サムライチャンプルー

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サムライチャンプルー」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2009/10/08(木) 15:29:09
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます

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#center(){&font(b,#BB4444,18px){この物語はフィクションです。&br()&br()実際の歴史とは異なる部分がありますが、}}

#center(){&font(b,#BB4444,24px){ガタガタ言うな。黙って見やがれ。}}


&bold(){『サムライチャンプルー』}とは、2004年に放映されたテレビアニメ。
制作はマングローブ。全26話。

#region(目次)
#contents()
#endregion


*◆概要
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『[[カウボーイビバップ>COWBOY BEBOP]]』で成功をおさめた渡辺信一郎監督によるオリジナル作品。
江戸時代の日本を舞台に、“&ruby(ひまわり){向日葵}の匂いのする侍”を探して旅に出た少女フウと、彼女の用心棒となった二人の剣士ムゲン、ジンの旅路を描く。

作品の構成は同監督作の『ビバップ』に近く、1話完結のエピソードが多数散りばめられたオムニバス形式が基本。(ただし、前後編もそこそこ多い)
「どうしてこうなった」なギャグ回から、誰も幸せにならないようなシリアス回まで幅広いという点も同じ。

しかし本作には本作ならではの尖ったオリジナリティがある。
それは…


**◇江戸時代×現代風味の世界観
特筆すべきは、第1話冒頭で自己申告しているように&color(#F54738){“実際の歴史とは異なる”}という点。
一応時代劇アニメでありながら、&bold(){ところどころに現代人の文化や言葉が現れる独特な世界観}を持っている。

『チャンプルー(沖縄弁で“混ぜこぜ”)』と題した作品タイトルの通り、面白ければ何でもありで、
-カタカナ語(『&bold(){バイト}』や『拷問の&bold(){デパート}』など)
-若者言葉(『&bold(){マジ}』『&bold(){ウゼぇ}』『&bold(){ダリぃ}』など)
-ヒューマンビートボックスと呼ばれるボイスパーカッション
-金髪やピアスなどのファッション
などの奇抜な要素が、江戸時代という背景を無視して登場する。

スタッフによると、本作は&bold(){江戸時代についてきちんと時代考証をした上で、あえて無視する}という方法で制作したとのこと。

『江戸時代の文化や風俗』を完全に無視しているわけ&color(#F54738){ではない}ところがポイントで、エピソードによっては『隠れキリシタン』とか『借金のカタに遊郭に売られた女』等、この時代らしい要素を扱っている。
人情話も多く、見た目の破天荒さとは裏腹に意外と&bold(){時代劇のフォーマットに則った作品}であり、&color(#F54738){“時代劇の登場人物に現代人の感覚を注入することで堅苦しさを薄めた”}とでも表現すべき独自の魅力を持つ。
特に第1話は意図的にカタカナ語や若者言葉を多用するなど本作の方向性を明確に示しているので、作風を知る上では大いに参考になるだろう。


**◇センスの光る演出・アクション
スタイリッシュな演出やアクションシーンも見所のひとつ。
-ヒップホップカルチャーを取り入れた軽快なBGM
-DJのスクラッチ((再生中のレコードをこすって“ジュクジュク”というような独特な音を出す技法。))の様な演出で行う場面転換
-ブレイクダンスのような動きで派手に戦う主人公ムゲンの殺陣
これらの要素は本作の象徴といえる。

ちなみに、もう一人の主人公ジンは正統派の剣客であり、ムゲンのデタラメな動きとは対照的な、いかにも侍らしいチャンバラで楽しませてくれる。

中澤一登によるキャラクターデザインも、動かすことを前提にしたシンプルかつクールなものになっている。
ちなみに、音楽にこだわりの強い渡辺監督らしく、ED曲がちょくちょく変わる。

日本での知名度はさほど高くないが、サムライ要素とセンスの良い演出がウケたのか、海外人気はかなり高い様子。
海外のアニメファンに好きな日本アニメについてアンケート調査する企画などがあると、[[ジャンプアニメ>週刊少年ジャンプ]]などを押し退けて本作が上位に入っている光景がしばしば見られる。


