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  • 月刊山田5

ブルリフ(淫夢)語録まとめwiki

月刊山田5

最終更新:2022年08月26日 03:12

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だれでも歓迎! 編集
【月刊山田】

  • 概要
  • 怪文書コーナー
  • 感想など

概要

YMDに限らず怪文書全般のコーナーです。


怪文書コーナー


  • 12月24日のクリスマス・イヴ 月ノ宮にHRHRという若い姉妹がいました。姉の名はMO、妹は彼女のことをお姉ちゃんと呼んでいました。妹の名はHOR。 MOは貧しいアルバイターでした。しかも、HRHR姉妹が迎えたその年は特別に景気が悪く、給料も減ってしまいました。二人はいつもより厳しいクリスマスを迎えなければなりませんでした。 それでもMOはこのクリスマス・イヴを何とか楽しく過ごしたいと思っていました。そして愛する妹のために何か素晴らしいプレゼントを買いたいと思いましたが、8円10銭しかありません。何度数えなおしても、8円10銭。これでは何も買えません。MOの目から涙が出てきました。 しかし、MOが姿見の前に立ちお化粧を直していた時、素晴らしいことを思いつきました。MOには長く美しい髪の毛があったのです。 すぐにその長い髪の毛はある品物に変わっていました。それは、HORが大切にしているスマホにつける「スマホリング」でした。 一方、HORも愛する姉・MOのために何か素晴らしいプレゼントをしようと考えていました。でもお金がありません。HORは、買ってもらった大切なスマホを質に入れ、MOが欲しがっていた「いい感じの櫛」を買いました。 MOはHORにプレゼントする「スマホリング」を用意し、HORの帰りを待っていました。HORはお家にトコトコトコトコ帰ってきました。 しかし、扉を開いたHORは、MOの顔を見て棒立ちになってしまいました。MOのあの美しい長い毛が短くなっていたからです。でもそれだけではありません。髪の毛を売って買った「スマホリング」をつけるはずの、HORのスマホもなくなっていたのです。 「私、間違ってた……」「お姉ちゃん……私のために……ごめんね……」姉妹は抱き合って泣きました。 あ~あ、またこの姉妹すれ違ってる……ちゃんと普段からお互いの気持ちを伝えとけばこんなことにならないのに…… このお話を聞いてくれた人は感想カキコよろしくっ! YMD『先日、お姉様とHORの絡みの鑑賞見ましたが、めっちゃエモかった!!エモいというより、激激エモでした!!お姉様、HORのぶっとい気持ちをくわえこんで、マジで感じてたし、すげぇ、ハードでした!!(澪ほんへ)また、月ノ宮行った時にはよろしくお願いします!』 - 名無しさん (2022-10-04 18:01:56)
  • YMD寿司の地下では、捕まったNINちゃんたちが
泣きながらツナマヨおにぎりを作る仕事をさせられている。
NINちゃんたちの給料は1日1個のツナマヨおにぎりだけ。
YMD寿司のルージュリフレクターは、NINちゃんたちが逃げたりサボったりしないよう
いつも監視している。恐怖心を植え付けるため、時々無意味に
電気ショックとか毒っぽい闇のオーラとかを与えたりする。
NINちゃんのほとんどは子供で、「(まともな)お父さん、お母さんに会いたいよう」と
いつも泣いている。睡眠時間もほとんど与えられず、
逆らうとツナマヨおにぎりを減らされる。 
こうして人件費を大幅に抑えることで、YMD寿司は
安くて美味しいツナマヨおにぎりをみなさんに提供できるのです。 - 名無しさん (2022-10-02 07:09:00)
  • 『こころ、誕生日おめでとう』
    『おめでとう、こころちゃん!』
    『うん、ありがとう皆……』

    家に帰って来た私は、ベッドの上で今日あった出来事を思い出していていた。
    今日は、私の誕生日。色々な縁があって、私はそれをたくさんの人に祝ってもらった。

    『こころ? どうかしたの?』
    『え?』
    『なんだか、ぼうっとしているみたいだけど……』
    『そ、そうかな?』

    でも、私は何故か誕生日に集中できていなかった。
    詩帆ちゃんに指摘された通り、ずっと別のことを考えていたのである。

    『何か悩みでもあるの?』
    『ううん、そうじゃないんだ。ただ、大事なことを忘れているような気がして……』
    『大事なこと?』
    『うん、すごく大事だったはずなのに……全然、思い出せないんだ』

    私は、何かを忘れている。それは、きっととても大切ななことだったはずだ。
    それなのに、私は思い出せない。何を忘れているのか、それすらもまだわかっていない。

    「テレビでも、見ようかな……」

    それでも今日という日は、皆に祝ってもらえて楽しかった。
    そう思いたいから、私はテレビをつける。それで気が紛れるかもしれない。そう思って。

    「ニュース……」

    テレビに映ったのは、ニュースの映像だった。
    重苦しい雰囲気なので、恐らくは明るい話題ではないだろう。
    そう思って、私はチャンネルを変えようとした。しかし、何故か手が止まってしまう。

    『行方不明になってから、もう一か月以上になるそうです』
    「行方不明……」

    ニュースの内容が、耳に入って来る。
    どうやら、それは行方不明者に関するニュースらしい。私と同年代くらいの女の子が、一か月以上前にいなくなってしまったそうだ。

    『明るい人だったけど、皆の輪に入るタイプじゃなかったよね?』
    『確かに、教室の後ろで本とか読んでたかも』
    『でも、話しかけると楽しかったよし、私が困っている時には助けてくれたんだよね。多分、困っている人を見るとほっとけないタイプだったのかも……』

    テレビの中では、二人の女子高生が悲しそうな顔をしてその女の子のことを語っていた。
    それを見ると、なんだか心が苦しくなってくる。そして、頭が痛い。

    「……どうして?」

    私は、自分自身に問いかける。この胸の苦しみは、痛みは一体何なのかを。
    そうすると、答えが見えてくる。私の頭の中に一人の女の子が現れる。

    「……愛央ちゃん?」

    次の瞬間、私はその名前を口にしていた。
    誰の名前なのだろうか。一瞬、私は疑問を抱いた。
    だけど、答えはすぐに出てくる。ずっと忘れていた記憶が、私の中から溢れ出してきた。

    「愛央ちゃん、愛央ちゃん、愛央ちゃん……」

    どうして、忘れていたのだろう。こんなに大切な人のことを、どうして私は思い出せなかったのだろう。
    そんな想いが、私の目から涙を溢れさせる。
    必ず再会すると約束した。必ず再会できるとそう思っていた。
    でも、私は理解する。愛央ちゃんは、行ってしまったのだと。

    「そんな、それじゃあ愛央ちゃんは……」

    そんな残酷な運命があっていいはずはない。そう思いながらも、私は考えてしまう。
    愛央ちゃんは、私達が暮らしていた世界にはいなかった。だけど、この世界には確かにいて、そしていなくなっている。
    それだけ情報があれば、結論が出せた。愛央ちゃんが、どういう道筋を辿っているのか、理解できた。

    「愛央ちゃん……愛央ちゃん!」
    「……こころ?」
    「え?」

    大きく目を開いた私は、思わぬ返答に少し驚いていた。
    とりあえず落ち着いて、辺りの様子に意識を向けると、私を心配そうに覗き込んでいる愛央ちゃんの顔が見えてくる。

    「よかった。気がついたんだ」
    「気がついた?」
    「うなされてたみたいだから……」
    「うなされていた?」

    愛央ちゃんは、いつもと変わらないトーンで安心したように笑ってくれた。
    しかし、私は状況が理解できていない。どうして、愛央ちゃんが私の部屋にいるのだろう。

    「愛央ちゃん、どうしてここに?」
    「え? 覚えてないの? こころが泊まっていいって言ったのに?」
    「あ、あれ?」

    段々と意識がはっきりとしてきて、私は思い出す。
    そういえば、皆に誕生日を祝ってもらった後、愛央ちゃんを家に泊めることになったのだ。

    「そうだよね……でも、なんだかおかしいような……」
    「おかしい? もしかして、まだ寝ぼけてるの? うなされていたみたいだし、何か悪い夢でも見た?」
    「夢? あれ? 夢……?」

    愛央ちゃんに問いかけられて、私は困惑することになった。
    確かに、私は夢を見ていた気がする。でも、その内容は思い出せない。
    すごく悲しい夢だったはずだ。しかし、それしかわからない。どうやら、私は内容を既に完全に忘れてしまったようである。

    「覚えてないの? まあ、悪い夢だったなら、その方がいいかもね?」
    「そ、そうだよね……」

    愛央ちゃんの言う通り、悪い夢だったのだから内容を覚えていないのはむしろいいことなのかもしれない。
    ただ、悲しいだけではなく、とても大切な夢だったような気がする。とはいえ、忘れてしまった夢を思い出すことは難しい。これは、気にしない方がいいのだろうか。

    「あ、そうだ、こころ。もうすぐ今日が終わっちゃうし、もう一回言っておくね?」
    「え? 何を?」
    「お誕生日おめでとう。こうやって、こころの誕生日が祝えるのがすっごく幸せだよ」
    「……ありがとう、愛央ちゃん」

    愛央ちゃんの言葉に、私は笑顔でお礼を言う。
    お祝いの言葉は、既に受け取ったはずだ。それなのに、その言葉がなんだか胸に染み渡ってくる。
    愛央ちゃんに誕生日を祝ってもらえるのは、もしかしたらとても幸せなことなのかもしれない。私は、そんなことを思うのだった。 - 名無しさん (2022-09-24 23:20:48)
  • 最強雌精神リフレクトバトル 投稿者:愛のルージュ戦士 (7月8日(木)08時57分32秒) フラグメントの根元に指輪とか鎖で締め上げて最強まで巨大化した、自慢の絶望、毒親を見せつけ合って、どっちのトラウマが優れてるか勝負しようぜ!剣をぶつけ合い、一つのビームに二本フラグメントぶち込んで一本の巨大ビームにしたり、過去の見せ合いなんかもいいぜ。負けねえから。 あたし、154-A型-16 鍛えてる聴力、短髪、無戸籍娘。家出期間、毒親の暴力、ネグレクト自信あるぜ。剣技も過去も両方自信ある最強の雌からの勝負受けて立つぜ!精神デカトラウマ娘かかってこいや!!月ノ宮での勝負希望。 - 名無しさん (2022-09-24 21:03:37)
    • リフレクター同士タイマンしようぜ 投稿者:NIN (7月10日(土)19時27分13秒) 「我こそはリフレクター」っつーやつ、あたしとどっちがエグくて悍ましい過去か対決しようぜ。言っとくけど、あたしのがデカトラウマだぜ? バディとか聖イネスのやつと比べても一回も負けたことねー。この書き込み読んであたしにライバル感じる奴、リフレクター対決挑んでこいや!あと、女らしい奴同士の対決にしか興味ねーから 。固定化して欲しいみたいな書き込みには一切興味ない。あたしと雌のプライド賭けて張り合える奴だけ挑戦してこいや!154*A型*16 無戸籍毒親 - 名無しさん (2022-09-24 21:04:04)
      • 負けたら廃人化で 投稿者: ネクナンファイター (7月13日(火)18時10分56秒) 自分の過去に自信がある方からのみ挑戦を受ける。毒親、虐待歴、虐待方法、フラグメント暴走までの時間を、ルージュとしてのプライドをかけて闘わない? まあ、しょせんあなたの絶望じゃ勝てないでしょうけどね笑。負けたらフラグメント抜くとかの罰ゲームありで。雌の象徴であるフラグメントに自信があるやつ以外はフリスペしないでよ? あなたのプライドをズタズタにしてやるわ - 名無しさん (2022-09-24 21:04:30)
  • 『お姉ちゃん、誕生日おめでとう』
    『ありがとう、陽桜莉』

    お母さんがいなくなってから、私の誕生日というのは陽桜莉と二人で過ごす日となっていた。
    お母さんがいないことは寂しかったけれど、それでもその日は私にとってとても楽しい日だったことは変わらない。
    陽桜莉が笑顔で、私が生まれた日を祝ってくれる。それだけで私は幸せだったのだ。

    「あれ? お姉ちゃん、どうかしたの?」
    「……なんでもないわ。ただ、少し嬉しくなっていただけ」
    「それなら良かった。今日は、お姉ちゃんの誕生日パーティだもん。いっぱい楽しんでね」
    「ええ、そうさせてもらうわ」

    そんな日々とは打って変わって、私はたくさんの人に囲まれて誕生日を迎えることになっていた。
    雫世界でともに暮らしていた皆も、この月の宮で出会った皆も、私の誕生日を祝うために来てくれている。
    それがとても嬉しかった。陽桜莉の笑顔だけで充分すぎる程に幸せだと思っていたはずなのに。

    「……あら?」

    そんな中で、私の目は一人の少女を捉えた。
    儚い雰囲気を纏うその少女は、私の視線に気づいたのかそっと目をそらす。
    私は、自然と歩き始めていた。主役である私が何か言うのはよくないという可能性もある。ただ、それでも歩みを止めようとは思わなかった。

    「……浮かない顔をしているわね? 詩?」
    「美弦さん……」

    私が近づいても、詩は特に逃げたりはしなかった。
    それは、彼女も私と話したいと思ってくれているからなのだろうか。はたまた、逃げられない程に悩んでいるのだろうか。

    「……すみません。今日は美弦さんの誕生日なのに」
    「……謝る必要なんてないわ。それより、あなたの気持ちを聞かせてもらえないかしら? 私に話せないことなら、そうね……陽桜莉に相談すればいいと思うわ」

    とりあえず、私は詩から話を聞いてみることにした。
    愛央がいれば、きっと彼女はすぐにその悩みを吐き出すことができただろう。しかし、生憎まだ彼女は月の宮に到着していない。
    愛央が来るまで待つという選択肢は最初から頭の中にはなかった。友人が浮かない顔をしているのに何もしないなんて、それこそ愛央なら絶対に取らない選択だろう。

    「……私がここにいるのが、場違いなような気がしてしまって」
    「場違い……」
    「自分が何をしてきたのかは、わかっているつもりですから」

    詩の顔が、一瞬だけ少し強張った。
    今の詩は、自分がかつてしてきたことに苦しんでいる。それを過ちだと強く思っているから、今自分がここにいるのが間違っているとそう思い込んでいるのだろう。

    「詩……」
    「え?」

    私は、そっと詩の手を取った。
    彼女の苦しみを少しでも和らげたい。そう思ったからだ。
    同時に、それが私の答えでもあった。だが、それはきっと口に出さなければ伝わらないことだろう。何も言わずにわかってくれるなんて、そんなはずはないのだから。

    「詩、あなたが来てくれて私は嬉しいわ」
    「嬉しい? どうしてですか?」
    「どうしてと言われると、それは難しいわね……」

    詩の質問にどう答えるべきか、私は考える。
    友人だから、ともに過ごした仲間だから、それらの答えは間違ってはいないが、どこか足りない気がした。
    私の詩への想いを伝える言葉、一番わかりやすく伝えれる言葉。それを探している内に私は思い出す。それはもしかしたら詩にとっては残酷な答えかもしれないが、それでも私の想いを最も表しており、詩にもそのことがわかる言葉だった。

    「私にとって、あなたが"大切"だからかしら」
    「大切……」

    詩は少し驚いたような顔をしながら、私を見つめていた。
    その表情に一瞬影が差し、そして諦めたような笑みを浮かべる。

    「……お姉さんは、相変わらずですね?」

    詩の言葉に、今度は私が驚くことになった。
    彼女が私をそう呼んでいた頃が、随分と懐かしい。ただ、それでもきちんとわかる。今の彼女のその呼び方には、あの頃にはなかった温かさがあるということが。

    「そうかしら? これでも変わったつもりよ。こんな風に世話の焼ける妹に手を差し伸べられるくらいには……ね?」
    「……ふふっ、そうかもしれませんね」

    私の言葉に、詩は笑顔を見せてくれた。
    本当にあの頃とは違う明るい笑顔に、私は改めて理解する。これが彼女の本当の笑顔なのだと。

    「……ありがとうございます、美弦さん」
    「別に大したことはしていないわ」
    「ああ、それと……随分と遅くなってしまいましたが、お誕生日おめでとうございます」
    「ありがとう、詩」
    「……準備を手伝ってきます」
    「……ええ」

    それだけ言って、詩は私の前から去って行った。
    恐らく、もう大丈夫だろう。そう認識しながら、私はゆっくりとため息を吐く。

    「……ため息を吐くと、幸せが逃げちゃいますよ、お姉ちゃん?」
    「え?」
    「なんて、陽桜莉さんならきっとそう言います。せっかくの誕生日なのにとも」
    「……そうね」

    そんな私の隣に、いつの間にか紫乃が立っていた。
    少し驚いたが、紫乃が見ている方向で理解する。彼女も、詩のことを心配していたのだと。

    「……もっと早く手を伸ばせていれば、お姉ちゃんはそうは思いませんか?」
    「それは……」
    「誰かが詩ちゃんの手を取っていれば、もしかしたら違う未来があったかもしれません。そんな風に考えたりしませんか?」

    紫乃は、私に目を向けずにそう問いかけてきた。
    それはきっと、誰かを責めている訳ではない。彼女自身が後悔しているのだろう。紫乃も詩とは長い時間を過ごしていたから。

    「……そう思うことはないとは言えないわね」
    「……」
    「もしも、あなたもそう思っているなら……勇気を出してみてもいいのではないかしら? 例え手を伸ばすことが遅かったとしても、それは手を伸ばさない理由にはならないのだから」
    「……はい、そうですよね」

