー -(カメオ出演) -
マイク・ワゾウスキ -(カメオ出演) -
ニモ -(カメオ出演) -
ドリー -(カメオ出演) -
デスティニー* -(カメオ出演) -
レミー -(カメオ出演) -
Mr.インクレディブル -(カメオ出演) -
イラスティガール -(カメオ出演) -
ヴァイオレット・パー -(カメオ出演) -
ダッシュ・パー -(カメオ出演) -
ジャック・ジャック・パー -(カメオ出演) -
出国係官 カーラ・メディナ 森千晃
入国係官 オクタビオ・ソリス 佐々木啓夫
事務官 ガブリエル・イグレシアス チョー
広場のマリアッチ ロンバルド・ボイヤー 坂口候一
司会者 ブランカ・アラセリ 魏涼子
セキュリティ サルバドール・レイエス 松田健一郎
矯正官 チーチ・マリン 丸山壮史
ロス・チャチャラコスのメンバー シシド・カフカ
茂木欣一
女性マリアッチ 高柳明音
男性マリアッチ 大抜卓人
男性旅行者 カイミ
女性旅行者 寺田ちひろ
コーンを持った男 鈴木拡樹
修道女 安野希世乃
インタビュアー チョー
ツアーガイド 小島幸子
女性アナウンス 鷄冠井美智子
露天商 内野孝聡
おばさん 根本圭子
出場者のマリアッチ 風雅なおと
オペラ歌手 大木理紗
安西康高
コーラス 渕上祥人
原田真純
内田ゆう


スタッフ

情報集計中…

用語集

オブジェクト


ロケーション


グループ


楽曲


  • リメンバー・ミー(デュエット) ※英語版
  • リメンバー・ミー(エンドソング) ※日本語版

タグ:

長編映画
最終更新:2024年09月08日 23:12
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