ニッポン: 明治維新

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ニッポン: 明治維新 - (2016/12/21 (水) 19:48:27) のソース

背景とゲームの概要
明治時代の日本-鎖国し、海外との通商もほとんどなかった封建主義国家-が、西洋化した近代国家に変わろうとしました。明治政府は使節を諸外国に派遣し、西洋から技術者や研究者を連れ帰り、鉄道を建設し、日本はめざましい速さで産業革命を成し遂げました。
この時代、政府の政策上の力となるのは、強大な力によって日本経済を大規模に支配している4つの巨大複合企業でした。これらの企業は財閥と呼ばれ、政府や日本経済に対する影響は大きく、日本の運命における重要性は途方もなく大きなものでした。
「ニッポン:明治維新」では、プレイヤーは財閥を操って新たな産業に投資したり、技術的知識を向上させたり、外国に商品を輸出したり、国内需要を満たしたり、日本の迅速な産業化を担うことで影響力や権力を増大させたりして勢力を広げることを目指します。
財閥の礎は昔ながらの絹糸工場ですが、彼らはすぐに影響力と権力を多様化させて、相互につながった企業の複合体構造を作り上げ、世界の新たな工業時代における最大手となります。各プレイヤーはこれらの巨大企業を統率し、成長させて力を得ようとします。
このゲームで勝利するためには、プレイヤーは日本列島で最も強い影響力を持つために、投資する産業の種類を慎重に選ばなければいけません。全てのアクションが、新たな機会に続く独自の道を築くのに役立ちます。
「ニッポン:明治維新」は難しい決断を必要とするハイテンポな経済ゲームで、日本の近代史において重要な新たな大国家の誕生の瞬間を舞台にしています。
 
 
ゲームの準備
これから説明するのは4人プレイでのルールです。2、3人プレイでの変更点は適宜示します。
・各プレイヤーには次のものが配られます。配られるものはプレイヤーカラー(黄色、赤、紫、青)と同じ色です。
契約タイル:8枚。全て内容が異なります。配られた契約タイルは他プレイヤーが確認できようにします。
価値1の青写真タイル:1枚
影響タイル:10枚(価値1~7)
・勝利点
スタートプレイヤーから順に10点、2番手のプレイヤーは11点、3番手のプレイヤーは12点、4番手のプレイヤーは13点を得ます。
・プレイヤーボード
各プレイヤーにはプレイヤーカラーと同じ色と同じシンボルがついたプレイヤーボードが配られます。このシンボルは財閥を表します。ここには以下のものが置かれます。
円紙幣:12000円が予算エリアに置かれる
2個の黒キューブ:予算エリアに置かれる。
(黒キューブは置かれた場所によって表すものが変化します。資本エリアに置いたものは石炭を表します)
6枚の船タイル:船エリアに「2勝利点」のアイコンが書かれている面を上にして置かれる
6枚の鉄道タイル:鉄道エリアに「+2」のアイコンが書かれている面を上にして置かれる
黒キューブ:石炭トラックの2の位置に1個、収入トラックの12の位置に1個、知識トラックの1の位置に1個置かれる
(黒キューブはプレイヤーボードの各トラック(石炭、収入、知識)でそれぞれのレベルを表すのに使われます。キューブが一番上のマスより上に行くことはありません。)
・工場タイル
生産する製品の種類(カード下部に記載)ごとに分けられて置かれる。
製品の種類は次の6種類がある。
・褒賞タイル
褒賞タイルが裏面の勝利点乗数ごとに分けられ、さらに、表面のボーナス内容ごとに分けられたタイル山ができる。これらをメインボードの褒賞スロットにボーナス内容の面を表にして置かれる。勝利点2倍のタイルが一番左の列に、3倍のタイルをその隣に、以下同様に全て置く。
・都市タイル
日本地図は4つの地域に分かれていて、各地域には2つの都市スロットがあります。
都市タイルがメインボードの各都市スロットにランダムに1枚ずつ表向きに置かれます。残ったタイルは使いません。