    私の言葉にゆっくりと頷いてから、紫乃の表情は少し変わった。
    きっと彼女は勇気が欲しかったのだろう。自らの過去と、そして詩と向き合う勇気が。

    「ありがとうございました、お姉ちゃん。それと、お誕生日おめでとうございます」
    「ええ、ありがとう、紫乃」

    笑顔を見せてくれた後、紫乃は詩の方へと駆けて行った。
    紫乃も詩も、もうあの頃とは違う。それならきっと、二人は手を取り合えるはずだ。

    「楽しい誕生日パーティになりそうね」

    お母さんと陽桜莉と三人で、陽桜莉と二人で、そんな誕生日も楽しかったけれど、今日という日は本当に素晴らしい誕生日になるだろう。私はそう思うのだった。 - 名無しさん (2022-09-20 20:18:21)
  • 「ほらほら!愛央ちゃんはこっちの飾りつけ!」
    「は、は~い…!」
    「詩帆ちゃん、瑠夏ちゃん!料理の方は?」
    「「もうちょっとかかりそう」です…!」
    「こころちゃん…?つまみ食いは駄目だよ…?」
    「う゛っ…分かってるのです……」

    半年という期間は、短いようで長いのかもしれない。目の前でハキハキと指示を出す陽桜莉を見てると、余計にそう思う。
    昔から自分のやれることを探す健気な子ではあったけど、今はそれに加えて他人を頼ったり作業を割り振ったり。
    とってもちゃんとした子になっちゃって……。
    もう私の心配なんて、全然必要なさそうで頼もしくあったけれど、それでもやっぱり少し寂しい。


    叔父さんが援助してくれるという話もあって、受験に前向きになれた今年の春、私は大学生になった。
    あの子が月ノ宮女子高等学校で新しい世界を経験したように、私も新しい世界を見てみたくなったから。
    最初は陽桜莉の生活費とか心配事が多くて、そのまま就活も考えていたのだけれど、『お姉ちゃんはそれでいいの?』とか、『もっと自分のやりたいことを話してよ!』ってあの子が言ってくれて、叔父さんまで巻き込んだ話し合いの末に私はそうすることを選んだ。
    陽桜莉だって一人になるのはつらいだろうに、それでも私を送り出そうとしてくれた。私も、妹離れするときが来たのかも……なんて思いながらね。

    初めての大学生活は今までとは全く違う体験で、自分の中の世界が広がっていくのが分かった。
    次から次へと未知の体験が押し寄せて、好きなことを学ぶ環境があんなにも整備されてて、自由に使える時間だって多い。
    私はとにかく勉学に励むことにした。でなければ、私を送り出してくれた陽桜莉や百に申し訳なく感じてしまうから。
    だけど、だからといって彼女たちのことを忘れたときなんて一瞬たりともなかった。
    だからちょくちょく通話したり、バイトの給料を学費に充てたり、陽桜莉が楽をできるようにあの子の口座に振り込んだりもした。

    前期の講義も終わっていざ夏休みになった時も、サークルの活動や研究があって忙しくて、なかなかタイミングがつかめないまま9月に。
    そのままこっちに残っててもよかったのだけど、ふとその時陽桜莉の顔が浮かんだ。
    多分それはこの月にあるあの子と二人きりでやることが多かった私の……
    ともかく、陽桜莉に会いたいという気持ちが抑えられなくなった私は、うまいことスケジュールを調整して、昨日月ノ宮に帰ってきた。

    駅から出た私の頬を、白露の風が撫でる。
    夏の明るさも暑さも徐々にやわらぎだした空気の中、出迎えてくれた陽桜莉の顔は凛としていて、その秋の儚さも宿したような表情にはもう幼さは感じなかった。

    通話でもしたような話をあの子としながら、懐かしい我が家へと帰る。久しぶりに見た部屋の中は半年前とほとんど変わっていなかった。
    それもそうだろう。
    だって、陽桜莉も偶に帰っては来ているようだけど、基本的には寮暮らしなのだから。
    ここだけはあの頃のままで、なんだか懐かしい。

    「今日の料理当番は私かしら?」
    「いいよいいよお姉ちゃん!私がやるって!」
    「その……」
    「帰ってきてお疲れでしょ~?私に任せて?」

    そういって出されたのはあの時と同じ、コンビニ弁当。

    「これは……料理なの?」
    「温めるだけでも料理だよっ!……ホントは、自分の手で作りたかったんだけど…まだまだお料理が下手で……」
    「ふふ…そういうとこは変わらないのね」
    「うぅ…次会うときはもっと上達してるから……」

    私の見てない所で、陽桜莉はどう変わってしまったのか、悪い方向に進んではいないだろうか、なんて心配は、目の前の陽桜莉を見ていると杞憂だったようで、少し安心する。
    お風呂を済ませた後、私たちは久しぶりに一緒の布団で就寝した。
    その時分かったことなのだけれど、変わらないように見えていた陽桜莉は子供の頃よりずっと大きく感じられて、その成長が何だか嬉しいような、寂しいような。

    そして今日、私は何だか騒がしい声をアラーム代わりに起床した。
    寝ぼけた目に入ってきたのは、かつて苦楽を共にした大切な人たち。
    雫世界のメンバーや月ノ宮での陽桜莉のお友達が何だか慌ただしく準備している。

    「ひ、陽桜莉?これは……」
    「お姉ちゃんにしつも~ん!今日は何の日でしょう!」
    「えぇっと……」
    「正解は~…」
    「…!もしかして!」
    「お姉ちゃんの誕生日、だよね?」
    「えぇ…」
    「だから、みんなにお祝いの準備してもらってるんだ!」

    そうだった、忙しさにかまけてすっかり忘れてしまっていたけれど、今日は確かにその日だった。

    「みんな、お姉ちゃんのことが大切だから、一緒にお祝いしたいねって集まってくれたんだぁ~」
    「そう…なの……」
    「うん!それじゃあ、みんなと一緒に作業してくるね!」

    それだけ告げると陽桜莉は友人たちの輪へ入って、いろいろと作業を手伝いに行っている。
    あそこが今の陽桜莉の新しい居場所なのだろう。
    あの子は、もう私がいなくても大丈夫なのかもしれない。
    ……私だけが後ろを向いて、家族離れできていないのかも、なんてね。


    ―――ー


    準備も終盤だろうか?あれだけ急いていた彼女たちの動きも緩慢になりつつある。
    そんな中、陽桜莉は都さんに少し耳打ちをした後、また私の所に戻ってきて、「ちょっとお出かけしようよ」と誘ってきた。
    陽桜莉からのお願いを断れるはずもない私は、二人でぶらぶらと外を歩く。
    秋の涼しさを受け少し冷えた右の手を、陽桜莉の左手は優しくつかんで、私たちはそのまま歩き出した。
    手のひらから伝わる熱は心地よくて、少し胸が躍ってしまう。

    あてもなく彷徨うのかと思いきや、陽桜莉はどうも行きたいところがあるらしく、緩やかな力に流されるままについていく。
    それにしてもこんなことをしたのはいつぶりだろう。
    そうだ、まだお母さんがいた頃だ。あの頃は、よく二人手を繋いで、私が引っ張って行ったり、あの子に引っ張られたり……懐かしい。

    感傷に浸ったまま連れてこられた場所は、また懐かしい所だった。
    私たちが昔よく遊んでいた公園。今はもう、人目を忘れてはしゃぐだなんて、できないのだけれど。
    人っ子一人いない寂れた公園のベンチに、二人して座る。

    「懐かしいね、ここ」
    「そうね…」
    「……お姉ちゃん、雰囲気変わったよね」
    「そう…かしら」
    「なんだろう……多分、お姉ちゃんのお団子?が無いからなのかな?」
    「それは…」
    「えへへ♪お母さんがいたときは、そんな髪型だったよね」

    確かに。あの髪型にしたのは、お母さんがいなくなってからだった。
    大学に入るとき、心機一転して変えたヘアスタイルは、奇しくもあの頃の髪型に似てたみたい。

    「それが何か、懐かしいのかなぁ。」
    「……あの時は、楽しかったわね」
    「うん……ねぇお姉ちゃん?」
    「どうしたの?」
    「大学生活は、楽しい?」

    どうしてそんなことを聞いてきたのかは分からないけれど、嘘偽りない気持ちを話すことにした。

    「えぇ…いろんなことを学べるし、新しいこともいっぱいで…っ!」
    「そっか…!」

    私の返答を聞いた陽桜莉の顔は、文字通り向日葵が咲いたように眩しくて

    「……お母さんがいなくなってから、ずっとお姉ちゃんは私のために頑張ってくれてたよね…」
    「それは…」
    「私ね、あの時ちょっと寂しかったんだ。いつも一緒にはしゃいでくれるお姉ちゃんが変わっちゃったみたいで」
    「……」
    「あっ!でも!私のことを支えてくれたことは嬉しかったよ!?ただ……」
    「……?」
    「私のことばっかりで、お姉ちゃんの『楽しい』はどこに行っちゃったのかなって考えるようになっちゃって……」
    「陽桜莉…」

    あぁ…私はまた間違えていたのだろうか……そんな私の心をあの子は

    「だから、嬉しいんだ!やっと、お姉ちゃん自身の『楽しい』が見つかったみたいで」
    「陽桜莉…!」
    「だって、お姉ちゃんのことが大切なんだもん」
    「…!」
    「私ね、それが聞きたくてこの公園まで来たんだ。まだ二人とも楽しい思い出があったこの公園に」

    本当にこの子は……どれだけ成長しても、私の心を照らしてくれる太陽でいてくれる。

    「あとね」
    「……?」
    「そんな大切なお姉ちゃんだから、みんなより先におめでとうって言いたくて、抜け出してきちゃった♪」
    「もう…陽桜莉ったら…」
    「お姉ちゃんは大切が多すぎるし、お姉ちゃんのことを大切に思ってる人も多すぎるからね…」

    いたずらっぽく笑う陽桜莉も、なんだか懐かしい。すこし照れくさそうにしたあと、あの子はすっ…と真剣な顔になった。
    暴れる情緒を顔の皮一枚の下に隠して、陽桜莉の方へ向き合う。
    あの子の瞳は、私を捉えて真っすぐ透き通っていた。

    「いつも私のことを支えてくれて、一人ずっと頑張ってたお姉ちゃん。お姉ちゃんのおかげで、今私、幸せだよ……」
    「……」
    「そんな優しくて大切なお姉ちゃんが産まれてきてくれたこの日が、私はとっても大好きで……」
    「…っ!」
    「……お誕生日おめでとう、お姉ちゃん…!」

    そのとびきりの笑顔に、とうとう私の涙腺は決壊して、堰を切ったように涙があふれ出す。
    思い切り強い力で陽桜莉のことを抱き寄せた。

    「お姉ちゃん……」
    「……っ!グスッ…!見ないで……ひおり…」
    「なんで?」
    「だって……こんなおめでたい日に泣くなんて……情けないじゃない…!」
    「ううん。涙を流すことは情けなくなんかないんだよ。」
    「…ずるいわ、陽桜莉……」
    「うん。だってお姉ちゃんの妹だもん」
    「…!…ホントに、ずるいわね…!」
    「えへへ……ねぇお姉ちゃん」
    「…なぁに?」
    「お姉ちゃんも、うれし涙が流せたの?」
    「…!えぇ…!」

    陽桜莉の熱を感じながらひとしきり涙を流した私は、少し落ち着いてくると猛烈に恥ずかしくなってきた。

    「ううぅ…」
    「ほ~ら!いくよ!百さんだって待ちくたびれてるよ!」
    「待って陽桜莉…」
    「これからもっともーっと色んな人から祝われちゃうんだから!」
    「それは…」
    「プレゼントだってたくさんあるよ!さあさあ!」

    あんなに素敵でおっきなプレゼントを貰ったというのに、どうやらまだまだ終わりではないらしい。
    この押し寄せる幸せに私は耐えきることができるのだろうか。
    ……今までの人生、間違ってばかりだったのかもしれない。
    けれど、こんなにも優しい人たちと、なにより陽桜莉と出会えた。
    だから、今まで生きてきたことだけは間違いじゃなかったと、そう思える。

    少し茜色の混じった帰り道。振り返った陽桜莉の顔はとても綺麗で眩しくて、きっとこれは、太陽のせい。

    「……お姉ちゃん」
    「どうしたの…?」
    「お姉ちゃんがお姉ちゃんでいてくれたように、私もずっとお姉ちゃんの妹だからね?」
    「……」
    「だからお姉ちゃんが辛かったり、寂しかったりしたらすぐに助けに行くよ!」
    「……そうね。その時はお願いね、陽桜莉」

    陽桜莉は一体、どれだけ素敵な贈り物をくれるつもりなのだろう。
    そうだ、いくら成長しても変わらないものはある。私はいつまでもあの子の姉で、あの子は私の妹で。
    私たちがいくら大人になっていってもそれは変わらない。
    その思いがあればきっと、寂しさなんて、ほら。 - 名無しさん (2022-09-20 00:03:40)
  • 「……あった」

    本屋に寄った私は、目当ての本を見つけて思わず声をあげてしまった。
    周りを見てみると、人はいない。そのことに、私は少し安心する。

    「……」

    とりあえず、私は目当ての本を手に取った。そこには、見知った二人の女の子の絵が描かれている。
    念のため巻数を見ておく。やはり間違いない。これは最新刊だ。

    「あの、お願いします」
    「え? あ、はい……」

    確認できたので、私はそれをレジに持って行った。すると、アルバイトらしき女の子の店員さんが、怪訝そうな目を向けてくる。
    その理由は、なんとなく理解していた。きっと、私が買おうとしている本の内容が内容だからだろう。

    「カバーは、どうしますか?」
    「……お願いします」
    「は、はい……」

    私が買った本は、「屍神の法則」というライトノベルである。
    愛央から勧められたこの本は面白い本ではあるのだが、同時に少々過激な本だ。具体的に言うと、性的な面に関して。



    ◇◇◇



    「はあ……」

    私は川を見ながらゆっくりとため息をついていた。
    先程までのやり取りを思い出すと、体が少し熱くなってくる。「屍神の法則」を買ったのはこれが初めてという訳ではないのだが、何度体験してもああいった視線は嫌なものだ。

    「やっぱり、私が買うのは変なのかしらね……」

    私は、「屍神の法則」の最新刊を少し開いてみる。
    すると、そこには少々露出度が多い絵が掲載されていた。
    確かに、そういった描写もあるのは事実ではある。だからといって、どうしてあそこまで怪訝な視線を向けられるのだろうか。

    「愛央の言っていた通りなのかしら?」

    以前、そのことを愛央に相談したことがある。その際、彼女に言われたのだ。「美弦さんは、こういうラノベとか買いそうにないから」と。
    よくわからないが、私はこういう本を買わない人間であると見た目でそう思われてしまっているらしい。それはなんというか、損な気がする。できることなら、あのような視線には受けたくない。

    「……よっ!」
    「きゃあっ!」

    そんな私は、突然肩を叩かれて思わず大きな声をあげてしまった。
    直後に気づいたのは、自分の手からライトノベルが落ちたことだ。下には川がある。このままではせっかく買った本が大変なことになってしまう。

    「あ、おっと……」
    「も、百?」
    「悪かったな、美弦。まさか、本なんて持っていると思っていなくてさ……」
    「き、気にしないで。それよりありがとう、本をキャッチしてくれて……」
    「いやいや、元々あたしが悪いんだし、お礼なんて言われる筋合いはないさ」

    そんな私の本を見事にキャッチした百は、私に申し訳なさそうな笑みを浮かべている。
    声をかけてきた人物がわかり、本も無事だったため、私は安心していた。しかし、直後に気づく。今がとてもまずい状況であるということに。

    「というか、やっぱり美弦も本とか読むんだな。あたしは、活字とかどうも苦手で……なっ!」

    私が止めるよりも早く、百は予想通り「屍神の法則」を開いてしまった。
    そして彼女は目にしただろう。煽情的な少女達の絵を。

    「なっ、なっ、なっ……」

    百の顔が真っ赤になっていく。
    どういう訳かはわからないが、百はそういった性的なものへの耐性がない。そんな彼女にとって、「屍神の法則」は少々刺激的過ぎたようだ。

    「美弦! なんてものを読んでいるんだ!」
    「百、これは別にやましいものではないのよ。前に話したことがあるでしょう? 愛央から教えてもらった「屍神の法則」という本で……」
    「何? 愛央も読んでいるのか? け、けしからん!」
    「けしからんって……」

    百がこんな風に動揺するのは、大変珍しい。いつも頼りになる彼女がこうもあたふたしているのを見ているのと、思わず笑みが零れてしまう。
    とはいえ、それは火に油を注ぐ行為だったかもしれない。恐らく百は今怒っている。ただ、羞恥心からかその勢いは非常に弱々しいのだが。

    「こ、こういうものは私達にはまだ早いだろう!」
    「えっと……一応、私に関しては年齢的にもう問題ないと思うのだけれど」
    「そ、それはそうかもしれないが、そういう問題ではないだろう!」
    「……それなら、どういう問題なのかしら?」
    「え?」

    そんな百が可愛く思えて、私に悪戯心が芽生えてしまった。
    少し百をからかってみよう。そう思いながら、私はゆっくりと口を開く。

    「その小説のどこが問題なのか、百の口からはっきりと聞かせてもらいたいものね」
    「は、はっきりとって?」
    「その少女達がどうして問題なのか、筋道を立てて一から十まで説明して欲しいのよ」
    「い、一から十までなんて……」
    「でも、そうしてもらわないとわからないわ。だって、法律的に私がそういったものを読むことは何も問題ないのだから、何が問題なのかは百の口から聞くしかないでしょう?」

    私の言葉に、百は耳まで真っ赤になっていた。
    よく見てみると、なんだか目の焦点も合っていないような気がする。どうやら、相当混乱しているようだ。

    「……あのね、百」
    「う、うわああああああ!」
    「も、百?」

    流石にやりすぎただろうか。そう思って、真剣な説明をしようとしていた私に本を突き返した後、駆けて行ってしまった。
    キャパシティが限界を越えた結果、百はこの場から逃げることを選んだらしい。
    普段の彼女なら、絶対に取らない選択である。それを取ってしまう程に、彼女の性的なものに対する耐性は低いようだ。

