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ANOTHER ONE BITES THE DUST

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だれでも歓迎! 編集
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ドロテアは馬鹿ではない。
錬金術師としての聡明さと老獪さを兼ね備えた狡猾な女生だ。
現在自分が劣勢に立たされているのは把握している。
察するに、北条沙都子は既に目前の集団を掌握していたのだ。
メリュジーヌが向こうについている分、移動速度はドロテアと比較にはならない。
先回りして予め悟飯を含めた味方を増やし、自身を弁護させる肚だったのだろう。


「先回りして妾たちのネガティブキャンペーンとは、精の出る事じゃな」
「事実を並べて心証が下がるなら、それは貴方方の自業自得では御座いませんか」
「ほう、襲ってきたのはそちらじゃと言うのに、悪いのは妾たちと来たか!」


カカ、とこれ見よがしに笑い、劣勢を物ともしていないかのように振舞う。
そして、真実を以てして論点をずらしにかかった。
最早協力体制を築く為に知られては不味かった事をなかった事にすることはできない。
モクバもであるが、返す返す自分も先ほどの反応は痛恨だった。
誰しも初対面の相手に殺人未遂と殺人を行った事実を即、指摘されれば狼狽するだろうが。
それでも情報源がメリュジーヌである事を後一手早く導き出せていれば。
完璧にシラを切る事ができずとも、もっと有利に誤魔化せていた筈なのだ。



(メリュジーヌが、モクバの言うような通信手段を使ったのは誤算じゃった)



見た所、目の前の沙都子は何か異能力の類を持っている様には見えない。
力も弱そうで、取っ組み合いならモクバだって勝てるだろう。
そんな彼女が、この場にはいない様子のメリュジーヌと連絡を取り合った方法。
それは即ち、ドロテアの世界にはない通信技術を用いたのだろうと推察できる。
ドロテアの世界においては、連発式の銃火器などは既に量産化されているが。
通信テクノロジーにおいては未だ文書や人づてを頼っているような世界だ。
モクバが扱う様な隔絶した軍を連携たらしめる電子通信についてはまだまだ理解が浅い。
勿論優れた錬金術師である彼女は既に仕組みを理解はしていたが。
それでも咄嗟に思い浮かぶほど“慣れた“技術とは言い難く。
自身と同じ魔術(オカルト)サイドの存在だと思っていたメリュジーヌ。
彼女がそれを用いたのは、完全に想定の範囲外から刺された形となった。
その動揺が、此方が墓穴を掘るのを待ち構えていた相手に捉えられてしまったのだ。



(兎に角、此方に都合の悪い事からはのらりくらりと話を逸らす。
凌ぎきれば、後ろの者共を言いくるめてなし崩し的に同行を了承させられる。
一旦硬直状態を作れば、後はじっくり北条沙都子のバケの皮を剥がせる筈じゃ)



兎に角、今は北条沙都子以外の者に「今はまだ結論を出すには早い」と思わせる。
孫悟飯の手前、一度少数派になれば沙都子も強硬な手段を取りにくいだろう。
そしてなし崩し的に同行する事を取り付けられれば、反撃までの時間を稼げる。
逆に言えば、悟飯を味方に付けられなければ絶体絶命だ。何故なら。



(メリュジーヌがこの場にいないとなると、沙都子は奴を自由に影で動かせる私兵。
そう扱っているのが見て取れる。それだけに今ここで悟飯たちを説得できなければ……)



沙都子はメリュジーヌに追放した自分達が向かった方角を伝え、きっと追撃を促す。
キウルを殺され、もう役に立つ支給品も持ち合わせていない。
そんなドロテア達が再び近辺に潜んでいるメリュジーヌに追撃を受ければ、次は無い。
二人纏めて殺される以外の未来は皆無だ。そのため動向を拒否されるだけで致命的。
メリュジーヌが日番谷との戦いで負傷した事を知らないドロテアは、そう考えてしまった。
それだけに信用はされずとも、せめて同行の許可を取り付けられる様立ち回ろうとする。




「メ、メリュジーヌさんが、ドロテア達を襲っただって………?」
「どういう事や、沙都子!?」



そして、ここまでで抱いた所感で言えば、勝ち目は十分ある様に思えた。
沙都子と悟飯以外のこの集団は、一枚岩ではない。
ドロテアを排除しようという意志すら弱い、言わば烏合の衆である。
沙都子さえやり込められれば、ディオやモクバ、キウルの様に掌握するのは容易い。
事実、ちょっと揺さぶりを掛けただけで二つの声が沙都子に強い語気で問いかける。
声の方に意識を向ければ、眼鏡の少年とぬいぐるみの様な獣が沙都子を見つめていた。
その瞳には困惑と疑心の色が宿っている。否、そんな瞳をしているのは彼らだけではない。
この場にいる殆どの者が、大なり小なり困惑と疑心の情を瞳に孕ませていた。



(いずれ殺し合いを煽る為に疑心暗鬼を促していたのじゃろうが……裏目に出たな)



自分の弁護をさせるためにこの集団に潜り込み懐柔していたのだろうが。
“切り時”が来れば殺し合いへと誘導できるよう、疑心暗鬼の空気を作っていたのだろう
だがそれは沙都子自身にすら疑いの視線を向ける、諸刃の剣となってしまった。
ほくそ笑みながら想像を巡らせ、冷や汗を掻いているであろう敵の顔を拝もうとする。
だが、ドロテアの想像に反し、当の沙都子は。



「───メリュジーヌさんが言った通りでしたわね」



全く動揺した様子を見せず、腕を組んだ冷ややかな態度を保って。
淀みなく反論の言葉を紡いでいた。実に、堂々とした様だった。
敵であるドロテアすら思わず大した役者だと、感心してしまいそうになるほどに。



「忘れましたか、皆さん。メリュジーヌさんが言っていたでしょう?
この方々は悪事を暴かれれば、きっと此方に罪を擦り付けにかかる、と」
「…………そ、そうだ……そうですよ、騙されちゃいけないッ!!」



創り上げられた真実に、悟飯が同調する声が響く。
沙都子は、予め襲ってきたのはメリュジーヌであるという反論を読んでいた。
そのためワザと通信手段のイヤリングの音量を最大にし、スピーカーとした上で。
ドロテア達が来るタイミングを計って、メリュジーヌに通信する様に促したのだ。
さっき自分を襲った、危険な相手が此方に向かっている、と。



────マーダーではないと言うから油断していた所を襲われて……
────相手の片腕を折って何とか逃げ出したけど、其方とまだ合流は出来そうにない。
────あと、沙都子の事も話してしまったから、気を付けてくれ。
────もし向こうが疑いの目を向けられれば、恨みを抱いた僕か君に……
────多分、非を擦り付けようとして来るはずだ。



それが、ドロテア達が海馬コーポレーションの付近に現れる五分前に入った報告。
淡々とした報告は、事務的であるがゆえにリアリティを伴って一同に届いた。
美柑や紗寿叶などはそれを聞いて早々、今すぐ逃げる事を提案したが。
此方は人数が多く目立つ上、足の遅いのび太を連れているから今から出ても間に合わない。
カオスがその目算を口にした事で、こうして対峙する羽目になったのだ。
その事を思い出し、一同の警戒は再びドロテア達に向かう。




「違う!!そいつの言ってる事はデタラメだ!ドロテアの言う通り────!」
「モクバの言う通りじゃ。そやつらは予め話を示し合わせて妾達を陥れようとしている」

「その言葉、そっくりそのまま其方に返しますわ」



二人の反論にも冷淡な態度を揺らがせる事無く、沙都子の視線はモクバに向けられ。
それを見た瞬間不味い、とドロテアは思った。
だが彼女が動くよりも早く、沙都子の追及がモクバへと向けて放たれる。



「本当に私たちの言葉がでたらめだと言えますか?本当に?」
「あ、当たり前────」
「貴方方が盾にして見捨てた、キウルさんにも誓えますか?」
「………っ!それ、は………」