・労働者コマ
全てのコマを袋に入れます。コマの色はプレイヤーの色や工場の色と関係ありません。
・アクションスロットとワーカー列
ランダムに労働者コマがメインボードの各アクションスロットに3個ずつ置かれる。
ワーカー列にも同様に並べられる
2,3人プレイでの変更点
・褒賞タイル
3人プレイ:各タイル山からランダムに1枚の褒賞タイルが除かれる
2人プレイ:各タイル山からランダムに2枚の褒賞タイルが除かれる
労働者コマ
・3人プレイ:各色のコマのうち、1個を取り除く
・2人プレイ:各色のコマのうち、2個を取り除く
アクションスロットとワーカー列
・3人プレイ:ワーカー列を3列にのみ使用し、各列に3個ずつのワーカーを配置
・2人プレイ:ワーカー列を2列にのみ使用し、各列に2個ずつのワーカーを配置
図
機械タイル、残った青写真タイル、黒キューブ、円紙幣等はサプライとなります。
ゲーム中に支払いをしなければいけない時は、支払いは円紙幣で行います。自分のプレイヤーボード上の予算エリアにある円紙幣を取り、サプライへ戻すことで支払いが行われます。円紙幣や石炭を得る際には、サプライから取り、自分のプレイヤーボードの予算エリアに置きます。
青写真タイルはその「価値」の分だけ受け取ったり捨てたりします。枚数ではないことに注意してください。
例:「2」の青写真タイルを受け取る時、価値1の青写真タイルを2枚か、価値2の青写真タイルを1枚受け取ります。
サプライには上限がありません。足りなくなったら他のもので代用してください。
プレイの流れ
スタートプレイヤーから順に、時計回りに各プレイヤーは自分のターンに次の2つのアクションのうち、どちらか1つを選んで実行しなければいけません。
・メインボードからワーカーを1個取り、アクションを行う(実行可能なアクションについては後述)
・統合整理(詳細は統合整理の項目を参照してください)
自分のターン中になら青写真タイルを3点分だけ捨てて各レベル(収入トラック、石炭トラック、知識トラック)を1段階上げることができます。これは青写真タイルを3点分捨てられることができるなら何度でも実行できます。
ゲーム中、得点計算が3回発生します(詳細は後述)。3回目の得点計算が終わったらゲームは終了し、各プレイヤーの最終的な勝利点を計算します。そして、最も多くの勝利点を獲得していたプレイヤーが勝者です。
ワーカーを取る
次のことを必ず実行しなければいけません。
・メインボードのアクションスロットからワーカーを1個取る
・自分のプレイヤーボードのワーカースロットの空いているスロットのうち、一番左側のスロットにワーカーを取った置く
・ワーカーを取った場所に対応するアクションを1回だけ実行する。もし、アクションスロットに2つのアクションが書かれている場所からワーカーを取った場合、どちらか1つのアクションを選んで1回だけ実行する(詳細は後述)。
プレイヤーボードには最大で6個までワーカーを置くことができます。プレイヤーボードに6個のワーカーが置かれた場合、次のターンで「統合整理」を実行しなければいけません(詳細は後述)。
※重要事項:プレイヤーはアクションを1つだけしか実行できません。また、完全に実行できるアクションを得選ばなくてはいけません。選んだアクションは必ず実行しなければいけません。
取ったワーカーの色は実行するアクションに何の影響も及ぼしません。ワーカーの色は「統合整理」の際に重要な要素となっています(詳細は後述)
アクションスロットが空になった場合
あるプレイヤーのターン終了時にワーカーが1個も置かれていない空のアクションスロットができた場合、次の手順でワーカーを補充します。
1.	ワーカー列のスロットのうち、ワーカーが置かれているスロットの一番上のスロットからワーカー1組を取る。
2.	取ったワーカー1組を空のアクションスロットに置く。
ワーカー列が空になった場合
ワーカーを補充したことでワーカー列が空になった場合、次の手順でワーカー列を補充します