*◆ストーリー
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とある町茶屋にて起きた争いごとで、二人の男が捕まった。
一人は琉球出身の剣士・ムゲン。そしてもう一人は伊達眼鏡の流浪人・ジン。
牢に放り込まれた二人の前に現れた少女・フウは、ムゲンとジンに脱獄の手助けをちらつかせながら、ある取り引きを持ちかける。

かくして、脱獄に成功したムゲンとジンは、フウの用心棒となる。

『“向日葵の匂いのする侍”を、一緒に探してほしい』

少女の願いを叶える為、三人と一匹の旅が始まった。


*◆主な登場人物
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-&bold(){ムゲン}(無幻)
CV:[[中井和哉]]
琉球のとある孤島出身の推定20歳。
ガラの悪い性格でヤンキーのような振る舞いだが、人並み外れた身体能力と野性的な直感を持つ。
我流の喧嘩剣術で戦う。足技なども多用するデタラメな戦い方なのだが、これが道場で剣を極めたジンと互角に戦えるくらい強い。
女好きで意外とモテる。そして[[巨乳]]派。&font(#ff0000){はいてない。}


-&bold(){ジン}(仁)
CV:佐藤銀平
伊達眼鏡をした侍。年齢はムゲンと同じ。
多くの点でムゲンと対照的な男で、冷静沈着で口数が少なく、礼儀を重んじる性格。
かつて“&ruby(むじゅうしんけんりゅう){無住心剣流}”の道場に通い、剣術を極めた凄腕の剣客であり、相手の太刀筋を一瞬で見切って神速の技で斬り伏せる。
酒に弱く、[[釣り]]が下手。
意外とムッツリで、性欲は人並みにある。


-&bold(){フウ}(風)
CV:[[川澄綾子]]
推定15歳の天涯孤独の少女。
「向日葵の匂いのする侍」の手掛かりを求めて、数多くのバイトをしていたが、ムゲンとジンとの出会いを機に旅に出る。
ペットにモモンガの「モモさん」を飼っている。性格は明るく世話好きで好奇心旺盛。
華奢な体格で、[[貧乳>貧乳(賓乳)]]なのを気にしている。
一方、かなりの大食いで、たまに食べ過ぎて「お相撲さん」になる。(ムゲン曰く「軽いバケモン」)


