悪いが私は百合じゃない

登録日:2024/04/24 Wed 22:36:50
更新日:2025/04/11 Fri 08:22:35
所要時間:約 34 分で読めます





残念! 百合でした。


「悪いが私は百合じゃない」とは、もちオーレ氏の書いた漫画作品である。
なお主人公が百合じゃなかった時期はほんの最序盤くらいである。
そもそも作者がガチ百合好きな時点で運命は決まっていた。
なお上記の見出しは、単行本第1巻の作者コメントであり、いわゆる確信犯である。


◆【概要】

とある女子校
主人公藤堂いつみはあこがれの先生(男)に自分を惚れさせるために「惚れ薬」を購入。
効果を確認する実験台としてクラス委員長の四方塚まことに薬を飲ませ、惚れられてしまう。
女同士ということもあり最初は抵抗するいつみであるが、まことが大企業の社長の娘という事もあって自らのチヤホヤの為に百合行為をする…ものの、惚れ薬が切れてしまい一気に愛想を尽かされてしまう。
それ以降も個性豊かすぎる女子たちに振り回されながらも、いつみはどんどんタイトル詐欺に落ちていく…。

いつみ以外にも彼女の通う学校は同性愛に対するハードルがやたら低く、サブキャラ同士でも矢印が向き合いまくっている。
と言えば単なる百合漫画であるがキャラクターはどいつもこいつも個性が強い。
そんな少女達の光景を眺めるコメディ作品である。
他、主人公のいつみがきっかけとなることがあるがハーレム…とまではいかず、矢印が彼女から反れる事も多く多種多様なカップリングが生まれている。

ちなみに基本的に話は一話完結であるが、コミックス4巻のケイドロ編、6巻のドッジボール編と長編も2つある。

それとやたらヤンキーキャラが多い。


◆【登場キャラクター】


◇1年2組の関係者


□藤堂いつみを中心としたグループ(藤堂軍団)

物語スタート時点ではいつみと河野の2人組だったが、ストーリーが進むにつれ、加賀谷と白城も一緒に行動することが多くなった。
「藤堂軍団」とは、クラスメートの鬼怒柄が上記の4人組を見たときの呼び方。この呼び方がどの程度広まっているかは不明。

藤堂(とうどう)いつみ
主人公。赤に近い桃色髪のツインテールにポンチョが特徴的な少女。
口も頭も悪い上にお調子者であり、運動神経もダメダメ。しかし「隠蔽と改竄だけは誰にも負けない」と自負するように口は非常によく回る。
運動神経はイマイチと言われつつも、ピンチの時の逃げ足と回避能力に関しては常人離れしたものがある。
また顔立ちも整ってはいるが、作中ではやたら美少女が多い為かあまり美人に見られることはない。
更に性格もあまり良くなく、概要で語った「先生」に惚れさせようとするのも恋愛感情等ではなく「あのイケメンが恋人であれば自分がチヤホヤされるから」である。自己顕示欲の塊と言える。
とまぁここまで言えば紛うことなきクズであるが、しかし他人に対して色眼鏡で見ることはあまり無く、物怖じせずに素直に言いたいことを全部言ったりする素直で直情的な言動は周りの女性達を惹きつける。
特に人付き合いの苦手なタイプに惚れられやすいようだ。
…と言えば聞こえが良いが結局のところ考えなしに発言しているだけであり自分が殴られそうになったらすぐ撤回する

ここまでなら単なるコミカルな主人公であるが、実際の彼女は両親からは非常に疎まれており、また中学時代にはたくさんの黒歴史を持っていると何処か闇を感じさせる過去を持つ。
実際スペック自体はめっちゃくちゃ低く、周りにバカにされているのも半分は事実を突かれているだけである。
何かをやろうとすると大抵周りに止められるレベルであり、実際に物になった事はない。このあたりも主人公にしては珍しい。
だがクレーンゲームだけは得意である。
あと意外にも料理が得意だったりする。得意な理由が『親に見放されて自炊せざるをえなかったから』というのがなんとも言えないが…

ちなみに百合漫画のクズ主人公としては「クズ浪人生、人生が辛いので夜のお姉さんを呼んでみた」の英真希乃と同じくらい名前が挙がる。タイトルからして「クズ」である彼女に並ぶとかよっぽどであろう。

このように書くと人間的な魅力が皆無のように見えるが、『良くも悪くも自己中なので自分らしい生き方を貫いている』『結果失敗したり他人から馬鹿にされたとしても堂々として自分の生き方を曲げない』という部分に魅力を感じる登場人物が増えつつある。
そして物語が進むにつれて意外と行動力もコミュ力もあることが判明してきた。特にドッジボール編以降は他人のために自主的に行動することも増え、交友関係もかなり拡大した。
この性格で中学時代はなんで性犯罪者河野しか友人がいなかったんだ…と疑問に思うかもしれないが、主な原因は妹のあられである。
『自分のことをチヤホヤしない姉にチヤホヤされたい』と考えた妹が『家庭内でいつみを孤立させて自分以外に頼るものがいない状況を作り出して自分に依存させよう』という歪んだ愛情をこじらせて実行した計画の結果、中学時代のいつみは精神的に不安定になってしまったらしい。
あきらかに運動音痴にもかかわらず不釣り合いなハンドボール部に中学時代所属していたのも、学校でなんとしても目立ってチヤホヤされたい、と考えた結果の空回りだったのかもしれない。
精神的に不安定だったせいでなにかと空回りして中学時代は黒歴史を量産し、結果、友人もほとんどいなかった……というのが真相ではないかと推測される。
しかし高校入学後、自分のことを嫌っていると思っていた後輩の羽根井が、実際は自分に好意的だったと気づいたことをきっかけに周囲を見回す余裕を手に入れ、精神的な安定を取り戻したのが現在の状況である。

物語を通じて成長したように見えるが、実際の所いつみの根幹にあるのは『他人からチヤホヤされたい』という承認欲求であり、本人の本質は連載開始からそれほど変わっていない
そして皮肉なことにその『チヤホヤされたい』という本質は、彼女がそんなに好きじゃないと公言すると完全に一致している。

(こう)()るる()
いつみの幼馴染でありよくつるんでいる眼鏡とそばかすが特徴の少女。タヌキに似ている。
いつみの事は「いっちゃん」と呼び、彼女の妹のあられの事もよく知っている。
周りの女子らの言動にいちいちいツッコみたがる常識人であるが、実はいつみに惚れている。犬にイツミって名前付けてるけど。
ただしいつみに関しては人柄よりも肉体の方に惚れており、事あるごとにセクハラをかまそうとする。リップクリームを盗んだこともあるとか。
いつみのことは性的に愛しているだけで、いつみがやばい状況になったら平気で見捨てるというこいつも紛うことなきクズである
いつみも彼女と恋愛関係になりたいとは思ってはないが、平時は一緒にゲーセンにいったり談笑したりしている為、友達としてはセーフなのだろう。いつみの方も、加賀谷から情報をもらう代償に彼女とキスをしてもいい、と思う程度には好意があるようだ。そして実際にやってみたら満更でもない様子だった
だが恋人としては愚か、友達としてもいつみからは「一番」と見なされていない。
ちなみに単にエロい体の女子も好きっぽく、幡龍の事を見て「いいケツしてるな」と心の中で述べたこともある。
オタク趣味でコスプレ好き。コスプレはもともと自分でやるのが趣味なようだが、自分の衣装をいつみたち他の美少女に着せて鑑賞することにも興奮するらしい。