1.	全てのアクションスロットにワーカーが3個になるようにランダムに補充される
2.	ワーカー列の一番上のスロットから順番に、各スロットに3個のワーカーが置かれるようにランダムにワーカーが補充される(ワーカーが足りない場合、補充できる分だけ補充する。ワーカーが戻されたら、その都度補充しなければいけない場所へワーカーを補充していく)。
3.	得点計算マーカーを右に1マス動かす
ゲーム中に3回の得点計算が発生します。得点計算では、各地域ごとの影響力の大きさによって各プレイヤーは勝利点を獲得します。
得点計算マーカーが「一」を通過したら1回目の得点計算が起こります。
得点計算マーカーが「二」を通過したら2回目の得点計算が起こります。
得点計算マーカーが最初に金色のマスに到達したら、各プレイヤーは3回だけ手番を実行し(全プレイヤーが1回手番を終了したらマーカーが1マス右へ動く)、その後、3回目の得点計算が起こります。
3回目の得点計算が終わったら、ゲーム終了となり、最終的な勝利点の計算が行われます。
例:
紫、青、赤の3人プレイです。青のプレイヤーの手番終了時にワーカー列の補充が発生し、得点計算マーカーが最初の金色のマスへ到達しました。赤→紫→青の順に1回ずつ手番を実行します。青のプレイヤーが手番が終わったら、得点計算マーカーを1マス右へ動かします。これを後2回行います。そして、青のプレイヤーの3回目の手番が終わった後、3回目の得点計算が行われます。これでゲーム終了となり、最終的な勝利点計算が行われます。
アクションの詳細
ワーカーを取った場合、ワーカーを取ったアクションスロットに示されているアクションを1つ選び、必ず実行しなければいけません。例えば、「国内市場」のアクションを実行する場合、一番右側のアクションスロットからワーカーを取らなければいけません。
2つのアクションが書かれているスロットからワーカーを取った場合は、どちらかのアクションを1つ選ばなければいけません。
新たな産業への投資
経済を独占的に支配するような巨大企業-財閥が登場しました。財閥は相互的に幅広く経済活動を行いました。この相乗効果で財閥はより強大になっていきました。
このアクションを選んだプレイヤーは工場を1個建てなければいけません。
それぞれの工場タイルには次のことが示されています
・その工場で生産される製品
・レベル。レベルは3段階あります
絹糸と紙の工場はレベル1、弁当とレンズの工場はレベル2、時計と電球の工場はレベル3です
・製品を生産するのに必要な石炭の数
・製品の保管エリア
・相乗効果ボーナス。各工場によってボーナスの内容は異なります
・機械タイルスロット(表面のみ)
・工場建設に必要な知識レベル(裏面のみ)
レベル1の工場には知識2、レベル2の工場には知識4、レベル3の工場には知識6が必要
工場を建設する時には以下の手順で建設します
1.	建設可能な工場タイルを1枚選択する
2.	6000円を支払う
3.	知識レベルを確認する。知識レベルはプレイヤーボードの知識トラック上の黒キューブで示されます。黒キューブが置かれているマスに数字が書かれていれば、それが知識レベルです。黒キューブが置かれているマスの横に数字書かれていなければ、それよりも下のマスに書かれている数字が知識レベルです。
例:黒キューブが3と4が書かれている間のマスに置かれているなら、知識レベルは3です
4.	知識レベルが足りていないなら、足りない分だけ計画タイルを捨てます。計画タイルを必要なだけ捨てられないなら、工場を建設することはできません。注意:知識は支払うものではなく、建設に必要なステータスです。
例:弁当工場(レベル2)を建てる場合。この工場を建設するのに必要な知識レベルは4です。もし知識レベルが3しかない場合、価値1の計画タイルを捨てることで、工場を建設できます。
5.	工場タイルを表向きにして自分の手元に置く
重要事項:1人のプレイヤーが同じ製品を生産する工場を2つ以上建設することはできません。
機械化
