りゅうおうのおしごと!

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&font(#6495ED){登録日}:2017/08/26 Sat 12:11:30 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 63 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(#ff69b4,b){&sizex(4){「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」}}} 『りゅうおうのおしごと!』とはGA文庫より刊行されているライトノベル。 2021年9月時点で既刊15巻。 作者は「[[のうりん]]」の%%ノンフィクション作家%%白鳥士郎。イラストはしらび。 &font(#dc880b,b){☖目次} #contents *【☖概要】 ロリ・ギャグラノベ……&font(#ff0000,b){の皮を被った超熱血将棋ラノベ}。 作品名の「りゅうおう」は「[[ドラクエ>ドラゴンクエストⅠ]]」の「[[りゅうおう>りゅうおう(DQ)]]」ではなく、[[将棋]]のトッププロタイトルの一つである「[[竜王>竜王(将棋)]]」のこと。 雰囲気は「[[ヒカルの碁]]」や「[[ちはやふる]]」などと近い。 作者の白鳥士郎によれば将棋を題材にしようと思ったのは「高校時代の同級生である加藤幸男(第十二代高校生竜王)((加藤はアマチュア選手枠で、竜王戦6組(予選は上位から順に1~6組に分かれて行う)に3度出場を果たしている。結果は1回戦敗退2度、2回戦敗退1度で通算1勝3敗。))の影響」、そして何より「熱い物語が書きたかったから」とのこと。 また、「今までの作品は『これが売れそうかな』という気持ちで書いていたが、今作は&bold(){『これが書きたい!』と思ったものを全力で書いた作品}」とも語っている。&s(){「のうりん」…。} それゆえか「のうりん」と比べてパロディや下ネタに走る率も、(あくまで比較すると)少な目であり、全体的に熱くまじめな点が多い。 文庫版1巻の初動売り上げは芳しくなく、作者曰く「5巻で終わりにしよう」と思ったほどだったそうだが、次第に売上が伸びるようになってゆき、 2016年7月には&b(){第28回将棋ペンクラブ大賞で文芸部門優秀賞を受賞}、さらには&b(){『[[このライトノベルがすごい!]]2017』の文庫部門1位を獲得した}。 また、&b(){2017年の『このライトノベルがすごい!2018』の文庫部門でも1位を獲得し、同部門で2連覇を達成した}。 前述のように5巻までで当初終わらせる予定だったため、5巻で一区切りついており、6巻からは事実上の新章として多くの新キャラが登場している。 ライトノベルらしいコミカルさもあるが、それ以上に鬼気迫る将棋の対局シーンに加え、将棋の楽しさだけではなく、 「将棋のプロ」としての道を歩む過酷さ、厳しさに重きが置かれているという点も特徴と言える。 また、それゆえにキャッチコピーといえる「女子小学生と将棋」ながらも、6巻からの新キャラも男性がほとんどであり、 「将棋にかける熱い男、おっさんの生き方」も描いていっている。 まさに超熱血将棋ラノベ。 作中登場する棋士のありえないと思えるような変わったエピソードのほとんどには&b(){実際の元ネタがある}。 まさに『&b(){事実は小説より奇なり}』。 突飛なもの以外にも実際の棋士の発言や行動のパロディやオマージュが多く使われている。 メディアミックスも展開されており、 -2015年~2019年、『ヤングガンガン』にて漫画版が連載された。作画はカズキ。全10巻。 -2018年1~3月、TOKYO MXほかでアニメが放映。制作はproject No.9。全12話。 また、なんの因果なのか、&bold(){アニメ放映決定後に実際の将棋業界もすさまじい事態が発生している}。 #openclose(show=具体的には、フィクションを超えるような勢いとなっているのである。){ -&bold(){永世七冠の誕生} 2017年12月5日に[[羽生善治]]棋聖が渡辺明竜王を4-1で破って、14年振りに竜王に返り咲く。羽生氏はこの竜王獲得により通算7期の規定により永世竜王に。 これで、既に得ていた永世棋王・永世棋聖・名誉王座・永世王位・永世王将・十九世名人と合わせて前人未到の&color(#ff0000){&bold(){永世七冠を達成した}}。 それまでの羽生渡辺のタイトル戦うち、2日制のものは全て渡辺竜王が勝っている上に、羽生棋聖は持っていた王位・王座を立て続けに若手に奪われ、衰えが言われる中での挑戦であった。 しかし、番勝負中は羽生棋聖が終始圧倒し、最終局となった第5局にいたっては封じ手開封時点で羽生勝勢が伝えられるほどの完勝譜となった((将棋の渡辺くんによると「難しい局面だったら寝られなくなるほど悩む時もあるが、悪すぎたので酒飲んでさっさと寝た」「2日目もどうしようもない局面が続いたため、興行的に盛り上がる夕方まで時間を稼がないとと思った」だったとか。))。 -&bold(){藤井聡太氏が[[羽生善治]]氏を破って六段になる} 「&bold(){現実がアニメを超えかねない}」「原作当初はあり得ないかと思われた高校生竜王の&bold(){現実味が出てくる}」といった事態が発生している。 この六段昇級は朝日杯将棋オープン戦で優勝によるものだが、四段から五段へ昇段したのは2月1日の順位戦にてC級1組へ昇級と同時である。 ちなみに朝日杯優勝を決めたのは2月16日で、これにより&color(#ff0000){&bold(){五段だった期間がわずか16日間}}という超短期間の記録まで作ってしまっている((この時点全棋士参加一般棋戦優勝・六段昇段の最年少記録を更新。さらに一般棋戦優勝と六段昇段に至っては中学生としては史上初のことである。さらに翌年の朝日杯も制してしまった。))。 さらに5月18日には竜王戦5組準決勝で船江航平六段を破り、4組昇級を決めると共に&bold(){「竜王ランキング戦連続昇級」の昇段規定により、同日付で七段に昇段し、七段昇段の最年少記録を更新(15歳9か月)}してしまった。 そしてその結果&bold(){未だに現役棋士最年少なのに規定により新人王戦が今年がラストチャンスになる}((新人王戦の参加規定は「26歳以下かつ六段以下」))と言うパワーワードが誕生した。 その新人王戦?&bold(){普通に優勝しましたが何か?} 挙句の果てには2020年7月16日には渡辺明三冠との五番勝負を3勝1敗で制し、&color(#ff0000){&bold(){棋聖位を奪取。}} これは&color(#ff0000){&bold(){タイトル獲得最年少記録}}であり、竜王でこそないものの&bold(){高校生タイトルホルダーを現実の物にしてみせた。} &s(){そして作者の白鳥士郎は自身のツイッターの肩書きを&bold(){ノンフィクション作家}へと差し替えた} ちなみに、7月16日の棋聖戦の会場の関西将棋会館は何の因果か&color(#ff0000){&bold(){アニメ「りゅうおうのおしごと」の舞台となった場所であった。}} さらには作中では主人公は&bold(){初タイトル獲得後は研究されて大スランプに突入し、2つ目のタイトル挑戦まで1年以上経過}((竜王の初防衛戦を防衛した後に帝位戦に挑戦))しているのだが、&color(#ff0000){&bold(){藤井棋聖は棋聖位獲得後僅か35日で王位位までも奪取した。}} &bold(){と言うか作中の帝位=現実の王位戦……。} -&bold(){ソフトを超えた一手} 第31期竜王戦5組決勝、石田直裕五段と藤井七段の対局で76手目に藤井七段の打った手「7七同飛成」、渡辺明三冠と藤井七段の対決となった上述の棋聖戦第2局の58手目に藤井七段の打った手「3一銀」がよく語られる。 いずれの手も数多のプロ棋士をも困惑させる一手であり、将棋ソフトもこれを最善手として導き出すのには何億もの手を読まなければいけない((特に後者の「3一銀」に関しては「最新の将棋ソフトに6億手読ませたところで突如最善手に出てくる」というくらい「あり得ない」一手である。))。しかし藤井七段は前者の手を&bold(){ほぼノータイム}、後者の手に関しても&bold(){わずか23分}で導き出した。間違いなく&bold(){ソフトを超える一手}と言える。 なお、前者の手に関しては妙手を称える賞である升田幸三賞を受賞している。 -&bold(){長手数将棋の最長記録の更新} 2月27日に行われた中尾敏之五段と牧野光則五段の対局で、第1巻で行われた九頭竜八一と神鍋歩夢の対局での&bold(){総手数402手を上回る420手}という異例の長手数将棋となった。 しかも、&color(#ff0000){&bold(){この420手で決着が着かず持将棋(引き分け)}}となったため、30分休憩後の差し直し局にて100手で牧野氏の勝利となった。 決着が着くまで実に&bold(){約19時間}、壮絶な戦いが生まれてしまった…。 ちなみに、中尾五段にとってこの対局は、勝利すれば順位戦でC級2組に復帰できる一方、負ければ棋士人生の引退が一気に近づくため、「棋士人生を続けるために負けられない」というプレッシャーのかかった一局だった。 残念ながら、上述の通り中尾五段は指し直しの末敗退、結局ほどなく規定により強制引退となってしまった。 作者はこの対局後、ツイッターにて「今作の世界では、八一と歩夢の対局が402手で最長。絶対に超えられない設定を作ったはずなのに…」と述べている。 -&bold(){佐藤天彦[[名人>名人/順位戦(将棋)]]への挑戦者を決める第76期名人戦A級順位戦が、史上初の6人によるプレーオフ} 作者はツイッターにて「本編で実は級順位戦のプレーオフをやろうと思ってたんですよ…4人のプレーオフなんですけど…&bold(){ついに現実さんが先読みしてネタを潰しに来るし…}」と明かした。 -&bold(){竜王がタイトル100期をかけて名人に挑戦} 第76期A級順位戦および挑戦者決定プレーオフの結果、76期名人戦の挑戦者は羽生善治竜王となった。 羽生竜王はこれまでタイトル通算99期・名人通算9期で、この名人挑戦が通算100期目・永世名人(二週目)をかけたタイトル戦となる。 つまり&color(#ff0000){&bold(){竜王が名人に通算100期目と永世名人(二週目)をかけて挑戦}}するという、ちょうど作中の竜王戦とは逆の形となった。 これを受けて作者の白鳥士郎はツイッター上で[[ポルポル状態>あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!]]になった。 ちなみにスケジュール次第では、羽生竜王の公式戦通算1400勝も番勝負中に達成する可能性も。 →名人戦までに1399勝達成で王手 →→名人戦第1局で羽生竜王が勝利し1400勝達成しました。なんだこのふぃくsy…あ、ノンフィクションでしたね。 一応タイトル100期だけは2019年にタイトル戦不出場(何気に竜王初戴冠から初だったりする)だったのでセーフ。 →と思ってたら33期竜王戦挑戦者は&bold(){羽生善治}となった為、&color(#ff0000){&bold(){(永世)名人が竜王に通算100期目をかけて挑戦}}すると言う&bold(){より再現度を高めてのやり直し}が発生する事に。 } #openclose(show=藤井聡太氏に翻弄される白鳥先生苦難の歴史。){ 作者は本作を書くときに絶対に破られないと言われた記録2つを主人公が破るのはまずいと思い一つだけ破ることにした、その2つとは ・1987年当時26歳の神谷広志八段が打ち立てた28連勝。 ・1989年屋敷伸之九段の17歳10か月24日でタイトル挑戦最年少記録。 だがこの2つは前者は29連勝、後者は17歳10か月20日で藤井聡太氏一人によって破られている。 しかしこれはまだ序の口に過ぎなかった… 巻数にして13巻・歳月では5年も費やして主人公が2冠目に挑む激熱な展開を迎えた本作、だがそれを尻目に藤井聡太氏は棋聖を手にした&bold(){僅か35日後に王位を獲得し易々と2冠を達成。} これには作者も&bold(){「現実がラノベ作家に過酷すぎる」}とこぼしてしまった。 他にも数々の最年少記録や大記録を打ち立ててしまい、原作13巻では「&bold(){&color(#0000cd){現実に、}&color(#F54738){負けるな。}}」という煽り文句が載った帯が付けられてしまった…。 作者もついには開き直って&bold(){ノンフィクション作家}を名乗ってしまう。 それでも作者は&bold(){「現実に負けないよう、もっと面白い話を書くぞ!!!」}と意気込んでいた。 しかし15巻発売&bold(){6時間前}に&bold(){藤井聡太氏、三冠達成}と、現実に再び負けてしまう。 思わず白鳥先生も徹夜でブログを更新し&bold(){「ラノベ作家の敗戦記です。」}とTwitterで自虐する事態に…。 その2か月後には&bold(){無敗で竜王を獲得}((豊島九段は一時期は藤井九段の天敵とまで言われた人物でその彼がストレート負けで無冠になってしまった))、史上6人目にして最年少での4冠も達成してしまった。 作者もこの偉業をたたえつつも&bold(){「りゅうおうのおしごと! 完」} &bold(){「あまりにも現実離れしててフィクションの価値すら否定するのつらい」} &bold(){「藤井聡太という逸材の成長物語と凄い将棋を生で見れるのに、フィクションが存在する意味があるのか?」}と苦悩している。 それでも&bold(){「ラノベにはラノベの良さがあると思うのでそれを信じて書く」}ともコメントしている。%%自分で発破かけないとやってられないわな%% そして、2022年2月12日には王将戦をこれまた&bold(){無敗で制覇}。&bold(){史上初の10代での五冠}に作者も&bold(){「ここまで強すぎると将棋は本当にフィクションの題材にしづらくなるのでは…」}と頭を抱える程であった。 このように藤井九段が活躍するたびにかつて「現実味がない」「ラノベ特有のガバ設定」などと揶揄された本作は「また現実に負けた」「フィクションは小学生の弟子だけ」 「藤井九段には姉弟子はいても小学生の弟子はいないから負けてない」などと作者にはいつしか同情・憐みの声がかけられるようになった。 %%そして今後も藤井九段の活躍の度に作者は敗北は続いていくことだろう%% } *【&bold(){&sizex(5){☖あらすじ}}】 16歳にして将棋界の最強タイトルの一つである『竜王』の保持者となった九頭竜八一。 そんな彼の自宅に押しかけてきたのは、9歳の少女・雛鶴あい。 その目的は何と『弟子』にしてもらう事?? ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていた熱い想いを取り戻していく――。 「のうりん」の白鳥士郎が贈る笑えて、泣けて、アツくなるガチ将棋押しかけ内弟子コメディー、対局開始ッ!! *【&bold(){&sizex(5){☖登場人物}}】 ※声優は全員ドラマCD、テレビアニメ兼任。 登場人物の名字の多くは雛鶴峠や空峠など実際に存在する峠や山の名前からとられている。 **&bold(){&sizex(4){☗清滝一門}} &bold(){☗九頭竜八一}(くずりゅう やいち) 声-内田雄馬 &font(#cd2323,b,i){『竜王』} &s(){『ロリ王』} 本作の主人公。第1巻時点では16歳。段位は第1巻時点で八段のプロ棋士。第5巻で『名人』相手に竜王位を防衛し竜王在位2期の九段。第14巻で帝位のタイトルも獲得し、現在は竜王・帝位の二冠。 6歳で清滝九段の内弟子になり小学3年生の時に小学生名人戦優勝を飾り、史上4人目の中学生棋士としてプロ入り、16歳で[[竜王>竜王(将棋)]]位を取得した若き天才。 師である清滝九段曰く「将棋を終わらせる(将棋の必勝手順を探し当てる)かもしれない」というほどの逸材。 しかし、竜王取得後はそのプレッシャー((自分らしい将棋ではなく、「竜王らしい将棋を指す」と意識したことも一因。つまり、無様に食いついてでも勝とうとせず、敗色濃厚になるときれいな負け方を目指してしまう。))と他の棋士に研究され尽くしたことから連敗に連敗を重ねる、超大スランプに陥る。 そんな最中に弟子入りを希望して押しかけてきた少女、雛鶴あいと出会い、失いかけた熱意を取り戻していくとともに、紆余曲折を経てあいを内弟子として育てることになる。 中学在学中にプロ入りしたため、高校には進学せず、現在は関西将棋会館近くのアパートに一人で住んでいる(あいが同居してからは2人暮らし)。 基本的にはお人好しで誰に対しても優しく、特に弟子のあいにはかなり甘い。 あいの存在もあって調子を戻していくが、周囲から「新婚ブースト」と称されることも。 時には師匠としてあいや天衣に厳しく接することもあるほか、勝負師として厳しいリアリストな一面を見せることもある。 あいや天衣の師匠としては内心「自分に務まっているか」という葛藤がかなりあり、原作4巻での自分の誕生日におけるあい達からの感謝の言葉に感極まったり、 4巻限定版ドラマCDで、女性陣による余興の疑似告白で、あいから感謝の言葉を伝えられた際に号泣している。 容姿は水越澪から平凡と評されているものの、その将棋に対して真摯な人格や棋力などから彼に惚れている女性は多いが、 自己評価の低さや将棋以外にはとことん鈍いところも相まって女心にかなり疎い。 小学生の女の子2人を弟子にしていることや、弟子を含めてなにかと女子小学生と縁があることから、周囲やネットからは「ロリコン」扱いを受け、世間や将棋仲間から「ロリ王」と呼ばれている。 当の本人は一応、巨乳好き。7巻限定版ドラマCDによれば、昔からこっそり読んでいる愛読書は「[[To LOVEる -とらぶる-]]」とのこと。 しかし、まだ少女のシャルロット・イゾアールに対しては、彼女の天使っぷりに癒されて暴走する。 師匠の娘・桂香に思いを寄せてアプロ―チを続けているが、完全に弟扱い。 自業自得ながら、女心への疎さから姉弟子の銀子や弟子のあいから嫉妬を買いやすい女難体質。 前述のスランプ(やエゴサーチ)、調子に乗っていると敗北していることが多いゆえに自己評価は低いものの、 師匠の見立てと同じように周囲からは才能を恐れられている天才。 幼少時から、負けても大げさに悔しがるような子供というより、涙を流しながら夜遅くまで一人将棋盤と向き合っているような子供であり、小学生時代から定跡に囚われない指し方で周囲を驚かせていた。 彼を尊敬する若き将棋の天才である椚創多曰く「逆に定跡を学んでしまったために弱くなっていた」と言われているほど。 若い頃から定跡外れの手を指していたため、銀子などからは皮肉と羨望を込めて「変態将棋」と言われ、「将棋星人(=将棋に関しては人間じゃない)」などと評される。 棋士としては居飛車党で泥臭い力戦調の将棋が得意だったが、後に振り飛車も学び、オールラウンダーへの棋風改造を図る。 付け焼刃ながらもわずかな期間で振り飛車をものにする天才性を見せている。 #openclose(show=5巻では、永世七冠を目指す名人との竜王防衛戦に挑むこととなる。){ 名人との防衛戦では、自分の将棋に対する常識が打ち砕かれた感覚を覚え、加えて名人の永世七冠目前ということもあって世間からのバッシングも強くなり、 精神的にかなり疲弊してしまうが、桂香やあいの励ましや支えに気づき、スランプを脱する。 そのおかげもあって名人との棋戦もギリギリのところで逆転、防衛に成功する。防衛したことで竜王2期となり17歳という若さで最年少九段となる。 以降は、悪癖になっていたエゴサーチもある種の諦めがついて辞めたほか、 棋力が大幅にアップし、逆に脳内の将棋盤が消えずに気が付けば時間が大幅に過ぎていたりする副作用も起きてしまうほど。 コンピュータソフトも使いこなし、定跡から外れた手で周囲を驚愕させている。 それゆえプロ棋士たちからは名人のように恐れられている。 また、勝負師として弟子2人の師匠として厳しく接する、または厳しい現実を教える面にも苛烈さが増していき、山城桜花戦でのやり取りなどでそれらが見られる。 無論愛情も隔てなく与えており、天衣に「お父さんと一緒に将棋を指せたい」と彼女の父の筆跡を宿した駒を与えるなど無上の愛を注いでいる。 あいの通う学校で将棋を教える機会を得た際には、上手な話題によって児童達の関心を引いて取りまとめたりと、司会に立つ機会や解説に立つ機会も多いためそうしたトーク力もかなりのもの。&s(){女性関係の話題になった場合を除く。} インターネットでは『史上最強のロリコン』という新たなあだ名もつけられ、弟子の女の子についても、彼女たちをわずかな期間で女流棋士にまで育てていることから新たに「トップブリーダー」とも呼ばれている。 その指導力を期待され、9巻限定版ドラマCDにて、『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』を開いて賞品を「1位の女子は、あいをクビにして新たな内弟子にする」と(銀子が)したところ、多くの女流棋士の卵である少女たちが大会に参加した。 } #openclose(show=12巻では、帝位戦の挑戦者となり、於鬼頭曜帝位との番勝負に挑む。){ 12巻では、挑戦者決定戦で名人を下し挑戦者となる。 終始ソフトの最善手を繰り出す於鬼頭に押されていたが、封じ手からソフトを越える手を繰り出し後手番から先勝する。 この時八一が出した手は人間の力どころかソフトにはできない読みの判断力やな人間技じゃないとすら言われた誘導力、柔軟な発想性や弟子のあいをほうふつとさせる読みの速さをもって&bold(){&color(crimson,BLACK){ソフトを超え得る人類}}という才能を発揮させた。 ここで初めて、今まで頑なに明かされていなかった関東での八一のあだ名、 &bold(){&color(crimson,BLACK){西の魔王}}という異名が登場する((「魔王」のあだ名は現実の初代永世竜王(資格保有者)の渡辺明名人から来ているものと思われる。))。 前述の通り、14巻で帝位を奪取している。} 複数の棋士をモデルとしており「このライトノベルがすごい!2017」の取材で、 プロフィールは糸谷哲郎八段、棋風は山崎隆之八段、考え方は渡辺明名人と作者が答えている。 藤井聡太がモデルだと間違われがちだが、1巻刊行当時、彼はまだ%%めちゃくちゃ強いだけの%%奨励会員であった。 なお彼をモデルとしたと思われる人物は6巻から本格登場する。 作者は漫画版8巻あとがきにて、今作に対する当初の批判の一つとして「高校生竜王(八一)や小学生女流棋士(あい)なんてありえない」と言われていた((実際には中井広恵女流六段や藤田綾女流二段が11歳で女流棋士デビューしているため、小学生女流棋士自体は実例があるのだが))が、 藤井聡太の登場で逆に「リアリティがある」と評価が変わったと述べている。 &bold(){☗雛鶴あい}(ひなつる あい) 声-[[日高里菜]] &font(#ff00ff,b,i){『竜王の雛』} ヒロイン。第1巻時点では小学3年生で9歳(1巻は小3の春休みで2巻から小4。8巻時点で進級し小5)。 石川県の超老舗旅館「ひな鶴」の一人娘。 竜王戦の最終局がその旅館で行われたことがきっかけで八一に憧れ、長期休暇を利用して単身八一の家に押し掛けてきた。 八一自身は忘れていたが、竜王戦最終局面で疲労と緊張のあまり廊下で倒れていた八一に水を差しだしたことがあり、この際に「弟子にしてもらう(正確には“何でも言うことを聞いてもらう”)」約束を取り付けていた。 祖父は将棋好きだが母親が将棋嫌い(なおあいの母が将棋嫌いになったのはあいの祖父が将棋関連で散財したことと、&bold(){清滝を中心とする関西棋士たちの乱痴気騒ぎ})だったため、弟子入り前は祖父の残した詰将棋本による独学でしか勉強しておらず、第1巻時点では将棋を学び始めてから僅か3カ月しか経っていなかった。 にもかかわらず将棋図巧((正式名称:象棋百番奇巧圖式。江戸時代の名人候補、初代伊藤看寿が作った詰将棋集。多くの技巧を凝らした、今なお詰将棋集の最高傑作と呼ばれているもので、とくに「裸玉」「煙詰」「寿」の三題は神局と評される。))