BGAの翻訳

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BGAの翻訳 - (2019/05/31 (金) 02:33:58) の編集履歴(バックアップ)


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概要

BGAはオンラインでボードゲームをプレイするサイトですが、サイト内の文章やゲーム中の文章などはほとんどすべてが有志による翻訳によって日本語化されています。
この翻訳は基本的に誰もが自由にできます。
これには日本語化される速度が速いというメリットがある一方、翻訳上の注意などをよく読まずに安易に翻訳を行ったばっかりに意味の分からない日本語になってしまう場合があるというデメリットもあります。
なぜ、このようなことが起こってしまうのかというと
「翻訳ガイドラインの場所が分かりにくく読まれていない」
恐らくこれに尽きます。
そこで、BGAの翻訳ガイドラインに示されている内容と日本語翻訳フォーラムにて挙げられていた翻訳上の注意をこのページにまとめ、翻訳の質を少しでも上げることに貢献できれば…というのが狙いです。

BGAの翻訳システムの基本

そもそもBGAって翻訳できるの?、という方もいらっしゃると思うので基本から説明します。

BGAはもともとフランス語メインのサイトで、これをBGA運営や有志が英語に翻訳しています。
そして、この英語に翻訳されたサイトが各言語に翻訳されているのです。
なぜ、サイトの翻訳を有志に開放しているのかは下記のような理由です。
  • BGAを広く世界に開いたボードゲームプラットフォームにしたい、という運営方針により、様々な言語に翻訳される必要があるため
  • 翻訳を多数で行うことによる翻訳速度・精度の向上を狙っているため

しかし、誰もが自由に翻訳を行ってしまうと文章や単語の統一性が無くなってしまいます。
そこで、翻訳をする際の「翻訳ガイドライン」が作られており、これに従って翻訳を行うことで統一性のある翻訳を行っています。
ただし、ここで示す翻訳ガイドラインはあくまでも「日本語への翻訳」において定められているガイドラインであることに注意してください。
先述したように、BGAは各言語へ翻訳が可能です。
各言語にはそれぞれの「翻訳ガイドライン」があり、基本的にはそれに従って翻訳が行われているはずです。
そのため、中国語やスペイン語などに翻訳をする場合にはそれぞれの言語の翻訳ガイドラインに従ってください。

じゃあ翻訳はどこで行うのか?については後で説明しますね。
それは、翻訳についての注意点やガイドラインをちゃんと読んでもらいたいからです。

翻訳を行うメリット

翻訳をするのは簡単ではありません。
ただの「和訳」ではなく「翻訳」をするのは時間もかかりますし、疲れます。
これでは熱狂的なボードゲーム愛好家くらいしか翻訳をやりたがらないでしょう。

BGAには「ギフトポイント」という制度があります。
これは様々な方法で獲得できるポイントですが、翻訳を行うことでも入手できます。
翻訳1件が確定されるたびにギフトポイント1ポイントをもらえるのです。
ギフトポイントは100ポイント貯めるごとに1か月のプレミアム会員権と交換できるので、1件あたり2.7円もらえることになりますね(たったの2.7円と言えばそれまでですが…)。

また、100件以上の翻訳を行うと2つの特権を得られます。
1つは「BGAへの貢献者」としてリストに名前が載ります。
もう1つは確定済み翻訳を修正できるようになります。
特に、確定済み翻訳の修正は「この翻訳ダメダメだけど自分じゃ直せないー!誰かに直してもらいたいけどわざわざ頼むのも時間かかるしなぁ…」って場合に有用です。


翻訳ガイドライン

翻訳ガイドラインは翻訳の質を高めるためのルールとも言えるもので、これからBGAの翻訳をしようと思っている方(既に翻訳をしているもののガイドラインの存在を知らない方)に特に知って欲しいものです。

すべての言語に共通する翻訳ガイドライン

まず、BGAが言語に関わらずに定めている翻訳ガイドラインを示します。


◆翻訳先言語を母語話者とする人のみが、その言語への翻訳を行うこと
母語話者の定義にもよりますが、少なくとも翻訳先言語が第一言語であることが望まれると考えてよいでしょう。
まれに日本語を勉強中の日本語を母語話者としない人が翻訳をしている場合がありますが、できれば翻訳は行わないのが望ましいです。今までの例では例外なく翻訳の質が低く、文意が不明のものがほとんどです。
BGAの翻訳を言語の練習に使わないでください。


