監獄を出たヴァニラ・アイスは、南へと向かっていた。
すでに地図は確認済みだ。
地図に記された「網走監獄」の文字と周囲の地形から、ヴァニラは現在地がB-1であることを理解した。
目的の都合、他の参加者との接触を多くしたいヴァニラにとって東に進んで山に登るのは好ましいルートではない。
そうなると南にまっすぐ進むか、山を迂回しつつ北に進むかだ。
その二択ならば、市街地に続く南のルートの方が好都合。
以上が、ヴァニラがこのルートを選んだ理由である。
すでに地図は確認済みだ。
地図に記された「網走監獄」の文字と周囲の地形から、ヴァニラは現在地がB-1であることを理解した。
目的の都合、他の参加者との接触を多くしたいヴァニラにとって東に進んで山に登るのは好ましいルートではない。
そうなると南にまっすぐ進むか、山を迂回しつつ北に進むかだ。
その二択ならば、市街地に続く南のルートの方が好都合。
以上が、ヴァニラがこのルートを選んだ理由である。
「む?」
エリアの境目を跨いだあたりで、ヴァニラはあるものを発見した。
それは、巨大な円盤状の物体だった。
円盤が直接地面に接しているのではなく、脚のようなパーツがいくつも伸びて地面に突き立てられている。
海岸線に鎮座するその様は、まるで海から上陸したカブトガニのようにも見える。
それは、巨大な円盤状の物体だった。
円盤が直接地面に接しているのではなく、脚のようなパーツがいくつも伸びて地面に突き立てられている。
海岸線に鎮座するその様は、まるで海から上陸したカブトガニのようにも見える。
「あれは……建物なのか……?」
まだ距離はあるが、入り口らしきものが見える。
おそらくは中には入れるのだろう。
おそらくは中には入れるのだろう。
「普段なら、あんな怪しい建物になど入りたくはないが……。
わずかにでもDIO様がいる可能性がある以上、調べないわけにはいかん……。
行くしかあるまい!」
わずかにでもDIO様がいる可能性がある以上、調べないわけにはいかん……。
行くしかあるまい!」
走るペースをさらに上げ、ヴァニラは謎の建物へと急いだ。
◆ ◆ ◆
「ふむ……。ここは軍事施設か何かか?」
建物の中に入ったヴァニラは、その内部を見渡しながら呟く。
彼の推察は、あながち間違ってはいない。
このバトルロワイアル会場においては施設として設置されているが、これは本来侵略者の軍勢が用いる宇宙船なのだから。
彼の推察は、あながち間違ってはいない。
このバトルロワイアル会場においては施設として設置されているが、これは本来侵略者の軍勢が用いる宇宙船なのだから。
「武器の一つでもあれば、わざわざ来た甲斐があったというものだが……。見つからんな。
まあ無尽蔵に手に入るとも思っていなかったが……」
まあ無尽蔵に手に入るとも思っていなかったが……」
容易に武器が入手できたのでは、支給品の意味合いが薄くなる。
ゆえに武器の現地調達は不可能か、あるいは限られた場所でのみ可能だろうとヴァニラは考えていた。
その限られた場所がここではないかと彼は推察していたが、その読みは外れていたことになる。
だが武器の代わりに、ヴァニラはあるものを見つけた。
ゆえに武器の現地調達は不可能か、あるいは限られた場所でのみ可能だろうとヴァニラは考えていた。
その限られた場所がここではないかと彼は推察していたが、その読みは外れていたことになる。
だが武器の代わりに、ヴァニラはあるものを見つけた。
「なんだ、これは。まるでSF小説に出てくる機械だな。
この建物自体が、SFじみているのはたしかだが……。
こんなそのまんまのものが出てくるとはなあ」
この建物自体が、SFじみているのはたしかだが……。
こんなそのまんまのものが出てくるとはなあ」
それは、小さなドーム型の機械だった。
正面には扉がついており、中に入れるようだ。
そして上部にはチューブが取り付けられ、壁まで伸びている。
正面には扉がついており、中に入れるようだ。
そして上部にはチューブが取り付けられ、壁まで伸びている。
「なになに、治療装置?