という全問解ければプロになれると言われるほどの詰将棋本をクリアし、平手(ハンデなし)で差した八一を打ち負かしかけるほどのとんでもない才能を持った逸材。詰将棋については師匠の八一を上回っている。 その圧倒的な読みの速さと抜群の記憶力から、終盤戦では無類の強さを発揮する。 八一がその才能に惚れ込んだことで、最終的には弟子として認められた。 旅館の跡取りとして厳しく躾けられたため、9歳という年齢に似合わず礼儀正しく、家事全般が得意。 一方で、母親譲りのこうと決めたら譲らない頑固な一面もある。 主人公の八一とは[[彼>一宮大志]]と[[彼女>千早恵]]くらい年が離れているが、幼いながらに一人の男性として好意を寄せており、八一が他の女性に気がある素振りを見せると嫉妬し、時にヤンデレな面を見せることもある((作者からもアニメ1話放映後にツイッターで「実は作中で一番ヤバい子」と言われている。))。 &color(silver){そしてあまりにも行き過ぎたのか、原作9巻限定版のドラマCDにて「ヤンデレチェック」をやることに…。果たして結果は…。} 将棋に関しては上記のように天才肌のため、女流棋士が多く参加するマイナビ予選では現役女流棋士相手に圧勝し((漫画版ではそれが強調され、内心「(並みの女流棋士は)弱すぎる」と手応えのなさを感じていた。))、感想戦にてその相手が完敗していたことを無自覚に指摘して相手に「二度負ける((勝負に負けた後、感想戦で完敗していたことを指摘されること。))」ことを感じさせたり、一般人相手の指導対局では、容赦のない天才肌の指導でさばき過ぎて切り捨ててしまうこともある。 #openclose(show=師である八一はなぜか序盤の定跡をあいにほとんど教えておらず、周囲からはそれがあいの「隙」だと指摘されているが…?){ 八一が目指したあいの棋士の姿、それは&bold(){終盤での大逆転特化型。} 八一が、あいに序盤での定跡を教えていないのは勿論わざと。 終盤での大逆転を目指すということはつまり、序盤ではリードせずに一度絶体絶命にならければならないということ。 あいの終盤での力を伸ばすため、そして終盤での絶体絶命の窮地から逆転する力を更に鍛え上げるために敢えて序盤を教えていなかった。 当然ながらあいにこのような教え方をした場合、極めて高確率で基礎すら出来ずに惨敗し、心が折れて天域の才能を使い潰すという言葉すら生ぬるい暴挙に他ならないだけでなく、&bold(){あいと対峙した棋士が敗北した場合、基礎すら出来ていない小学生に負けた}という事実により再起不能の傷を負わせる事と同義のため、この教育方針を拝聴した棋士からは悪鬼の所業にしか聞こえない。 しかし八一はこれについて「それ以上にあいの将棋を見て憧憬等を抱かせてくれるだろう」と、寧ろ期待に震えていた。当然ながらこの持論を語った関係者からは魔王を見る目で見られていた。 読者からはしばしばあいの勝率があまり高くないことが半分ネタ気味に挙げられていたが、これこそがその理由であり、八一にとってはそれすらも布石。 そして八一の打った布石とあいの才能は女流名跡戦予選決勝にてついに花開くこととなる。 } なお、彼女の母親から弟子入りを認めるにあたって一つの条件が出されている。 それは「&bold(){中学卒業までにあいがプロになれなかったら、彼女を引退させた上に八一は婿入りして旅館経営を学んでもらう}」というもの(八一自身は引退する必要なし)。 つまりどう転んでもあいには超おいしい条件を出してきたため、この話を聞いたときはすごくノリノリだった。  周囲にはあいの父親含め結構人がいたが「一緒に頑張りましょう(諦観)」「北陸からでも通える」などと言い、誰も止めなかった。 漫画版4巻の巻末インタビューでは、女流棋士になったとしても若い間に自由にさせてもらえた分、 家族や従業員への恩返しとして最終的には温泉旅館の跡を継がなければならないと考えていることを述べており、伴侶は婿養子になってくれる人がいいと答えている。 8巻時点で女流2級。10巻で女流初段(女流名跡リーグ入り)。15巻で女流二段(女流名跡リーグ制覇・挑戦権獲得)。 14巻で女流名跡リーグでの月夜見坂戦での敗北や当時の担任の勧めもあり八一の内弟子を解消し関東に移籍した。ひな鶴も東京に支店を出したこともあり当初は東京支店を拠点にしていたようだが、15巻でネット対局が縁で山刀伐の研究部屋に転がり込んだ。 明言はされていないが、おそらくモデルは小学生の時に内弟子として棋士宅に住み込んだ経歴を持ち、「女流王将」タイトルを獲得した元女流棋士の林葉直子。 &bold(){☗空銀子}(そら ぎんこ) 声-[[金元寿子]] &font(#cccccc,b,i){『浪速の白雪姫』} メインヒロイン。弟子入りの時期は2週間しか違わないが、八一の姉弟子。 第1巻時点で14歳。奨励会二段→6巻で三段に昇段。初登場時女王3期・女流玉座3期。9巻時点さらに女王を2期・女流玉座を1期防衛し合計9期となる。((女王は5連覇により永世女王の資格を取得。)) あまり詳細には触れられていない((11巻に詳細))が体がやや弱いようで、肌と髪の色が白く、屋外ではよく日傘をさしている。 2歳の時に将棋のルールを覚え((教えたのは主治医の明石圭))、4歳で清滝九段に弟子入りし、小学生名人戦を八一が優勝した翌年の2年生の時に優勝((その年の奨励会入会試験中に持病の発作が起きて最後の一手が指せず時間切れ負けによりこの年の試験に落ち、翌年3年生で奨励会入会))、 11歳の時に「女王」「女流玉座」の2つのタイトルを獲得し、「将棋の歴史の中でも最強の女性の一人」とまで言われるほどの実力者。 “プロ棋士”を目指しており、そのために“女流棋士”の資格を取らずに奨励会在籍のまま女流二冠となる。 女流棋士との公式戦では58戦無敗という圧倒的な強さを誇り(すなわちタイトル戦でも常にストレートで奪取・防衛している)、「黒星がついたことがない」ことから『浪速の白雪姫』の異名を持つ((名付け親は供御飯。月夜見坂共々八一に近づく「悪い虫」に名付けられたこともあり、この異名を嫌っている。))。 街を歩いているとサインを求められるほど一般にファンが多い。 性格は非常に負けん気が強く、勝気で頑固。桂香にのみ素直に心を開き、敬愛する女流棋士は釈迦堂里奈ぐらい。 八一に対しては強い好意を持っているが、その性格と口下手さが災いしてその好意を表に出せなかった。 八一が女心に疎いこともあり、そのいら立ちをしばしば八一にぶつけることから、八一はますます銀子の好意に気がつけないという悪循環に陥っている。 女流棋士ではなくプロ棋士を目指しているのも、プロ棋士である八一と対等な場所で戦いたいため。 しかしながら女流棋士としては歴代最強格ながらも、(男性も含む)プロ棋士には及ばない実力であると自覚しており、 それ故周囲・特に女流棋士達からは「&bold(){一切の隙がない絶対の存在}」と評価され嫉妬・畏怖されているのに対し、本人はコンプレックスが非常に強い。 将棋の天才である八一などの事はやっかみと羨望などを込めて「将棋星人」と例えている。 運よく奨励会三段へ昇格した後は、プロ棋士への思いが強くなり、命に代えてもプロ棋士になるという思いを強めている。 #openclose(show=10巻から12巻では、三段リーグで戦うことになる。){ 出だしは好調な成績を収めていたが、中盤戦で3連敗を喫し、心が折れた銀子は八一に縋った。八一は銀子を故郷の福井に連れていき、そこでようやくお互いの思いを交わしあった(が、正確には「三段リーグが終わるまで“封じ手”」) 福井でラブラブパワー(供御飯&月夜見坂が命名)を注入した銀子は挫けそうになりながらもその後は連勝を重ね、女性として初の四段昇段を決めた。} 恋敵であるあいとは顔を合わせるたびに張り合っている。 漫画版3巻の巻末インタビューでは、まだ内弟子になってからあまりなじめていない頃から清滝一門でよくサッカー観戦に行って少しずつ仲良くなっていったことが語られている。 現在もサッカー観戦をすることもあるが、その際はスター選手や女性選手のなでしこではなく、『監督の指示』が気になる、サッカーファンとしては変わったタイプ。 奨励会員かつ女流タイトルホルダーとしてのモデルは女王4期、女流王座4期の加藤桃子女流三段((2019年4月に奨励会初段で退会し女流三段としてデビューした))。なお、現時点で四段昇段を果たした女性はいない((2020年現在最もその地位に近い存在が西山朋佳三段(女流三冠を保持)…だったのだか、2021年4月に奨励会を退会してしまった。))。受けの棋風の描写が多くなる傾向があり、その点では「百折不撓」の揮毫で有名な木村一基九段等が棋風のモデルの一つになっているようだ((以上、12巻付録より補筆))。 &bold(){☗夜叉神天衣}(やしゃじん あい) 声–[[佐倉綾音]] &font(#ef0b0b,b,i){『神戸のシンデレラ』} 第2巻より登場した「もう一人のあい」。2007年12月10日生まれで初登場時点では9歳。あいと名前の音が同じなため、あいなどからは「&ruby(てん){天}ちゃん」と呼ばれている。 実家は将棋界を支援している大実業家。父親は元アマチュア名人で母親も元将棋部という将棋一家に生まれたが、両親とは数年前に事故で死別している。 そのため、「両親と唯一つながれるもの」として将棋の道を志す。 生前の父がすさまじい才能を見せた幼い頃の八一に惚れこんでおり、(おそらくは月光聖市の厚意で)当時奨励会員だった八一の棋譜を入手しており、父や母と共にその棋譜を並べて過ごしていた。 父は「棋士の才能が有ったのなら娘に八一の弟子になってもらいたい」と幼い頃の八一や娘に言っており、天衣は八一に似た棋風を身につけている。 元々月光門下になる予定だったが、月光の希望と「あいにはライバルが必要」と考えた八一の望みが一致し、八一が将棋の家庭教師として天衣の面倒を見ることに。 天衣自身、「師匠にはA級棋士かタイトルホルダー」と無理難題を言うことで、遠回しに八一を指名していた。 その後、八一自身が天衣の父との約束を思い出したことなどもあり、天衣が両親を失った悲しみを乗り越えていつかは笑顔を取り戻してほしいと思った八一が「&ruby(かぞく){師弟}になってほしい」と天衣を誘い、彼の正式な弟子となった。 両親の死後、祖父に引き取られるも甘やかされて育ったため、性格はプライドが高く、傲岸不遜で高飛車。 基本的に周囲の人間を見下しており、目上の人間にすら敬語を使わずに息を吐くように他人の悪口を言うなど性格はきつめ。 これらは両親の死後に気丈にふるまうべく形成されたいわゆる『ツンデレ』の面もあり、師匠である八一や姉妹弟子であるあいのことを気遣ったり、 指導対局の際には、意外にも丁寧かつ褒め上手な指導で、&s(){彼女の罵倒目当てで訪れた}お客を笑顔にさせている。 前述の高飛車な面も、天狗の鼻を折られて痛い目にあって反省したり、負けられない対局であえて傲慢な態度をとることで相手を挑発して頭に血を登らせてペースを崩させるために使ったりと成長してきている。 終盤の攻めの強さを武器とするあいに対して、序盤戦術から繰り広げる緻密な守りと、対局相手の事前研究、そして賭け将棋道場仕込みの盤外戦術を武器に女性奨励会員やタイトル保持者にも引けを取らない戦いぶりを発揮する。 あいからはライバルとして認められ憧れられている一方で、天衣の方は長年地道に続けた自分と違って将棋をはじめてわずか数ヶ月で自分に比肩するまでに成長したあいの天才性に脅威や羨望を感じてもいる。 #openclose(show=誕生日の差もあってあいを超えて、10歳0ヶ月という史上最年少でマイナビ本選ベスト8に入っての女流2級ということで、マスコミにも注目されて『神戸のシンデレラ』とあだ名をつけられた。){ マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦に進出しており、8巻時点で女流初段。 9巻では供御飯万智を上記挑決で下し女流二段。空銀子との5番勝負に挑むも3戦3敗1千日手指し直しでタイトル獲得はならなかったものの、人間的に大きく成長する結果となった。 銀子との対局の最中に自信を喪失してしまうが、八一が自分の両親の墓前にて天衣の棋譜をいつも報告してくれていたことを知り、 八一が公式の対局でわざわざ独特な手を指して「自分の将棋を信じること」「天衣一人のために今日は指した」とメッセージを送ったことで、自分を信じ、支え続けてくれている八一の存在に改めて気づく。 父と学んだ八一の将棋を通じて育んだ自分の将棋を信じてスランプを脱し、同時に八一への恋心を自覚した。 12巻では八一争奪戦に名乗りを上げた。14巻であいが九頭竜の内弟子を解消し関東に移籍したことを受け、九頭竜のアパートを買取り再開発を名目に取り壊し、神戸の自社物件を売りつけ(約4億!)そこに住むようになった。} 番外編『関ケ原人間将棋(リハ)』では&bold(){歴女}と判明。 [[大谷吉継>大谷吉継(戦国武将)]]を「様」づけで呼ぶほどに敬愛している(ただしその反動で[[徳川家康>徳川家康(戦国武将)]]に殺意を向けていたり、[[石田三成>石田三成(戦国武将)]]との友情を衆道扱いして不純な目で見ると激怒する)((薄い本の影響を受け過ぎた綾乃がこの友情を熱く語った際、「あの薄汚い眼鏡を討ち取れ」、「攻め潰して首実検する」などと発言するほどである。))。 天衣という名前は、現将棋連盟会長 佐藤康光九段の棋風およびよく揮毫する言葉『天衣無縫』から取られている。 「神戸のシンデレラ」の異名のモデルはアマチュアとしてマイナビ女子オープンに参加し、一気に挑戦者にまでなった長谷川優貴女流二段からだと思われる。 &bold(){☗清滝桂香}(きよたき けいか) 声-[[茅野愛衣]] 八一と銀子の師である清滝鋼介九段の一人娘。第1巻時点では25歳。 優しく、懐の深い性格で、八一と銀子に非常に慕われている。 八一にしばしばアプローチされているが、桂香はそのことには気がついていない。 一方で本格的に将棋の道を歩み始めたのは高校の時のため、弟子としては2人の妹弟子に当たる。 研修会C2に所属しており、女流棋士となるため将棋に向き合い続けている。 #openclose(show=しかし、ここ最近は結果を出すことができず、女流棋士資格取得の年齢制限が迫っていることに焦りを覚えている。){ 母の死後の少女時代、将棋しか知らない父が娘に『生きる術』として将棋を教えようとするも、要領が良くなかった彼女はあまり覚えられず、父の厳しい指導に反発。 将棋を離れ、それでも父の将棋道場の手伝いなどはしていたが、高校時代、父が銀子や八一を内弟子にしたことで、 同性である銀子を「父にとって自慢できない自分に代わる娘」と考えることもあった(父としては「娘が寂しいかと思って」という無茶苦茶不器用な親心だった)。 将棋の天才でお客からも褒められる銀子に、嫉妬や劣等感ゆえに憎しみの目を向けたこともあったが、 将棋しか知らない銀子が純粋に自分を慕っていることに気づき、銀子に嫉妬していた自分を恥じると共に、銀子の大好きな将棋への嫌悪感が薄らぎ、高校時代に改めて女流棋士になることを志した。 年齢制限が迫り、スランプに陥りかけたこともあったが、あいとの対局や10歳だった自分が未来の自分へ送った手紙を読む中で、「将棋が好き」という思いを再確認。 その後、マイナビ本選一回戦を突破し、ひとまずは女流棋士の3級になることができた。 ただし、2年以内に2級に昇級しなければならないためまだ安泰ではない。 } 彼女は、作者曰く「もっとも書きたかったテーマ」「私のすべてを背負ってもらった」というほど思い入れの深いキャラだという。 &bold(){☗清滝鋼介(清滝九段)}(きよたき こうすけ) 声-[[関俊彦]] 八一・銀子の師匠。段位は九段。 タイトル獲得経験はないが、名人挑戦経験が2回ある(つまり名人を除くプロ棋士上位10人によるAクラスのリーグを勝ち抜き一位になったことが2回もある)実力者。 将棋が絡むと「八一の竜王奪取記念に旅館で裸踊り」「八一に負けた腹いせに将棋会館の窓から放尿」など奇行をすることもあるが((当然ながら、アニメ版では奇行シーンはカットされた))、普段は割と常識人。 ちなみに将棋会館の窓から放尿(実際は未遂)や裸踊りは米長邦雄永世棋聖((内弟子2人が気が強い姉弟子と天才の弟弟子という組み合わせも米長門下の林葉直子と先崎学を彷彿とさせる。))の&font(#ff0000){実話}。 八一・銀子にはかなり尊敬されており、八一があいの育て方について師匠の清滝と同じ道を歩めていたことを知った時に涙を流すほど。 また、孫弟子であるあいのことは実の孫のように可愛がっている。 かつてから、割に合わないゆえ他の棋士が避けがちな地方を回る普及活動を積極的に手伝っていた変わり者であり、その中で八一や銀子と知り合った。 当時天狗になっていた八一は、「手加減して接戦を演じ勝利した」清滝鋼介の技量にほれ込み、彼の追っかけとなった末に、清滝から誘われる形で内弟子に。 銀子は「将棋で負けたことへの復讐戦のために4歳の段階で何度も清滝のもとを訪れたために」内弟子となった。 #openclose(show=ソーシャルゲームに課金し、娘に注意される今時な一面も持つが…。){ そういった「[[○○(仮)>ガールフレンド(仮)]]」「[[○ンデレラガールズ>アイドルマスター シンデレラガールズ]]」と思しき[[ソシャゲ>ソーシャルゲーム]]に[[課金>課金(ソーシャルゲーム)]]するまでハマってしまったのは、自分の棋力が伸び悩んでしまったため。 結果の思うように出せなくなった自分の先輩達が株やギャンブルにはまるも、当然立ち直れずに消えていったように、 図らずも自身はそうした自覚なく、手軽に高揚感の味わえるソシャゲに対してハマってしまった。 要するに&bold(){現実逃避}。 加えて、弟子である八一が名人との竜王防衛戦に勝利したこともあって、 「自分の誇りであった名人への挑戦とは、いわば2回敗北しただけではないか」「タイトルをとれなかった自分は何なのか」と薄々思うようになってしまい、 自分のプライドや行き詰まりもあって焦燥感や苛立ちを覚え、原作7巻では公式試合で単純なミスで敗北してしまうなど、精神的に不安定になってしまう。 その状況を自分なりに打破しようと一門における勉強会を画策しようとしたり、奨励会の若者たちに関わろうとするが、 パソコンなどに詳しくないゆえに最新の研究を知らず時代遅れの戦法を弟子達に教えようとしたり、 最新の研究もほとんど知らないのにもかかわらず奨励会の若者達に対してプライドゆえに無自覚に上から目線となってしまいあしらわれてしまう。 それでようやく自分が名誉心に凝り固まって停滞していたこと、他の道を捨て、ただひたすらにプロ棋士を目指す奨励会員たちの持つ、自分の忘れていた情熱や執念、覚悟に気づき猛省。 自分の初心を思い出して一から出直すことを決意し、50代ながらも奨励会の若者たちに頭を下げて教えを請い、彼らと共に研究会を開始。 そうして始めた研究会は、後に『清滝道場』の名で伝説となる。 } **&bold(){&sizex(4){☗棋士}} &bold(){☗月光聖市}(つきみつ せいいち) 声-[[速水奨]] 日本将棋連盟会長でもある棋士。十七世永世名人(襲名予定)。 史上2人目の中学生棋士としてデビューし、A級通算32期以上、タイトル獲得27期のトッププロ。 20代で大病を患い失明したにもかかわらず、未だに超一流の実力を持つ。 常に最短手数で詰みを見切り、現代将棋の基礎をたった一人で築き上げたといわれるほどの天才。 清滝鋼介にとっては兄弟子にあたり、八一にとっては師になる可能性もあった縁ある人物。 かつて現役名人だった時に、アマ名人だった天衣の父親と角落ちの記念対局をしており、その縁で天衣を門下に入れたが、ある事情から彼女を八一に預ける。 普段は穏やかだが、八一の女性関係をからかって遊ぶ茶目っ気も持つ関西人。 明言はされていないが、おそらくモデルとなったのは、盲目になってもなお将棋を指し続けた将棋棋士の西本馨七段、もしくは江戸時代の盲目棋士の石田検校。 その他のプロフィールや棋風は完全に谷川浩司九段。 &bold(){☗神鍋歩夢}(かんなべ あゆむ) 声-[[岡本信彦]] 八一と幼少時から競ってきたライバル。第1巻時点で18歳。段位は六段。15巻でB級1組を1期抜けしA級八段に昇段。 八一が竜王のタイトルを取ってからはさらに八一と張り合うようになる。「次世代の名人」と謳われる実力者であり、八一と対等に研究会も行えるほど。 若手のホープとしてタイトル挑戦者決定戦にしばしば名を連ねているが、自らを「ゴッドコルドレン」、八一を「ドラゲキン(ドラゴンキング)」などと呼び、常にマントを身に着けた重度の中二病患者でもある。 なお、実家は東京下町の豆腐屋である。 順位戦、ひいては名人位が今以上に重視されていた師匠の指導により順位戦のC級2組・C級1組を全勝で昇級している。 趣味は[[カードファイト!!●ァンガード>カードファイト!!ヴァンガード(TCG)]]。そちらの腕前もプロ級。 師匠は釈迦堂里奈。師匠とはかなり年の差があるが、師匠に対して尊敬の念以上のものを抱いている。 明言はされていないが、モデルとなったのは、マントを愛用し「貴族」のニックネームを持つ、佐藤天彦九段((叡王戦本戦進出者インタビューで本人に白状))。 また、中の人も将棋はかなり強く、将棋電王戦でナレーションをしている。 &bold(){☗生石充}(おいし みつる) 声-興津和幸 &font(#15c815,b,i){『捌きの&ruby(マエストロ){巨匠}』} 玉将の現役のタイトルホルダー(9巻の玉将戦で失冠)。段位は九段。 圧倒的に居飛車党の多いプロ棋士の中、振り飛車を貫く大の振り飛車党で、振り飛車党唯一のタイトル保持者であることから、将棋界では「振り飛車党総裁」「捌きの巨匠」の異名をもつ。 性格はかなり芸術肌。振り飛車を感覚で捉えている。 「ゴキゲンの湯」という銭湯を経営しており、2階の将棋道場には振り飛車党の将棋指し達が集う。 そこを訪れた八一に請われ、八一とあいに振り飛車の指導を行った。 娘の飛鳥(八一と同年齢)は銭湯を手伝っており、娘にはかなり親バカ。 娘にはあまり将棋の才がないと見抜いてから、厳しい将棋の道に入ることをあえて認めなかったり、 娘が将棋の修行をすることを認めてからも、娘と距離が近い八一に「交際は八一が永世竜王になったら認める」と言っている。 #openclose(show=名人と八一の対局以降、2018年初春での於鬼頭曜との対局では完敗を喫している。){ 於鬼頭への勝ち目が一切見つけられず、名人との対局を通じて急成長を遂げた八一に相談。 八一からコンピュータを用いた研究を勧められた結果、振り飛車を捨てるに至る。 しかし、帝位戦二次予選で公式初手合となった九頭竜八一との対局で八一が振り飛車を繰り出し激戦の末に八一に敗北。 八一が「敗北を経験したとしても、想像し、拘り、自分の世界を持てることが『人間の強さ』」「自分の世界を持って進んでいくと、コンピュータの読みでは見えない世界が見えてくる」と言われたことで、 「連敗し勝利にこだわってコンピュータの評価値ばかり気にするようになっていた」「名人から奪ったタイトルの死守にこだわって振り飛車を捨てても意味はない」と気付き、玉将戦最終番勝負にて於鬼頭曜に敗れ失冠。 } モデルは振り飛車党で「捌きのアーティスト」の異名を持ち、「棋王」「王将」のタイトル経験を持つ久保利明九段((「文春オンライン」でのインタビュー記事で、久保本人も生石のファンであると公言し、インタビュアーの白鳥も恐縮していた。))。ここまで現実をなぞらなくてもよいのだが本作品が刊行中に「王将」位を失陥。A級からも陥落しB級1組在籍。 ただ、発言内容は久保とともに振り飛車党御三家と呼ばれ、竜王経験もある藤井猛九段のオマージュも多い。 なお、「ジャズ好き」の設定は「ゴキゲン中飛車」創始者の近藤正和六段から着想を得たそうだ。 &bold(){☗於鬼頭曜}(おきと よう) 帝位のタイトルを持つタイトルホルダー。 長身痩躯で無口。 現名人の次に将棋界の覇権を握るとすら言われる天才中の天才だが、 「コンピュータ将棋に負けた初めてのプロ棋士」でもあり、当時は大バッシングを受けて自殺しようとするほど追い詰められた。 それゆえ「タイトルもA級の地位も失い、命すらも失いかけた」というほどのことがあったものの、 一番最初にソフト研究を始めた人物でもあり、ソフトに似た指し方を習得することで返り咲いている。 