白城(しらしろ) 黒姫(くろひめ)
眼帯にバラの髪飾りをつけ常に日傘を持ち歩いている長身の女子。
そんな派手な格好をしているが極度のアガリ性であり、さらにその事で気を使うと相手を「木偶」呼ばわりする等逆ギレする。
授業中に漫画を書きながら笑っているという、要するにお前らの同類オタク気質の女子である。その服装と言動から厨二病に罹患していると思われる。
だが漫画自体は割と面白いらしく、少なくとも藤堂はハマっていた。
四人姉妹の長女で裁縫と漫画制作が趣味と判明しているので、かなり派手な制服は自分で改造した可能性が高い。
とてもエロい下着を穿いておりそれをいつみにめっちゃ煽られたせいで傘に仕込んでいる模造刀を抜いてブチ切れそれを見たるる香はいつみを見捨てて逃げるが、そのいつみに書いている漫画を褒められたせいで惚れてしまうチョロさを見せた。
以降もアクシデントでエロ下着を見られたり作中初めて乳首を見せたりとお色気キャラのように扱われている。
反面歌声はかなりのものであり、バンドをやっている鬼怒柄にも一目置かれている。

こうなった理由は彼女の中学時代の経験があり、成長するに連れ趣味が変わった友達についていけずに疎遠になっただけでなく、最初から友達じゃなかったかのように振る舞われた事がトラウマとなっている。
その事からいつみに対しては半ば依存したかのような振る舞いを見せている。
以降はるる香や花ともつるんでいるらしく、やはり「藤堂軍団」として一纏めにされている。

加賀谷(かがや)(はな)
常にマスクをしている女子生徒。マスクの柄は話によって変化するなど意外にオシャレな面がある。ドッジボール編以降、マスクを外す機会が増えた。コロナが明けたのかもしれない。*1
かなりの情報通であり、あまりつきあいの無かった頃からいつみの過去のやらかしや家族構成等を知っていた。
…と同時にかなりの百合好きであり、女の子のイチャイチャが非常に好きである。
更にそのイチャイチャに自分が入ることはNGであり、そのような状態になりそうだと狼狽する変なところでこだわりの強い女子である。なお逃げ切れずいつみ、白城、岩垣らと一緒に寝る羽目となった。
いつみにはその後、彼女のイカサマを見破る形でリベンジに成功。エッチな下着を見せて撮影する等堪能した。

意外にも長身で運動神経に優れる他、髪を金に染めたヤンキーのような姉がいる。彼女の事は後述。
彼女本人はるる香と親しい仲だが、いつの間にか「藤堂軍団」扱いされている。
なお初登場時には名前を名乗らずどうにもクラスも別っぽい描写だったが、結果的に同じクラスとなった。
下宿暮らしで、生徒から集めた情報を売買することで下宿代をまかなっているらしい。情報の対価には金銭以外にも自分の知らない情報での支払いも認めており、そうやって集めた情報を利用したホット・リーディングが特技。
その技術を使って周囲の人間を誘導し、女の子同士の絡みを見るのが趣味。

割と謎に包まれた女子であるが、実は作者の前作「ゆりなつ-民宿かがや-」の登場キャラ。五人姉妹の一番末っ子である。
ゲーム版でのCVは白城なお
こちらではレギュラーであり姉同士やお客の百合を楽しむ業の深い中学生であった。
誰に対しても敬語で話すのは今も変わらないが、中学時代はかなりテンションが高目であった。
姉の(くき)が高身長だったり盆踊りの練習を欠かさずしていたりと、今に繋がる要素は非常に多い。
とはいえいつみにお金で懐柔されそうな際に「お金なんかいらなーい」と首を振る仕草はゆりなつのときと全く同じだったりと、根本は全く変わってないのがうかがえる。

登場当初からは彼女が「ゆりなつの花」かは曖昧なままの状態であり「同姓同名の別人」とも取れる描写も多かったが、ドッチボール編で姉が登場して彼女も同一人物という事が確定した。
マスクを外したのもその絡みだろうと思われる。


□四方塚まことを中心としたグループ

委員長である四方塚のカリスマ性にひかれて集まった取り巻きたちのグループ。四方塚への忠誠心は厚いが、そのせいで盲目的になっているメンバーが多い。

四方(よも)(つか)まこと
委員長であると同時に真面目で学年一の成績を誇る女性。大企業の社長の一人娘であり自分もかなりの豪邸に住んでいる。作中ではヘリを自由に乗り回す、クラスメイト十数人を南国リゾートへの旅行に招待する、などかなりの金持ち振りを発揮している。
最初の方は他人を見下しており、特にいつみに対してはスカートの丈が長すぎるとしょっちゅう言っていたようだ。ポンチョはいいのか…。*2
しかし惚れ薬を飲んだせいでいつみに対し激しいセクハラを敢行し、薬の効力が切れた後も「理由はわからないが私は判断を誤らない、だから藤堂さんには底知れない魅力がある」ということで意識するようになる。
何故かエッチな知識も豊富であり、いつみと初めてHしたのも彼女であるだが運動神経はポンコツ。
その事もあって本質的には自己中心的であり、委員長をやっている際も自分の評価が最優先という節の発言すらしている。

自分に絶対の自信を持ち一見クールに見えるが、実際のところはかなりの天然ボケである。
「私は判断を誤らない」という自負を持つが外から見たらミステイクばかりやっている。
また夜寝る時はイモムシ(いつみからはキモいと言われた)のようなぬいぐるみを抱かないと寝られないという可愛い所もある。
クラス対抗ドッジボールをする際もチーム決めの際に自信満々でじゃんけんして普通に負けた上に、取り巻きばかりを指定して運動神経のあるメンバーをほとんど向こうに取られたりした際も何が悪いのか全くわかっていなかった

ただし根は真面目なのは事実であり、不登校気味の生徒を登校させるために気を張ったり、事情のある生徒には配慮を見せたりする。
そういった事から取り巻きの数も非常に多く、実家で彼女の世話をしているメイドなんかにも惚れられているようだ。
また学校での取り巻きは偶然にも全員が「鳥の名前」だったりする。