この中に入れば、どんな傷でも癒やせる、だと?」
この中に入れば、どんな傷でも癒やせる、だと?」
そばに置かれていた説明書きを読んだヴァニラは、怪訝な表情を浮かべる。
吸血鬼ならともかく、人間の体がそう簡単に再生するはずがない。
どんな怪我でも直せる装置など、ヴァニラの知る人間の科学力では絶対に不可能だ。
だからといって、嘘八百と断じるのも早計だ。
すでに彼は、プリキュアという未知の力に触れている。
ならば一般社会の水準をはるかに超えた未知の科学が存在する可能性も、軽々しく否定はできない。
判断にはさらなる情報が必要と考え、ヴァニラは説明を読み進める。
吸血鬼ならともかく、人間の体がそう簡単に再生するはずがない。
どんな怪我でも直せる装置など、ヴァニラの知る人間の科学力では絶対に不可能だ。
だからといって、嘘八百と断じるのも早計だ。
すでに彼は、プリキュアという未知の力に触れている。
ならば一般社会の水準をはるかに超えた未知の科学が存在する可能性も、軽々しく否定はできない。
判断にはさらなる情報が必要と考え、ヴァニラは説明を読み進める。
「ただし回復には、怪我の重さに応じて相応の時間が必要……。
そしてこの殺し合いの最中、一度しか使用できない……。
ふむ……」
そしてこの殺し合いの最中、一度しか使用できない……。
ふむ……」
ヴァニラは考え込む。
この説明が本当だとして、装置を最大限に活かす方法はこの施設に立てこもって他の参加者を待ち構え、ダメージを受けたら装置で回復するというやり方だろう。
装置は持ち運べるようにはできていない。
別の場所で重傷を負ってからここまで戻ってこようとしても手遅れになる可能性があるし、他の参加者がすでに使ってしまっているという事態も発生しうる。
だがヴァニラの方針上、籠城戦をするわけにはいかない。
それに、治療に時間がかかるというのも問題だ。
治療が終わるまでは、完全な無防備。
装置は銃弾くらいなら跳ね返しそうだが、爆弾やバズーカでも持ってこられたら無抵抗のまま殺されてしまう。
安全に使うには守ってくれる味方が不可欠であり、少なくとも現在は単独で行動しているヴァニラには使いづらい。
となるといっそ、他の参加者に利用されないよう破壊しておくべきか。
だが、それも最悪の事態を想定すれば避けたいところだ。
彼にとって考えたくない可能性であるが、DIOが脆弱な体を与えられ、重傷を負ってしまう可能性もある。
そういった事態を考えれば、治療の手段を潰すのはためらわれる。
この説明が本当だとして、装置を最大限に活かす方法はこの施設に立てこもって他の参加者を待ち構え、ダメージを受けたら装置で回復するというやり方だろう。
装置は持ち運べるようにはできていない。
別の場所で重傷を負ってからここまで戻ってこようとしても手遅れになる可能性があるし、他の参加者がすでに使ってしまっているという事態も発生しうる。
だがヴァニラの方針上、籠城戦をするわけにはいかない。
それに、治療に時間がかかるというのも問題だ。
治療が終わるまでは、完全な無防備。
装置は銃弾くらいなら跳ね返しそうだが、爆弾やバズーカでも持ってこられたら無抵抗のまま殺されてしまう。
安全に使うには守ってくれる味方が不可欠であり、少なくとも現在は単独で行動しているヴァニラには使いづらい。
となるといっそ、他の参加者に利用されないよう破壊しておくべきか。
だが、それも最悪の事態を想定すれば避けたいところだ。
彼にとって考えたくない可能性であるが、DIOが脆弱な体を与えられ、重傷を負ってしまう可能性もある。
そういった事態を考えれば、治療の手段を潰すのはためらわれる。
「万全とは言いがたいが、放棄するには惜しい……。
なんとも中途半端な回復手段を用意しおって……。
こうやって葛藤させるのが狙いか!
くそっ、忌々しい!」
なんとも中途半端な回復手段を用意しおって……。
こうやって葛藤させるのが狙いか!
くそっ、忌々しい!」
八つ当たりで壁を殴りつけると、ヴァニラは装置を放置して部屋を出た。
◆ ◆ ◆
ヴァニラが最後に訪れたのは、巨大なモニターとコンピューターが置かれた部屋だった。
「いよいよ本格的に、SFになってきたな……。
いったい何に使うのだ、これは」
いったい何に使うのだ、これは」
ヴァニラはまだコンピューターが一般に普及していない、1980年代の人間である。
21世紀の地球すらはるかに上回る、フリーザ軍の技術を理解できるはずもない。
21世紀の地球すらはるかに上回る、フリーザ軍の技術を理解できるはずもない。
「試しに何か押してみるか……。
どうせ用途もわからん代物なのだ。
壊れたとしてもかまうものか」
どうせ用途もわからん代物なのだ。
壊れたとしてもかまうものか」
ヴァニラは、コンピューターのボタンを適当に一つ押してみる。
すると、あっさりモニターが起動した。
そこに映し出されたのは、ずらりと並んだ名前だ。
すると、あっさりモニターが起動した。
そこに映し出されたのは、ずらりと並んだ名前だ。
「フリーザ軍構成員名簿……?