玉将戦で生石充玉将との番勝負に打ち勝ち2冠となる。 12巻では八一を相手に帝位防衛戦を戦うことになり、ソフトの特徴を意識した対策で挑むが、進化を続ける八一に手が付けられなくなり、2勝4敗で失冠、玉将のタイトル1冠のみとなった。 &bold(){☗山刀伐尽}(なたぎり じん) 声-津田健次郎 &font(#f1c232,b,i){『&ruby(オールラウンダー){両刀使い}』} A級棋士の一人。段位は八段。 将棋界有数の研究家で居飛車・振り飛車、受け・攻めどちらも指しこなすオールラウンダー。ついた異名は“両刀使い”。 同期の生石からは「同期で一番才能がない」と言われるが「しかし誰よりも研究熱心で人生の全てを将棋に捧げている」と評しており、 敗北を何度も繰り返しながらも研究を繰り返して才能の無さを補ってきた努力家。 その研究熱心さから名人の研究パートナーに選ばれ、一局指すだけでおかしくなると言われる名人の傍で将棋を研究し続ける事の出来る異常な人。 生石は彼のことを「名人の下位互換」とある意味誉め言葉で評している。 八一のデビュー戦の相手であり、この時に惨敗した八一は「棋士をやめる」と宣言するほどのショックを味わわされている。 さらに竜王のタイトルを取った直後に八一をコテンパンに倒して11連敗の原因の一つを作った。 また対局中に何故かオネエ口調になり、八一は色々な意味で彼を苦手としている。 因みに自身のデビュー戦は女流棋士相手に敗北、その次の対局もアマチュアに敗北と、そのプロとしての情けなさは当時将棋ファンから散々批判された。 ちなみにあっちの意味でも“両刀使い”の疑惑がある。 美人の女性には一切手を出さず、八一やイケメンの若手棋士に近寄る姿勢から性癖は…。 一部の発言は深浦康市九段(既婚者)のものをオマージュしてる。 14巻末で八一の元を離れたあいは山刀伐を頼って彼の研究部屋(=鹿路庭珠代の下宿(?)先)に転がり込むこととなる。 &bold(){☗蔵王達雄} &font(#994c00,i,b){『ナニワの&ruby(ドン){帝王}』} 日本将棋連盟関西本部総裁。段位は九段。 清滝の師匠の兄弟子に当たる人物で、現役棋士としては最年長の80歳。 タイトル獲得やA級在籍経験を持つ名棋士で、歌手やプロレス解説者としても活躍していたという異色の経歴を持つ。詰め将棋作家としても有名。 若い頃は、圧倒的な力で君臨していた当時の名人と数々の死闘を繰り広げ、関西でただ一人のタイトルホルダーとして関西棋界を守り続けた偉人。 そもそも『関西本部総裁』なる役職も蔵王九段の為だけに作られた終身名誉職で、この一点だけでもどれだけ彼が関西棋界に貢献してきたかが分かる。 しかし、老雄も寄る年波には勝てず、近く引退することになっていた。 そして7巻にて彼にとって最後となる公式戦で八一と対戦。 名人との竜王戦後、連勝を続け勢いに乗る八一に経験の差で見事に勝利し有終の美を飾り引退した。 明言されていないが、おそらくモデルとなっているのは内藤國雄九段。((プロレス解説者と年齢を除けばほぼ経歴は一致。ちなみに氏の代表曲「おゆき」はミリオンヒットソングと言われている。)) &bold(){☗名人} 声-[[井上和彦]] &font(#ef0b0b,b,i){『“神”』} 現名人。本名不明。通称『[[名前を言ってはいけないあの名人>名前を言ってはいけないあの人]]』。 名人の他、玉座・盤王・棋帝の計4つのタイトルの現在の保持者。七冠を達成したこともあり、タイトル獲得99期・棋戦優勝44回・永世六冠を誇る。 彼と戦ったものはみな「名人の中に自分には絶対にさせない手をみる」と言われており、その恐るべき実力から棋士たちからは「神」とすら呼ばれている。 そのあまりの強さから「負ければ一かけらの希望すら打ち砕かれる」「心に『絶望』と『諦め』を注ぎ込まれる」とまで言われている。 竜王戦の挑戦者決定戦で歩夢を下し、100期目のタイトルと永世七冠をかけ、「最強の挑戦者」として八一の前に立ちはだかる。 11巻で名人を防衛し通算100期を達成。 歩夢との将棋の内容やプロフィールから[[とある棋士>羽生善治]]を強くイメージ((原作ではその顔が描かれていなかったが、アニメ最終話にて初めて公開された。最終話放送後、ツイッターにて原作イラスト担当のしらび氏が、「名人の顔を似せるつもりはなかったんだけど、羽生みには勝てなかったんだなって…」とツイートしている。))させるように書かれている。 **&bold(){&sizex(4){☗奨励会}} &bold(){☗鏡州飛馬}(かがみず ひうま) 三段。プロ棋士になるための年齢制限ギリギリのもう後がない29歳。 八一が奨励会に入った頃から既に三段で、奨励会における礼儀作法・記録の取り方をはじめ色々と八一や多くの若手棋士は彼から教わっており、色々と世話になっている。 新人戦(モデルは新人王戦)で優勝するなど八一からも認められる実力はあるものの、運などの悪さも災いしプロ棋士になれず、勝ち越し延長の期限も切れ退会することになった。 しかし、その人柄の良さもあって多くの奨励会員が彼のことを見習い慕っている。 モデルはおそらく三段時代から新人王戦で優勝したり、冠戦法を編み出したりしていた都成竜馬七段。 &bold(){☗椚創多}(くぬぎ そうた) 初段(4巻((棋帝戦第三局記録係。))時点)→二段→三段。12巻で銀子と同時昇段でプロ入り(予定)。2007年生まれの11歳、小5ショタ。史上5人目の中学生棋士はおろか初の小学生プロ棋士の期待もかかる天才小学生。 初段に昇段してから銀子との対局まで全勝しており、一度三段への昇段を運悪く銀子に阻止されるが、原作7巻の段階で既にこともなく上った。 普段は傲慢不遜な天衣すら「化け物」と呼ぶほどの才能の持ち主。 コンピュータ世代の申し子ともいえるような少年であり、 脳内将棋盤ではなく符号で処理しており、地球人ではない将棋星人どころか生き物ですらないコンピュータだと銀子を戦慄させた。 コンピュータにも精通し、彼にとってWi-Fiも使えないのは[[まるで島根県のような感覚>デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!]]。 鏡州のことを尊敬している他、定跡に囚われない将棋を指している八一の才能を見抜き、敬愛している。 あいが来る前は、八一のアパートで鏡州と共に将棋を夜通し指したり馬鹿話に花を咲かせていたこともあった。 その八一への敬愛は少々怪しいレベルに達しており、彼に厳しい言葉をかけられようものなら顔を赤らめて「♡♡♡ッ!」となってしまう。 モチーフは、執筆当時恐ろしく強い奨励会員だった藤井聡太。 &bold(){☗辛香将司}(からこ しょうじ) 生石充の奨励会員時代のかつての同期。しかし、過酷な三段リーグを抜けてプロ棋士になることができず退会していたが編入試験で奨励会三段に出戻った。 老獪な盤外戦術を用いる。 すでに何万手以上も計算が可能になったコンピュータソフトを信奉・絶対視しており、人間同士による将棋の研究を完全に侮蔑している。   #openclose(show=かつての奨励会退会後、様々な職場を転々としていたらしいが…。){ 彼が経験したのは、「慕ってくれる人が目の前で死んでいく場面」という奨励会以上の地獄。 その中で奨励会編入に挑むきっかけになったのが銀子の存在であった(つまり、銀子の主治医だった明石が勤めている病院に下請け業者の従業員として出入りしていたことがある)。 } モデルは、奨励会退会後にプロ編入試験を受けて合格した瀬川晶司六段と今泉健司五段だと思われる。((辛香が登場した時点でプロ編入試験を合格していたのはこの二人のみ。後に折田翔吾四段も編入している。)) 特に今泉五段は、奨励会を年齢制限で退会→三段リーグ編入→四期規定で退会→プロ編入試験という過程を経て41歳でプロ棋士になっている。 &bold(){☗登龍花蓮}(のぼりょう かれん) 2級→1級→初段→二段。関東奨励会所属の女性奨励会員。銀子より2歳上だが、銀子の事を尊敬しており、奨励会に入ったのも彼女への憧れからだった。 銀子同様、プロ棋士を目指しており、女流棋士の事は「アマチュア」と見下していた。4巻より開幕したマイナビ女子オープンにて奨励会2級の立場で出場。天衣と対局するも、彼女の盤外戦術に翻弄され完敗。その後、天衣と銀子の女王戦第三局で彼女が見せた将棋を見て女流棋士への認識を改めた。 本分である奨励会では順調に昇級・昇段しており、12巻で女性では銀子以来2人目の有段者となる。そこで三段リーグ最終局を戦う直前の銀子と対面し、女性であるがゆえに奨励会で居場所が少ない事を理解する身として「女性奨励会員の意地を見せて下さい」とエールを送った。 &bold(){☗神鍋馬莉愛}(かんなべ まりあ) 10巻で登場。歩夢の妹で小学生名人。 釈迦堂をマスターと呼び慕っていたが、釈迦堂からは弟子入りを認められていなかった。 大阪で行われる将棋大会に参加申し込みするため大阪を訪れるも、財布を落とし無一文になってしまったため八一の家を訪れる。 『なにわ玉将戦』では準決勝で綾乃に勝利するものの、決勝戦で澪の奮戦を前にして激情をむき出しにしながら敗北。 敗北を知り涙を流すが、それでもなお闘い続けることを選んだため、釈迦堂から正式に弟子入りを認められ、「&ruby(セイトコス){将棋生神女}マリア」の二つ名を与えられた。 12巻で奨励会を受験。実力を十全に発揮し、二次試験全勝で合格、関東奨励会に入った。 **&bold(){&sizex(4){☗女流棋士}} &bold(){☗釈迦堂里奈}(しゃかんど りな) 声-[[大原さやか]] &font(#f7f719,b,i){『&ruby(エターナルクイーン){永遠の女王}』} 女流名跡のタイトルホルダーで女流棋士会会長。 歩夢の師匠で、この弟子にしてこの師ありな中二病的な発言をのぞかせることも。 片足が不自由であるというハンデを抱えながらも女流四タイトルの永世位を獲得し、 一時は全冠独占も達成したことから「永遠の女王」と呼ばれており、その実力は銀子と渡り合えるほど。 非公式戦なら、銀子の傍に八一がいるという『番外戦術』で銀子の気をそらし完勝したこともある。 実力の至らないことなどからバカにされることも多い女流棋士の中で、足が不自由で正座もできないというハンデを抱えながらも、 心を折らずに女流棋士の地位向上に努めてきた。 その人格もあって、桂香や銀子のあこがれの人物でもある。 銀子の才能を誰よりも認めており、彼女が女性初のプロ棋士になることを期待している。 また、原宿にブティックを構える一流デザイナーとしての顔も持っている。銀子に着せたい服をイメージするようになってから評価が急上昇したとのこと。 明言はされていないが、おそらくモデルはタイトル通算43期、女流四冠独占を達成し4つの永世称号を持つ清水市代女流七段。 &bold(){☗月夜見坂燎}(つきよみざか りょう) 声-Machiko &font(#e06666,b,i){『攻める大天使』} 女流玉将のタイトルホルダー。 小学校5年生のときに小学生名人戦の決勝で八一に敗北して以来、八一と公式戦で再戦することを目指している。 異性としての好意は不明だが、八一に長年執着してきたのは事実であり、 今もわざわざ関東から関西の将棋連盟の棋士室に訪れては、友人の万智と共に八一をからかったり遊んだりしているほか、 対局の場で八一と会話するだけでかなり調子をよくするほど(記者会見では「八一と遊んだ」ことをわざと意味深に言って八一を青ざめさせている)。 超攻撃的な将棋や早指しが得意で、「攻める大天使」の異名を持つ。 その将棋は地道な研究のおかげで読みを省略できるゆえに感覚で指せるためものである、時には穴熊を使う奇策に出ることもある。 しかしながら銀子には及ばず、しかも万智と共に八一と度々遊んでいることもあり、 銀子との勝負では(銀子自身の嫉妬及び威嚇も重なって)徹底的に叩きのめされ、辛酸をなめさせられている。 一方で三段リーグで東京・将棋会館で指す際に居場所のない(アウェイかつ唯一の女性)銀子に将棋会館の「女流棋士室」を使わせたり、銀子の三段リーグ最終局終了に間に合うよう、同じ都内で帝位戦を指していた八一を(比較的早くに終局したため、かっ飛ばせば間に合う時間だった)将棋会館にバイクで送り届けるなど、ここぞという場面で八一・銀子を応援するような行動をとったりもしている。 ヤンキー口調でしゃべり、普段の態度もオラついている立派な元不良。 単車を無免で乗り回していたと思しき過去があったり、パトカーの音にも敏感。 異名のモデルはおそらく山口恵梨子女流二段の「攻める大和撫子」。 &bold(){☗供御飯万智}(くぐい まち) 声-千本木彩花 &font(#f1539d,b,i){『嬲り殺しの万智』} 山城桜花のタイトルホルダー((8巻で山城桜花5連覇を達成して永世称号である「クイーン山城桜花」の資格を取得。))。 際立った才能こそ持っていないものの、それゆえに隙のない堅実な将棋を指し、穴熊囲いを得意とし愛用する。 徹底的な防御で相手の攻めを防いで叩き潰すことから「嬲り殺しの万智」と呼ばれる。 京都出身で、京言葉で話をする。実家は公家であるらしく、正月には皇居らしき場所で過ごすことも。 腐女子の一面も持つ。 燎とは仲が良く、単行本のエピローグ「感想戦」では、毎回八一と月夜見坂・供御飯の3人の絡みとなるのが恒例になっている。 JS研の貞任綾乃は妹弟子。 小学生5年生の時に小学生名人戦(この時準決勝で燎に敗れている)の決勝で八一が見せた独創的な将棋に魅了されて以来、八一にこだわるようになる。 しかし、表向きはそんな素振りをあまり見せず、わざわざ京都から関西の将棋連盟の棋士室に訪れて八一を月夜見坂と共にからかったり、 免許もとって車も購入した際も八一をドライブに誘うときには緊張するからと彼に助手席に座ってもらうのは拒否したり、月夜見坂も誘ってしまうなど、 意外にも長年告白できないでいる奥手でヘタレな所もある。 八一に対しては、&s(){独占欲や嫉妬心の強い誰かさんらと違って}側に置いてもらえたら嬉しいと思っている。 が、14巻で銀子が入院したこともあり、15巻では封印していた想いを解き放ち勝負手に出る。 現在も、実家は公家ゆえに両親からは一般人との結婚などを勧められながら、それに従わず女流棋士などを続けている。 八一に対する情念は、あいの母ですら(娘の&ruby(ライバル){恋敵}として)警戒しているほど。 #openclose(show=また、女流棋士以外にもあるもう一つの顔を持つ。){ &bold(){鵠(くぐい)} 供御飯が将棋の観戦記者を務める際のペンネーム。 棋士としての自分の実力では八一とは並び立てないと感じた万智が、棋士以外の方法で誰よりも八一を近くで見るために選んだもう一つの仕事。 天衣は「八一の追っかけ」と称しており、実際、八一がマイナビ女子オープンのチャレンジマッチの保護者として東京に赴いた際もしれっと仕事の名目で自分も来ており、 わざわざ来た理由を八一に聞かれた際にはごく自然に「好きなので」と、「何が」を言わずに答えている。 漫画版巻末のおまけコーナーのインタビューも担当している。 } &bold(){☗祭神雷}(さいのかみ いか) 声-[[戸松遥]] &font(#ffd966,b,i){『捌きのイカヅチ』} 女流帝位のタイトルホルダー。 振り飛車を得意としており『捌きのイカヅチ』の異名を持つ。ちなみに笑い方は「ヒヒヒヒヒ」とかなり不気味。 八一と同い年の17歳(初登場時)で岩手県出身。 9巻限定版ドラマCD『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』にて、誕生日が4月9日と判明。 ただひたすらに強い者との試合を追い求めるバトルマニアで、他者を全く顧みないエゴイスト。 相手が強ければ強いほど実力を発揮するタイプで、故にプロ棋士との対戦成績が抜群によく、特例でのプロ編入も検討された事があるものの、格下相手にはやる気が出ず実力を発揮できずに敗北することもあるなどムラっ気が強い。 ファンからは『[[イカちゃん>イカ娘]]』という可愛らしい愛称で呼ばれているが、八一に言わせると『&bold(){怪物、もののけの類い}』。 弱い相手に対しては、挑発を繰り返すなどその対局姿勢は最悪だが、ファンからは『これを見に来た』と言われるほど人気。 八一とはネット将棋で知り合って、お互いが奨励会員と女流棋士と知ると、カラオケルームや喫茶店などでしばしば会って将棋を指していた(9巻限定版ドラマCDによると、八一は彼女の誕生日を電話で祝ったこともあったという)。 しかし、次第に八一の強さに狂的なまでの執着心を見せ始め、&font(red,b){全裸}で八一のアパートに押し掛けるなどストーカー行為を行うようになったため、 それに恐れをなした八一から頼まれた師匠や将棋連盟によって八一との接触を差し止められた。 &color(silver){%%「何ですかその人!いきなりししょーのお部屋に裸で押し掛けるなんて!変態さんじゃないですか!」by雛鶴あい%%} 銀子に引けを取らない実力を持ち、才能だけなら銀子以上と評価されているが、その性格や過去から、釈迦堂や八一には才能は認められていながらも、ひどく疎まれている。 釈迦堂は彼女が頂点をとった場合、棋士たちの気品や精神性が意味を持たないものとなり、規範を失った将棋界が崩壊につながる((例えば、暴力事件を起こすような輩が横綱になれば力士や相撲界は精神的鍛練を目指さなくなることが起きるようなイメージ。))ことを危惧している。 原作では4巻以降ほとんど登場がなかったが((元々全5巻完結の予定のため単純な悪役として造形されたためかもしれない))、14巻にて銀子のプロデビュー戦の相手に選ばれ、持ち時間5時間の内8分しか消費せず銀子に完勝した。 #openclose(show=しかし、漫画版では彼女の過去について非常に重いものが設定されている。){ 母親は所謂「ヤンママ」のシングルマザーだったようで、親からはほとんどろくな愛情を受けられず、 それどころか中学生の時点で母親から売春を強制されるなど惨憺たる家庭だった。 唯一の特技である将棋で、相手を「殺せる」瞬間だけが現実を忘れられる自分の唯一の楽しみであり、 将棋を頼りに、岩手を出て東京に師匠の内弟子として上京するが、 師匠も好色で雷に劣情を抱いて「休憩」をよくとるなど劣悪な環境。 女流棋士だからと奨励会に入るのも師匠になかなか認められず、 現実に対して苛立ちが募る中、ネット将棋で八一と出会い、彼の将棋に魅了され、 更にプロ棋士と女流棋士などで差別せず男女分け隔てなく「強さ」を見る彼に惚れた。 八一に対しての狂的なアプローチも、家庭でまともな教育や愛情を受けられず、 自分に共感し、自分の心を初めて潤してくれる存在が八一だったことから生じたものとなっている。 } &bold(){☗鹿路庭珠代}(ろくろば たまよ) 声-M・A・O 関東所属の女流二段。現役の女子大生。愛称は「たまよん」。 恵まれたルックスと&bold(){巨乳}を持つ。名聞き手でもあり、現役の女流棋士では銀子に次ぐ人気を誇る。 なお、胸が大きいことは分かっているがそれが男性に与える影響については無自覚。 ルックスで売っているように見えて、実際は負けん気と向上心が強い努力家。 聞き手の仕事にも誠実で、聞き手としての技術を上げるためにアナウンス学校に通ったりもしている。 [[静岡県]][[沼津市]]出身で小学四年生の時に将棋の普及活動でやって来た山刀伐に一目惚れ。 将棋雑誌の企画で山刀伐から将棋の指導を受け、駒の動かし方すら知らなかった状態から半年後には研修会に合格。 企画は一年ほどで終了したものの、将棋は続け、中学一年生で女流アマ名人になり、鳴り物入りで女流棋士入りした。 しかし、棋士の世界に入って自分は大したことがないと自覚させられた。 それでも研鑽のために多くの研究会に参加しているが、その巨乳のせいで棋士が集中できなくなり、研究会が長続きしない。 これにより、女流棋士の間では「研究会クラッシャー」と呼ばれ孤立気味。 山刀伐とは隣人で親友。 努力家な彼女は山刀伐も認めているようで、一緒に研究会も行っており、将棋連盟の仕事で忙しい珠代の師匠に代わって将棋の指導を彼から受けている。 外では山刀伐の事を「ジンジン先生」と呼んでいるが、2人の時は敬称なしの「ジンジン」と呼んでいる模様。 現在彼女が住んでいる部屋は、元々は山刀伐が研究会用に借りていた部屋だったが、いつの間にか珠代に乗っ取られてしまったとのこと。 掃除や料理など家事のほとんどを山刀伐にやらせており、半同棲状態。 漫画版第7巻巻末で山刀伐は、そんな彼女と結婚してくれるような嫁の貰い手がいないだろうかと語っている。 #openclose(show=十五巻ネタバレ。){ 十五巻にて山刀伐とは実は両想いだった事が発覚。ラブがコメって告白成功してしまった。 また、東京に武者修行に来たあいと同居することになった。 その影響で女流名跡リーグではいいところまで行けたものの、最終局で花立に敗れた。 } ニコニコ生放送での解説で八一の聞き手を務め、その胸で無自覚に八一を骨抜きにする。 これにより、あいの『絶許リスト』入りした。 天衣との出会いは上記ニコニコ生放送での棋帝戦最終局解説。原作小説では珠代が見抜けなかった詰み筋を天衣に指摘され、彼女の「絶許リスト」入りを果たす。 その後マイナビ女子オープン一斉予選で対局し敗北する。9巻では銀子対天衣の5番勝負第2・第3局の大盤解説会の聞き手を担当(ここでも解説は八一)。 「生意気なガキ」とは思いつつも、まともに戦えるライバルとしてさらなる高みを目指す決意を固めている。 明言はされていないが、おそらくモデルは藤田綾女流二段と鈴木環那女流三段。 &bold(){☗花立薊}(はなだち あざみ) 9巻で初登場。女流五段。茨城県出身の女流棋士。初代女王で女流玉座のタイトルを獲ったこともあるが、銀子の活躍により無冠となる。 「茨姫」。一時期は銀子そのものになりたいと棋風をはじめ風貌まで銀子を真似するようになったが、 研究会を通じて関西棋士と結婚し、千里中央に夫婦と娘と暮らしている。 第2子妊娠中に復帰しタイトル戦に登場。棋界に衝撃を与えた。 15巻では第3子の妊娠中にも関わらず女流名跡リーグで指し分け、リーグ残留を決めている。 上田初美女流四段がモデルか((同門の及川拓馬六段と結婚。2児の娘がいる))。 &bold(){☗岳滅鬼翼}(がくめき つばさ) 月夜見坂・供御飯の2歳年上で八一の2年前の小学生名人戦の優勝者。 女子で小学生名人戦に優勝して奨励会入りしたのは彼女が史上初であり、月夜見坂と供御飯にとっては憧れと尊敬の対象だった。 銀子にも匹敵する程の才能を持っていたが、初段の壁を越えられなかった。 10巻で奨励会2級を年齢制限で退会し女流2級で女流棋士に転向した。 かつては超正統派の居飛車党だったが、10年間の関東奨励会で「独自の進化」を遂げ、極端な待機策と入玉を得意とするようになった。 女流名跡戦予選で天衣を倒し、あいとの対局は善戦するも敗北した。 奨励会を退会し女流棋士に転向した棋士には岩根忍女流三段、伊藤沙恵女流三段、加藤桃子女流三段、西山朋佳女流三冠がいる。 **&bold(){&sizex(4){☗JS研}} &bold(){☗水越澪}(みずこし みお) 声-久保ユリカ あいの友達。活発でスポーディーな9歳。夏休みに自転車で琵琶湖一周したタフネスの持ち主。 関西将棋会館であいが初めて対局した同世代。 あいが内弟子になることを親に認められ地元から大阪の小学校に転校して、偶然クラスメイトになった。 あい・綾乃・シャルロットで構成される将棋研究会、「JS研」のリーダー格にしてまとめ役。 明るく前向きな性格で研究会のムードメーカーも務める。 師匠は暮坂七段、棋風はオールラウンダー。 急成長していくあいとの実力差を感じて泣き出すこともあったが、それを乗り越えて成長し、 八一と名人の対局を見て、自身も女流棋士を目指すことを決意する。 あいにとっても大事な友人だが、同時にあいからは八一に好意を抱いているのではないかと警戒されている。 10巻にて父親の仕事の都合で海外へ引っ越すことを(女流棋士を目指すためならば父の単身赴任などの方が都合が良かったが)自分の意思で決めた。 &bold(){☗貞任綾乃}(さだとう あやの) 声-橋本ちなみ あいの友達。お嬢様っぽいしっかり者。 京都在住。