◆ゲームの翻訳を行う際には、そのゲームのルールを熟知していること
当たり前と言えば当たり前ですが、ルールを知らないままゲームの翻訳をするのは非常に危険です。プレイ経験は問わないものの、少なくともルールブックに書かれているルールを把握してから翻訳を行うべきでしょう。ゲームのプレイ経験があれば完璧ですね。


◆ゲームの翻訳は、各国言語で広く利用されているルール・単語を考慮して行うこと
ゲームのルールを把握していたとしても、仲間内だけで使っている単語を翻訳に使ってしまっては他の人には意味が通じない文章になってしまいます。それが例え公式の翻訳より分かりやすいと考えられるものでも、公式の訳に合わせるべきです。
これには理由がいくつかあります。
1つ目は、ゲーム用語では正確性が求められるため表現の揺れがあってはならないためです。
例えば、「spell」という単語を、公式では「呪文」と訳したとします。これを「魔法」と訳してしまっては「呪文の他に魔法っている別のものもあるのか?」という誤解とプレイアビリティの低下に繋がるからです。
2つ目は、BGAの運営指針によるものです。
BGAは基本無料で様々なボードゲームで遊べますが、その運営方針は「オンラインにおいて現実世界でプレイするボードゲームを再現するものではない。BGAでボードゲームコミュニティを作り、現実世界でボードゲームをより普及させることを目指す。」としています。BGAでプレイして気に入ったゲームを現実世界で買ったとしましょう。実際にプレイしてみたらカード名や説明文中の単語が異なっていたらプレイアビリティの低下に繋がります。これはBGAの運営方針には沿わないのです。
BGAを「あなた1人」にとって使いやすいものにするために翻訳をするべきではありません。


◆翻訳と和訳の違いを理解した上で、実用性と均質性を重視すること
「和訳」としたのは便宜上そうしただけで、他の各言語への翻訳する際にも言えることで、「翻訳」と「英語を他の言語に直すこと」は意味が異なります。
そもそも「翻訳」とは、元の言語の文意を保ったまま他の各言語の文化的背景や表現に即して訳すことを言います。和訳とはただ単に英語を日本語として読めるようにしただけのものです。
では、日本語として文意を保っていれば自由に翻訳をしてもいいのか?と言うと、それだけでは不十分です。難解な表現を使用していたり、長すぎる(もしくは短すぎる)表現などは実用性に欠けます。特に長すぎる表現は、BGAでは文章すべてが表示されないなどの不都合もあるため、元の英文の使用箇所等を確かめながら翻訳を行う必要があります。
均質性については一つ上の項目と重複する内容ですが、こちらはBGA内での話です。例えばBGAでゲームをしている際、使用されている表現がバラバラではプレイアビリティの低下に繋がります。そのため、翻訳の際に表現の統一には注意を払うべきです。


◆誤翻訳の修正の際には断り書きを書いた上での修正が望ましい
これは翻訳の修正合戦を防ぐ意味合いが強いです。
日本語版が存在しないゲームなどは準拠させるものがないため、翻訳者が訳語を定めていくわけです。翻訳者は1人ではないですから、様々な翻訳案が出てくるでしょう。
例えば「A案」がいいと思っているAさんと「B案」がいいと思っているBさんがいたとします。この2人が1つの翻訳をめぐって翻訳の上書きだけをしていても何も解決しません。



◆英語への翻訳は特別な理由がない限り行わないこと
これは日本語翻訳をする際には関係のないガイドラインです。
BGAは有志によって英語に翻訳されており、この翻訳された英語文が他の各言語に翻訳できるようになっています。つまり、英語への翻訳は他の各言語を含めたサイト全体に影響が及ぶことになります。
この元となる英語文が変更されると、各言語の有志が行った翻訳は無かったことになり、やり直しとなってしまいます。そのため、用語が変更されたり誤字がある等の変更しなければいけない大きな理由がない限り英語への翻訳を変更するべきではありません。