フリーザという国はなかったはずだから……。個人の軍隊か?」
フリーザという国はなかったはずだから……。個人の軍隊か?」
名簿の一番上にある名前は、「フリーザ」。
それが、ヴァニラの考察を裏付ける。
それに続く名前は「ザーボン」「ドドリア」。そして……。
それが、ヴァニラの考察を裏付ける。
それに続く名前は「ザーボン」「ドドリア」。そして……。
「ギニュー?」
ヴァニラはリュックを開け、そこから名簿を取り出す。
「やはり、参加者か。DIO様と承太郎以外の名前はうろ覚えだったが……」
勘に頼ってなんとかコンピューターを操作し、ヴァニラはギニューのデータを開く。
体が他人のものになっている現状ではデータのほとんどは役に立たないだろうが、それでも有用な情報は得られるかもしれない。
スタンドとプリキュアの力がある以上負ける気はしないが、これだけ未知のものが多く存在しているのだ。
自分の思いもよらぬ、異様な能力を持っている者がいる可能性もある。
どんな些細なことでも、事前に情報を手に入れておくに越したことはない。
体が他人のものになっている現状ではデータのほとんどは役に立たないだろうが、それでも有用な情報は得られるかもしれない。
スタンドとプリキュアの力がある以上負ける気はしないが、これだけ未知のものが多く存在しているのだ。
自分の思いもよらぬ、異様な能力を持っている者がいる可能性もある。
どんな些細なことでも、事前に情報を手に入れておくに越したことはない。
「なんだ、この怪物は……」
データを開いたヴァニラの第一声が、それだった。
彼にその言葉を言わせたのは、ギニューの外見だった。
毛髪がなく、血管が浮かぶ頭部。
側頭部からは角が生えている。
おまけに、皮膚の色は紫。
とうてい、人間とは思えない姿である。
もっともかつてのDIOが生み出した屍生人(ゾンビ)の中にはギニューよりグロテスクな外見のものがゴロゴロしていたのだが、
復活後のDIOが生み出した異形といえば後頭部に女の顔がついたヌケサク程度。
ヴァニラが異形に慣れていないのも無理はない。
彼にその言葉を言わせたのは、ギニューの外見だった。
毛髪がなく、血管が浮かぶ頭部。
側頭部からは角が生えている。
おまけに、皮膚の色は紫。
とうてい、人間とは思えない姿である。
もっともかつてのDIOが生み出した屍生人(ゾンビ)の中にはギニューよりグロテスクな外見のものがゴロゴロしていたのだが、
復活後のDIOが生み出した異形といえば後頭部に女の顔がついたヌケサク程度。
ヴァニラが異形に慣れていないのも無理はない。
「こんな化物じみた体にDIO様の精神が押し込められているかもしれないと考えると、吐き気がするな……。
そうでないことを祈るしかないが……」
そうでないことを祈るしかないが……」
悪態を突きつつ、ヴァニラは情報を読み込んでいく。
「戦闘力12万、と言われてもな……。
基準がわからん……。
そもそも戦闘力は肉体依存だろうしな……。
むう、ボディーチェンジ?」
基準がわからん……。
そもそも戦闘力は肉体依存だろうしな……。
むう、ボディーチェンジ?」
得意技の欄に書かれたフレーズに、ヴァニラの目が止まる。
データには、具体的にそれがどんな技なのかは書かれていない。
だがそのフレーズは、否が応でも現在ヴァニラ達が置かれている状況とのつながりを想起させる。
データには、具体的にそれがどんな技なのかは書かれていない。
だがそのフレーズは、否が応でも現在ヴァニラ達が置かれている状況とのつながりを想起させる。
「察するに体を入れ替える能力か……?
もしやこいつがボンドルドに協力して、我々の体を入れ替えたのか?
そして何らかの使命を帯びて、自らも殺し合いに参加した……。
あるいは裏切られ、殺し合いに放り込まれたか……」
もしやこいつがボンドルドに協力して、我々の体を入れ替えたのか?
