セッティングガイド
ここでは主にグリップして走る際のセッティングの各項目の意味・コツ等を述べている。ドリフトに関してはドリフトのすすめを参照のこと。また、セッティングの意味ではなく、実際に走れるセッティングに関してはセッティング例を参照のこと。
車体・アシスト類
Traction Control Level
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用語の意味
発進・加速時のタイヤの空転を、アクセル開度を調整することで防止する。
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調整範囲
0~5
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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効果
数値を大きくするとより強く空転を防止し、数値を小さくするとタイヤの空転が起こりやすくなる。ARの挙動は縦のトラクションが強いため、発進時からずっとフルアクセルで踏み続ける「バーンアウト」と呼ばれる方法でスタートするのが最も速い。また、ARでのTCSはかなり効きが雑であり、少しでもハンドルを切ると強烈にアクセルを抑制されコーナリングでの必要以上の減速があるのに加え、直線でもなかなかアクセルが全開にならずトップスピードも激減する。このように、速く走る事への絶対的な障壁となり得るため、付けないことを強くお勧めする。
ABS
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用語の意味
「Anti BrakeLock System」の略称。ブレーキ時の補助システム。
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調整範囲
オンorオフ
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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効果
ABS無しの車はブレーキングをすると、タイヤがロックしてステアリングが効かなくなる。これを防ぐためにABSはブレーキング時、ロッキングした瞬間にブレーキを弱めて(ブレーキペダルを全開で踏んでも)ロックしないようにして、ブレーキングしながらでもステアリング操作ができるようにするシステム。これはドライバーがするポンピングブレーキに似ている。
コンピュータが介入する以上は、必要以上に制動距離が伸びるのは避けられず、最大の制動力を出すにはABSをオフにしなければならない。ABSをオフにするのはスキルと慣れが必要であるがより速いタイムを出しやすくなる。ABSをオフにして走る場合は後述する「Brake Power」を弱めて、タイヤロックしにくくする。
パワーステアリング
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用語の意味
ステアリング操作の補助システム。
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調整範囲
0%~100%
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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効果
数値を大きくすればステアリング操作に補助が作用し、舵角の自動調整がされる。対して小さくすると、ステアリング操作に介入されなくなり、自分の操作がより反映される。
具体的には数値が大きい際、グリップ走行時では速度が上がるにつれてハンドル操作に対する舵角の反応感度が落ちる。そのため直線安定性が大きく上がり、チューニング機能によってハイパワーな車種がほとんどなARで操作性を大きく向上させている。さらにドリフト時では自動的にカウンターを当ててくれるようになり、姿勢を安定させさえすれば、アクセルを踏み続けるだけでドリフトを半永久的に継続できるようなるため、現実のドリフトで最も感覚を掴むのが難しいカウンターの調整をほとんど考えなくともドリフトを安定させられる。これにより初心者にはドリフトのハードルを大きく下げさせ、プロにとってはドリフトの角度やラインなどに集中できて現実ではありえない次元の完璧でハイレベルなドリフトを実現できる。
余談にはなるが、このように主な用途二つに対して必要不可欠な存在であり、さらには他のリアル系レースゲーム以上の操作性と挙動を実現して差別化できているのはこの機能によるものである。レースゲームも挙動がリアルすぎると難しすぎて売れないという話もあるが、ARがリアルな物理エンジンを搭載していながらスマホというプラットフォームでプレイヤーを獲得しているのは、この機能の運営陣による時間のかかった綿密なバランス調節によるものではないだろうか。
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念のため加筆しておくが、数値を下げたらリアルな挙動になるからといって数値を無闇に下げないこと。他のレースゲームと違ってARは全体的に馬力値がかなり高めなため、低馬力車でない限り低い値で車を扱うのはかなり難しい。ドリフトに至ってはほぼ不可能な域になる。これはそこらのレースゲームのアシスト類とは大きく異なる。
デフギア
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用語の意味
タイヤの左右回転差を調整する項目。他のゲームでは、LSDやイニシャルトルクとも呼ばれる。
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調整範囲
0%~100%
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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効果
数値を大きくすると、左右の回転差は小さくなり、力はより強く地面へと伝わるが、コーナリング時のアンダーステアが強くなる。数値を小さくすると左右の回転差は大きくなるが、コーナリング時のオーバーステアが強くなる。
具体的には、ARではデフの数値を大きくするとアクセル全開状態での中高速コーナーの曲がりやすさが向上し、低速コーナー等からの立ち上がりのトラクションも増加するが、旋回中のアクセルコントロールがかなりシビアになり、立ち上がり時においても気を抜けばトラクションが抜けるため注意が必要である。逆にデフの数値を小さくすると低速域でのアクセルワークはかなり楽になるが、高速コーナーでの旋回性・低速域からのトラクションでは劣る。
また、4WDの場合はデフの硬さが特に低速コーナー立ち上がり時の挙動に影響し、デフを固くするとオーバーステア、柔らかくするとアンダーステアとなる。高速コーナーにおいてもデフを固くした方がハンドリングに対してキビキビと動くようになる(ただしAcura NSXのようなトルクベクタリングがある場合などは一概に上記の通りになるとは言えない)。
