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艦船全般3 - (2012/03/09 (金) 16:52:45) のソース
#contents ---- **「艦艇」と「艦船」ってどう違うのでしょうか? 艦艇 → 艦(軍用の大型の船)と艇(同じく、主に沿岸で使用する小型の船)の両方を合わせた用語 艦船 → 艦のこと 艦・艇という用語は沿岸警備隊(海上保安庁)でも使う 排水量による区分は各国で異なるので一概に言えない #right(){(50:773)} 「艦船」は軍用の船と民間の船を合わせて指す時にも使用するね つーか、こっちが主だ #right(){(50:775)} **「超電導推進」についてなんですが、これは水上艦も応用できるのでしょうか? 実験船もあるんですが、試してみたら余り効率がよくないことがわかりました 技術面なら船舶板か未来技術板が詳しいです #right(){(50:831)} **空母ととか軍艦とかは台風とか嵐とか津波とか竜巻とかいった気象に関する災害みたいのが起きても大丈夫なんですか 60年代末に最大傾斜角が30°近くになった例(キティクラス)もあるそうで このときにはけが人が続出した他、搭載航空機にも多大の被害が出た #right(){(51:160)} **艦隊の旗艦が沈められると、具体的にはどのような問題が出るのでしょうか? 被害にもよる。 当然、旗艦が沈んだ時の対応はそれぞれ定まってる。司令部スタッフが生き残れば 当然、近くの適当な艦に移って司令部を新設する。スタッフも全滅したら適当な後 任が引き継いで司令部を新設する事になる。 前者は当然、収容までタイムラグがあったりするし現代の海戦と言えど、電話線と 椅子の数が揃えば良いってわけでもないので、そこら辺の融通が利く艦が新しい旗 艦が無ければ司令部施設の不便が色々と出る事になる。後者の場合はさらに後任の スタッフが未熟だったり、色々と指揮面で不慣れなせいの問題が出てくる可能性も ある。それに何より司令部スタッフが全滅って人的損害は大きいしね。 #right(){(51:423)} **艦長は勤務中、普通はどこにいるんですか >艦橋でしょうか >艦長が非番の時や怪我とかで指揮を執れない場合誰が指揮を執るんですか 航海中の艦長はアイランド(艦橋)の航法デッキ(航海艦橋とも言われる)にいるそうです #right(){(56:829)} **戦史ものでよく登場する「轟沈」ってのは普通の撃沈と状況としてはどのように異なるのでしょうか? 一瞬で船として使い物にならなくなること #right(){(57:576)} 「轟沈」とはマレー沖海戦の結果を日本の新聞が報道した際、創作した造語です。 #right(){(57:580)} 「轟沈」>初弾命中から1分以内の沈没。瞬間(的)沈没。 …ではなかったろうか。出典は広辞苑。 被弾ではなく、火薬庫爆発事故等でも瞬間的沈没なら「轟沈」だろう。 戦記、体験記等では沈没まで数分以上かかっても「轟沈」と書かれたりする。 #right(){(57:584)} 確かに微妙だと思う。 フッドも全没まで1分以上は要している模様だがこちらは「轟沈」と記されることが多いようだ。 マスコミの記述、一般向け戦記や体験記等の場合は、旧海軍の定義に従っていない可能性もある。 当方のおぼろな記憶では「3分以内の沈没」だったのだが、あらためて辞典を調べたら僅か「1分」で驚いた。 小艦艇ならばともかく、大型艦では「1分以内に沈没」は難しいと思う(沈没確定はありうるが)。 #right(){(57:590)} **轟沈と大破を分けて考える理由は何ですか 大破は沈没してないだろ。 #right(){(57:688)} 688を補足すると、 「大破」は戦闘行動も航行も不能だけど水には浮かんではいるから、お持ち帰り可 「撃沈」は沈んじゃってるから(無事な)乗組員だけをお持ち帰り可 「轟沈」はあっさり1分以内に沈んでいるから全部駄目 #right(){(57:689)} **原子力艦はコストがかかるため米国でも空母と潜水艦以外は退役させているとのことですが、通常動力と比べてどの程度差が出るのでしょう? 