───クソ、この女最悪じゃ。此方が突いて欲しくない所を容赦なく突いてくる。
思わず心中でドロテアは吐き捨てた。
ついさっき、指摘を受けた時のモクバの反応を、沙都子は見逃していなかったのだ。
だから彼の理屈ではなく、感情的に否定しがたい部分を狙い撃ちしてきたのだろう。
結果は見事功を奏した。放送で聞かされたキウルの名前を想起したのだろう。
モクバは再び言葉に詰まり、馬脚を現した様な状況になってしまう。
初手の失敗が、何処までも尾を引いていた。



「………決まりですわね。私たちは、貴方を信用できません」
「さ、沙都子ちゃん…でも、どうするの?」
「どうもしませんわ。二人に危害を加えるつもりは最初からありません。
────ただ此方も色々大変な以上、同行はできません。お引き取り願うだけですわ」



同行者の子供達を安心させるように優しく、けれど有無を言わせない力強さと共に。
一同には見えない様に微笑を浮かべ、瞳を煌めかせながら。
敵対者たちに北条沙都子は告げる。お前何て仲間に入れてやらない、と。
排除しにかからないだけ、一見穏当な選択肢に思える言葉だった。
強硬な手段を懸念し、声をかけたのび太も複雑ながら僅かに安堵する様な表情を見せる。
だが、ドロテア達にとってそれは執行人メリュジーヌに依る死刑宣告。
ドロテアだけでなく、モクバもそれを理解していたからこそ………



「─────ふざけんな」



少年は、魔女に憤りを現し。
崩壊に向けて、魔女裁判は加速する。





△▼△▼△▼△▼△▼△▼




沙都子の言葉を聞いて、キウルの事を思い出しちまった。
確かに俺達は彼奴を見捨てた。だから、否定できなかった。
俺達を生かすために命を賭けてくれた彼奴を直ぐに裏切れる程、屑になれなかった。
でも、だからってお前だけには言われたくないんだよ、北条沙都子………!
キウルが死ぬことになった原因の、張本人のお前だけには………!



『どうもしませんわ。二人に危害を加えるつもりは最初からありません。
────ただ此方も色々大変な以上、同行はできません。お引き取り願うだけですわ』



許せなかった。キウルの奴を殺しておいて。皆を騙しておいて。
それでいて自分がさも人格者みたいに振舞うこの女が。
確かに俺はキウルを見捨てたのかもしれないけど。
そもそもこの女とメリュジーヌがいなければ、キウルは死ななかったんじゃないか。
それを抜きにしてもこいつは有馬かなって子も殺してるらしい。
全部お前が悪いんじゃないか。それなのに、どの面下げて偉そうに俺達を詰ってるんだ。



「────ふざけんな」



ぎゅっと握りこぶしを作って、腹の底から声を絞り出す。
怒りに突き動かされて、ほとんど無意識だった。
ほとんど無意識のままに、ふざけるなって俺は口にしていた。
あぁだけど、構うもんか。ドロテア以下のこんな女。
カツオには悪いけど、この女だけは許しちゃいけないんだ。
それに言われっぱなしは性に合わない。兄サマだってそうだ。
お前はキウルの事を引き合いに出してやりこめたつもりかもしれないけど。
こっちだって、お前が他の奴に知られたら困る事を知ってるんだからな。
反撃、してやる……ッ!!



「皆、聞いてくれ!」



お前の親友だって言う古手梨花に教えて貰ったことだぜ。
北条沙都子、お前が雛見沢症候群何てロクでもない病気をバラ撒いた事があるって。
あの時は皆急いでたから、疑心暗鬼を起こす寄生虫って事くらいしか聞けなかったけど。
それでもお前がその病気を利用したって事は聞いた。
俺達はこれから追い出されるのかもしれないけど、沙都子の周りにいる奴の為に。
こいつは危ない奴だって、信じちゃいけない奴だって事は暴露してやる。



「この女の親友──古手梨花から聞いた事だ」



話ながら、俺は沙都子を指さす。
釣られる様に、周りの連中も沙都子を見た。
不安そうに、信じていいのかって目で沙都子を見てる。
沙都子のやった事と関係ない、そいつらの信頼をぶち壊すのは後ろめたかった。
けど、それでも、この女を信じたら危ないんだ。
それだけは、伝えておかないといけない………!




「この女は雛見沢症候群って、寄生虫でかかった奴を疑心暗鬼にする病気を……
故郷でばら撒いた危険な奴なんだよ!俺達が信用できないならそれでいい、
でも…この女を信じてたら危ないんだ。それだけは覚えていてくれ!!」


怒りのままに、俺は北条沙都子の一番明かされたくないと思う事を暴露した。
元々疑われてるし、今信じて貰えるとは思っていない。
でも、きっといつか沙都子も何かをしくじって、尻尾を見せる時が来る。
その時に俺の告発は意味を持つはずだ。
キウルを殺し、キウルの死を、俺とドロテアを追い詰めるために利用したこの女を。
沙都子に疑いを持った奴が結束するための一助になってくれれば、それでよかった。
その一心で皆に伝えた。でも………



(────あ、あれ?)



伝える前の想像では、きっと信じて貰えないと思っていた。
馬鹿な事を言うなって言われるだろうと予想していた。
だって、古手梨花から話を聞いた俺でさえ信じていいのか迷う話だったから。
でも、実際に伝えた時の反応はそんな俺の予想とは違っていて。
───皆動揺していた。けど、それは信じられない話を聞かされた時の動揺じゃない。



「き、寄生虫、って……」
「それって、シュライバーって人が言ってた………」



まるで皆、心当たりがあるような反応をしている。
話自体は半信半疑みたいだけど、でもそもそもが信じられないような話だ。
それを半分信じているだけで、俺達に出会うまでに沙都子に何かあったのは明白。
沙都子の態度は暴露されても変わっていなかったけど。周りの目は違う。
今周りの奴らの沙都子を見る目はさっきまでとハッキリ違っていた。



(これなら、もしかして…………)



この女に、勝てるかもしれない。
今、この場にメリュジーヌはいないんだ。
この場にいる全員を味方につけて、沙都子を拘束する事ができるかも…
その事に気づいた時、ごくりと喉が鳴った。
実際いけるかどうかは分からない。でも、いけるとしたら今だ。
有馬かなやキウルの無念を晴らせるとしたら、今しかない。
真実を明らかにして、圧倒的に不利な状況から皆の結束の力で乗り越える。
あぁ、それはまるで─────



(遊戯や、城之内みたいじゃないか)



ドクンと胸が高鳴った。俺は決闘者(デュエリスト)じゃないから。
多分兄サマや遊戯、城之内がデュエルで勝利を予感した時、こんな感覚になるんだろうか。
ぎゅっとポケットの中のブルーアイズを握り締める。
静かに、だけど確かに高揚していた、勝ちへの光明が見えて。
けど、だからこそ俺はその時、気づけなかった、耳に入らなかった。






「─────────────────────────────────、あ?」




微かに漏れていた、最初で最後の、その結末へ進む兆しを。




△▼△▼△▼△▼△▼△▼




「────ふざけんな」



モクバが憤った事を察した時、妾は焦った。
甘いこ奴がキウルの死を利用されれば無理もない。
じゃが、怒りを露わに糾弾した所で、追い詰める事は出来ん。
最悪の場合、孫悟飯がいよいよ激昂して妾達を排除しにかかってくるやもしれぬ。


(じゃが……このままでは現状妾達の打つ手が無いのも事実)


止めた所で、このままでは旗色が悪いのは確か。
妾達は最早簡単には覆せぬ程疑われている。ここから無罪を勝ち取ることは難しい。
話を逸らす事も詭弁を弄する事も、沙都子は許さんじゃろう。
ここまで敵意と不信を煽られた以上、有耶無耶にする位では待っている判決は同行拒否。
それはつまり、まず間違いなくメリュジーヌに追撃される未来、死を意味する。