ドライバーの好みでかなりセッティングが分かれる部分であるため、自身が1番乗りやすい値を見つけることがタイムアップの大きな鍵である。
問題点
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対策
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全体的にオーバーステア
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数値減
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全体的にアンダーステア
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数値増
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タイヤ
タイヤの種類
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タイヤには計5種類あり、最もグリップ力の低いStreet、それより少しグリップの強いSport、さらにグリップ力の増加したSemi-Slick、最もグリップ力の高いSlick、悪路走行用タイヤであるGravel (※対応車種のみ)がある。事前にチューニングパーツを購入できる画面で購入すると、その画面かスタート直前のセッティング画面からタイヤの付け替えが可能になる。
非舗装路(オフロード)を走行するならばGravelを選択すると良い。舗装路(オンロード)を走行する場合はSlickが基本だが、もし滑りすぎるという場合はSemi-Slickでもある程度速いため、概ね挙動になれるまではSemi-Slickでも問題ない。Gravelタイヤは舗装路でもSemi-Slickに近い性能を出す。
+
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各種類の検証結果
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セッティングに幾多の時間をかけてきたランカーでも上記の決まりきったルールにより、タイヤの違いによる速さの差の認知度はイマイチに思えたので、ここで各種類の性能の検証をしていく。
直線での速度の推移変化
動画後半のグラフの通り、空転が収まるスタート6.0秒までの速度差が最も差が開き、その後加速の伸びの過程で次第に速度差は縮まっていくものの、依然として最高速の256km/hに至る順番としては上記の順の通りである。ドリフト・ドラッグ・グリップのいずれの用途でも加速という点では上記の順の通りという事がわかった。
実際のコースでのタイムの差
中〜高速域での加速力勝負にならない峠での走りの比較。グラフの考察の前に、各コーナー手前でのブレーキングの長さに注目してもらいたい。画面右上のStreetの走りだけ特筆してブレーキング時間が長い事がわかる。さて、グラフだが、序盤の高速区間では大きな差は見られない(とはいえ1秒以上の差がある)が、低速区間の連続コーナーではSlickとSemi-Slickに比べてStreetとSportのタイムが大幅に落ち、残りの中速区間でもその差が広がっていく様子を確認できる。FRやFF等の2輪駆動車の場合はよりコーナー立ち上がりでアクセルを踏めず、タイムが落ちると予想される。
実際の運転感覚としては、Slickは接地感がありテクニカルな運転が可能。Semi-SlickはSlickよりブレーキングが良くグリップもしっかりするが立ち上がりに少しアンダーが出てしまう。Sportはより大きくアンダーが強い。Streetは接地感がかなり不足しておりブレーキングも難しい。
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タイヤの圧力(空気圧)
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用語の意味
タイヤ内部の空気圧を増減する項目。
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調整範囲
10~45psi
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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チューニングパーツの画面の項目からでも調整可能。
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効果
小さくするとタイヤの捻れが大きくなり、グリップ力が増加するが、大きくするとタイヤが捻れにくくなり、グリップ力が低下する。
なおARでは開発者の調整不足か、最低値の10psiが最もグリップし、それによるデメリットも確認されていないため、全ての用途で空気圧10psiが良い。10psiから値を変える場合は、空気圧を数psi上げて、オーバーやアンダーを作ることである。ただ他の項でもアンダーとオーバーは容易に調整できるため、空気圧での調整は、他の項では生み出せないほどの強烈なオーバー・アンダーを作りたい場合や、フルチューンのR35のように足回りの調整だけではオーバーを作れない場合がある。当然ながら空気圧を上げるデメリットも多く、接地感の減少やトラクションの減少、さらには他の項目では調整できないブレーキ力の低下などがあり、よほどの理由がない限り空気圧を上げるのはリスクが勝る。
問題点
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対策
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全体的にオーバーステア
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フロントの数値微増・リアの数値微減
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全体的にアンダーステア
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フロントの数値微減・リアの数値微増
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ホイールサイズ
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用語の意味
車両に装着するホイールの大きさを増減させる項目。
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調整範囲
(車種によって大きく異なる)
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セッティング可能条件
純正ホイール以外のホイールの装着
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チューニングパーツの画面から調整が可能