日本語翻訳ガイドライン

次に、日本語への翻訳ガイドラインを示します。
これは公式的なものではなく、今まで日本語翻訳を行ってきた方々が実用性等の観点から翻訳の際の「ルール」を決めたほうがよいのではないか?という議論の下で生まれたものです。
そのため、これらに従って翻訳をすれば最低限の実用性や統一性が守られることに繋がります。
できる限りこのガイドラインに従って翻訳を行うようにしてください。

◆公式な日本語版の商品が存在するなら、ルールや単語などはこれに準拠すること
これは先述の内容と重複しますが、公式な日本語版が存在するならそれに準拠することが望ましいです。
ただし、個人が翻訳したルールブックがインターネット上で公開されている場合がありますが、これに合わせる必要はありません。むしろ、そのような場合は翻訳を自分で行ってください。確認程度で参考にするのは構いませんが、個人が翻訳したものは第三者のチェックがされていないことがほとんどですので、これに基づいて翻訳を行うのは非常に危険です。
また、まれにBGAうぃきのページを参考にして翻訳を行っている人がいますが、BGAうぃきのほとんどは編集者個人が英語ルールブックを訳して編集しています。そのため、これを基にして翻訳するのもやめてください。なぜなら、これを行ってしまうと「多数で翻訳することによる翻訳精度の向上」という目的が果たせなくなるからです。


◆ゲーム内で使用される用語は統一すること
これはゲームプレイ中の混乱を防ぎ、プレイアビリティを向上させるためです。
例えば、「Character」という単語を翻訳する時、「キャラクター」、「人物」、「役割」など、さまざまな訳が充てられる可能性がありますね。ゲーム中の効果説明文などで「character」という単語が使用されていて、それぞれの説明文で使用される訳語が異なっていたら混乱してしまいますよね。
そのため、1つのゲーム内では原文の単語と訳語を1対1で対応させるようにしてください。
BGAのゲーム全体で訳語を統一する必要はありませんが、少なくともそのゲーム内では必ず訳語を統一してください。


◆明確な使用箇所が分かる場合を除き、実際にその文章がどこで使われるのかを確認すること
その文章が表示されるタイミングによって単語の選択や日本語の組み立て方を考えなければいけない場合があります。
BGAの翻訳システムの都合上、1文が何個かの文節に区切られていることがあったり、汎用性のために別の単語や文章を置換させて表示させる場合があります。これらを直訳してしまうと意味の通らない文章になってしまったり表示がおかしくなる場合があるため、できるだけ文章の使用箇所は確認するようにしてください。


◆句点や文末の感嘆符は原文のピリオドや感嘆符に準拠すること
実はこれはBGAにおいて言語に関わらず定められている翻訳ガイドラインです。ただ、BGAがシステムとして自動的にこのような処理を行うようにしたところ批判が殺到したらしく、いつの間にかこのシステムは無くなり、各言語の翻訳者に一存することにしたようです。
ただ、日本語翻訳の場合は以前から原文のピリオドや感嘆符に準拠することにしていたため、現在もこれは継続しています。
中には準拠していないものもありますが、そのような場合には特定の理由があります。この項目は他のガイドラインの項目に比べると優先度は低いですが、特に理由がない場合にはこれに従ってください。


◆原文を翻訳した際に残った空白は基本的に除去すること (ただし、「:」「;」など、半角記号の直後にある空白は残すこと)
これは見栄えの問題です。
BGAでは置換文字列が頻繁に使用されます。
例えば「You may draw %s card(s)」や「${actplayer} discards 2 cards」で使用される「%s」や「${}」のことです。英語の場合はこの置換文字列にそのまま英単語が入るためスペースが無いといけないのですが、日本語にしたときに「あなたは %s 枚のカードを引けます」のようにスペースが入ると不自然ですよね。そのため、このような空白は除去して「あなたは%s枚のカードを引けます」としなければいけません。
一方、で「:」「;」などの半角記号の直後にある空白はそのままにしておいたほうがよい場合が多いです。
例えば、「${card_name}: You may choose action」のような場合です。${card_name}にはカード名が挿入されるのですが、この文章はカード効果によってプレイヤーにアクションの選択を促すメッセージでよく使われます。これを「${card_name}:あなたはアクションを選択できます」とするのと「${card_name}: あなたはアクションを選択できます」とするのとでは後者が読みやすいですよね。


