Cz社(銃器会社)

登録日:2025/07/30 Wed 19:48:13
更新日:2025/07/31 Thu 02:20:56NEW!
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概要

チェコの火器製造企業。チェコスロバキア時代のチェスカー・ゾブロヨフカ(チェコ造兵廠) ブランドとその後チェコスロバキア解体後民営化したチェスカー・ズブロヨフカ・ウヘルスキブロッド(CZUB)を指す。
通称はCz/CZ。

歴史

1919年、第一次世界大戦のゴタゴタからチェコスロバキア第一共和国が成立。ブルーノにあった銃砲店を接収しブルーノ造兵廠として稼働を開始し、Czブランドを立ち上げた。
1926年にはZB26軽機関銃を制作。ZB26はチェコスロバキアの軍備のみならず優秀な設計によりブレン軽機関銃などとしてイギリスや中華民国にてライセンス生産がなされた。
拳銃なども開発製造し順調な滑り出しと思われた矢先、第二次世界大戦が勃発。ナチスドイツによる併合などにより戦中はドイツ製銃器の製造を行っていた。
戦後併合された第三共和国の国営企業としてCzブランドを再興。Vz58突撃銃、Vz23/Vz61短機関銃、Vz52/Vz82に輸出型のCZ75拳銃を生み出す。Vz23は戦後短機関銃の祖/CZ75は競技やコンバットオートとしての評価を得た。

1992年に民営化され、冷戦終結と合わさって銃器に定評のあるメーカーとしての地位を確立した。
チェコ共和国にも引き続き銃器を納入している。CZ805ブレンやCZ スコーピオンEVO3などが有名。

また、1998年にはCZ-USAを設立しアメリカ市場に参入。2021年には破産したコルト社を買収しコルトCZグループと改称している。
チェコはチェコスロバキア・グループによりイタリアのフィオッキ社、アメリカのフェデラル社やCCi社にレミントンの弾薬製造部門などを買収、傘下にしており銃器産業内でも存在感を強めている。

製品

ZB26

軽機関銃。ZB26の項目を参照。

PzB M.SS.41

ナチスドイツ併合直前に試作されたZK382を武装親衛隊向けに改修した対戦車ライフル。
ブルパップ式で前にコッキングするスタイルの独特なボルトアクション方式となっており比較的軽量コンパクトとなっている。

CZ22/24/27

モーゼルM1910のコンパクトモデルをもとにして1921~24年に製造していた初の国産自動拳銃。

Vz52/70

1952年開発の拳銃。戦後共産圏入りしたことから7.62x25mmトカレフ弾を使用するようにすべく開発された。直前のCZ50がワルサーPPを参考にしており本中にもその面影が見て取れるが、作動方式がMG42を参考にしたローラーロッキング式ショートリコイル方式となっている。

Vz82

1982年開発の拳銃。9x18mmマカロフ弾に対応したことによりシンプルブローバックとなった。ポリゴナルライフリングの採用やクロムメッキ、操作系のアンビ化など耐久性と操作性は良好。
北朝鮮工作員が輸出型のCZ83を使用していると確認されている。CZ83は2012年生産終了。

CZ75

輸出用拳銃。CZE CZ75の項目を参照。

CZ100

1995年開発のCZ社初のポリマーフレーム拳銃。当時のグロック17の影響を受けてDAOの自動安全装置のみなストライカー式となっている。

CZ P10C

2017年の最新型。CZ75の後継としてチェコ軍で使用されている。

Vz58

1958年採用の突撃銃。戦前のZH-29、戦後のVz52自動小銃の流れをくんだCZ独自開発の銃であり、弾薬(7.62x39mm弾)以外でAK-47との互換性は完全にない。
ショートストロークガスピストンのロッキングブロック閉鎖となっており、自動ボルトキャッチにも対応している。
90年頃には5.45x39mm弾対応の ラダ を開発したが、直後にソ連が崩壊しチェコスロバキアも解体されたため棚上げ。
5.56x45mm弾向けの改修を施したCZ2000/CZ805として90年代後半に再始動したが、弾薬以外はAKに近い独自仕様ということで他国との連携の面で採用されず新規設計の新たなCZ805を制作することとなった。

CZ805 ブレン

2006年開発の突撃銃。Vz58の流れを汲まない新規設計となっており、M4カービン(特殊部隊に配備されていたブッシュマスターのM4)やSCARを意識した構成。Vz58に近い操作系事態も残されている。
FN SCAR-Lとの競合に勝ち残り2011年より配備されている。
改良型のブレン2(CZ806と呼称される)とブレン3、7.62mmNATO弾対応のブレン2BR/PPS、7.62x39mm弾等多弾種対応のCZ807のバリエーションが存在し。チェコ軍のみならずスロバキア軍でも使用されている。

CZ23~26/Vz48

1948年開発の短機関銃。現代のグリップに弾倉を収める短機関銃としては最初期のものとなる。UZI開発時の参考にされたと思われる。
プログレッシブトリガーとフォアエンドに装着された弾倉給弾補助具が特徴。

Vz61 スコーピオン(63~65、68/82~85)

Vz61の項目を参照。

CZ スコーピオンEVO3

2009年発表の短機関銃。スロバキアのLaugoがベースとなっておりVz61スコーピオンとは全くの別物だが、Vz61を初代、Vz85(9mmパラベラム弾仕様のVz68のリバイバル版)を2代目とした3代目の名を冠している。
ポリマーフレームやMP5系の操作系取り入れなどにより警察軍のみならず民間用カービンとしても人気。


製品のフィクションでの活躍

CZ75

CZE CZ75の項目を参照。

CZ P10C

  • Rainbow Six Siege
イギリス警察がモチーフのCLASH、米シークレットサービスがモチーフのWARDENが所持。ドッドサイトが固定装備されている。

Vz61 スコーピオン

Vz61の項目を参照。

CZ スコーピオンEVO3

  • Rainbow Six Siege
ポーランド特別軍(GROM)がモチーフのELAが所持。20連弾倉に20発のエクステンションを装着している*1


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最終更新:2025年07月31日 02:20

*1 実装時は50連となっていた。シージではよくあることである