米会計検査院レポートによるライフサイクルコスト(就役期間50年と計算) 年間コスト(単位100万ドル) 通常型空母 282 原子力空母 444 運用コスト(同) 通常型空母 11125 原子力空母 14882 1997米会計年度換算 #right(){(57:884-885)} **大戦時、多くの艦船が弾薬の誘爆や航空機燃料の引火で沈没していますが、現代の艦船はどのような対策をしてるんでしょうか? 燃料については >>582さんが書かれたようにガソリンを使用しなくなっています。 弾薬については「IM」(Insensitive Munition、低感度弾薬)が普及しつつあります。第二次大戦後も 空母だけでも1966年オリスカニ、1967年フォレスタル、1969年エンタープライズ、1981年ニミッツと 弾薬の事故による爆発で多大の人的、物的損害が発生しており(上記4件合計で死者220名、負傷者702名、 損害金額200億円以上)、IMに対する要求は非常に強いのです。IMの性能は加熱、銃撃、破片衝撃、 装甲板スポール衝撃、成形炸薬ジェット衝撃、殉爆(隣接する弾薬の爆発による誘爆)によって 評価され、火災や落下、被弾によって大きな被害が出ないような爆薬成分、および弾薬の構造が 開発、実用化されています。 #right(){(136:system ◆systemVXQ2)} **大戦時の艦船の燃費について教えてください。燃料1トンあたり何海里進んだのでしょうか? 燃料の消費量は速度の二乗三乗に比例すると言うことです。 例えば、原速ならば12ktsで航行するところ、戦闘状態では第四戦速の24ktsと言った速度で航行しているのが常態で あれば、燃料消費量は増えます。 また、巡航タービンの使用せずに航行するのも常態化していたようです。 例えば、金剛の場合、12Ktsで平時の巡航タービン運転で航続距離15,100海里ですが、18Ktsでは9,300海里になり、 全速30ktsでは全主軸4軸運転で3,000海里、ちなみに、巡航タービン運転と全4軸運転では燃料消費量に1:2の差が あります。 この金剛の重油積載量は、6,279tです。 ちなみに、このほかの軍艦では、長良、球磨、加賀が、原速(12kts)との対時間比燃料消費量では、24ktsなら凡そ5倍強、 32Ktsで凡そ17倍に達し、川内では、24ktsなら凡そ5倍弱、32ktsで14.5倍、天龍、赤城、夕張では、24ktsなら凡そ5倍、31ktで 11.5倍、蒼龍では、24ktsで4倍、32ktsで11倍、34ktsで17倍弱に達します。 #right(){(137:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **米海軍が計画した『制海艦』って、何を目的としたどんな艦なんでしょうか。 最初はZumwalt提督が提唱したもので、安価な回転翼機プラットフォームという位置づけで コンセプトが練られました。 これを進化させたものとして、1969年にHelicopter Carrying Escorts(DHK)という艦種が 提案されています。 DHKでは、Active-Sonar Screenを輸送艦隊に提供するというものでした。 つまり、Sea Contorol Shipというのは、ソ連の潜水艦攻撃からシーレーンを防衛し、物流を 確保するための艦であると言えましょう。 後に、Harrierが実用化されてから、そして、ソ連の水上艦隊が充実してくるにつれて、対潜 任務だけでなく、Harrierを用いての制空も任務も追加されました。 1975年にこの案は更に昇華されて、VSTOL Support Ship(VSS)となっています。 なお、SCS構想の実験台として、Guamがその実験を行っていますし、Spainの空母はSCSの 構想をそのまま具現化したものとなっています。 #right(){(138:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍艦の種別の接頭語である「仮設」「特設」「仮装」「特装」の区別がよくわかりません。 うる覚えですが、「特設」は法令用語です。 日華事変勃発前に、徴傭船を特設軍艦・特設特務艦船・特設特務艇に指定する制度が設定されました。 日露戦争でバルチック艦隊を発見した信濃丸も、太平洋戦争でインド洋通商破壊をした報国丸も 構造・任務そのものは「仮装巡洋艦」ですが 信濃丸は法令がない時代の船なので「仮装巡洋艦」、報国丸は法令に従って「特設巡洋艦」です。 「特設空母」は、春日丸・八幡丸・出雲丸・橿原丸が指定されていますが、 呼ばれているのは空母艤装中に限られ、改造完了とともに正規軍艦に編入されています。 新田丸とりおでじゃねいろ丸は、特設空母時代がありません。 新田丸は艤装完了まで海軍籍になく、りおでじゃねいろ丸は艤装完了まで特設雑用船でした。 #right(){(139:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} **大戦時の戦艦や駆逐艦の価格を教えてください。 些か古いですが、第一次大戦前の英国駆逐艦 G級で単価101,876ポンド(粗利益37,323ポンド:粗利益率36.6%) H級で単価93,524ポンド(粗利益27,826ポンド:粗利益率29.8%) I級で単価85,927ポンド(粗利益18,107ポンド:粗利益率21.1%) K級で単価97,678ポンド(粗利益21,651ポンド:粗利益率22.2%) M級で単価122,872ポンド(粗利益26,951ポンド:粗利益率21.9%) 対して、戦艦 Ajax(King George V級)で単価847,578ポンド(艦体;100,597ポンド、機関:20,964ポンド) Colossus(Colssus級)で単価717,597ポンド(艦体;57,399ポンド、機関:30,437ポンド) ついでに装甲巡洋艦 Argull(Devonshire級)で単価622,262ポンド(艦体;124,832ポンド、機関:60,131ポンド) #right(){(148:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **軍艦って一体どのくらい使い続けられるものなの? アメリカのコンステチューションは、1797年進水だが、現在も外洋航行可能。 おそらく現在海に浮かんでいる軍艦の中では、これが一番古い。 #right(){(251:67)} 艦の寿命に関してですが、米海軍では空母は最大約50年、強襲揚陸艦は35年の 艦齢が設定されています。 CVN-65"Enterprise"は1961年竣工で、現在米海軍で最も艦齢の高い現役艦艇ですが、 退役は2014年の予定。 タラワ級強襲揚陸艦5隻は1976年~80年に竣工しましたが、現在退役が徐々に行われています。 #right(){(251:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **軍艦でも駆逐艦くらいの大きさだと台風で転覆したりしますか? コブラ台風で3隻沈没してる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E5%8F%B0%E9%A2%A8 それどころかもっと大きな、防護巡洋艦クラスが転覆沈没したケースもある。 #right(){(593:650*加筆修正)} **潜水艦や軍艦はなぜ、非常時になると赤色のライトにするんですか 非常時だけってわけでもないが。 人間の目は、普通の白色灯を見ると、瞳孔が閉じてしまうので、夜間、 明るい船内から暗い船外に出たときに、瞳孔が開くまで何も見えなくなってしまう。 それを防ぐため、瞳孔が閉じにくい赤色灯を使用して、目を暗闇に慣らしておく。 #right(){(330:253)} **掃海艇を伴わない海上戦力は機雷に対してはいかに対応するのですか? 基本的に対処不可能です。 機雷源と思われる場所に侵入しないで掃海部隊の到着を待つよりほかはありません。 米海軍ですら、かつてイ・イ戦争の際にタンカーの護衛に出動したフリゲイト サミュエル・B・ロバーツFFG-58を触雷で大破させ、掃海部隊の到着まで 臍を噛んだことがあります。 またヘリ掃海は気象や航続時間に左右されやすく、こまめな掃討は難しくなっています。 しかし、近年ではUUV(無人潜水艇)の発達により通常の水上戦闘艦が掃海を 行える可能性が広がってきています。 米海軍では次期水上戦闘艦で運用可能な遠隔機雷掃討システム(RMS)の開発を 行っており、これにヘリコプターから投下可能な魚雷型機雷処分システムを組み合わせて 機雷捜索探知・処分までを水上戦闘艦が掃海艦艇に頼らずに行うことができるように なりつつあります。 #right(){(162:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **艦船の騒音問題となるスクリューのキャビテーション・ノイズですがこれを何とか回避する方法はないのでしょうか? 基本的にノイズ自体を回避する事は不可能。艦船用のスクリューの場合、 キャビテーションが出ないスクリューは使い物にならないと言うくらい。 解決策としてはスクリュー表面を出来るだけ均質に仕上げ圧力変化を小さくしたり、 ハイスキュード・プロペラと言う三日月状の羽にする事でキャビテーションの 発生を抑制したり、スクリュー翼端より気泡を出して後方ノイズを減少させる方法がある。 また、最近では出た音をコンピュータで瞬時に解析して逆位相となる音を出したり、 振動方向の逆の振動をわざと発生させたりして最終的なノイズ低減を図るアクティブな方法もある。 #right(){(163:726)} **戦艦・空母・巡洋艦・駆逐艦は漢字表記なのに、フリゲート艦はいまだに英語の音をそのままカタカナ表記しているのはなぜでしょうか? フリゲートだけでなく、コルベットとスループも邦訳できていません。 明治31年に、ようやく軍艦の類別基準ができましたが、 それまではすべてかな書きでした。 この時にバトルシップを「戦艦」、クルーザーを「巡洋艦」、ガンボートを「砲艦」 コーストディフェンスを「海防艦」と邦訳したのですが それまで海軍が保有していた船を、実態に応じて類別表にねじこんだのです。 例えばクルーザァル筑紫は喫水が浅くスピードが出なかったので1等砲艦に、 コーストデフェンスの三景艦は訳どおりの海防艦ではなく2等巡洋艦に含められました。 問題のフリゲートですが、当時は所有していなかったので、邦訳の機会はありませんでした。 コルベットは砲艦に、スループは海防艦に回されたため、邦訳の機会もなかったのです。 >そういやケッチやボムケッチ、スクーナーなども邦訳してないですかね? 乱暴な言い方ですが、日本海軍では、汽帆船はことごとく砲艦・海防艦送りです。 唯一の例外が、帆走を取りやめて完全な汽船に改装された2等戦艦扶桑です。 逆に言えば、日本海軍の類別基準決定が、帆船から汽船に移行するまでかなり遅れていたということです。 商船は商船で、わざわざ訳すよりもそのまま外来語を使うのが便利でしたし…。 #right(){(180:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} **軍艦旗は国旗とは別に掲揚するのですか? >それとも軍艦旗が国旗の役割も果たしてるのですか? 英国の場合は、1864年以来、軍艦旗(と言うか軍用船舶旗/Ensign)は艦尾に掲揚し、 艦首に所属国旗(Jack)を掲揚しています。 艦尾に掲揚スペースがなければ、後部マストに掲揚したりしますが。 商船の場合は、トップマストに行き先の国旗を掲揚するんだったかな(うる覚え)。 これがDe facto Standardで概ね各国は同じです。 フランスは、EnsignとJackは三色旗、マストトップにも国旗を掲げた例がありますね。 