「皆、聞いてくれ!」
(この状況をひっくり返せるかもしれん情報は古手梨花から聞いてはいる。しかし……)



上手く行けば奴の信頼の根幹を揺るがせる情報であるのは間違いない。
じゃが、馬鹿正直に伝えた所で信じて貰えるとは思えん。
荒唐無稽に過ぎるし、目に見えない病気である以上証明するのは難しい。
果たしてここで切ってよい情報(カード)な物か……



「この女の親友──古手梨花から聞いた事だ」
(しかし…今まさに沙都子は結論を出そうとしていた。今しかない、か)



本来ならばもっと信じさせるための論理(ロジック)を組み立ててから暴露したかったが。
こうなれば仕方がない。モクバの弁論に賭ける他は無い。
それに、今更口をふさいだところで手遅れじゃ。
暴露した後、乏しい情報で何とかフォローできるように準備をするしかあるまい。



「この女は雛見沢症候群って、寄生虫でかかった奴を疑心暗鬼にする病気を……
故郷でばら撒いた危険な奴なんだよ!俺達が信用できないならそれでいい、
でも…この女を信じてたら危ないんだ。それだけは覚えていてくれ!!」



そして、モクバは北条沙都子の危険性を暴露した。
奇をてらわぬ直球の告発。
選択肢が無いとはいえ、他にもっと説得力のある言い方は無かったのかと考えてしまう。
じゃが、今更詮無い話。今はこの暴露からどうやって揺さぶりを掛けるか───




「き、寄生虫、って……」
「それって、シュライバーって人が言ってた………」



そう考えていた折のこと。
妾にとって嬉しい誤算が発生した。
想定よりも遥かに、モクバが暴露した情報は沙都子達に混乱を与えた様子じゃった。
証明できぬ病気の話であるのにも関わらず、何か強烈な心当たりがあるような。
特に悟飯の動揺は一際激しく。
どうやら、ラッキーパンチがクリーンヒットしたようじゃな。



(───どうやら、運に見放された様じゃのう。北条沙都子)



思わぬ形勢の好転に、内心で嘲笑が漏れた。
もう一度沙都子の背後を確認してみる。
するとどいつもこいつも、動揺から今まさに不信へと変わりそうな顔をしておった。
ここまで簡単に沙都子への信頼が揺らぐなら、同行するよう丸め込めるのはほぼ確定。
いや、それに止まらず、奴らを味方につける事も不可能ではない。
モクバや他の連中の手前殺すのは許されんじゃろうが、拘束は可能になるかもしれん。
そうなれば後々逃げられる前に、永沢と同じくどさくさに紛れて始末してしまえばよい。
妾のドミノ獲得の礎になって貰うとしよう。



(先回りしてここまで根回しをした手腕は中々の兵(ツワモノ)じゃったが…)



肝心な所でモクバの怒りを買い、奴の青臭い正義感に負ける事になるとは。
策士策に溺れるとはこの事。とは言え古手梨花から情報で敗れるなら本望じゃろう。
どれ、奴の焦燥に満ちた顔を拝んでやるとするか。
その考えの元、妾は沙都子の顔へ嬲るような視線を向ける。



───────なに?



少なくとも妾達と同じ地平、同程度の窮地に墜ちたにも関わらず。
沙都子の表情は、貼り付けた様な無表情じゃった。
全く感情を伺わせぬ瞳で、此方を見つめ返してくる。
様子を伺っているのは妾の筈なのに、まるで沙都子が此方を観察している様じゃった。
思わず、沙都子の方に意識を集中させてしまう。
その瞬間、背後の者からは見えぬ様に、沙都子の表情が変わった。
瞳を紅く煌めかせ、ニィ……と。微かに、だが確かに笑みを浮かべた。
今この状況は奴も追い詰められている。それは間違いない。
笑みの中に焦燥と緊張があるのもまた、確信できる事実。
では───何故奴は今笑みを浮かべた?単なる強がりか?
妾の目から見ても、沙都子の態度は不気味その物、だからこそ。
錬金術師のサガで笑みの正体が何なのか、暴こうとしてしまう。
沙都子に意識が吸い寄せられてしまう。だから気づかなかった。見逃し、聞き逃した。




「─────────────────────────────────、あ?」




勝利の二文字の前に仕掛けられた、仕掛けられた罠を。





△▼△▼△▼△▼△▼△▼



魔女裁判は加速する。

疑心暗鬼を引き起こす寄生虫を媒介とした病。
それは、北条沙都子を取り巻く全員が聞き及んでいる災いだった。
マーダーである筈のウォルフガング・シュライバーが、懇切丁寧に教えてくれたことだ。
一目で分かる狂人だが、吐く言葉には不思議な説得力のある殺人者であり。
素直なイリヤら参加者たちは彼の言葉を鵜呑みにしていたばかりだ。
当然、沙都子がその病気を利用したなど聞いて黙っていられる筈も無い。
最初に食って掛かったのはクロウカードの守護獣、ケロベロスだった。



「沙都子!どういう事なんや!あいつらの言ってる事はホンマなんか!?」
「そ、そうよ……何とか言いなさい!」



ケロベロスの詰問に、紗寿叶が続く。
先ほどしぶしぶ沙都子の下した決定に同調した者達が、疑念の言葉を吐き出す。
彼等の沙都子を見る目は、既に仲間ではなく、容疑者を見る瞳だった。
真っすぐに前を向いている沙都子の表情は伺えない。だが、焦っている様子は無く。
一同が固唾を飲んで反応窺うなか、静かな怒りを滲ませた少女の声が響く。



「全く、流石に許せませんわね────」



沙都子は腕を組み、ケロベロスたちの方へと振り返る。
さっきまで笑っていたとはとても思えない。迫力を醸す表情をしていた。
ビクッと紗寿叶が怯み、追及の言葉に詰まったタイミングで彼女は語り出す。



「亡くなったのを良いことに、私の親友を利用しようだなんて」



その言葉を聞いたモクバとケロベロスが「なにっ」と声をあげるのも気にせず。
沙都子はハッキリと「梨花からそのような話は聞いた事が無い」と述べた。
死人に口なし。自分と親友の梨花の存在を利用し、彼等は罪を擦りつけようとしている。
それが沙都子の主張だった。それを聞いて、勿論ドロテアが黙っている筈も無い。



「ほう、では何故悟飯たちは動揺しておる。
何か心当たりがある証拠ではないか。例えば…お主が毒を盛った心当たりとかなぁ?」



その通りだ。
シュライバーが雛見沢症候群の事を悟飯たちに暴露したからこそ。
怪しいドロテア達の言う事を、彼らは嘘だと切って捨てる事ができない。
彼女達が述べた病気の概要が、シュライバーの言っていた毒の症状と合致していたから。
だからこそ、ついさっきまで仲間であったはずの沙都子の事を疑いの目で見てしまう。



「……そうや、沙都子。あいつらが言ってるヒナミサワ症候群ってのと……
シュライバーが言ってた悟飯に盛られた毒の症状は同じや。これはどういう事なんや」
「何じゃと?」




ケロベロスのその言葉に、ドロテアに俄かに衝撃が走る。
孫悟飯が、雛見沢症候群になっているかもしれない?それは、不味いのではないか?
そう懸念する物の、先ずはこの場を制する事が最優先。
彼が疑心暗鬼になっているのなら、上手く事を運べばそのまま沙都子を制圧できる。
錬金術師の思惑など知る由もなく、沙都子に厳しい追及を行うケロベロス。
だが、沙都子は僅かに煩わしそうにするだけだった。



「私には雛見沢症候群なんて病気には覚えが一切ありません。
実際シュライバーに話を聞かされた時、驚いていたでしょう?」



沙都子に尋ねられて、一同は朧げな記憶を辿る。
あの時の沙都子はよく覚えていないが、確かにシュライバーの言葉に驚いていた様な…
各々の思考がそこへ行きついたのと殆ど同時に、ドロテアが反論を行う。