第1話で最初にいつみから惚れ薬を飲まされていつみに「百合も悪くないかも」と思わせるきっかけになる*3、惚れ薬なしの状態でいつみをディープキス後に口説きいつみも満更でもない様子だった、いつみのお泊まり初Hの相手をつとめる、など、当初はメイン格の立場と思われていたが、ストーリーの進行と共に、メインヒロイン的立場は後述する羽根井に移っていくことになる……
が、クラスの中心的人物なのは確かであり、長編(ケイドロ編、ドッジボール編)の発端は彼女であるなど、主用人物の一角という立場は連載初期から変わっていない。そして後述する幡龍とのフラグが築かれつつある。

若干天然ボケではあるが終始クールさを崩すことがなく、表情を余り変えることはなかった…が、幡龍がコスプレすると聞いたら目をしいたけにして喜んでいた。

()(かわ)(すずめ)
いつみのクラスメートで四方塚委員長の取り巻きの一人。
取り巻きの中では一番目立っており、四方塚への尊敬も強いグループ内№2の人物。四方塚がいつみを急に頼るようになったことに不満を感じている。
実際は四方塚もいつみと同程度に根川を信頼している。四方塚は適材適所で、いつみの得意分野、根川の得意分野でそれぞれ分担させて頼るようにしているだけだが、根川はいつみに自分の出番をとられたと思い込んでいた。
とはいえ、いつみには自分にはない長所があると次第に気づきつつある。
後述する柳の不登校問題を解決しようと独自に動いた結果、柳のレズテクニックの餌食になってしまう……が、本人も満更でもなかった様子。というか、柳に完全に惚れてしまった。

・梅田朱鷺(とき)&(かざ)(まき)(つばめ)&村本(かもめ)
ドッジボール編で名前が判明した取り巻きたち。名前が全員鳥類になっている。梅田は関西弁を喋る。根川と梅田は長身だが、風巻と村本は小柄。雀はこの中では一番小型の鳥のはずだが。
基本的には四方塚と急接近しだしたいつみのことを嫌っているが、梅田と村本はドッジボール編で活躍するいつみを見て素直にかっこいいと感心していた。特に梅田はほぼ限界オタクのようになっている。
ドッジボール編を通じて根川もいつみを認めるようになった中、風巻にだけいつみへのわだかまりが残った様子。何やらトラブルの予感。
風巻は(雀を除いた)取り巻きの中で唯一コミックス7巻カバー裏で脱がされた。多分他の2人も時間の問題である。


□神定日葵を中心としたグループ

番長的な存在である神定を中心に集まったグループ。

神定(かみさだ) 日葵(ひまり)
ヤンキーであり巨乳。青くてボリュームのある長髪がトレードマークだったが、第11話にていつみの趣味にあわせて短くカットしてしまう。
パンツが見えそうなくらい短いスカートにヘソ出しという露出の多すぎる制服が特徴。よくこんな制服が許容されているな。
いつみをパシらせたり買ってきた飲み物をカツアゲしたりと不良であるが、ホレ薬を飲んだ後は意外とウブなことが判明した。その性格でよくそんな制服着ているな。
なお、ストーリーが進むとなぜかヘソは出さなくなった。残念。
その後もいつみに対してはしおらしい言動を見せている。
ホレ薬を飲んだ翼とはいつみを取り合うライバル関係だったが、向こうの薬の効力が突然切れた為になんか有耶無耶になった。
大柄で怪力かつケンカ慣れしており、作中では同年代の高校生相手には戦闘面では負けなしである。
ヤ○ザ関係者にも名前が知られており、隣町のチンピラ18人を一人でボコボコにして全員木に吊した、というウワサがひろまるほどの有名人。

不良だが硬派な番長的キャラであり、小学生の時いじめられていた岩垣を助けるなど、正義感は強い模様。(なおこのときいじめていた3人組は「神定相手に3人じゃ分が悪い。逃げるぞ」と逃げていったので、小学生時代から並外れた強さだったようである)
その割にはいつみから飲み物をカツアゲしていたようだが……悪党には容赦しない性格なのでクズ人間のいつみ相手には何してもいいと思っていたのかもしれない。連載初期でキャラクターが固まっていなかったという可能性はないと思いたい。

岩垣(いわがき) (ゆい)()
眼鏡に帽子、パーカーが特徴的な少しヤンチャそうな女子。
幼少期は病弱でありクラスメイトにいじめられていたが、そこを神定に助けられて以降彼女に惚れている。
かつては黒のロングヘアだったが、恐らく神定にあわせる為に髪も染めている。
しかしその神定がいつみに惚れて以降岩垣の運命は激変する。
好きだった長髪もバッサリ切り落とすなど明らかにNTRめいたことをされてブチギレてしまい、いつみをボコボコ…いや、亡き者にしようとする。*4
だが殴られたくないいつみから来た答えは「岩垣に惚れている」という衝撃的な言葉であった。
勿論それは殴られない為の嘘であるが、互いに思うことがあり「一応メールする仲にはなった」他、この奇妙で嘘の状況は続いている。それといつみは結果的に殴られた。
とはいえ真っ向から意見を言うタイプなのでなんやかんやでいつみと相性は良かったりする。
一人称は「結菜」と自分の名前であり少し病んでいそうだが、根は常識人である。
神定大好きであるもののいつみの事も満更ではないようで、自分と一緒にいるのに他の女の事ばかり話してる時はブチ切れたり流れで一緒に寝たりもした。
現状、神定グループの№2という立ち位置だが、後にグループ内で柳とのトラブルがあったことが判明する。
が、いつみの説得のお陰で思い直し「もし弥生(柳)が仲直りしたいというのなら受け入れるつもり」と言っている。和解の時は近いかもしれない。

上山(うえやま)うおう&下川(しもかわ)さおう
神定グループのメンバーでだいたい2人一緒にいる。神定や岩垣と一緒にいることが多いので登場回数はそこそこあるが、セリフらしいセリフがほとんど無いモブキャラ
ドッジボール編で元ソフト部だったという設定が追加され判明し、ドッジボールの試合中は大門の剛速球をキャッチし続けたり一言ずつだがセリフを与えられるなど、ようやく一定の活躍を見せた。
名前が明らかに対になっているが、名字が異なるので赤の他人のはずである。が、なぜか顔はそっくり。
顔がそっくりといってもいわゆるモブ顔的な意味で似ているだけであり、実は血がつながっていた、などの伏線はないはずである
ただそれでもやはり似ているようで、大門には名前を逆に呼ばれたりしている。単に大門の頭が悪いだけかもしれないが。
とまぁモブ中のモブなのだがなぜか7巻のカバー裏で脱がされた。しかも2人そろって顔を赤らめながら全裸で抱き合っているので、お前らできてたの、と読者に衝撃を与えた。あくまで単行本のオマケページの内容なので本編の二人の関係性が同様なのかは不明である。