国の近代化は妥協が許されない問題でした。国のあらゆる面で近代化が成功するか、全く近代化できないかのどちらかなのです。
このアクションを選んだプレイヤーは1~3個の工場を「改良」しなければいけません。
このアクションを実行する度に5,000円を支払う必要があります。コストを支払って次のどちらかを選んで実行します。
・新たな機械の導入:機械タイルを1枚取り、任意の工場タイルの空いている機械スロットに「+1」の面を上にして置く
・機械性能の向上:任意の工場タイルに置かれている機械タイル1枚を裏返し、「+2」の面を上にする。既に「+2」の面が上になっているタイルに対してこのアクションは実行できません。
注意:一度工場タイルに置かれた機械タイルは移動させたり取り除いたりできません。
例:10,000円を支払って絹糸の工場に新たな機械タイルを「+1」の面を上にして置きました。さらに、この機械タイルの性能を向上させて「+2」の面を上にしました。
このアクションを実行する場合、新たな機械の導入/機械性能の向上が可能な工場があるなら、必ずこれらのアクションを実行しなければいけません。もし、これらのアクションを実行できる工場がないなら、5,000円を支払って機械タイル1枚を手に入れ、これを保持することができます。保持する場合の機械タイルは「+1」の機械タイルとなります。
注意:機械タイルを保持しているプレイヤーは、次に自分が工場を建設したら、建設した工場に所持している機械タイルを即座に置かなければいけません。さらに、機械タイルを2枚以上保持しているなら、置いた機械タイルに対して「機械性能の向上」アクションも実行しなければいけません。保持している機械タイルを1枚捨て、工場タイルに置いた機械タイルを「+2」の面を上にします。
例:+1の機械タイルが置かれた工場を持っています。15,000円を支払い、「+1」の機械タイルを裏返し、「+2」のタイルにしました。さらに、機械タイルを2枚取りました。この2枚の機械タイルを置くことができる工場を持っていないので、この2枚のタイルは保持しておきます。次に工場を建設したら、1枚の機械タイルを捨て、もう1枚の機械タイルを「+2」の面を上にして、建設した工場タイルに即座に配置しなければいけません。
 
製品の生産
織工を養うためには米を育てなければいけません。織工は労働者のための衣服を作ります。製品を生産するために労働者を雇わなければいけません。そして、水田を購入するために製品を販売します。
このアクションを選んだプレイヤーは自分が所持している工場タイルから1~3個を選び、対応する製品を生産しなければいけません。
注意:製品が生産されると、生産した工場タイルの製品保管エリアに黒キューブが置かれます。この黒キューブは対応する製品を表します(絹や紙、レンズなどです)。
製品を生産したい工場ごとに、次の手順でアクションを実行しなければいけせん。
・工場タイルに示されている「製品の生産に必要な石炭の数」と同じ数だけの石炭を支払う。
注意:石炭が足りない場合、その工場では製品を生産することはできません。
・1個の黒キューブを取り、工場タイルの空いている製品保管エリアに置く。
注意:製品保管エリアに1つも空きがない場合、その工場では製品を生産することができません。
・工場タイルに置かれている機械タイルが示す数字(+1/+2)分だけ追加の黒キューブを取り、可能な限り工場の製品保管エリアに置く。
注意:追加の黒キューブを置くスペースが足りない場合は、置けるだけのキューブを置きます。
例:絹糸工場を稼働し、製品を生産させることにしました。なお、この工場タイルには+2の機械タイルが置かれています。さらに、この工場の製品保管エリアには既に2個の黒キューブが置かれています。
まず、2個の石炭を支払いました。次に、3個の黒キューブ(+2の機械タイルが置かれているため。1+2=3個)を取りました。しかし、この工場タイルには既に2個の黒キューブが置かれていたため、2個の黒キューブを工場タイルの製品保管エリアに置き、残りの1個の黒キューブは捨てられました。
