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ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

原題:The Nightmare Before Christmas
公開:1993年10月29日
時間:76分
監督:ヘンリー・セリック*



  • 目次

ストーリー

今年もいつものようにハロウィンタウンハロウィン*は大成功を収めた。カボチャ大王のジャック・スケリントンは町の人々から「今までで最高の出来だった」と喝采を浴びるが、ジャックは毎年同じことの繰り返しにうんざりしていた。ある日、ジャックは愛犬のゼロと散歩中にクリスマスタウンへ迷い込み、感銘を受ける。

ハロウィンタウンに戻ったジャックは、自分たちでクリスマス*をやろうと宣言する。ジャックはフィンケルスタイン博士に空飛ぶトナカイを、サリーにサンタの衣装を、町の人々にプレゼントの作成を頼む。また、いたずらトリオのロックショックバレルサンタクロース*を連れてくるように頼み、自分がサンタの代わりにプレゼントを配って回ろうと決める。

概要

元ディズニー社員での映画監督ティム・バートン*が退社後にディズニーとタッグを組んで完成させたストップモーション・アニメ。共同製作はデニーズ・ディ・ノービ*、監督はヘンリー・セリック*

本作はディズニーの長編アニメ映画として公開する予定だったが、あまりに暗く独特な雰囲気であったため、大人向けの実写映画を中心に展開する子会社タッチストーン・ピクチャーズ*から公開することとなった。本国では評価的にも商業的にも成功を収め、アニメーション映画としては初めてアカデミー視覚効果賞*にノミネートされた(受賞は『ジュラシック・パーク』)。

日本*では一部のディズニー、ティム・バートン、ミュージカルなどのファンにしか知られていないような知名度の低い作品だったが、季節イベントとしてのテーマパークへの進出や、TVゲームへの登場で急速に知名度を広めた。

2006年に3D用に編集して再公開された。その際にはドン・ハーン*が参加している。

歴史

1982年、低迷期のディズニーに在籍していたティム・バートン*は、短編映画『ヴィンセント*』(1982年)で成功を収めた後、『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』(1964年)や『How the Grinch Stole Christmas!』(1966年)に影響されて3ページの詩を書いた。彼はこの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を製作するため、リック・ハインリッヒ*と共にコンセプト・アートを描いた。ナレーションは『ヴィンセント』でも起用したお気に入りの俳優ヴィンセント・プライスを起用するつもりだった。バートンは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を30分のスペシャル番組として企画するが、ディズニーはバートンのアイディアを奇妙すぎるという理由で却下。バートンはディズニーに解雇され、『ビートルジュース』や『バットマン』で頭角を現し始める。

1990年、バートンは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を長編のストップモーション映画として製作するにあたり、ヘンリー・セリック*を監督に据える。ここでバートンは本作のアイディアの権利が未だディズニーにあることに気付き、これを買い戻そうとした。ディズニーの映画部門の責任者ジェフリー・カッツェンバーグ*はバートンの映画に関心を寄せており、また低迷続きの中でヒットした『リトル・マーメイド』(1989年)の流れを継続したかったため、本作を他社製作のディズニー映画として公開することを提案した。ディズニーは本作が『ロジャー・ラビット』で成功した高水準の技術とシナリオの融合を期待しており、ディズニー復活の更なる突破口となることを望んでいた。

バートンは3ページの詩を映画の脚本にするため、『ビートルジュース』のマイケル・マクダウェル*と協業し、本作をミュージカルにするというアイディアをもらった。バートンはダニー・エルフマンと簡潔なあらすじと歌を製作した。脚本にはキャロライン・トンプソン*も参加したが多忙であったため、彼女の書く台詞はどれも短く、それがかえって作品の独特な雰囲気を強調することに役立ったという。

アニメーション

1991年7月、サンフランシスコ*でプロジェクトが開始した。ストーリーボードのスーパーバイザーとしてディズニーのジョー・ランフト*が参加した。主な作業は監督のセリックのチームによって行われ、キャラクターデザインやストーリーを担当したバートンは『バットマン・リターンズ』(1992年)や『エド・ウッド*』(1994年)の製作で多忙のため、撮影スタジオを訪れたのはわずか10日ほどだった。セリックは本作をティム・バートン映画らしく作ることに注力した。

ストップモーション映画の製作にはかなりの時間を要するため、ピーク時には20箇所もの撮影を同時に行うこともあった。映画のために撮影されたフレームは109,440枚にも及び、レイ・ハリーハウゼン*をはじめ様々なストップモーション作家の影響を受けている。

ハロウィンタウンのデザインはドイツ表現主義をモチーフにしており、クリスマスタウンもまたドクター・スースのような独特な世界観だと監督のセリックは語っている。結果的にこの2つのタウンと比べ、映画の終盤に登場する人間の世界はとてもシンプルに表現されている。

映画冒頭のナレーションはヴィンセント・プライスのほか、ドン・アメチージェームズ・アール・ジョーンズなどの起用を検討していたが、結果的に声優のエド・アイヴォリーが務めることになった。サウンドトラックではパトリック・スチュワートが担当している。

スタッフは227体のパペットを製作。主人公のジャック・スケリントンの頭部は様々な表情のものを使用するため400種類用意された。

キャスト

ジャック・スケリントン クリス・サランドン(台詞)
ダニー・エルフマン(歌)
市村正親
サリー キャサリン・オハラ 土居裕子
町長 グレン・シャディックス 大平透
フィンケルスタイン博士 ウィリアム・ヒッキー 三ツ矢雄二
ロック ポール・ルーベンス 園岡新太郎
ショック キャサリン・オハラ 土居裕子
バレル ダニー・エルフマン 松澤重雄
ウギー・ブギー ケン・ペイジ 小林アトム
サンタクロース* エド・アイヴォリー 永江智明
ゼロ - -
ピエロ* ダニー・エルフマン 梅津秀行
ビヒーマス* ランディ・クレンショウ 梁田清之
ウィッチズ* スーザン・マクブライド
デビ・ダースト
松岡洋子
ヴァンパイア・ブラザーズ* ケリー・カッツ
ランディ・クレンショウ
シャーウッド・ボール
ウェアウルフ グレン・ウォルターズ 石原慎一
ハーレクイン・デーモン* グレッグ・プループス
デビル* グレッグ・プループス
コープスダッド* ケリー・カッツ
コープスマム* デビ・ダースト
コープスキッド* デビ・ダースト
ミスター・ハイド* ランディ・クレンショウ
ジュエル・フィンケルスタイン* - -
イゴール* ジョー・ランフト* -
ウィングドデーモン* スーザン・マクブライド
アンダーシーガール* カルメン・トゥイリー
ベッドの下の怪物 カルメン・トゥイリー
階段の下の怪物 ケリー・カッツ
ミイラ シャーウッド・ボール
サクソフォン奏者 グレッグ・プループス
アコーディオン奏者 ケリー・カッツ
サンタボーイ ジョン・モリス
ハンギング・ツリー サール・レイブンズクロフト
警官 松本保典
ニュースキャスター 松岡洋子


スタッフ

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楽曲

タグ:

長編映画
最終更新:2025年01月19日 19:25