学校は違うが学年は澪やあいと同じ。 加悦奥七段門下で、供御飯・山城桜花は姉弟子に当たる。普段は師匠の京都の道場に通っている。 姉弟子の影響で腐女子に目覚めている。 7巻限定版ドラマCDでは、将棋の歴史などに対する知識の深さを見せ、 自分には女流棋士は難しいと思っていること、将来は鵠のような観戦記者になる夢を語っている。 このことについて、周囲からは「女流棋士を目指さないのは後ろ向きすぎる」と否定的に言われることが多かったが、 八一には「女流棋士を目指すのは諦めるべきではないが、その年で観戦記者という夢が決まっているのは素晴らしい」と積極的にほめられ、喜ぶ様子を見せていた。 &bold(){☗シャルロット・イゾアール} 声-[[小倉唯]] あいの友達。&bold(){天使}。&s(){中の人とキャラの年齢………あとは分かるな。} 京都のフランス人学校に通う6歳児。かわいい。 その純真な天使っぷりで周囲の空気を和ませるアイドル。かわいい。 漫画『[[NARUTO‐ナルト‐]]』の作中で出てくる将棋に興味を持って、将棋を初めた。 日本食にもなじんでおり、毎朝納豆を食べるほど。 ただし将棋の才能については、現時点ではあいほどの特別なものは感じないと八一に断じられている。 そのため、シャルロットが弟子入りを八一に頼むも八一が断る際は、彼女が傷つかないようにと八一が深く好手を考えた末、 「&bold(){お嫁さんにしてあげる}」と返事をし、以降は八一のお嫁さん気分。 将棋の才能について八一に特別ではないと言われているものの、9巻限定版ドラマCDでの『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』では快進撃を続け、 祭神雷を8枚落ちとはいえ撃破したり、2枚落ちとはいえあいに勝利する腕前を見せている。 その努力が認められ10巻にて八一に弟子入りした。 なれそめについては漫画版5巻の巻末インタビューで語られており、最初は綾乃がいた京都の道場に来た迷子だったという。 モチーフはおそらく初の外国人女流棋士のカロリーナ・ステチェンスカ女流1級(ポーランド人)。 彼女も実際にNARUTO(の[[奈良シカマル]])がきっかけで将棋を始めている。 **&bold(){&sizex(4){☗主要人物の家族}} &bold(){☗雛鶴亜希奈}(ひなつる あきな) 声-堀江美都子 あいの母親で「ひな鶴」の女将。 元々、祖父が将棋に散財したことや&bold(){酔っぱらった清滝九段が八一の竜王就任祝いに旅館のロビーで裸人間将棋を始める}などの珍事が原因で将棋が嫌いになっており、 あいが八一の内弟子になることを猛反対していたが、いろいろあって条件付きで認めることとなった。 その後は「ひな鶴」の一室を対局向けに大改造を行うなど、将棋界にも協力する姿勢、名人との対局を控えて世間からバッシングを受けていた八一を街を挙げて盛大にもてなす姿も見せている。 一方、八一とあいを確実にくっつけるために様々な行動を起こしている策士でもある((八一の父親と兄を「ひな鶴」の従業員として雇ったり、あいとのSkypeで危ないアドバイスを行ったりしている。))。 #openclose(show=夫の隆と結婚までのエピソードを見ると、あいが母親似だということがよくわかる。){ 大阪の店から「ひな鶴」に派遣されていた隆が、当時の女将の無理な拡大路線に起因する過労で倒れた際、 雪国ゆえ病院にも行けず雛鶴の家に運び込まれ、当時17歳の高校生だった亜希奈が積極的に看病。更には結婚まで申し込んだ。 当然17歳の少女の申し出を25歳だった隆は断り、派遣契約終了後に大阪へ戻るが、 &bold(){なんと高校を中退し、更には家出をして大阪まで来て隆の家に押しかけ、そのまま同居する}という大胆なことをしていた。 人の家に押しかけて同居という娘と全く同じことをやっており、あいの行動力や押しの強さは母親譲りだということがよくわかる。 なお、あいはこの経緯にものすごく感動していたが、隆は亜希奈との出会いについては、「&bold(){この子の母親に捕まった}」と言っていた。} 旅館「ひな鶴」のモチーフは、同じく和倉温泉にある売上高140億円を誇る超一流旅館『加賀屋』。現実でも第31期竜王戦第5局の会場に選定されている。 &bold(){☗雛鶴隆}(ひなつる たかし) 声-[[水木一郎]] あいの父親で「ひな鶴」の板前。 婿養子のため、8歳年下である妻の亜希奈には頭が上がらず、大抵は押されてしまっている。 とはいえ、あいが八一に弟子入りする際には父親らしい面を見せていたりもする。 好きなものは妻と娘だが、苦手なものも妻と娘…。 &bold(){☗夜叉神弘天}(やしゃじん こうてん) 声-津田英三 天衣の祖父。 建設業、芸能プロダクション、警備会社、パチンコ球遊機開発などの会社を経営している実業家。 引退しているものの、かつては神戸では名の知れた博徒だった。 現在はヤクザではないとのことだが、脅しの手段に「沈める」「埋める」といった文言が入っていたり、池田晶のような不良少女を拾ったりしている…。 長年にわたって将棋界の後援を行っており、将棋連盟にも顔が利く。 息子夫婦(天衣の両親)を事故で失い、天衣を引き取るも自分を含め天衣と将棋を指せるものがおらず接し方を模索していたところ会長から八一を勧められる。 普段は孫思いの老爺だが、自分が逝った後の天衣の事を慮るあまり、自分の危篤を装ってまで八一と天衣の婚約を強引に取り付けようとするしたたかかつ孫馬鹿な一面もある。 &bold(){☗八一の家族} 父、母、兄、弟。 父は職場から早期退職を迫られていたところを、兄は就職先が決まらず難航していた所をそれぞれ「ひな鶴」に拾われたため、雛鶴亜希奈には忠実。 「ひな鶴」にて名人との対局を控えるもなぜか「ひな鶴」であいとの婚姻式のようなものが始まったことに八一から「息子を「ひな鶴」に売ったのか」と言われても家族そろって笑ってすますなど下種なところもある。 一方で、名人との対局でプレッシャーを抱えているため八一にあえてゲスにふるまって彼の重圧を緩和させていたところもあり、 将棋を知っている父と兄は、八一が実家に帰っても将棋の話を一切せず、 母に至っては息子の対局の結果を一切見れないほど気が弱いという。 11巻で父は、清滝一門の活躍に触発され、「ひな鶴」を退社し亡祖父(八一から見て)の残した棚田での農業を始めた。 ただ、実るであろう米に「竜王の瞳」「福井の白雪姫」として売り出そうとしたり、「クズパパTV」なるユーチューバーになるとか。 相変わらずぶっ飛んでいる。 **&bold(){&sizex(4){☗その他}} &bold(){☗男鹿ささり}(おが ささり) 声-伊藤未来 日本将棋連盟会長である月光聖一の秘書。元女流棋士。 目の見えない会長に代わって様々な事務等を処理している。 そのため将棋界のあらゆることに精通しており、付いたあだ名が「&bold(){裏番長}」。 月光聖一に憧れて将棋界に入り、若くして女流棋士になるも、中途半端な実力や学業と女流棋士の両立が出来ずに伸び悩み、 「月光聖一の傍にいることができるなら」と早々に引退して秘書となった。 親子くらいの年齢差のある月光会長に対して恋愛感情を持っている((竜王戦でハワイに行った際、盲目をいいことにペアルックを着せるということまでやっている。))が、当の本人には「良い相手を探してあげなければなりませんね」と全く相手にされていない。 ちなみに月光会長は彼女が出産される場にも立ち会っていたが、&bold(){生後0日にも関わらず彼に抱かれた(もちろん赤子をあやすという意味で)ことを明確に覚えており、挙句「自分はこの人に抱かれるためにこの世に生を受けた」と存在理由を確立}しており、この話を聞いた八一は&bold(){「生まれつきの変態」}と諦め交じりでドン引きしていた。 裏番長のニックネームのモチーフは、おそらく「番長」の愛称で知られる香川愛生女流四段((アニメの放送後に放送される「りゅうおうのおしごと!〜かんそうせん〜」に解説役として出演している))。 &bold(){☗竹内美羽}(たけうち みはね) 声-原田彩楓 あいや澪のクラスメイト。昼ドラの見過ぎでクラスで一番ませている。 八一が天衣のことを隠して行動している時に「女を作っている」と発言したことで、あいから向けられた殺し屋のような恐ろしい眼光に恐怖してしまった((この時、あまりの恐怖からか小学4年生にして失禁してしまった。ただし、流石にいろいろまずかったのかアニメ版ではそこまでは描かれていない。))。 とはいえ、その後はロリコン誘惑法をあいに伝授したりと仲は良い。 &bold(){☗鬼沢談}(おにざわ だん) 大人の恋愛小説の大作家。 愛棋家で、長年にわたって将棋界の後援を行っており、八一や銀子とも古くからの知り合い。 将棋界からはアマ四段を送られているが、これは長年将棋界に貢献した事に対するお礼で、実際の棋力はアマ二段位とのこと。 もっとも、長年にわたってプロ棋士や奨励会員と指し続けたことで駒落ち将棋には異常に慣れており、将棋界では『上手殺しの鬼』の異名で呼ばれている。 代表作は『縄と肉』。 元は小学校の先生で、生徒に自習させながら小学校の教室で官能小説を書いていたという伝説を持つ。 モチーフは将棋のアマチュア六段(死後に七段贈呈)であり、SMものの官能小説家で将棋のエッセイも多く寄稿していた団鬼六だと思われる。 &bold(){☗池田晶}(いけだ あきら) 声-[[諏訪彩花]] 天衣の付き人。20歳。懐に何らかの護身用道具を忍ばせている。 元はかなりのワルだった所を、夜叉神家に拾われた。 付き添いで関西将棋会館にたびたび通ううちに、暇つぶしで会館の道場で男子小学生相手に将棋を指すようになり、実力はまだまだながらも将棋にはまっている。 目下のライバルは男子小学生。 また、会館の道場で天衣の応援団を結成したりもしている。 しかし、天衣のことが大好きすぎて暴走することもしばしば((特別編(後に原作8巻収録)では八一と共に幼い頃の天衣をベースにしたゲームを開発したが、当然のことながら本人から許可が下りずお蔵入りになった…。))。 そのためか、天衣からも煙たがられてしまったりすることも…。 &bold(){☗生石飛鳥}(おいし あすか) 声-篠田みなみ マエストロの娘(マエストロは「飛車」と名付けようとしていたが妻に猛反対された)。体操服ブルマ姿で銭湯を手伝う17歳巨乳JK。父が対局や護摩行で空けがちなため、銭湯を実質的に回している。 才能がないため将棋の勉強を父に反対されていたが、それでも父親に将棋を教えてもらうため、あいと勝負、あいが澪を負かして迷いがあったこともあり勝利した。 プロや女流棋士になれる才能が無いことは自覚しており、指導棋士を目指している。 &bold(){☗本因坊秀埋}(ほんいんぼう しゅうまい) 本因坊のタイトルを持つ女性の囲碁棋士。通称シューマイ先生。なお秀埋は本因坊のタイトルの慣例のための雅号で、本名は天辻埋。 ほとんど常に泥酔していて「お●んぽ」と連呼している。 好きなもの「お●んぽ」、嫌いなもの「しなびたおち●ぽ」。 囲碁と将棋の違いはあれど女性プロ棋士として、銀子から尊敬されている。 また、碁盤や将棋盤を作る一流の盤師でもあり、製作の時だけは酒を抜く。シラフ(?)の性格は清楚でまじめ。 盤造りにおいては糸くず一つも落とさないようにすべく全裸で作業していたが、天衣の指摘により埃の出ないスク水を着用するようになった。 モチーフはおそらく囲碁棋士の故藤沢秀行名誉棋聖。シューマイ先生はかなりマイルドになっている。&bold(){こんなんでも}((何せネタ元は中国の最高指導者である鄧小平と面会した際に泥酔していた挙句「中国ではお〇んこのことを何というのか」と絡みまくったというとんでもない逸話が…。しかし中国の囲碁界の発展に貢献したとして伝説的な尊敬を集めている人物である。))。 &bold(){☗明石圭}(あかし きよし) 銀子の主治医で生石充・香辛将司の奨励会の同期。11巻で登場。 この3人の中で一番に三段に昇段したものの、生石の才能に心が折れ直後に奨励会を退会し医師となる。 主治医として銀子と出会い、二歳の銀子に将棋を教え、銀子を清滝鋼介の内弟子にした張本人((銀子の治療方針として最も良い環境だと判断したため。元々明石は清滝の研究相手の一人でもあった。))。 なお、銀子がアンチ振り飛車党の原因を作った人でもある((明石が生石の振り飛車で銀子と将棋を指し銀子が負かされたため。))。 八一と銀子の関係が(将棋の実力の面で)かつての自分と生石の関係になっていることもあり、銀子を陰ながら応援している。生石曰く「小娘のストーカー」。 モデルは、現在は済生会兵庫県病院小児科医の立石径。久保利明九段・矢倉規広七段の三人で「関西奨励会三羽烏」と呼ばれていた。 奨励会退会後、大検を合格して苦学の末神戸大学医学部を卒業。 *【&bold(){&sizex(5){☖用語}}】 **☗将棋連盟関連 &bold(){&sizex(4){☗棋士}} プロ棋士とも呼ばれるいわゆる将棋のプロ。 プロ棋士の養成機関である「奨励会」で三段まで昇段すると三段リーグに入り、ここを勝ち抜くと四段に昇段し、棋士の資格を得ることになる。 女性でも勝ち抜けば「女流」の付かない棋士になれるが、現実では現時点で三段リーグを勝ち抜いて棋士になった女性はいない。 &bold(){&sizex(4){☗研修会}} プロ棋士の養成機関である「奨励会」の下部組織。 女性の場合、この研修会で&bold(){C1クラスへ昇級すると女流棋士になる資格}が得られる。 &bold(){&sizex(4){☗奨励会}} 正式名称、新進棋士奨励会。 プロ将棋棋士養成機関でプロ棋士のほぼ全てが通ることになる道。 ここで四段に昇段するとプロ棋士の資格を得られる。ただし、原則として21歳の誕生日までに初段、26歳の誕生日が含まれる期間の三段リーグまでに四段に昇段できないと強制的に退会となる。 入会試験で合格するか、&bold(){「研修会」でA2クラスまで昇級すれば、「奨励会」の6級}に入る資格を得られる。 つまり、&bold(){奨励会の一番下のクラスである6級ですら、大半の女流棋士よりも強い}ということになる。 また、奨励会を勝ち抜いて四段(プロ棋士)になれるのは、通常は年間わずか4人(最大でも6人)しかいない。 なお、女性の奨励会員が退会した場合、退会から2週間以内に申請すれば、原則としてその時点で6級から2級だった場合は女流2級、1級以上の場合は該当する段級位で女流棋士への編入が認められている。 作中では女流棋士と奨励会の掛け持ちは認められていない(奨励会に入るには女流棋士会に休止届を出さなければならない)が、現実では2011年から掛け持ちが認められている。 かつて掛け持ちが認められていなかったのは、 ・6級の奨励会員の女流棋士の対局を三段の奨励会員が記録を取る変な状況 ・すでに女流棋士として活躍している女性が、プロ棋士以外の道がない男性奨励会員と混じる二足わらじ ・女流棋士の対局スケジュールで他の奨励会員の対局スケジュールがズラされる など、女流棋士への優遇に対する男性奨励会員への配慮・女流棋士への悪影響の可能性といった事情があったため。 2011年に女流タイトルを複数持つ里見香奈三段が当時1級の編入試験に合格した際に解禁された。 解禁には、女流棋士、女性奨励会員、アマチュア女子全てが参加できるようになったリコー杯女流王座戦の創立も関係していると思われる。 &bold(){&sizex(4){☗女流棋士}} 簡単に言ってしまえば女性のプロ棋士だが、その実プロ棋士と女流棋士は制度からして全く異なる別物。 もともとは将棋の女性への普及を主な目的として作られた、プロ制度とは分離されたものである。 そのため、段位も女流○段と呼ばれ奨励会員や棋士とは異なっており、上述のようにプロ棋士との実力の差も非常に大きい。 本作の連載開始時点では、「奨励会」の下部組織である「研修会」でC1クラスへ昇級又はアマチュア枠がある女流棋戦で一定の成績を挙げると、女流3級として女流棋士の資格を得る権利が与えられた。一方で、2年間で女流2級へ昇級出来ないと資格を取り消され、研修会に戻ることになる。((2021年現在は女流3級が廃止され、女流棋士になるにはB2クラスへ昇級又はアマチュア枠がある女流棋戦で一定の成績を挙げて女流2級となる必要がある。)) 仕事量は個々人によって差があり、対局数が少ないため生活が苦しい場合や、逆に人気が出て番組に引っ張りだこという場合もある。 将棋の普及という面も相まって、解説で棋士のサポートを務める司会としての上手さももちろん、世知辛いが「容姿」も重要な要素となる。 また、容姿が優れていても、実力が至らなければアマチュアなどからバカにされたり、同じ女性からやっかまれることもあるなど華やかに見えて大変な面も多い。 &s(){今作はラノベなので主要人物は美人女流棋士が多い。} ちなみに実際の女流棋士の対プロ棋士との勝率は2割を切る程度。 しかも対戦の多くは"プロ棋戦の女流枠に入る程"上位の女流棋士と、"女流と一回戦で当たる程度の"下位の棋士との結果である。 なお、現実世界では昨今の里見香奈女流四冠の「プロ棋士編入試験資格」を満たす状況等から、  1.女流棋士がプロ棋士編入試験に合格した場合、女流棋戦、及びプロ棋士公式棋戦の両方に出場することが出来る。  2.奨励会に所属している女性が四段に昇段をした場合、女流棋士申請を行うことが出来る。ただし、申請期間は昇段日から2週間以内とする。 という規定が新設された(ただし、12巻までの原作中でこの規定は制定されていないため、銀子が四段昇段した場合、特段の変更がなければ銀子の女王・女流王将は返上されることになる((里見香奈女流四冠は女流棋戦との掛け持ちが認められていなかったため、奨励会編入時に当時保持していたタイトルを返上している)))。 なお、囲碁界では女流特別枠や女流棋戦がある程度で女流棋士と男性棋士は同じプロであり、全般に男性が強いものの将棋ほどの男女差はない。 韓国では女流棋士が全棋士参加の男女混合棋戦でタイトルを取ったことがある他、2019年には日本でも女流棋士が男女混合棋戦で決勝に進出、翌年には若手限定の男女混合棋戦で優勝したこともある。 &bold(){&sizex(4){☗研究会}} 数人の棋士が集まって行う練習対局や特定の局面の検討、情報交換をする会。ほとんどの棋士は最低1つは参加している。 若手の場合は同格、上位者の場合は見込みのある若手を誘って始まることが多い。 公式戦で頻繁に当たるようになると解散する。 ギブ&テイクが基本なため、双方にとって得がなければ自然解消してしまいかねないドライなところもある。 現実では平成初頭以前まで、将棋の研究は一人で行うものということが常識だったが、 島朗が主催し[[羽生善治・佐藤康光・森内俊之>羽生世代]]が所属していた&bold(){島研}以降、爆発的増加した。この島研は、島朗が初代竜王に、他3人も全員が名人位と竜王位を含む10期以上のタイトルを獲得・8大タイトルの永世称号資格保持、という伝説的研究会であった。 &bold(){&sizex(4){☗一門}} 師匠とその弟子の集まり。 将棋界では基本的に奨励会の入会や女流棋士志望での研修会入会には師匠の推薦が必要となるため、 必然的にすべての棋士・女流棋士・奨励会員は誰かの弟子とならなければならない。 また、師匠も誰でも良いわけではなく、弟子をとれるのはプロ棋士か女流四段以上の女流棋士のみ。 師弟のつながりは様々で、作中の清滝門下のように公私共に深い付き合いをするところもあれば、ただの書類上の名義貸しだけの師弟もある。 師匠はある程度礼儀作法などを指導する程度で、弟子に将棋を教えることは少なく、強い棋士の弟子になれば強くなるというわけでもない。 ちなみに、公式戦で弟子が師匠に勝利することは将棋用語で「恩返し」と呼ばれる((清滝九段曰く弟子がタイトルを獲得すること、そして新しい弟子を取ることこそが本当の恩返し。))。 **☗タイトル 現実にもある将棋のタイトル。 作中では一部のタイトルはその名前をもじって使われている。 以下では 現実のタイトル名→作中のタイトル名 の順で記載する。 &bold(){☗棋士タイトル} 現実では8つあるが、そのうち「叡王」は作品開始当初はタイトルになっていなかったため、「叡王」にあたるタイトルは作中では登場しない。 そのため作中に登場するタイトルは7つ。但し、 一般棋戦時代の叡王戦をモデルにしたと思われる賢王戦という棋戦があり、物語の進行によっては現実に沿ってタイトルが増える可能性あり。 名人→名人(そのまま) 現在のタイトルホルダーは名人 竜王→竜王(そのまま) 現在のタイトルホルダーは九頭竜八一 王将→玉将 現在のタイトルホルダーは生石充→於鬼頭曜 王位→帝位 現在のタイトルホルダーは於鬼頭曜→九頭竜八一 王座→玉座 現在のタイトルホルダーは名人 棋王→盤王 現在のタイトルホルダーは名人 棋聖→棋帝 現在のタイトルホルダーは名人 &bold(){☗女流棋士タイトル} 現実でも作中でも同じく6つ…と言いたいところだが、2019年に7つ目の女流タイトル・清麗が誕生し、さらに2020年には白玲戦が創設された。今後、清麗戦・白玲戦に相当するタイトルが出てくるかどうかは不明((特に白玲戦の予選は女流順位戦でもある。))。 女王→女王(そのまま) 現在のタイトルホルダーは空銀子 女流王座→女流玉座 現在のタイトルホルダーは空銀子 女流名人→女流名跡 現在のタイトルホルダーは釈迦堂里奈 女流王将→女流玉将 現在のタイトルホルダーは月夜見坂燎 倉敷藤花→山城桜花 現在のタイトルホルダーは供御飯万智 女流王位→女流帝位 現在のタイトルホルダーは祭神雷 **☗その他の用語 &bold(){&sizex(4){☗将棋星人}} 銀子が主に使う言葉。 四段以上の戦場で戦うプロ棋士の思考回路が、自分のような『地球人』とはまるで次元が違うという自嘲を込めて使っている。 その一つの物差しとして、脳内将棋盤の鮮明度と、盤上の駒の利きを感覚的に把握できるかどうかで語られている。 コンピュータ将棋世代の椚創多に至っては脳内将棋盤ではなく、コンピュータのような符号で処理している(モチーフ元の藤井聡太や将棋星人こと羽生竜王は、符号で考え、脳内将棋盤で確認するイメージだという)。 #openclose(show=元ネタはおそらく羽生善治さんに関する2ちゃんねるのコピペ。){ 「おまえら、もし地球に将棋星人が攻めてきて、向こうの大将と 地球代表が将棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされる という事態になったら、地球代表は絶対[[羽生>羽生善治]]でないとイヤだろ? [[深浦>深浦康市]]でもいいのか?深浦に地球の命運を託せるのか? 羽生をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ」 } *【☖漫画版】 この手のラノベコミカライズとしては珍しく、構成:カズキ、作画:こげたおこげ、監修:西遊棋と複数人体制。 全10巻。 漫画6巻巻末によると、原作者からの希望は「根性のある人」で、カズキ・こげたおこげの両名ともほぼ新人だったとのこと。 コミカライズによくある単なる原作のダイジェストではなく、漫画版のオリジナルも盛り込まれたりストーリーを再編成されている。 単行本ではおまけ漫画や、巻末に原作者執筆による「鵠記者によるインタビュー記事」が掲載されている。 前半は原作の面白さを上手く引き出しており高評価であったが、初の連載がキツかったのか、後半は徐々に絵柄が乱れ始める。 終盤の頃になるとアニメも終了していたこともあってかメディアミックスの都合なのか非常に駆け足となり、かなり賛否の分かれるオリジナル展開になって原作5巻部分はダイジェストに近い形で終了となってしまった。 *【☖アニメ版】 5巻までの内容をアニメ化している。全12話。 つまり1巻あたり2.4話と言う所からも分かる通り、かなりの駆け足のダイジェスト展開。 その為、将棋の描写はかなり控え目で、ロリ描写の比率が大きい。 