イタリアの場合、Ensignは同様ですが、Jackはサヴォイ王家(青で囲まれた赤地の白十字旗)の 紋章旗でした。 ドイツのEnsignとJackは、Hitler政権当時は鉤十字旗でEnsignはそれに鉄十字をあしらったもの、 Weimar時代は黒白赤の横三色旗に、鉄十字とカントンに黒赤金の横三色旗をあしらったものです。 日本は、Ensignは旭日旗(軍艦旗)で、Jackは日の丸ですし、米国はEnsignは星条旗ですが、 Jackは星条旗のカントン部分(星の部分)になります。 #right(){(184:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **船型について、平甲板型、長船首楼型、短船首楼型、中央船楼型、遮浪甲板型などの用語について教えて下さい。 ・平甲板型(フラッシュデッキ) 文字通り、艦首から艦尾までが全通した一枚の甲板でつながった船型。 船体強度上合理的な構造である。ただし、乾舷が低くなる。 艦首乾舷を高くするため、シア(甲板の反り)が大きいのが外見の特徴。 ・船首楼型(フォクスル) 船楼とは全通甲板の上に設けた水密構造物のこと。 艦首部分に船楼があれば船首楼型。 これが船体後部にまで伸びているものを長船首楼型(ロングフォクスル)と呼ぶ。 平甲板型に比べて艦内容積が広く、復元性が優れているが、船首楼が途切れる 段差部分の強度不連続が欠点になる。 ・中央船楼型 船体中央部に船楼が設けられたもの。 船体の太い中央部が広く活用でき、艦内スペースが広く取れる。 ただし、艦の前後の交通性が悪く、強度と凌波性に問題がある。 ・遮浪甲板型(シェルターデッキ) 長船首楼型の上部構造(船首楼)がさらに艦尾まで伸びたもの。 つまり、平甲板型にさらに全通甲板をもう一枚設けたもの。 復元性・対波性が最も強く、乾舷が高くて船体スペースが大きく取れる。 この他に、かつて商船ではよく用いられていた三島型があります。 これは船首尾と中央に、それぞれ船首楼、船央楼、船尾楼があるものです。 #right(){(224:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **エリアディフェンス能力を持つDDGと、高い個艦防空能力を持つDDの違いを教えてください DDGが対空攻撃に用いるミサイルはSM-1MRとSM-2MRの2種のスタンダード・ミサイル。 射程は70km~100km前後、セミ・アクティブ・レーダー誘導され、射程の大きさから中距離防空(エリア・ディフェンス)に用いられます。 発射母艦の機能は中距離目標に対処できる物を必要とし、このミサイルを誘導できる艦をDDGと呼びます。 DDが対空攻撃に用いるミサイルは短距離個艦防空用のRIM-7M・VL・Pの各種シースパロー・ミサイル。 (VL垂直発射型、リアクションタイムが向上。P低空目標対処性能向上型でVLの能力も備える) 射程は10km前後、艦上からセミ・アクティブ・レーダー誘導されるミサイルで、海上自衛隊護衛艦の主対空兵装となっています。 ただし、対処できるのは自艦に対して向かってくる目標に対してで(必ずしもそうではないが、射程などの理由で) 艦隊に向けられている脅威に対しての兵装では有りません。 そのため、短距離用個艦防空(ポイント・ディフェンス)ミサイルと呼ばれます。 汎用護衛艦DDもミサイル護衛艦DDGも、この他に個艦防空システムとして近接防御火器ファランクスMk-15を装備します。 ファランクスはCIWS(Close-In Weapon System)の名の通り、最終防御兵器です。 将来的にポイント・ディフェンス用ミサイルは発展型シー・スパロー・ミサイル(ESSM:Evolved Sea Sparrow Missile) RIM-162になる予定です。 無論、新しい対空システムが今後開発され、発展、普及しDDでも装備できる物になっている頃には、 DDGのミサイル・システムはより高度なものに進化していると思われます。 #right(){(192:243)} >それじゃあ18DDあたりがSM-1装備のDDGよりも射程の長いSAMを装備してもDDはDDのままなのでしょうか? DDGはDDの対空能力を強化した艦、だと思ってください。 DDGは対空攻撃に使用できる主砲もDDの76mm(DDたかなみ型2隻は127mm)に対し127mm砲を1~2門備えています。 しかし、その分固有の航空兵装を持たない(14DDGからは1機)など、対潜能力が簡略化されていたりします。 スタンダードより長射程の個艦防空用ミサイルが開発、配備されたとしても、肝心なのは策敵。 射程範囲以上の探知範囲を持つレーダーを装備しない事には有効射程と成り得ません。 そして、DDGはその探知システムなどのレーダー関連機器が充実しているのです。 このシステムは高価な物である事が多く、DDGの高コスト化に一役買っています。 そういった高価な対空攻撃特化艦であるDDGと同等の能力をDDに持たせようとすると、 汎用護衛艦であるDDの調達に遅れを来たし、結果、戦力ダウンに繋がるかと。 #right(){(192:332)} **なぜイカリは釣り針のような形をしているのでしょうか?球形でもいいのでは? >イカリに付随する鎖の摩擦力で船を停めるため、イカリ自体はさほど重くないということでした。 錨が海底に食い込んで艦を引き止める力を把駐力といいます。 通常の錨泊では錨に付随する錨鎖の重さと摩擦力で艦を停めています。 しかし、荒天時などでは錨の把駐力の強さが問題になってきます。 現在の船に用いられる錨はシャンク(柄の部分)とクラウン(根元の部分)が ヘッドピンで固定されていて、ある程度回転するようになっています。これで 荒天時に錨鎖が引っ張られた際にアンカーヘッド(釣り針のような部分)が海底に食い込み、 最大の把駐力を得られるようになっています。 球形ではこの把駐力が全く得られません。 なお、かつてはホールス型と言われるアンカーヘッドの爪が丸い矢印のような形の物が 主流でしたが、現在の護衛艦では英海軍風のアドミラルティー型と呼ばれる 鋭い楔のような形状のアンカーヘッドの錨が主錨として用いられています。 #right(){(218:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **ソナーの無い時代の対潜戦闘って、どうやって敵潜水艦の位置の見当をつけていたの? ソナーは一応一次大戦時代からあったけど、当時の潜水艦は基本的に潜水「も可能な」艦でしかないから。 普段は浮上航行して、ヤバイ時だけ潜航するから、潜る前なら艦砲や体当たりで撃沈できる。 潜った直後ならそう遠くに行けないから、付近に爆雷の絨毯爆撃をする。 それと聴音機もあるから、スクリュー音がすれば近くにいるのがわかる。 音波を出すソナーと違って、聴音機はマイクで音を拾うだけだから構造も簡単。 正確な位置まではわからんが、とりあえず近くにいる事だけはわかる。 それに酸素や充電が必要だから、潜水艦もずっと潜ってばかりはいられない。 だから黙って浮いてくるのを待ってもいい。 #right(){(俺初質スレ433:40)} **沈黙の艦隊で深町が「大艦隊で潜水艦一隻に対抗するのは大間違い!」と言っていましたが、そうなんですか? 艦艇が多いと、お互いの立てる雑音や、ソナーが干渉して見つからなくなる、 つまり耳を澄ませて存在を知りたいときには、部屋の人数は少ない方がよい、という理屈でしょう。 実際には、現代の対潜水艦戦では複数のプラットフォームが、それぞれコード化した ソナーを使用し、あるいはパッシブのデータを統合することによって、より確実に 敵潜の位置をつかむことができるとされています。そこまで洗練されていない艦隊の場合、 あるいはあまり訓練されていない艦隊の場合には、熟練した少数による探索の方が 有効なこともあるでしょう。むろん、その潜水艦の性能、運用にも依りますし、 深海、沿岸でも話は違ってきます。ケースバイケース。 #right(){(709:system ◆systemVXQ2)} **石炭機関時代の洋上補給ってどうやっていたんですか? >現代では液体燃料ですからホースを渡すだけでいいと思うのですが 以下引用 http://www3.ocn.ne.jp/~y.hirama/Yh_ronbun_dainiji_loge2.htm その搭載法には受給艦が石炭船を曳航しながら、石炭を入れた容器をつい下げて両艦を往復させる方法、 接舷して補給船のデリックによって石炭を供給する方法が取られていた。 しかし、1902年にイギリスの戦艦トラファルガー(Trafalgar)が給炭船ミニアリアル(Muriel)から 曳航法により搭載した石炭の量は1時間当たり約30トン、 横付補給法ではアメリカの戦艦ワィオミング(Wyoming)に石炭船ジェイソン(Jason)が8本の ブームを使用して1時間に292トンであったといわれている。 #right(){(720:443)} **一等艦や二等艦って何?フリーゲート艦とコルベート艦のこと? 中世以来、19世紀末になるまで、戦闘艦の区分としては、一番大きいのを戦列艦、中くらいの艦をフリゲート、 小さい艦をコルベットと称していました。 英国の場合は、最初、乗員数で区分され、300名以上を一等艦、50人未満を六等艦としていました。 18世紀以降は砲門数で区分するようになりました。 アンソン海軍卿が定めたのが、100門以上を一等艦、84~100門が二等艦、64~84門を三等艦、50~64門が四等艦、32~50門が五等艦、 32門未満を六等艦、20門未満を等外艦としていました。 この一等~四等艦を戦列艦、五等、六等がフリゲイト、等外艦をスループとしています。 フランスの場合も砲門数で等級を分け、76門以上3層砲甲板を有するモノを一等艦とし、以下30門以上1層 砲甲板を有する五等艦と呼び、五等艦以下をフリゲイト、ブリッグなどと言っています。 フリゲイトは、上記区分で、24~40門程度の1層砲甲板の艦を指します。 更にシップ型、つまり、3本のマストの前の2本に横帆を、最後尾マストに横帆と縦帆を掛けるもので、排水量は 1000t未満。 打撃自体は戦列艦が行いますので、主任務は偵察、監視、情報や命令の伝達、沿岸警備、商船護送、要人急送、 海賊、私掠船討伐、つまり、単独行動が可能で、快速力と小回りの効く艦であることが重要です。 コルベットは、フランスが最初に開発した艦で、フリゲイトよりも小型で、平甲板のシップ型で、植民地警備や土着民 討伐、砲艦外交用に使用されています。 以下、等級艦に入らない艦船としてスループ、ボムケッチなんてのもあります。 後に蒸気機関、旋回砲が実用化されると、舷側固定砲門は意味が無くなり、艦の性格も変化していきます。 戦列艦は、外洋で敵艦と戦闘し、敵地の沿岸邦題を破壊する任務を持ち、激浪に耐える航洋性と、長大な 航続力、大型の大砲と強固な装甲防御力を持つ戦艦に変貌します。 この戦艦のうち、任務、装備は戦艦と同じですが、戦闘場面を自国沿岸に限定したのが、海防艦、あるいは 海防戦艦と言う艦になり、耐波性に劣りますが、陸地に接近出来、小型の船体に大口径砲を装備することで 安価に数が揃えられると言うことで、中小国が挙って整備しました。 フリゲイトは敵商船と護衛艦を攻撃する通商破壊任務と、その逆で敵の攻撃を防ぐ任務を持ち、航洋性、航続力、 高速力を持つ代わりに、攻撃力と防御力の制約を受ける、巡洋艦に進化しました。 巡洋艦と言っても、一等から三等まであり、一等、二等がこれに当たりますね。 コルベットは偵察、命令伝達を主任務とする三等巡洋艦、または、通報艦に進化します。 砲艦はボムケッチの進化型でもあり、小型の海防艦と言っても差し支えないでしょう。 小さな艦に大口径砲を1門程度持ち、浅喫水であるため、河川、浅瀬で行動出来ます。 #right(){(オーストリア海軍:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} ----