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魔法使いの弟子

原題:The Sorcerer's Apprentice
公開:1940年11月13日
監督:ジェームズ・アルガー*

ストーリー

魔法使いイェン・シッドの弟子ミッキーマウスは、師匠が寝静まった後に勝手に魔法使いの帽子(ソーサラー・ハット)を持ち出し、魔法でに意思を与え、水汲みの仕事を押し付ける。箒の仕事がエスカレートして焦ったミッキーは箒を斧で切断するが、箒は逆に増殖してしまう。

トラブルに気がついたイェン・シッドは帽子無しでモーゼのように水を鎮めた。ミッキーはバツが悪そうに帽子を返し、イェン・シッドはお仕置きにミッキーのお尻を箒ではたく。

概要

映画『ファンタジア』(1940年)の第3セグメントにあたる作品で、ポール・デュカス*の「魔法使いの弟子」にアニメーションを付けたもの。同作の中で唯一、『ファンタジア2000』(1999年)の第6セグメントとして流用された作品である。

楽曲はルキアノス*の詩をもとにヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ*が書いた物語にデュカスが曲を付けたものであり、物語は原作に即している。主人公の魔法使いの弟子をミッキーマウスが演じた。『白雪姫』のおとぼけが演じる予定もあったが、ウォルト・ディズニーとしてはこの大役はミッキーに任せたがった。

元々ウォルトが友人の指揮者レオポルド・ストコフスキーと会った際に話した構想から企画された短編映画であり、『魔法使いの弟子』を単品で公開することが難しかったため、『ファンタジア』の企画が本格的に始動した。こうした経緯もあり、『ファンタジア』の楽曲はフィラデルフィア管弦楽団*が演奏しているが、例外的に「魔法使いの弟子」のみはロサンゼルス*の音楽家を集めて1938年1月に録音したもの。1982年再公開版・1985年再公開版では、指揮をアーウィン・コスタル*、演奏をフィラデルフィア管弦楽団が担当したデジタル新録音盤の音源が使用されている。

ミッキーによって撮影時の舞台裏が明かされている。作中で彼が履いている茶色い靴は『ミッキーの巨人退治』と同じものだという。また、ローブの裾を持って階段から踊りながら降りるシーンでは何度か足を踏み外し、45回もNGを出したという。夢を見たミッキーが指揮する流れ星は、長い棒の先端にアークライトを付けたものを素早く動かしているという。赤いローブはずぶ濡れになるため16着用意したという。また、撮影の際には魔法の箒を実際には殴っていないと弁明している。魔法の箒はよその映画会社からもエキストラを雇っており、中には水の中に入るのを嫌がる箒もいたらしい。ミッキーが洪水の中で掴まる呪文の本には何も書かれておらず、コルク製だという。

『ファンタジア2000』にはリマスター映像が使用されている。映画全編が1.85:1であるのに対し、『魔法使いの弟子』はオリジナルの1.37:1の画角を使用しているが、最後のミッキーとストコフスキーの握手のくだりは1.85:1にトリミングされている。ストコフスキーに挨拶するミッキーの声もウェイン・オルウィンによる新録である。

楽曲に合わせてスターリング・ホロウェイが録音したナレーションが存在しており、『The Legacy Collection: Fantasia』に収録されている。

魔法使いの帽子をかぶったミッキーは本作が初出であり、以降テーマパークやゲームなど数多くの作品でトレードマークとして登場している。

トゥーン・ディズニー*開局記念の最初の番組として放送された。

ディズニー エピックミッキー ミッキーマウスと魔法の筆』には、本作をモチーフにしたステージが登場する。

蒸気船シリー』には、本作のデザインのミッキーが登場する。

キャスト

キャラクター


アウトロ(ファンタジア)

ミッキーマウス ウォルト・ディズニー 青柳隆志
指揮者 レオポルド・ストコフスキー 松岡文雄

イントロダクション / アウトロ(ファンタジア2000)

ミッキーマウス ウェイン・オルウィン 青柳隆志
指揮者 レオポルド・ストコフスキー(ライブラリ音声) 松岡文雄
案内人 ペン・ジレット 福田信昭
テラー -

スタッフ

情報集計中…

用語集

オブジェクト


楽曲


収録ソフト

『ファンタジア』『ファンタジア2000』以外の収録ソフト。

タイトル 収録ソフト メディア 音源
魔法使いの弟子 ミッキーマウス メモリー VHS/LD 旧録版
魔法使いの弟子 ミッキー ザ・グレーテスト・ヒッツ VHS/LD 新録版
魔法使いの弟子 ミッキーマウス カラー・エピソード Vol.2 限定保存版 DVD 新録版

タグ:

短編映画
最終更新:2024年12月05日 00:48