frame_decoration

プリンセスと魔法のキス

原題:The Princess and the Frog
公開:2009年12月11日
時間:98分
監督:ジョン・マスカー*ロン・クレメンツ*



  • 目次

ストーリー

ニューオーリンズ*で、ティアナシャーロット・ラバフはティアナの母ユードラからカエルになった王子様がお姫様のキスで人間の姿に戻る物語を聴く。シャーロットは物語に憧れるが、ティアナは「絶対にカエルにキスはしたくない」と言い切る。

14年後、ティアナは亡き父ジェームズの夢である自分のレストランを持つことを目指して、2つの店でウエイトレスとして働いていた。その頃、マルドニア*ナヴィーン王子がニューオーリンズへやって来る。ナヴィーンは両親に勘当されて無一文となっており、金持ちの女性と結婚しようとしていた。ナヴィーン王子の境遇を悟った影の男ドクター・ファシリエは王子にこき使われる執事のローレンスを唆し、王子をカエルの姿に変えてしまう。

カエルになったナヴィーンは仮装舞踏会でプリンセスの格好をしていたティアナを本物のプリンセスと勘違いし、プリンセスのキスで人間の姿に戻してもらおうとする。ナヴィーンは自分が無一文であることを隠して「レストランを買ってやる」と嘘をつきキスまで漕ぎ着けるが、ナヴィーンもティアナもカエルになってしまう。

二匹はジャズ好きのワニのルイスと出会い、彼の案内で人間の姿に戻るべくヴードゥーの魔術師ママ・オーディに会いに行くことに。

概要

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ*の長編アニメーション映画第49作。『ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え!』以来5年ぶりのセル画アニメーションであり、完全新作の中では最後のセル画アニメにあたる。公開はウォルト・ディズニー・ピクチャーズ*

物語はグリム童話*の『カエルの王子』をモチーフにしたE・D・ベイカー*の『カエルになったお姫様』に基づいている。ニューオーリンズ*を舞台に、カエルにされた王子とキスしたために自分もカエルになってしまった勤勉なウエイトレスを描く。

監督と脚本はジョン・マスカー*ロン・クレメンツ*が務める。音楽はランディ・ニューマン*が担当している。

『The Frog Princess』という仮タイトルのもと、『リトル・マーメイド』(1989年)で成功を収めたジョン・マスカー*ロン・クレメンツ*の両監督は同作のようなブロードウェイスタイルのミュージカル・アニメーションの制作を試みた。音楽はピクサー・アニメーション・スタジオの作品を多く手掛けるランディ・ニューマン*が担当した。

2009年11月25日、ニューヨーク*ロサンゼルス*で先行公開が行われた後、12月11日に一般公開された。

歴史

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ*は『ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え!』(2004年)を最後のセル画のアニメーションとしていたが、2006年にピクサー・アニメーション・スタジオの買収が完了すると、ピクサー出身のエド・キャットマルジョン・ラセターはこれに反対した。

伝統的なアニメーションの部門は2003年に閉鎖しており、アニメーターも既に退社していた。ミュージカル・アニメーション『リトル・マーメイド』(1989年)や『アラジン』(1992年)を手掛けた監督のジョン・マスカー*ロン・クレメンツ*も2005年に退社していたが、ラセターは彼らを呼び寄せて新作の制作を依頼。その際、セル画のアニメーションかCGのアニメーションかを彼らに選ばせたという。

当時、ディズニーとピクサーではそれぞれ『カエルの王子様』をテーマにしたプロジェクトがあり、それらを合併させるところから物語が作られた。マスカーとクレメンツはおとぎ話の多くがヨーロッパ*を舞台としていることに着目し、アメリカ合衆国*ニューオーリンズ*を舞台に据えた。二人は脚本を書くにあたって10日間ルイジアナ州*で過ごした。