知識
帝国支配の基盤を強化するためには世界中から知識を集めなければいけません。
このアクションを選んだプレイヤーは知識トラック上の黒キューブを1~3マスの範囲で上に進めなければいけません。
・1マス上に進めるなら1000円
・2マス上に進めるなら3000円
・3マス上に進めるなら6000円
なお、黒キューブは知識トラックの一番上のマスより上に進めることはできません。
鉱山
工業化に伴い、水力から蒸気の力へと動力源が移行しました。これにより石炭の需要が増加し、石炭の生産量は劇的に増加しました。
このアクションを選んだプレイヤーは石炭トラック上の黒キューブを1~3マスの範囲で上に進めなければいけません。
・1マス上に進めるなら1000円
・2マス上に進めるなら3000円
・3マス上に進めるなら6000円
なお、黒キューブは石炭トラックの一番上のマスより上に進めることはできません。
 
鉄道
この国で初めて敷設された鉄道はたったの17マイルしかありませんでした(訳注:17マイルは約27.4kmだが、これは新橋-横浜間の距離で、実際には品川-横浜間の仮営業があったため約23.8kmらしい)。1913年には、鉄道網が飛躍的に拡大し、7000マイル(約11265km)にまで伸びました。
このアクションを選んだプレイヤーは鉄道を1~3個建設しなければいけません。鉄道を1つ建設するのに5,000円を支払う必要があります。
次の手順でアクションを実行します。
・自分のプレイヤーボードから建設する数だけの鉄道タイルを左から順に取る。
・取った鉄道タイルをメインボードの鉄道・船スロットに置く。各地域には鉄道・船スロットが8マス分用意されています。1回のアクションで鉄道タイルを2枚以上置く場合はそれぞれの鉄道タイルは異なる地域の鉄道・船スロットに置かなければいけません。
補足:鉄道タイルを置いているプレイヤーは得点計算時に追加の影響力を得ることができます。
造船
この時期の四大財閥は日本の造船事業や海運業の半分を直接支配していました。
このアクションを選んだプレイヤーは船を1~3個建造しなければいけません。船を1つ建造するのに5,000円を支払う必要があります。
次の手順でアクションを実行します。
・自分のプレイヤーボードから建造する数だけの船タイルを左から順に取る。
・取った船タイルをメインボードの鉄道・船スロットに置く。各地域には鉄道・船スロットが8マス分用意されています。1回のアクションで船タイルを2枚以上置く場合はそれぞれの鉄道タイルは異なる地域の鉄道・船スロットに置かなければいけません。
補足:船タイルを置いているプレイヤーは得点計算時に追加の勝利点を得ることができます。


2,3人プレイでの鉄道・船スロットの数
・3人プレイの場合は各地域に各地域には鉄道・船スロットが6マス分用意されます
・2人プレイの場合は各地域に各地域には鉄道・船スロットが4マス分用意されます

プレイヤーボードから鉄道タイルや船タイルを取ることで上の画像のマークが完全に見えるようになったら、そのプレイヤーは即座に収入トラック上の黒キューブを1マス上に進めます。ただし、既に収入トラックの一番上のマスに黒キューブがあるなら、何も起こりません。
 
輸出
日本の経済構造は、原材料を輸入して完成した製品を輸出するという、非常に貿易差額主義的になりました。
このアクションを選んだプレイヤーは1~3個の契約を達成しなければいけません。各プレイヤーにはゲーム開始時に内容の異なる8枚の契約タイルが配られています。
達成したい契約タイルごとに、次の手順でアクションを実行しなければいけません。
・自分が所持する契約タイルのうち、表向きのタイルを1枚選択する
・選択した契約タイルに描かれている白いキューブの絵に従って、自分が所持している工場の製品保管エリアにある製品を捨てる。
白いキューブの個数は、異なる種類の製品を何種類捨てる必要があるのかを示しています。
