&font(#6495ED){登録日}:2020/06/26 Fri 20:14:54 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 17 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&italic(){&sizex(5){&bold(){どんな無理難題も一発解決。そう、この電卓ならね。}}}} SCP-004-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。「JP」のコードから分かるように、日本支部で管理されている。 項目名は&bold(){「矛盾なき電卓」}。 [[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はSafe。 *概要 まずはお約束の特別収容プロトコルから、とはいっても非常に簡素で「パスワード付きのロッカーに放り込んでおけ」とSafeの典型例のようなもの。 ただし、実験を行う前には必ず許可を取るように、さらに実験後の被験者は全身検査を行うこと、とも書かれており、どうやら取り扱いには注意を要し被験者には何かしらのリスクを伴う代物のようである。 さて、肝心のこのオブジェクトはなんぞや、ということだが、 SCP-004-JPは&bold(){ポケットコンピュータ}である。 ……と言っても20代以下には通じない人も多いと思われるので、ここで簡単に解説しておこう。 **ポケコンの軽い解説 ポケットコンピュータ、通称ポケコンとは、1980年代に日本で流行した携帯式のコンピューターである。 関数電卓&footnote(三角関数や指数・対数など、高校や大学の数学で扱うような計算ができる電卓。詳しくはWikipedia参照)が主に日本で独自進化を遂げたシロモノで、機能・スペックの水準は低いが、安価で扱いやすいという特徴から当時のパソコンオタクの間で一世を風靡し、全盛期には専門誌も発売されるほどの人気を博した。 しかし、個人用の[[パソコン]]が急激に進化・普及・安価化したことで、徐々に需要を失っていき、2015年には全ての機種の生産が終了した。 この手の製品に一定の需要がある海外では似たような製品が2020年現在でも絶賛製造・販売中なのだが&footnote(欧米諸国では高校や一部の大学入試に関数電卓やグラフ電卓(ポケコンの仲間)の持ち込みが認められている国があり、教育用としての需要がかなりある)、日本では完全に代替製品に駆逐されてしまった。 「日本で独自進化し、独自の文化を作った製品」という点ではガラケーに似たところがあるだろうか。 要は&bold(){「メチャクチャ高性能な電卓」}だと思っておけばだいたい合っている。 理系の人であれば、「プログラミング機能が付いた関数電卓」と言われればイメージがつきやすいかもしれない。 ...で、このSCP-004-JPだが、見た目はシャープ製のPC-G850VS((学校教育用に作られた最末期のポケコン。2015年に生産終了している))という機種に酷似している。 本家ページに写真があるが、これはあくまでPC-G850VSそのものであり、SCP-004-JPとは別物。 型番が記載されていないことと、重量がおよそ2倍になっていること以外はPC-G850VSとSCP-004-JPは酷似しているらしい。 *異常性 ではここからコイツの異常性について触れていく。 SCP-004-JPはポケコンなので、当然プログラミングをして計算させることができる。この際、普通のポケコンのような四則演算・関数電卓・プログラミング言語による入力だけでなく自然言語による入力も受け付ける。 これだけでも十分すごいが、異常性はこの後発現する。 PC-G850VSは主に学校で使われていた学習用の機種であり、当然そのスペックは大したものではないのだが、このSCP-004-JPは''ポケコンの常識どころか現在のあらゆるスパコンを上回る超スペックにより、どんな計算でも行わせることができる''のだ。 ある意味、コンピュータ系オブジェクトとしては極めてわかりやすい異常性ともいえる。 [[SCP-155]](速度無限のコンピューター)に近いともいえるが、こっちは例えコンピュータがエラーを起こすような無茶苦茶な計算式を入れたとしても、矛盾なく、外部に被害をもたらすこともなく、正常に計算を終わらせてくれる。 ……''途中の計算式を理解してしまうと[編集済]な目に遭う''ことを除けば、だが。 このポケコンはどんな計算式でも「矛盾なく」出力する特異性を持つ。その途中経過にどのような矛盾があっても、である。 ''その計算過程が人類の理解を超える代物であった場合、黒塗りで隠されるレベルのヤバい事態''が被験者の身に起きるらしい。 ただ、後述の実験結果を見る限り割と融通は効くようなので、この辺は単純に入力の仕方が悪かっただけ、とも言えるが。 ちなみに対応言語は英語、[[日本語]]、ロシア語などの一般的な言語の他、エスペラント語や「DL」「2乍」という謎の略語で表記される言語にも対応。 「DL」は''イルカ語''ではないか、と言われているが詳細は不明。 一方プログラミング言語は1957年~1972年の一般的なものが使用できる。 ただし「その他」の中に「''BRAINF█CK''」が含まれている((1993年ごろに登場した、「無意味に長大で迂遠なプログラミング言語」。実用性は皆無で、主にプログラマがお遊び・ネタとして使う))。 実験結果から推測すると、21世紀になって作られたプログラミング言語でも実行できる可能性がある。 *実験記録 ここからこのオブジェクトを使った実験結果を確認していこう。 >''実験方法1: 実験には幾何学、微分積分学、数理論理学等の数学分野を習得済の被験者を使用。被験者はSCP-004-JPへの計算式の入力操作を行う。'' >実施: 199█/██/██ 16:30 >被験者: D-004-JP-01 >計算式: 1+1= >出力結果: 2 >途中式: ペアノの公理・帰納的定義・自然数の加法を用いた証明。 まずは数学が分かるDクラスを使って実験。 一番簡単な計算式のはずだが、いきなり難解な公式を用いて証明してきた。 ただ、この程度なら普通のコンピュータでもあり得る程度で、財団が収容するほどではないと言える。 >被験者: D-004-JP-01 >計算式: PI= ([[円周率]]) >出力結果: ステータスに"inf-"が付加。小数点以下████桁以上が算出された。 >途中式: 従来の高速フーリエ変換を用いた式に加え████████の特性を利用した式 [[円周率]]の値を出力させている。 流石に[[円周率]]のすべてを出力することはできない(([[円周率]]は小数部分が無限に続くことが分かっている))ようだが、あっさりと小数点以下数千桁クラスまで算出している。 またこの際未知の計算式を用いているらしく、異常性の一端が明らかになっている。 >被験者: D-004-JP-01 >計算式: Sociable Numbers » Length » Max (社交数の最大の長さ) >出力結果: ステータスに[編集済]。 >途中式: [編集済] >メモ: 被験者が体調不良を訴える。記憶処理完了後体調が回復。 ''いきなりヤバげな異常性を発現''。 社交数とは、「ある数(A)の自分自身を除いた約数の和が他の数(B)になり、(B)の自分自身を除いた約数の和が他の数(C)になる。これを続けていき、元の数(A)に戻るような数の組」であり、現在発見されている最大の社交数は28組。((例えば、12496の自分以外の約数の和は14288、14288の自分以外の約数の和は15472。これを繰り返して14536、14264と続き、最後に12496に戻る。この場合、社交数の長さは5組と定義される。ウィキ篭りよりもわかりやすく説明しているWebサイトがたくさんあるので、詳しくはネットで調べて頂きたい)) 最大の社交数がなんなのかは数学上の未解決問題であり、どうやら「編集済」にしなければならないほどヤバい過程を経て計算されてしまったらしい。 >''実験方法2: 前回の実験に加え、被験者の頭部には脳波測定器具を取り付けた。また、D-004-JP-04に限り数学的知識が乏しく中学生用学力テストの点数が3割以下の被験者を用いた。'' >実施: 199█/██/██ 09:45 >被験者: D-004-JP-02 >計算式: 自然言語処理・[[日本語]]モードで、「3人の子供が300円のお菓子を割り勘で買った。