「白々しい。大方、雛見沢症候群という病気の存在に驚いたのではなく、
それを利用……毒か何か盛ったことを看破された事に驚いていたんじゃろう」



ドロテアのその指摘は、まさに真実を見抜いていた。
だが、その反論を受けた上で沙都子は肩を竦めて、ドロテアに問いかける。



「ではドロテアさん。何か私がその雛見沢症候群とやらを利用した証拠でもありますの?」
「…証拠はない、じゃが妾達と一緒に梨花から話を聞いていた一姫とガッシュの奴がいる
それに沙都子、貴様の組んでいるメリュジーヌに襲われたというディオもじゃのう」
「たった三人だけ?それなら私もエリスさん…それに貴方が襲った写影さんと桃華さん。
それにここにいる皆さんが証人になってくれますわ。そんな事はやっていないと。
貴方の言う三人だけでは、口裏を合わせていないと証明できますの?」



痛い所を突かれた。
ギリ、と沙都子の言葉にドロテアは歯ぎしりを禁じ得ない。
そう、沙都子がそんな病気を利用したという物的証拠は何もないのだ。
となるとドロテア達と同じく梨花から話を聞いた中で今も生きている一姫とガッシュ、
そしてメリュジーヌに襲われたディオを証人として話をさせる他ない。
しかしその三人の内誰もが此処にはいないし、現在位置も良く分かっていない。
つまり早急な合流は困難であり、今この場で沙都子の凶行の証人とするのは不可能だ。
だが、ドロテアは諦めず指摘を続ける。



「そいつらはむしろ、お主の事を疑っておる様子じゃがのう」
「では、聞いてみましょう───美柑さん!ケロベロスさん!
貴方が今迄私と一緒に居た中で怪しい事はしていましたか?」



指摘を待っていたかの様に沙都子は背後に向き直り、声を張り上げながら問う。
最も自分を疑っていた守護獣と、一番古い付き合いの少女に。
これまで一緒に居た中で、自分は怪しい動きをしていたかと。
その言葉にびくっとケロベロスと美柑は身構え、そして再び記憶を辿る。



「………いや。わいの見た範囲では何も」



ケロベロスの知っている範囲では、沙都子はむしろ最も悟飯に献身的だった。
悟飯の事を考え、助けようとしていた。シュライバーとだって一緒に戦った。
魔術的な視点で言っても、怪しい事をしていたかと問われれば覚えがない。
ついでに言えば、悟飯がいつからおかしくなったのかすら、彼には良く分からない。
だから、そう答える他なかった。
そして、彼がそう答えた事で必然的に美柑に視線が集まる。




(………え、これもしかして。私の返事次第で沙都子さんがどうなるか決まるの?)



集まった視線によって、美柑の脳裏に予感が走る。
もしかして自分の返答次第で、沙都子の処遇が決まるのか?と。
ここで沙都子が怪しい事をしていたと言えば、彼女はどうなるのだろうか。
彼女が毒を盛ったと思ったら、悟飯君はどう動くのだろうか。
もしかしたら、自分の証言のせいで沙都子が死ぬことになるかもしれないのか?



(────そんなの、直視できない)



急に背筋に冷たい氷水を流し込まれたようだった。
集まる視線に、バクバクと鼓動が高鳴る。
思わず兄であるリトと親友のヤミに助けを求めたくなる。
でも、彼らがやって来る様子は無い。逃げる事もできない。
だから美柑は視線をせわしなくさ迷わせ、必死に半日前の記憶を掘り起こす。



(もし、毒を盛ったとしたら、初めて出会った時のレモンティーに………)



彼女が毒を盛ったとしたら、あのタイミングしかない。
けど、悟飯が周りを見ずに暴走したのはシュライバーと会った時からだ。
加えて自分も沙都子自身も紅茶に手を付けていたが、何ともなっていない。
それに何より─────



────怖かったですわね。大丈夫、大丈夫ですわ。美柑さん。
────こんな状況ですもの、助けあわないと。



結城美柑にとって、北条沙都子は恩人だった。
恐慌の只中に合った自分を落ち着かせてくれた、優しい人だった。
そんな人を、確たる証拠も無いのに犯人と疑えるはずも無かった。
宇宙にその名を馳せる殺し屋とも仲良くなれる、心優しい美柑だからこそ。



「────ううん、私から見ても…沙都子さんに変な所は無かったと思う」



そう答えてしまうのは、必然だったのかもしれない。
そして彼女のこの返答を以て、大勢はほぼ決した。
後のメンバーは沙都子とあまり深く絡んでいない。
イリヤも紗寿叶ものび太も、放送前に顔を合わせたばかりで説得力のある証言は望めない。



「────いかがですかドロテアさん。貴方達のかき回す様な発言が無ければ…
私とこれまで一緒にいた方達は、怪しい所なんて無かったと証言してくれましたが」
「ふん、どうだか。結局お主が尋ねたのは二人だけで、妾と変わらんではないか」



忌々し気に反論するドロテアだったが、語気は先ほどに比べれば精彩を欠いており。
睨むように美柑以外の者達に視線を向けていくが、反応は悪い。
それは全員が、出会った時から沙都子に怪しい場面はなかったと言っている様なもので。
このままでは不味い。雛見沢症候群というドロテア達の切り札が殺されようとしている。
今ここで有耶無耶にされれば、まず間違いなくこの論戦は敗れるだろう。
そうなる前に、別アプローチでの追及を試みる。
ふぅと息を一つ吐いてから大仰に手を広げて、ドロテアは周囲に訴えた。




「───さっきからお主ら、おかしいと思わんか?」



全員に届く様に力強く、演説の様に。
ドロテアは沙都子を指さし、年頃の少女としては明らかに不自然な点の指摘を行う。
証拠がない以上、ここから論理的に沙都子を追い詰めるのは難しい。
ならば、感覚的におかしい点をあげつらい疑いの目を向けさせる。



「こ奴は雛見沢症候群の事は全く知らないと言った。それなら明らかにおかしいじゃろう。
もしお主らが知らぬ病気で殺人者の容疑を掛けられれば、こんな平然としていられるか?」



理屈の伴わない、感覚的な違和感に対する指摘。
それ故に聞く者に理屈から目を逸らさせ、全員が大なり小なり考えた、確かにと。
ドロテア達と出会い、魔女裁判が始まってからと言うもの。
沙都子の態度は冷静に過ぎるように思える。
身に覚えのない病気で殺人者の容疑を掛けられたのなら、もっと動揺していいはずだ。
ここまで落ち着き払っていると、その態度を裏付ける何かがあるのでは。
そんな疑心が、脳裏を過ってしまう。


「け、けど……いくらなんでもそれは言いがかりじゃ………」


ここでイリヤが初めて口を挟んだ。
自分は沙都子の事は良く知らない。だから彼女が本当に対主催なのかは自信が無い。
けど、もし対主催であるなら──落ち着いて話しているだけで疑われるなんて。
それは幾ら何でもあんまりじゃないかという考えが、思わず口から出たのだ。



「確かにそうじゃな。妾もこれでお主らを説得できるとは考えておらん。
じゃが、さっきのモクバが話した事と合わせて、引っかかる物があるのも確かじゃろう?
当然、妾達にも信じられない部分があるのは分かっておる、だから────」



一旦暫しの間同行し、妾達と北条沙都子を見張ると言うのはどうじゃ?
そうドロテアは告げようとしていた。
最早気を急いた所で、今ここで沙都子がクロであると信じさせるのは困難。
であれば当初の予定通り、此方にも怪しいと感じる所がある事を認めた上で。
お互いを監視するという名目で、なし崩し的に同行と言う流れに誘導を行う。
暫くすればディオや一姫、それに彼らが危険性を説いた参加者と出会えるはずだ。
それらの参加者で勢力を拡大し、北条沙都子の化けの皮を剥がし叩き潰す。
この提案さえ通れば、計画通り事を進める事ができる─────ハズ、だった。