追記・修正は詰将棋をしながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,13) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2017/08/26 Sat 12:11:30 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 63 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(#ff69b4,b){&sizex(4){「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」}}} 『りゅうおうのおしごと!』とはGA文庫より刊行されているライトノベル。 2021年9月時点で既刊15巻。 作者は「[[のうりん]]」の%%ノンフィクション作家%%白鳥士郎。イラストはしらび。 &font(#dc880b,b){☖目次} #contents *【☖概要】 ロリ・ギャグラノベ……&font(#ff0000,b){の皮を被った超熱血将棋ラノベ}。 作品名の「りゅうおう」は「[[ドラクエ>ドラゴンクエストⅠ]]」の「[[りゅうおう>りゅうおう(DQ)]]」ではなく、[[将棋]]のトッププロタイトルの一つである「[[竜王>竜王(将棋)]]」のこと。 雰囲気は「[[ヒカルの碁]]」や「[[ちはやふる]]」などと近い。 作者の白鳥士郎によれば将棋を題材にしようと思ったのは「高校時代の同級生である加藤幸男(第十二代高校生竜王)((加藤はアマチュア選手枠で、竜王戦6組(予選は上位から順に1~6組に分かれて行う)に3度出場を果たしている。結果は1回戦敗退2度、2回戦敗退1度で通算1勝3敗。))の影響」、そして何より「熱い物語が書きたかったから」とのこと。 また、「今までの作品は『これが売れそうかな』という気持ちで書いていたが、今作は&bold(){『これが書きたい!』と思ったものを全力で書いた作品}」とも語っている。&s(){「のうりん」…。} それゆえか「のうりん」と比べてパロディや下ネタに走る率も、(あくまで比較すると)少な目であり、全体的に熱くまじめな点が多い。 文庫版1巻の初動売り上げは芳しくなく、作者曰く「5巻で終わりにしよう」と思ったほどだったそうだが、次第に売上が伸びるようになってゆき、 2016年7月には&b(){第28回将棋ペンクラブ大賞で文芸部門優秀賞を受賞}、さらには&b(){『[[このライトノベルがすごい!]]2017』の文庫部門1位を獲得した}。 また、&b(){2017年の『このライトノベルがすごい!2018』の文庫部門でも1位を獲得し、同部門で2連覇を達成した}。 前述のように5巻までで当初終わらせる予定だったため、5巻で一区切りついており、6巻からは事実上の新章として多くの新キャラが登場している。 ライトノベルらしいコミカルさもあるが、それ以上に鬼気迫る将棋の対局シーンに加え、将棋の楽しさだけではなく、 「将棋のプロ」としての道を歩む過酷さ、厳しさに重きが置かれているという点も特徴と言える。 また、それゆえにキャッチコピーといえる「女子小学生と将棋」ながらも、6巻からの新キャラも男性がほとんどであり、 「将棋にかける熱い男、おっさんの生き方」も描いていっている。 まさに超熱血将棋ラノベ。 作中登場する棋士のありえないと思えるような変わったエピソードのほとんどには&b(){実際の元ネタがある}。 まさに『&b(){事実は小説より奇なり}』。 突飛なもの以外にも実際の棋士の発言や行動のパロディやオマージュが多く使われている。 メディアミックスも展開されており、 -2015年~2019年、『ヤングガンガン』にて漫画版が連載された。作画はカズキ。全10巻。 -2018年1~3月、TOKYO MXほかでアニメが放映。制作はproject No.9。全12話。 また、なんの因果なのか、&bold(){アニメ放映決定後に実際の将棋業界もすさまじい事態が発生している}。 #openclose(show=具体的には、フィクションを超えるような勢いとなっているのである。){ -&bold(){永世七冠の誕生} 2017年12月5日に[[羽生善治]]棋聖が渡辺明竜王を4-1で破って、14年振りに竜王に返り咲く。羽生氏はこの竜王獲得により通算7期の規定により永世竜王に。 これで、既に得ていた永世棋王・永世棋聖・名誉王座・永世王位・永世王将・十九世名人と合わせて前人未到の&color(#ff0000){&bold(){永世七冠を達成した}}。 それまでの羽生渡辺のタイトル戦うち、2日制のものは全て渡辺竜王が勝っている上に、羽生棋聖は持っていた王位・王座を立て続けに若手に奪われ、衰えが言われる中での挑戦であった。 しかし、番勝負中は羽生棋聖が終始圧倒し、最終局となった第5局にいたっては封じ手開封時点で羽生勝勢が伝えられるほどの完勝譜となった((将棋の渡辺くんによると「難しい局面だったら寝られなくなるほど悩む時もあるが、悪すぎたので酒飲んでさっさと寝た」「2日目もどうしようもない局面が続いたため、興行的に盛り上がる夕方まで時間を稼がないとと思った」だったとか。))。 -&bold(){藤井聡太氏が[[羽生善治]]氏を破って六段になる} 「&bold(){現実がアニメを超えかねない}」「原作当初はあり得ないかと思われた高校生竜王の&bold(){現実味が出てくる}」といった事態が発生している。 この六段昇級は朝日杯将棋オープン戦で優勝によるものだが、四段から五段へ昇段したのは2月1日の順位戦にてC級1組へ昇級と同時である。 ちなみに朝日杯優勝を決めたのは2月16日で、これにより&color(#ff0000){&bold(){五段だった期間がわずか16日間}}という超短期間の記録まで作ってしまっている((この時点全棋士参加一般棋戦優勝・六段昇段の最年少記録を更新。さらに一般棋戦優勝と六段昇段に至っては中学生としては史上初のことである。さらに翌年の朝日杯も制してしまった。))。 さらに5月18日には竜王戦5組準決勝で船江航平六段を破り、4組昇級を決めると共に&bold(){「竜王ランキング戦連続昇級」の昇段規定により、同日付で七段に昇段し、七段昇段の最年少記録を更新(15歳9か月)}してしまった。 そしてその結果&bold(){未だに現役棋士最年少なのに規定により新人王戦が今年がラストチャンスになる}((新人王戦の参加規定は「26歳以下かつ六段以下」))と言うパワーワードが誕生した。 その新人王戦?&bold(){普通に優勝しましたが何か?} 挙句の果てには2020年7月16日には渡辺明三冠との五番勝負を3勝1敗で制し、&color(#ff0000){&bold(){棋聖位を奪取。}} これは&color(#ff0000){&bold(){タイトル獲得最年少記録}}であり、竜王でこそないものの&bold(){高校生タイトルホルダーを現実の物にしてみせた。} &s(){そして作者の白鳥士郎は自身のツイッターの肩書きを&bold(){ノンフィクション作家}へと差し替えた} ちなみに、7月16日の棋聖戦の会場の関西将棋会館は何の因果か&color(#ff0000){&bold(){アニメ「りゅうおうのおしごと」の舞台となった場所であった。}} さらには作中では主人公は&bold(){初タイトル獲得後は研究されて大スランプに突入し、2つ目のタイトル挑戦まで1年以上経過}((竜王の初防衛戦を防衛した後に帝位戦に挑戦))しているのだが、&color(#ff0000){&bold(){藤井棋聖は棋聖位獲得後僅か35日で王位位までも奪取した。}} &bold(){と言うか作中の帝位=現実の王位戦……。} -&bold(){ソフトを超えた一手} 第31期竜王戦5組決勝、石田直裕五段と藤井七段の対局で76手目に藤井七段の打った手「7七同飛成」、渡辺明三冠と藤井七段の対決となった上述の棋聖戦第2局の58手目に藤井七段の打った手「3一銀」がよく語られる。 いずれの手も数多のプロ棋士をも困惑させる一手であり、将棋ソフトもこれを最善手として導き出すのには何億もの手を読まなければいけない((特に後者の「3一銀」に関しては「最新の将棋ソフトに6億手読ませたところで突如最善手に出てくる」というくらい「あり得ない」一手である。))。しかし藤井七段は前者の手を&bold(){ほぼノータイム}、後者の手に関しても&bold(){わずか23分}で導き出した。間違いなく&bold(){ソフトを超える一手}と言える。 なお、前者の手に関しては妙手を称える賞である升田幸三賞を受賞している。 -&bold(){長手数将棋の最長記録の更新} 2月27日に行われた中尾敏之五段と牧野光則五段の対局で、第1巻で行われた九頭竜八一と神鍋歩夢の対局での&bold(){総手数402手を上回る420手}という異例の長手数将棋となった。 しかも、&color(#ff0000){&bold(){この420手で決着が着かず持将棋(引き分け)}}となったため、30分休憩後の差し直し局にて100手で牧野氏の勝利となった。 決着が着くまで実に&bold(){約19時間}、壮絶な戦いが生まれてしまった…。 ちなみに、中尾五段にとってこの対局は、勝利すれば順位戦でC級2組に復帰できる一方、負ければ棋士人生の引退が一気に近づくため、「棋士人生を続けるために負けられない」というプレッシャーのかかった一局だった。 残念ながら、上述の通り中尾五段は指し直しの末敗退、結局ほどなく規定により強制引退となってしまった。 作者はこの対局後、ツイッターにて「今作の世界では、八一と歩夢の対局が402手で最長。絶対に超えられない設定を作ったはずなのに…」と述べている。 -&bold(){佐藤天彦[[名人>名人/順位戦(将棋)]]への挑戦者を決める第76期名人戦A級順位戦が、史上初の6人によるプレーオフ} 作者はツイッターにて「本編で実は級順位戦のプレーオフをやろうと思ってたんですよ…4人のプレーオフなんですけど…&bold(){ついに現実さんが先読みしてネタを潰しに来るし…}」と明かした。 -&bold(){竜王がタイトル100期をかけて名人に挑戦} 第76期A級順位戦および挑戦者決定プレーオフの結果、76期名人戦の挑戦者は羽生善治竜王となった。 羽生竜王はこれまでタイトル通算99期・名人通算9期で、この名人挑戦が通算100期目・永世名人(二週目)をかけたタイトル戦となる。 つまり&color(#ff0000){&bold(){竜王が名人に通算100期目と永世名人(二週目)をかけて挑戦}}するという、ちょうど作中の竜王戦とは逆の形となった。 これを受けて作者の白鳥士郎はツイッター上で[[ポルポル状態>あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!]]になった。 ちなみにスケジュール次第では、羽生竜王の公式戦通算1400勝も番勝負中に達成する可能性も。 →名人戦までに1399勝達成で王手 →→名人戦第1局で羽生竜王が勝利し1400勝達成しました。なんだこのふぃくsy…あ、ノンフィクションでしたね。 一応タイトル100期だけは2019年にタイトル戦不出場(何気に竜王初戴冠から初だったりする)だったのでセーフ。 →と思ってたら33期竜王戦挑戦者は&bold(){羽生善治}となった為、&color(#ff0000){&bold(){(永世)名人が竜王に通算100期目をかけて挑戦}}すると言う&bold(){より再現度を高めてのやり直し}が発生する事に。 } #openclose(show=藤井聡太氏に翻弄される白鳥先生苦難の歴史。){ 作者は本作を書くときに絶対に破られないと言われた記録2つを主人公が破るのはまずいと思い一つだけ破ることにした、その2つとは ・1987年当時26歳の神谷広志八段が打ち立てた28連勝。 ・1989年屋敷伸之九段の17歳10か月24日でタイトル挑戦最年少記録。 だがこの2つは前者は29連勝、後者は17歳10か月20日で藤井聡太氏一人によって破られている。 しかしこれはまだ序の口に過ぎなかった… 巻数にして13巻・歳月では5年も費やして主人公が2冠目に挑む激熱な展開を迎えた本作、だがそれを尻目に藤井聡太氏は棋聖を手にした&bold(){僅か35日後に王位を獲得し易々と2冠を達成。} これには作者も&bold(){「現実がラノベ作家に過酷すぎる」}とこぼしてしまった。 他にも数々の最年少記録や大記録を打ち立ててしまい、原作13巻では「&bold(){&color(#0000cd){現実に、}&color(#F54738){負けるな。}}」という煽り文句が載った帯が付けられてしまった…。 作者もついには開き直って&bold(){ノンフィクション作家}を名乗ってしまう。 それでも作者は&bold(){「現実に負けないよう、もっと面白い話を書くぞ!!!」}と意気込んでいた。 しかし15巻発売&bold(){6時間前}に&bold(){藤井聡太氏、三冠達成}と、現実に再び負けてしまう。 思わず白鳥先生も徹夜でブログを更新し&bold(){「ラノベ作家の敗戦記です。」}とTwitterで自虐する事態に…。 その2か月後には&bold(){無敗で竜王を獲得}((豊島九段は一時期は藤井九段の天敵とまで言われた人物でその彼がストレート負けで無冠になってしまった))、史上6人目にして最年少での4冠も達成してしまった。 作者もこの偉業をたたえつつも&bold(){「りゅうおうのおしごと! 完」} &bold(){「あまりにも現実離れしててフィクションの価値すら否定するのつらい」} &bold(){「藤井聡太という逸材の成長物語と凄い将棋を生で見れるのに、フィクションが存在する意味があるのか?」}と苦悩している。 それでも&bold(){「ラノベにはラノベの良さがあると思うのでそれを信じて書く」}ともコメントしている。%%自分で発破かけないとやってられないわな%% そして、2022年2月12日には王将戦をこれまた&bold(){無敗で制覇}。&bold(){史上初の10代での五冠}に作者も&bold(){「ここまで強すぎると将棋は本当にフィクションの題材にしづらくなるのでは…」}と頭を抱える程であった。 このように藤井九段が活躍するたびにかつて「現実味がない」「ラノベ特有のガバ設定」などと揶揄された本作は「また現実に負けた」「フィクションは小学生の弟子だけ」 「藤井九段には姉弟子はいても小学生の弟子はいないから負けてない」などと作者にはいつしか同情・憐みの声がかけられるようになった。 %%そして今後も藤井九段の活躍の度に作者は敗北は続いていくことだろう%% } *【&bold(){&sizex(5){☖あらすじ}}】 16歳にして将棋界の最強タイトルの一つである『竜王』の保持者となった九頭竜八一。 そんな彼の自宅に押しかけてきたのは、9歳の少女・雛鶴あい。 その目的は何と『弟子』にしてもらう事?? ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていた熱い想いを取り戻していく――。 「のうりん」の白鳥士郎が贈る笑えて、泣けて、アツくなるガチ将棋押しかけ内弟子コメディー、対局開始ッ!! *【&bold(){&sizex(5){☖登場人物}}】 ※声優は全員ドラマCD、テレビアニメ兼任。 登場人物の名字の多くは雛鶴峠や空峠など実際に存在する峠や山の名前からとられている。 **&bold(){&sizex(4){☗清滝一門}} &bold(){☗九頭竜八一}(くずりゅう やいち) 声-内田雄馬 &font(#cd2323,b,i){『竜王』} &s(){『ロリ王』} 本作の主人公。第1巻時点では16歳。段位は第1巻時点で八段のプロ棋士。第5巻で『名人』相手に竜王位を防衛し竜王在位2期の九段。第14巻で帝位のタイトルも獲得し、現在は竜王・帝位の二冠。 6歳で清滝九段の内弟子になり小学3年生の時に小学生名人戦優勝を飾り、史上4人目の中学生棋士としてプロ入り、16歳で[[竜王>竜王(将棋)]]位を取得した若き天才。 師である清滝九段曰く「将棋を終わらせる(将棋の必勝手順を探し当てる)かもしれない」というほどの逸材。 しかし、竜王取得後はそのプレッシャー((自分らしい将棋ではなく、「竜王らしい将棋を指す」と意識したことも一因。つまり、無様に食いついてでも勝とうとせず、敗色濃厚になるときれいな負け方を目指してしまう。))と他の棋士に研究され尽くしたことから連敗に連敗を重ねる、超大スランプに陥る。 そんな最中に弟子入りを希望して押しかけてきた少女、雛鶴あいと出会い、失いかけた熱意を取り戻していくとともに、紆余曲折を経てあいを内弟子として育てることになる。 中学在学中にプロ入りしたため、高校には進学せず、現在は関西将棋会館近くのアパートに一人で住んでいる(あいが同居してからは2人暮らし)。 基本的にはお人好しで誰に対しても優しく、特に弟子のあいにはかなり甘い。 あいの存在もあって調子を戻していくが、周囲から「新婚ブースト」と称されることも。 時には師匠としてあいや天衣に厳しく接することもあるほか、勝負師として厳しいリアリストな一面を見せることもある。 あいや天衣の師匠としては内心「自分に務まっているか」という葛藤がかなりあり、原作4巻での自分の誕生日におけるあい達からの感謝の言葉に感極まったり、 4巻限定版ドラマCDで、女性陣による余興の疑似告白で、あいから感謝の言葉を伝えられた際に号泣している。 容姿は水越澪から平凡と評されているものの、その将棋に対して真摯な人格や棋力などから彼に惚れている女性は多いが、 自己評価の低さや将棋以外にはとことん鈍いところも相まって女心にかなり疎い。 小学生の女の子2人を弟子にしていることや、弟子を含めてなにかと女子小学生と縁があることから、周囲やネットからは「ロリコン」扱いを受け、世間や将棋仲間から「ロリ王」と呼ばれている。 当の本人は一応、巨乳好き。7巻限定版ドラマCDによれば、昔からこっそり読んでいる愛読書は「[[To LOVEる -とらぶる-]]」とのこと。 しかし、まだ少女のシャルロット・イゾアールに対しては、彼女の天使っぷりに癒されて暴走する。 師匠の娘・桂香に思いを寄せてアプロ―チを続けているが、完全に弟扱い。 自業自得ながら、女心への疎さから姉弟子の銀子や弟子のあいから嫉妬を買いやすい女難体質。 前述のスランプ(やエゴサーチ)、調子に乗っていると敗北していることが多いゆえに自己評価は低いものの、 師匠の見立てと同じように周囲からは才能を恐れられている天才。 幼少時から、負けても大げさに悔しがるような子供というより、涙を流しながら夜遅くまで一人将棋盤と向き合っているような子供であり、小学生時代から定跡に囚われない指し方で周囲を驚かせていた。 彼を尊敬する若き将棋の天才である椚創多曰く「逆に定跡を学んでしまったために弱くなっていた」と言われているほど。 若い頃から定跡外れの手を指していたため、銀子などからは皮肉と羨望を込めて「変態将棋」と言われ、「将棋星人(=将棋に関しては人間じゃない)」などと評される。 棋士としては居飛車党で泥臭い力戦調の将棋が得意だったが、後に振り飛車も学び、オールラウンダーへの棋風改造を図る。 付け焼刃ながらもわずかな期間で振り飛車をものにする天才性を見せている。 #openclose(show=5巻では、永世七冠を目指す名人との竜王防衛戦に挑むこととなる。){ 名人との防衛戦では、自分の将棋に対する常識が打ち砕かれた感覚を覚え、加えて名人の永世七冠目前ということもあって世間からのバッシングも強くなり、 精神的にかなり疲弊してしまうが、桂香やあいの励ましや支えに気づき、スランプを脱する。 そのおかげもあって名人との棋戦もギリギリのところで逆転、防衛に成功する。防衛したことで竜王2期となり17歳という若さで最年少九段となる。 以降は、悪癖になっていたエゴサーチもある種の諦めがついて辞めたほか、 棋力が大幅にアップし、逆に脳内の将棋盤が消えずに気が付けば時間が大幅に過ぎていたりする副作用も起きてしまうほど。 コンピュータソフトも使いこなし、定跡から外れた手で周囲を驚愕させている。 それゆえプロ棋士たちからは名人のように恐れられている。 また、勝負師として弟子2人の師匠として厳しく接する、または厳しい現実を教える面にも苛烈さが増していき、山城桜花戦でのやり取りなどでそれらが見られる。 無論愛情も隔てなく与えており、天衣に「お父さんと一緒に将棋を指せたい」と彼女の父の筆跡を宿した駒を与えるなど無上の愛を注いでいる。 あいの通う学校で将棋を教える機会を得た際には、上手な話題によって児童達の関心を引いて取りまとめたりと、司会に立つ機会や解説に立つ機会も多いためそうしたトーク力もかなりのもの。&s(){女性関係の話題になった場合を除く。} インターネットでは『史上最強のロリコン』という新たなあだ名もつけられ、弟子の女の子についても、彼女たちをわずかな期間で女流棋士にまで育てていることから新たに「トップブリーダー」とも呼ばれている。 その指導力を期待され、9巻限定版ドラマCDにて、『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』を開いて賞品を「1位の女子は、あいをクビにして新たな内弟子にする」と(銀子が)したところ、多くの女流棋士の卵である少女たちが大会に参加した。 } #openclose(show=12巻では、帝位戦の挑戦者となり、於鬼頭曜帝位との番勝負に挑む。){ 12巻では、挑戦者決定戦で名人を下し挑戦者となる。 終始ソフトの最善手を繰り出す於鬼頭に押されていたが、封じ手からソフトを越える手を繰り出し後手番から先勝する。 この時八一が出した手は人間の力どころかソフトにはできない読みの判断力やな人間技じゃないとすら言われた誘導力、柔軟な発想性や弟子のあいをほうふつとさせる読みの速さをもって&bold(){&color(crimson,BLACK){ソフトを超え得る人類}}という才能を発揮させた。 ここで初めて、今まで頑なに明かされていなかった関東での八一のあだ名、 &bold(){&color(crimson,BLACK){西の魔王}}という異名が登場する((「魔王」のあだ名は現実の初代永世竜王(資格保有者)の渡辺明名人から来ているものと思われる。))。 前述の通り、14巻で帝位を奪取している。} 複数の棋士をモデルとしており「このライトノベルがすごい!2017」の取材で、 プロフィールは糸谷哲郎八段、棋風は山崎隆之八段、考え方は渡辺明名人と作者が答えている。 藤井聡太がモデルだと間違われがちだが、1巻刊行当時、彼はまだ%%めちゃくちゃ強いだけの%%奨励会員であった。 なお彼をモデルとしたと思われる人物は6巻から本格登場する。 作者は漫画版8巻あとがきにて、今作に対する当初の批判の一つとして「高校生竜王(八一)や小学生女流棋士(あい)なんてありえない」と言われていた((実際には中井広恵女流六段や藤田綾女流二段が11歳で女流棋士デビューしているため、小学生女流棋士自体は実例があるのだが))が、 藤井聡太の登場で逆に「リアリティがある」と評価が変わったと述べている。 &bold(){☗雛鶴あい}(ひなつる あい) 声-[[日高里菜]] &font(#ff00ff,b,i){『竜王の雛』} ヒロイン。第1巻時点では小学3年生で9歳(1巻は小3の春休みで2巻から小4。8巻時点で進級し小5)。 石川県の超老舗旅館「ひな鶴」の一人娘。 竜王戦の最終局がその旅館で行われたことがきっかけで八一に憧れ、長期休暇を利用して単身八一の家に押し掛けてきた。 八一自身は忘れていたが、竜王戦最終局面で疲労と緊張のあまり廊下で倒れていた八一に水を差しだしたことがあり、この際に「弟子にしてもらう(正確には“何でも言うことを聞いてもらう”)」約束を取り付けていた。 祖父は将棋好きだが母親が将棋嫌い(なおあいの母が将棋嫌いになったのはあいの祖父が将棋関連で散財したことと、&bold(){清滝を中心とする関西棋士たちの乱痴気騒ぎ})だったため、弟子入り前は祖父の残した詰将棋本による独学でしか勉強しておらず、第1巻時点では将棋を学び始めてから僅か3カ月しか経っていなかった。 にもかかわらず将棋図巧((正式名称:象棋百番奇巧圖式。江戸時代の名人候補、初代伊藤看寿が作った詰将棋集。多くの技巧を凝らした、今なお詰将棋集の最高傑作と呼ばれているもので、とくに「裸玉」「煙詰」「寿」の三題は神局と評される。))という全問解ければプロになれると言われるほどの詰将棋本をクリアし、平手(ハンデなし)で差した八一を打ち負かしかけるほどのとんでもない才能を持った逸材。詰将棋については師匠の八一を上回っている。 