(やなぎ) 弥生(やよい)
神定以上に不良の少女。
見た目は黒髪ロングのお嬢様であるが、現在は不登校。
喫煙疑惑がある(実際はニコチンなどがない何かを吸っているらしい)など黒い噂があるが可愛いもの好きであり、いつみにぬいぐるみを取ってもらって以降絡むことになった。

学校に来ていた時は神定や岩垣らとつるんでいたが、ある日その神定のカバンから財布を盗もうとしている同級生と遭遇。
彼女を説得し、取り戻した財布を戻そうとしているところを岩垣に見られ、そのまま罪を被った事で不登校になった。
どうにも彼女の庇った人間は「昔から悪いことをして気をひこうとする」傾向にあり放っておけずにいるらしく、
四方塚ですら「彼女には複雑な理由がある」と述べる程難しい問題となっている。
自分の周りにはトラブルが良く起こることから友達にも言えずに1人抱え込んでいるという、結構繊細な性格の少女である。

この漫画の登場人物の例に漏れず彼女もレズビアン…であるが「偶然好きになった人が女性」というタイプではない生粋のレズビアン。
セクハラやレズセックスの知識も豊富な上、可愛い子と一緒だと俄然やる気になる、女性なら誰でもOKというタイプである。

コミックス7巻の描き下ろしによるとドッジボール後も学校には一応来てる様子。
…とはいえ迎えに来た雀に対し「セクハラさせてくれれば学校に行く」(意訳)と言ったらガチでやらせてくれたので通っているというなんかもう色々とあれな状況であるが。
本格登場する前にも実は岩垣の回想に写っているが、顔を赤らめてポーズしているという割と可愛らしい映り方をしている等、こう見えて存外お茶目で律儀な性格。

すっごいヤンキーな双子の妹がいる。
+ ※ネタバレ注意
初登場以降、この妹が柳のトラブルの原因ではないかと読者の間では言われている。

□大門翼を中心としたグループ

女子校の王子様的な存在である大門と、彼女の追っかけたちのグループ。

大門(おおかど)(つばさ)
クラスメイトの王子様的存在であるボクッ娘。ショートカットでスレンダーな体型と浅黒い肌が特徴。浅黒い肌は日焼けしているせいらしいが、全裸になっても日焼け跡がみあたらないので、地黒のようだ。もしくは日焼けサロンに通っているのかもしれない。
運動神経抜群であり女子たちにモテモテだが、いつみの惚れ薬入りのジュースを誤って飲んだせいでやっぱり惚れてしまう。
しかも基本的に数時間で切れるはずのその薬の効力が非常に長く続いた上に、周りの女子たちの体を性的に見てしまうようになった
その際、保健室で山村先生に恐らく自慰の仕方を教えられ、以降はその先生に惚れてしまったようである。その結果いつみとの恋愛フラグは折れてしまったようだ。

神定とはいつみを取り合った関係であり、惚れ薬が切れた後でもライバル視している。
また「運動神経抜群」ということでそういうのが必要な際には真っ先に呼ばれており、なにげに出番が多いキャラである。
だが体を動かすことを楽しみすぎて一緒にプレイしている人間に対する配慮に欠ける一面もあったが、ドッジボールでその事を自覚した。
この漫画のキャラクターは良くも悪くもブレないのだが、彼女だけどこか成長している。

坪内(つぼうち)(かえで)&羽場(はば)椿(つばき)&(ほし)()(ひいらぎ)&()()(じま)(こずえ)&椎茸(しいたけ)木之子(きのこ)
大門のことを「翼さま ♥」と慕う追っかけたち。名前が植物という共通点がある。
取り巻きとして序盤から登場しており、大門が惚れ薬を飲んでいつみと急接近したときは、いつみへの嫉妬心を燃やしていた……が、惚れ薬が切れた後は大門といつみの仲も元に戻り、対立関係も解消された模様。
椎茸も取り巻きの一員のはずだが、話によっては他の4人しか登場しないというパターンもある。ハブられているのかもしれない。キノコは植物じゃないしそして椎茸の親はこの名字で娘によくこんな名前をつけたものである。

□幡龍佐智枝を中心としたグループ


(ばん)(りゅう)佐智枝
神定や柳以上の不良娘が彼女。なんとヤ◯ザの娘である不良多いなこの学校。楽しい事が大好きな快楽主義者である。銀髪の髪をおかっぱにし、三日月のようなイヤリングと高そうなコートという出で立ち。
彼女も不登校気味であるが、柳のような複雑な理由ではなく単に「つまんないから」来ていないだけ。
父親のことを「パパ」と呼び彼の言うことを聞くなどファザコン気味であるが、年上の女性「アール」をペットにしている他、多数の女の子達を風呂で侍らせている等やっぱり百合系である。
その事もあって四方塚からは特に目の敵にされているが、彼女に褒められた時は顔を赤らめていた他、都度煽られては満更でもない反応を見せている。
またいつみのことは「ブス」と呼んでいるが、彼女の正論に耳を貸すなど認めている節はある。
約束事は守る律儀な一面があり、なんやかんやで学校に来た際に煙たがられている状況には思うところがあったらしく、とても平和的な方法で苛められっ子を助けて友達になり、その後もなんやかんやでクラスメイトに受け入れられた。

長編であるケイドロ編、ドッジボール編双方で彼女が言い出しっぺであり、ある意味ではトラブルメーカーじみているが、実際のところ言うほど悪い人間でもわがままでもない。少なくとも藤堂軍団の連中よりかは。
本人も学食のパンが美味しかったりで学校に馴染もうとしており、わがままを通した後にクラスの和を乱したことに気落ちする一面もある。
四方塚とドッジボールで戦う際のチームメンバーも運動神経に優れたメンツを重点的に取っている等、割とちゃんと皆を見ていたりする。藤堂軍団からるる香だけ貰ったり神定軍団から岩垣だけ外したりしてる等、人間関係までは把握しきれてなかったようだが。
いつみに生乳を揉まれた時は激昂していつみを殴り飛ばすなど手が早い面はあるものの、腕っ節にはあまり自信が無いらしい。
四方塚ルートへのフラグを着々と築きつつある。
平時は日杭と一緒に過ごしているらしく、学校に来ていなかった間の勉強を日杭から教えてもらうなど、そちらとも絆を深めているようだ。

()(くい)(ほろ)()
いつみのクラスメート。青ざめたような表情をしている事が多く、おどおどした雰囲気の少女。制服もボロボロで修繕したような布が多数取り付けられている。
向井達にからまれてカツアゲされかけたが、カネを出せと言われて鐘を出すなど、少しズレた思考の持ち主。
そのときいつみの連れてきた幡龍に助けられたことをキッカケに、幡龍に恩を感じて昼食を一緒に食べる仲になる。
もともとは四方塚の取り巻きの1人であり、幡龍に助けられた事も四方塚にすぐ報告したようである。
またおどおどしているが喋ることは苦手で無いらしく、気を許した相手には結構意見を言う一面もある他「図書館では静かに」と喧嘩の仲裁をするなど、芯の強い一面も見せている。
当初は青ざめたかのように、顔に縦線がひかれた表情をしていたが、幡龍と交流するようになってからは生活環境が改善されたのか顔の縦線のない表情をすることが多くなった。



