概要

ソルドレイカの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ691年1月、ルディック国軍とロー・レアルス国軍の間に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲689年4月における勢力図

ロードレア国とロー・レアルス国の決戦であるゼイレアンの戦いは、事実上の引き分けで終わった。
だが、これはあくまでもレイディックカルディスの戦いの始まりを告げる鐘に過ぎず、両国はこの後五度にわたる長き戦いを繰り広げることとなる。
その最中、バルディゴスの遺児ともいえるルディック国のバルシオンは、ロードレア国に目をとらわれているロー・レアルス国の後背を突いて、いまこそ領地を取り返すべしという意見があげる。
これを採用するか、外交によってルディック国を存続させるべきか、意見はまとまらず、結論は先延ばしを繰り返していた。
しかし、カルディスの目線がゼイレアン平原に向き続けていたことから、691年1月、テレサはついに戦う道を選択することとなる。

かつての大帝国は大陸の片隅に追いやられていたが、ルディック国にとって唯一の利点は、その片隅の地だったからこそ後背を狙う国が存在せず、全兵力をこの戦いに傾けることができたことである。
対するロー・レアルス国は、ゼイレアンで対陣中のロードレア国を筆頭に、数ヶ国からの進軍に備えて、兵力を分散しなければならなかった。

こうして、ルディック国軍の兵力はロー・レアルス国軍を大きく上回ることに成功するが、ロー・レアルス国、カルディス自らが出陣し、メファイザスゼノスといった直属部隊を率いてきた。
これは、にらみ合いのまま膠着状態が続くゼイレアンに留まるより、今はこの一戦が重要と、瞬時に判断しての行動であった。
このときメファイザスは、カルディスの「ルディック国軍と同数の兵力を揃えられるか?」という問いに対して、「同数は無理ですが、半数もあれば勝利できるかと」と答えたという。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ルディック国軍
軍勢
ロー・レアルス国軍
総兵力34000 兵力 総兵力20000
バロム 総指揮 カルディス
軍師 メファイザス
主要参戦者

バロム

バルシオン

ドゥース



カルディス

メファイザス

ゼノス

ゾイ

ガイズ

ゾッグ

ワイヴァ

リィド


戦闘経緯


両軍は激突するが、精鋭であるロー・レアルス国軍は、数で勝るルディック国軍を翻弄、メファイザスが敷いた地形を利用した布陣により大軍であることを生かせないルディック国軍は分断され、ゼノスワイヴァの猛攻により各個撃破されドゥースも戦死する。

苦戦する中、バルシオンは後に「バルシオンの三段崩し」と呼ばれる壮絶な突撃で、リィド部隊を壊滅させ、ゾッグガイズ陣を突破、カルディス本陣にまで迫るが、カルディスはこれを冷静に受け流し、バルシオンもここで力尽き討たれた。
後世の物語においては、カルディスとの壮絶な一騎打ちの末討たれたとするものも多いが、実際は彼女はカルディス本陣にまでたどり着かずに力尽きた。

バルシオンの突撃に最後の望みを託したバロムであったが、部隊の壊滅の報告を聞くと敗北を悟り、全軍撤退を命令する。
こうして、ルディック国最後の決戦は終わりを告げた。


戦いの結末

兵力で勝りながら、既にそれを活かせる将がいなかったルディック国は、最後の賭けとして投入した大軍をいたずらに消耗させこの決戦に敗北する。
この後、ルディック国はもはやロー・レアルス国に対して正面から立ち向かう力はなくなる。
しかし、カルディス自身は、ルディック国にある程度の義理を感じていたのか、外交による威圧に徹し、ついに武力制圧には至らなかった。
その為、既に抵抗する力をもっていなかったにも関わらず、ルディック国が実際に滅亡するのはメファイザスの代になってからである。

なお、この戦いの戦勝の宴で、大勝の中で唯一部隊が壊滅したリィドに対して諸将は嫌味を言うが、カルディスは「人には適材適所がある、リィドの働くべき場所が戦場ではなかっただけのこと、今回は急ぎの戦いだった為、彼を戦場に連れ出してしまった自分に非がある」と、彼をかばった。


幻の挟撃

この戦いが終わった直後、リューグ国の軍勢が派遣されたことを知ったカルディスは、自ら騎馬隊だけを引き連れ高速で西へ向かい、現地の駐屯軍と合流するとすぐさまリューグ国軍を撃退した。
明確な書状などは残っていないが、このリューグ国の派兵は、タイミング的にルディック国軍と連絡を取り合い、同時に出陣して東西からロー・レアルス国軍を挟撃する予定だったものと思われる。
しかし、ルディック国軍がソルドレイカの戦いで僅か一日で敗退したためこの作戦は失敗し、カルディスによって時間差をつけられて各個撃破されることとなる。
バロゥドゾイを撃退する活躍を見せるも、すぐに反撃を受け、指揮官が戦死してリューグ国軍は混乱を起こす。
この時、強引に指揮権を奪い、リューグ国軍をまとめ、追撃してきたロー・レアルス国軍を撃退したのが、アゾル国滅亡後に流れ着いたキルレイツだと言われている。




最終更新:2024年08月21日 01:05