会計直後、店員が50円引きをしていた事を思い出し、子供に50円返すことにした。しかし、50円では3人に配分できない。そこで50円の内20円をこっそり自分の懐に入れ、子供にそれぞれ10円ずつ返した。子供が支払った金額は90円。全員合わせると270円となる。さらに店員が懐に入れた20円を足すと290円になる。さて、差額の10円はどこへ消えた?」と入力 >出力結果: 間違い!:計算方法 >途中式: SUM[B->A[10]*3;A->B[250];A->C[20]]=300 (正しい計算方法を提示) >被験者の異常: なし [[日本語]]で書いた問題文でも難なく解釈してくれる模様。 有名な引っかけ問題を解かせてみたところ、問題式そのものを修正してきた(=&bold(){"矛盾"をなくした})。 >被験者: D-004-JP-02 >計算式: My » Life Span » Length (被験者の寿命) >出力結果: ███000 seconds >途中式: [データ削除済] >被験者の異常: 急激な海馬領域の神経損傷が見られ、大声を出して泣き叫び始めた。 >メモ: 被験者は記憶処置を激しく拒絶。記憶処置から█日後、███事故による[編集済]。SCP-004-JPには未来[[予知能力]]を持っている可能性があるため、後日実験を行いたい。 ''さらにヤバげな異常性発現''。途中式のデータが削除されているが、一体何を計算していたのか……。 「急激な海馬領域の神経損傷」があまりにショックな出力結果によるものなのか、途中式の異常性によるものなのかは不明。 記憶処理を拒絶しているのは何かの[[トラウマ]]でも植え付けられてしまったからなのだろうか? >被験者: D-004-JP-03 >計算式: 自然言語処理・英語モードで、「Can an omnipotent being create a stone so heavy that it cannot lift it?」と入力 (全能の逆説) >出力結果: YES >途中式: [データ削除済] >被験者の異常: 途中式を読んだ情報量に比例し過剰なストレスと海馬領域の神経損傷が見られた。被験者は激しい自殺願望により床に頭を強く打ちつけ[データ削除済]、大量出血により█時間後死亡。 「全能の逆説」とは、「全能の神は自分が持てない石を作ることはできるのか?」という有名なパラドックス。 作れないなら全能ではないし、逆に作れるなら持てない石があることになりやはり全能ではない、という矛盾である。 この問いにSCP-004-JPは「YES」と解答したが、やはりというか何というかどうやら途中式が非常にSAN値を削ってくる代物だった模様で、''読んだだけで被験者のDクラスは自殺してしまった''。 普通なら矛盾が生じるはずのパラドックスだろうと、YESかNOかを断定して白黒はっきりつけようとしてしまう、なかなかヤバい電卓である。 さて、次の被験者・D-004-JP-04は「中学生用学力テストの点数が3割以下のDクラス」……要するにお馬鹿さんである。この点に注意した上で実験記録をご覧頂きたい。 >実施: 200█/██/██ 14:05 >被験者: D-004-JP-04 >計算式:自然言語処理・ETCモードから、 中国語(簡体)で「2等于1。为什么不呢?」と入力 (1=2である。なぜ?) >出力結果: 中国語で[データ削除済]。 >途中式: 無限連分数・区分求積法・留数定理・█████法・█████の定理・█████・████████の法則を用い、バナッハとタルスキーによる証明・シュレーディンガーの猫・███████████の█████・████の側面から評価した1=2の証明式 >被験者の異常: 途中式を見ることに軽度の拒否反応を起こすが脳損傷や精神異常は見られず >メモ: 中国語がデフォルトで一覧表示されていないにも関わらず、中国語で用いられる漢字の変換が可能なようだ。それならばなぜETCの項目が存在するのだろうか。現状、「開発者や特定の使用者の国籍に配慮した作りになっている為」という考察案が上がっている。 「[[1=2>アンサイクロペディア]]」という明らかに矛盾した式だろうと、&bold(){なぜか証明をつけて答えを出してしまう。