□それ以外のクラスメートと担任


鬼怒柄(きぬえ) (ふう)()
いつみのクラスメート。軽音部所属のバンド少女。担当はギター。友人からはキヌと呼ばれている。
加賀谷情報だと、バンドのレベルは高いらしい。
やや目つきが鋭く、片耳にピアスをつけているなどロックな服装をしているものの、作中ではかなりの常識人。他の登場人物が非常識すぎるだけかもしれない。
バンド仲間の水雲の口が悪いので、一緒にいるときはそのフォローに回る事が多い。
ドッジボール編では水雲との約束で手をケガしないようボールに触れないようにしていたが、バンド仲間でもある白城が必死に戦う姿に感化され、水雲との約束を破って協力して戦った。ロックだねぇ。

(おう) ()夜見子(よみこ)
巫女の家系で、幽霊のような存在が見える霊感少女。幽霊よりも実害を及ぼす生きた人間の方が危険というスタンス。
初登場時は黒髪のストレートヘアだったが、再登場したときはなぜか黒髪ではなくなっていた。なんらかの霊能力だろうか?
いつみのクラスメートだが、いつみは逢魔の顔を見ても誰だかわからなかった。髪が変わったせいだろうか?
学校では図書委員で、副担任の環の家に居候しているらしい。
ホラー系は平気だが、虫が苦手というかわいらしい面もある。

(ふす) ()(まい)()
いつみのクラスメートで白目と黒目が反転した眼を持つ娘。その眼のせいでクラスメートの中にいると1人だけ異様な雰囲気を放っていたが、ドッジボール編で見た目に反して病弱で物腰柔らかな女の子だと判明した。
仮面ロキと仲がよく、百合関係をにおわせる描写がある……と思っていたらクラスメートの前で思いっきりいちゃついていた。

() (めん)ロキ
名前の通り仮面をつけ、全身を隠すマントまで着けているという、明らかに色物っぽい見た目と名前の人物。どう見ても偽名っぽい名前だが、クラスメートの反応を見る限りは本名らしい。
襖間と仲が良く、ドッジボール編では追い詰められた襖間をかばい、「オレが居る限りマイは負けない、負けさせない」など、フラグっぽいセリフを言い放った。
球技が得意でドッジボール編では周囲の予想を裏切る活躍を見せる。
思わせぶりな仮面については「マスクキャラはなんだか影があってカッコいいだろうがよ」という理由でつけていたらしい。こいつも中二病か。
そして仮面の下は普通に美少女である。
実際には、クラスの輪に入る自信がなくて一歩引いた態度をとるために仮面をつけていた、という内心をいつみに告白しており、少しひねくれた態度とは裏腹に、本性は臆病で泣き虫な面がある。

笈川(おいかわ)はるか
いつみのクラスメートでパーマ頭が特徴。
幡龍曰く「よく喋るパーマ」。その呼び名の通りネアカな性格で球技が好きらしく、ドッジボール編で活躍した。
神定が力任せに投げたボールをキャッチしたときは体ごと吹っ飛んで悶絶し、「うんことゲロが同時に出そう」という百合マンガの登場人物がやってはいけないシチュエーションを口にした。
何かしらの運動部所属と思われていたがこう見えてコーラス部。
ドッチボール以降いつみをTD*5と呼んで気に入っている。

いわゆる祭り好きな面があり、仲間と一体感や絆を築くことが大切だと考えているため、ドッジボール編ではチームメイトにやる気がないことを不満に感じていた。
しかし敵チームのいつみが仲間をまとめ上げた姿を見て、チームメイトにやる気がないことをリーダーの責任だと決めつけるのではなく、不満があるなら自分が動くべきだったと反省するようになる。
その結果、『いつみのことが好き』『人として尊敬している』と公言するほどのいつみシンパになってしまった。
その影響からか、または元からそういう性格だったのか、上級生や教師相手にも思ったことをズバズバと言い、また少しでも接点がある相手には自由にあだ名をつけてグイグイ距離をつめていくという行動が目立つようになった。
そして先輩のカオルを物理的に口説いて怪しい関係に……

安岐(あき)(さと)()
いつみのクラスメート。かなり長くてボリュームのある髪を2つにまとめている。

(くわ) (ばら)玲央(れお)
いつみのクラスメート。なぜか学ラン姿の人物。

(しし) ()(じょう)
いつみのクラスメート。単行本ではカメラを手にしたイラストが描かれている。

和田(わだ) (つむぎ)
いつみのクラスメート。美術部。
今のところさしたる活躍も特徴もないが、こんな個性的なクラスにいるので多分彼女も何かあるだろう。


倉本(くらもと)俊介
いつみが惚れていた…はずの男性先生。1年2組担任。
一匹狼でクールな性格であり眼鏡を掛けたイケメンであるが、どうにも他人を信用できないらしく、生徒からの差し入れを「赤の他人から貰ったものを飲めるわけ無いだろう気色悪い」とまで言い張った。まぁその差し入れに薬が盛られていたのでその勘はあたっていたわけだが。
ただし「喫茶ラフレシア」のミルクコーヒーだけは話は別であり、それだけは飲んでしまった…惚れ薬が盛られていることを知らず。
だがいつみを見てもなんとも思わず、そこに偶然現れた滝波先生(男性)に「ビリッ」と来てしまいあれよあれよと惚れ込んでしまった
その後も滝波先生の近くにはいるが、生徒たちが何故ドッジボールをしているか理解してなかったりと、どうにも女性に興味の無い仕草を見せている
いわゆるマクガフィン的存在であり、ストーリーの本筋に関わることはほとんどない。

(たまき)灰梨
1年2組の副担任。ガタイのいい中年女性。
体育教師らしく、柔道の授業で指導していた他、ドッジボール編ではクラスのレクリエーションのために審判を引き受けてくれた。
彼女の家に逢魔は居候しているらしいが……特定の生徒をひいきすることにはならないのだろうか?