白いキューブに書かれている数字は、同じ種類の製品を何個捨てる必要があるのかを示しています。
注意:契約を達成する場合には、1回のアクションで全て達成しなければいけません。
例:この契約書タイルを達成するためには、1つの工場から2個の黒キューブと、別の工場から1個の黒キューブを選んで捨てなければいけません。
上記の手順で契約を達成したら、次のアクションを実行します。
・契約書タイルの左下に示されているボーナス(お金か勝利点)を獲得
・自分の収入トラック上の黒キューブを1~3マス上に進める。何マス進めるかは契約タイルの右下に示されています。ただし、右下に何も描かれていない場合は黒キューブを進めない。なお、黒キューブが既に一番上のマスにあるなら、何も起こりません。
・契約書タイルを裏向きにする
都市と製品の需要
明治時代、都市化が進み、都市部の人口はだんだんと増加していきました。財閥は都市部の人々に対して産業革命によって生産された製品を販売し始めました。そして、ついには海外の競合企業を追い出すことに成功しました。
 
これから「都市」と「影響スロット」について説明しますが、これらの説明は、「国内市場」アクションの詳細を理解しやすくするためのものです。
各地域には2つの都市があります。都市タイルは、その都市での製品の需要を示しています。
各都市の周りには都市タイルが置かれるマスの隣に4つの影響スロットがあります。
例:この都市ではレンズ、紙、絹、電球に需要があります
「国内市場」アクションを実行したら、都市タイルに示されている製品を捨て、捨てた製品に対応するマスに自分の影響力タイルを置きます。
注意:影響力スロットに書かれている数字は、その地域で海外企業の持つ現在の影響力を示しています。
これらの数字は「国内市場」アクションを実行する際には関係がありません。ただし、得点計算の際に、影響力タイルが置かれていないマスの数字が重要になります。
例:この都市の需要を満たすために、絹を捨てた。絹の隣のマスに自分の影響力タイルを置きます。
国内市場
合理的な選択をする余地などありませんでした。財閥は市場の「空白」を満たさなければいけなかったのです
このアクションを選んだプレイヤーは1つの地域を選び、影響力タイルを置かなければいけません。
影響力タイルを置くには、以下の手順でアクションを実行しなければいけません。
・都市タイルに示されている製品のうち、影響力タイルを置きたいマスに示されている製品を1~3個の捨てる(対応する製品の工場の製品保管エリアにある黒キューブを取って捨てる)
・捨てた製品の個数と同じ数字の影響力タイル1枚を、対応する影響力スロットに置く
・即座に地域ボーナスを受け取る(影響力タイルを置いた地域に対応する地域ボーナス)。地域ボーナスは5000円、石炭2個、価値2の青写真タイル、2勝利点があります。
注意!1度のアクションで影響力タイルを複数枚置く場合は、全ての影響力タイルを同じ地域に置かなければいけません。その際に同じ地域に影響力タイルを置くのであれば、異なる工場から製品を選んで捨ててよい。
影響力タイルの価値
プレイヤーが置くことのできる影響力タイルの価値は、捨てる製品の種類と数によって変動します。
なお、本来置くことができる影響力タイルの価値よりも低い価値の影響力タイルを置いても構いません。
例:
・製紙工場(白の工場)から3個のキューブを捨てることで価値3の影響力タイルを置くことができる
・時計工場(緑の工場)から2個のキューブを捨てることで価値6の影響力タイルを置くことができる
注意!:製品を捨てる際、異なる影響力タイルを得るために、黒キューブを分割して捨てることができます。
例:
時計工場(緑の工場)から3個のキューブを捨てることにした。この際、黒キューブ1個を捨てて価値5の影響力タイル1枚を得て、残りの黒キューブ2個を捨てて価値6の影響力タイル1枚を得ることができます。もちろん、価値7の影響力タイル1枚を得るために黒キューブ3個を捨てても構いません。