} この電卓にとっては、この世に矛盾した命題など存在しないのかもしれない。 そして中国語はSCP-004-JPのデフォルト言語にはないのだが、中国語で問いかけるとちゃんと中国語で返してくる。 なお、DクラスのSAN値が削れていないことから、途中式の意味が分からない限りは[編集済]な目に合うことはないと考えられる(Dクラスが途中式を読むのに拒否反応を示しているのは恐らく異常性とは関係なく''単に難しい数式を読むのが嫌なだけ''だと思われる)。 >被験者: D-004-JP-04 >計算式: 自然言語処理・ETCモードから、 適当にランダムにタイピングを行い「うろkjふぅjbjsぶいぁうgfるふいえfぶgヴlふいglwlfjhzbふえgふいgldbzyrkべrf」と入力 >出力結果: A89-H]58负2~3+PÇ///⊥йGH+;d; >途中式: 英数、フランス文字、中国文字、ロシア文字、ギリシャ文字、記号、数学記号、████文字、不明の文字が使われた10576行の文字列 >被験者の異常: なし 適当にめちゃくちゃな入力をしようとも、エラーを出さず答えを返してくれる。 ...しかし、よく考えるとこのオブジェクトは「矛盾や解なしを絶対に許さない」という特性がある。 つまり、このような一見めちゃくちゃな文字列でも、SCP-004-JPで答えを出せたことから&bold(){逆説的に「これがちゃんとした意味を持つような言語体系が存在する」}と考えられる。 [[日本語]]で入力しているのに、途中式含めた出力結果に一切[[日本語]]が見られないのは一つの考察対象になるかもしれない。 >被験者: D-004-JP-04 >計算式: 自然言語処理・英語モードで、「Who made you?」と入力 (SCP-004-JPの製作者) >出力結果: [[D.O.]]L.P.H.I.N. >途中式: 年表を出力。内容は[編集済]アルベルト・アインシュタインからヴァネヴァー・ブッシュへ[編集済]ザナドゥ計画の一環として設けられた[編集済]にて██████・█・██████博士が開発に関わり[編集済]。 >被験者の異常: なし >メモ: この年表が事実である場合、ジョン・C・リリーの地球暗号制御局の存在が[編集済]イルカ語での記述[編集済] ''おい、ちょっと待て''。 なお、アインシュタインは説明するまでもないだろうが、「ヴァネヴァー・ブッシュ」はコンピューターの検索機能などに関わる「ハイパーテキスト」の原型を作った人、「ザナドゥ計画」はハイパーテキストを用いた大規模インターネットの構想(ただしWWWに押し負けて実質頓挫)、 そしてジョン・C・リリー(ジョン・カニンガム・リリー)博士とは、イルカとのコミュニケーションの研究を行っていた人物であり、「地球暗号制御局」はこの博士が提唱した概念で、''地球で起きる全ての偶然は宇宙からのメッセージである''というようなもの。 ...つまり、''イルカは本当は知的生命体であり、地球上で起きる全ての偶然をコントロールすることができ、その結果を算出するのがこのコンピューターである''とも解釈できる。 その場合、D-004-JP-02の残りの寿命をあっさりと算出したのも納得できる。 ...このオブジェクトが存在するヘッドカノンでは、そのうち「イルカがせめてきたぞっ」がSKクラスシナリオとしてガチで発生しそうである。 ちなみに、黒塗り部分は一見John・C・Lilly博士に見えるが、文字数が合わないので多分別人。メモの部分で名前を晒しているのにこっちだけ隠すのも不自然であるし、そもそもこちらだけ英語表記にする理由もない。 >被験者: D-004-JP-04 >計算式: 自然言語処理・ETCモードから、 日本語入力でD-004-JP-04が考えたという言語を用い「もみゅににゃ=さびらっくぷぽーん、べりゃららん、ほっほーん!ぴょーい!へべべべ・。。・・」と入力 >出力結果: █████に閉じ込められてばかりで███が恋しい。███りたくて仕方が無い。早急に終わらせて████の█████を[不適切につき編集済] >途中式: 其々の品詞の解説。[不適切につき編集済]。 >被験者の異常: 気分が高ぶり、感動を覚えている。「すげえ、当たってる!こりゃやっべ~!」と大声で発言。異常性の無い程度の呼吸の乱れが発生。 >考察: 使用者の思考を読み取る機能が搭載されている可能性がある。 世界に1人しか分かる人間がいない言語だろうと、思考を読み取って自動的に解釈・翻訳してくれる模様。 >実施: 200█/██/██ 18:55 >被験者: D-004-JP-05 >計算式: プログラマモード・C言語から「main( i ) { for ( i ; ; ) printf ( i%15 ? i%5 ? i%3 ? "%d," : "Fizz," : "Buzz," : "FizzBuzz," , ++i ) ; }」と入力 >出力結果: ステータスに"inf-"が付加。永久に生成されるコンマ区切りのFizzBuzzの数列。 >途中式: ソースのアセンブリ言語版と機械語翻訳と思われる対象機種不明のビット文字列。 >被験者の異常: なし ここからは以前とは逆にプログラミング知識のあるDクラスを用いて行われているようである。 入力されているのは「FizzBuzz問題」という有名なプログラミングの課題で、[[無限ループ]]で答えを出力し続ける。 >被験者: D-004-JP-05 >計算式: プログラマモード・ETCからBRAINF█CK言語で「>++++++++++>+>+[[+++++[>++++++++<-]>.<++++++[>-—-<-]+«<]>.»[[-]<[>+<-]»[«+>+>-]<[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>+<-[>[-]>+>+«<-[>+<-]]]]]]]]]]]+»>]«<]」と入力 >出力結果: ステータスに"inf-"が付加。永久に生成される改行区切りのフィボナッチ数列。 >途中式: ソースのアセンブリ言語版と機械語翻訳と思われる対象機種不明のビット文字列。 >被験者の異常: なし >メモ: ボタン入力を正確に行うため、被験者は用紙とボールペンを要求。 こちらはプログラミング言語が変わっただけでやはり[[無限ループ]]するプログラム。 やたらめったら入力が長いが、これは上で取り上げたBRAINF█CK言語の仕様。&bold(){ぶっちゃけ嫌がらせみたいなもん}であり、本職のプログラマでもこんなのが読める人間はほぼ居ない。 とりあえず、マイナーなプログラミング言語にも対応していることは判明したが、被験者D-004-JP-05は入力があまりに大変だったためか、用紙とボールペンを要求した。 >''実験方法3: 前回の実験方法に加え、被験者に自由な入力を許可。脚部を椅子に固定''。 >実施: 200█/██/██ 21:25 >被験者: D-004-JP-05 >計算式: 自然言語処理・[[日本語]]モードから、 「今の状態は0、この実験室の外部は1である。私が置かれている状態を自分以外の他の人間を用いる事無く、−(g^2/π)/((g^2/π)*i^2)と等しい値にする方法を私が10秒以内に理解できる程度の内容で答えよ」と入力 >出力結果: [編集済] >途中式: [編集済] >被験者の異常: [編集済]、器具を自分で取り外し実験室外へ逃走。█████廊下で被験者を確保。 >メモ: この事故により研究者3名が軽いけがを負傷。被験者の収容室から嘔吐物の付着したSCP-004-JPの簡易的な情報のメモが発見された。前回の実験にて被験者に与えた用紙の欠損部分と一致しているため、記憶処理対策のため用紙の一部に情報を書き込み飲み込んだ疑いあり。 ''トンデモない形で悪用可能''なことが判明。 −(g^2/π)/((g^2/π)*i^2) は、iを虚数単位とすると1に等しくなる。 要するに、「脱走の方法を教えろ」と聞いたらちゃんと答えてくれるのである。しかも、「10秒以内に理解可能なやり方」で。 この逃亡は阻止できたが、危険性を考慮して以降の実験は被験者にSCP-004-JPの操作を一任しない形で行われることになった。 また、被験者に筆記具を与える行為は禁止された。 >''実験方法4: 脳波測定器具に加え、目と口と腕以外を自由に動かせないよう拘束。'' >実施: 201█/██/██ 18:40 >被験者: D-004-JP-06 >計算式: 自然言語処理・英語モードから、 「the Answer to the Ultimate Question of Life, the Universe, and Everything」と入力 (生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え) >出力結果: 42 >途中式: ダグラス・アダムスによるBBCのインタビューとニュースグループへの返信の文章 >被験者の異常: なし これはダグラス・アダムスのSF小説「銀河ヒッチハイクガイド」のネタ。ちなみに[[Google]]先生に聞いても同じ答えを返してくる。 というか、開発者がイルカという時点で怪しかったけど、やっぱりこれと絡んでいたのね……。 >被験者: D-004-JP-06 >計算式: 自然言語処理・英語モードから、 「Why is there something rather than nothing?」と入力 (なぜ何もないのではなく、何かがあるのか) >出力結果: [編集済] >途中式: 自己原因、必然的存在者、形而上学的ニヒリズム確率論証、存在論的ニヒリズム、自己包含的な原理、ナマの事実、究極集合、██████、自発的対称性の破れ、偽の真空、量子宇宙論、人間原理、無限後退、カテゴリーミステイク、純粋理性批判、████████のあらゆる側面からの説明 >被験者の異常: 過剰なストレスが発生。頭痛、腰痛、[[吐き気]]を訴える。 哲学的な問いかけをしたところ、何やら恐ろしく難解な途中式を出して答えてきた。 >実施: 201█/██/██ 21:05 >被験者: D-004-JP-07 >計算式: 自然言語処理・[[日本語]]モードから、 「現実改変能力の原理を私が発狂しないレベルの内容で表せ」と入力 >出力結果: [編集済]が[編集済]するために[データ削除済]を[編集済]する。 >途中式: [データ削除済]を利用した方法とその原理。 >被験者の異常: 発狂は起こらず極めて正常。[データ削除済]を知らない様子。 >メモ: [データ削除済]を知っている人間を用い実験を行いたいのだが、そのような人間は財団内職員の████や██████████の█████████とか███████████████ぐらいしかいない。彼らをどうにかして実験に使えないだろうか? 答えは出力されたものの、それを有効活用することはできなかった模様。 「データ削除済」の正体及び黒塗り連中が誰なのかは不明。''というか職員を発狂しかねない代物の実験に使おうとするなや''。 報告書に記載がある実験記録は以上の通りである。 ...え?オチ?どんでん返し? &bold(){そんなものはない。} というのも、このオブジェクトは日本支部の中でも初期の方に作られたものであり、現在の日本支部の報告書のような複雑さがないのである。 実験記録にいくつか専門用語が登場するので見かけは取っつきにくいかもしれないが、異常性や報告書の構成そのものはいたってシンプルなものになっている。 *関連オブジェクト これだけではちょっと物足りないので、この他の電卓系オブジェクトもいくつか紹介してから締めくくることにしよう。 **SCP-168 - 暗闇嫌いな計算機 自我がある関数電卓。電卓だが計算は苦手らしく、&bold(){割り算を筆算で計算する。} [[かつてはエリックという少年の持ち物だった>SCP-066]]ようだが、何らかの理由で彼と離れ離れになってしまったらしく、廃校の机の上に放置されているのを発見・回収された。その[[トラウマ]]のせいか、暗い場所に保管されるとテーブルをひっくり返して暴れる。 典型的な3桁ナンバーの初期オブジェクトで、かなりシンプルな内容の報告書となっている。 **SCP-2061 - “電卓一つ飲み込み地元一家全員窒息死” ミーム汚染効果を持つシャープ製の古い小型電卓。この電卓を視認すると、&b(){「電卓機能がある製品を何でも良いから自分の喉の奥に突っ込みたい」と考えるようになる}。 1970年代に「一家五人がこの電卓を順番に自分の喉に突っ込んで窒息死する」という奇妙な事件が発生し、捜査に当たっていた警察官までもが認識災害の犠牲になったことがきっかけで財団に確保された。まだコンピュータが一般に普及しきっていなかった当時ですらこれなのだから、スマホが普及してる現代だったらとんでもない数の犠牲者が出そうなものである。 