KILL WIZARD(キルウィザード)

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KILL WIZARD(キルウィザード) - (2015/01/28 (水) 15:53:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/07(木) 21:52:17
更新日:2024/01/06 Sat 13:55:58
所要時間:約 6 分で読めます




週刊少年マガジンにて2006年12号から掲載された短期集中連載漫画。全6話。単行本全1巻。
作者は現在ウィッチクラフトワークスを連載中の水薙竜(当時は水薙竜唳名義)。

短期連載ながらも細かくハイファンタジー世界が創り込まれている。
が、全6話という短い構成であるため、とにかく設定面はこれでもかと詰め込まれている。
本編中で描ききれなかった部分は単行本や作者HP(色々載っていたらしいが現在のHPでは閲覧不可)で補完。それでもまだまだ語りきれていないことや大量の裏設定もあるそうで。

戦闘が始まるとHP/MP/SPのバーが頭の近くに表示されたり、攻撃を食らわせるとHIT数が表示されるゲーム的表現も特徴。
作中の魔法は詠唱を終えた名称の始めが□で囲まれていたりもする。

ストーリーは短編2話と中編1エピソード4話構成。まだまだこれからな終わり方をしているが短期連載なので続かない。
表紙にも扉絵にも1巻目であるナンバリングが表記されていて巻末にもVol.1(完)と書かれているので紛らわしいが、そもそも全1巻予定なので続かないったら続かない。


◆あらすじ
世界で多発する魔法犯罪。その犯罪者たちの対処に特化した対魔法使い、通称・キルウィザードの物語。


◆世界観/用語
  • 対魔法使い
あらゆる魔法に通じ、あらゆる魔法を封じる、対魔法犯罪のエキスパート。
単に封じるだけではなく、相手の魔法を吸収して奪い・討つことから魔導師殺し(キルウィザード)とも呼ばれている。

  • 魔法協会
魔法犯罪者を罰すべく創られた組織であり、対魔法使やその護衛を務める協会騎士を擁している。だが魔法犯罪でもIPCが絡むと動きが鈍る。

  • 神殺し
魔法の始まりにまつわる伝承。9人の賢者が神より叡智を与えられ、その叡智を持って世界に存在する「力」を手にすることとなる。
しかし、世界の力全てを得ようとした賢者たちは神に謀反をおこし殺害。神の死により制御を失った魔法は悪用の道を辿ることとなった。
一方でその神の亡骸からは3人の天使が生まれ、悪用される魔法に対処すべく対魔法協会が設立された。

  • IPC
神殺しの賢者9人の末裔。奇跡に等しいレベルという魔法使いでも圧倒的な力を持った存在。

  • 竜血(ドラゴンブラッド)
竜と遭遇した者全てに自動的にかかる呪い。竜の襲われ生き延びたとしても、滾るその血に全身を犯され正気を保つことができなくなる。
同時にその血を克服したものには圧倒的な人ならざる者の力が与えられるため、「勇者」の力として冒険者たちの間では腕試し的な存在としても伝えられている。


◆登場人物(ネタバレ含)
  • ファーデンクォート
主人公。通称ファー。魔法協会に所属する対魔法使いの一人で、状況に応じて魔法を使い分ける柔軟さが戦力。
中性的な外見をしており、女性と間違われるとキレて殴りにかかろうとする。ただしちゃっかり相手の発言を美少女と脳内変換はしておく。
「魔法を悪用する犯罪者をやっつけ、魔法が正しいことであると証明するため」にこの道に入っており、その信念は魔法使いとしての飽くなき知識への探求に対する誘惑をも撥ね退ける。

  • ロードナイト
通称ロード。魔法教会に所属する騎士にしてファーの相棒。剣は投げて使うもの。貴族出身だが火蜥蜴(サラマンダー)に襲われ一家全滅した過去を持つ。
竜血であり圧倒的身体能力を持つ。普段は口数少なく空気を読まない天然ボケをかまし続けるが、炎による攻撃を受けると若干饒舌になり暴走を始める。

  • メリアグランス弓美
通称メリア。ファーの世話係であり、クエスト管理なども担当している神官。
ファーの寝込みにキスチャンスを狙うも鳩尾に一撃入れられ撃沈。

  • ベルゼリビュート=ファレル
ファーの師匠でロードの竜血を和らげた恩人でもある存在。本編にはロードの回想で少ししか登場せず、単行本で細かい解説がされている。
人生は苺のショートケーキ(甘くて柔らかくてたるいか)かガトーショコラ(苦くて柔らかくてたるいか)が持論。

  • 公爵
それなりにキャラは立っているものの、作中では公爵様としか呼ばれていない。ソードウィッチに命を狙われたことで協会に依頼を申し出る。
かつては魔法を娯楽とする上流階級組織“黒薔薇の冠”に所属していたが、降魔術に失敗したことで以降足を洗う。

  • ソードウィッチ
降魔術に参加した貴族たちを次々と殺害していく連続殺人鬼。その正体は前途の降魔術を行った魔導師ミルネフラ。
校魔術は成功してリリム・フェレスと契約しており、魂を捧げるためにその時参加していた貴族たちを狙っていた。

  • クォンウォールの姫
こちらもキャラ立ちに反して作中では名前を呼ばれていない。東方の森への散歩の護衛としてファーとロードを雇う。
ワガママ姫ぶりを見せるが、それは幼いながら当主としての重みを背負い続けてようやく少し息の抜ける状況になれた反動。
散歩の本当の目的は数年前に亡くした両親の事故現場へ行き着くことだった。

  • 侍女
クォンウォール家に仕えるメイドで姫の面倒見役にして荒ぶる彼女の諌め役。冒頭では「姫」呼んでいたが話の終わり掛けは「当主様」になっている。

  • ルビ
見習いの対魔法使い。師匠であるアズライトによりファーの元へ転送され、師を助けるために奔走する

  • アズライト
凶悪犯罪者であるラピスを止めるため、協会に背きIPCの関わっている事件を追っていた。

  • ラピス
死霊使い。自らの実験のために冒険者を拉致殺害してきた凶悪犯罪者。
しかし本体は意思を持った魔導書の方であり、ラピス自身の肉体は既に腐敗しかかり使われる側となるのを待つ身となっていた。

  • フェルローザ&アトリ
国家所属である「冬月騎士団」所属の騎士。たった二人で一部隊を任されるほどの実力を持ち“漆黒の剣”と呼ばれている。
IPCの関わる事件に介入したアズライトを捕縛するため、協会に雇われ彼女を追っていた。フルカネルリとは因縁があることを本編(最終回)で匂わせている。

  • フルカネルリ
IGPの一人。ラストでいきなり登場。かつて「知識の蓄積の延長は究極の知を得たるか」という実験で魔典を作りばら撒いたが、本人はすっかり忘れていた。
偶然通りがかった廃墟で偶然意思を持った魔典と交戦した一行を見かけ、知識に対する誘惑を撥ね退け魔典に打ち勝ったファーに興味を示す。
ファーを殺して調べるために持ち帰ろうとするも、漆黒の剣の乱入とこの地へ来た本当の目的があるため時間を食っている暇もなかったということもありさっさと撤退した。



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