-&bold(){モモさん}
額とお腹に傷があるモモンガ。
フウの懐に住んでいる。うらやましいじゃねぇか。
たまに出てきて活躍する。モモさんかわいいよモモさん。


*◆各話リスト
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|話数|サブタイトル|補足・備考|h
|#01|&bold(){疾風怒涛}&br()&i(){Tempestuous Temperaments}|ムゲン、ジン、フウの出会いと旅立ち。|
|#02|&bold(){百鬼夜行}&br()&i(){Redeye Reprisal}|#01でムゲンに片腕を落とされた竜二郎の復讐。&br()この回でジンと戦った殺し屋は、当初の予定では&br()終盤に再登場するはずだった。&footnote(後々の再登場を予感させる台詞はあるのだが、結局尺不足で再登場はお蔵入りに。結果的にジンと戦って斬られなかった珍しい敵キャラになった。)|
|#03|&bold(){以心伝心 其之壱}&br()&i(){Hellhounds for Hire(PART.1)}|主人公トリオ、早くも解散。&br()ムゲンとジンはそれぞれ別のヤクザの用心棒に。&br()巡りめぐって対峙する二人。&br()「どんなに離れようがな……こうなる運命だってこったァ!」|
|#04|&bold(){以心伝心 其之弐}&br()&i(){Hellhounds for Hire(PART.2)}|~|
|#05|&bold(){馬耳東風}&br()&i(){Artistic Anarchy}|浮世絵のモデルに選ばれたフウ。&br()ヘタレの&ruby(ひしかわもろのぶ){菱川師宣}(CV:[[三木眞一郎]])のキャラの濃さよ。&br()そして我らがのこぎり万蔵デビュー回。&br()一番遊んでたジンが一番船賃稼いできました。|
|#06|&bold(){赤毛異人}&br()&i(){Stranger Searching}|ついに一行は江戸へ到着。&br()カタコトで話す怪しい男・丈二を連れて江戸観光へ。&br()ギャグ回なのだが物語の本筋にも関わる。|
|#07|&bold(){四面楚歌}&br()&i(){A Risky Racket}|スリの青年・新輔の話。&br()フウ主役の人情エピソード。|
|#08|&bold(){唯我独尊}&br()&i(){A Problematic Past}|いずれビッグになる男・&ruby(ながみつ){永光}の話。&br()[[山寺宏一]]のムダ遣い。&br()『徳川→ガワトク』みたいなギョーカイ用語多め。|
|#09|&bold(){魑魅魍魎}&br()&i(){Beatbox Bandits}|ダフ屋に騙され関所で足止めをくらう一行。&br()江戸時代アレンジの走れメロス。|
|#10|&bold(){以毒制毒}&br()&i(){Lethal Lunacy}|凄腕の辻斬りvsムゲン。&br()ムゲンが切り札まで出したバトル回。|
|#11|&bold(){堕落天使}&br()&i(){Gamblers and Gallantry}|ジンと遊女の人情話。&br()カブトムシのロドリゲスが大活躍(?)|
|#12|&bold(){温故知新}&br()&i(){The Disorder Diaries}|フウの日記を盗み見るムゲンとジン。&footnote(実はムゲンは文字が読めないため、ジンに読んでもらっている。)&br()ぶっちゃけ半分は総集編。&br()だがわりと面白おかしくまとまっている。|
|#13|&bold(){暗夜行路 其之壱}&br()&i(){Misguided Miscreants(PART.1)}|ムゲンの幼馴染みの少女コザと、かつての仲間ムクロ登場。&br()明かされるムゲンの過去。&br()挿入歌はおぼくりええうみ。&br()ガチのシリアス回で、ラストシーンは圧巻。|
|#14|&bold(){暗夜行路 其之弐}&br()&i(){Misguided Miscreants(PART.2)}|~|
|#15|&bold(){徹頭徹尾}&br()&i(){Bogus Booty}|釣りをしていた一行は大金の入った袋を見つける。&br()久々に豪遊するが、それは偽造された貨幣だった。&br()絵コンテが押してしまって、原画に回さず&br()中澤さんが自ら戦闘シーンの原画を描いた逸話有の回。&br()そのため戦闘シーンは出色の出来。忍者アクション満載。|
|#16|&bold(){酔生夢死 ひと夢}&br()&i(){Lullabies of the Lost(VERSE.1)}|口喧嘩からまたバラバラになる三人。&br()オクルという男を探す連中に絡まれるムゲン。&br()一方、ジンはかつての弟分・雪丸から戦いを挑まれる。|
|#17|&bold(){酔生夢死 ふた夢}&br()&i(){Lullabies of the Lost(VERSE.2)}|~|
|#18|&bold(){文武両道}&br()&i(){War of the Words}|建物に落書きする“タギング”に傾倒する二人の若者の話。&br()ムゲンがついにひらがなの読み書きを覚える。|
|#19|&bold(){因果応報}&br()&i(){Unholy Union}|キリシタン狩りに遭遇する一行。&br()そこにザビエル三世を騙る謎の男が現れる。|
|#20|&bold(){悲歌慷慨 其之壱}&br()&i(){Elegy of Entrapment(VERSE.1)}|盲目の旅芸人・沙羅の話。&br()21話は[[作画崩壊]]?いいえ、これは演出です。&br()雨の中でのアクションシーンは大迫力。|
|#21|&bold(){悲歌慷慨 其之弐}&br()&i(){Elegy of Entrapment(VERSE.2)}|~|
|#22|&bold(){怒髪衝天}&br()&i(){The Cosmic Collisions}|キノコ狩りから物語は意外な展開へ。&br()平家の子孫を名乗る男・シゲのくどすぎる台詞回しは必見。&br()あまりにも『完』なオチである意味有名。|
|#23|&bold(){一球入魂}&br()&i(){Baseball Blues}|ド直球のギャグ回。&footnote(監督はこの話をずっとやりたがっていたが、いろいろ作業が推して最終エピソード手前という位置になってしまったらしい。)&br()監督自ら脚本を仕上げ、作監に中澤氏を置いたガチの布陣。&br()どう見ても哀川翔な人&footnote(演じた古川登志夫氏の『哀川風の演技』も必見。)と手を組み、日米野球決戦。&br()左遷されたっぽいのこぎり万蔵も再登場。&br()流星打法とウィンドミル投法はこの頃から存在した。|
|#24|&bold(){生死流転 其之壱}&br()&i(){Evanescent Encounter(PART.1)}|最終エピソード。&br()フウは向日葵の匂いのする侍と会えるのか?&br()そして最強の刺客がムゲンとジンを襲う。|
|#25|&bold(){生死流転 其之弐}&br()&i(){Evanescent Encounter(PART.2)}|~|
|#26|&bold(){生死流転 其之参}&br()&i(){Evanescent Encounter(PART.3)}|~|