「沙都子おねぇちゃんは、そんなことしないもん!!!!!!」




天使の少女の叫びが、響き渡らなければ。






△▼△▼△▼△▼△▼△▼




沙都子の腰にしがみつき、あどけない顔立ちにありったけの怒りを込めて。
この場で最も幼く見える天使の少女は、嘆きと共に周囲に訴えた。



「なんでみんな、沙都子おねぇちゃんをそんな目で見るの?
沙都子おねぇちゃん、皆のためにがんばってるだけなのに!」
「カ、カオスちゃん……」



眼鏡の少年にカオスと呼ばれたその少女の大声を聞いた瞬間。
ドロテアの脳裏に不味い、という言葉が駆け巡る。
今すぐ何か言葉を述べなければ、この少女を黙らせなければ。
この後来る話を、此処にいる者達に聞かせてはいけないと。
しかし彼女が何か言葉を発するよりも、カオスが“真実”を口にする方が早かった。



「おねぇちゃんたち、ほんとに分からないの?
沙都子おねぇちゃんがみんなにうたがわれてもてもずっと優しいのは………
悟飯おにいちゃんのために決まってるのに!!!」



その言葉に、ドロテアとモクバを除く全員に衝撃が走る。
そうだ、沙都子はいつも病魔に侵された悟飯の事を気にかけていた。
もし感情を露わにして、彼女がドロテアと言い争っていれば。
ただでさえ不安定な悟飯の病状に、どんな影響を及ぼすだろうか。
もし、沙都子が悟飯を気遣って冷静であるように努めていたのだとしたら…
その可能性に思い至り、子供たちは言葉を失うが、その十秒ほど後。



「カ…カオスちゃんの言う通りだよ。
ぼ……僕も!!僕もそう思う!!沙都子ちゃんを僕は信じるよ!!」
「のび太さん……」



カオスの訴えを聞いて、最初に同調の姿勢を見せたのはのび太だった。
彼らはこれまでの冒険を、疑う事ではなく、信じる事で乗り越えてきた強者だから。
のび太の宣言を聞いた者達も、言葉にしないまでもその表情は彼と同じ。
このままでは全員がそう時間を掛けず、彼と同じ結論に至るだろう。



(やられた……ッ!!)



ドロテアは周囲の反応を目にして、己の策が裏目に出たことを理解した。
根拠や理論のない感情的な視点から、半ば揚げ足を取るペテンで打開しようとした所に。
よりによって理論だった反証を、最も幼く見える少女に成されてしまった。
ドロテアとモクバは今、悟飯がどのような状態であるのかほとんど知らない。
だが、周囲の反応を見るに今に至るまでに色々トラブルがあったことは明らかだ。
そんな折に、「仲間への気遣い」というもっともらしく健気に見える理由を提示されれば。
たとえ北条沙都子の内心がどんな物であっても────



「いいんですのよ、カオスさん。イリヤさん達が私を疑うのも無理はありません
ここはドロテアさん達の言う通り────」
「いや!!あのドロテアっておねぇちゃんとモクバっておにいちゃん嫌い!!
皆にウソついて、沙都子おねぇちゃんを悪い子にしようとしてるもん!!」





────こ、のクソガキがァ………ッ!!!
ドロテアはカオスを今すぐ引き倒し、此方を睨みつけてくる目玉を抉ってやりたくなった。
衝動的にそう思うほど、カオスが声をあげてから状況は悪化の一途を見せている。
周囲の様子をうかがってみれば、一旦は沙都子に向けられていた疑心の目が。
今は、再び自分たちに向けられつつあった。最悪だ。
最低の空気の中で動向を申し出たところで、了承されることはないだろう。
今すぐこのクソガキを黙らせたい。だが、そんな事をすれば此方の敗北が確定する。
モクバの告発により途中まで有利に進んでいた状況が、完全にひっくり返されてしまった。



(落ち着け、妾は所詮ガキの北条沙都子とは年季が違う…ッ!
ここからでも挽回は可能ッ!まだ何とかなる筈じゃッ!!)



カオスへの殺意を必死に堪え、考えを巡らせる。
沙都子に対する証拠がない以上、論理的な説得は不可能。
此方も過去の悪事で疑惑を抱かれているし、やったやっていないの水掛け論になるだけだ。
感情に訴える説得もカオスのせいで最早ご破算。
ここから無理やり論破した所で、此方が悪者にされるだけだ。



(クソッ!こうなると沙都子の態度で疑うよう誘導したのが裏目に出た)



だが、まだだ。まだ何とかなる筈。
錬金術師として名を馳せた自分が、多少悪知恵の働くクソガキに負けてたまるか。
その一心で策を組み立てようとするが、しかし。
彼女よりも早く隣に立つ少年、モクバが声をあげた。
彼の横顔から今の言葉の応酬から、強引に話を切り替えようとしているのを察する。
モクバも形勢の不利を悟り、この場での沙都子の排除から長期戦に切り替えたのだろう。
しかし、既に一手遅かった。



「……俺達は脱出プランを考えてる。
今は信用してくれなくてもいいから、少しの間だけでも────」
「や!!信じられない」



どうやら自分たち二人は完全に嫌われたらしい。
カオスの態度は頑なだったが、ドロテアは同時にチャンスだと思う。
クソガキが感情的になってくれれば、相手にするに値しないガキの癇癪という事にできる。
早速そう言った話の流れに誘導しようとするが、当然沙都子も黙ってはいない。



「……では、今までの成果をお話しくださいますか?」
「それは、今はまだ話せない」
「つまり今の時点で目に見えた成果は全くない訳ですのね?」
「…違う!今話すと盗聴や盗撮の危険性がある。こいつは交渉だ、北条沙都子。
信頼で成り立ってる。そこで嘘を吐くなんて資郎とじみた真似は───」
「今の貴女達に、信頼なんてものが本当にあるとお思いですか?
単に話の流れが不味くなってきたから、誤魔化そうとしている様にしか見えませんわよ」



モクバが言葉に詰まる。
クロエの時と同じ説得を試みたが、沙都子には取りつく島も無かった。
だが彼女の言葉の通り、出会った当初に口にしたのならともかく。
今この局面で切り出した所で、話を逸らし誤魔化そうとしているとしか受け取られない。
沙都子以外の者達を見ても、反応は同じだった。
ならば、計画している脱出プランを打ち明けて信用を得るべきか。
いや、ダメだ。このタイミングで打ち明ければ当然沙都子も聞かせろと要求するだろう。
マーダーであり狡猾な彼女に聞かせれば、乃亜に密告されかねない。
その想像から、モクバは打ち明ける事を躊躇してしまった。
そして決断できなかった躊躇は、決定的な決裂を呼び込む。




「嘘つき!!さっきからこの人たちの言ってることウソばっかり!!
いっしょに行ったら、沙都子おねぇちゃんたちが死んじゃう!!!」
「違う!嘘じゃない!!お前も沙都子に騙されてるんだ。
こいつを信じても、後で裏切られて殺されるぞ!!」
「沙都子おねぇちゃんは一人ぼっちだった私に、ずっと優しくしてくれたもん!!
沙都子おねぇちゃんを悪く言うおにぃちゃんとは一緒にいたくないッ!!!」



カオスがもしもう少し意固地になっていないか、年かさの少女であれば。
モクバはもっと損得利益の視点からクロエに行ったように交渉に臨んだだろう。
だが、カオスの外見はどう見てもモクバの半分ほど。
理屈を説いた所で納得してくれるとは思えなかった。
それに何より。



(こんな小さな子を利用しやがって…………!!)



