フォッケウルフ Fw 190 / Ta 152 / Focke-Wulf Fw 190
1937年、大規模な拡張期にあったドイツ空軍は大量の戦闘機を必要としていた。主力戦闘機として
Bf 109 が量産されていたが、短期間で所要を満たすには不安があったため、主力戦闘機以外に新たな戦闘機を開発し、
Bf 109 と並行して生産することが計画された。このため、
Bf 109 の生産に影響を与えないようにBMW空冷エンジンを使用する戦闘機を使用することとされ、この計画に基づきフォッケウルフ社のクルト・タンク博士が開発したのがFw 190である。
本機のコンセプトは、初心者に扱いが困難な
Bf 109 をサラブレッドと揶揄し、
軍用機 として求められているのは軍馬であるとして、苛酷な戦場でも、誰でもその性能が発揮できる機体を目指して開発された。煩雑なミクスチャやカウリング操作などのエンジン・コントロールは、コマンドゲレートと呼ばれる自動制御装置によって調整され、パイロットの負担を減らしていた。特にロール性能に力を入れ、第二次大戦中の戦闘機でも屈指のロール性能を誇り、敵味方から高く評価されている。防御力と火力にも優れており、翼内武装も機軸に近いので射撃が当てやすくなっている。旋回性能は平均以下であるため、基本戦術は一撃離脱となるが、横転性能が抜群であるため、シザース系からオーバーシュートを誘う機動も得意とする。
1939年6月に試作機が初飛行、1940年末から部隊配備が開始された。翌年夏には英仏海峡において
スピットファイア Mk V を撃墜、この時英空軍に与えた影響は大きく、英空軍は急遽
スピットファイア Mk IX を開発、実戦投入することとなった。
イギリスは、この新型機を入手するために、特殊部隊による強奪作戦まで計画(作戦名「エア・シーフ」)した。しかし、強奪計画実行前に、航法を誤ったFw 190が味方基地と誤ってイギリスの飛行場に着陸したことでイギリス軍は危険を冒すこと無くFw 190を入手できた。捕獲されたFw 190は徹底的に調べ上げられ、その全貌が明らかになった。
Fw 190のBMW801エンジンは低高度ではその性能を十分に発揮したが、中高高度以上になると出力が著しく低下した。このため、高高度性能を改善すべくエンジンを液冷Jumo 213エンジンに換装したのがD型である。D型は、元々空冷エンジンのFw 190Aに液冷エンジンを搭載、ラジエータを機首に円形配置したため、一見すると空冷のように見える。長い機首から「長っ鼻のドーラ」の愛称が知られている。なお、A型は「
ヴュルガー 」、「
ブッチャー・バード 」の愛称で呼ばれることがある。
元々頑丈で、
Bf 109 に比べるとエンジン出力や脚に余裕があったため、A型を元に装甲などを強化した戦闘爆撃機型も開発された。これがF型、G型である。
Ta 152はD型を更にリファインしたもので、ドイツ軍機の命名規則の変更から設計者のタンク博士の名前を採ってTaとなっている。
このほか、夜間戦闘機なども開発され、生産機数は各型合わせて約2万機に達し、ドイツ軍戦闘機としては
Bf 109 に次いで大量に生産された。
Aces HighにおけるFw 190シリーズ
AH ではA-5、A-8、D-9、F-8の他Ta 152H-1が使用可能である。
共通アイコンは「190」
+ボタンをクリックすると各型の説明が表示されます。
+
Fw 190A-5
Fw 190A-5
初期の機体に各種装備品が増設されていくにつれて、重心の位置が変化したため、エンジン取り付け架を152.5mm前方に延長した型がA-5である。
1942年末から723機が生産され、A-4(906機)に次ぐ生産数である。
サブタイプA-5/U2 夜間戦闘機
A-5/U3 20mmMGFF機関砲を外して500kg爆弾又は300l増槽を装備できるようにした戦闘爆撃機
A-5/U4 写真偵察機
フォッケウルフというと重戦闘機というイメージがあるが、大戦後期の機体と比べればFw 190A-5はかなり回る。以後の機体よりも火力は若干落ちるが、AH でも一、二を争うロール・レートの速さと相まってA-5の空戦性能は高い。
特にロール系の技を繰り出すFw 190A-5はAH でも最も手強い相手となる。
大火力に加え、対空ロケット弾のWGr21も搭載できるため、対爆撃機相手の戦いも得意である。
固有アイコンは「109A5」
兵装
Wing Points
Center Point
Armament
2 x 210mm WGr21 Rockets
1 x 500 kg GP Bomb
2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 7.9mm MG 17 900 rpg