    「……次に会った時、なんと説明すればいいのかしら?」

    私は、少し反省していた。いくら百が可愛いからといって、からかいすぎるのはよくなかっただろう。
    とはいえ、百も百だ。なんというか、純情が過ぎるような気がする。それはそれで、なんとかするべきことかもしれない。 - 名無しさん (2022-09-16 21:20:13)
  • 私には分からない。どうしてこんなに虚しいのか。
    遠い昔にも思われたあの思い出が、心から離れない。

    今までの人生で、私はどうもほかの人と違うらしい、ということを知ったのはいつだったか。
    それはもう思い出せないけれど、とにかく、私は共感というものが全くできなかった。
    人々が当たり前のように行うそれを、私はいちいち何故、と思ったり、私の想いとは違う、と思ったり。
    表面を繕い、何も分からないまま周囲に合わせる私の人生は、空虚で、孤独でした。
    それでも心がおかしい私は、別段どうとも感じなかったんです。
    もしくは何にも感じないふりをして、傷つくのを恐れてたのか。……まぁそんなことはいいんです。

    そんな私ですが、ある季節が近づくとそうも言ってられません。夏です。
    この、青く澄んだ高い空が広がる季節だけは、どういうわけか胸の奥がざわつくんです。
    特にこの時期、よく咲いた向日葵なんかを見るとそのざわめきは留まるところを知りません。一体これは何なんでしょう。

    夏が来るたびに、この思いは波のように押し寄せて、そして引いていく。
    青い想いの波間に揺れる私は、一体どうしたら……

    分からない。
    だから夏になると私はひたすらに探究した。もしかしたらこの揺らめく思いが何なのか分かれば、その時私はヒトに戻れるのかもしれないと、希望を抱いて。
    自分の心が訴えかけてくるものに、近づいてみることにしたんです。

    たとえば、キャンプファイヤー。
    夏だっていうのに、みんな暑苦しいその炎を囲んで、笑いあって。やっぱり私にはそうする気持ちはわからなかったけれど、確かに、外的要因ではない温かさを胸に感じて、そしてその熱は消えていった。
    何かが、足りないような気がした。

    他にも、ぬいぐるみに抱き着いて見たり、向日葵の世話をしたりと、確かに心がざわつくことはあったんです。でも、何かが欠けていて、虚しくなっていった。
    結局何も分からないまま夏は終わり、心の中に感じる寂寞は変わることはなくて。
    ぼーっと眺めていたテレビには、チープなドラマが流れてました。
    砂浜で、きらめく夕日に照らされた海をバックに、男女が仲睦まじく寄り添って、まさにいかにもといった感じの内容で、特段目を引く要素があったわけでもないのに、なぜか私はその映像から目を離すことができなかった。

    そうだ……何かあった気がする。
    約束だろうか?そんなものをした覚えはないし、する人もいない。でも、なぜかいかなければいけない気がする。
    胸が大きくざわめいて、いてもたってもいられなくなった私はひたすらに海を目指し始めた。
    私をここまで突き動かす何かがきっとあると確信して。


    ――――


    ガタンッガタンッ、と電車に揺られながら移ろいゆく景色を眺める。
    もう日が沈み切った街には明かりが灯り、往来する人も車もあまり見当たらない。
    こんな時間に飛び出したから、お母さんから電話が何回もかかってきていた。
    大量の不在着信を無視して、ただフリスペで一言『朝には帰ります』とだけいれてケータイの電源を切った。

    そのうち、見える景色からは街の明かりすらまばらになって、月明かりに照らされた水平線が見えるようになってきた。
    あぁ…ようやく、この衝動の意味を知れるのだろう。
    電車のドアが開いて、ホームに降り立つ。

    あれだけ暑く明るかった夏と違って、秋の風は冷たく、辺りは暗い。
    潮風に導かれて、海へ到達した。
    夜の海には人ひとりいなくて、文字通り私が独占しているようなものだった。
    それが何だか妙に寂しい。私一人の熱では、夏の終わりの…この夜の海は少し、寒すぎる。

    ざざっ…と静かに押し寄せる波の音を聞きながら、あの大きな月が海に落とした影に、私は抗うことができず吸い寄せられていく。
    下を見ても黒くて不透明な海が移るばかりで、私は空を見上げた。
    すると、とても大きな満月と、それに負けないくらいに輝く幾多の星々が私を照らしてくれていた。
    普通、こういうときであれば一番存在感のある月に視線が行くのだろう。だけど私は、その周りにある星々の方に目がいってしまう。
    なぜだろう。星、輝かしい星。輝かしい思い出の星。そうだ…確か……!


    ――――


    私にもやっと分かった。どうしてこんなに悲しいのか。
    星崎さんとの思い出が、心から離れない。
    どうして、忘れていたんだろう。夏の空みたいに青くて、輝いていた星崎さんとの出来事。
    星の数ほどもある、あのキラキラした思い出を。

    なんで、思い出してしまったんだろう。二人きりで海を見に行こうって言った、あの約束。
    今隣に、星崎さんはいないというのに。

    「ぁ…はは……あは…あはは……!」

    忘れてはいけないことだった。でも、こんなことなら思い出したくはなかった。
    私のことを、その熱で溶かして、人らしい感情を与えてくれた星崎さん。その人が隣にいないのだから。
    あの人は、私の心に青く澄んだ思い出を刻みつけて、そして消えてしまっていた。
    あぁ…知らなければ、こんな悲しみに、吞まれることもなかったというのに。

    悲哀に囚われた私は、その星に心を奪われて。
    海の深さは目に入らず、上を仰ぎみるばかり。

    「ぁ…」

    恋が破れた人魚の姫は、泡になって消えてしまったという。きっと、今私が感じているこんな感覚なのだろうか。
    足に力が入らない。まるで泡になっていくみたいに。無くなってしまったように。
    そのまま引いていく波に抗うことができず、私は海の中へ還っていった。
    この暗く冷たい海の中、水面に輝く星に手を伸ばす。けれどその手は何も掴むことはなく、指の間を水が通り抜けていく。
    そのうち、小さく輝いていた星々すらも見えなくなって、海の底へと近づいていくのが分かった。

    でも、もうこのまま泡となって消えてしまうのもいいのだろう。だって、もう夏は、あの素晴らしい日々は過ぎ去ってしまったのだから。

    星崎さんとの思い出が、泡となって消えていく。夏の温かさとともに消えていく。
    私も消えよう、あの夏とともに。輝かしい思い出とともに。

    あぁ……夏が終わる。
    私が、終わる。
    - 名無しさん (2022-09-15 19:20:16)
  • 「あぁ…今日は暑かった。とにかく冷房を…」

    季節は秋めいているというのに、今日はまるで夏に戻ったかの様な暑さだ。外出して帰ってきたら、全身が汗だくで気持ち悪い。
    とにかく冷房をかけて、熱くなった身体を冷やそう。
    お風呂にはまだ入れないし。

    冷房が効き始め、涼しくなった部屋であたしは詩集を読み始める。何度読んでも飽きないものだ。
    しばらく読んでいると…

    ピョコッ

    と部屋の壁に空けられた穴から、陽桜莉のチンポが伸びてくる。
    最近は見慣れた光景になってしまって、特に驚きもしない。
    陽桜莉が最近ハマっている性欲処理の方法だ。あたしの口でやってもらうのが好きらしい。

    ふと考える。
    あたしが咥えなかったらどうなるんだろう?
    芽生えた悪戯心に従い、陽桜莉のチンポに触れもせず、咥えもしない。

    時折陽桜莉のちんぽが存在を主張する様にピクピクと揺れる。

    詩集を読むのに戻り、数ページ読み進めた頃にあたしのスマホが震え、電話の着信を伝える。陽桜莉からだ…

    『なんだ?陽桜莉』
    『仁菜ちゃん!?なんでチンポ咥えてくれないの!?』
    『テメェ毎回ムラムラする度にあたしの身体使って性欲処理するだろうが!たまには自分だけで処理しろ!』
    『えぇ〜!?!?仁菜ちゃんで射精したいよ〜!!』
    『うるせぇ!今日は絶対してやらねぇからな!』
    『む〜っ!仁菜ちゃんのケチ!……あっそうだ!』

    陽桜莉がなにか良からぬ事を思いついたみたいだが、あたしは何もしてやるつもりは無い。

    「陽桜莉?いきなり部屋に来てって…どうしたの?」

    !!

    隣の部屋から聞こえるお姉様の声。壁に空いた穴のおかげで聞こえやすい。2人の会話に聞き耳を立てる。

    「お姉ちゃん!ねぇねぇ、この穴にチンポ突っ込むと気持ちよくなれるんだよ?お姉ちゃんもやってみよ?」
    「なんで陽桜莉の部屋の壁に穴が…まさか山田さんが空けたの?それなら後でモモに叱ってもらわないと…」
    「まぁまぁ!ホラ、お姉ちゃんもチンポ突っ込んでみてよ♪」

    壁に穴が空き、その穴からもう一本チンポが生えてくる。そしてスマホに届く、陽桜莉からのメッセージ。

    『どっちかがお姉ちゃんのチンポだから、当ててみてね、仁菜ちゃん♪』

    ……へぇ。つまりお姉様のチンポを咥えられるって事か。陽桜莉のチンポなんて、見慣れてしまっている。お姉さまと間違えようが無い…!

    そう思っていたあたしは浅はかだった。
    なんと穴から生えているチンポは、どちらも同じ見た目だったのだ。瓜二つ…いやチンポ二つといったところか。

    しかし、陽桜莉のチンポは一本なのだから、どちらかがお姉様のちんぽに決まっているのだ。
    …おもしろい。乗ってやろうじゃねぇか。
    形は全く同じなので、匂いと味で判断してみる。

    スンスン…ペロッ…

    「んっ…!♡」

    今咥えた時に漏れた声…そしてこの味、この形は、間違いなく陽桜莉のチンポだ!確信した!
    それならば、もう一つはお姉様ので間違いない!
    陽桜莉のチンポから口を離し、もう片方のチンポをよく確かめもせず、勢いよく口に含む。

    ズルルル!…っとたっぷりと唾液を絡め、愛情を持ってお姉様のチンポにご奉仕をする。
    口の中でお姉様のチンポがビクビクと震え、跳ねる。
    あたしの口でお姉さまが気持ちよくなってくれている。その事実にあたしも身体が熱くなり、気がつけば手は自然と股間を弄っていた。既にグチョグチョに濡れ、するりと指が奥まで入る。手を激しく動かし、室内に淫らな水音を響かせるあたし。
    咥えたチンポから漏れた先走り汁も丁寧に舐め取り、身体に受け入れる。

    お姉様のチンポ……美味しい…♡

    悔しいが陽桜莉に仕込まれたテクのおかげで、すぐに口内のモノは精を吐き出した。
    ビクビクと脈打つチンポを舌で優しく撫でながら、吐き出されるお姉様の粘ついた液体を飲み込んでいく。
    しかし陽桜莉の精液とよく似ているな。味も粘っこさも、陽桜莉のと同じだ。

    射精が終わった頃を見計らい、口からチンポを離す。口内に残ったものを飲み込み、再びチンポに口づけ、お姉様のチンポをお掃除フェラ。愛しさを込め、丁寧に…

    「ふぁぁぁ♡気持ちよかったよ〜仁菜ちゃん!」
    「なっ!?陽桜莉だと!?バカな…このチンポ…陽桜莉のなのか!?」
    「というかどっちも私のなんだけどね〜♪お姉ちゃんはここには居ないよ」
    「はぁ!?じゃあ、さっきのお姉様の声は…!」
    「お姉ちゃんそっくりの声を出していただけだよ〜!えへへ〜上手でしょ?♡」
    「なっ…バカな…!というか何でチンポが2本あるんだよ!?」
    「それは内緒♡『想いのチカラ』とだけ言っておこうかな」
    「なんだよそれ…!クソ!…おい陽桜莉、あたしを弄んだんだ。相応の覚悟は出来てるだろうな?覚悟しやがれよ」
    「ふふふ…捕まえてごらんよ?逆に捕まえて今度は仁菜ちゃんの穴を使わせてもらうから♡」
    「良い度胸じゃねぇか。すぐに泣いて謝らせてやるよ…!」


    「ひ…陽桜莉ぃ…!もうやめへぇぇ♡お゛っ!?奥゛ぅ゛…た゛め゛ぇ゛♡♡♡許して゛ぇぇ!!」
    「あは♡仁菜ちゃん弱〜い♡泣いて謝るのは仁菜ちゃんだったね!うっ♡今日も種付けするからね♡」 - ひおにな (2022-09-15 16:43:08)
  • 何とか疑われなくてよかった。ふふ、こうなったのは、全部私のせいなんだ♪
    転ばぬ先の杖ってね。でもきららには私との道へと転がってもらうよ♡
    はやく…見たいなぁ。私のものになったきらら。


    きららはかわいかった。私にはない、その小さな体の愛くるしさも、締まった体の美しさも、聞くと蕩けてしまいそうな声も全部全部輝いてた。
    きららのためだから、私はあんなに恥ずかしい話でも暴露することができた。
    多分、最初に見たときからなんだろう。きららのことを特別だと思ったのは。
    でもきららはいつも飄々としていて、誰かが特別になれるような雰囲気でもなかった。
    いつも一人孤高のきららは私にとって高嶺に咲く一輪の花。
    この特別を自分のものにしたい私は、それでもいい案が浮かばなくてうんうん唸っていると、その姿を陽桜莉さんに見られてしまった。

    「ど、どうしたの愛央ちゃん?苦しいの?」
    「あっ陽桜莉さん…う~ん、苦しいといえば、そうなのかも?」
    「えぇ~!ど、どうしよう……」
    「まぁそこまで大したことじゃないんだけど……」
    「こんなとき…共鳴が使えたらなぁ…」
    「え?なにそれ…?」
    「え~っとね……」

    陽桜莉さんによると、リフレクター同士で想いを共有しあう方法があるとのこと。
    ……これは使えるかもしれない。ひとまず、それができないことには話にならないので、いろいろと試行錯誤してみる。

    「むむむ~……」
    「がんばれ!愛央ちゃん!」
    「ほっ!」
    「…!おぉぉ!」
    「私が何考えてるか、分かった?陽桜莉さん?」
    「うん……お昼寝したい、だね?」
    「陽桜莉さん……正解!」
    「やったぁ~!」

    比較的すぐに、それは達成できた。とはいっても、聞いた話みたいに映像付きの想いが流れ込んでくるわけじゃなく、あくまでテレパシーみたいなことができるだけだった。
    そういえば、きららも声が聞こえる時はそんな感じだって言ってたし、案外うまくいくのかもしれない。
    早速試しに行く。きららは学校魔改造計画で建てた神社の前で、何かお祈りをしていた。
    気づかれないようそっと神社の裏に回って、共鳴を開始した。

    ――様…どうしたら……

    きららの心の声が聞こえてくる。でも何だかノイズ混じりだ。
    もっと集中して、きららの想いを聞く。

    『愛央と仲良くなりたい。お願いします神様…どうしたら……』
    『きらら、愛央の特別になりたい』

    なんてことだろう、まさかきららの方も私を求めていただなんて。
    この伸ばされた手を放すわけにはいかない。

    神様のお告げを装って、きららを誘導できないだろうか……

    ――奇跡が起きた。

    私の共鳴による怪しげなお告げは、きららに疑われることはなかった。
    きららは喜んでいる。みんなの役に立てることが、私の役に立てることが嬉しいみたい。
    そんな力がなくたって、きららは私の役に立ってるっていうのに。
    それに、みんなのために頑張るというのは、それだけ私との時間が減ってしまいそうで少しもやっとした。

    とりあえずきららには、ココロトープへ私を誘うといい旨のことを伝えておいた。
    きららがもし自分から誘って来たら、いっぱいいっぱい愛してあげよう。
    でももし来なかったら……私はきららのことをどうしちゃうか分からなかった。

    結果的にそれは杞憂だった。彼女は、拍子抜けするほどすぐに私とお出かけしたいと言ってきたのだから。
    私のために勇気を振り絞ってくれている。それが、どうしようもなく嬉しかった。
    少し小道具を用意して、きららのココロトープへ向かう。

    きららのココロトープは夕焼けのお祭りが広がっていて、二人一緒に歩く私たちは間違いなくこの世界の中心なんだって感じられる。

    きららとのたわいない会話もドラマのワンシーンみたいで、そんな私たちに嫉妬したのか脇役の魔物たちが襲い掛かってきた。
    どさくさに紛れてきららを抱きしめながら飛びのく。……私の胸の高鳴り、気づかれてないといいんだけど。
    実はきららのココロトープをデート場所にしたのには理由がある。まず第一にきららの大事な場所だからっていうのもあるんだけど

    「よっ…ほっ!」
    「愛央…凄い……!」

    こんな風に、敵が弱いから私一人でも大立ち回りができる。
    かっこいい所見せたかったんだよね。それに、弱いとは言っても

    「きららっ!」
    「ふぇ…?」

    う゛っ…!痛っ…たぁ…!そう…私に傷をつけるくらいのことは出来るから。
    それにしても、脇腹を刺されただけでもこんなに痛いんだね……
    用済みになった魔物を、八つ当たりのように倒してきららの方へ倒れこむ。

    「愛央…!しっかりするのだ…!愛央…!」
    「ぁはは…ドジっちゃった……駄目だなぁ…私……」

    私から赤い液体が流れ続けるのを見て、きららは錯乱していた。この分ではどうやら気づかれることはなさそうだ。
    貫通して刺されたとはいえ脇腹だ。こんなに血がドクドク流れ出るわけがない。そう、私は細工していた。
    工作で作った謎味ジュースを中身だけ抜いて、袋の容器に詰めて懐に忍ばせていた。

    ふふ…♪これで、きららは私を失うことを恐れて、積極的になってくれるはず…♪
    おっ…!私をおぶって、学校まで向かう気なんだ…♡きららの方がちっちゃいのに。
    あぁ……どうしてきららはこんなにも健気なんだろう。この雫世界で、どれだけ私の心を乱せば気が済むんだろう。
    そうこうしてるうちに学校が見えてきた。どうしよう……小道具が見つかるわけには行けない。
    するときららは私を置いて一人学校に助けを求めに行った。これはきっと、神様が用意してくれたチャンスなんだ。
    雫世界の海に小道具を放り投げ、さっきと同じ体制で寝転がる。正直刺されているのは本当だから体がちょっときつかった。
    しばらくしたら血相を変えた詩帆さんがやってきた。

    「あぁ…!そんな!星崎さん……!」

    私はすぐに着替えさせられ、詩帆さんがつきっきりで治療してくれた。
    比較的軽傷だったことと、もともとのリフレクターとしての高い回復力も合わさって、きららより早く目を覚ますことに成功する。

    「よかったです……あんなに血まみれでどうしようかと……」
    「いやぁ~……それで、詩帆さん」
    「はい、なんでしょう?」
    「……きららは絶対自分を責めると思うから、傍にいてあげて欲しいんだ」
    「それは……はい、わかりました」

    きららにはもっと私の方を向いて欲しいけど、だからといって壊れちゃったらいけないから。……でも、ギリギリまでは追い詰めないとね!
    寝てるきららに、またも私は共鳴を使って呼びかける。

    『ごめんきらら……もう、駄目かも』
    『そんな……』
    『これも全部……きららのせいだよ……』
    『ぅぁあ、ああ……』
    『きららが、私を殺したんだよ』


    「うわぁっ!」

    どうやら、きららも悪夢で目が覚めちゃったみたい。まぁその悪夢は私のせいなんだけど。
    詩帆さんが戻ってきて、いろいろ話している。
    ……仕方ないことだけど、やっぱりきららがほかの人と話すのはちょっと嫌だ。
    気まずいような、歯がゆいような思いをしているとカーテンの仕切りが開かれて、あっけにとられたきららの顔が目に入る。
    詩帆さんが出ていき、私たち二人だけの部屋で見つめあう。

    私はきららにお礼を言った。するときららは私に抱き着いてきて、ついに心のうちを曝け出してくれた。私はそれが嬉しくて嬉しくて、ついついお腹に抱き着いてる彼女の頭を撫でまわす。

    あぁ……よかった。私の出した手を、きららはとってくれた。
    これできららは私の特別だし、私はきららの特別だ。なんて、いい気分なんだろう!