『The Frog Princess』は2006年7月に存在が公開された。2007年3月になると、コンセプト・アートや楽曲が株主向けに公開されたが、主人公がディズニー初のアフリカ系アメリカ人プリンセスであったことから大きな波紋を呼んだ。まず、ヒロインの名前がマディ(黒人奴隷のばあやを表すマミーに似ている)であること、マディの職業が召使いであること、王子が白人であること、それでいて悪役が黒人の魔術師であることが非難の的となった。また、『The Frog Princess』というタイトルがフランス人差別の言葉に聞こえると主張する者もいた。さらにニューオーリンズでは2005年のハリケーン「カトリーナ」で多くの黒人が犠牲になった際、政府に救援を後回しにされる出来事もあり、ディズニーの選択は被災者の苦境への侮辱だと批判する声もあった。

これらの声に応え、2007年5月の発表では映画のタイトルを『The Princess and the Frog』に変更し、ヒロインの名前もティアナとし、職業もウエイトレスとなった。また、ディズニーはトークショーの司会者オプラ・ウィンフリー*を相談役として雇った。彼女はティアナの母ユードラ役で声の出演もしている。

脚本

ストーリー責任者のドン・ホール*は新鮮なおとぎ話を目指し、近代的な街や一文無しのプレイボーイ王子、今までにないタイプの魔法使いのおばあさんなどを登場させた。共同脚本家のロブ・エドワーズ*は「プリンセス映画が好きではない人のためのプリンセス映画」と評している。

マスカーとクレメンツは脚本について、ティアナナヴィーン王子がそれぞれの違いから衝突し、お互いの良さに気付いていく展開、そしてレイエヴァンジェリーンの関係を良いバランスで描くことが出来たと語っている。

音楽

2007年、制作中のアートワークのスライドショーにあわせて、ランディ・ニューマン*とDirty Dozen Brass Band、そしてドクター・ジョン*がオープニング・ナンバーである「それがニューオーリンズ*」を披露した。

ニューマンは本作のためにジャズ、ザディコ、ブルース、ゴスペルなどを組み合わせて各キャラクター用に楽曲を制作した。主題歌の「ネヴァー・ニュー・アイ・ニーデッド*」はR&Bのシンガーソングライターであるニーヨ*が担当した。

映画公開に先駆けて販売された『プリンセスと魔法のキス オリジナル・サウンドトラック*』には10の歌曲と7のスコアが収録されている。

キャスト

ティアナ アニカ・ノニ・ローズ 鈴木ほのか
エリザベス・ダンペアー*(幼少期) 藤井結夏
ナヴィーン王子 ブルーノ・カンポス* 丹宗立峰
ドクター・ファシリエ キース・デイヴィッド 安崎求
ルイス マイケル=レオン・ウーリー 小林アトム
レイ ジム・カミングス 駒田一
ママ・オーディ ジェニファー・ルイス 荒井洸子
シャーロット・ラバフ ジェニファー・コーディ* 三瓶由布子
ブレアナ・ブルックス*(幼少期) 諸星すみれ
イーライ・ラバフ ジョン・グッドマン 玄田哲章
ローレンス ピーター・バートレット* 石住昭彦
ジェームズ テレンス・ハワード* 三上市朗
ユードラ オプラ・ウィンフリー* 杉村理加
ヘンリー・フェナー ジェリー・ケルニオン* 後藤敦
ハービー・フェナー コーリー・バートン 多田野曜平
ビュフォード マイケル・コリアー* 飯島肇
レジー リッチー・モンゴメリー* ふくまつ進紗
ダーネル ドン・ホール* 朝倉栄介
トゥー・フィンガース ポール・ブリッグス 根本泰彦
ステラ ケリー・フーヴァー
フランク・ウェルカー*
マーロン エメリル・ラガス*
イアン ケビン・マイケル・リチャードソン
ジョージア ダニエル・モーン・トゥルイット*
ヴァイオレット
ボー 多田野曜平
ジュジュ -
ランディ ランディ・ニューマン*
エヴァンジェリーン -
コング桑田
小西のりゆき
その他 フレッド・タタショア
ピート・レナード


スタッフ

情報集計中…

用語集

オブジェクト


楽曲


タグ:

長編映画
最終更新:2025年01月19日 19:23