◇その他の学校関係者


滝波(たきなみ)先生
男性の体育教師。倉本が惚れ薬を飲んだタイミングで声をかけたばかりに大変な事になった人。

山村(やまむら)先生
保健室の先生。ミステリアスで色気のある人物。
大門がケガの治療に訪れたことをキッカケに、大門に個人的な性教育の授業をする。淫行教師
ただし大門が体を触られて震えた際にDVの可能性を危惧したり、彼女の悩みや思いを真摯に受け止めたり、いいところ、だめなところをちゃんと伝えたり…等、しっかりと「大人の先生」をしているのは事実である。淫行さえなければの話だが。

・教頭先生&用務員
教頭の割にかなり若く見える外見をした女性。
たまに登場するときは、用務員の女性と一緒にいる事が多い。
登場回数が少ないものの、ドッジボール編では審判の環を応援していたので、環とは何らかの関係があるようだ。

(みつ)()先生
おかっぱ頭にメガネと口元のホクロが特徴の女性教師。教師としてはありえないほどのレベルで胸元を露出させている。
廊下で遊んでいたいつみたちを一喝するなど単行本三巻時点から登場していたが、夏祭編でようやく蜜家という名前が判明した。
そのときに『元ヤン、ドS』という、かなり身もふたもない紹介のされ方をされてしまうが、その紹介どおり一喝するだけで不良生徒たちを退散させる迫力の持ち主。

・生物教師
名称不明ながら、たびたび登場している女性教師。
成人しているとは思えないほど小柄で童顔なのが特徴。ダボダボの白衣を着ており、担当教科は生物だと思われる。
幡龍が久々に登校してきたときは、ヤクザの娘である幡龍に怯えながらも不真面目な態度を注意してみせた。
倉本が惚れ薬を飲んで滝波に迫ったときは、応援するようなセリフを言っていた。大丈夫か、この学校。

・軽音部顧問
眼鏡でポニーテールの女性教師。名称不明。
軽音楽の経験は皆無だが、やる人がいないという理由で顧問を押しつけられてしまった人。
軽音部で後輩いびりのようなしきたりがあるという問題を把握しつつも、不良生徒の反撃が怖くて問題を放置していた。
軽音部に関しては後ろ暗いところがあるためか、少し卑屈そうな目つきをしている。
作中登場した中ではかなりのクズ教師……に見えるが、部活動の顧問というのはあくまで教師の業務の一部でしかないので、この部分だけを見てダメ教師の烙印を押してしまうのは早計かもしれない。未成年淫行というガチ犯罪をした山村先生に比べればまだマシという見方もある。
暴力が苦手な性格にもかかわらず、明らかにヤンキー率の高いこの学校に赴任してしまったことが最大の問題といえる。

水雲(みずくも)ユズ
鬼怒柄とバンドを組んでいる軽音部の少女。ベース担当でバンドのリーダー。赤ずきんのようなフードをいつもかぶっている。
背は低いが態度は大きくて口が悪い。バンドに関しては妥協を許さずボーカルにダメ出しをした結果、ボーカルに逃げられて急遽メンバーを募集することになった。
態度は大きいが実はマザコン。マザコンの秘密を鬼怒柄に知られた結果、頭が上がらなくなってしまった。
バンド仲間には「元尾」という目つきが悪くて髪を染めている少女もいるが、どうやら彼女は働いているらしい。

杉並(すぎなみ)
隣のクラスの娘、ということで1年1組か3組。
神定を目の敵にしている年寄りみたいな口調の少女。
喧嘩番長を目指しているので、同じ番長格の神定を目の敵にしていつも勝負を挑んでいる……が、たいがい神定に一撃でノックアウトされるので勝負になっていない。
加賀谷情報では、勝負を挑むのも神定の事が好きなので構って欲しいだけ、という事らしい。この学校こういう奴らばっかりだな。
柳といつみがつきあっているというウソを簡単に信じるくらい単純素直な性格。

・向井沙耶、早鷹あみ、すずり
いつみらとは別のクラスのいじめっこ3人組。
日杭にトイレで絡み、金を要求していた。明らかに貧乏そうな日杭をなぜカツアゲしたのか…。
黒いコートを来た目付きの悪い長身の女性が向井で、マスクをしたポニーテールと、マフラーが特徴的だが妙に丸い目付きのちびの3人で構成されている。
向井は中学時代のいつみに目をつけてしょっちゅうからかっていたらしい。
日杭の天然ボケに振り回されているなど間抜けなところもあるがやってる事はいじめであり「あそこから日杭を助ければ印象が良くなる」といういつみの説得で幡龍と口論となり、手が出そうになるが学校に潜んでたアールによってしばかれた。
更に幡龍にとても平和的な説得をされていじめから手を引くことになるのだった。
すずりは未だに名字不明だが2人よりもクレバーらしく、日杭に対しては特に何も言っていなかった(ただ友達の蛮行を止めてもいない)が、いつみが中学生の際に漏らしたエピソードを聞いた際には「どこでも出せるならお前にここ(トイレ)は場違いなのでは」とキレッキレのツッコミをしている。
また幡龍がヤク◯関係者だと知ってた為に幡龍に手を出そうとせず、結果的にアールに関節技を喰らわずに済んだ他、片意地を張る向井を説得したりすることもある一方で、2人を気遣ったりする一面もある。
当初は名前も不明な3人であったがコミックス5巻のカバー裏では脱がされている
そしてChapter40でリーダー格の女子の名前が向井だという事が判明し、また幡龍との約束通りいじめやカツアゲを辞めているのだが、そのせいで「先輩」に渡すお金が工面出来ずに骨を折られるなどボコボコにされていた
Chapter41ではその先輩が非常に悪質な存在である事も発覚し、向井はかなり追い詰められている状況となっている。それと他の2人の名前も判明した。
それでも約束を守っている向かいにいつみは感動し、幡龍にも事情を汲んでもらって光明が見えることとなった。またいじめをしたらひどい目にあわせると脅されはしたが、もう大丈夫だろう。

・カオルとその仲間たち
軽音部所属の二年生たち四人組。
リーダー格らしき女子の名前はカオル。キーボード担当。耳のピアスが特徴と言えば特徴だが、軽音部所属の割に制服も普通に着ていてあまり目立った外見的特徴のない人物。1年2組の連中が制服を改造しすぎなだけかもしれない。
『一年生は軽音楽室の使用禁止』という理不尽な部活のルールを鬼怒柄たちにおしつけてきた。
上下関係にきびしく、生意気な後輩にはすぐ説教をする性格……なのだが、部活の後輩がわがまま放題の水雲なので説教の効果はあまりないようだ。
実はカオルたちも一年時は部活のルールに縛られてまともに活動ができなかったようだ。教師や生徒会にこの問題を訴えたがなにも変わらないまま一年が経過し、結局自分も理不尽なルールを後輩に押しつける側に回ってしまった、という悪循環にはまっていたことが後に判明する。
しかしいつみたちの介入によって三年生が出禁となり、無事軽音楽室を自由に使えるようになる。
一年間まったく解決できなかった問題なのにいつみたちがきたらわずか一日で解決してしまったという状況は正直先輩の立場もかたなしだが…カオル本人はあまり気にしていない様子。
カオル自身も問題を放置されていると気づいていたが、結局一年間行動を起こさなかった自分が悪いと自覚しているようだ。
カオルはこの一件でいつみたちとも親しくなり、夏祭ではバンドの助っ人として参加するようになった……というか、笈川に二重の意味で口説き落とされた。