    「えへへ…!ねえ?」
    「なんだ…?愛央…?」
    「お願いごと、叶ったね♪きらら♡」


    「……ぇ?」

    ねっ?神様の言う通り、でしょ?
    - 名無しさん (2022-09-14 20:10:56)
  • 「AがYUKでBがMOさんCがSHさんで……」 「えっ、も、もう回答しちゃうんですか?オマ○コで確かめなくて大丈夫ですか?」 「多分合ってるし、これでいいや、どうSHさん?結構正解できてるでしょ?」 (目隠ししてるのにチ○コ咥えただけで全問正解とか、どんだけビッチなんだよこのアマ……これはお仕置きが必要ですね……!) 「……全問不正解です」「へっ!?KKRのギガマラとか間違えるはず「全問不正解なので罰ゲームです」」 「罰は正解できなかったメンバー全員による輪姦です。オマ○コで確かめなくていいなんて生意気言ったのでオマ○コを重点的に犯します。」 「ちょっと待ってSHさん許して!」「許すかどうかはこれが決めることなので」 AOに咥えられたことにより、雫世界全員のレズ棒はいつも以上にいきり立っている。 その上、オマ○コのお預けを喰らったとあれば許されるはずがない。 ~24時間後~ 「HSZKさーん、生きてますか~?」 体育館の上に転がるのは散々犯された後にそのままやり捨てされたAOの体。 「生きてたら水分補給してくださいね~?」 開きっぱなしのAOの口に注ぎ込まれるSH特製ドリンク(意味深)。 「カハッ!ゴホッ!……ヴォエ!」 「良かった、生きてたんですね!全問不正解じゃHSZKさんも納得いかないと思ってリベンジマッチを持ってきたんです」 「も、もう謝るから許して……」「謝るとか許すとかそういうことじゃないんですよ?おめえはもうこっから出れねえんだよ!(雫世界)」 「ただ、追試なので前回より少し難しくしてあります。」 「目隠しするのは同じですが、今回は対象の精液を全部飲み終えてからじゃないと回答権がありません」 「そ、そんなのKKRいるから全問正解は無理じゃ……」 「内容自体は難しいですが、正答数は赤点回避ってことで3問でいいですよ」 「それならなんとか……」 SHの合図により運び込まれる学校机。これにAOが腹だけで乗っかる体制を取る。 低身長の参加者が届くようにするのと、精液(主にKKRの)でAOが窒息してしまわないようにという処置だ。 「では1本目!どうぞ!」無言で近づいていくRN。 その股間は直前までYUKにしゃぶらせていたのと、手で扱いているのとで既に暴発寸前だ。 「出す直前にチン○ビンタで合図してくださいね、HSZKさんはその合図で口を開いてください」 すかさずチン○ビンタするRN。「ん、この弱々しい粗チンは…?」口を開くAO。 けして多くはない量の精液がAOの口内に広がる。 「この粗チンとこの水みたいな極薄精液……RNさんで間違いない!」 「おっと!HSZK選手自信あり!なお、間違っていた場合、ケツ叩きグローブで思いっきりHSZKさんの尻が叩かれます!」 「えっ、そんなの聞いてな(スパーン!)」静かな体育館に快音が響き渡る。 「マ゚ッ!」突然の痛みに失禁するAO。「おおっと!1本目から不正解でAO選手が失禁!これは波乱の幕開けですね!」 「こんなのおかしいって!あの粗チン真性包茎に水を薄めたみたいな無精子症精液!絶対RNさんだって!」 無言で戻ってくるRN。(スパーン!スパーン!スパーン!スパーン!スパーン!……) ~1時間後~ 満遍なく赤く腫れ上がった尻、AOは未だに正解できていなかった。 ケツを叩かなかった参加者もいたが、代わりにSHが叩いて不正解にしているためだ。 (また実質全問正解かよこのクソビッチ……思い知らせてやらねえとな?) 「HSZKさん、誠に残念なのですが、次の方が最後の参加者です……」 「そんな……1回も正解できてないのに……」 「大丈夫です!最後の問題だけ10点にしますので!これを正解すれば罰ゲーム回避ですよ!」 「でも、今までの参加者からすると最後ってKKRじゃ……」(ベチーン!) 突然ボクサーにフックで殴られたように横を向くAOの顔。 「ちょっと、何やってるんですかKK……参加者さん!」 「えっ?出す前にチ○コビンタしろって言われたのです…?」「ああああ、喋っちゃだめですよ!」 「そっとでいいんですよ!ただの合図なんですから!」「分かったのです。」「喋らないで!」 (ベチーン!)「ん?反応が無いのです……?」(ベチーン!)「たぶん脳震盪起こしてるのです。」(ベチーン!) (AOが起きるまでの間に口枷を付けられるKKR) 「え~気を取り直しまして、最終本目、開始!」 (ラストは多分KKR……でもKKRの3リットル精液を飲み干さなきゃ回答権が無い!) KKRの一段回目の射精、水道の蛇口を全開にしたような勢いの薄めの精液(それでも一般成人男性より濃い)が1リットル射精される。 口を全開にし、喉も出来る限り広げることで、無理矢理嚥下していくAO。 24時間放置され、胃の中に精液しか入ってなかったおかげで意外にもこれを飲み干した。 KKRの二段回目の射精、もはや半固形状の精液を少しずつ、しかし着実に1.5リットル注ぎこんでいく。 (ズゾゾゾゾ!ズゾッ!)まるで蕎麦を啜るような音を出すAO。 半固形であるが、噛む時間的余裕が無いため麺類のように飲み込んでいく。 (流れが止まった……もうこれで、終わり?)「ん……」 KKRの三段回目の射精、膣封鎖用の木工用ボンドのような精液が500mlペットボトルと同じだけ注がれていく。 (量は大したことないけど、飲み込み辛い……!) さらに元々ガバガバになった膣すら封鎖する精液、飲み込んでいくうちにAOの喉も少しずつ塞いでいく。 (苦しい……でもここでやめたら今までの苦労が……!)飲み込み切れず頬を膨らませ、限界ギリギリになった所で、止まった。 「よく頑張りましたねHSZKさん……感動しました。ゆっくりでいいので飲み干して、正解を言ってください。」聖母のような微笑みのSH。 口の中のものを少しずつ飲み干していくAO。しかし喉にこびり付いた接着剤のような精液のせいですぐには喋れない。 「コォ~……ゴッ……ゴホッゴホッ!」「ゆっくでいいんですよHSZKさん」慈愛に満ちた笑みのSH。 (思いっきり射精したらおしっこもしたくなったのです)(ジョボボボボボボボ……)「!?」 半勃起したKKRの竿からほぼ射精の勢いで発射されていくKKRの小便。 (気管に入っ!?)「ゴホッ!オェエエエ!ンブッ!ゴボオオ!」 小便で咽たことが起点となり吐き出されていく胃の中の精液。 精液しか入ってなかったことで、まるで口から射精しているかのように吹き出していく。 「あ~……答える前に吐き出しちゃいましたね。残念ですがこれは不正解ということで……」 あまりのショックに白目を剥いて気絶するAO。 ~後日談~ 「HSZKさん♪今日の分の排卵誘発剤は飲みましたか?」 「うん、ちゃんと飲んだよ。じゃあ目隠しするね?」 「ちゃんと腹の中の父親が誰か当てられるまで全員で孕ませまくってやるからなHSZK♪」 その後、AOはKKRの子供11人(三つ子四つ子含む)、SHの子供3人、HOR・HNKの子供2人ずつ、 MO・KRR・UTの子供1人ずつを産み、父親を当てることは一度も無かった。 ~HAPPY END~ - 名無しさん (2022-09-13 21:33:15)
  • 思えば疑うべきだったんだろう。こんなことになったのは間違いなくきららの責任だ。
    後悔先に立たず。だが今はただひたすらに先を目指す。
    どうか…!無事でいて…!愛央…!


    愛央は人気者だ。きららと違って。
    いつでもみんなの中心にいて、キラキラ輝いてる。きららだって、愛央のことは大好きだ。
    でも愛央にとっては、きららは多くの友達の中の一人でしかないんだろう。
    きららのことを友達だと思ってくれている……それだけで十分なはずなのに、欲張りな私はもっと求めてしまう。

    きららにとって特別な人が愛央であるように、愛央の特別にきららを選んでほしかった。
    でも……愛央の周りには特別かわいい子や綺麗な子、よりどりみどりで、きっときららなんて選ばれるはずがなかった。

    どうしようもない。きららじゃダメなんだって、陰鬱な気持ちのまま。
    こんな時神様なら何て言ってくれるのだろうかって…みょんみょんときらら電波を飛ばして聞いてみることにした。
    きっと、この世界にいる限り、聞こえるはずのない神様の声をなんとなく待ちわびる。

    愛央と仲良くなりたい。お願いします神様…どうしたら……

    ――奇跡が起きた。

    頭の中に入ってくる情報。間違いない、これは元の世界で聞いていた声だった。
    なぜこのタイミングで聞こえてきたのか、とか怪しくは思っていたけど、そんな思いは喜びにかき消されてしまった。
    だって、神の声が聞こえるなら、もっとみんなの役に立てる…!戦えないきららでも、出来ることがあるから…!
    そしたら、もしかしたら愛央が頼ってくれて、特別になれると思ったから…!

    しかも嬉しいことに、神の声はきららに、愛央と仲良くなる方法を教えてくれた。
    きららは舞い上がって、喜んで声に従いはじめた。

    それがこんなに大きな過ちだったなんて。


    声によると、きららのココロトープに愛央と二人きりで行くとよいらしいので、さっそく勇気を出して愛央を誘った。

    「…!あっ…愛央…ちょっと…いいか……?」
    「ん?どうしたのきらら…?」
    「その……きららと一緒にココロトープへ行ってほしい」
    「いいけど…何かあったの?」
    「それは……神のお告げだ。どうも行った方がいいらしい。」
    「そっか!じゃあすぐ行かないとね!」

    愛央は拍子抜けするほど快く、きららの提案を受け入れてくれた。
    いつもいつもみんなからのお願いを聞いているのに、きららのために時間を割いてくれている。それが、どうしようもなく嬉しかった。

    きららのココロトープは夕焼けのお祭りが広がっている。愛央と一緒にそこを歩くと、なんだか自分たちが主役になったみたいだ。

    「やっぱりいいね~!近所にはこういうことを開く場所がなくってさ!」
    「ある意味、田舎の風物詩…?」
    「なんか、JK二人でこういうとこ歩くのってエモくない!?」
    「うむ……エモい…!」

    愛央とのたわいない会話も、それだけで嬉しかった。だけどそんなきららたちに魔の手は忍び寄っていた。

    「…っ!危ない!きらら」
    「…?」

    愛央に抱き抱えられてその場から飛びのく。さっきまできららたちがいた所が爆発していた。よく見ると魔物が集まってきている。
    このドキドキは愛央のせいか、魔物のせいか分からない。
    そんなきららに、愛央は

    「ちょっと待っててね…!すぐ倒すから!」

    そこからは、圧巻だった。前に見たときよりももっと愛央は華麗に鎌を捌き、あれだけいた魔物たちをすぐ蹴散らしてしまった。

    「ふぅ…お待たせ!それじゃデート、再開しよっか!」
    「なっ…!愛央!?」

    こうやって、軽口をたたく余裕だってある。……本当に愛央はすごい。
    きららなんかが、釣り合うのだろうか……そんなことを考えていたからだろう。
    背後から迫る魔物の魔の手に気づかなかったのは。

    「きららっ!」
    「ふぇ…?」

    あの愛央に突き飛ばされて、最初は訳が分からなかった。きららのことを嫌いになったのかと思った。
    でも、次の瞬間目に入ってきたのは、ロボットみたいな魔物の手?が、愛央のお腹を貫通してる姿だった。

    「…?うそ…愛央…?」
    「くっ……!うあぁ!」
    愛央は最後の力を振り絞ってその魔物の首を刎ねた。腕がお腹からずるりと抜け、そこから血がドクドクと溢れ出すと、愛央はそのまま倒れる。

    「愛央…!しっかりするのだ…!愛央…!」
    「ぁはは…ドジっちゃった……駄目だなぁ…私……」
    「…っ!違う゛!きららが……!きら゛ら゛がもっと気を付けてれば……」
    「倒しきれてっなか゛った私のせいだよ……きららは悪くないんだよ……」

    お腹からの血は止むことなくどんどんと流れ続ける。それと比例するように愛央から感じる体温が冷たくなってゆく。
    ……嫌だ…!愛央が死んじゃうなんて、いやだ!
    きららは、背中が血にまみれることもいとわず、愛央を背負って学校まで戻ることにした。
    もともと小柄なきららでは、少し進んでは体力が切れてしまう。それでも、ひたすらに学校を目指す。

    あぁ……どうしてきららはこんなにも無力なのだろう。この雫世界で、きららは一体何のためにいて、一体何ができたというのだろう。
    後悔から、心の中での自問自答は続く
    もし……急に聞こえてきた神の声を疑えていたら、こんなことにはならなかったのに……
    きららは馬鹿だ…大馬鹿だ……だから、そんなきららのために、愛央には死んでほしくない……。


    息も絶え絶えになりながら、ようやく学校につく。ココロトープでアレコレしているうちに、こっちも夕方になっていたようだ。一旦愛央を床におろし、助けを求める。
    急いでほかのメンバーを見つけなきゃ……!この時間帯なら作業室に…!
    一縷の希望を求めて作業室のドアを開けると、やはりいた。かつて同じチームにいた盟友、詩帆が。

    「…?どうしたんですか…?まだご飯は……!?久野さん!?」
    「うぅぅ…詩帆……」
    「なんですか!?この夥しい血の痕は…!?」
    「きららは大丈夫……それより愛央を……!」
    「…!星崎さんに何か…!?久野さん、星崎さんは…!」
    「ココロトープの、入り口に……!」

    それを聞くと詩帆は大急ぎで駆けて行った。遠くなる足音とともに、きららの意識も遠のいていく。


    ————


    『ごめんきらら……もう、駄目かも』
    『そんな……』
    『これも全部……きららのせいだよ……』
    『ぅぁあ、ああ……』
    『きららが、私を殺したんだよ』


    「うわぁっ!」


    ここは…?白いシーツに、薬品の匂い。保健室だ。きらら、さっきまで寝てたんだ。……さっきの、夢だったんだ…。
    あれ…?愛央は?

