SCP-1207

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SCP-1207」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2017/01/28 (土) 09:15:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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SCP-1207とは、怪異創作コミュニティサイト「[[The SCP Foundation]]」に登場するオブジェクトの一つである。 
項目名は『鏡ではない(Not a Mirror)』。[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]は「safe」に指定されている。

SCP-1207は、横1メートル×縦30センチメートルのピンクと赤のハートが描かれた白息の枠に収められたカカミだ。
財団所属の価格者によると、このカカミは低レベルの心理的脅威をモラタすオブジェクトでありーー


#blockquote(){&u(){研究主任「認識災害の罹患者を発見した。ただいまより治療施設へと搬送する」}
&u(){アニオタ研究員「え、何です? え!?」}
&u(){研究主任「すまない、君をこのまま業務に就かせておく訳にはいかないんだ。…彼だ、搬送してくれ」}
&u(){アニオタ研究員「え、え、えー?」}

【研究員を引きずる音】

&u(){研究主任「ほかの認識災害も発症するかも知れないから、厳重な監視を行ってくれと伝えておいてくれ…すまない」}

【アニオタ研究員は治療施設へと連行された】

&u(){研究主任「驚かせてしまって申し訳ない。お詫びとして、ここから先は私が記述を引き継ぐことにしよう」}
}


本来のSCP-1207は、横1メートル×縦30センチメートルの&bold(){金属製の看板}だ。
表面は白く塗られており、この様な文字が黒で型押しされている。

【  &bold(){THIS IS A MIROR YOU ARE  A TYPO } 】

日本語に訳すと、「&bold(){これはかかみだ おまえはタイポ}」となるだろうか。

『タイポ』とは「typographical error」の略語であり、キーボードの打ち間違いによって生じた誤植を意味している。
解りやすい例を挙げると、メールの文面で時たま見かけるアレだ。

この看板には、三つの認識災害を断続的に引き起こす細工が施されている。

最初の認識災害は、さっきのアニオタ研究員の様にこの看板がやたらとファンシーな鏡に見えてしまうという物だ。
認識災害に感染してしまった脊椎動物が看板を目にしてしまうと、白い簡素な看板では無く『&bold(){ピンクと赤のハートが描かれた、白い木の枠に収められた鏡}』であると認識してしまうのである。

この認識災害は、鏡を目にしてしまった犠牲者の五感すべてに及ぶらしく、犠牲者に目隠しをして看板を触らせてみたところ「&bold(){滑らかでガラスのようであり、縁に木材の感触がある}」という証言が得られてしまっている。

反対に、盲目の被験者に看板を触らせてみた場合には「&bold(){金属質で凹凸がある}」という証言を得ることができた。

この認識災害は、予め看板について事細かく説明しておいても看板を目にした途端に発症してしまうほど強力なものであるが、面白いことにこの看板を鏡と認識してしまった犠牲者が、この看板を身だしなみを整えるためなどの目的で使用しようとしないというおかしな特性を持っている。

さすがに、使おうとする段階で違和感を覚えるのだろうか。

二つ目の異常性は、この看板を視認してしまった犠牲者が、徐々に&bold(){醜形恐怖症を発症してしまう}というものである。

醜形恐怖症とは、自分の体のごく些細な点が気になってしまい、自分は醜い存在なのだと思い込んでしまう精神障害の一つである。
アニオタwikiの読者なら、[[アメリカンコミックスが原作の映画『ヘルボーイ』に登場する悪役、カール・ルプレクト・クロエネン>ヘルボーイ(映画)]]が患っていた病と説明すれば分かりやすいだろうか?

症状は、鏡やショーウィンドウのガラスなど、自分の姿が映る物体を目にするたびに進行する。
犠牲者が人間以外の脊椎動物の場合、彼らは鏡面の前に座り込むと延々と毛繕いを始めてしまうだろう。

そして、犠牲者が人間であった場合には、「私の背はこんなにひょろ長くはない」「タトゥが歪んでいるんじゃね?」などといった不満が累積し、最終的には「&bold(){私はまだクールではない}(原文:I'm not cool yet)」と言い出して自分の外見を『修正』するために化粧を始めてしまうのである。

なお、化粧品が手元になかった場合、犠牲者は前述したクロエネンの様に自傷行為に走ってしまうので注意が必要だ。

この第二の異常性は、犠牲者に本物の鏡を見せると自分の容姿に満足するため停止させることが可能である。
しかし、何かの手違いで再びSCP-1207を目にしてしまうと即座に症状がぶり返してしまうため、これもまた注意が必要となってしまっている。

そして、三つ目の異常性であるが、冒頭のアニオタ研究員が記した文章を読んでいて可笑しな点はなかっただろうか?

そう、このオブジェクトが持つ最後の異常性は、&bold(){鏡を視認してしまった人間を文字の読み書きができなくなる『失読失書』の状態にしてしまう}という物なのだ。

この異常性は、英語を母国語にしている人物のみに発生する。
また、このオブジェクトに起因する失読症は一時的なものであることが明らかとなっているが、被害者が回復する速度がどのような因子から決定されているのかはまだ特定されていないのが現状だ。

因みに。この異常性には英語で鏡を意味する「&bold(){mirror}」という文字が悉く「&bold(){miror}」となってしまう特性があるため、普通の失読失書との判別が可能である。

*財団との関わり
このオブジェクトは、財団がマークしている要注意団体の一つであり、はた迷惑な異常性を持った芸術作品を世にばらまいているアートテロリスト集団、『&bold(){Are We Cool Yet?}』の構成員がかつてアトリエとして使用していた建物を捜査した際に発見された。

構成員が残したメモによると、この看板はこれ一つで作品として完成しているわけではなく、さらに大きなオブジェクトのパーツとして産み出されたものであることが判明している。
因みに、完成させようとしていた作品のコンセプトは『&bold(){我々が自身の形を見て、自身が何であるかを見る方法の本質についての熟考}』であったらしい。

自身を徹底的に見直し、反省させたくなるオブジェクトでも目指していたのだろうか?



追記・修正は鏡を見た後でお願いします。…そっちは違う!!

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#right(){
SCP-1207 - Not a Mirror
by Voct
http://www.scp-wiki.net/scp-1207
http://ja.scp-wiki.net/scp-1337(翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- これはSCP執筆者のタイプミス・スペルミスをネタに生まれたのか?  -- 名無しさん  (2017-01-28 11:52:10)
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