その圧倒的な読みの速さと抜群の記憶力から、終盤戦では無類の強さを発揮する。 八一がその才能に惚れ込んだことで、最終的には弟子として認められた。 旅館の跡取りとして厳しく躾けられたため、9歳という年齢に似合わず礼儀正しく、家事全般が得意。 一方で、母親譲りのこうと決めたら譲らない頑固な一面もある。 主人公の八一とは[[彼>一宮大志]]と[[彼女>千早恵]]くらい年が離れているが、幼いながらに一人の男性として好意を寄せており、八一が他の女性に気がある素振りを見せると嫉妬し、時にヤンデレな面を見せることもある((作者からもアニメ1話放映後にツイッターで「実は作中で一番ヤバい子」と言われている。))。 &color(silver){そしてあまりにも行き過ぎたのか、原作9巻限定版のドラマCDにて「ヤンデレチェック」をやることに…。果たして結果は…。} 将棋に関しては上記のように天才肌のため、女流棋士が多く参加するマイナビ予選では現役女流棋士相手に圧勝し((漫画版ではそれが強調され、内心「(並みの女流棋士は)弱すぎる」と手応えのなさを感じていた。))、感想戦にてその相手が完敗していたことを無自覚に指摘して相手に「二度負ける((勝負に負けた後、感想戦で完敗していたことを指摘されること。))」ことを感じさせたり、一般人相手の指導対局では、容赦のない天才肌の指導でさばき過ぎて切り捨ててしまうこともある。 #openclose(show=師である八一はなぜか序盤の定跡をあいにほとんど教えておらず、周囲からはそれがあいの「隙」だと指摘されているが…?){ 八一が目指したあいの棋士の姿、それは&bold(){終盤での大逆転特化型。} 八一が、あいに序盤での定跡を教えていないのは勿論わざと。 終盤での大逆転を目指すということはつまり、序盤ではリードせずに一度絶体絶命にならければならないということ。 あいの終盤での力を伸ばすため、そして終盤での絶体絶命の窮地から逆転する力を更に鍛え上げるために敢えて序盤を教えていなかった。 当然ながらあいにこのような教え方をした場合、極めて高確率で基礎すら出来ずに惨敗し、心が折れて天域の才能を使い潰すという言葉すら生ぬるい暴挙に他ならないだけでなく、&bold(){あいと対峙した棋士が敗北した場合、基礎すら出来ていない小学生に負けた}という事実により再起不能の傷を負わせる事と同義のため、この教育方針を拝聴した棋士からは悪鬼の所業にしか聞こえない。 しかし八一はこれについて「それ以上にあいの将棋を見て憧憬等を抱かせてくれるだろう」と、寧ろ期待に震えていた。当然ながらこの持論を語った関係者からは魔王を見る目で見られていた。 読者からはしばしばあいの勝率があまり高くないことが半分ネタ気味に挙げられていたが、これこそがその理由であり、八一にとってはそれすらも布石。 そして八一の打った布石とあいの才能は女流名跡戦予選決勝にてついに花開くこととなる。 } なお、彼女の母親から弟子入りを認めるにあたって一つの条件が出されている。 それは「&bold(){中学卒業までにあいがプロになれなかったら、彼女を引退させた上に八一は婿入りして旅館経営を学んでもらう}」というもの(八一自身は引退する必要なし)。 つまりどう転んでもあいには超おいしい条件を出してきたため、この話を聞いたときはすごくノリノリだった。  周囲にはあいの父親含め結構人がいたが「一緒に頑張りましょう(諦観)」「北陸からでも通える」などと言い、誰も止めなかった。 漫画版4巻の巻末インタビューでは、女流棋士になったとしても若い間に自由にさせてもらえた分、 家族や従業員への恩返しとして最終的には温泉旅館の跡を継がなければならないと考えていることを述べており、伴侶は婿養子になってくれる人がいいと答えている。 8巻時点で女流2級。10巻で女流初段(女流名跡リーグ入り)。15巻で女流二段(女流名跡リーグ制覇・挑戦権獲得)。 14巻で女流名跡リーグでの月夜見坂戦での敗北や当時の担任の勧めもあり八一の内弟子を解消し関東に移籍した。ひな鶴も東京に支店を出したこともあり当初は東京支店を拠点にしていたようだが、15巻でネット対局が縁で山刀伐の研究部屋に転がり込んだ。 明言はされていないが、おそらくモデルは小学生の時に内弟子として棋士宅に住み込んだ経歴を持ち、「女流王将」タイトルを獲得した元女流棋士の林葉直子。 &bold(){☗空銀子}(そら ぎんこ) 声-[[金元寿子]] &font(#cccccc,b,i){『浪速の白雪姫』} メインヒロイン。弟子入りの時期は2週間しか違わないが、八一の姉弟子。 第1巻時点で14歳。奨励会二段→6巻で三段に昇段。初登場時女王3期・女流玉座3期。9巻時点さらに女王を2期・女流玉座を1期防衛し合計9期となる。((女王は5連覇により永世女王の資格を取得。)) あまり詳細には触れられていない((11巻に詳細))が体がやや弱いようで、肌と髪の色が白く、屋外ではよく日傘をさしている。 2歳の時に将棋のルールを覚え((教えたのは主治医の明石圭))、4歳で清滝九段に弟子入りし、小学生名人戦を八一が優勝した翌年の2年生の時に優勝((その年の奨励会入会試験中に持病の発作が起きて最後の一手が指せず時間切れ負けによりこの年の試験に落ち、翌年3年生で奨励会入会))、 11歳の時に「女王」「女流玉座」の2つのタイトルを獲得し、「将棋の歴史の中でも最強の女性の一人」とまで言われるほどの実力者。 “プロ棋士”を目指しており、そのために“女流棋士”の資格を取らずに奨励会在籍のまま女流二冠となる。 女流棋士との公式戦では58戦無敗という圧倒的な強さを誇り(すなわちタイトル戦でも常にストレートで奪取・防衛している)、「黒星がついたことがない」ことから『浪速の白雪姫』の異名を持つ((名付け親は供御飯。月夜見坂共々八一に近づく「悪い虫」に名付けられたこともあり、この異名を嫌っている。))。 街を歩いているとサインを求められるほど一般にファンが多い。 性格は非常に負けん気が強く、勝気で頑固。桂香にのみ素直に心を開き、敬愛する女流棋士は釈迦堂里奈ぐらい。 八一に対しては強い好意を持っているが、その性格と口下手さが災いしてその好意を表に出せなかった。 八一が女心に疎いこともあり、そのいら立ちをしばしば八一にぶつけることから、八一はますます銀子の好意に気がつけないという悪循環に陥っている。 女流棋士ではなくプロ棋士を目指しているのも、プロ棋士である八一と対等な場所で戦いたいため。 しかしながら女流棋士としては歴代最強格ながらも、(男性も含む)プロ棋士には及ばない実力であると自覚しており、 それ故周囲・特に女流棋士達からは「&bold(){一切の隙がない絶対の存在}」と評価され嫉妬・畏怖されているのに対し、本人はコンプレックスが非常に強い。 将棋の天才である八一などの事はやっかみと羨望などを込めて「将棋星人」と例えている。 運よく奨励会三段へ昇格した後は、プロ棋士への思いが強くなり、命に代えてもプロ棋士になるという思いを強めている。 #openclose(show=10巻から12巻では、三段リーグで戦うことになる。){ 出だしは好調な成績を収めていたが、中盤戦で3連敗を喫し、心が折れた銀子は八一に縋った。八一は銀子を故郷の福井に連れていき、そこでようやくお互いの思いを交わしあった(が、正確には「三段リーグが終わるまで“封じ手”」) 福井でラブラブパワー(供御飯&月夜見坂が命名)を注入した銀子は挫けそうになりながらもその後は連勝を重ね、女性として初の四段昇段を決めた。} 恋敵であるあいとは顔を合わせるたびに張り合っている。 漫画版3巻の巻末インタビューでは、まだ内弟子になってからあまりなじめていない頃から清滝一門でよくサッカー観戦に行って少しずつ仲良くなっていったことが語られている。 現在もサッカー観戦をすることもあるが、その際はスター選手や女性選手のなでしこではなく、『監督の指示』が気になる、サッカーファンとしては変わったタイプ。 奨励会員かつ女流タイトルホルダーとしてのモデルは女王4期、女流王座4期の加藤桃子女流三段((2019年4月に奨励会初段で退会し女流三段としてデビューした))。なお、現時点で四段昇段を果たした女性はいない((2020年現在最もその地位に近い存在が西山朋佳三段(女流三冠を保持)…だったのだか、2021年4月に奨励会を退会してしまった。))。受けの棋風の描写が多くなる傾向があり、その点では「百折不撓」の揮毫で有名な木村一基九段等が棋風のモデルの一つになっているようだ((以上、12巻付録より補筆))。 &bold(){☗夜叉神天衣}(やしゃじん あい) 声–[[佐倉綾音]] &font(#ef0b0b,b,i){『神戸のシンデレラ』} 第2巻より登場した「もう一人のあい」。2007年12月10日生まれで初登場時点では9歳。あいと名前の音が同じなため、あいなどからは「&ruby(てん){天}ちゃん」と呼ばれている。 実家は将棋界を支援している大実業家。父親は元アマチュア名人で母親も元将棋部という将棋一家に生まれたが、両親とは数年前に事故で死別している。 そのため、「両親と唯一つながれるもの」として将棋の道を志す。 生前の父がすさまじい才能を見せた幼い頃の八一に惚れこんでおり、(おそらくは月光聖市の厚意で)当時奨励会員だった八一の棋譜を入手しており、父や母と共にその棋譜を並べて過ごしていた。 父は「棋士の才能が有ったのなら娘に八一の弟子になってもらいたい」と幼い頃の八一や娘に言っており、天衣は八一に似た棋風を身につけている。 元々月光門下になる予定だったが、月光の希望と「あいにはライバルが必要」と考えた八一の望みが一致し、八一が将棋の家庭教師として天衣の面倒を見ることに。 天衣自身、「師匠にはA級棋士かタイトルホルダー」と無理難題を言うことで、遠回しに八一を指名していた。 その後、八一自身が天衣の父との約束を思い出したことなどもあり、天衣が両親を失った悲しみを乗り越えていつかは笑顔を取り戻してほしいと思った八一が「&ruby(かぞく){師弟}になってほしい」と天衣を誘い、彼の正式な弟子となった。 両親の死後、祖父に引き取られるも甘やかされて育ったため、性格はプライドが高く、傲岸不遜で高飛車。 基本的に周囲の人間を見下しており、目上の人間にすら敬語を使わずに息を吐くように他人の悪口を言うなど性格はきつめ。 これらは両親の死後に気丈にふるまうべく形成されたいわゆる『ツンデレ』の面もあり、師匠である八一や姉妹弟子であるあいのことを気遣ったり、 指導対局の際には、意外にも丁寧かつ褒め上手な指導で、&s(){彼女の罵倒目当てで訪れた}お客を笑顔にさせている。 前述の高飛車な面も、天狗の鼻を折られて痛い目にあって反省したり、負けられない対局であえて傲慢な態度をとることで相手を挑発して頭に血を登らせてペースを崩させるために使ったりと成長してきている。 終盤の攻めの強さを武器とするあいに対して、序盤戦術から繰り広げる緻密な守りと、対局相手の事前研究、そして賭け将棋道場仕込みの盤外戦術を武器に女性奨励会員やタイトル保持者にも引けを取らない戦いぶりを発揮する。 あいからはライバルとして認められ憧れられている一方で、天衣の方は長年地道に続けた自分と違って将棋をはじめてわずか数ヶ月で自分に比肩するまでに成長したあいの天才性に脅威や羨望を感じてもいる。 #openclose(show=誕生日の差もあってあいを超えて、10歳0ヶ月という史上最年少でマイナビ本選ベスト8に入っての女流2級ということで、マスコミにも注目されて『神戸のシンデレラ』とあだ名をつけられた。){ マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦に進出しており、8巻時点で女流初段。 9巻では供御飯万智を上記挑決で下し女流二段。空銀子との5番勝負に挑むも3戦3敗1千日手指し直しでタイトル獲得はならなかったものの、人間的に大きく成長する結果となった。 銀子との対局の最中に自信を喪失してしまうが、八一が自分の両親の墓前にて天衣の棋譜をいつも報告してくれていたことを知り、 八一が公式の対局でわざわざ独特な手を指して「自分の将棋を信じること」「天衣一人のために今日は指した」とメッセージを送ったことで、自分を信じ、支え続けてくれている八一の存在に改めて気づく。 父と学んだ八一の将棋を通じて育んだ自分の将棋を信じてスランプを脱し、同時に八一への恋心を自覚した。 12巻では八一争奪戦に名乗りを上げた。14巻であいが九頭竜の内弟子を解消し関東に移籍したことを受け、九頭竜のアパートを買取り再開発を名目に取り壊し、神戸の自社物件を売りつけ(約4億!)そこに住むようになった。} 番外編『関ケ原人間将棋(リハ)』では&bold(){歴女}と判明。 [[大谷吉継>大谷吉継(戦国武将)]]を「様」づけで呼ぶほどに敬愛している(ただしその反動で[[徳川家康>徳川家康(戦国武将)]]に殺意を向けていたり、[[石田三成>石田三成(戦国武将)]]との友情を衆道扱いして不純な目で見ると激怒する)((薄い本の影響を受け過ぎた綾乃がこの友情を熱く語った際、「あの薄汚い眼鏡を討ち取れ」、「攻め潰して首実検する」などと発言するほどである。))。 天衣という名前は、現将棋連盟会長 佐藤康光九段の棋風およびよく揮毫する言葉『天衣無縫』から取られている。 「神戸のシンデレラ」の異名のモデルはアマチュアとしてマイナビ女子オープンに参加し、一気に挑戦者にまでなった長谷川優貴女流二段からだと思われる。 &bold(){☗清滝桂香}(きよたき けいか) 声-[[茅野愛衣]] 八一と銀子の師である清滝鋼介九段の一人娘。第1巻時点では25歳。 優しく、懐の深い性格で、八一と銀子に非常に慕われている。 八一にしばしばアプローチされているが、桂香はそのことには気がついていない。 一方で本格的に将棋の道を歩み始めたのは高校の時のため、弟子としては2人の妹弟子に当たる。 研修会C2に所属しており、女流棋士となるため将棋に向き合い続けている。 #openclose(show=しかし、ここ最近は結果を出すことができず、女流棋士資格取得の年齢制限が迫っていることに焦りを覚えている。){ 母の死後の少女時代、将棋しか知らない父が娘に『生きる術』として将棋を教えようとするも、要領が良くなかった彼女はあまり覚えられず、父の厳しい指導に反発。 将棋を離れ、それでも父の将棋道場の手伝いなどはしていたが、高校時代、父が銀子や八一を内弟子にしたことで、 同性である銀子を「父にとって自慢できない自分に代わる娘」と考えることもあった(父としては「娘が寂しいかと思って」という無茶苦茶不器用な親心だった)。 将棋の天才でお客からも褒められる銀子に、嫉妬や劣等感ゆえに憎しみの目を向けたこともあったが、 将棋しか知らない銀子が純粋に自分を慕っていることに気づき、銀子に嫉妬していた自分を恥じると共に、銀子の大好きな将棋への嫌悪感が薄らぎ、高校時代に改めて女流棋士になることを志した。 年齢制限が迫り、スランプに陥りかけたこともあったが、あいとの対局や10歳だった自分が未来の自分へ送った手紙を読む中で、「将棋が好き」という思いを再確認。 その後、マイナビ本選一回戦を突破し、ひとまずは女流棋士の3級になることができた。 ただし、2年以内に2級に昇級しなければならないためまだ安泰ではない。 } 彼女は、作者曰く「もっとも書きたかったテーマ」「私のすべてを背負ってもらった」というほど思い入れの深いキャラだという。 &bold(){☗清滝鋼介(清滝九段)}(きよたき こうすけ) 声-[[関俊彦]] 八一・銀子の師匠。段位は九段。 タイトル獲得経験はないが、名人挑戦経験が2回ある(つまり名人を除くプロ棋士上位10人によるAクラスのリーグを勝ち抜き一位になったことが2回もある)実力者。 将棋が絡むと「八一の竜王奪取記念に旅館で裸踊り」「八一に負けた腹いせに将棋会館の窓から放尿」など奇行をすることもあるが((当然ながら、アニメ版では奇行シーンはカットされた))、普段は割と常識人。 ちなみに将棋会館の窓から放尿(実際は未遂)や裸踊りは米長邦雄永世棋聖((内弟子2人が気が強い姉弟子と天才の弟弟子という組み合わせも米長門下の林葉直子と先崎学を彷彿とさせる。))の&font(#ff0000){実話}。 八一・銀子にはかなり尊敬されており、八一があいの育て方について師匠の清滝と同じ道を歩めていたことを知った時に涙を流すほど。 また、孫弟子であるあいのことは実の孫のように可愛がっている。 かつてから、割に合わないゆえ他の棋士が避けがちな地方を回る普及活動を積極的に手伝っていた変わり者であり、その中で八一や銀子と知り合った。 当時天狗になっていた八一は、「手加減して接戦を演じ勝利した」清滝鋼介の技量にほれ込み、彼の追っかけとなった末に、清滝から誘われる形で内弟子に。 銀子は「将棋で負けたことへの復讐戦のために4歳の段階で何度も清滝のもとを訪れたために」内弟子となった。 #openclose(show=ソーシャルゲームに課金し、娘に注意される今時な一面も持つが…。){ そういった「[[○○(仮)>ガールフレンド(仮)]]」「[[○ンデレラガールズ>アイドルマスター シンデレラガールズ]]」と思しき[[ソシャゲ>ソーシャルゲーム]]に[[課金>課金(ソーシャルゲーム)]]するまでハマってしまったのは、自分の棋力が伸び悩んでしまったため。 結果の思うように出せなくなった自分の先輩達が株やギャンブルにはまるも、当然立ち直れずに消えていったように、 図らずも自身はそうした自覚なく、手軽に高揚感の味わえるソシャゲに対してハマってしまった。 要するに&bold(){現実逃避}。 加えて、弟子である八一が名人との竜王防衛戦に勝利したこともあって、 「自分の誇りであった名人への挑戦とは、いわば2回敗北しただけではないか」「タイトルをとれなかった自分は何なのか」と薄々思うようになってしまい、 自分のプライドや行き詰まりもあって焦燥感や苛立ちを覚え、原作7巻では公式試合で単純なミスで敗北してしまうなど、精神的に不安定になってしまう。 その状況を自分なりに打破しようと一門における勉強会を画策しようとしたり、奨励会の若者たちに関わろうとするが、 パソコンなどに詳しくないゆえに最新の研究を知らず時代遅れの戦法を弟子達に教えようとしたり、 最新の研究もほとんど知らないのにもかかわらず奨励会の若者達に対してプライドゆえに無自覚に上から目線となってしまいあしらわれてしまう。 それでようやく自分が名誉心に凝り固まって停滞していたこと、他の道を捨て、ただひたすらにプロ棋士を目指す奨励会員たちの持つ、自分の忘れていた情熱や執念、覚悟に気づき猛省。 自分の初心を思い出して一から出直すことを決意し、50代ながらも奨励会の若者たちに頭を下げて教えを請い、彼らと共に研究会を開始。 そうして始めた研究会は、後に『清滝道場』の名で伝説となる。 } **&bold(){&sizex(4){☗棋士}} &bold(){☗月光聖市}(つきみつ せいいち) 声-[[速水奨]] 日本将棋連盟会長でもある棋士。十七世永世名人(襲名予定)。 史上2人目の中学生棋士としてデビューし、A級通算32期以上、タイトル獲得27期のトッププロ。 20代で大病を患い失明したにもかかわらず、未だに超一流の実力を持つ。 常に最短手数で詰みを見切り、現代将棋の基礎をたった一人で築き上げたといわれるほどの天才。 清滝鋼介にとっては兄弟子にあたり、八一にとっては師になる可能性もあった縁ある人物。 かつて現役名人だった時に、アマ名人だった天衣の父親と角落ちの記念対局をしており、その縁で天衣を門下に入れたが、ある事情から彼女を八一に預ける。 普段は穏やかだが、八一の女性関係をからかって遊ぶ茶目っ気も持つ関西人。 明言はされていないが、おそらくモデルとなったのは、盲目になってもなお将棋を指し続けた将棋棋士の西本馨七段、もしくは江戸時代の盲目棋士の石田検校。 その他のプロフィールや棋風は完全に谷川浩司九段。 &bold(){☗神鍋歩夢}(かんなべ あゆむ) 声-[[岡本信彦]] 八一と幼少時から競ってきたライバル。第1巻時点で18歳。段位は六段。15巻でB級1組を1期抜けしA級八段に昇段。 八一が竜王のタイトルを取ってからはさらに八一と張り合うようになる。「次世代の名人」と謳われる実力者であり、八一と対等に研究会も行えるほど。 若手のホープとしてタイトル挑戦者決定戦にしばしば名を連ねているが、自らを「ゴッドコルドレン」、八一を「ドラゲキン(ドラゴンキング)」などと呼び、常にマントを身に着けた重度の中二病患者でもある。 なお、実家は東京下町の豆腐屋である。 順位戦、ひいては名人位が今以上に重視されていた師匠の指導により順位戦のC級2組・C級1組を全勝で昇級している。 趣味は[[カードファイト!!●ァンガード>カードファイト!!ヴァンガード(TCG)]]。そちらの腕前もプロ級。 師匠は釈迦堂里奈。師匠とはかなり年の差があるが、師匠に対して尊敬の念以上のものを抱いている。 明言はされていないが、モデルとなったのは、マントを愛用し「貴族」のニックネームを持つ、佐藤天彦九段((叡王戦本戦進出者インタビューで本人に白状))。 また、中の人も将棋はかなり強く、将棋電王戦でナレーションをしている。 &bold(){☗生石充}(おいし みつる) 声-興津和幸 &font(#15c815,b,i){『捌きの&ruby(マエストロ){巨匠}』} 玉将の現役のタイトルホルダー(9巻の玉将戦で失冠)。段位は九段。 圧倒的に居飛車党の多いプロ棋士の中、振り飛車を貫く大の振り飛車党で、振り飛車党唯一のタイトル保持者であることから、将棋界では「振り飛車党総裁」「捌きの巨匠」の異名をもつ。 性格はかなり芸術肌。振り飛車を感覚で捉えている。 「ゴキゲンの湯」という銭湯を経営しており、2階の将棋道場には振り飛車党の将棋指し達が集う。 そこを訪れた八一に請われ、八一とあいに振り飛車の指導を行った。 娘の飛鳥(八一と同年齢)は銭湯を手伝っており、娘にはかなり親バカ。 娘にはあまり将棋の才がないと見抜いてから、厳しい将棋の道に入ることをあえて認めなかったり、 娘が将棋の修行をすることを認めてからも、娘と距離が近い八一に「交際は八一が永世竜王になったら認める」と言っている。 #openclose(show=名人と八一の対局以降、2018年初春での於鬼頭曜との対局では完敗を喫している。){ 於鬼頭への勝ち目が一切見つけられず、名人との対局を通じて急成長を遂げた八一に相談。 八一からコンピュータを用いた研究を勧められた結果、振り飛車を捨てるに至る。 しかし、帝位戦二次予選で公式初手合となった九頭竜八一との対局で八一が振り飛車を繰り出し激戦の末に八一に敗北。 八一が「敗北を経験したとしても、想像し、拘り、自分の世界を持てることが『人間の強さ』」「自分の世界を持って進んでいくと、コンピュータの読みでは見えない世界が見えてくる」と言われたことで、 「連敗し勝利にこだわってコンピュータの評価値ばかり気にするようになっていた」「名人から奪ったタイトルの死守にこだわって振り飛車を捨てても意味はない」と気付き、玉将戦最終番勝負にて於鬼頭曜に敗れ失冠。 } モデルは振り飛車党で「捌きのアーティスト」の異名を持ち、「棋王」「王将」のタイトル経験を持つ久保利明九段((「文春オンライン」でのインタビュー記事で、久保本人も生石のファンであると公言し、インタビュアーの白鳥も恐縮していた。))。ここまで現実をなぞらなくてもよいのだが本作品が刊行中に「王将」位を失陥。A級からも陥落しB級1組在籍。 ただ、発言内容は久保とともに振り飛車党御三家と呼ばれ、竜王経験もある藤井猛九段のオマージュも多い。 なお、「ジャズ好き」の設定は「ゴキゲン中飛車」創始者の近藤正和六段から着想を得たそうだ。 &bold(){☗於鬼頭曜}(おきと よう) 帝位のタイトルを持つタイトルホルダー。 長身痩躯で無口。 現名人の次に将棋界の覇権を握るとすら言われる天才中の天才だが、 「コンピュータ将棋に負けた初めてのプロ棋士」でもあり、当時は大バッシングを受けて自殺しようとするほど追い詰められた。 それゆえ「タイトルもA級の地位も失い、命すらも失いかけた」というほどのことがあったものの、 一番最初にソフト研究を始めた人物でもあり、ソフトに似た指し方を習得することで返り咲いている。 玉将戦で生石充玉将との番勝負に打ち勝ち2冠となる。 12巻では八一を相手に帝位防衛戦を戦うことになり、ソフトの特徴を意識した対策で挑むが、進化を続ける八一に手が付けられなくなり、2勝4敗で失冠、玉将のタイトル1冠のみとなった。 &bold(){☗山刀伐尽}(なたぎり じん) 声-津田健次郎 &font(#f1c232,b,i){『&ruby(オールラウンダー){両刀使い}』} A級棋士の一人。段位は八段。 将棋界有数の研究家で居飛車・振り飛車、受け・攻めどちらも指しこなすオールラウンダー。ついた異名は“両刀使い”。 同期の生石からは「同期で一番才能がない」と言われるが「しかし誰よりも研究熱心で人生の全てを将棋に捧げている」と評しており、 敗北を何度も繰り返しながらも研究を繰り返して才能の無さを補ってきた努力家。 その研究熱心さから名人の研究パートナーに選ばれ、一局指すだけでおかしくなると言われる名人の傍で将棋を研究し続ける事の出来る異常な人。 生石は彼のことを「名人の下位互換」とある意味誉め言葉で評している。 八一のデビュー戦の相手であり、この時に惨敗した八一は「棋士をやめる」と宣言するほどのショックを味わわされている。 さらに竜王のタイトルを取った直後に八一をコテンパンに倒して11連敗の原因の一つを作った。 また対局中に何故かオネエ口調になり、八一は色々な意味で彼を苦手としている。 因みに自身のデビュー戦は女流棋士相手に敗北、その次の対局もアマチュアに敗北と、そのプロとしての情けなさは当時将棋ファンから散々批判された。 ちなみにあっちの意味でも“両刀使い”の疑惑がある。 美人の女性には一切手を出さず、八一やイケメンの若手棋士に近寄る姿勢から性癖は…。 一部の発言は深浦康市九段(既婚者)のものをオマージュしてる。 14巻末で八一の元を離れたあいは山刀伐を頼って彼の研究部屋(=鹿路庭珠代の下宿(?)先)に転がり込むこととなる。 &bold(){☗蔵王達雄} &font(#994c00,i,b){『ナニワの&ruby(ドン){帝王}』} 日本将棋連盟関西本部総裁。段位は九段。 清滝の師匠の兄弟子に当たる人物で、現役棋士としては最年長の80歳。 タイトル獲得やA級在籍経験を持つ名棋士で、歌手やプロレス解説者としても活躍していたという異色の経歴を持つ。詰め将棋作家としても有名。 若い頃は、圧倒的な力で君臨していた当時の名人と数々の死闘を繰り広げ、関西でただ一人のタイトルホルダーとして関西棋界を守り続けた偉人。 そもそも『関西本部総裁』なる役職も蔵王九段の為だけに作られた終身名誉職で、この一点だけでもどれだけ彼が関西棋界に貢献してきたかが分かる。 しかし、老雄も寄る年波には勝てず、近く引退することになっていた。 そして7巻にて彼にとって最後となる公式戦で八一と対戦。 名人との竜王戦後、連勝を続け勢いに乗る八一に経験の差で見事に勝利し有終の美を飾り引退した。 明言されていないが、おそらくモデルとなっているのは二上「達」也 + 内藤國「雄」 。((共通する点は世代を代表する大棋士・詰将棋作家・大人物として知られることと、40代後半以降のタイトル経験。前者は元連盟会長で、大山康晴と幾度もタイトルを争った。ちなみに羽生善治の師匠。後者は関西棋界の立役者・守り神にして禁じ手レベルの酒豪。プロレス解説者と年齢を除けばほぼ経歴は一致。ちなみに氏の代表曲「おゆき」はミリオンヒットソングと言われている。)) &bold(){☗名人} 声-[[井上和彦]] &font(#ef0b0b,b,i){『“神”』} 現名人。本名不明。通称『[[名前を言ってはいけないあの名人>名前を言ってはいけないあの人]]』。 名人の他、玉座・盤王・棋帝の計4つのタイトルの現在の保持者。七冠を達成したこともあり、タイトル獲得99期・棋戦優勝44回・永世六冠を誇る。 彼と戦ったものはみな「名人の中に自分には絶対にさせない手をみる」と言われており、その恐るべき実力から棋士たちからは「神」とすら呼ばれている。 そのあまりの強さから「負ければ一かけらの希望すら打ち砕かれる」「心に『絶望』と『諦め』を注ぎ込まれる」とまで言われている。 竜王戦の挑戦者決定戦で歩夢を下し、100期目のタイトルと永世七冠をかけ、「最強の挑戦者」として八一の前に立ちはだかる。 11巻で名人を防衛し通算100期を達成。 歩夢との将棋の内容やプロフィールから[[とある棋士>羽生善治]]を強くイメージ((原作ではその顔が描かれていなかったが、アニメ最終話にて初めて公開された。最終話放送後、ツイッターにて原作イラスト担当のしらび氏が、「名人の顔を似せるつもりはなかったんだけど、羽生みには勝てなかったんだなって…」とツイートしている。))させるように書かれている。 **&bold(){&sizex(4){☗奨励会}} &bold(){☗鏡州飛馬}(かがみず ひうま) 三段。プロ棋士になるための年齢制限ギリギリのもう後がない29歳。 八一が奨励会に入った頃から既に三段で、奨励会における礼儀作法・記録の取り方をはじめ色々と八一や多くの若手棋士は彼から教わっており、色々と世話になっている。 新人戦(モデルは新人王戦)で優勝するなど八一からも認められる実力はあるものの、運などの悪さも災いしプロ棋士になれず、勝ち越し延長の期限も切れ退会することになった。 しかし、その人柄の良さもあって多くの奨励会員が彼のことを見習い慕っている。 モデルはおそらく三段時代から新人王戦で優勝したり、冠戦法を編み出したりしていた都成竜馬七段。 &bold(){☗椚創多}(くぬぎ そうた) 初段(4巻((棋帝戦第三局記録係。))時点)→二段→三段。12巻で銀子と同時昇段でプロ入り(予定)。2007年生まれの11歳、小5ショタ。史上5人目の中学生棋士はおろか初の小学生プロ棋士の期待もかかる天才小学生。 初段に昇段してから銀子との対局まで全勝しており、一度三段への昇段を運悪く銀子に阻止されるが、原作7巻の段階で既にこともなく上った。 普段は傲慢不遜な天衣すら「化け物」と呼ぶほどの才能の持ち主。 コンピュータ世代の申し子ともいえるような少年であり、 脳内将棋盤ではなく符号で処理しており、地球人ではない将棋星人どころか生き物ですらないコンピュータだと銀子を戦慄させた。 コンピュータにも精通し、彼にとってWi-Fiも使えないのは[[まるで島根県のような感覚>デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!]]。 鏡州のことを尊敬している他、定跡に囚われない将棋を指している八一の才能を見抜き、敬愛している。 あいが来る前は、八一のアパートで鏡州と共に将棋を夜通し指したり馬鹿話に花を咲かせていたこともあった。 その八一への敬愛は少々怪しいレベルに達しており、彼に厳しい言葉をかけられようものなら顔を赤らめて「♡♡♡ッ!」となってしまう。 モチーフは、執筆当時恐ろしく強い奨励会員だった藤井聡太。 &bold(){☗辛香将司}(からこ しょうじ) 生石充の奨励会員時代のかつての同期。しかし、過酷な三段リーグを抜けてプロ棋士になることができず退会していたが編入試験で奨励会三段に出戻った。 老獪な盤外戦術を用いる。 すでに何万手以上も計算が可能になったコンピュータソフトを信奉・絶対視しており、人間同士による将棋の研究を完全に侮蔑している。   #openclose(show=かつての奨励会退会後、様々な職場を転々としていたらしいが…。){ 彼が経験したのは、「慕ってくれる人が目の前で死んでいく場面」という奨励会以上の地獄。 その中で奨励会編入に挑むきっかけになったのが銀子の存在であった(つまり、銀子の主治医だった明石が勤めている病院に下請け業者の従業員として出入りしていたことがある)。 } モデルは、奨励会退会後にプロ編入試験を受けて合格した瀬川晶司六段と今泉健司五段だと思われる。((辛香が登場した時点でプロ編入試験を合格していたのはこの二人のみ。後に折田翔吾四段も編入している。)) 特に今泉五段は、奨励会を年齢制限で退会→三段リーグ編入→四期規定で退会→プロ編入試験という過程を経て41歳でプロ棋士になっている。 &bold(){☗登龍花蓮}(のぼりょう かれん) 2級→1級→初段→二段。関東奨励会所属の女性奨励会員。銀子より2歳上だが、銀子の事を尊敬しており、奨励会に入ったのも彼女への憧れからだった。 銀子同様、プロ棋士を目指しており、女流棋士の事は「アマチュア」と見下していた。4巻より開幕したマイナビ女子オープンにて奨励会2級の立場で出場。天衣と対局するも、彼女の盤外戦術に翻弄され完敗。その後、天衣と銀子の女王戦第三局で彼女が見せた将棋を見て女流棋士への認識を改めた。 本分である奨励会では順調に昇級・昇段しており、12巻で女性では銀子以来2人目の有段者となる。そこで三段リーグ最終局を戦う直前の銀子と対面し、女性であるがゆえに奨励会で居場所が少ない事を理解する身として「女性奨励会員の意地を見せて下さい」とエールを送った。 &bold(){☗神鍋馬莉愛}(かんなべ まりあ) 10巻で登場。歩夢の妹で小学生名人。 釈迦堂をマスターと呼び慕っていたが、釈迦堂からは弟子入りを認められていなかった。 大阪で行われる将棋大会に参加申し込みするため大阪を訪れるも、財布を落とし無一文になってしまったため八一の家を訪れる。 『なにわ玉将戦』では準決勝で綾乃に勝利するものの、決勝戦で澪の奮戦を前にして激情をむき出しにしながら敗北。 敗北を知り涙を流すが、それでもなお闘い続けることを選んだため、釈迦堂から正式に弟子入りを認められ、「&ruby(セイトコス){将棋生神女}マリア」の二つ名を与えられた。 12巻で奨励会を受験。実力を十全に発揮し、二次試験全勝で合格、関東奨励会に入った。 **&bold(){&sizex(4){☗女流棋士}} &bold(){☗釈迦堂里奈}(しゃかんど りな) 声-[[大原さやか]] &font(#f7f719,b,i){『&ruby(エターナルクイーン){永遠の女王}』} 女流名跡のタイトルホルダーで女流棋士会会長。 歩夢の師匠で、この弟子にしてこの師ありな中二病的な発言をのぞかせることも。 片足が不自由であるというハンデを抱えながらも女流四タイトルの永世位を獲得し、 一時は全冠独占も達成したことから「永遠の女王」と呼ばれており、その実力は銀子と渡り合えるほど。 非公式戦なら、銀子の傍に八一がいるという『番外戦術』で銀子の気をそらし完勝したこともある。 実力の至らないことなどからバカにされることも多い女流棋士の中で、足が不自由で正座もできないというハンデを抱えながらも、 心を折らずに女流棋士の地位向上に努めてきた。 その人格もあって、桂香や銀子のあこがれの人物でもある。 銀子の才能を誰よりも認めており、彼女が女性初のプロ棋士になることを期待している。 また、原宿にブティックを構える一流デザイナーとしての顔も持っている。銀子に着せたい服をイメージするようになってから評価が急上昇したとのこと。 明言はされていないが、おそらくモデルはタイトル通算43期、女流四冠独占を達成し4つの永世称号を持つ清水市代女流七段。 &bold(){☗月夜見坂燎}(つきよみざか りょう) 声-Machiko &font(#e06666,b,i){『攻める大天使』} 女流玉将のタイトルホルダー。 小学校5年生のときに小学生名人戦の決勝で八一に敗北して以来、八一と公式戦で再戦することを目指している。 異性としての好意は不明だが、八一に長年執着してきたのは事実であり、 今もわざわざ関東から関西の将棋連盟の棋士室に訪れては、友人の万智と共に八一をからかったり遊んだりしているほか、 対局の場で八一と会話するだけでかなり調子をよくするほど(記者会見では「八一と遊んだ」ことをわざと意味深に言って八一を青ざめさせている)。 超攻撃的な将棋や早指しが得意で、「攻める大天使」の異名を持つ。 その将棋は地道な研究のおかげで読みを省略できるゆえに感覚で指せるためものである、時には穴熊を使う奇策に出ることもある。 しかしながら銀子には及ばず、しかも万智と共に八一と度々遊んでいることもあり、 銀子との勝負では(銀子自身の嫉妬及び威嚇も重なって)徹底的に叩きのめされ、辛酸をなめさせられている。 一方で三段リーグで東京・将棋会館で指す際に居場所のない(アウェイかつ唯一の女性)銀子に将棋会館の「女流棋士室」を使わせたり、銀子の三段リーグ最終局終了に間に合うよう、同じ都内で帝位戦を指していた八一を(比較的早くに終局したため、かっ飛ばせば間に合う時間だった)将棋会館にバイクで送り届けるなど、ここぞという場面で八一・銀子を応援するような行動をとったりもしている。 ヤンキー口調でしゃべり、普段の態度もオラついている立派な元不良。 単車を無免で乗り回していたと思しき過去があったり、パトカーの音にも敏感。 異名のモデルはおそらく山口恵梨子女流二段の「攻める大和撫子」。 &bold(){☗供御飯万智}(くぐい まち) 声-千本木彩花 &font(#f1539d,b,i){『嬲り殺しの万智』} 山城桜花のタイトルホルダー((8巻で山城桜花5連覇を達成して永世称号である「クイーン山城桜花」の資格を取得。))。 際立った才能こそ持っていないものの、それゆえに隙のない堅実な将棋を指し、穴熊囲いを得意とし愛用する。 徹底的な防御で相手の攻めを防いで叩き潰すことから「嬲り殺しの万智」と呼ばれる。 京都出身で、京言葉で話をする。実家は公家であるらしく、正月には皇居らしき場所で過ごすことも。 腐女子の一面も持つ。 燎とは仲が良く、単行本のエピローグ「感想戦」では、毎回八一と月夜見坂・供御飯の3人の絡みとなるのが恒例になっている。 JS研の貞任綾乃は妹弟子。 小学生5年生の時に小学生名人戦(この時準決勝で燎に敗れている)の決勝で八一が見せた独創的な将棋に魅了されて以来、八一にこだわるようになる。 しかし、表向きはそんな素振りをあまり見せず、わざわざ京都から関西の将棋連盟の棋士室に訪れて八一を月夜見坂と共にからかったり、 免許もとって車も購入した際も八一をドライブに誘うときには緊張するからと彼に助手席に座ってもらうのは拒否したり、月夜見坂も誘ってしまうなど、 意外にも長年告白できないでいる奥手でヘタレな所もある。 八一に対しては、&s(){独占欲や嫉妬心の強い誰かさんらと違って}側に置いてもらえたら嬉しいと思っている。 が、14巻で銀子が入院したこともあり、15巻では封印していた想いを解き放ち勝負手に出る。 現在も、実家は公家ゆえに両親からは一般人との結婚などを勧められながら、それに従わず女流棋士などを続けている。 八一に対する情念は、あいの母ですら(娘の&ruby(ライバル){恋敵}として)警戒しているほど。 #openclose(show=また、女流棋士以外にもあるもう一つの顔を持つ。){ &bold(){鵠(くぐい)} 供御飯が将棋の観戦記者を務める際のペンネーム。 棋士としての自分の実力では八一とは並び立てないと感じた万智が、棋士以外の方法で誰よりも八一を近くで見るために選んだもう一つの仕事。 天衣は「八一の追っかけ」と称しており、実際、八一がマイナビ女子オープンのチャレンジマッチの保護者として東京に赴いた際もしれっと仕事の名目で自分も来ており、 わざわざ来た理由を八一に聞かれた際にはごく自然に「好きなので」と、「何が」を言わずに答えている。 漫画版巻末のおまけコーナーのインタビューも担当している。 } &bold(){☗祭神雷}(さいのかみ いか) 声-[[戸松遥]] &font(#ffd966,b,i){『捌きのイカヅチ』} 女流帝位のタイトルホルダー。 振り飛車を得意としており『捌きのイカヅチ』の異名を持つ。ちなみに笑い方は「ヒヒヒヒヒ」とかなり不気味。 八一と同い年の17歳(初登場時)で岩手県出身。 9巻限定版ドラマCD『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』にて、誕生日が4月9日と判明。 ただひたすらに強い者との試合を追い求めるバトルマニアで、他者を全く顧みないエゴイスト。 相手が強ければ強いほど実力を発揮するタイプで、故にプロ棋士との対戦成績が抜群によく、特例でのプロ編入も検討された事があるものの、格下相手にはやる気が出ず実力を発揮できずに敗北することもあるなどムラっ気が強い。 ファンからは『[[イカちゃん>イカ娘]]』という可愛らしい愛称で呼ばれているが、八一に言わせると『&bold(){怪物、もののけの類い}』。 弱い相手に対しては、挑発を繰り返すなどその対局姿勢は最悪だが、ファンからは『これを見に来た』と言われるほど人気。 八一とはネット将棋で知り合って、お互いが奨励会員と女流棋士と知ると、カラオケルームや喫茶店などでしばしば会って将棋を指していた(9巻限定版ドラマCDによると、八一は彼女の誕生日を電話で祝ったこともあったという)。 しかし、次第に八一の強さに狂的なまでの執着心を見せ始め、&font(red,b){全裸}で八一のアパートに押し掛けるなどストーカー行為を行うようになったため、 それに恐れをなした八一から頼まれた師匠や将棋連盟によって八一との接触を差し止められた。 &color(silver){%%「何ですかその人!いきなりししょーのお部屋に裸で押し掛けるなんて!変態さんじゃないですか!」by雛鶴あい%%} 銀子に引けを取らない実力を持ち、才能だけなら銀子以上と評価されているが、その性格や過去から、釈迦堂や八一には才能は認められていながらも、ひどく疎まれている。 釈迦堂は彼女が頂点をとった場合、棋士たちの気品や精神性が意味を持たないものとなり、規範を失った将棋界が崩壊につながる((例えば、暴力事件を起こすような輩が横綱になれば力士や相撲界は精神的鍛練を目指さなくなることが起きるようなイメージ。))ことを危惧している。 原作では4巻以降ほとんど登場がなかったが((元々全5巻完結の予定のため単純な悪役として造形されたためかもしれない))、14巻にて銀子のプロデビュー戦の相手に選ばれ、持ち時間5時間の内8分しか消費せず銀子に完勝した。 #openclose(show=しかし、漫画版では彼女の過去について非常に重いものが設定されている。){ 母親は所謂「ヤンママ」のシングルマザーだったようで、親からはほとんどろくな愛情を受けられず、 それどころか中学生の時点で母親から売春を強制されるなど惨憺たる家庭だった。 唯一の特技である将棋で、相手を「殺せる」瞬間だけが現実を忘れられる自分の唯一の楽しみであり、 将棋を頼りに、岩手を出て東京に師匠の内弟子として上京するが、 師匠も好色で雷に劣情を抱いて「休憩」をよくとるなど劣悪な環境。 女流棋士だからと奨励会に入るのも師匠になかなか認められず、 現実に対して苛立ちが募る中、ネット将棋で八一と出会い、彼の将棋に魅了され、 更にプロ棋士と女流棋士などで差別せず男女分け隔てなく「強さ」を見る彼に惚れた。 八一に対しての狂的なアプローチも、家庭でまともな教育や愛情を受けられず、 自分に共感し、自分の心を初めて潤してくれる存在が八一だったことから生じたものとなっている。 } &bold(){☗鹿路庭珠代}(ろくろば たまよ) 声-M・A・O 関東所属の女流二段。現役の女子大生。愛称は「たまよん」。 恵まれたルックスと&bold(){巨乳}を持つ。名聞き手でもあり、現役の女流棋士では銀子に次ぐ人気を誇る。 なお、胸が大きいことは分かっているがそれが男性に与える影響については無自覚。 ルックスで売っているように見えて、実際は負けん気と向上心が強い努力家。 聞き手の仕事にも誠実で、聞き手としての技術を上げるためにアナウンス学校に通ったりもしている。 [[静岡県]][[沼津市]]出身で小学四年生の時に将棋の普及活動でやって来た山刀伐に一目惚れ。 将棋雑誌の企画で山刀伐から将棋の指導を受け、駒の動かし方すら知らなかった状態から半年後には研修会に合格。 企画は一年ほどで終了したものの、将棋は続け、中学一年生で女流アマ名人になり、鳴り物入りで女流棋士入りした。 しかし、棋士の世界に入って自分は大したことがないと自覚させられた。 それでも研鑽のために多くの研究会に参加しているが、その巨乳のせいで棋士が集中できなくなり、研究会が長続きしない。 これにより、女流棋士の間では「研究会クラッシャー」と呼ばれ孤立気味。 山刀伐とは隣人で親友。 努力家な彼女は山刀伐も認めているようで、一緒に研究会も行っており、将棋連盟の仕事で忙しい珠代の師匠に代わって将棋の指導を彼から受けている。 外では山刀伐の事を「ジンジン先生」と呼んでいるが、2人の時は敬称なしの「ジンジン」と呼んでいる模様。 現在彼女が住んでいる部屋は、元々は山刀伐が研究会用に借りていた部屋だったが、いつの間にか珠代に乗っ取られてしまったとのこと。 掃除や料理など家事のほとんどを山刀伐にやらせており、半同棲状態。 漫画版第7巻巻末で山刀伐は、そんな彼女と結婚してくれるような嫁の貰い手がいないだろうかと語っている。 #openclose(show=十五巻ネタバレ。){ 十五巻にて山刀伐とは実は両想いだった事が発覚。ラブがコメって告白成功してしまった。 また、東京に武者修行に来たあいと同居することになった。 その影響で女流名跡リーグではいいところまで行けたものの、最終局で花立に敗れた。 } ニコニコ生放送での解説で八一の聞き手を務め、その胸で無自覚に八一を骨抜きにする。 これにより、あいの『絶許リスト』入りした。 天衣との出会いは上記ニコニコ生放送での棋帝戦最終局解説。原作小説では珠代が見抜けなかった詰み筋を天衣に指摘され、彼女の「絶許リスト」入りを果たす。 その後マイナビ女子オープン一斉予選で対局し敗北する。9巻では銀子対天衣の5番勝負第2・第3局の大盤解説会の聞き手を担当(ここでも解説は八一)。 「生意気なガキ」とは思いつつも、まともに戦えるライバルとしてさらなる高みを目指す決意を固めている。 明言はされていないが、おそらくモデルは藤田綾女流二段と鈴木環那女流三段。 &bold(){☗花立薊}(はなだち あざみ) 9巻で初登場。女流五段。茨城県出身の女流棋士。初代女王で女流玉座のタイトルを獲ったこともあるが、銀子の活躍により無冠となる。 「茨姫」。一時期は銀子そのものになりたいと棋風をはじめ風貌まで銀子を真似するようになったが、 研究会を通じて関西棋士と結婚し、千里中央に夫婦と娘と暮らしている。 第2子妊娠中に復帰しタイトル戦に登場。棋界に衝撃を与えた。 15巻では第3子の妊娠中にも関わらず女流名跡リーグで指し分け、リーグ残留を決めている。 上田初美女流四段がモデルか((同門の及川拓馬六段と結婚。2児の娘がいる))。 &bold(){☗岳滅鬼翼}(がくめき つばさ) 月夜見坂・供御飯の2歳年上で八一の2年前の小学生名人戦の優勝者。 女子で小学生名人戦に優勝して奨励会入りしたのは彼女が史上初であり、月夜見坂と供御飯にとっては憧れと尊敬の対象だった。 銀子にも匹敵する程の才能を持っていたが、初段の壁を越えられなかった。 10巻で奨励会2級を年齢制限で退会し女流2級で女流棋士に転向した。 かつては超正統派の居飛車党だったが、10年間の関東奨励会で「独自の進化」を遂げ、極端な待機策と入玉を得意とするようになった。 女流名跡戦予選で天衣を倒し、あいとの対局は善戦するも敗北した。 奨励会を退会し女流棋士に転向した棋士には岩根忍女流三段、伊藤沙恵女流三段、加藤桃子女流三段、西山朋佳女流三冠がいる。 **&bold(){&sizex(4){☗JS研}} &bold(){☗水越澪}(みずこし みお) 声-久保ユリカ あいの友達。活発でスポーディーな9歳。夏休みに自転車で琵琶湖一周したタフネスの持ち主。 関西将棋会館であいが初めて対局した同世代。 あいが内弟子になることを親に認められ地元から大阪の小学校に転校して、偶然クラスメイトになった。 あい・綾乃・シャルロットで構成される将棋研究会、「JS研」のリーダー格にしてまとめ役。 明るく前向きな性格で研究会のムードメーカーも務める。 師匠は暮坂七段、棋風はオールラウンダー。 急成長していくあいとの実力差を感じて泣き出すこともあったが、それを乗り越えて成長し、 八一と名人の対局を見て、自身も女流棋士を目指すことを決意する。 あいにとっても大事な友人だが、同時にあいからは八一に好意を抱いているのではないかと警戒されている。 10巻にて父親の仕事の都合で海外へ引っ越すことを(女流棋士を目指すためならば父の単身赴任などの方が都合が良かったが)自分の意思で決めた。 &bold(){☗貞任綾乃}(さだとう あやの) 声-橋本ちなみ あいの友達。お嬢様っぽいしっかり者。 