    「目が覚めましたか!よかった……」
    「…!詩帆!その……愛央は…?」
    「なんとか…一命はとりとめ、徐々に回復中です……」
    「よかった……」

    愛央は生きてた。それだけで救われた。

    「会ってみたらどうです?」
    「でも、きららのせいで愛央はこんなことに……」
    「やっぱり……星崎さんの言う通りでしたね…」
    「えっ…?」

    やっぱり愛央、怒って……そう、だよね……こんなことしたきららのことなんか……
    涙が溢れ出てきたきららに、詩帆は慌てて付け加える。

    「そ、そういう意味じゃないです!星崎さんは『きららは絶対自分を責めると思うから、傍にいてあげて』って…」
    「あ、愛央…!」
    「だから、話してみたらどうですか?」
    「……うんっ!」
    「それじゃあ、あとはお二人で」

    詩帆はそう言うとカーテンの仕切りを開けた。そこには……気まずそうな顔をした愛央がいた。
    ガラガラと扉が開いて、詩帆が退出する。ここにいるのは、愛央ときららの二人だ。

    「愛央……その……」
    「きらら……ありがとうね」
    「なんで……感謝なんか…」
    「だって、重症の私を運んでくれたの、きららなんでしょ?」
    「それは…」
    「きららは凄いよ、きららが思ってるより、ずっと、ずっと。」
    「っ愛央…!」

    感極まって、愛央に抱き着く。溢れ出るこの思いを、もう抑えきれなかった。

    「グズッ…愛央が血を流した゛と゛き、どうしていいかわからなくて……」
    「うん…」
    「きら゛ら゛のせいで、怪我させて、愛央が死んじゃうんじゃないかって怖くて……」
    「うん……」
    「こんな…こん゛な゛きららだけど、愛央と一緒にいても、いいのか…?」
    「いいに決まってるよ、きらら」

    泣きわめくきららを、愛央は優しく受け止めてくれた。

    「じゃあさ……きららにこっちからお願い!」
    「うん…何でも言って…?」
    「私が怪我しないように、もっと近くで見ててよ!」

    あぁ…いいのだろうか。こんなきららに、愛央が伸ばしてくれた手を、掴む権利があるのだろうか。

    「……駄目、かな?ごめんね……」
    「…!違う、駄目じゃない!むしろきららでいいの…?」
    「うん、ていうか…きららがいいかな」
    「愛央っ!」

    ずるい、そんなこと言われて、断れるわけがない。抱き着いたままのきららの頭を愛央は優しく撫でる。

    「えへへ…!ねえ?」
    「なんだ…?愛央…?」
    「お願いごと、叶ったね♪きらら♡」

    「……ぇ?」
    - 名無しさん (2022-09-13 21:19:48)
  • 「ふわぁ……みんなおはよー……」

    今日も気持ちのいい朝だな~。……?あれ?いつもなら、愛央とかが寝ぼけながら返事してくれるのに、どうしたんだろう?
    もしかしてみんなお寝坊なのかな。それならイタズラし放題…!

    登ってきた朝日に感化されるように、あたしの気持ちも、うきうきと上昇していく。
    ただ、それにしても明るすぎる気がする。ぼやけた視界が晴れていくと、見慣れてる、けれど目覚めの景色としては明らかに違和感を覚える光景が広がっていた。
    いない。愛央もこころもきららも陽桜莉も、誰もいない。それだけじゃない。
    比較的色の溢れてたあの教室と違って、白とリノリウムの緑色が広がるこの部屋は

    保健室だ。

    もしかしていたずらを仕掛けられたのはあたしの方なのだろうか。朝早くからずいぶん手の込んだことをするものだと、この時は楽観的に捉えていた。

    きっとこの扉の先にみんながいるんだろうなって思いながら、保健室の扉を開けようとする。
    でも、その扉は開くことはなかった。

    「えっ…?」

    気のせいだと思って、戸を引く力を強める。それでも扉は全く動かない。
    鍵がかかっているのか?いや、そんなはずはない、だってカギは内側から開けられるのだから。

    「ねぇみんな…?冗談…だよね…?」

    私の空元気な声は、この広く空虚な部屋に木霊して、消えていった。
    どんどんと焦燥は募る。しかし、どれだけ扉を引こうとも、うんともすんとも言わなかった。

    「これ…っ!ドッキリなんだよね!みんなそこにいるんだよね…!」

    あたしがどれだけ呼びかけようと、返ってくる声はない。
    この、無機質で、薬品の匂いが漂う部屋に一人っきり。
    その事実を実感するにつれて、湧き上がってくるのはあの日々の思い出。

    一人孤独に闘病生活を続けていた、あの思い出。

    気づけば動機が止まらなくなってくる。冷や汗だって滝のように。

    「…っ!開けて!お願い!ここから出して…!」

    なんども力を込めてノックする。それでも扉は何も言わない。私が、一体何をしたっていうんだろう。
    やっと…!やっと伶那と想いを確かめ合って、みんなと本当に打ち解けて…!これからだっていうのに!
    ……やはり裏切り者のあたしには、ふさわしい末路なんだろうか…。
    でも、こんなのってないよ……こんな…
    もしかして、今までの思い出全部、あたしの夢だったのかな、妄想だったのかな…?

    もう、立つことさえ難しくなって、ふらふらした足取りのままベッドに戻り、倒れる。
    そうだ、あの時もこうやって……立てなくなって、倒れて……それで、それで…
    苦しい思い出から逃げるように、目を閉ざした。


    ————


    『――い』

    なんだろう…?この声…?

    『おーい!朝だよ~!』

    この声…もしかして……!

    『愛央!?』
    『そうだよ~愛央ちゃんだよ~大丈夫勇希?なんか魘されてたけど』

    あぁ……よかった…!さっきまでの、夢だったんだ…!

    『うぅぅ…!』
    『ちょっ!?勇希!?どうしたの!?』
    『ちょっと…ね……』
    『そんなに怖い夢だったんだ…でも大丈夫!私たちはここにいるから!』
    『ぅん……』
    『……そうだっ!勇希が泣いてたこと、みんなにばらしちゃおっかな~?』
    『ちょっ!?』
    『あはは!ほらほら、朝ご飯だからはやくこないと!』
    『待て~!』

    そうだよね…!今までの思い出は、嘘じゃないよね…!ホントによかった。あぁホントに……!


    ————


    「あっちが夢だったんだ!」


    ガバッ!っと擬音が付きそうなくらい勢いよく飛び起きたあたしの目の前に広がる世界は、やっぱり、一人きりの見慣れた白色と薬品の世界だった。

    「あぁぁぁ…そんな……」

    もう、何かをする気力すら削がれて、一人シーツを濡らす。
    やだ……嫌だ…あたしはこれから…ここでずっと一人きりなんだろうか。
    この閉ざされた無機質な世界で、今度は健康なのに、ここで一生を終えるんだろうか。
    誰か…誰か……この、冷たい部屋から連れ出して……
    伶那……また会いたいよ。

    誰に届くわけでもない泣き言を、私は一人吐露し続ける。
    - 名無しさん (2022-09-12 22:25:49)
  • それはあまりにも、あんまりにも唐突な、そして残酷な事件だった。

    「んくっ、ちゅっ、ちゅぅぅっ、れろぉっ」
    「くちゅっ、ぬちゅっ…ぷはっ…ふぅぅ、ふぅぅ…」
    「はぁっ、はっ…詩さん、肺活量すごいよねっ…」
    「愛央さんにっ、はっ、鍛えられましたからっ、ふぅぅっ」

    時刻は日付も回って夜更け。私と詩さんは体育倉庫に二人きりでキスの長さ比べの真っ最中だった。
    本日はどこからともなくやってきた鏡を使った羞恥プレイ。最近こーゆう小道具多いよね詩さん…。そして相変わらず私といえば、詩さんの痴態に興奮してメチャクチャに抱き潰してしまった。
    とはいえもうそろそろ激しい逢瀬でちょっと力尽きてきた頃合いだ。時間的にはあと一回戦行けるか行けないかという感じだが、体力的にはもう無理。それでも私たちはこの時間を名残り惜しむように、互いにイチャついていた。

    「はぁっ、はぁっっ。息継ぎしないキスヤッバ…。どのくらいしてた?」
    「10分くらいでしょうか…。すごかったです、酸欠で、お互いのことしか見えなくなる感じが…♡」

    そう言って詩さんは、私の膝に頭を乗せた。
    さっきのゲームの優勝者に景品として、恋人の膝枕が授与されたのだった。惜しくも私は詩さんに敗れ優勝を逃した。けど、これはこれで詩さんが可愛いので良しとする。

    「…?」

    私の膝に頭を乗せた瞬間、詩さんの動きが一瞬止まった。

    「?どしたの詩さん」
    「いえ…。その…?」

    詩さんが膝の上で頭をコロコロと転がす。
    …なんだろう…なんというか、悪戯な子猫みたいで可愛い…。詩さんはたまに、こういう突拍子もないことをする。顔も体もすっごいキレイで、さっきまで大人もしないようなヘンタイなことをいっぱいしてたくせに、今はまるで甘えんぼな子供みたいだ。そのギャップについクラッと来てしまう。
    …やば、ちょっと興奮してきた。時間的に厳しいけどもう一戦行けるかな…?

    「ふふー♪もー、くすぐったいよ詩さ」
    「愛央さん」


    「もしかして太りましたか?」



    ◇◇◇



    愛央「げはぁーっ、ぐはぁーっ…!!!はーっ、はーっ…!」
    陽桜莉「愛央ちゃーん!大丈夫ー!?」
    愛央「げほっ、げほっ…!大丈夫!今何周目!?」
    陽桜莉「今ー?76周ー!あとたった24周だよー!」
    愛央「…あと…24周…」
    陽桜莉「あっ止まっちゃダメだよ愛央ちゃん!余計苦しくなるからねー!あと少し、がんばろー!」
    愛央「…ぐぅぅぅっ!うおおぉぉおおおお!」

    きらら「…何なのだ、あれは」
    日菜子「あっきらら、詩帆」
    詩帆「今朝からずっと走ってますけど…日菜子は何か知ってるの?」
    日菜子「いや、詳細は私も知らないんだけど…。なんか愛央、太ったみたい」
    きらら「太った?愛央が?」
    日菜子「うん。今朝なんだけど…」


    (陽゛桜゛莉゛さ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!!!)
    (うひゃぁ!?愛央ちゃん!?)
    (愛央!?どうしたのそんなに泣いて!)
    (お゛願゛い゛!ダ゛イ゛エ゛ッ゛ト゛付゛き゛あ゛っ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!)
    (へっ?ダイエット?)


    日菜子「ってな感じで。早朝にジョギングしてた陽桜莉に急に泣きついてきてさ」
    詩帆「…早朝にですか?なんでまた急に…」
    きらら「うむ…おそらく愛央は魔が指して、体重計に乗ってしまったのだ。あれは軽はずみな気持ちで乗っていいものではない…」
    詩帆「それにしても朝に乗るんでしょうか?もっとこう…お風呂の後とかにこっそりと乗るものでは…」
    きらら「それは分からぬ。ベットが軋む音が気になった可能性も、なきにしもあらずだ」
    日菜子(…たぶん詩になんか言われたね、とは言わない方がいい雰囲気だ)

    陽桜莉「はち…じゅう!よーし80周目!残り20周!気合い入れて乗り切ろー!」
    愛央「ぐぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!」
    陽桜莉「愛央ちゃん!?愛央ちゃーん!!!」


    日菜子「あ、倒れた」
    きらら「妥当だな」
    詩帆「100周は陽桜莉さん以外には難しいのでは…」


    陽桜莉「愛央ちゃん!愛央ちゃん!残り20だよ!」
    愛央「無理っっっっ…!げはっ!無理っっっっ!これ以上動けないぃ!」
    陽桜莉「あと少しだよ愛央ちゃん!少しだけ頑張れば、絶対痩せられるって!」
    愛央「残り、かはっ、20周は、ぐっ、げほっげっほっ、少し、ひゅー、ひゅー、じゃ、へー、へー、なくなっ、いっ!」
    陽桜莉「うーんこれは重症だねー…。よし!詩ちゃーん!おねがーい!」


    詩「はい…あの…愛央さん」


    詩帆「あれ、駒川さんも星崎さんのダイエットに付き合ってるんですか?」
    きらら「うむ、不思議はあるまい。愛央と詩は恋人同士。片方が頑張るならば、もう片方も付き添うだろう。りあじゅうばくはつしろ、というやつだな」
    日菜子(絶対詩とヤってる最中なんかあっただけだよ、とか絶対言っちゃダメな雰囲気だ)


    詩「えっと…その…昨日はごめんなさい、愛央さん。私、そういうつもりで言ったわけでは…」
    愛央「げほぉっ、ぐほぉっ…!違、げほっ、う!ぅっ、詩さんは、ひゅーっ、何、悪く、げふっ!」
    詩「愛央さん…あぁ…駄目です…!そんなに無理しては…!」
    愛央「み、水、ちょうだい…」
    詩「どうぞ…。…もうやめましょう愛央さん…。私、肉付きの良い愛央さんが好きです。触るとすごく柔らかくて…,昨日の夜は私なりに褒めたつもりなんです。だからダイエットなんてしなくても…」
    愛央「ありがと詩さん…!でも駄目なんだよ、私は痩せなくちゃ…!」
    詩「どうして…そこまで」
    愛央「だって詩さん…すっごい細くて綺麗なんだもん!手足とか妖精みたいだし…!胸とか感度もめちゃくちゃ良いし!私は詩さんの横に並んで、胸を張って歩ける足になりたい!」
    詩「愛央さん…」

    詩帆「何ですかねアレ…」
    きらら「言うまでもあるまい、恋人同士の甘酸っぱいイチャつきだ」
    日菜子「所々甘酸っぱくない単語あるけどね」

    愛央「詩さん…お願い…『アレ』、やって…」
    陽桜莉「詩ちゃん!私からもお願い!愛央ちゃんのためだと思って!
    」詩「…わかりました。愛央さん、お耳をお借りします」


    詩「…丸くて可愛い愛央さんも好きですけど…痩せててかっこいー愛央さんもぉ…だぁい好きですよ♡」


    愛央「うぉぉぉぉぉぉっげほっげほっ!やるぞおぉぉげふぉっ!がはっ!げえっほっ!」
    陽桜莉「その意気だよ愛央ちゃん!!!!もう残り30周!気合いだよ!!!!!」


    詩帆「…回数増えてませんか?」
    きらら「気のせいだろう。愛央も気づいていない」
    日菜子(わっるい顔してたなぁ、詩…)


    ◇◇◇



    時は流れ、夕暮れ

    こころ「愛央ちゃん!校庭120周おめでとう!なのです!」
    愛央「ありがとうこころー!いやーやれるもんだねー人間!」
    きらら「うむ、さすがだ愛央。詩帆も日菜子も引いて…感心していたぞ
    」愛央「えーマッジー!?嬉しー!」
    勇希「おめでとうございます愛央選手!達成の秘訣は何でしたか!?」
    愛央「秘訣は…もちろん、愛!恋人に喜んでもらおうと思う気持ち、です!」
    勇希「だってぇ…!愛されてるねー詩!」
    詩「もう…愛央さんったら…♡」
    陽桜莉「おめでとう愛央ちゃん!私感動しちゃったよー!明日も頑張ろうね!」
    愛央「いやいやーその後追加で100周してた陽桜莉さんほどじゃ……………明日?」
    陽桜莉「?うん、ダイエットだもん!明日もやんないと!」
    愛央「………………………………………頑張るね!!」
    陽桜莉「うん!」

    美弦「愛央、おめでとう。はい、お祝いのケーキよ」
    愛央「でか!ウェディングケーキ!?」
    詩帆「私と美弦さんで作らせていただきました。お口に合えば良いのですが…」
    こころ「それだけじゃないよ愛央ちゃん!じゃーん!」
    詩「はい、唐揚げです。待っている間に丹精込めて作ったので…山のようにあります」
    愛央「食べる食べる全然食べる全部食べる!うっわぁ愛されちゃってるなぁ私!」
    日菜子「………ねぇ、愛央…」
    愛央「んー?なーに日奈子さ」

    日菜子「これじゃない?太った理由」

    愛央「……え?」

    日菜子「愛央、昨日夜何食べた?」
    愛央「えっと…お米に、ハンバーグに、キャベツに…唐揚げ、に…」
    伶那「それと間食にゼリーね。勇希と食べてた」
    きらら「なぬ!?なぜきららを呼ばなかったのだ!」
    詩帆「そういえば量も多かったような…あれ、美弦さん?」
    美弦「えっと…そうだったかしら?」
    陽桜莉「そうだった!お姉ちゃん、最近作るご飯の量増えてたよ!」
    美弦「うっ…だって愛央、本当に美味しそうに食べてくれるんだもの…。陽桜莉も昔みたいにいっぱい食べてくれるし…。つい作りたくなっても、おかしくないんじゃないかしら…」
    きらら「む、そうだ。夜といえば唐揚げも毎晩出ていた。毎回山のようにあるから何事かと思っていたぞ」
    詩「私です。愛央さんが毎回喜んでくれるので、花嫁修行も兼ねて作りました…」
    日菜子「うん。というわけで愛央」


    日菜子「カロリー制限、頑張ってね」


    詩帆「ああ!?星崎さんが倒れました!」
    勇希「愛央!しっかりして!愛央ーーーーーー!!!!!」


    その後凄まじい筋肉痛となった上足がさらに太くなったことで、朝の運動も取りやめとなった。
    万事休すかと思われたが、詩が「痩せる方法があります」と言い愛央をココロトープに連れ出した。
    3日後、詩は妙にやつれた愛央を連れて帰ってきた。そして愛央は5キロも痩せ、元の体重を取り戻したのだった。

    余談だが、詩はこの後1週間ほどツヤツヤしていた。- 名無しさん (2022-09-11 22:55:25)
  • 「今日も山田先輩はモタついてましたね~♪いい加減慣れたらどうなんですぅ~?」
    「うるせぇ詩!静かにしてろ…!」
    「あぁ~ん♡逆ギレですか?先輩♡でもぉ~、先輩が抜くときの手際が良くないのは本当じゃないですかぁ~♪」
    「チッ……」

    あぁ…♡今日も仁菜ちゃんをおちょくるのは止められな~い♡あの明らかにイラついて、不機嫌になってる姿、ほんといい…!
    きっとまた怒って、すぐに私に暴力をふるってくれるんだわ…♡あぁん、最っ…高!
    もっともーっと煽っちゃお♡

    「ま・さ・かぁ~…今更自分のやってることに怖気づいたんですかぁ~?」
    「なっ!テメェ!」
    「あ~あ…ホンット情けないですね、山田先輩は♡」
    「詩っ…この…!」
    「やぁん♡仁菜ちゃんったら大胆…♡」

    首…!絞まって…♡
    そうっ……これっこれ゛…!こ゛の゛……苦しみが、向けられる悪意が、心を動かして…私に生きている実感を与゛えてくれるんですっ…♡
    ……もっと欲しい♡もっと、もっと仁菜ちゃんから痛めつけられたい…!