利用できる影響力スロット
影響力タイルを置けるのは、次の条件のうち、いずれかを満たす影響力スロットのみです
・影響力タイルが置かれていない影響力スロット
・既に影響力タイルが置かれている影響力スロットのうち、置こうとしている影響力タイルよりも価値の低い影響力タイルが置かれている影響力スロット(既に置かれている影響力タイルというのは、どのプレイヤーのものであるかは関係ありません。もちろん自分が置いた影響力タイルであっても対象です)。この場合は、新たに影響力タイルを置いた場合、既に置かれていた影響力タイルは元の持ち主に戻ります。
例:前のターンで、紫のプレイヤーが時計工場から1個のキューブを捨てることにより、価値5の影響力タイルを置いています。今、青のプレイヤーが時計工場から3個のキューブを捨て、紫のプレイヤーが影響力タイルを置いていた場所に、自分の価値7の影響力タイルに置き換えました。紫のプレイヤーが置いていた価値5の影響力タイルは、紫のプレイヤーの下へ戻ります。
2,3人プレイでの変更点
3人プレイ:各都市には影響タイルを3枚までしか置くことができません
2人プレイ:各都市には影響タイルを2枚までしか置くことができません
さらに、2,3人プレイの場合、次のルールが追加されます
既に影響力タイルが最大数置かれている都市に、新たな影響力タイルを空いている影響力スロットに置きたい場合は、既に置かれている影響力タイルのうち、新たに置く影響力タイルよりも低い価値の影響力タイル(このタイルはどのプレイヤーのものかは問わない)を取り除き、空いている影響スロットに新たな影響力タイルを置きます。なお、最も価値の低い影響力タイルを選んで取り除きますが、対象のタイルが複数枚ある場合は、手番プレイヤーがどのタイルを取り除くのかを選択します。
例:2人プレイです。既に2つの影響力スロットが埋まっています。青のプレイヤーが価値5の影響力タイルを置こうとしています。彼は赤のプレイヤーが置いた価値3の影響力タイルを取り除くことにしました。このとき、価値3以下の影響力タイルは置くことはできません。(一応、青のプレイヤーは自分が置いた価値3の影響力タイルを取り除くこともできます。ただ、メリットはありませんが。)
統合整理
自分の手番でワーカーを取って置くスペースがない、もしくはワーカーを取りたくない場合は統合整理を実行しなければいけません。
次の手順で統合整理を実行します。
1.	資産(お金と石炭)
次の2つの事項を実行しなければいけません。
・プレイヤーボードの資本エリアに置かれている円紙幣と石炭を全て捨てる。
・次のものを取り、資本エリアに置く:収入トラックのレベルに応じた円紙幣、石炭トラックのレベルに応じた石炭(黒キューブのあるマスの右の数字か、そのマスよりも下の数字)
例:統合整理を実行します。全ての円紙幣と石炭を捨て、石炭5個と16000円を得ます。
2.	天皇の報賞
自分のプレイヤーボードに少なくとも3個のワーカーが置かれているなら、次のことを実行します。
・自分のプレイヤーボードのワーカーが置かれているマスのうち、最も右のマスに示されている数字(2~5)と同じか、それよりも小さい数字を選び、選んだ数字に対応する報賞タイルをゲームボードから1枚取る。
なお、ゲームボードにより大きい数字の報賞タイルしかない場合は、このステップはスキップされ、報賞タイルは取れません。
もし、ゲームボードに1枚も報賞タイルが残っていないなら、勝利点乗数x2のタイルを取ります。これも残っていないなら、天皇の報賞ステップはスキップされ、報賞タイルは取れません。
・即座に、取った報賞タイルの表面に描かれているボーナスを受け取る。
ボーナスは次の3つです:5000円、価値2の青写真タイル、2個の石炭
・取った報賞タイル/勝利点乗数タイルは即座に勝利点が描かれている面を上にして自分のプレイヤーボードの業績エリアに置く。業績エリアの各マスには報賞タイル/勝利点乗数タイルを1枚だけ置くことができます。もし、全てのマスが埋まっているなら、獲得した報賞タイル/勝利点乗数タイルを捨てます。