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効果
インチアップ(ホイールサイズを大きくする)はドレスアップ用途にある項目だと思われがちだが、ハンドリングへの影響は少なからずある。メリットでは現実と同様、ハンドリングレスポンスの向上が最も大きく、コーナリングの地面の掴みとブレーキ力とトラクションも僅かながら向上する。ただ、現実であるデメリットの、燃費の悪化や車重の増加というのはARでは全く関係ないので、実質インチアップはメリットしかない。
だからと言って空気圧のように何も考えず最大値にしていいかというとそうではなく、車重が軽い車種やオーバーが強い車種を乗る場合は要注意である。インチアップはハンドリングレスポンスが向上すると述べたが、これらの車種では逆に向上しすぎてピーキーになり難易度が大幅に上がってしまう。そのため、これらのハンドリングが元からシビアな車種に関しては、実際に乗っては調整しを繰り返すのがベスト。ちなみにランカーに訊いたところ、ノーマル値からプラス2インチ辺りが万能という。
トランスミッション
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用語の意味
エンジンは1分辺り数百回転から数千回転で回るため、歯車を組み合わせることで、状況に応じた速度と力をエンジンから取り出す仕組み。
任意でギアを切り替えるものがMT、自動で切り替えるものがATである。現実でAT・MT固定された車種でもARでは好きなタイミングでどちらでも選択できる。ただ現状電気自動車だけは切り替えられずDでの走行で、ギア比も調整できない。
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調整範囲
各ギア比:0.5~6.0
ファイナルギア:2.2~6.1
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セッティング可能条件
レーシングトランスミッションの装着
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効果
トルク(エンジン回転の力強さ)が最大値を迎える回転数は、車種によってそれぞれ持つ一定の値であるため、ギアをいくつかに分けて、その最大トルクを迎える回転数を何度も迎えることでその車は最大のパワーを継続的に発揮することができる。その最大トルクを迎える間隔を極限まで短くして、一周する間にそれを迎える回数をできるだけ多くすることがギア比の目的である。だからと言ってギア比を詰めすぎるとギアチェンジ時の損失や最高速の減少などのデメリットも大きいため、走るコースはどれほどの最高速が必要なのか、より多くのコーナーの立ち上がりで最大トルクを発揮するかなどを考慮して、その条件内で最も詰めたギア比が、車のパワーを最大限まで発揮することが出来る。各コースに適したギア比を作ることがタイムアタックの大きな鍵となると言ってもいいだろう。
それらの各ギア比を一括で調整できるのがファイナルギアである。各ギア比を突き詰める場合は3〜4程度でいいが、あまり突き詰めないなら、コースの最長ストレートで最高速をギリギリ迎える程度にファイナルを調整すれば純正のギア比でもかなり速くなるので、あまり詳しくなかったり時間がない人はこちらがおすすめ。
問題点
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対策
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加速が悪い
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ファイナルの数値減
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ストレートで回転数が頭打ちする
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ファイナルの数値増
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サスペンション (スタート直前画面の項目)
スタビライザー
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用語の意味
車体のローリングを防ぐため、サスペンションの伸縮を抑制する機構。「アンチロールバー」とも呼ばれる。
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調整範囲
前後両方とも0~1
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着
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効果
簡単に言えば左右への揺れ(=ロール)にくさ。左右の荷重移動量にも影響があり、数値を大きくすればサスペンションが伸縮しにくくなりより硬く、数値を小さくすればサスペンションの動きを阻害しなくなるため伸縮しやすくなる
はじめの頃はまずは前後とも最大値1.0にしてみて、走った感覚が硬ければ前後一緒に下げていければいいだろう。多くの車種は1.0でも難なくスムーズに走れる。あとは下の表に則ってその都度調整である程度早くなる。ただデフやパワーステアとの兼ね合いによる複雑な法則もあり、突き詰めれば突き詰めるほど目に見えて挙動が変わり、走り方によって調整の仕方も変わってくるなど、最も複雑で難しいセッティング項目であるため、この項はまた後日専用のページで詳しく述べる予定。
問題点
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対策
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コーナー立ち上がりでオーバーステア
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前後とも数値減
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コーナー立ち上がりでアンダーステア
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前後とも数値増
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コーナー進入でアンダーステア
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フロントの数値減・リアの数値増
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コーナー進入でオーバーステア
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フロントの数値増・リアの数値減
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最大舵角
