ドゥームズデイ・ブック(小説)

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ドゥームズデイ・ブック(小説) - (2014/09/08 (月) 14:17:22) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/04/09(土) 00:37:39
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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#center(){……あまたの邪悪と、世界全体が、
いわば魔王の手に握られるさまを
目のあたりにしたわたしは、
みずから死者の一員も同然の身で
死を待ちながら、いままでに
目撃せしすべてをここに書きつづる。}
#right(){──ブラザー・ジョン・クリン
(一部抜粋)}



『ドゥームズデイ・ブック』とは&bold(){“アメリカSF界の女帝”}ことコニー・ウィリスの小説。発表は1992年。
大森望訳の単行本(既に絶版?)と文庫本(上・下)が早川書房より刊行されている。

尚、本項目の呼称・名称は文庫本を基に記述する。


【どんな小説?】
[[タイムトラベル]]で過去へ向かうお話。

しかしながら、時間遡行理論の説明も、時空を超えた弩派手なアクションシーンも、歴史を改竄しようと過去の時代で跋扈する悪の組織も登場しない。
[[タイムトラベル]]はあくまで手段であり、&font(#0000ff){SF然とした要素は薄い}と言える。
 
むしろ濃いのは&font(#ff0000){サスペンス}や&font(#ff0000){人間ドラマ}。
襲い掛かる災厄にハラハラするも良し、あとの展開を予想するも良し。
幼い姉妹が喧嘩する姿に和むも良し、奔走する&font(#ff0000){&bold(){老教授にハァハァする}}も良し。

序盤に出てきた謎や伏線が中盤からどんどん解けていくので、ミステリーとしても読めたりする。


【あらすじ】
21世紀半ば──過去へ向けての[[タイムトラベル]]技術が確立し、もっぱら研究目的で利用されている時代。

オックスフォード大学の女子学生キヴリンは、実習の一環として14世紀のイングランドへ向かう。
老教授のダンワージー先生は彼女のことが心配で心配で仕方が無い様子。

それもそのはず、14世紀のイングランドは盗賊、追い剥ぎ、魔女狩り、チフス、コレラ、その他有象無象がはびこり危険すぎる時代だからだ。
 
そんな中、安全に転送できたかどうかのデータ確認していた技術者が「なにかがおかしい」と言い残し失神。意識不明の重体に。
丁度世間は[[クリスマス]]シーズン。大学も休校中で、代わりの技術者は見つからない……。

一方、14世紀。深い森の中に到着するキヴリンは突然の頭痛と寒気に襲われ倒れてしまう。
朦朧とする意識の中、誰か近くにいるのを感じるキヴリンだったが……。


【主な登場人物】

&font(#ff0000){■}……ブレイズノーズ・カレッジ系
&font(#0000ff){■}……ベイリアル・カレッジ系
&font(#008000){■}……その他 


《21世紀の人々》
&font(#ff0000){■}キヴリン・エングル
中世史学科の女子学生にして本作の主人公。
大学一年生の頃から中世への[[タイムトラベル]]を希望し、遂に前人未到の14世紀に向かうことに。
身長150センチ未満のちびっ子で、「ひとりで横断歩道もわたれない年齢」に見える。
 
&font(#0000ff){■}ジェイムズ・ダンワージー
20世紀史科の教授。60歳くらい。21世紀パートの主人公。
父と娘くらい歳の離れたキヴリンを助けるため奮闘する。&font(#ff0000){&bold(){萌える}}。

&font(#0000ff){■}フィンチ
ダンワージー先生の男性秘書。歳は若く真面目な性格。
本作における一服の清涼剤。

&font(#0000ff){■}バードリ・チャウドゥーリー
ネット技術者。
腕はピカイチだが「なにかがおかしい」と言ったきり倒れてしまう。

&font(#ff0000){■}ギルクリスト
中世史科の教授。史学部学部長代理も務める。
今回の時間遡行にかなり執心していて、危険を訴えるダンワージー先生とは犬猿の仲。

&font(#ff0000){■}ラティマー
キヴリンの指導教授(チューター)。高齢のおじいちゃん。
専攻は中期英語か。
 
&font(#ff0000){■}ループ・モントーヤ
考古学者。女性。
オックスフォード近郊で発掘調査を進めている。

&font(#008000){■}メアリ・アーレンス
付属病院の医師。
ダンワージー先生とは古くからの友人であり、よき理解者。

&font(#008000){■}コリン・テンプラー
メアリの姪の息子。12歳。
この年頃の例に漏れずやんちゃで活発。

&font(#0000ff){■}ウィリアム・ギャドスン
ダンワージー先生が指導教授の学生。
専攻は現代文学でかなりのやり手。彼の母親がすごい。

&font(#008000){■}ベイジンゲーム
史学部の学部長。どこにもいない。

&font(#008000){■}テイラー、ヘレン・ピアンティーニ
アメリカから来た鳴鐘者(ベルリンガー)たち。
ツアー中にオックスフォードへ観光に訪れた。
 

《14世紀の人々》
&font(#008000){■}ギヨーム・ディヴリー
一家の主。通称ギヨーム卿。
家族らを遠く離れた村へ移し、自身は友人の裁判に出席するためバースに留まっている。

&font(#008000){■}レイディ・イメイン
ギヨーム卿の母。おばあちゃん。
性格はあまり宜しくなく、粗を見つけてはあれこれ文句を言う。

&font(#008000){■}レイディ・エリウィス
ギヨーム卿の妻。夫が不在の屋敷を預かる女主人。
夫が言った「私が来るまでこの村から動くな」という約束を頑なに守ろうとする。

&font(#008000){■}ロズムンド
長女。数えで13歳。&font(#ff0000){&bold(){技の一号。}}早い話が[[幼女]]である。
父親がバースからやってくるのを心待ちにしているようだ。
 
&font(#008000){■}アグネス
次女。5歳くらいのちみっこ。&font(#ff0000){&bold(){力の二号。}}早い話が[[幼女]]である。
元気いっぱいに笑ったり、走り回ったり、ぐずったり、喧嘩して怒られたりする。微笑ましい。

&font(#008000){■}ガーウィン
ギヨーム卿の家臣。
主が不在の一家と屋敷を守るのが役目。

&font(#008000){■}メイスリ
召使い。地元出身。
[[メイド]]さんに抱く幻想を&font(#ff0000){&bold(){打ち砕いてくれる}}こと請け合い。

&font(#008000){■}ローシュ神父
地元の神父様。
優しさが服を着て歩いているような人。イメインから嫌われている。

&font(#008000){■}サー・ブロート
ロズムンドの婚約者。サーなだけあって有力者。
当時の結婚適齢期が15歳頃とはいえ、[[ロリコン>ロリータ・コンプレックス]]にしか見えない。
 

【備考・余談】
姉妹篇に『犬は勘定にいれません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』がある。
こちらはどたばたラブコメディで、ダンワージー先生もちょこっと出てくる。


「人物多すぎ! 覚え切れん!」と思うかもしれないが、各人のキャラが良い感じに立っているので、読んでいるうちに自然と覚えられる……はず。






「ああ、そこにいらっしゃったんですね。ほうぼうさがしまわってたんです」
 とフィンチが言い、
「実は、この項目への追記・修正をお願いにあがりました」

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- ダンワージー先生とキヴリンの関係ってさー、どう読んでも…  -- 名無しさん  (2014-09-08 14:17:22)
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