・コイナミとその仲間たち
三年生のコイナミを中心としたグループ。作中登場したのは全部で六人。
リーダー格らしいコイナミは、浅黒い肌にタンクトップとショートパンツという露出度の高い服装が特徴。仲間たちも、ほとんど私服のような姿で学内を過ごしている。
バスケ部の先輩からリンチを受けていた向井を助けた人物…というとイイ人のように思えるが、実質は真逆。
助けた向井の弱みを握って上納金を払わせ、払えなくなったら自分たちがリンチするという、バスケ部の先輩たちよりはるかに悪質なことをやってのける不良生徒たち。
コイナミは部活動をしていないようだが、仲間が軽音部に所属しているため、放課後の軽音楽室をたまり場として占拠していた。
いつみいわく『暴力こそ全てってオーラが滲み出てる』存在。ギャグテイストが強めな世界観の中で、かなりストレートな悪役として描かれている。

そして向井の回想シーンの中には気になる人物が…
+ ※ネタバレ注意
柳の双子の妹らしき人物がコイナミの仲間として登場している。つまり、柳の不登校事件の黒幕は……

・コーラス部員
軽音部の助っ人として笈川が連れてきた友人。名称不明。
ロングの髪と長いスカートの制服が特徴。

◇学校外の登場人物


羽根井(はねい) (りん)
いつみの1つ年下の生意気な後輩。ポニーテールリボンが特徴の中学3年生。
メスガキのような言動で年上を煽るため、いつみだけでなくるる香にも嫌われている。
だがある意味ではいつみのことを最も理解しているともいえ、惚れ薬が入れられた飲み物を渡された際「何か盛ってる」と察知して飲まなかったが、そのお陰で素の状態でいつみと話し合うことが出来、急接近することとなった
運動神経がよく、ハンドボール部ではエースとして活躍している。なぜかダブル・ニー・ドロップが得意技である。(作中ではいつみが「羽根井プレス」と呼んでいる)
いつみに会う度にイヤミを言っていたが、いつみとは初対面のときからいつみの見た目と性格が好きだったと判明。イヤミを言っていたのはいつみの中学時代、ハンドボール部で彼女と一緒に試合に出たかったから、羽根井なりの叱咤激励の気持ちだったらしい。
以降もいつみが媚薬を飲まされたときに顔が浮かんだり、家で暇な時は真っ先に呼ばれる等、恐らく恋愛レースではトップを走っている。
いつみの妹あられとも本を貸し借りする仲だが、彼女のいつみにした所業を見てどう思うかは今のところ謎である。
いつみとは相思相愛の仲にまで発展しているが、恋愛については独占欲が強く、いつみが無自覚に女性限定でモテていることもあって、若干ヤンデレ気質な一面が見え隠れしている。だがそれがいい。

(はる)()(つち)()&茂木(もぎ)っち
羽根井の同級生でハンドボール部仲間。登場するときはだいたい2人一緒。
春野は「つっちー」と呼ばれており、ハンドボール部部長。
羽根井がいつみのことを好きなことを把握しており、素直になれない羽根井をけしかけるなど、影ながら応援している。
ドッジボール編では羽根井と一緒に球技の苦手な高校生の先輩たちのために指導に来るなど、なかなか付き合いがいい。
土子は四方塚邸で働くメイドの妹だとドッジボール編で判明する。

・藤堂あられ
いつみの妹。芸能活動をしているらしく都度両親と共に東京に出かけている。
花曰く端役であるがドラマデビューも決まったらしいが、その本質は姉以上にチヤホヤされたいと思っている。
だがなまじ幼い頃から周りの人間全員があられに対し好意的だった為に「すべての人間が自分に惚れるのは当然」と思い込んでおり、その気配のない姉のいつみの存在が許せなかった。
その為にまずは両親を懐柔し、姉を嫌わせ自分だけを見るように洗脳、拠り所の無くなったいつみを手に入れる算段であった。
…が、そのいつみは上述の通り学園生活を満喫したりしている為に痺れを切らせ、襲われる覚悟で媚薬を飲ませた…のだが、興奮してしまい自慰をしているところを姉に見つかってしまう。
そんな姉から帰ってきた答えは「そういうのは好きな人とやれ」「私お前のことそんなに好きじゃないから」という薄情すぎる答えであった。
実際彼女が登場する前もいつみは妹のことを話されると露骨に不機嫌になる為に、そんなに好きじゃないというのは本音中の本音であろう。
ただし高すぎる自己顕示欲や他人を平気で実験台に使う薄情さ、覚悟したときの行動力などは姉譲りと言える。

あられの話題は都度出てきたが、そんな彼女の正体は姉を孤立させるという余りにもえげつない行動をするという事で読者に衝撃を与えた。
もちオーレ百合作品でここまで脈なしな姉妹も珍しい。

(はる)()(かく)()
四方塚家の使用人で、いわゆるメイドさん。右目の泣きぼくろが特徴。
四方塚邸にきていきなりイキリ散らかすいつみに対し、調子に乗るなとブチギレ顔でにらみつける等、四方塚への忠誠心が厚いお姉さん。
妹の土子がいつみの後輩にあたることがドッジボール編で判明する。
ドッジボール編では四方塚の顔面にボールをたたき込んだ神定に殺意を向けていた。

(はる)()(みん)()
四方塚家の使用人。こちらは左目に泣きぼくろがあるメイドさん。名前から、覚子の血縁者(姉妹?)と思われる。
覚子と同じ立場のメイドだが、覚子とは違っていつみへの敵愾心はない模様。
四方塚家には他にも、まことの護衛役らしきドレッドヘアにサングラスの黒人女性がいる。

・アール
幡龍のペットの女性。本名は不明。乱れた長髪にボロ着を着た半裸状態で首輪と手枷をつけられているという、明らかにヤバイ見た目をしている。
いわゆるマゾヒストであり、ボロボロの服装と拘束具は趣味で、幡龍に自分から拘束してくれと頼んだものらしい。
幡龍もこれには若干ひいているようで、キッショイ趣味と言っている。が、言うとおりに拘束して身近に連れ歩いているあたりに、幡龍の面倒見がいい面がみられる。幡龍自身にはどちらかというとエム疑惑がある。
このような見た目ながら身体能力に関しては作中トップクラスの実力者があり、ケイドロ編では手枷をつけた状態にもかかわらず、たった1人でいつみたち5人(四方塚は無抵抗でつかまったので正確には4人)を追い詰めてみせた。
幡龍が「殺しのプロ」と口を滑らせており、殺し屋もしているらしい。
幡龍が学校に通い出すと、制服姿で生徒にまぎれ、影ながら護衛をつとめていた。
年齢は不明だが、制服姿のアールをみた幡龍が「いい歳して制服着て何やってんの」と言っているので成人はしているようである。