モクバの胸の中には、沙都子に対する更なる怒 りの炎が燃え盛っていた。
恵まれない子供達の為に海馬ランドの建設が兄共々目標であるモクバにとって。
自分達よりさらに幼いカオスを洗脳し、利用しようと言う沙都子の策は。
正しく、外道以外の何物でも無かった。だからそれ故に冷静ではいられない。
この女だけは、野放しにしておけばこれからも死を振りまき続けるだろう。
カオスだけでなく、この集団に待っているのは絶望の二文字だ。
絶対に、それだけは阻止しなければならない。
その使命感が、本人も気づかぬうちにモクバから冷静さを奪っていた。



(────無駄じゃモクバ。お前が何を言おうとその娘を説得する事は出来ん)



同盟相手であるモクバが必死にカオスに弁論を振るい、沙都子の脅威を説く姿を。
ドロテアは、限りなく冷めた視線で見つめていた。
また、モクバの悪癖である甘さと青臭さが出たのだ。
カオスは完全に沙都子のシンパだ。何を言った所で目を醒まさせる事などできはしない。
説得など時間の無駄。それよりも周囲を説得しなければならないと言うのに。
全員の前で幼いカオスと衝突する事で、それすら困難になってしまっている。
最早、ここまで不和を煽られては集団に潜り込むことは不可能。
そう判断せざるを得ないが、それを受け入れる訳にはいかない。
受け入れれば、待っているのはメリュジーヌと言う死神の襲撃なのだから。
だから、ドロテアは喉が痛くなりそうな大声で───最後の賭けに出る。




「孫悟飯、お前はどうする!!どうしたい!?
妾達はお前さえ力を貸してくれればそれでいいんじゃ!」




今更勝負を降りる事はできない。
メリュジーヌに関しては最悪金髪の痴女やクロエ達をぶつけられるかもしれないが。
この人数の集団に奴らは殺人者だと広められれば、沙都子より苦しい立場に追いやられる。
もう単に勝負を降りて逃げれば済む段階はとっくに過ぎているのだ。
かといって、既に全員を説得する事は難しい。

だが悟飯さえ押さえれば、首の皮一枚は繋がる。
雛見沢症候群に罹患しているという話だから、沙都子に彼も疑心を抱いているだろう。
彼さえ此方に引き込めたのなら、後はメリュジーヌに殺されても構わない。
沙都子に手玉に取られる様な愚鈍な者達だ、未練はない。
だから、悟飯だ。悟飯さえ懐柔する事が出来たなら───逆転は可能。
その考えの元に、ドロテアは悟飯へ交渉の対象を絞る事を試みた。





「───────ッ」




生き残りがかかった、全霊の呼びかけにびくりと体を震わせて。
ドロテアの方を見た少年は、深い深い底の見えない虚の様な──漆黒の瞳をしていた。
その柄も言われぬ不吉な雰囲気から、ドロテアは気圧されそうになるが、すでに遅い。
賽は振られたのだ。もうこの選択に、全てを賭ける他ない。止まる訳にはいかない。
己の才覚をただ信じ────錬金術師は突き進んだ。




斯くして、判決の時は来る。




△▼△▼△▼△▼△▼△▼




───この女は雛見沢症候群って、寄生虫でかかった奴を疑心暗鬼にする病気を……
───故郷でばら撒いた危険な奴なんだよ!



その言葉を聞いた瞬間、僕の頭の中は真っ白になった。
ぐにゃりと視界が歪む。他の人が言っている事が耳に入らなくなる。
僕が僕である事すら、僕が孫悟飯である事すら分からなくなって。
気持ち悪い、吐き気もする。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる考えが巡って、何も考えられない。


………え?何で?何で、沙都子さんが僕に毒を盛るの?
あり得ない、そんなの、あ…あり得る筈ないじゃないか。あっちゃいけないんだ。
そ…そうだ、あのドロテアとモクバとかいう二人組は嘘をついているんだ。
メリュジーヌさんだってそう言っていた。あいつらは人殺しだって。
…………ッ!?ダ、ダメだ。やめろ。そ、それは考えちゃいけない。
それを思い出したら────もう戻れない。それなのに。



────心配しなくても、毒なんて入っていませんわよ。

────毒というか、寄生虫かな? 頭に異常が出てるね。脳みそがおかしくなってる。
────悟飯君、毒を盛った奴はこの中に居る。



あ……あぁあぁ………。
シュ、シュライバーと言っていた事と、ドロテア達の話はお、同じだ………
じゃ、じゃあ本当に沙都子さんが……?あのレモンティーに……?
信じられない。し……信じたくない………ッ!!
だって、あの人が僕に一番優しくしてくれた。
皆が僕をおかしいと言う中で、さ、沙都子さんだけは……僕の側に立ってくれたんだ。
も、もし……あの人まで、僕を騙していたなら。
も……もう誰も信じられなくなる。そ、そうだ、イリヤさんだって………!

あの人だって……沙都子さんとグルじゃないってい、言えるのか………?
沙都子さんですら僕を騙したのなら……信用できる人なんて、誰もいない。
日番谷さんも怪しいぞ……こ、このタイミングでいなくなったのはなんでだ?
そう……僕に毒を盛って、逃げたからだ。許せない。あいつも■してやらないと。
いや……そもそも僕とお父さん以外に。この島に善い人なんて、本当にいるのか?
わ、分からない。考えたくない────、





「沙都子おねぇちゃんは、そんなことしないもん!!!!!!」



……うるさいなぁ。
何を話しているのか、聞き流していたから良く分からない。
でもきっと、僕にとっていい話じゃないのは予想がついた。
もう嫌だ。僕のいない場所で勝手にやってくれ。そう言いたかった。


「嘘つき!!さっきからこの人たちの言ってることウソばっかり!!
いっしょに行ったら、沙都子おねぇちゃんたちが死んじゃう!!!」
「違う!嘘じゃない!!お前も沙都子に騙されてるんだ。
こいつを信じても、後で裏切られて殺されるぞ!!」


───うるさい。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい……ッッ!!
もう僕には周りの声が、醜い言い争いのようにしか聞こえなかった。
ドロテア達は特にそうだ。こいつらさえいなければ、僕は疑わずに済んだ。
知りたくなかった事を、知らずに済んだのに。
そうだ、考えて見ればこいつらのせいじゃないか。
こいつらさえ……いなければ………ッ!!!



「孫悟飯、お前はどうする!!どうしたい!?
妾達はお前さえ力を貸してくれればそれでいいんじゃ!」



黙れ。人殺しのお前らに、力なんか貸してやるもんか。
守ってなんかやるもんか。ドロテアなんか特にそうだ。
僕の力をアテにしてて、僕自身の事はどうでもいいんだ。
応える気力もわかなくて、ただ無言でじっとドロテアを見る。
するとドロテアは乗る気があると判断したのか、べらべらと何か言いだした。



「お主も心当たりがあるんじゃろう?
北条沙都子に、信用できない所があると。その勘は間違っておらん」



あぁ、本当にうるさいなぁ。何を言ってるか分からない。
沙都子さんが信用できないとしても、お前らが信用できるという話にはならないのに。
もう黙って欲しい。僕の前で口を開かないで欲しい。
そう考えているのに、ドロテアは話し続ける。



「お主の病気も妾なら治療できる!こう見えて錬金術師じゃからな。
だから妾達と一緒に来い!損はさせんと約束しよう!!」



あぁ……本当に。この人は口先だけだ。
空っぽで、何も心に響かない。目を見れば分かる。
嘘ばっかりで、本当にイライラしてくる……ッ!!
そもそも、僕を治してくると約束したのは沙都子さん────
そこまで、考えて。あっ、と声が出る。




(あっ……そうだ、沙都子さんが僕に毒を盛ったんじゃないか)





あれ?じゃあ。
ぼ、僕は、どうなるんだ?
僕はやっぱり───首を掻きむしって死ぬのか?
もし病気で死んだら、ドラゴンボールで生き返る事ができるのか?
…嫌だ。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだやだやだいやいや───
気持ち悪い。首がかゆい。目の奥が、真っ暗になっていく。



「……!!───。────!!!」



ドロテアがまた何かを言っていたけど、内容までは分からなかった。
聞く気も無かった。聞きたくも無かったし。
何か必死に訴えていたけど、僕にはただ五月蠅いだけだった。



「───悟飯!」
「悟飯さん!!」
「──悟飯君!」



気づけばドロテアと沙都子さん、他の皆が僕の名前を呼んでいた。
耳障りで、聞いていると首がどうしようもなく痒くなって。
───頼む……静かに……でないと……も、もう…………
そう願っても、声は止まなかった。ずっとずっと、僕の耳に響いて───
そして決定的な一言を、ドロテアとモクバは言った。



───えぇい!!聞く気が無いなら仕方ない!!死んでしまえ、孫悟飯ッッ!!!