    「そんなんだから、望ちゃんでしたっけ?彼女も助けられないんですよ~♡かわいそうな望ちゃん♡」
    「っ!テメェ!」

    乾いた音が暗い部屋に響く。
    この、ジンジンと熱くなる頬と、仁菜ちゃんからの侮蔑の視線で……私…わたしぃ…♡やだ、潤っちゃう…♡

    ……?あれ?いつもなら仁菜ちゃん、もっと続けてくれるのに、なんなのかしら?
    不能?いくらなんでも早すぎますよ……あっ!もしかしてぇ、泣いちゃったんですかね♡

    「やだぁ♡山田先輩ったら弱っち」「…!もう限界だ!」
    「え?」
    「もうアタシはテメエとは組まねえ!バディも解消だ。」
    「…ぇ?…はっ?えっ?」
    「アタシ一人でやってやる。じゃあな、詩。」
    「ちょっ…!ちょっと待ってくださいよ!先輩!」

    仁菜ちゃん、すねちゃったのかしら…?本当に情けないです……

    「そんなことして、紫乃たんも、ましてやお姉さんも……!」
    「たとえ何を言われたって、アタシはもうテメェと組む気がねぇんだよ詩!」
    「なんですかそれ…!あんなのにいちいちムキになって…馬鹿みたい……」
    「その口だ!それがムカついてしゃあねぇんだ!あぁテメェなんかとはもうオサラバだ!」
    「ちょっと山田先輩!待って……!」
    「…っ離せ!触んな!」
    「ぁ…」

    私が仁菜ちゃんを捕まえるために伸ばした手は、無情にも打ち捨てられた。
    しばらく呆然としていると、仁菜ちゃんは怒りを含ませて、けれど少し困惑したような表情で、私を見てきた。

    「なっ…!なんですか山田先輩!私のことなんてもうどうでも…!」
    「……テメェ、なんで傷ついたような顔してんだよ」
    「ぇ…?」
    「被害者のつもりか?詩。チッ…ざけんじゃねぇぞ、傷ついてんのはアタシの方だってんのに……あ~あ、よかったな詩、テメェの思惑通り、アタシは傷ついてたんだよクソッタレ!」

    仁菜ちゃんはそう言い捨てると、乱暴に部屋の扉を開けて行ってしまった。

    ……傷ついた顔をしてた?私が?それじゃまるで……私が、普通の人みたいじゃないですか……。仁菜ちゃんとの繋がりを大事にしてたみたいじゃないですか…。それがなくなって、傷ついて……

    ……違う。違う違う違う違うっ!
    私は、壊れているんです!ほかの人間と、共感なんかできないんです!普通の感性じゃないんです!
    だから痛みを求めて……それだけが私の自己確立で…!もし私に普通の心があるっていうんだったら!一体何のために今までこんな……!

    錯乱する私は、壁に思いきり頭を打ち付ける。何度も、何度も何度も打ち付けて、段々壁が紅く染まってきても、まだひたすらに打ち付ける。
    湧き上がってきた想いを、疑問をかき消すように。

    あぁぁ……痛い…でも、何か足りない……

    赤く朧気な視界の中で、カッターナイフが目についた。
    そうだ、いつものこれなら……

    手首にカッターの刃を何回も、何回も突き刺す。そしてそのたびに思いっきり抉るように引き裂いて……。

    痛い。痛い。本当に痛い!痛いのに…痛いはずなのに…なんで……なんで……
    全然、気持ちよくない。
    ……っ!嫌だっ!こんな痛みが欲しかったわけじゃない!……あぁ、じゃあ私って本当に…


    血を流しすぎたのか、もう立っていられない。なんだか声が聞こえるような気もするけど、かすんで分からない。私が何なのかも、もう分からない。私って結局、なんなんですか?


    ————


    嫌な予感はしていた。アタシが去った後、激しい物音が聞こえたから。
    でもその時は、特に気にも留めなかった。どうせアイツが適当に癇癪を起こしてるだけだと思ったんだ。
    ……なんで、こんなことになってんだよ。

    「おいっ!詩!しっかりしろ!なんだよこの血の量……」
    「ぁぁぁ……」
    「クソッ…いったいどうすりゃ……」

    さっきまでアタシたちがいた部屋は紅く染まって、鉄臭いにおいが充満していた。しかもどういうわけだか詩は泣いている。
    コイツ、痛みが好きなんじゃなかったのかよ。なんで……
    あぁぁ!クソッ!クソッ!これも全部、アタシが悪いっていうのかよ…!
    詩テメェ…一体ほんとに何なんだよ……。
    お前はアタシに、どうして欲しかったんだよ……。
    - 名無しさん (2022-09-11 18:49:21)
  • 今日が雨だということは知っているし、自分が惨めだってのもよく分かっている。
    ヒートアップした熱を冷まして、冷静にならなきゃいけない。それには、この空はなんておあつらえ向きなんだろう。


    怒鳴る資格がないのは分かってる。だからって、心が、はいそうですと従ってくれるわけじゃない。

    『なんだって……』
    『だから……お姉ちゃんは最後に……』
    『だからって…だからって……信じられねぇよ!そんなの!』
    『百さん、残念だけど、本当なんです……』
    『…っ!なんで…なんでそんなことに……』

    あの最後の戦い以降、私のバディこと平原美弦は行方不明なんだと、あの二人から聞かされた。
    ……頭が真っ白になったよ。だって、そうだろ?あんまりじゃねぇか。
    フラグメントも治って、ようやくだって時にさ、今度はアイツの方からいなくなるなんて。

    ……だからアタシ、つい感情に任せて、アイツらに八つ当たりして……

    『おめぇらがいて……なんで…』
    『…っ!ごめんなさい…!ごめんなさい百さん……!』
    『ぁ……いや…悪ぃ…そんなつもりじゃ…』
    『百さん!陽桜莉は悪くありません…!』
    『あぁ……そうだよな…分かってんだ……分かってんだよ…!でもっ……チクショオォ!』
    『百さん!?』

    自分の情けなさに耐えきれなくて、土砂降りの雨が降ってる外に飛び出したんだ。


    「あぁ…寒ぃな…」

    濡れた衣服が、髪が水気を含んで重たくなる。この陰鬱な暗い空の下で、どんどんと悪い思いは積み重なってゆく。
    傘もささず一人孤独に、ただあてもなく歩く。こんな情けねぇアタシが、どの面下げて陽桜莉達の前に戻れるっていうんだ。
    気づいたらアタシはビルとビルの間にある路地裏に来ていた。
    ……ここなら、アイツらにも見つかりづらいだろうな。アイツらはお人よしだ。きっと、こんな碌でもねぇアタシのことを探しに来るかもしれねぇから。
    ここで、弱音を全部吐き出してしまおうって、そう思ったんだ。

    「チクショウ……!なんでだよぉ……」

    どうしようもない想いを拳に乗せて、壁を殴りつける。壁から赤い雨が滴り落ちても、それを止めることは出来なくて

    「こんなことってあるかよ…! あたしが何したっていうんだ…!」

    徐々に力が入らなくなる両足。両ひざをつき、手でかろうじて体を持ち上げる。
    背中に雨だれが容赦なく降り注ぐ。まるでそれがお前への罰だといわんばかりに。

    「あぁ分かってるよ…!アタシが、中途半端だからなんだろ…?なぁ…?中途半端はやめるって言ったのに…!結局これだ……!」

    自問自答は続く。雨はまだ降り止まない。

    「一番大事な時に駆け付けれねぇで…!挙句当たり散らして…!こんなに、不甲斐ねぇから…!」

    自分の中の不満を叩きつけるように地面を殴り続ける。右手の痛みは凄まじかったが、それよりも心の痛みの方が、アタシにとっては深刻だった。

    「美弦の大事なもんは…守れたかもしれねぇけど……アタシの一番大事なもんが守れてねぇよ……」

    そのうち右手に力が入らなくなって、転がるように仰向けになる。ビルの隙間から見える空はやっぱり分厚く暗い雲に覆われてて、寂寞感があった。

    「頼むよ……頼むから……こんな情けねぇアタシをもう一度、𠮟ってくれよ…美弦……」

    果たして今頬を伝っているのが雨なのか涙なのかもわからない。
    あぁ多分きっと雨なのだろう。だって、アタシのかすかな希望さえ流してしまうほどに、この雨は激しく降っているのだから。


    ————


    「百さん…どこ行っちゃったんだろう……」
    「早く見つけないと…この雨の中一人は……」
    「……」
    「陽桜莉…?」
    「ねぇ、瑠夏ちゃん…」
    「どうしたの…?」
    「…どうすればよかったのかな…」
    「それは……」

    分からない。
    確かに、百さんの気持ちは分かる。私だって、陽桜莉にあんなことされたら……
    でも、ほかに方法があったというんだろうか。私たちは間違えたというんだろうか。
    分からない。私には何も分からない。

    「…!瑠夏ちゃんアレ…!」
    「もしかして……百さん…!?」

    ビルの間に見慣れた金髪の女性が倒れていた。すぐさま駆け寄る。

    「…!どうしよう!百さん、手から血がこんなに…!」
    「あっ……あぁあ…」
    「体もどんどん冷たくなって…どうしたら……どうしよう瑠夏ちゃん…!」
    「そんな…嫌…!」
    「救急車呼ばなきゃ…!お願い…百さんまでいなくなったら私……」

    お姉さん、教えてください。私たちはどうしたら、どうすればいいんですか?
    - 名無しさん (2022-09-10 17:57:10)
  • 心因性視覚障害。
    初めて聞いたその症状は、お医者さんによると強いストレスとかが原因で視力が低下する症状なんだって。
    おめめに問題がなくても心の問題で起こるそれは、眼鏡とかを使っても視力が低いままらしい。

    真夜中の寮。私は、いつものように瑠夏ちゃんと同じ部屋で眠りについていた。
    まだ少し寝苦しくて、簡単には寝付けなかったから、気づくことができたんだと思う。
    少し遠くで大きな物音がしたことに。
    何が起きたのか確かめようと瑠夏ちゃんを起こさないようにそっと部屋の扉を開けて、廊下に出る。
    連続して鳴り響く物音の方向にゆっくりと近づいていくと、ある部屋の前にたどり着いた。

    そこは、仁菜ちゃんの部屋だった。

    扉に耳を当てて、中の音を確認する。かすかにだけど、聞こえてきたのは仁菜ちゃんが取り乱している声だった。
    私は、夜中だということも忘れて大声で呼びかける。

    「仁菜ちゃん!?どうしたの!?」
    「…!陽桜莉か…?そっちにいるのか…?」
    「うん…大丈夫?仁菜ちゃん…」

    それっきり返事がなくて、不安を感じる私。
    実際には数十秒の静寂が、そのときの私にはとても長く感じられて、焦燥感だけが募っていく。
    そうやっておろおろしていたら、ガチャッ…という音とともに、扉と、それにもたれかかった仁菜ちゃんが私の方へと向かってきた。
    そのままでは体勢を崩して床に倒れこんでしまいそうな仁菜ちゃんを腕で抱き留める。
    そのとき見た仁菜ちゃんの顔は

    ――何かにおびえるような表情で、涙を浮かべてぐしゃぐしゃだった。

    「…っ!何があったの…仁菜ちゃん…!?」
    「ぁぁあ…クソッ!見えねぇ……見えねぇ…!」
    「見えない…?どういうことなの…!?」
    「うっ……ぐ…うぅぅ……」
    「…!落ち着いて!大丈夫!大丈夫だからね!仁菜ちゃん!」

    こんなに取り乱してる仁菜ちゃんを見るのは初めてで、どうしていいかわからなかったけど、放っておくことなんてできなかった。
    仁菜ちゃんの頭を落ち着かせるように撫でる。……私が泣いていた時、お姉ちゃんはよくこうしてくれていたから。
    しばらくそれを続けていると、段々落ち着いてきたのか息も整いだした。

    「もう大丈夫?仁菜ちゃん……」
    「あぁ……でも…」
    「そっか、見えないって言ってたもんね」
    「なんなんだよ…チクショウ……」
    「……よし!」
    「おっ、おい…!」

    それでもまだ不安そうな仁菜ちゃんの手をとって、私は今まさに出てきたお部屋に入った。そのままベッドに連れていき寝かせる。
    もともと二人用の部屋に一人で住んでいる仁菜ちゃん。この広い部屋で何にも見えず一人きりっていうのはいくら何でも辛すぎるから

    「今日は私もここでお泊りするね!」
    「なんで……」
    「だってその方が何かあった時どうにかできるじゃん!」
    「……もう大丈夫だ。気にしなくていい。」
    「あんなの見ちゃったら説得力ないよ!何が何でも泊まっちゃうからね!」
    「……そうかよ」

    それだけ言うと、仁菜ちゃんは布団にくるまった。
    昔の仁菜ちゃんならなんだかんだ私を追い出そうとしたはず。……少しは、心を開いてくれたのかな?
    とりあえず、明日は病院で診てもらわなきゃね。


    「陽桜莉!?どこ!?」
    「ぁ…そうだった……」

    次の日の朝、私は、自分を探す瑠夏ちゃんの声で目覚めた。
    確かに、何も言わず仁菜ちゃんのお部屋に行っちゃったもんね……って反省しながら、瑠夏ちゃんの前に現れる。

    「おはよう……瑠夏ちゃん……」ガチャッ
    「陽桜莉!?どうして山田さんの部屋から…」
    「うん…そのことでちょっと話が」

    私は真夜中起きた出来事を瑠夏ちゃんに話した。

    「だからね?仁菜ちゃんを病院に連れて行った方がいいと思うんだぁ…」
    「確かに……でもだまって抜け出すのはよくないわ」
    「うぅ……ごめんなさい…」
    「そういえば、その肝心の山田さんは?」

    そういえばそうだ。果たして仁菜ちゃんはあんな状態なのに一人で起き上がれるのだろうか。また部屋に戻って確認する。
    なんと仁菜ちゃんはお着換えの真っ最中だった。ということはおめめが治ったのかな?

    「あれ?仁菜ちゃん大丈夫なの?」
    「あぁ……ぼやけはするんだが、なんとか……」
    「う~ん……治ったのかなぁ?でもちょっと心配だなぁ……」
    「悪かったな心配かけて…でも、アタシは大丈夫だ」

    着替え終わり、顔を洗うために洗面台へ向かう仁菜ちゃん。
    なんだか足元がおぼつかなく、ふらふらしている。ひときわ大きく体が揺れると、体勢を崩して地面にへたり込んでしまった。

    「仁菜ちゃん!やっぱり…!」
    「うぅ……んだよ…これ…」
    「……お医者さんに診てもらった方がいいわ」
    「大丈夫だ…」
    「そんなわけないよ!ちゃんと診てもらわなきゃ!」

    このままにしておけないから、病院へ行くことに。
    私は仁菜ちゃんの手を握って、タクシーに乗せる。
    移動中、不安にならないようにそっと手を、包み込むように重ねた。
    やっぱり仁菜ちゃんは不安だったのか、この手を振り払うことはなかった。

    病院では、私も付き添いながら受付を済ませ、診療を待つ。相変わらず無言で手を繋ぐ私と仁菜ちゃん。
    この沈黙は少し気まずかったけど、手のひらから伝わる熱が、まるで仁菜ちゃんから心を許されてるように感じて、大変な時だっていうのに不思議と心地よかった。
    二人で一緒に入った診療室。そこで仁菜ちゃんは心因性視覚障害だということが伝えられた。

    「その……治療法…とかは…」
    「これは目ではなく主に脳の問題による視力低下なので、その…ストレスの原因を改善できれば自然治癒する可能性は大きいと思います」
    「そう……ですか…」
    「あと、症状を聞く限り夜盲症と視野狭窄も併発してそうなので、日常生活でサポートが必要になるでしょう」
    「わかりました……」


    帰り際の仁菜ちゃんは凄く暗い顔をしていた。励ましてあげたいけど…かける言葉も見つからない。

    「ストレス……かぁ。」
    「……」
    「……何が原因になってるか、とか…分かるかな…?」
    「あぁ…多分」
    「…!そうなの…?じゃあ…!」
    「知ったところで、改善するのは難しいと思うがな…」

    仁菜ちゃんはまるで自嘲するような言い方でそういうと、ため息混じりに話し始めた。

    「あの日な…夢で見ちまったんだよ……あのババアと暮らしてた時のこと…」
    「あ…」
    「あん時の共鳴で見たことあるよな?まぁ、そういうことだ…でもよ」
    「……」
    「今までたまにあったんだ、こういうこと。でもなんで今回に限って……」
    「それは……」

    理由は何となくわかる。お姉ちゃんがいなくなったからだ。仁菜ちゃんはお姉ちゃんのことが大好きで、尊敬してる。
    心で頼りにしてた人がいなくなっちゃったから、耐えるのが難しくなったんだ。
    ……私が支えなきゃ。できるかなんてわからないけど、やらないと。

    「……ねぇ仁菜ちゃん。お医者さんから、サポートが必要って言われたよね」
    「あぁ…全く、どうしたモンかな……」
    「私がするよ……お手伝い」
    「おい…!でもよ……」
    「いいんだよ仁菜ちゃん…遠慮しないで、私、力になりたいんだ…!」
    「……はぁ。一度決めたら頑固だもんな、オメェ。……ありがとよ」

    そうして私は、目が不自由な仁菜ちゃんの目となり足となり、生活補助を請け負うことにした。

    最初の方は大変だった。果たして仁菜ちゃんが一体どこまでのことができて、どこまでのことができないのかしっかり把握できていなかったし、仁菜ちゃん自身もまだ私にお世話されることに抵抗があるのかなかなかスムーズにはいかなかったから。
    例えば、お風呂に入るときなんか

    「オイッ!なにも風呂まで…」
    「何言ってるの!お風呂の床は固いんだよ!転んで頭打っちゃったらどうするの!」
    「うぅ…でもよ、こう、二人とも裸でくっつくなんて……」
    「そんなこといちいち気にしないの!」

    けがをしないように支持搬送したままお風呂に入らせようとしたら抵抗してきたし、ご飯の時なんかも

    「……」ポロッ…ポロッ
    「も~!さっきから全然つかめてないよ!」
    「チッ…やっぱり無理か……」
    「ほ~ら!私が食べさせてあげるから!はい!あ~ん♪」
    「楽しんでないかお前……あ~…ん」

    まともに箸でつかめない仁菜ちゃんの代わりに食べさせてあげようとしたのに……
    それでも私は献身的に世話をすることはやめなかった。
    ……お姉ちゃんを失った悲しみを、紛らわすように。

    ついに私の気持ちが通じたのか、そのうち仁菜ちゃんも私に気を許してくれて、段々とお世話されていくことに抵抗が無くなっていった。
    特に昨日の夜は……

    仁菜ちゃんを寝かしつけて、飲み物を取りに自分の部屋までいったん戻って、それから戻った時だった。

    「なぁ陽桜莉…?陽桜莉……?」

    あの仁菜ちゃんが私を探していた。しかもそれだけに留まらず

    「!どこ行っちまったんだよ!オイッ!……なんで…一人に…しないで……」

    明確に私を求めてきた。あの時の私は罪悪感をはるかに上回る幸福感を抱いて、仁菜ちゃんが愛おしくてたまらなかった。すかさず駆け寄って慰めた。

    「ごめんね…仁菜ちゃん……怖かったよね…大丈夫…大丈夫だから……」
    「ひっ…陽桜莉ぃ……」
    あれ以来、仁菜ちゃんは私が傍にいないと不安なのか、しきりに私の名前を呼んでくれる。
    私はそれがどうしようもなく嬉しくてうれしくて……
    だって、求められてるってことは、私がいないとだめだってことだから。きっと私から離れられないってことだから……

    それなら、ずっと一緒にいてくれるよね?