1 x 250 kg GP Bomb
2 x 20mm MG-FF 60 rpg 2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 7.9mm MG 17 900 rpg
1 x 300 Liter Drop Tank
+
Fw 190A-8
Fw 190A-8
1944年3月から生産されたのがこのFw 190A-8で、Fw 190中最も多く生産された型である(約8,300機)。
A-7の機体後部に燃料タンク又はブースト剤用タンクを増設、重心位置の変更をした。
突撃戦闘機(ラム・イェーガー)型もA-8を元にしており(A-8/R8等)、コクピット周辺に装甲板を追加、連合軍爆撃編隊に対する攻撃に活躍した。
AH のFw 190では、最も最初に登場したタイプである。オープンβ開始後、ほどなくして登場した。
大火力でありながら、プロペラ圏内から発射される20mm機関砲のお陰で命中精度も高い。
翼内20mm機関砲を更に強力な30mm機関砲に変更することも可能で、対空ロケット弾のWGr21とあわせると対爆撃機迎撃に活躍できる機体である。
ただし、機体の性能はA-5の方が高いため、空戦をメインに考えるのであればA-5を選択すべきである。
しかし、20mm機関砲4門の破壊力は対爆撃機でも対戦闘機でもとても爽快である。
固有アイコンは「190A8」
兵装
Wing Points
Center Point
Armament
2 x 210mm WGr21 Rockets
1 x 500 kg GP Bomb
2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 13mm MG 131 475 rpg
1 x 250 kg GP Bomb
2 x 30mm MK 108 55 rpg 2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 13mm MG 131 475 rpg
1 x 300 Liter Drop Tank
2 x 20mm MG 151/20 140 rpg 2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 13mm MG 131 475 rpg
+
Fw 190F-8
Fw 190F-8
A-8を元にした対地攻撃用のフォッケウルフ
1944年3月から生産され、対地攻撃型のほとんどはF-8である。
サブタイプF-8/U1 最大1tの爆弾を搭載可能
F-8/U2 700kg魚雷搭載可
F-8/U3 1,400kg魚雷搭載可
F-8/R1 主翼下面に50kgX4搭載可
AH では、攻撃力であればA-8も大して変わらず、それでいてA-8の方が対空戦闘能力が高いので、今ひとつ存在感が薄い。防御力が強化されているものの、それを実感する場面も少ない。
機体性能は、A-8と同等なので、火力よりも防御力を重視するのであれば、F-8を選択するべきである。
固有アイコンは「190F8」
兵装
Wing Points
Center Point
Armament
12 x PB1 Rockets
1 x 500 kg SAP Bomb
2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 13mm MG 131 475 rpg
4 x 50 kg GP Bombs
1 x 500 kg GP Bomb
1 x 250 kg GP Bomb
1 x 300 Liter Drop Tank
+
Fw 190D-9
Fw 190D-9
「長鼻のドーラ」の愛称で有名なのがこのFw 190D-9である。
液冷エンジンのユモ213A-1(離礁出力1,770hp、MW50による緊急出力で2,240hp)にユンカース製VS111木製プロペラを装備、高度10,000mで速度680km/hを出した。
1944年初夏から約700機が生産され、絶望的な状況で連合軍爆撃機を迎撃し続けた。
Ta 152Hが非パーク機のため出番がないかと思いきや、Ta 152Hの30mm機関砲よりもFw 190D-9のマウザー20mm機関砲の方が扱いやすく、AH での空戦領域も低空になりがちであるため、Ta 152よりもこちらの方が扱いやすい。
しかも6,000m以下ではTa 152よりドーラの方がはるかに速い。
高速でも舵が効き速度を生かした戦いが出来るので生還率はドイツ軍機No1である。
固有アイコンは「190D9」
スキン解説
AH では、赤腹のドーラで有名なJV44のオウム中隊の赤1番機と13番機のスキンが選べる。