京都在住。学校は違うが学年は澪やあいと同じ。 加悦奥七段門下で、供御飯・山城桜花は姉弟子に当たる。普段は師匠の京都の道場に通っている。 姉弟子の影響で腐女子に目覚めている。 7巻限定版ドラマCDでは、将棋の歴史などに対する知識の深さを見せ、 自分には女流棋士は難しいと思っていること、将来は鵠のような観戦記者になる夢を語っている。 このことについて、周囲からは「女流棋士を目指さないのは後ろ向きすぎる」と否定的に言われることが多かったが、 八一には「女流棋士を目指すのは諦めるべきではないが、その年で観戦記者という夢が決まっているのは素晴らしい」と積極的にほめられ、喜ぶ様子を見せていた。 &bold(){☗シャルロット・イゾアール} 声-[[小倉唯]] あいの友達。&bold(){天使}。&s(){中の人とキャラの年齢………あとは分かるな。} 京都のフランス人学校に通う6歳児。かわいい。 その純真な天使っぷりで周囲の空気を和ませるアイドル。かわいい。 漫画『[[NARUTO‐ナルト‐]]』の作中で出てくる将棋に興味を持って、将棋を初めた。 日本食にもなじんでおり、毎朝納豆を食べるほど。 ただし将棋の才能については、現時点ではあいほどの特別なものは感じないと八一に断じられている。 そのため、シャルロットが弟子入りを八一に頼むも八一が断る際は、彼女が傷つかないようにと八一が深く好手を考えた末、 「&bold(){お嫁さんにしてあげる}」と返事をし、以降は八一のお嫁さん気分。 将棋の才能について八一に特別ではないと言われているものの、9巻限定版ドラマCDでの『第1回九頭竜八一杯竜王位防衛記念将棋大会』では快進撃を続け、 祭神雷を8枚落ちとはいえ撃破したり、2枚落ちとはいえあいに勝利する腕前を見せている。 その努力が認められ10巻にて八一に弟子入りした。 なれそめについては漫画版5巻の巻末インタビューで語られており、最初は綾乃がいた京都の道場に来た迷子だったという。 モチーフはおそらく初の外国人女流棋士のカロリーナ・ステチェンスカ女流1級(ポーランド人)。 彼女も実際にNARUTO(の[[奈良シカマル]])がきっかけで将棋を始めている。 **&bold(){&sizex(4){☗主要人物の家族}} &bold(){☗雛鶴亜希奈}(ひなつる あきな) 声-堀江美都子 あいの母親で「ひな鶴」の女将。 元々、祖父が将棋に散財したことや&bold(){酔っぱらった清滝九段が八一の竜王就任祝いに旅館のロビーで裸人間将棋を始める}などの珍事が原因で将棋が嫌いになっており、 あいが八一の内弟子になることを猛反対していたが、いろいろあって条件付きで認めることとなった。 その後は「ひな鶴」の一室を対局向けに大改造を行うなど、将棋界にも協力する姿勢、名人との対局を控えて世間からバッシングを受けていた八一を街を挙げて盛大にもてなす姿も見せている。 一方、八一とあいを確実にくっつけるために様々な行動を起こしている策士でもある((八一の父親と兄を「ひな鶴」の従業員として雇ったり、あいとのSkypeで危ないアドバイスを行ったりしている。))。 #openclose(show=夫の隆と結婚までのエピソードを見ると、あいが母親似だということがよくわかる。){ 大阪の店から「ひな鶴」に派遣されていた隆が、当時の女将の無理な拡大路線に起因する過労で倒れた際、 雪国ゆえ病院にも行けず雛鶴の家に運び込まれ、当時17歳の高校生だった亜希奈が積極的に看病。更には結婚まで申し込んだ。 当然17歳の少女の申し出を25歳だった隆は断り、派遣契約終了後に大阪へ戻るが、 &bold(){なんと高校を中退し、更には家出をして大阪まで来て隆の家に押しかけ、そのまま同居する}という大胆なことをしていた。 人の家に押しかけて同居という娘と全く同じことをやっており、あいの行動力や押しの強さは母親譲りだということがよくわかる。 なお、あいはこの経緯にものすごく感動していたが、隆は亜希奈との出会いについては、「&bold(){この子の母親に捕まった}」と言っていた。} 旅館「ひな鶴」のモチーフは、同じく和倉温泉にある売上高140億円を誇る超一流旅館『加賀屋』。現実でも第31期竜王戦第5局の会場に選定されている。 &bold(){☗雛鶴隆}(ひなつる たかし) 声-[[水木一郎]] あいの父親で「ひな鶴」の板前。 婿養子のため、8歳年下である妻の亜希奈には頭が上がらず、大抵は押されてしまっている。 とはいえ、あいが八一に弟子入りする際には父親らしい面を見せていたりもする。 好きなものは妻と娘だが、苦手なものも妻と娘…。 &bold(){☗夜叉神弘天}(やしゃじん こうてん) 声-津田英三 天衣の祖父。 建設業、芸能プロダクション、警備会社、パチンコ球遊機開発などの会社を経営している実業家。 引退しているものの、かつては神戸では名の知れた博徒だった。 現在はヤクザではないとのことだが、脅しの手段に「沈める」「埋める」といった文言が入っていたり、池田晶のような不良少女を拾ったりしている…。 長年にわたって将棋界の後援を行っており、将棋連盟にも顔が利く。 息子夫婦(天衣の両親)を事故で失い、天衣を引き取るも自分を含め天衣と将棋を指せるものがおらず接し方を模索していたところ会長から八一を勧められる。 普段は孫思いの老爺だが、自分が逝った後の天衣の事を慮るあまり、自分の危篤を装ってまで八一と天衣の婚約を強引に取り付けようとするしたたかかつ孫馬鹿な一面もある。 &bold(){☗八一の家族} 父、母、兄、弟。 父は職場から早期退職を迫られていたところを、兄は就職先が決まらず難航していた所をそれぞれ「ひな鶴」に拾われたため、雛鶴亜希奈には忠実。 「ひな鶴」にて名人との対局を控えるもなぜか「ひな鶴」であいとの婚姻式のようなものが始まったことに八一から「息子を「ひな鶴」に売ったのか」と言われても家族そろって笑ってすますなど下種なところもある。 一方で、名人との対局でプレッシャーを抱えているため八一にあえてゲスにふるまって彼の重圧を緩和させていたところもあり、 将棋を知っている父と兄は、八一が実家に帰っても将棋の話を一切せず、 母に至っては息子の対局の結果を一切見れないほど気が弱いという。 11巻で父は、清滝一門の活躍に触発され、「ひな鶴」を退社し亡祖父(八一から見て)の残した棚田での農業を始めた。 ただ、実るであろう米に「竜王の瞳」「福井の白雪姫」として売り出そうとしたり、「クズパパTV」なるユーチューバーになるとか。 相変わらずぶっ飛んでいる。 **&bold(){&sizex(4){☗その他}} &bold(){☗男鹿ささり}(おが ささり) 声-伊藤未来 日本将棋連盟会長である月光聖一の秘書。元女流棋士。 目の見えない会長に代わって様々な事務等を処理している。 そのため将棋界のあらゆることに精通しており、付いたあだ名が「&bold(){裏番長}」。 月光聖一に憧れて将棋界に入り、若くして女流棋士になるも、中途半端な実力や学業と女流棋士の両立が出来ずに伸び悩み、 「月光聖一の傍にいることができるなら」と早々に引退して秘書となった。 親子くらいの年齢差のある月光会長に対して恋愛感情を持っている((竜王戦でハワイに行った際、盲目をいいことにペアルックを着せるということまでやっている。))が、当の本人には「良い相手を探してあげなければなりませんね」と全く相手にされていない。 ちなみに月光会長は彼女が出産される場にも立ち会っていたが、&bold(){生後0日にも関わらず彼に抱かれた(もちろん赤子をあやすという意味で)ことを明確に覚えており、挙句「自分はこの人に抱かれるためにこの世に生を受けた」と存在理由を確立}しており、この話を聞いた八一は&bold(){「生まれつきの変態」}と諦め交じりでドン引きしていた。 裏番長のニックネームのモチーフは、おそらく「番長」の愛称で知られる香川愛生女流四段((アニメの放送後に放送される「りゅうおうのおしごと!〜かんそうせん〜」に解説役として出演している))。 &bold(){☗竹内美羽}(たけうち みはね) 声-原田彩楓 あいや澪のクラスメイト。昼ドラの見過ぎでクラスで一番ませている。 八一が天衣のことを隠して行動している時に「女を作っている」と発言したことで、あいから向けられた殺し屋のような恐ろしい眼光に恐怖してしまった((この時、あまりの恐怖からか小学4年生にして失禁してしまった。ただし、流石にいろいろまずかったのかアニメ版ではそこまでは描かれていない。))。 とはいえ、その後はロリコン誘惑法をあいに伝授したりと仲は良い。 &bold(){☗鬼沢談}(おにざわ だん) 大人の恋愛小説の大作家。 愛棋家で、長年にわたって将棋界の後援を行っており、八一や銀子とも古くからの知り合い。 将棋界からはアマ四段を送られているが、これは長年将棋界に貢献した事に対するお礼で、実際の棋力はアマ二段位とのこと。 もっとも、長年にわたってプロ棋士や奨励会員と指し続けたことで駒落ち将棋には異常に慣れており、将棋界では『上手殺しの鬼』の異名で呼ばれている。 代表作は『縄と肉』。 元は小学校の先生で、生徒に自習させながら小学校の教室で官能小説を書いていたという伝説を持つ。 モチーフは将棋のアマチュア六段(死後に七段贈呈)であり、SMものの官能小説家で将棋のエッセイも多く寄稿していた団鬼六だと思われる。 &bold(){☗池田晶}(いけだ あきら) 声-[[諏訪彩花]] 天衣の付き人。20歳。懐に何らかの護身用道具を忍ばせている。 元はかなりのワルだった所を、夜叉神家に拾われた。 付き添いで関西将棋会館にたびたび通ううちに、暇つぶしで会館の道場で男子小学生相手に将棋を指すようになり、実力はまだまだながらも将棋にはまっている。 目下のライバルは男子小学生。 また、会館の道場で天衣の応援団を結成したりもしている。 しかし、天衣のことが大好きすぎて暴走することもしばしば((特別編(後に原作8巻収録)では八一と共に幼い頃の天衣をベースにしたゲームを開発したが、当然のことながら本人から許可が下りずお蔵入りになった…。))。 そのためか、天衣からも煙たがられてしまったりすることも…。 &bold(){☗生石飛鳥}(おいし あすか) 声-篠田みなみ マエストロの娘(マエストロは「飛車」と名付けようとしていたが妻に猛反対された)。体操服ブルマ姿で銭湯を手伝う17歳巨乳JK。父が対局や護摩行で空けがちなため、銭湯を実質的に回している。 才能がないため将棋の勉強を父に反対されていたが、それでも父親に将棋を教えてもらうため、あいと勝負、あいが澪を負かして迷いがあったこともあり勝利した。 プロや女流棋士になれる才能が無いことは自覚しており、指導棋士を目指している。 &bold(){☗本因坊秀埋}(ほんいんぼう しゅうまい) 本因坊のタイトルを持つ女性の囲碁棋士。通称シューマイ先生。なお秀埋は本因坊のタイトルの慣例のための雅号で、本名は天辻埋。 ほとんど常に泥酔していて「お●んぽ」と連呼している。 好きなもの「お●んぽ」、嫌いなもの「しなびたおち●ぽ」。 囲碁と将棋の違いはあれど女性プロ棋士として、銀子から尊敬されている。 また、碁盤や将棋盤を作る一流の盤師でもあり、製作の時だけは酒を抜く。シラフ(?)の性格は清楚でまじめ。 盤造りにおいては糸くず一つも落とさないようにすべく全裸で作業していたが、天衣の指摘により埃の出ないスク水を着用するようになった。 モチーフはおそらく囲碁棋士の故藤沢秀行名誉棋聖。シューマイ先生はかなりマイルドになっている。&bold(){こんなんでも}((何せネタ元は中国の最高指導者である鄧小平と面会した際に泥酔していた挙句「中国ではお〇んこのことを何というのか」と絡みまくったというとんでもない逸話が…。しかし中国の囲碁界の発展に貢献したとして伝説的な尊敬を集めている人物である。))。 &bold(){☗明石圭}(あかし きよし) 銀子の主治医で生石充・香辛将司の奨励会の同期。11巻で登場。 この3人の中で一番に三段に昇段したものの、生石の才能に心が折れ直後に奨励会を退会し医師となる。 主治医として銀子と出会い、二歳の銀子に将棋を教え、銀子を清滝鋼介の内弟子にした張本人((銀子の治療方針として最も良い環境だと判断したため。元々明石は清滝の研究相手の一人でもあった。))。 なお、銀子がアンチ振り飛車党の原因を作った人でもある((明石が生石の振り飛車で銀子と将棋を指し銀子が負かされたため。))。 八一と銀子の関係が(将棋の実力の面で)かつての自分と生石の関係になっていることもあり、銀子を陰ながら応援している。生石曰く「小娘のストーカー」。 モデルは、現在は済生会兵庫県病院小児科医の立石径。久保利明九段・矢倉規広七段の三人で「関西奨励会三羽烏」と呼ばれていた。 奨励会退会後、大検を合格して苦学の末神戸大学医学部を卒業。 *【&bold(){&sizex(5){☖用語}}】 **☗将棋連盟関連 &bold(){&sizex(4){☗棋士}} プロ棋士とも呼ばれるいわゆる将棋のプロ。 プロ棋士の養成機関である「奨励会」で三段まで昇段すると三段リーグに入り、ここを勝ち抜くと四段に昇段し、棋士の資格を得ることになる。 女性でも勝ち抜けば「女流」の付かない棋士になれるが、現実では現時点で三段リーグを勝ち抜いて棋士になった女性はいない。 &bold(){&sizex(4){☗研修会}} プロ棋士の養成機関である「奨励会」の下部組織。 女性の場合、この研修会で&bold(){C1クラスへ昇級すると女流棋士になる資格}が得られる。 &bold(){&sizex(4){☗奨励会}} 正式名称、新進棋士奨励会。 プロ将棋棋士養成機関でプロ棋士のほぼ全てが通ることになる道。 ここで四段に昇段するとプロ棋士の資格を得られる。ただし、原則として21歳の誕生日までに初段、26歳の誕生日が含まれる期間の三段リーグまでに四段に昇段できないと強制的に退会となる。 入会試験で合格するか、&bold(){「研修会」でA2クラスまで昇級すれば、「奨励会」の6級}に入る資格を得られる。 つまり、&bold(){奨励会の一番下のクラスである6級ですら、大半の女流棋士よりも強い}ということになる。 また、奨励会を勝ち抜いて四段(プロ棋士)になれるのは、通常は年間わずか4人(最大でも6人)しかいない。 なお、女性の奨励会員が退会した場合、退会から2週間以内に申請すれば、原則としてその時点で6級から2級だった場合は女流2級、1級以上の場合は該当する段級位で女流棋士への編入が認められている。 作中では女流棋士と奨励会の掛け持ちは認められていない(奨励会に入るには女流棋士会に休止届を出さなければならない)が、現実では2011年から掛け持ちが認められている。 かつて掛け持ちが認められていなかったのは、 ・6級の奨励会員の女流棋士の対局を三段の奨励会員が記録を取る変な状況 ・すでに女流棋士として活躍している女性が、プロ棋士以外の道がない男性奨励会員と混じる二足わらじ ・女流棋士の対局スケジュールで他の奨励会員の対局スケジュールがズラされる など、女流棋士への優遇に対する男性奨励会員への配慮・女流棋士への悪影響の可能性といった事情があったため。 2011年に女流タイトルを複数持つ里見香奈三段が当時1級の編入試験に合格した際に解禁された。 解禁には、女流棋士、女性奨励会員、アマチュア女子全てが参加できるようになったリコー杯女流王座戦の創立も関係していると思われる。 &bold(){&sizex(4){☗女流棋士}} 簡単に言ってしまえば女性のプロ棋士だが、その実プロ棋士と女流棋士は制度からして全く異なる別物。 もともとは将棋の女性への普及を主な目的として作られた、プロ制度とは分離されたものである。 そのため、段位も女流○段と呼ばれ奨励会員や棋士とは異なっており、上述のようにプロ棋士との実力の差も非常に大きい。 本作の連載開始時点では、「奨励会」の下部組織である「研修会」でC1クラスへ昇級又はアマチュア枠がある女流棋戦で一定の成績を挙げると、女流3級として女流棋士の資格を得る権利が与えられた。一方で、2年間で女流2級へ昇級出来ないと資格を取り消され、研修会に戻ることになる。((2021年現在は女流3級が廃止され、女流棋士になるにはB2クラスへ昇級又はアマチュア枠がある女流棋戦で一定の成績を挙げて女流2級となる必要がある。)) 仕事量は個々人によって差があり、対局数が少ないため生活が苦しい場合や、逆に人気が出て番組に引っ張りだこという場合もある。 将棋の普及という面も相まって、解説で棋士のサポートを務める司会としての上手さももちろん、世知辛いが「容姿」も重要な要素となる。 また、容姿が優れていても、実力が至らなければアマチュアなどからバカにされたり、同じ女性からやっかまれることもあるなど華やかに見えて大変な面も多い。 &s(){今作はラノベなので主要人物は美人女流棋士が多い。} ちなみに実際の女流棋士の対プロ棋士との勝率は2割を切る程度。 しかも対戦の多くは"プロ棋戦の女流枠に入る程"上位の女流棋士と、"女流と一回戦で当たる程度の"下位の棋士との結果である。 なお、現実世界では昨今の里見香奈女流四冠の「プロ棋士編入試験資格」を満たす状況等から、  1.女流棋士がプロ棋士編入試験に合格した場合、女流棋戦、及びプロ棋士公式棋戦の両方に出場することが出来る。  2.奨励会に所属している女性が四段に昇段をした場合、女流棋士申請を行うことが出来る。ただし、申請期間は昇段日から2週間以内とする。 という規定が新設された(ただし、12巻までの原作中でこの規定は制定されていないため、銀子が四段昇段した場合、特段の変更がなければ銀子の女王・女流王将は返上されることになる((里見香奈女流四冠は女流棋戦との掛け持ちが認められていなかったため、奨励会編入時に当時保持していたタイトルを返上している)))。 なお、囲碁界では女流特別枠や女流棋戦がある程度で女流棋士と男性棋士は同じプロであり、全般に男性が強いものの将棋ほどの男女差はない。 韓国では女流棋士が全棋士参加の男女混合棋戦でタイトルを取ったことがある他、2019年には日本でも女流棋士が男女混合棋戦で決勝に進出、翌年には若手限定の男女混合棋戦で優勝したこともある。 &bold(){&sizex(4){☗研究会}} 数人の棋士が集まって行う練習対局や特定の局面の検討、情報交換をする会。ほとんどの棋士は最低1つは参加している。 若手の場合は同格、上位者の場合は見込みのある若手を誘って始まることが多い。 公式戦で頻繁に当たるようになると解散する。 ギブ&テイクが基本なため、双方にとって得がなければ自然解消してしまいかねないドライなところもある。 現実では平成初頭以前まで、将棋の研究は一人で行うものということが常識だったが、 島朗が主催し[[羽生善治・佐藤康光・森内俊之>羽生世代]]が所属していた&bold(){島研}以降、爆発的増加した。この島研は、島朗が初代竜王に、他3人も全員が名人位と竜王位を含む10期以上のタイトルを獲得・8大タイトルの永世称号資格保持、という伝説的研究会であった。 &bold(){&sizex(4){☗一門}} 師匠とその弟子の集まり。 将棋界では基本的に奨励会の入会や女流棋士志望での研修会入会には師匠の推薦が必要となるため、 必然的にすべての棋士・女流棋士・奨励会員は誰かの弟子とならなければならない。 また、師匠も誰でも良いわけではなく、弟子をとれるのはプロ棋士か女流四段以上の女流棋士のみ。 師弟のつながりは様々で、作中の清滝門下のように公私共に深い付き合いをするところもあれば、ただの書類上の名義貸しだけの師弟もある。 師匠はある程度礼儀作法などを指導する程度で、弟子に将棋を教えることは少なく、強い棋士の弟子になれば強くなるというわけでもない。 ちなみに、公式戦で弟子が師匠に勝利することは将棋用語で「恩返し」と呼ばれる((清滝九段曰く弟子がタイトルを獲得すること、そして新しい弟子を取ることこそが本当の恩返し。))。 **☗タイトル 現実にもある将棋のタイトル。 作中では一部のタイトルはその名前をもじって使われている。 以下では 現実のタイトル名→作中のタイトル名 の順で記載する。 &bold(){☗棋士タイトル} 現実では8つあるが、そのうち「叡王」は作品開始当初はタイトルになっていなかったため、「叡王」にあたるタイトルは作中では登場しない。 そのため作中に登場するタイトルは7つ。但し、 一般棋戦時代の叡王戦をモデルにしたと思われる賢王戦という棋戦があり、物語の進行によっては現実に沿ってタイトルが増える可能性あり。 名人→名人(そのまま) 現在のタイトルホルダーは名人 竜王→竜王(そのまま) 現在のタイトルホルダーは九頭竜八一 王将→玉将 現在のタイトルホルダーは生石充→於鬼頭曜 王位→帝位 現在のタイトルホルダーは於鬼頭曜→九頭竜八一 王座→玉座 現在のタイトルホルダーは名人 棋王→盤王 現在のタイトルホルダーは名人 棋聖→棋帝 現在のタイトルホルダーは名人 &bold(){☗女流棋士タイトル} 現実でも作中でも同じく6つ…と言いたいところだが、2019年に7つ目の女流タイトル・清麗が誕生し、さらに2020年には白玲戦が創設された。今後、清麗戦・白玲戦に相当するタイトルが出てくるかどうかは不明((特に白玲戦の予選は女流順位戦でもある。))。 女王→女王(そのまま) 現在のタイトルホルダーは空銀子 女流王座→女流玉座 現在のタイトルホルダーは空銀子 女流名人→女流名跡 現在のタイトルホルダーは釈迦堂里奈 女流王将→女流玉将 現在のタイトルホルダーは月夜見坂燎 倉敷藤花→山城桜花 現在のタイトルホルダーは供御飯万智 女流王位→女流帝位 現在のタイトルホルダーは祭神雷 **☗その他の用語 &bold(){&sizex(4){☗将棋星人}} 銀子が主に使う言葉。 四段以上の戦場で戦うプロ棋士の思考回路が、自分のような『地球人』とはまるで次元が違うという自嘲を込めて使っている。 その一つの物差しとして、脳内将棋盤の鮮明度と、盤上の駒の利きを感覚的に把握できるかどうかで語られている。 コンピュータ将棋世代の椚創多に至っては脳内将棋盤ではなく、コンピュータのような符号で処理している(モチーフ元の藤井聡太や将棋星人こと羽生竜王は、符号で考え、脳内将棋盤で確認するイメージだという)。 #openclose(show=元ネタはおそらく羽生善治さんに関する2ちゃんねるのコピペ。){ 「おまえら、もし地球に将棋星人が攻めてきて、向こうの大将と 地球代表が将棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされる という事態になったら、地球代表は絶対[[羽生>羽生善治]]でないとイヤだろ? [[深浦>深浦康市]]でもいいのか?深浦に地球の命運を託せるのか? 羽生をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ」 } *【☖漫画版】 この手のラノベコミカライズとしては珍しく、構成:カズキ、作画:こげたおこげ、監修:西遊棋と複数人体制。 全10巻。 漫画6巻巻末によると、原作者からの希望は「根性のある人」で、カズキ・こげたおこげの両名ともほぼ新人だったとのこと。 コミカライズによくある単なる原作のダイジェストではなく、漫画版のオリジナルも盛り込まれたりストーリーを再編成されている。 単行本ではおまけ漫画や、巻末に原作者執筆による「鵠記者によるインタビュー記事」が掲載されている。 前半は原作の面白さを上手く引き出しており高評価であったが、初の連載がキツかったのか、後半は徐々に絵柄が乱れ始める。 終盤の頃になるとアニメも終了していたこともあってかメディアミックスの都合なのか非常に駆け足となり、かなり賛否の分かれるオリジナル展開になって原作5巻部分はダイジェストに近い形で終了となってしまった。 *【☖アニメ版】 5巻までの内容をアニメ化している。全12話。 つまり1巻あたり2.4話と言う所からも分かる通り、かなりの駆け足のダイジェスト展開。 その為、将棋の描写はかなり控え目で、ロリ描写の比率が大きい。 追記・修正は詰将棋をしながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,13) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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