    でも、私は知ってる。この病は、心が治ったら症状も改善されてしまうことに。きっと仁菜ちゃんは私といることに居心地のよさを覚えてるんだってことも。
    もし病が治ってしまったら、きっと仁菜ちゃんは私から離れて行ってしまうんだろう。

    だから私は仁菜ちゃんには治ってほしくないとは思いつつも、そんな理由で困らせたくないから今日も世話を続ける。いつか来る別れのために思い出を増やす。

    あぁ、もっと私が愛に盲目的になれたならいいのに……。


    ————


    実はもう見えている、なんて言ったら目の前のコイツはどんな顔をするんだろう。

    アタシの中にあった寂しさも虚しさも、不安もなにもかも、陽桜莉と手を繋いだり、傍にいるだけで何にも感じなくなっていった。
    アイツから与えられる無償の愛が、アタシの心を満たして、その温かさにすっかり慣れ切った今では、もう自分から手を放すなんてことは出来なくなっちまった。

    ……陽桜莉はああみえて賢い。もし、アタシが見えることがわかったら、それでも言い出せなかった理由には気づいて、優しくはしてくれるんだろう。
    だけどもう、今みたいに陽桜莉の熱を全て向けてくれたりはしなくなるかもしれない。アタシはそれが一番怖かった。
    もう知ってしまったからには抜け出せない。彼女の愛に溺れることがこんなにも素晴らしいことだと。

    ……陽桜莉が用事があるといって、ほんの少しアタシのそばから離れただけで、こんなにも心が落ち着かない。
    そんな不明瞭な自分の視界に、それは嫌に鮮明に映った。
    『おうち』と一緒に持ってきたバタフライナイフ。

    そうだ、どうせもう私に視力なんて必要ないのだ。あの優しい陽だまりのような彼女がいるから、これから暗闇で過ごしたとしても問題ない。
    だからもう


    この両目は潰してしまおう。


    刃先を眼球の先につける。恐怖でガタガタ震える体を、最悪の未来を想像することで押さえつけ、……そのまま一気に押し込んだ。

    眼窩に鋭い痛みと火傷しそうなほどの熱さが走る。だがそれと同時に、陽桜莉に命を完全に預けてしまうことへの高揚感が湧いてくる。

    ……なぁ詩。もしかしてお前も、こんな感じだったのか…?

    今はもうどこで何をしているのか分からないかつてのバディに思いを馳せ、もう片方の目も潰した。

    本当に真っ暗だな……そう思っていたら扉の方で音がする。あぁこの聞きなれた足音は

    「仁菜ちゃん…?何……やってるの…?」

    待ちわびていた人だ。すまねぇ、そんな震えた声をさせるつもりじゃなかったんだが。
    でもそんなどうしようもないアタシを陽桜莉は抱きしめて

    「分かってるの…!?そんなことしたら、一生…!」
    「あぁ……アタシはもう、一生テメェと一緒にいねぇと、もう生きていけねぇ」
    「…っ!ばか!ばか仁菜ちゃん……こんな…こんな……!」

    なぁ……目が見えなくなってから、アタシの耳って良く聞こえるようになったんだぜ。
    だからテメェのその心配する声の中に、かすかに喜びの感情が含まれてることも、ぜーんぶ分かってんだ。
    傍から見たら、赤い赤いうれし涙を流すアタシを、陽桜莉が抱きしめてる痛ましい光景なんだろうなぁ。
    でも、もうアタシには何にも見えねぇから知ったこっちゃねぇ。
    ただ心の中にある、この明るくて歓喜に満ちた思いだけが真実なんだ。
    - 名無しさん (2022-09-09 21:44:52)
  • 「GPS?」
    「うん、スマホのアプリでね……あ、そうそう、それだよ」
    「えっと……このアプリを私に?」
    「うん、入れて欲しいんだ」

    家に帰って来た陽桜莉から、私はそんな提案をされていた。
    今私のスマホには、そのアプリのダウンロード画面が映っている。そこには、子供の見守りなどと書かれており、私は少し複雑な気持ちになってしまう。
    どうして陽桜莉がこんな提案をしてきたか、それは理解しているつもりだ。何せ、私は二度も失踪している。そういうものが必要だと言われても、何も言い返せない。
    とはいえ、子供の見守りアプリを妹に勧められるというのは、なんとも言い難い気分になってしまう。

    「そんなに見るつもりはないんだよ? ただ、少し安心したくて……」
    「陽桜莉……」
    「どうしても、位置を知られたくない時はスマホを置いて行ったり、電源を切ったりすることもできるし……とりあえず、入れてみて欲しいんだ」
    「……少し恥ずかしいけど、陽桜莉に位置を知られて困ることなんてないわ」
    「あ、お姉ちゃん……」

    しかし私は、アプリをスマホに入れることにした。
    今まで陽桜莉には、たくさん心配をかけてきた。これで、彼女が少しでも安心してくれるというなら、多少の恥も受け入れられる。
    そもそもの話、陽桜莉に場所を知られて困ることなんて特に思いつかない。別にやましいことなどないのだから、それ程気にもならないだろう。

    「ありがとう、お姉ちゃん……あ、お姉ちゃんにだけ恥ずかしい思いはさせないよ。私の位置も、お姉ちゃんにわかるようにするから」
    「え? 陽桜莉の位置も?」
    「うん、そうしたらお姉ちゃんも安心できるんじゃないかな?」
    「……そうね」

    陽桜莉の言葉を聞いて、私は既に安心感を覚えている自分に気づいた。
    陽桜莉の位置がわかる。たったそれだけのことが、なんだかとても心強かった。もしかしたら陽桜莉も、そんな気持ちになったからこんな提案をしたのかもしれない。

    「あ、ダウンロードできたみたいだね? えっと、それじゃあ設定しよう、お姉ちゃん」
    「ええ」

    私と陽桜莉は、アプリの設定を進めていく。
    こうして、私と陽桜莉はお互いの位置を把握できるようになったのだった。



    ◇◇◇



    「……お姉ちゃん? 何を見ているんですか?」
    「あ、えっと……」

    夜、私は紫乃からそんな質問をされていた。
    それは恐らく、私が珍しくスマホの画面をずっと見ていたからだろう。もしかしたら、私の手が一切動いていなかったのも気づいていたかもしれない。

    「実は陽桜莉からね、GPSのアプリを入れて欲しいって提案があってね……」
    「GPS? ……ああ、そういうことですか」

    私の言葉に紫乃は納得したような表情をした後、少し悲しそうな顔をした。
    私の二度の失踪に、紫乃は関係している。恐らく、私の失踪に責任を感じて、そんな顔をしているのだろう。

    「……紫乃が責任を感じることではないわ」
    「お姉ちゃん?」
    「……色々と事情はあったけど、それでも私は自分で選択したの。その責任を人に……あなたに押し付けるようなんて、私は思っていないわ」

    私は、紫乃の手を握りながら彼女にそう語った。
    あの時の私がどのような状態だったとしても、私は自分の意思でそうするべきだと思って行動をしたのだ。だから、その責任は私にある。私が犯した間違いは、私が背負うべきものだ。

    「……ありがとうございます。えっと、それでお姉ちゃんはGPSを入れて、どうしてスマホを見ているんですか?」

    私の想いが通じてくれたのか、紫乃は笑顔を見せてくれた。そして、私に素朴な疑問をぶつけてくる。
    私は安心しながら、その質問に答えることにする。ただ、そこで私は気付いた。本当に、私の今の行動を説明してもいいのだろうかと。
    とはいえ、説明しない訳にもいかない。説明しなければ、私の不審な行動が理解できず、紫乃を心配させてしまうからだ。いや、説明しても心配される可能性はあるのだが。

    「えっと、陽桜莉が気を遣ってくれてね。私の方からも陽桜莉の位置がわかるようにしてくれたのよ」
    「陽桜莉さんの位置を?」
    「ええ、だからスマホの画面を見ていたの………」
    「……えっと、ここって」

    私は恐る恐る紫乃にスマホの画面を見せた。
    現在、陽桜莉は学生寮にいる。大まかな位置しかわからないためか、画面上で陽桜莉はしばらく一切動いていない。
    つまり、私はまったく動いていないスマホの画面を結構長い間眺めていたということだ。画面を見れば、それは理解できるだろう。
    もしかしたら、紫乃は引いているかもしれない。自分でもわかっていることだが、端から見ればその行動は明らかにおかしいからだ。

    「……ふふ、お姉ちゃんは相変わらずですね」
    「え?」
    「でも、なんとなく理解できます。どうしてでしょうね? 画面上で陽桜莉さんがそこにいると表示されているだけなのに、不思議と温かい気持ちになります」
    「紫乃……」

    しかし、紫乃は笑ってくれた。どうやら、彼女にとって私の行動は理解できるものだったようだ。
    紫乃の言う通り、不思議なことではあるが、私はスマホの画面に見える陽桜莉の位置に温かい気持ちを覚えていた。
    陽桜莉が今、寮で何をしているのだろうか。それを想像しながらスマホを見るのは、何故かとても楽しいのだ。

    「お姉ちゃん、私にも見せてもらえますか?」
    「……ええ、もちろんよ」

    紫乃の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
    こうして、私達はしばらく二人でスマホの画面を眺めているのだった。 - 名無しさん (2022-09-09 20:54:15)
  • 運命なんだと思いました。
    たしかに、約束はしていましたが、それでもまた巡り合えるなんて思っていなかった。
    きっと私と星崎さんは特別な存在で、何時か結ばれるものとばかり夢見て……

    それがただの甘い幻想だったなんて、信じたくありませんでした。



    数日前のことです。その日も、私は学校から少し離れた公園にひっそりと咲いていた、一本の大きな向日葵のお世話をするため、学校終わりの制服姿のまま歩いていました。

    思えばあの向日葵は本当に私と縁があります。
    初めてあの花を見たとき、私の中に経験したことのない、けれどとても大切な夏の思い出が咲き誇ったんです。
    向日葵と、その明るさに負けないくらいの輝かしい夏の思い出。その思い出の全てに星崎さんという特別がいたこと。

    今までモノクロの世界で生きてきた心地さえしていたのですが、その思い出は私の世界を鮮やかに彩り、素晴らしい高揚感と、喪失感を与えてくれました。
    そう、この明るい世界で、星崎さんが隣にいなかったから。

    それから私は未練がましく向日葵を枯らさないように生活することにしました。
    この花が枯れてしまうと、あの大切で特別な夏の思い出も褪せてしまいそうだったから。
    ……本当はそれも建前。
    もしかしたら、ここに通えばふと貴女に会えるかもしれないと思って。またあの向日葵のような笑顔を私に向けてくれると、そう信じて。

    果たして、それは真となりました。


    見間違えるはずもありません。私と同じ背丈、特徴的なショートの亜麻色の髪にかわいらしいカチューシャ。
    この時の私の高鳴りは表現しようがありません。待ち焦がれて、焼け付きそうなほどに望んだ貴女との再会を果たすことができたんですから。
    急いで駆け寄ってきた私に気づいた星崎さんは目を丸くして、微笑んで

    ……その仕草だけで、記憶の中に私がいることが感じられて、どうしようもなく幸せだったんです。
    いざ星崎さんを前にすると、言葉が詰まってしまいました。そんな私に、あの人はやさしく声をかけてきて……

    『その……久しぶり、だね…』
    『……っ…グスッ…』
    『ごめんね…怒ってるよね……』
    『…星崎さんっ!』
    『……』
    『…おかえり、なさい…!』
    『…!……うんっ!ただいま!』

    これが映画だったなら、きっとここから私たちの物語が進むはずでした。でも現実って、どうしてあんなに無常なんでしょう……

    フリスペを交換し、翌日、浮かれ気分で日課の向日葵の世話に出かけていた私は見てしまいました。
    向日葵の前に立つ星崎さんと、その横にいる親しげな女性を。
    星崎さんは人気者ですから、お友達なのだろうかと。
    それなら邪魔をするのは悪いかと思って、彼女たちの少し近くの茂みの裏で会話を聞いていました。

    ……この時、立ち去っていればあんな想いをすることはなかったというのに。
    まぁでも……いずれ分かることではあったのかもしれませんね。


    正直、隣にいる女性の表情やしぐさを見たときから、嫌な予感はしていました。
    だってそれは、雫世界で見た星崎さんの親友たちがむけるような表情とは異なっていたのですから。
    この時点で逃げ出してしまいたかったものの、それでも関係性が気になるので私は身動きが取れなくて……そして、あの残酷な真実を知ってしまうんです。

    『わぁ~…!ホントに綺麗な向日葵…!』
    『でしょ~!私の友達がお世話してたんだよ!』
    『いいなぁ……愛央の特別かぁ…』
    『もぉ~!――さんったら…!分かってるくせに…!』
    『ふふ…その人に少し嫉妬しちゃった♪だって、私の知らない愛央をいっぱい知ってるんでしょ?』
    『うん。だけど、何回も言うように、私が恋愛的な意味で特別にしてるのは……その……――さんだから……』


    どうやって家に帰ったのかは覚えていません。
    ただ、あの瞬間、私の青く透き通った日々は終わりました。

    結局、私は星崎さんの特別になることは出来なかった。彼女の特別は、ほかにいたんです。
    あれだけ鮮やかだった世界がモノクロームに戻っていく。

    酷いじゃないですか星崎さん。私にとっての特別はあなた一人だっていうのに。
    私は結局、一等星に照らされる数多の衛星の一つでしかなかったわけです。
    貴女を照らす星は別にいて、私はそれを眺めるだけ。
    あぁ……今でも貴女が、あの人に向けていた表情を思い出すだけで動機が止まらなくなって、苦しくってたまらないんです。

    そのうち、私に向けられる光はどんどん少なくなっていって、ついには照らされなくなってしまうんでしょうか……
    それだけは嫌です…!。そんなの、だって、そしたら私は暗い宇宙に一人ぼっちの衛星になってしまうから…!。

    忘れてほしくない。星崎さんの想いを全部独り占めしたい。
    そう、淡い記憶として、いずれ忘れ去られるくらいなら、私は……

    大きな傷を星崎さんの心に残して、私を一生刻み込んであげたい。と思うようになりました。

    あの人はとてもやさしい人です。だからきっと、大事なモノや大事な人が傷つけられれば怒るし、悲しんでくれるでしょう。
    私は人間として決してあってはならない、独善的で狂気の計画を胸に秘め、その日を終えました。


    晴れ。すがすがしいほどの晴れ。ついにその日がやってきたのだと、私は小躍りしてしまいそうなほどの気持ちを抑えて目的の場所へ向かいます。

    『星崎さん、少しお願いがあるのですが』
    『どうしたの?詩さん?』
    『その、以前星崎さんと親しげにしている女性がいましたよね?』
    『うぇ!?う、詩さん見てたの!?』
    『はい…遠目にですが』
    『は、恥ずかしいな……』
    『それで…私、その人に会ってみたいんです』
    『えっ!?――さんに?』
    『はい、星崎さんの大切な人が一体どういう人なのか、気になったので』
    『おっけー!じゃあどこであおっか?』
    『それでは、———』

    あぁやってきた。この、大きな向日葵をめがけて、眩しすぎる二人が。

    「こんにちは!貴女が……」
    「はい、駒川詩と申します……実は今日あることをお願いしようと思って」
    「…?どんなことでしょう?」

    すいません。恨みはないんです。いや……本当はあるかもしれない。私から星崎さんを奪ったことの恨みが。

    カバンの中で包丁を握りしめ、一歩一歩その時はゆっくりと近づいていく。

    本当にごめんなさい……。謝罪しながら目を閉じる。これからの自分の行いを見たくなかったから。……


    さようなら


    鈍い感触が刃先から伝わる。あぁ……もう後戻りはできない。ならいっそと、怨嗟を込めて突き刺したそれをグリッ…グリッ…と回す。うめき声がかすかに聞こえた。
    ……いい気味です。私の痛みはこんなものではなかったのだから、貴女も苦しめばいい。