オウム中隊は、
Me 262 の無防備だった離着陸に殺到する米英の戦闘機群から
Me 262 を守るために4名のエースパイロットが選ばれて、たった4機(7機という説もあるが不詳)だけで
Me 262 を守り抜いた。
その過酷な任務から4名とも自分の機体に死を覚悟した碑文を書いて飛んだと言う。
1/JV44 by Edbert
赤1番機はハインツ・ザクセンベルク中尉(104機撃墜)が中隊長で胴体には「死んだら俺の衣類は売り払ってくれ!("Verkaaft's mei Gwand 'I foahr in himmel!")」という碑文が書かれていた。
AH の赤1番機にも書かれています。
JV44 by Tak
AH の赤13番機 クラウス・ファーバー少尉機には「涙を振りきって、彼は往く」と書いてある。
兵装
Center Point
Armament
1 x 500 kg GP Bomb
2 x 20mm MG 151/20 250 rpg 2 x 13mm MG 131 475 rpg
1 x 250 kg GP Bomb
1 x 300 Liter Drop Tank
+
Ta 152H-1
Ta 152H-1
Fw 190Dをベースに、より高々度での迎撃に適した機体として開発されたのがTa 152Hである。実機のTa 152としては、他に戦闘爆撃機型Ta 152B、中高度型Ta 152C、写真偵察型Ta 152Eが計画された。
先行量産型のH-0が1944年12月に、生産型H-1が1945年1月から生産され、約160機が完成したとされている。上昇限度15,250m、高度12,500mで速度760km/hを出した。
すでに
Me 262 が実戦投入されていたこともあり、Ta 152Hは主として
Me 262 の離着陸の援護に使用された他はほとんど活躍することもなかった。
「最強のレシプロ戦闘機」、という世間の評判からするとかなりガッカリな性能の機体
25k以上の高高度なら活躍の場もあるか?
30mmモーターカノンを搭載しているが弾数が少ないので、射撃に自信が無ければ他のタイプをオススメする。
固有アイコンは「152」
兵装
Wing Points
Center Point
Armament
1 x 300 Liter Drop Tank
2 x 20mm MG 151/20 175 rpg 1 x 30mm MK 108 90 rpg
性能諸元
機種
重量
燃料
武装1
武装2
武装3
増槽
爆弾
EW
MW
LW
Fw 190A-5
8583ポンド
139ガロン
2x20mmMG-FFx60発 2x20mmMG151/20x250発 2x7.9mmMG17x900発
2x20mmMG151/20x250発 2x7.9mmMG17x900発
300ℓ
210mmWGrロケット弾x2 500kg爆弾 250kg爆弾
○
○
○
Fw 190A-8
9682ポンド
170ガロン
2x20mmMG151/20x140発 2x20mmMG151/20x250発 2x13mmMG131x475発
2x30mmMK108x55発 2x20mmMG151/20x250発 2x13mmMG131x475発
2x20mmMG151/20x250発 2x13mmMG131x475発
300ℓ
210mmWGrロケット弾x2 500kg爆弾 250kg爆弾
○
Fw 190F-8
ポンド
ガロン
2x20mmMG151/20x250発 2x13mmMG131x475発
300ℓ
4x50kg爆弾 1x250kg爆弾 1x500kg爆弾
○
Fw 190D-9
9480ポンド
139ガロン
2x20mmMG151/20x250発 2x13mmMG131x475発
300ℓ
500kg爆弾 250kg爆弾
○
Ta 152H
11501ポンド
263ガロン
2x20mmMG151/20x175発 30mmMK108x90発
300ℓ
○
Fw 190についてのコメント
Dora 好きです。 -- Toshizo (2012-06-05 15:54:56)
戦場の「ワーク・ホース」です!アッパレ! -- Me262#3 (2012-06-05 19:38:42)
Ta 152のヘタレ具合に全米が泣いた -- 名無しさん (2012-06-05 23:37:07)
Ta152か。高空なら速度はシリーズピカイチなのだけど。 -- Me262#3 (2012-06-06 15:29:20)
AHじゃ高空での高速も見劣りするけどね -- 名無しさん (2014-03-31 21:06:30)
最終更新:2018年07月31日 19:18