そして何らかの使命を帯びて、自らも殺し合いに参加した……。
あるいは裏切られ、殺し合いに放り込まれたか……」
ヴァニラはそう推察するが、根拠に乏しいことは彼自身にもわかっていた。
ギニューも完全な被害者であり、ボンドルドはまったく異なる方法で肉体と精神を入れ替えたという可能性も十分にある。
ゆえに、あくまで仮説の一つという位置に留めておく。
ギニューも完全な被害者であり、ボンドルドはまったく異なる方法で肉体と精神を入れ替えたという可能性も十分にある。
ゆえに、あくまで仮説の一つという位置に留めておく。
「さて、他には参加者の名前はないようだな……。
まあものはついでだ。最後に、ボスのフリーザとやらの顔を見ておいてやるか」
まあものはついでだ。最後に、ボスのフリーザとやらの顔を見ておいてやるか」
軽い気持ちで、ヴァニラはフリーザのデータを開く。
直後、その行動を後悔することになるとも知らずに。
直後、その行動を後悔することになるとも知らずに。
◆ ◆ ◆
数分後、ヴァニラは全力疾走で宇宙船から遠ざかっていた。
「認めん! 認めんぞ!
この私が、ただ顔写真を見ただけでぇぇぇぇぇ!!」
この私が、ただ顔写真を見ただけでぇぇぇぇぇ!!」
モニターに表示されたフリーザの画像を見た途端、ヴァニラは全身を悪寒が駆け抜けるのを感じた。
そして同時に、思ってしまった。
「この怪物は、DIO様に匹敵する悪のカリスマなのでは」と。
そんなもの、存在してはならないというのに。
そして同時に、思ってしまった。
「この怪物は、DIO様に匹敵する悪のカリスマなのでは」と。
そんなもの、存在してはならないというのに。
「頂点は常に一人! DIO様なのだ!
それを疑うなど、あってはならん!
DIO様! 一刻も早く、DIO様にお会いしなければ!
直接DIO様に接すれば、こんな愚かな考えなど消し飛ぶはず!
DIO様ぁぁぁぁぁ!!」
それを疑うなど、あってはならん!
DIO様! 一刻も早く、DIO様にお会いしなければ!
直接DIO様に接すれば、こんな愚かな考えなど消し飛ぶはず!
DIO様ぁぁぁぁぁ!!」
他に誰もいない海辺に、ヴァニラの絶叫が響き渡った。
【C-1 草原/黎明】
【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険】
[身体]:立神あおい@キラキラ☆プリキュアアラモード
[状態]:疲労(小)、精神的動揺、キュアジェラートに変身中
[装備]:スイーツパクト&変身アニマルスイーツ(ライオンアイス)@キラキラ☆プリキュアアラモード
[道具]:基本支給品、回転式機関砲(ガトリングガン)@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
[思考・状況]
基本方針:DIO様以外の参加者を殺す
1:DIO様の元に馳せ参じ指示を仰ぐ
2:参加者は見つけ次第殺す。但し、首輪を解除できる者については保留
3:DIO様の体を発見したらプリキュアの力を使い確保する
4:空条承太郎は確実に仕留める
[備考]
[身体]:立神あおい@キラキラ☆プリキュアアラモード
[状態]:疲労(小)、精神的動揺、キュアジェラートに変身中
[装備]:スイーツパクト&変身アニマルスイーツ(ライオンアイス)@キラキラ☆プリキュアアラモード
[道具]:基本支給品、回転式機関砲(ガトリングガン)@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
[思考・状況]
基本方針:DIO様以外の参加者を殺す
1:DIO様の元に馳せ参じ指示を仰ぐ
2:参加者は見つけ次第殺す。但し、首輪を解除できる者については保留
3:DIO様の体を発見したらプリキュアの力を使い確保する
4:空条承太郎は確実に仕留める
[備考]
- 死亡後から参戦です。
- ギニューのプロフィールを把握しました。彼が主催者と繋がっている可能性を考えています。
【フリーザの宇宙船@ドラゴンボール】
C-1に存在する施設。
フリーザ軍がナメック星侵略の際に使用した、大型宇宙船。
内部には治療カプセル(一度のみ使用可能)やフリーザ軍の主要メンバーのプロフィールが記録されたコンピューターなどがある。
戦闘ジャケットなどの武装は置かれていない模様。
なお動力部分は完全に取り外されているため、乗り物として使うことは不可能。
C-1に存在する施設。
フリーザ軍がナメック星侵略の際に使用した、大型宇宙船。
内部には治療カプセル(一度のみ使用可能)やフリーザ軍の主要メンバーのプロフィールが記録されたコンピューターなどがある。
戦闘ジャケットなどの武装は置かれていない模様。
なお動力部分は完全に取り外されているため、乗り物として使うことは不可能。
50:スニッファー | 投下順に読む | 52:逆境の中で研ぎ澄まされし爪 |
49:たとえば絶対嘘だろって話に限って実は本当だったと思いきややっぱり嘘だったていう探り合い | 時系列順に読む | 53:BLADE CHORD |
24:待っててDIO様!キュアヴァニラ爆誕!? | ヴァニラ・アイス | 66:軋む世界 |