概要
戦闘に至るまでの背景
▲689年4月における勢力図
ロードレア国と
ロー・レアルス国、
レイディックと
カルディス、二人の対決はもはや時間の問題であった。
事実、国境を接してからは緊張状態は極限まで高まり、小競り合いは幾度となく勃発していたが、それでもこの年まで両雄が直接対決を避けていたのは、お互い背後に敵を持っていた事が原因であった。
両軍の戦力
戦闘経緯
後顧に憂いを持ちながら、
ロードレア国軍とほぼ同数の兵力を動員した
カルディスの手腕は流石としか言い様がなかった。
両軍は2月18日に布陣を終えてにらみ合い、翌19日の早朝に激突した。
夕方前には
ナッシュ、
ノース、
ボルゴスの陣が戦線を維持できなくなり、後退して別部隊と合流。
この穴をカバーするべく最前線に出た
ラディア、そして猛将
アリガルの陣も、二人が自ら剣を振るうほど追い詰められていた。
このまま
ロードレア国軍は前線を突破されるかと思われたが、戦場に雨が降り始め、霧に加えて更に視界を悪化させていく。
この瞬間を見逃さず、
レイディックは待機させていた騎馬部隊だけで編成した
アルヴァドス指揮する機動部隊に出陣を号令、視界の悪さと守りに徹していた相手がまさか攻めに転じるとは思っていなかった
ロー・レアルス国軍は、この機動部隊の速攻を許してしまう。
ここで
ソフィスの命令がくだり、予備兵力が一気に投入されると、ここまで守りに徹した
ロードレア国軍が一気に攻撃に転じ、
ロー・レアルス国軍を分断して各個撃破していく。
攻守は逆転し、今度は
カルディス自らが流れ矢を打ち払うほどの激戦となるが、
カルディスの軍師となっていた
メファイザスが、攻撃を受けている本陣を無視して前進し、側面から
ロードレア国軍を攻撃することで突撃を一旦食い止めると、全軍撤退を進言する。
戦いの結末
この戦いを第一回として、この後五度にわたりゼイレアンの戦いは続くこととなるが、「国主の直接対決」という意味では、後の
レザベリアスの戦いと並んでの二大決戦として知られている。
カルディスはこの同年、ゼイレアンの戦いで疲弊した
ロー・レアルス国を攻めようとした
ルディック国を相手に、「
ソルドレイカの戦い」で大勝を収め、
ルディック国を再起不能なまでに叩いている。
彼の将才は未だその威光を落としてはいなかった。
また、
アルヴァドスは、敵の本陣に単独での突撃と言う、受け止め方によっては捨て駒にされたという作戦を与えられた事に、
レイディックに対しての不信感を持ったという説もあるが、この時点ではまだ両者の信頼関係は強かったと思われるので、逆に信頼の証ではないかと、否定もされている。
最終更新:2024年08月17日 04:04