注意!:一度置いた報賞タイル/勝利点乗数タイルは取り除いたり、移動したり、他のタイルと取り換えることはできません。
ゲーム終了時に、業績エリアの各マスで示されている内容と、そこに置かれている勝利点乗数タイルによって勝利点を獲得します。
補足:より高い数字の報賞タイルの裏面はより高い勝利点乗数となっています。
3.	労働力
自分のプレイヤーボードに置かれているワーカーに給料を支払わなければいけません。
支払う金額は、異なる色のワーカーごとに3000円です。支払えない場合は、支払えない色1つごとに2勝利点を失います。
その後、プレイヤーボードのワーカーを全て取り除き、袋に戻します。ワーカー列に並べるワーカーが足りていないなら、そのワーカー列にワーカーを置きます。
例:3色のワーカーがあるため、9000円を支払わなければいけません。
得点計算
ゲーム中に3回の得点計算があり、各地域ごとに得点が計算されます。
得点計算マーカーが「一」、「二」、「三」のマークを通過したら得点計算が行われます。
得点計算時には、地域ごとに、各プレイヤーの影響力を計算し、各プレイヤーの影響力の順位を決定します。
影響力は次の事項の合計値で決定されます。
・各地域に置かれている影響力タイル
・少なくとも自分の1枚の影響力タイルが置かれている地域に自分の鉄道タイルを置いている場合は、その鉄道タイルの影響力も加算されます。
重要!:海外企業は影響力の順位を決定する際に、追加のプレイヤー(いわゆるダミープレイヤー)としてカウントされます。各地域の空いている(影響力タイルが置かれていない)影響力スロットに書かれている数字の合計値が海外企業の影響力となります。
各地域ごとに得点計算をします。
各地域ごとに、影響力の順位が1位、2位、3位のプレイヤーは勝利点を獲得します(詳細はゲームボードの表を参照してください)
同点の場合は、同点のプレイヤーが獲得する勝利点を合計し、当該プレイヤーで等分します(端数は切り捨て)。
例:1回目の得点計算です。
紫と赤のプレイヤーは共に影響力6点で、青のプレイヤーは影響力4点でした。紫と赤のプレイヤーは同点1位の影響力を持っているので(10+7)÷2=8(端数切捨て)点ずつの勝利点を獲得します。青のプレイヤーの影響力は第3位だったので、5勝利点を獲得します。
注意!:影響力の順位が1位と2位のプレイヤーは、それぞれ自分が置いた船タイルに示されている勝利点を追加で獲得します。
例1:2回目の得点計算です。
海外企業の影響力は空いている影響力スロットの数字の合計値なので(3+3+1で)7です
紫のプレイヤーは合計で6なので第2位
青のプレイヤーは合計で5(影響力タイルで1、鉄道タイルで4の合計5)なので第3位
赤のプレイヤーは0(鉄道タイルを置いていますが、この地域に影響力タイルを置いていないので鉄道による影響力は加算されません)なので第4位
紫のプレイヤーは11点と船タイルによって追加で2点、青のプレイヤーは8点の勝利点を獲得します。赤のプレイヤーは勝利点を獲得できません。
例2:2回目の得点計算です。
紫、青、赤のプレイヤーの3人が影響力8で、海外企業の影響力は2でした。
3人のプレイヤーは同点なので、各プレイヤーはそれぞれ(15+11+8)÷3=11点(端数切捨て)の勝利点を獲得します。また、船タイルを置いているなら、各プレイヤーは自分が置いた船タイルから追加の勝利点を獲得します。
ゲーム終了
3回目の得点計算が終わったら、最終的な得点計算を行ってゲーム終了です。
ゲーム中に獲得した勝利点と、業績による勝利点を合計し、最も多くの勝利点を獲得していたプレイヤーが勝者です。同点の場合は、同点プレイヤーのうち、最終手番をプレイしたプレイヤーが勝者です。どちらも最終手番をプレイしたプレイヤーでない場合は、最終手番からより遠い(手番から逆順に数えて、より近い)プレイヤーが勝者です。