    そうだ、どんな酷い顔をしているか見てみよう、と瞼を開ける。そこにいたのは

    星崎さんでした。

    「…?ぇ…?」

    分からない、なぜこんなことになっているのか。私は確かに星崎さんではなく彼女の方を。
    ふと、星崎さんの後ろを見ると、呆然とした顔のーーさんが。

    つまり、これは、あぁいやだ…違う…違う違う!そんな……星崎さんは彼女をかばって…!
    呆然とする私に、息も絶え絶えな星崎さんが問いかけます。

    「…っ…ぅ…ぅたさ゛ん゛。ゲホッ……なんで…コンな……」
    「…ぇ…!ぁ…いや…いやっ! 違うんです!こんな…こんな…!」

    狼狽する私の目の前で、星崎さんに近寄る人が一人。

    「愛央!しっかりして…!愛央!」
    「ごめんね……――さん。でも、守れてよかった」

    やめてください……私の前で、そんなやり取り、しないでください。

    死の間際になっても星崎さんの想いはあの人に向けられるばかりで、急に虚しくなってその場にへたり込みました。
    結局何をしようと、特別は得られなかった。
    私を照らす星はもう消えてしまっていたんですね。なら、もうこの世に何の執着もありません。
    最後にひとつ、大事なモノを持って私も後を追うことにしました。

    「っ!貴女何を…!?」

    赤く染まった包丁を持ち直し、花壇のほうに歩いていきます。青空によく映える、立派な向日葵。
    それを刈り取ると、私も包丁を胸につきたてました。鋭い痛みを胸に感じますが、それ程でもないような気がしたのは、きっと……


    向日葵を、青春を抱いて、地球の引力にひかれるまま、深く深く落ちてゆく……
    - 名無しさん (2022-09-08 18:52:58)
  • 「雨、止まないね……」
    「そうね……」

    雨がザーザーと降りしきる中、私と陽桜莉はアパートの一室の中二人してくっついていた。
    電気もつけず薄暗い部屋の中で、空模様と同じくなんだか不安定な、そんな雰囲気の陽桜莉の頭を傷つけないようにそっとなでながら、美弦は相槌を打つ。

    ……あぁ、どうして。なぜ、また私は間違えたというのだろう。


    ————


    そのことを思い出したのは、ずいぶん前だったような気がする。
    何がきっかけだったかは覚えていない。きっと、些細なことだったのだろう。
    ただ、思い出されたことは何一つ些細なものではなかった。
    自分がかつてリフレクターだったこと、人々の想いを守っていたこと、そして……

    一番守りたかった自分の最愛の妹、その思いを守れず、殺してしまったこと。

    自分の犯した過ちの大きさと罪の意識に、半狂乱になって慟哭したことも覚えている。
    もう二度とあんな想いをさせるわけには、するわけにはいけなかった。
    だから私は、今度こそ間違えないように陽桜莉を管理することにした。あの暖かな太陽が消えてしまうなんて、耐えられないから。

    そう決意した後しばらくたったある日、確かこの日は曇りだった気がする。
    ある少女が私の所へ訪ねてきた。長い黒髪を携えた、斉木有理…といったかしら?そういう名前の少女が。

    彼女は私に見覚えのあった指輪を託そうとし、リフレクターとして活動するよう勧誘してきた。
    だけど私はその指輪を受け取ることはなかった。
    活動していたころですら想いを守り切れるか不安だったし、なによりこんな力があってなお私は妹一人救うことができなかったから。そんな力なら私はいらない。

    驚きと、それから少しの悲しみを含ませた彼女が去っていくのを見て心が痛まなかったかと言えば嘘になる。
    でもこれは陽桜莉のためなんだと割り切ることにした。

    それから私は、月ノ宮ではなく、陽桜莉を私と同じ高校に入学させることにした。
    陽桜莉をより近くで見守るためでもあったし、なにより

    『お姉ちゃん……どうして私を月ノ宮に入れたの?』

    あの時の言葉が鮮明にフラッシュバックして、怖くてたまらなかったから。

    勉強のかいもあって、陽桜莉は難なく入学できた。
    あの時の嬉しそうな顔は忘れることができない。笑顔のまま抱きついてきて

    『これでまたお姉ちゃんと一緒にいられる…!やったぁ~!』

    と、とてもうれしいことを言ってくれたから、今度こそ私は正解を選べたのだと思った。

    あの子は本当にかわいくて愛しくてしょうがない。だから、ついついお節介を焼いてしまう。それが陽桜莉の幸せだと信じて疑わずに。

    『あの……三年生が、なんの用事で私を…?』
    『貴女…陽桜莉と同じクラスなのよね?』
    『陽桜莉……もしかして……平原さんのお姉さんですか…?』
    『そうよ。私はあの子が大事なの…だから、もしあの子を傷つけるようなことがあったら私は貴女を許さないわ。』
    『ひっ…!』
    『それと……今日話したことは他言無用よ。もしばらしたらその時は……』
    『…っ!い、言いません言いません!失礼します…!』

    私は、どういうわけだか他の生徒達から敬愛されているらしく、今まではそれを何とも思うことはなかったし、なんならお姉さまお姉さまと彼女たちがあげる歓声が時には疎ましかった。
    私は陽桜莉の姉であって彼女たちのお姉さまではないのだから。
    でも、こうやって陽桜莉を守るためにこの立場が使えると分かって、私は初めてこのことに感謝した。
    こうすれば陽桜莉は学校で傷つくことはないと本気で思っていたから。

    でも、それが間違いだったと気づいたのは、もう手遅れになってから。

    『学校はどう?楽しい?』
    『うんっ!みんな優しくて、よくしてもらってるんだぁ~!』

    その言葉を鵜吞みにした私は気づけなかった。そういって去っていく陽桜莉の、陰のある表情に。


    入学して数か月たったある日、バイトから帰った時だった。いつもなら明るいはずの家はどういうわけか暗いままになっていた。まるで電球でも切れてしまっていたかのように。
    この状況にはぼんやりと既視感があった。そう、それは私の最大の過ちの……

    真っ暗な部屋が私の嫌な想像を加速させ、急いで居間の引き戸を開ける。そこに陽桜莉はいなかった。
    最悪の未来を想像し、呼吸が荒くなっていく。焦燥に駆られながら次は寝室の戸を開ける。 そこに陽桜莉はいた。ひとまず最悪の事態は避けられて安堵したのも束の間、私は見てしまう。

    陽桜莉の目元が腫れている。それに、包まるように布団の中でうずくまっている。

    泣いていた、それも一人で。
    このことを理解した瞬間、私の中に後悔と、自己嫌悪が溢れだす。
    また……また、間違えたというのだろうか。私は何をやっていたのだろうか。
    あまりにも自分が情けなくて結局私も大粒の涙を流しながら、死んだように眠ってしまった。

    次の日の早朝、夏の暑さでべたついた体をシャワーで流しているとお風呂の外から声が聞こえる。

    『ぁれ…?お姉ちゃん?珍しいね……こんな朝早くからお風呂なんて……』
    『えぇ、ちょっとね……陽桜莉?今時間あるかしら?』
    『うん…』
    『お風呂から上がったら聞きたいことがあるの』

    どうやら陽桜莉を起こしてしまったようだ。ちょうどよかったので昨日のことを問いただすことにした。
    そしてここで、私は本当に間違っていたのだということを知る。


    『陽桜莉……その……どうして、昨日泣いていたの…?』
    『お、お姉ちゃん!?まさか、見てた…の?』
    『いいえ…でも、陽桜莉に泣きはらした痕があったから……』
    『……っ大丈夫だよ!ほんと…ただ、あくびをいっぱいしちゃって』

    嘘だ。あくびじゃあんなに腫れるはずがないし、布団にくるまる必要だってないはずだ。
    この子はいつもそうだから……

    『嘘ね。陽桜莉のこと、分からないと思った?私は姉よ?』
    『お姉ちゃん……』
    『私、貴女が想いを抱え込んで苦しむところを見たくないの…お願い、話して頂戴?』
    『っ!…お姉ちゃんっ!』

    陽桜莉の目から堰を切ったように涙がこぼれだす。声を震わせながら私に訴えかけてきた。

    『私…学校が辛いのっ…!』
    『!?……そ、それはどうしてなの…?』
    『私、なんか……みんなから……グスッ…避けられてるみたいで……』
    『…!』
    『遠巻きにみんな見てたり……私が近づくとどこかへ逃げちゃうの……私、なれなれしかったのかな……ヒック…嫌われちゃったのかな…?』
    『陽桜莉……』

    なんてことをしてしまったのだろう。良かれと思ってやったことが、実際はすべて陽桜莉を苦しめていたなんて……
    倒れてしまいそうなほどの衝撃だったけど、自分の蒔いた種だから必死にこらえて、陽桜莉の話を聞き続ける。

    『お姉ちゃんは学校の人気者なのに、私がこんな感じだからお姉ちゃんにも申し訳なくて……』
    『!!』

    違う、違うの陽桜莉……

    『もう、お姉ちゃん以外私にはいなくて、でも帰ってきたら暗い部屋の中に自分しかいなくて…うぅぅ……』
    『……』
    『でも゛……こんな弱音はいたらお姉ちゃんも離れていきそうで…だから……だから……』
    『陽桜莉!』

    誰がここまで陽桜莉を追い詰めてしまったのか。分かってる、私だ。
    だから謝らなければいけない。受け止めてあげなきゃいけない。

    『もう、いい。もう…いいの……』
    『お姉ちゃん……』
    『辛かったわね…!苦しかったわね…ごめんなさい陽桜莉…!大丈夫よ……お姉ちゃんはどこにもいかないから。ずっと、一緒だから…!』
    『お姉ちゃ…うぅ…ううぅ…!うわあああああぁぁん……!』

    陽桜莉をなだめるように、抱きしめながら背中をさする。
    この時私は決めた、陽桜莉の言うことを何でも聞いてあげようと、どんなお願いもかなえてあげようと。
    それが私の犯した罪の償いだと思ったから。でも…結局その判断も……

    そういえば、この日からずっと雨だった。


    『それじゃあ行ってくるわね』
    『うん、行ってらっしゃい!お姉ちゃん……』
    『……心配?』
    『うん……』
    『なるべく早く帰ってくるから……』
    『うん…待ってるからね…お姉ちゃん……』
    『いつか学校、いけるといいわね』
    『……』

    あれから数日たち、陽桜莉は元気を取り戻した。その代わり……不登校になってしまった。
    いつかまた元気に登校する陽桜莉を見るためにも、生活のためにお金がたくさん必要だったからバイトをより増やすことに。
    もしこの時、しっかり陽桜莉と話すことができてたなら……

    『ただいま……陽桜莉?』

    すこし残業をしたバイトから家に帰ると、明かりは点いたままだったが、声が聞こえてこない。
    どうしたのかと思い、扉を開ける。そこで見たものは

    何より大切な最愛の妹が、真っ赤な血を腕から流している光景だった。

    脳が一瞬理解を拒んだ。認めたくはなかった。どうして陽桜莉がこんなことをしているのか。この閉鎖した世界で、元凶の心当たりなんて痛いほどよくあったけれど。

    『陽桜莉!?なにしてるの!陽桜莉!!』
    『おねぇちゃん……』
    『どうして……』
    『やっぱり、辛いよ…お姉ちゃんがいないのは……』
    『ひっ…陽桜莉…』
    『胸がきゅう~…って締め付けられて、痛くてたまらないんだぁ……痛くて痛くて痛くて頭おかしくなっちゃいそうだから、別の所が痛くなれば、少しは紛らわせるかなって…』
    『なんてことを……あぁ…陽桜莉……』

    そうだ、学校が悪いんじゃない。なんで気づけなかったのだろう。陽桜莉はずっと、『孤独』を嫌がっていたことに。

    『……ねぇお姉ちゃん、いかないでよ……一緒にいてよ……』
    『でも、陽桜莉……それじゃ…』
    『っ!お姉ちゃんが言ったんじゃん!ずっと一緒って!あれ、嘘……だったの?』
    『っ!それは…!』
    『お姉ちゃん、どっちなの……?』
    『……その、これからはバイトの時間を減らすから……』
    『そんなの全然一緒にいられない!なんにも変わってない!』
    『陽桜莉……』

    陽桜莉と、働かずにずっと一緒にいたら、きっとそのうちお金が無くなって、終わってしまう。
    でも、だからといってバイトを続けたら、陽桜莉が壊れてしまう。
    陽桜莉と一緒に破滅するか、それとも陽桜莉を切り捨てても前に進むか。
    私は……


    ————


    「――――」

    厚い雲に覆われた外を見る。閉塞感を感じるこの風景は、まるで袋小路に陥った私たちの世界みたいだ。

    あの日、私は陽桜莉と堕ちる道を選んだ。
    店長には、諸事情によりこの店では働けなくなることをあの後伝えて、それっきり。
    連絡先を全て消して、電源も切ったスマホが無造作に転がっているこの部屋は、私と陽桜莉だけのものだ。

    「――――!」

    ……ほかに、方法はなかったのだろうか。こんな選択肢を選んでいいはずがないのは分かっている。
    でも、あんなに儚くて、今にも消えてしまいそうな表情の陽桜莉を前にして、それでも切り捨てる選択肢なんて、私は選べるはずがなかった。

    「――ぇちゃん!」

    いろんなことをグルグルと考えていたからか、私の下で声をあげる陽桜莉のことに気づいてなかったようだ。

    「どうしたの……?お姉ちゃんならここにいるわよ…?」
    「よかった……呼びかけても全然お返事くれないんだもん……」
    「ごめんなさい……少し考え事があって…それで、どうしたの?陽桜莉?」
    「むー…私のこと以外考えるの禁止!」
    「その陽桜莉のことを考えていたのよ」
    「私のことを?ぇへへ♪でも!呼ばれたらしっかり返事をすること!」

    いけないいけない。目の前の陽桜莉のことを一番大事にしなきゃいけないのに。

    「そうね……ごめんね…」
    「まぁいいや……ねぇお姉ちゃん?」
    「どうしたの?」
    「……私ね、お姉ちゃんと一緒にいられて、とっても幸せだよ…」
    「陽桜莉……!」

    ほんの少しだけ、こころが晴れた。ようやく、間違えなかったと思えたから。

    「でもね、なんでかなぁ……涙が出てきちゃうんだぁ」
    「陽桜莉……」
    「うれしいのに、嬉しいはずなのに、変だよね?」
    「……いいえ、そんなことはないわ。それはきっと……前に話したでしょ?」
    「そっ…かぁ……!これが、うれし涙……!」

    そんな甘い気持ちはすぐに失われた。
    あぁ……違うの陽桜莉…きっとそれはうれし涙なんかじゃない。辛くて出た涙をごまかして、うれし涙って言ってるだけ。
    だって、本当に陽桜莉が幸せで涙を流してるんなら、そんな虚ろな表情じゃないはずだから。
    もっと、向日葵のように笑っていられるはずだから。
    桜みたいに妖しい表情で流す雫は、うれし涙なんかじゃない。

    「なんか……眠たくなってきちゃった……」
    「このまま寝ちゃおうかしら?」
    「うん……あっそうだ…!服を脱いで、抱き合って寝ようよ…!」
    「えぇ…!?」
    「もっとお姉ちゃんの体温を近くで感じたいんだぁ…」
    「で、でも……」
    「さっきお返事くれなかったから仕返し~♪」
    「まったくもう……」

    もとより陽桜莉のお願いは何でも聞いてあげるつもりだったけど、今回のには少し驚いた。
    薄暗い部屋の中で、素早く陽桜莉は服を脱ぎ捨て、下着と、一切の穢れのない白い肢体に、少し桜色に色づいた顔で私を待っている。
    ……気づかないうちに、こんなに大きくなっていたのね。もしかしたら本当は私が守る必要なんてなかったのかもしれない。
    そんなことを考えながら私も一枚一枚服を脱ぎ、陽桜莉を包み込むように抱きしめながら床に転がる。

    じかに触れる陽桜莉は暖かくて、この昏く寒い部屋の中にいても安心できた。
    どんどんとこの熱で溶かされて、溶け合っていく。このまま一つになって終わりを迎えるのも、それはそれでいいのかもしれない。
    でも……私は陽桜莉に生きていてほしいから。

    腕の中ですうすうと小さな寝息を立てる彼女が寝静まったのを確認すると、私は食事を作るためにキッチンへ向かおうとした。
    何もかもを忘れてずっと隣にいたからもうお腹に何も入っていない。
    刹那、私の背中に痛みが走った。

    「……っ!」
    「むにゃ……いかないで…お母さん…お姉ちゃん……」
    「大丈夫よ…私はここにいるから……安心して…」
    「……」
    「いい子ね…陽桜莉……」

    魘される妹を起こさないように優しくなだめて、私はその場を後にした。
    未だにジンジンする背中がどうなっているのか確認するために洗面台の鏡を見る。
    そこには、白い肌に、くっきりと辺の長さの違う赤いバツ印がついていた。
    よほど強い力で引っかかれたであろうその傷は、見ようによっては十字架のようでもあり、私にはお似合いのように思われた。

    ……雨はまだ降り続いている。いったい、いつ止むというのだろうか。いや、止むことなんてないのだろう。
    だって、太陽は私が奪ってしまったから。水を与えすぎて、太陽の咲き誇る花を枯らしてしまったのだから。

    彼女と心中することが罪に対する罰だというのなら受け入れることに抵抗はない。
    それでも、きっともう手遅れだとわかっていても、私はいつかまた雨雲が散って陽が出てきてくれることを願っている。この憂鬱な世界が晴れることを望んでいる。 - 名無しさん (2022-09-07 18:16:49)


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