()(ちょう)
幡龍のお目付役らしき存在。片目を隠した長髪が特徴の女性で、幡龍とは「佐智(さち)」「()(ちょう)(ねえ)」と呼び合う仲。
神定の暴れぶりに興味をひかれ、神定を手下にしようと声をかけていた。
幡龍の周囲には他にも、いかにもヤクザっぽい見た目の男性が2人ほど控えている。うち一人は「そしたら梅干しの種が前のジジィの髪ん中入っちまってヨォ」という謎のセリフが作中唯一のセリフである。どんな状況だ……

・加賀谷(みき)
名前の通り花の姉。こちらも「ゆりなつ」に登場している。CVは櫻庭有紗が演じていた。
かなりのヤンキーであるがこれでもマシになったほうでゆりなつの時は口ピアスをしていた程である
現在の格好は妹である(つぼみ)そっくり。
姉である(よう)と付き合っていたが、画家になる夢を持って故郷から出ている。
同じく島から出ている花とは未だ仲が良い…が身長を妹に抜かれたのは気にしているようだ。


等々、モブですら一筋縄では行かないキャラクターが多い為油断ならない漫画と言える。


◆【アイテム】


(ちょう)(すい)()

物語の発端となった惚れ薬。いつみがネットのいけないサイトで偶然発見した広告から購入したもの。
飲み物に数滴混ぜて飲ませるだけで、相手はメロメロになる。
いかにも怪しい代物*6だが効果は抜群で、今のところこれを口にした者は例外なくメロメロになっている。
少量を飲むだけでたちまち効果が出るが、効果時間が短く数分で切れてしまう。
効果が切れるとホレていた間の記憶も失ってしまう……と、当初は思われていたが、後に記憶は消えないと判明。
最初に飲んだまことや日葵は、効果が切れた後照れ隠しで記憶のなくなったフリをしていた、というのが真相だった。
いわゆる媚薬的な効果が強く、飲んだものは目の前にいる相手にホレるというより、性的に興奮して性的な欲望に忠実になる。
幽霊相手にも効果があるなど、今のところ(世界観的にも)最強のチートアイテムである。
連載序盤はこの薬を飲んだ相手とのトラブルを描くことが多かったが、ストーリーが進むにつれて使用機会が減っている。この薬を使うまでもなく百合気質な登場人物が増えたので必要なくなったようだ。
少量飲むだけでいいので、ケイドロ編ではいつみが水鉄砲にしこんで最後の切り札にするなど、使用機会は減ってもキーアイテムとなってはいる。

◇強力媚薬入りチョコレート

いつみの妹、あられがネット上のよくないサイト経由で入手したアイテム。食べた者を強制的に発情させる効果がある。
かなり強力かつ効果が上記の惚れ薬とそっくりであり、同じサイトで販売している可能性が高い。(仮に別サイトだとしたら、こんな危険物がこの作品内の世界ではありふれていることになってしまう)


◆余談

公式などの説明では「担任の男性教師に恋をしている藤堂いつみは、ある日いけないサイトで惚れ薬を入手し、担任に飲ませようとする」
…と書かれているが、前述の通りいつみが担任の先生を恋人にしたいのは自分がチヤホヤされたいだけであり恋心である可能性は限りなく低い。
一巻の最後の時点で惚れている相手と言われてまず四方塚の顔が出てきて肝心の先生の存在を忘れており、さらにその先生は潜在的に男性好きだった事が判明し、以降はたまに出てくる程度となってしまった。以上のことからぶっちゃけるとタイトル詐欺だったりするのだが、不思議とそれに怒る読者は存在しない。まぁこのタイトルを見てこのマンガを読もうとする読者は十中八九お前らのような百合に興味がある人間だからだろう。

また全年齢向けコミックスであるが普通に乳首の描写がある上に、言葉ではぼかされているが明らかにヤッている描写がある。
カバー裏も登場キャラクターの素っ裸である為、お子様に与えるのには注意しよう。

上記の通り、単行本のオマケとして、扉絵では登場キャラのカラーの水着姿が、カバー裏では全裸姿が描かれる傾向にある。
下に今までに登場したキャラクターをまとめる。
巻数 水着扉絵 全裸カバー裏
第1巻 全裸のいつみ&半裸の四方塚(例外) 四方塚&神定&河野&大門
第2巻 いつみ&四方塚 いつみ&羽根井といつみ&白城(全員水着)
第3巻 加賀谷&岩垣&柳 加賀谷&羽根井&岩垣&柳
第4巻 幡龍&幡龍の遊び仲間の女の子2人 春野眠子&四方塚の護衛のドレッドの女性&アール&破蝶
第5巻 大門&山村先生 向井、早鷹、すずり(この時点では3人共名称不明であった)&鬼怒柄&水雲
第6巻 藤堂あられ 根川&笈川
第7巻 白城&羽根井 うおう&さおう&風巻

1巻扉絵と2巻カバー裏だけ法則が当てはまっていないが、連載序盤ということでルールが定まっていなかったのかもしれない。
傾向として基本的に、1度脱いだ(水着になった)人物の再登場はない、という点が上げられる。水着扉絵と全裸カバー裏は別枠らしく、双方に登場することはあっても、同じ枠内での再登場はほとんどない。
1巻と2巻の扉絵はどちらもいつみと四方塚だが、1巻が水着でなかったので例外と見ていいだろう。同様に2巻と3巻のカバー裏に羽根井が2回も登場しているが、2巻は水着だったので例外ということだろう。羽根井がヒロインなので特別扱いされているのかもしれない。
見てわかるとおり、1巻と3巻カバー裏で主要キャラが早々に全裸となったせいで以降のカバー裏で脱ぐのは名有りモブとかゲストキャラが中心になっている。
そして7巻までの段階で、主要キャラのうちいつみと白城だけはカバー裏でなぜか脱いでいない。白城はこの作品のセクシー担当のはずなのにどうした?










追記修正はwiki籠もりに惚れ薬を飲ませてお願いします。



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最終更新:2025年04月11日 08:22

*1 旅館の娘なので割とまじでこの理由かもしれない

*2 そういう四方塚本人がマントのようなものを付けていたり、クラスのほぼ全員が思い思いの服を着ているので服装はかなり自由な模様。彼女がスカート丈を注意するのは校則で「スカートは膝丈から膝上5センチまで」と決まっており、いつみがたっぷり膝下まであるスカートをはいているかららしい。

*3 その直後「やっぱりわたしは百合じゃなーい!!」といつみは叫んでいるが、その後の展開を考えるとそのセリフ自体がフラグである。

*4 当のいつみも「自分が同じ立場なら殴る」と納得していた

*5 なぜか漫画内では毎回太字。大声なのだろうか?

*6 ラベルには「LOVE POISON」とまで書かれている