◆数字は慣用句内の表現などを除き、原則として半角数字を用いること
web上の文章では英数字は半角で統一するのが常識…と言えばそれまでですが、一応2つの理由があります。
1つ目は単純に見た目の問題です。「1枚」、「1枚」、「一枚」のような異なる表記が混在していては見栄えが悪いですし、それならどれか1つに統一したほうが良いため、半角英数字に統一しましょう!ということになってます。
もう1つはシステム的な問題です。先述のようにBGAはもともとは日本語ベースのサイトではありません。そのため、全角英数字を使用すると不具合が生じる可能性が全く無いとは言い切れないのです。
ただし、熟語として漢数字を使用する場合はこれに当てはまりません。
例えば、東海道の拡張で「四ツ辻」というものがありますが、これを「4ツ辻」とするのはおかしいですよね。


◆英数字、ASCII文字と被る記号は半角にすること(特に全角スペース・全角丸括弧・全角コロンは使用しないこと。)
これは1つ上の項目と理由は同じです。
迷ったら英数字と記号はとりあえず半角にしておきましょう。


◆助数詞の「つ」は1~9までの個数を表すときにしか使わない
これは置換文字列で汎用的な文章を作っているBGAのシステムの問題です。
日本語では「1つ、2つ、3つ…」のように助数詞「つ」を付けられるのは「1~9」だけです。「10つ」とは言いませんね。そのため、なるべく「つ」は使わない方がよいです。
オススメの助数詞は「個」です。何を使えばいいのか不明であれば「個」を使っておけば間違いはありません。
ただ、カードなどには「枚」、アクションなどは「回」など、より自然な表現が可能ならそれを使うようにしてください。


◆メインサイト内の文章、ゲーム画面でのstatus barの文やレッドメッセージはです・ます調で統一すること
文体の統一です。です・ます調かである調のどちらかに統一しないと見栄えが悪いためです。
Status Barというのは画面上部でプレイヤーに操作を促すためのメッセージを出したりするところです。
レッドメッセージというのは、エラーが発生した時やルールに従っていない行動を取ったりすると画面の上部に表示される、赤背景のメッセージのことです。
これらで表示される文は「ですます調」で統一されています。


◆ログは過去形・である調で統一すること22
上記の内容と同様に文体の統一です。
ログはメッセージを表示できるエリアが小さいため、少しでも見やすくさせるために「である調」で統一されています。
また、日本語として行動を起こした結果がログとして表示されているため過去形で統一します。
ログの文は「${actplayer} draw 2 cards」のように原文の英語では現在形で表記されますが、過去形で訳してください。


◆プレイヤーに操作を促すメッセージで使用される「must」は「~(して)ください」、「may」は「~できます」と訳すこと
「must」は通常、「~しなければならない」などと訳されることが多いのですが、BGAではプレイヤーに操作を要求する場面で使用される場合では「~(して)ください」と訳します。理由としては、こちらの方が自然な日本語になるからです。
また、「may」も「~をしてもよい」よりも「~できます」と訳すと自然になる場合が多いです。


◆「~してください」などの「ください」はひらがなで表記すること
「下さい」はgiveの意味でしか使いません。例えば、「私にりんごを1つ下さい」という文なら「下さい」と漢字で表記できます。
ただ、「~してください」という文では漢字表記の「下さい」を使用することはできません。


◆may、canは「できる」とひらがなで訳すこと
同様に、「アクションを1つ実行できます」のような「~できる」はひらがなで訳してください。
漢字の「~出来る」は、通常このような場合には用いません。漢字の出来るは「出来上がる」の意味で用いられます。例えば、「夕食のカレーが出来た」などです。


◆「my hand」など、プレイヤー側に表示される画面での「my」は「私の」ではなく「あなたの」と訳すほうが自然
これは好みの領域であるような気はしますが、すべてのゲームでこのように統一されているため、全体としての均一性を保つためにこのようにしています。


Tips

  • 翻訳の反映は日本時間で午後3時頃

単語集

  • ifは「もし、~した場合」ではなく、「~した場合、~」「~すると
、~」「~するたびに、~」とした方が自然
  • A and/or Bは「AまたはB、もしくはその両方」、「AやB」とする
tableau
場、カード置き場