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用語の意味
ステアリングの最大切れ角。
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調整範囲
40~60
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着
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効果
数値を大きくすればより大きくハンドルが切れ、小さくすればハンドルを切る角度が小さくなる。ただこれはパワーステアリングを用いるほとんどのプレイヤーに対しては、上記のパワーステアリングで説明した理由から、ほとんど影響はない、逆にパワステをオフにして舵角の自動調節がない場合は、舵角を大きくするとオーバーステア気味になり、小さくするとアンダーステア気味になるが、これは低速域を走る場合への影響が大きく、高速域ではほとんど変化がない。
このセッティング項目の大きな役目はドリフトである。現実でドリフトする際にまずはナックル等で切れ角を上げることからもわかるように、ARでのドリフトでも舵角アップは必須条件となる。ドリフトする際は必ず舵角を60°にしておこう。
アッカーマンアングル
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用語の意味
車両において、ハンドルを切った際に生じる左右輪の舵角差のこと。
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調整範囲
0~1
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着
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効果
カーブ走行時内輪と外輪の旋回半径にズレが生じるが、アッカーマンアングルによってズレを補正することで円滑なコーナリングが可能となる。すなわちフロントタイヤのコーナリング時のグリップカの調整ができる。コーナーの進入でノーズの入りが弱かったり、立ち上がりの加速でアンダーが出た場合はアッカーマンアングルをつけ、リアが流れたりハンドリングがシビアな場合はアッカーマンアングルを抑える。より高度な走りでは、S字でのハンドル切り返し時やギャップを踏んだ際の安定性もアッカーマンアングルをつける事で改善できる。ただアッカーマンアングルをつけるとただでさえシビアなARのハンドリングがさらに不安定になり、立ち上がりでの加速等もやや劣るため、FRなら0~0.3、4駆でも0~0.6がベター。ただし車両によって有効な数値が異なるため、個々の調整が必要(例外有)。
問題点
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対策
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全体的にアンダーステア
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アッカーマンアングルをつける
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全体的にオーバーステア
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アッカーマンアングルを抑える
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ネガティブキャンバー
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用語の意味
ネガティブキャンバーとは、タイヤの上側が内側へ傾いて、正面から見て左右のタイヤがハの字になっている状態を指す。
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調整範囲
前後両方とも-10~0
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着
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チューニングパーツの画面の項目からでも調整可能。
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効果
コーナリング時の接地面を増減させることができるため、コーナリングスピードに大きく影響する。キャンバーが少ないほど切り始めにグリップがあり反応が良いが、コーナリング中のグリップが無くなっていく。逆にキャンバーを付けると切り始めの反応は鈍いが、コーナリング中のグリップが良くなっていく。ただし、数値を大きくしすぎると逆に接地面が減ってしまいブレーキカなどにも影響するため、ある程度の加減が必要。
ARではフロントが3.0、リアが1.0〜1.5辺りがFRではベター。FFや4駆などでは駆動輪ごとに違うがやはり1.5〜3.5辺りで安定する。基本的にはそのベターな値を入れて走ってみて、リアが流れるならリアのキャンバーを、高速コーナーでノーズの食いつきが悪い場合はフロントのキャンバーを上げると改善する。
サスペンション (チューニングパーツの画面の項目)
車高(スプリング高さ)
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用語の意味
地上高ともいい、水平な地表面から車体の一番低い箇所までの垂直距離をいう。
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調整範囲
5cm~20cm
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着
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効果
全体的に車高を下げると車体の重心が下がり荷重の移動量が減少し、同じスピードでのコーナリング時のロール角が減少する。これによりコーナリング性能が向上するが、車高が下がる、つまりサスペンションのストローク幅、及びロール幅が減少するため、荷重の移動が起こりづらくなる。
車高を下げることにより、車体の動きを直に路面へと伝えることが可能になり、運動性が向上するが、路面のギャップ等の振動を吸収することが難しくなる。逆に、車高を上げるとストローク幅、及びロール幅が増加するため、荷重の移動量が増加するが、上げすぎると過度な荷重の移動によりタイヤのグリップの許容量を超えることがあるが、車体と地面の接触を回避したり、ストローク幅の確保により、荒れた路面への対応などが可能になる。
また、他にもタイヤの種類、車の特性、他のセッティング値、ダウンフォースなども考慮して車高を設定しなければならない。
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極端な前下がりにするとオーバーステア傾向になる。また極端な前上がりにするとアンダーステア傾向になる。