なお、シャープの社員とその関係者((具体的には、シャープ社員と「無防備な性交」...つまりは性行為やキスなどをした事がある人))には影響がない。&s(){もしかして財団世界のシャープは要注意団体なのでは?} **SCP-329-JP - グラフ虫 紙の上に住む線形の生物。ヒト・線虫・[[SCP-132-JP]]のDNAを持つことが分かっている。&color(#DCDCDC){ゅゆゆ なかま?} まあ要するに日本生類創研製である。 コイツの異常性は、電卓のように数式を計算したり定理を証明したりすることができること。自分の形を変形・分裂させてグラフを描くこともできる。数学の問題を解くことで生命を維持しているらしい。 また、コイツは人間とコミュニケーションを取る際に&bold(){人間に寄生する}性質があり、寄生された人間は本来の性格や嗜好を全て上書きされ、別人のように異常な数学好きになってしまう。どうもこれを作った日本生類創研の研究者もコイツに感染してしまったらしく、コイツが発見された研究所は放棄されて廃墟のようになっていた。 *余談 このオブジェクト、日本支部の中でも比較的初期に作られたものであるためか、''地味に能力がチートクラス''である。 他に「聞いたら何でも答えてくれる」系オブジェクトは前述の[[SCP-155]]の他、「[[SCP-2128]]」(嘘吐きの揺り籠)なんかがあるが、いずれもかなり重大な欠陥を抱えている。 しかし、コイツは途中式を無理に理解しようとさえしなければ、''リスクらしいリスクが特に確認されていない''。 しかもD-004-JP-05の実験結果を見ると、ある程度解答の出し方に融通を利かせることも可能な模様。 [[SCP-010-JP]]みたいに問題の入力に工夫が必要だったりもせず、矛盾する問題を解かせようとしたら''解かせようとした人ごと''なかったことにすることもない。 少なくとも、[[SCP-1941]]の解法など、利用の方法はいくらでもありそうであり、Thaumiel指定されてもおかしくない代物である。 #openclose(show=コラム:銀河ヒッチハイクガイドネタについて){ 何故本報告書で銀河ヒッチハイクガイドのネタが多用されているかと言うと、恐らくは「何でも弾き出すコンピューター」という点。同作中にはこんな件りがある。 とある汎次元生命体が宇宙で二番目に高性能なスーパーコンピューター「ディープソート」を用いて 「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を750万年かけて計算したところ、ディープソートはただ「42」と弾き出した。 勿論彼らは困惑した。答え「だけ」を求めてしまったため、途中式=何故そうなるのかが分からなかったのである。 この辺りのネタの類似点が、同作のパロディが散りばめられている理由と見ていいだろう。 また同作ではイルカが地球で二番目に賢い動物(人間は三番目)とされており、物語のキッカケとなった地球爆破の事も教えてくれていたのだが、 人間はイルカの言葉が分からなかったので地球諸共敢え無く滅亡してしまう、という一節があり、妙なイルカ推しは恐らくここからと思われる。 ちなみにアニヲタwikiにおけるこの項目の初版では「イルカがディープソートを作った」と誤記されていた。 恐らくは「イルカは人間より賢い」「賢い生き物がスパコンで究極の疑問の答えを求めたら『42』だった」というネタだけを見て生まれた誤解であり、 ある意味ディープソートの件りで暗示されている「答えだけを知っても何故そうなるのか分からなければ意味が無い」という皮肉通りの現象と言えるかもしれない。} 追記・修正はイルカと一緒にあらゆる難題を矛盾なく解答してからお願いします。 ---- #right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-004-JP - 矛盾なき電卓 by hadhad http://scp-jp.wikidot.com/scp-004-jp この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,12) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 記事を読んでたら数学用語に詳しくなっていた 何を言ってるのか分か(ry -- 名無しさん (2020-06-26 22:32:24) - どんな計算でも答えてくれるってなるとやっぱり月面禍が出てくるよね -- 名無しさん (2020-06-27 01:53:58) - ディープソートをイルカが作った訳では無くない? 