───沙都子とグルのマーダーだったんだな、親父の孫悟空みたいにッ!!



その言葉を聞いて。
僕は何故か、ははっと笑ってしまった。嬉しくも無いのに。
でも、本当は嬉しかったのかもしれない。
決まりだ。信用できないのはドロテア達の方だ。こいつらの言った事は全部嘘だ
こいつらこそ、マーダーだったんだ。だって今、僕に向けてそう言った。
だからもう、我慢しない。





────カチリ、と。爆弾のスイッチを押す様な音が、僕の頭に響いた。






△▼△▼△▼△▼△▼△▼




種を明かしてしまえば、ごく単純。
ドロテアが追い詰められれば悟飯に説得を絞るのは、予想できたことだ。
だから沙都子は、そこに罠を張った。

悟飯とドロテアに注目を引き付けさせ、さりげなくカオスを後方に移動させる。
その後全員の視線を確認してから、P=ステルスシステムを起動。
乃亜のハンデによりほんの数十秒程に制限されてはいるが。
これを使用する事によってカオスは僅かな間不可視の幽霊となる。
そして、カオスに感じとられる「気」がない事は孫悟空とのやりとりで確認済み。
そのまま浮遊し、足跡を残す事無くドロテア達の背後に回り。
変身能力の応用で声帯模写を行い、二人のフリをして悟飯に言葉を投げかけた。



───えぇい!!聞く気が無いなら仕方ない!!死んでしまえ、孫悟飯ッッ!!!


───沙都子とグルのマーダーだったんだな、親父の孫悟空みたいにッ!!



恐怖心からの防衛であれば、ドロテアとしての台詞で。
そして孫悟飯の最大の地雷───モクバの声で発する、悟飯が敬愛する父への悪罵。
これこそ、孫悟飯という爆弾のスイッチである。
沙都子は彼を慰める過程のプロファイリングでその事を確信しており、だからこそ使った。
───負けて死ね、と。ドロテア達に一言吐き捨てて。



「ちッ!違う今のは妾達が言った事ではない!!」
「誰かが後ろで俺達のフリをして─────!!!」



視線が集まる中、ドロテア達は慌てて背後を振り返るが。
当然、誰もいない。既にカオスは透明化が解ける前に元の位置取りに戻っている。
だから、傍から見れば二人の言葉は見苦しい誤魔化しの様にしか感じられず。
半ば何が起きたのかすら分からぬ怪現象を前に、取り繕う事などできるはずもなかった。
ただ自分達は、嵌められたのだと言うことを彼らは悟る。


そして、その直後。全員がカチリという音を聞いた。
実際に音が鳴った訳では無いだろう。だがそれでも確かに、その音は鳴り響き。
聞いた事も無いのに爆弾のスイッチの様な音だと、全員が同じ思いを抱く。
そしてその印象の通りに────起爆した。






「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」





孫悟飯の漆黒の双眸が、ドロテアとモクバを睨みつけ。
狂気を伴った叫びが、ビリビリと大気を呑み込む。
轟く咆哮は、魔女へと判決を示すガベルの音となり。
絞首台へと上がる魔女は、此処に決定した。
────魔女裁判、これにて閉廷。





【一日目/日中/E-7 海馬コーポレーション】


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:全身にダメージ(小)、疲労(中)、精神疲労(大)
[装備]:カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、クラスカード『アサシン』&『バーサーカー』&『セイバー』(美柑の支給品)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、雪華綺晶のランダム支給品×1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから脱出して───
0:─────!
1:雪華綺晶ちゃん……。
2:美遊、クロ…一体どうなってるの……ワケ分かんないよぉ……
3:殺し合いを止める。
4:サファイアを守る。
5:みんなと協力する
6:美遊、ほんとうに……
[備考]
※ドライ!!!四巻以降から参戦です。
※雪華綺晶と媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。

※クラスカードは一度使用すると二時間使用不能となります。
のび太、ニンフ、雪華綺晶との情報交換で、【そらのおとしもの、Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ローゼンメイデン、ドラえもん】の世界観について大まかな情報を共有しました



【結城美柑@To LOVEる -とらぶる- ダークネス】
[状態]:疲労(中)、強い恐怖、精神的疲労(極大)、リーゼロッテに対する恐怖と嫌悪感(大)
[装備]:ケルベロス@カードキャプターさくら
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済み、「火」「地」のカードなし)
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしたくない。
0:─────!
1:ヤミさんや知り合いを探す。
2:沙都子さん、大丈夫かな……
3:悟飯君がおかしかったのって、いつからなの?
4:リト……。
5:ヤミさんを止めたい。
6:雪華綺晶ちゃん……
[備考]
※本編終了以降から参戦です。
※ケルベロスは「火」「地」のカードがないので真の姿になれません。



【野比のび太@ドラえもん 】
[状態]:強い精神的ショック、疲労(中)
[装備]:ワルサーP38予備弾倉×3、新品ブリーフ
[道具]:基本支給品、量子変換器@そらのおとしもの、ラヴMAXグレード@ToLOVEる-ダークネス-、シミ付きブリーフ
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。生きて帰る
0:─────!
1:ニンフ達の死について、ちゃんと向き合う。
2:もしかしてこの殺し合い、ギガゾンビが関わってる?
3:みんなには死んでほしくない
4:魔法がちょっとパワーアップした、やった!
[備考]
※いくつかの劇場版を経験しています。
※チンカラホイと唱えると、スカート程度の重さを浮かせることができます。
「やったぜ!!」BYドラえもん
※四次元ランドセルの存在から、この殺し合いに未来人(おそらくギガゾンビ)が関わってると考察しています
※ニンフ、イリヤ、雪華綺晶との情報交換で、【そらのおとしもの、Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ローゼンメイデン、ドラえもん】の世界観について大まかな情報を共有しました
※魔法がちょっとだけ進化しました(パンツ程度の重さのものなら自由に動かせる)
※スネ夫の顛末を美柑から聞きました。そのため、悟飯への反感はほぼ消えました。




【乾紗寿叶@その着せ替え人形は恋をする】
[状態]:健康、殺し合いに対する恐怖(大)、元太を死なせてしまった罪悪感(大)、魔法少女に対する恐怖(大)、イリヤとカオスに対して苦手意識
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2、飛梅@BLEACH
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしない。
0:─────!
1:魔法少女はまだ怖いけど、コスはやめない。
2:さくらさんにはちゃんと謝らないと。
3:日番谷君、不安そうだけど大丈夫かしら。
4:イリヤさんとカオスちゃん……悪い子じゃないと思うけど……。
5:妹が居なくて良かったわ。
[備考]
原作4巻終了以降からの参戦です。