*◆余談
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-PS2で[[ゲーム]]が出たり、ゴツボマサルによる[[漫画]]版を出したりもしていた。&br()パチスロ化したこともある。

-前述の通り本作は全26話なのだが、地上波での放送時はフジテレビの編成の都合上、&bold(){第17話で放送終了}してしまった。&br()後に、BSフジで第1シーズン(#1~17)、第2シーズン(#18~26)として全話放送した。
--ちなみに、同じく渡辺監督の『カウボーイビバップ』も、地上波放送時はテレビ局の都合で26話中の13話しか放送させてもらえなかった。(あちらはテレビ東京だが)&br()なかなか運のない監督である。

-[[カプコン]]のアクションゲーム『[[戦国BASARAシリーズ]]』は本作の影響を受けていることで知られる。
--これは同作のプロデューサーである小林裕幸氏がサムライチャンプルーのファンであるためで、作品のテイストもやや似通っている。
---W主人公である[[真田幸村>真田幸村(戦国BASARA)]]・[[伊達政宗>伊達政宗(戦国BASARA)]]のイメージカラーがサムライチャンプルーのムゲン・ジンと同じ&color(#F54738){赤}/&color(#3B4EF0){青}で対になっていたり、『戦国時代を無視した現代要素がある』などの作風にその影響が見てとれる。
---シリーズ一作目の『[[戦国BASARA]]』(2005年)のアニメーションパートはサムライチャンプルーを手掛けたマングローブが担当しているが、これも小林Pの熱烈なオファーによって実現したもの。
---ちなみに声優の[[中井和哉]]氏は、両作で主人公を演じている。(ムゲン/伊達政宗)
--ただし『一見すると作風が似ている』だけで、実際に比べてみると両作のスタンスはけっこう違う。
---サムライチャンプルーのストーリーはギャグとシリアスを明確に使い分ける傾向にあるのに対し、戦国BASARAはギャグ要素と熱い展開の合わせ技に重きを置いており、特に初期作品は『バカゲー』に分類されがち((作品によってはシリアス寄りの暗いストーリー展開もある。))。
---サムライチャンプルーの現代要素はボイスパーカッションやタギングのような『時代背景的にまずありえないが、そういう発想をした人がいればその時代でも実現可能なもの』が多い。&br()一方、戦国BASARAの現代要素は“流暢な英語を話す伊達政宗”なんてまだ可愛いほうで、[[完全に戦闘ロボットと化した本多忠勝>本多忠勝(戦国BASARA)]]のような『現代でも実現できていない代物』もわりと平気で登場する。



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- 始めて作画崩壊で有名な21話見たけどどう見ても崩壊ではなかったね。テイストがあからさまに違うから拒絶反応起こすのも解るけど。もう一度言うが崩壊ではない。顔面もキャラデザを大きく外してるわけじゃない。  -- 名無しさん  (2015-10-02 06:44:10)
- なんだかんだ名作の良作。色々とかっこいいんで楽しめる  -- 名無しさん  (2015-12-16 20:08:23)
- 今日やっとDVDで全話見終わったけど、また改めて最初から見直したくなった。  -- 暮羽  (2016-08-27 21:39:49)
- それまでほぼ敵なしだった主人公二人をあっさり瞬殺する沙羅さんやべぇってなったな初見。あの前後編好きだわ  -- 名無しさん  (2018-05-03 02:00:35)
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