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ミュージカーナ

原題:Musicana
中止した映画

概要

1970年代後半に企画された『ファンタジア』(1940年)の続編にあたる映画。

ディズニーは『ファンタジア』(1940年)を公開した後、曲目を一部入れ替えて再上映し続ける演奏会形式の映画とする計画だった。しかし、『ファンタジア』の公開には立体音響システム「ファンタサウンド*」の導入が必要であり、上映できる映画館に限りがあった。また、映画の難解さも相まって大赤字となり、この計画は頓挫することとなった。

『ファンタジア』はその後映画を短縮したりモノラル化して一般公開され、長らくその真価を発揮することはなかった。ディズニーはその後『メイク・マイン・ミュージック』(1946年)、『メロディ・タイム』(1948年)といった『ファンタジア』のポピュラー音楽版ともいえる作品をリリースした。

1970年代後半になり、ディズニーに復帰したベテランのメル・ショウ*は『ビアンカの大冒険』のコンセプト・アートを手掛ける傍ら、世界の様々な音楽をアニメーションで描く『ミュージカーナ』のコンセプトを制作。同じくベテランのウォルフガング・ライザーマンとともに企画を進めた。

アートワークを一通り完成させたショウとライザーマンは社内コンペに『ミュージカーナ』を出すも、前作『ファンタジア』が興行的に失敗したことなどを理由に、経営陣は難色を示した。ライザーマンはこの後しばらくしてディズニーを退社した。

それから約20年後、1999年に『ファンタジア2000』という正式な続編が公開されたが、『ミュージカーナ』のコンセプトは使用されなかった。

予定されていた作品

By the Bayou

ディープサウス*を舞台に、沼に住むカエルたちのジャズ・バンドを描く。歌はエラ・フィッツジェラルド*ルイ・アームストロング*を想定していた。

South American/Yma Sumac Sequence

アステカ*インカ*の伝説をモチーフにした物語。歌はイマ・スマック*を予定していた。

The Rain God

題材はアフリカ*。猿にダイヤモンドを盗まれた雨の神が激怒し、雨が降らなくなった。水不足に陥った他の動物たちは猿を捕まえてダイヤモンドを返却させる。デザインはケン・アンダーソン*が務めた。

The Emperor's Nightingale*

ハンス・クリスチャン・アンデルセン*原作の『ナイチンゲール』をミッキーマウス主演でアニメーション化する企画で、ミッキーはナイチンゲールの友達という役どころだった。舞台の通り、中国*音楽が題材だった。このプロジェクトにはジョン・ラセターが参加していた。

アニメにはならなかったが、この物語は1992年に絵本として出版された。

Finlandia

スカンジナビア*の氷の神と太陽の神の戦いによって大きな湖が誕生する。


Ali Baba and the Forty Thieves

『千夜一夜物語』の『アリババと四十人の盗賊』を題材とした作品で、楽曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ*の『シェヘラザード*』。

登場人物は擬人化した鳥たちだった。アリババはグレーの鳩で、盗賊のリーダーはワシのデザインだった。

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最終更新:2024年09月09日 10:12