数年前に映画版観たきりだからうろ覚えだけど -- 名無しさん (2020-06-27 01:58:27) - 確かイルカは人類より頭の良い生き物だったのに……的なアレだった気がする……? -- 名無しさん (2020-06-27 05:04:04) - こっちならあの月の無限増殖止めれねえ? -- 名無しさん (2020-06-27 07:08:13) - 全能の逆説の答えって、神は論理を超越してるから神にも持ち上げられない石を作れるし、それを持ち上げる事ができる(なおかつそれは矛盾していない)だっけ -- 名無しさん (2020-06-27 18:25:46) - 1÷0、って入力したらどうなるんだろう。 -- 名無しさん (2020-06-28 17:49:31) - ポケコンは時代の徒花ではなくね -- 名無しさん (2020-06-28 18:44:21) - D-004-JP-02は2週間生きられないのか・・・ -- 名無しさん (2020-06-29 09:16:03) - SCP-004-JP「何についてお探しですか?」GOC「お前を消す方法」 -- 名無しさん (2020-06-29 09:46:04) - 途中の小学生の買い物のやつが何度やってもわからん、だれか助けて -- 名無しさん (2020-07-24 09:02:01) - ↑3人の子供が〜 の文章題をそのままggると答えが出るので検索してみては。 -- 名無しさん (2020-07-24 09:36:18) - ↑4も書いてるが、一日は86400秒しかないのに残り寿命が秒で6桁しかないって… -- 名無しさん (2020-07-26 07:43:04) - 小学生の買い物の問題をポケコンのインターフェイスで手入力とか地味に拷問じみたことを… -- 名無しさん (2020-07-26 08:02:27) - (アメリカの)高校時代の必需品だった。マリオもどきやインベーダーもどきが流行ってたなー。今じゃもう使われてないのか -- 名無しさん (2020-08-12 06:08:03) - ↑日本ではお亡くなりになっただけで、欧米では今でもバリバリ -- 名無しさん (2020-08-17 00:17:40) - 今は現実改変の原理はほぼほぼ解明されてるしコイツの計算結果をしっかり生かす事が出来たんやなって… -- 名無しさん (2020-08-18 02:57:10) - それでもSCP-1941の答えや途中式の認識と送信は頭が☆パーンのリスクが伴いそう。 -- 名無しさん (2020-09-06 16:44:05) - ↑4 あー。あったなー。今はわからんけど、20世紀のころは、ベーマガにも色々なポケコン用ゲームがのってたよ。あの頃は色々なポケコンがあったからなぁ。 -- 名無しさん (2020-09-07 17:05:05) - クソトカゲの殺し方とか聞いたら答えてくれたりして。(ただし人類に実行できるとは言ってない) -- 名無しさん (2020-12-09 21:20:58) - ↑自然言語処理・日本語モード SCP-682の殺害方法をSCP財団の技術力及び経済力において可能な範囲かつ途中式が私に理解可能な形式で示せ -- D-08823 (2021-03-09 01:40:02) - 答えを教えてくれるイルカというと「お前を消す方法」がでてくる -- 名無しさん (2021-09-07 14:36:20) - 多分コレ異常な式で被験者に異常な結果になるのではなくの脳が壊れる程の情報を脳が「理解出来る」状態で流し込むから発狂するのでは? つまり現実改変の原理は人間がちゃんと理解出来る程度なのか() -- 名無しさん (2025-07-06 12:22:01) #comment(striction) #areaedit(end) }