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ドリフトでは、角度をつけすぎてスピンする時に前下がりにしていると、アクセルを抜くことで前輪が後輪よりも流れ、戻りやすくスピンを回避させることができる。
問題点
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対策
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全体的にアンダーステア
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車高を前傾姿勢にする
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全体的にオーバーステア
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車高を後傾姿勢にする
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オフセット
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用語の意味
トレッド幅とも言い、左右のタイヤの接地面の中心間の距離のこと。
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調整範囲
0cm~10cm
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セッティング可能条件
レーシングサスペンションの装着・車高が8cm以上
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効果
前後のオフセットを同じ幅でつけると、コーナリング時などの左右への荷重移動量が少なくなるため、コーナリング性能と小回り性能が向上する。その反面、車高を下げた時と同様に荷重がタイヤに乗りにくくなるため、グリップ性能が落ちて接地感が下がる。そのため、前後のオフセットを同じ幅でつけてタイムが向上するのは、グリップが強すぎて加速の伸びが弱い低馬力の車種くらいである。また、直進安定性が悪化する。
それに対して前後のオフセットの値に差をつけることによる効果の方がより有用である。ハイパワーすぎて滑りやすいFRでは、リアに2cmほどつけるだけでも安定性はかなり向上する。しかし、ARでも特にアンダーが強い4駆には少しでも前輪のオフセットをつけると、中~高速域でのコーナリングで前輪のグリップが落ちてアンダーにつながってしまい、さらにコーナー手前のブレーキングでリアが流れてしまうなどの問題が発生するため、低速域中心のコースを走る場合を除きあまりお勧めしない。
問題点
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対策
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全体的にアンダーステア
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前輪にオフセットをつける
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全体的にオーバーステア
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後輪にオフセットをつける
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ブレーキ
Brake Power
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用語の意味
ブレーキ時の効き具合を調節する。
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調整範囲
0~1
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セッティング可能条件
レーシングブレーキの装着
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効果
数値が0に近いほどブレーキの圧力が減り、ブレーキが効きにくくなる。1に近くなるほどブレーキの圧力が増え、ブレーキの効き具合が増す。この項目の用途としては、ABSをオフにした場合に制動力が強すぎてタイヤロック状態に陥るのを防ぐ目的がある。ABSをオンにしている場合は関係なく最大値1.0で良いが、そのABSをオフにした場合は、後述のブレーキバランスにもよるがおおむね0.4~0.6が扱いやすく、ブレーキスライダーを導入して扱いに慣れてくると0.8まで上げるのも良い。一部ダウンフォースが強い4駆の車種では例外的に1.0でもタイヤロックしにくく扱えるレベルになる。今後ABSオフでの走り方を解説する事を予定している。
ブレーキバランス
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用語の意味
前後のブレーキ配分
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調整範囲
-1(後寄り)~1(前寄り)
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セッティング可能条件
レーシングブレーキの装着
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効果
ブレーキ時に前後のブレーキにかかる圧の配分を調整できる。車体の前後の重量配分による制動力の向上や、ブレーキング時の挙動の微調整(スタビライザーの調整の方が効果としては大きい)が主な用途である。前者の調整の際は、FR車の場合は-0.1~+0.2の間に最適値があることが多いが、ダウンフォースのある車種ではもう0.2ほど後ろ側にその範囲が移動する。FR以外の車種では特に触らず前後差なしが良い場合がほとんど。当然ながら別途車高に前後差ある場合は車高が低い方に寄せると良い。
後者ブレーキングの挙動については、ブレーキ時にアンダーステアを出したい時はフロント側、オーバーステアを出したい時はリア側に数値を振ると良い。ただ前述の通り挙動調整に関してはスタビライザーの調整の方が効果は大きく、大幅な調整では制動距離の悪化にもつながることがあるため、あまりおすすめはしない。
特定の車種のみの項目
Drift Mode
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用語の意味
現実のFocus RS(2016年以降のモデル)に搭載されている同名の機能を踏襲したもの。
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調整範囲
オンorオフ
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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対象車種:
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Ford Focus RS
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Ford Focus RS Time Attack
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効果
現実では、ハンドルを切った際に後輪の外側寄りのタイヤにトルクを多くかけオーバーステアを誘発するという機能だが、ARでの挙動では、概ねトルク配分が左右は通常通り50:50、前後は9:1〜8:2あたりで固定されており、ドリフトのしやすさという面ではあまりFRと変わらないものの、トラクションでは大きく勝る。ただ前輪もやや駆動させているため、角度が大きすぎて前輪の最大舵角を越えると角度を戻しづらくなるのがデメリット。
当然ながらオフにすると完全トルク配分が前後50:50のフルタイムAWDとなる。グリップでこのモードを使うメリットは現状無い。
ATTESA・FUSE
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調整範囲
オンorオフ
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セッティング可能条件
デフォルトで利用可能
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対象車種:
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Nissan Skyline GT-R (R32)
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Nissan Skyline GT-R V.spec (R33)
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Nissan Skyline GT-R V.spec 2 (R34)
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Nismo R34 GT-R Z-Tune
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Rocket Bunny Pandem R32 Aero
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意味・効果 (ATTESA)
現実では「ATTESA E-TS」と呼ばれる、走行条件に応じて前輪に駆動を50:50~0:100の範囲で配分する駆動システムを再現したもの。現実のそれでは原則後輪駆動で、コーナリング等リアが流れやすい箇所ではその度合いにより50:50の四輪駆動に近づくというシステムだが、ARでは原則四輪駆動で、リアが流れ始めると後輪駆動になると思われる。また、その配分の変化の際も徐々に後輪駆動に近づくのではなく、リアが流れはじめた途端に50:50になると思われる。このように現実とはほとんど逆に作用するため、現実でのATTESAの利点である、コーナー進入で後輪駆動になりアンダーが消え、コーナー立ち上がりでは四輪駆動になり踏み込めるというのが全く発揮されずむしろ逆効果となるため、実際の速さでもATTESAオフの常時四輪駆動より大きく劣る。このような仕様にしてあるのはおそらくドリフト向けだと思われ、実際に2019年まではドリフト大会でも禁止を検討されていた程だったが、弱体化と車体の荷重配分の変更が行われ、今ではドリフトを行うのも難しくなっている。
以上ATTESAのAR内での挙動を述べたが、実際には不鮮明な部分が多い。今までだと、ATTESAを使った方が遅いが後輪駆動ライクで扱いやすい程度の認識だったため、当ページの中でも唯一要研究である。少なくともFuseをオフにすればATTESAなど全く関係ないはずだが実際にはハンドリングが変化していたりと、そのあたりの原因は全く不明である。今後加筆修正する予定であるが、時間がかかる点は了承いただきたい。
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意味・効果 (FUSE)
現実のスカイラインGT-Rには、詳細は控えるがドリフト目的のFR化の手段として「ヒューズカット」と呼ばれるチューニング方法があり、これを踏襲したもの。実際のチューニングと同様、これをオフにすることでATTESAのオンオフに関わらず完全にFRにする事が可能となる。
余談となるが、スカイラインGT-Rが追加された当初はこの項目は無く、現在もARのドリフト界隈に強い影響を持つ某氏が運営の開発者にヒューズボックスのチューニングの存在を話した事により実装された機能とされている。ただ現在スカイラインGT-RはフロントヘビーでありFR化したところでドリフトがとても難しいため、あまり使われていない。
ATTESA
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FUSE
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効果
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X
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X
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純粋なFR
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X
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O
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純粋な4輪駆動
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O
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X
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ややオーバー傾向のFR
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O
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O
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オーバー傾向の4輪駆動
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最終更新:2022年03月31日 00:00