【カオス@そらのおとしもの】
[状態]:全身にダメージ(中)、自己修復中、アポロン大破、アルテミス大破、イージス故障寸前、ヘパイトス、クリュサオル使用制限、沙都子に対する信頼(大)、カオスの素の姿、魂の消費(中)、空腹?(小)
[装備]:極大火砲・狩猟の魔王(吸収)@Dies Irae
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]基本方針:優勝して、いい子になれるよう願う。
0:沙都子おねぇちゃんを守る。
1:沙都子おねぇちゃんと、メリュ子おねぇちゃんと一緒に行く。
2:沙都子おねぇちゃんの言う事に従う。おねぇちゃんは頭がいいから。
3:殺しまわる。悟空の姿だと戦いづらいので、使い時は選ぶ。
4:沢山食べて、悟空お兄ちゃんや青いお兄ちゃんを超える力を手に入れる。
5:…帰りたい。でも…まえほどわるい子になるのはこわくない。
6:聖遺物を取り込んでから…なんか、ずっと…お腹が減ってる。
7:首輪の事は、沙都子お姉ちゃんにも皆にも黙っておく、メリュ子お姉ちゃんの為に。
[備考]
原作14巻「頭脳!!」終了時より参戦です。
アポロン、アルテミスは大破しました。修復不可能です。
ヘパイトス、クリュサオルは制限により12時間使用不可能です。
ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました。
極大火砲・狩猟の魔王を取り込みました。炎を操れるようになっています。
聖遺物を取り込んでから、空腹? がずっと続いています。
中・遠距離の生体反応の感知は、制限により連続使用は出来ません。インターバルが必要です。
ニンフの遺した首輪の解析データは、カオスが見る事の出来ないようにプロテクトが張ってあります。


【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】
[状態]:疲労(小)、梨花に対する凄まじい怒り(極大)、梨花の死に対する覚悟
[装備]:FNブローニング・ハイパワー(4/13発)
[道具]:基本支給品、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×2(13発)、葬式ごっこの薬@ドラえもん×2、イヤリング型携帯電話@名探偵コナン
[思考・状況]基本方針:優勝し、雛見沢へと帰る。
0:さて、ここからが勝負ですわね。
1:メリュジーヌさんを利用して、優勝を目指す。
2:使えなくなったらボロ雑巾の様に捨てる。
3:カオスさんはいい拾い物でした。使えなくなった場合はボロ雑巾の様に捨てますが。
4:願いを叶える…ですか。眉唾ですが本当なら梨花に勝つのに使ってもいいかも?
5:メリュジーヌさんを殺せる武器も探しておきたいですわね。
6:エリスをアリバイ作りに利用したい。
7:写影さんはあのバケモノができれば始末してくれているといいのですけど。
8:悟空さんと悟飯さんは、できる事なら二人とも消えてもらいたいですわね。
9:悟空さんの肩に穴を開けた方とも、一度コンタクトを取りたいですわ。
10:梨花のことは切り替えました。メリュジーヌさんに瑕疵はありません。
11:シュライバーの対処も考えておかないと……。何なんですのアイツ。
12:メリュジーヌさん、別にお友達が出来たんでしょうか?
[備考]
※綿騙し編より参戦です。
※ループ能力は制限されています。
※梨花が別のカケラ(卒の14話)より参戦していることを認識しました。
※ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました



【孫悟飯(少年期)@ドラゴンボールZ】
[状態]:自暴自棄(極大)、恐怖(極大)、疑心暗鬼(極大)疲労(大)、激しい後悔(極大)、SS(スーパーサイヤ人)、SS2使用不可、
雛見沢症候群L4(L5に移行する可能性あり)、普段より若干好戦的、悟空に対する依存と引け目、孤独感、のび太への嫌悪感(大、若干の緩和)、
イリヤに対する猜疑心(大)、首に痒み(中)、絶望
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、ホーリーエルフの祝福@遊戯王DM、ランダム支給品0~1(確認済み、「火」「地」のカードなし)
[思考・状況]基本方針:ドロテアとモクバを殺す。邪魔する奴も皆殺す。
0:沙都子さんが僕に毒を盛ったなんて……嘘、だよね………
1:沙都子さんは、信じたい……だって、そうじゃないと、僕は……
2:沙都子さんでなければ……だ…誰が、僕に毒を……み…みんな怪しい……。
3:………………………このしまに……いいひとなんてお父さん以外いるのか……?
[備考]
※セル撃破以降、ブウ編開始前からの参戦です。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可
※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。
※雛見沢症候群を発症しました。現在発症レベルはステージ3です。
※原因は不明ですが、若干好戦的になっています。
※悟空はドラゴンボールで復活し、子供の姿になって自分から離れたくて、隠れているのではと推測しています。
※イリヤ、美柑、ケロベロス、サファイアがのび太を1人で立たせたことに不信感を抱いています。
※何もかも疑い出してます。微妙に沙都子には心は開いているかも。

【ドロテア@アカメが斬る!】
[状態]左腕骨折、全身にダメージ(大)、疲労(中)
[装備]血液徴収アブゾディック、魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
[道具]基本支給品 
セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険、城ヶ崎姫子の首輪、永沢君男の首輪
「水」@カードキャプターさくら(夕方まで使用不可)、変幻自在ガイアファンデーション@アカメが斬る!
グリフィンドールの剣@ハリーポッターシリ-ズ、チョッパーの医療セット@ONE PIECE
[思考・状況]
基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。
0:この、クソガキ共がァアアアアアッッッ!!!
1:とりあえず適当な人間を三人殺して首輪を得るが、モクバとの範疇を超えぬ程度にしておく。
2:写影と桃華は凄腕の魔法使いが着いておるのか……うーむ
3:海馬モクバと協力。意外と強かな奴よ。利用価値は十分あるじゃろう。
4:海馬コーポレーションへと向かう。
5:キウルの血ウマっ!
[備考]
※参戦時期は11巻。
※若返らせる能力(セト神)を、藤木茂の能力では無く、支給品によるものと推察しています。
※若返らせる能力(セト神)の大まかな性能を把握しました。
※カードデータからウィルスを送り込むプランをモクバと共有しています。

【海馬モクバ@遊戯王デュエルモンスターズ】
[状態]:疲労(絶大)、ダメージ(大)、全身に掠り傷、俊國(無惨)に対する警戒、自分の所為でカツオと永沢が死んだという自責の念(大)、キウルを囮に使った罪悪感(絶大)
沙都子に対する怒り(大)
[装備]:青眼の白龍(午前より24時間使用不可)&翻弄するエルフの剣士(昼まで使用不可)@遊戯王デュエルモンスターズ 、ホーリー・エルフ(午後まで使用不可)@遊戯王デュエルモンスターズ
雷神憤怒アドラメレク(片手のみ、もう片方はランドセルの中)@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×10
[思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。
0:北条沙都子………ッ!!!
1:東側に向かい、孫悟飯という参加者と接触する。
2:殺し合いに乗ってない奴を探すはずが、ちょっと最初からやばいのを仲間にしちまった気がする
3:ドロテアと協力。俺一人でどれだけ抑えられるか分からないが。
4:海馬コーポレーションへ向かう。
5:俊國(無惨)とも協力体制を取る。可能な限り、立場も守るよう立ち回る。
6:カードのデータを利用しシステムにウィルスを仕掛ける。その為にカードも解析したい。
7:グレーテルを説得したいが...ドロテアの言う通り、諦めるべきだろうか?
[備考]
※参戦時期は少なくともバトルシティ編終了以降です。
※電脳空間を仮説としつつも、一姫との情報交換でここが電脳世界を再現した現実である可能性も考慮しています。
※殺し合いを管理するシステムはKCのシステムから流用されたものではと考えています。
※アドラメレクの籠手が重いのと攻撃の反動の重さから、モクバは両手で構えてようやく籠手を一つ使用できます。
 その為、籠手一つ分しか雷を操れず、性能は半分以下程度しか発揮できません。
※ディオ達との再合流場所はホテルで第二回放送時(12時)に合流となります。
 無惨もそれを知っています。



115:第2回放送 投下順に読む 117:Anytime Anywhere
時系列順に読む
112:狂気と惨劇の舞台へ 北条沙都子 118:シークレットゲーム ー有耶無耶な儘廻る世界ー
カオス
孫悟飯
104:僕は真ん中 どっち向けばいい? イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
野比のび太
結城美柑
乾紗寿叶
102:澆季溷濁(前編) 海馬モクバ
ドロテア
112:狂気と惨劇の舞台へ メリュジーヌ 119:人は所詮、猿の紛い物、神は所詮、人の紛い物

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