The FEAST 2
「ふぅ……」
エレベーターの扉が開き、B4に降り立つと、
ハンクは開口一番で溜息を漏らしていた。
地上に居た筈の
タイラントの亜種。そいつの振り返る姿が、通路の遥か先に視認出来たからだ。
十分かそこら。“暫くぶりの”再会を祝おうとでもするつもりか。タイラントはハンクを見つけるなり咆哮を上げていた。
エレベーター周辺の空気までをも大きく震わせる程の咆哮。ハンクの腹の底にまで軽い痺れを届かせる程の咆哮。殺意を滾らせ、タイラントは床を蹴った。
「確かに、逃げ切るのは難しいとは言ったがな……」
上で出会ったアジア系の子供の事が脳裏に浮かぶ。
協力要請をするにはしたが、所詮は子供。それ程の期待はかけていなかった。ある程度のイレギュラーも想定していたつもりだ。
しかし、ここまで事態を面倒にするとは流石に想定外だった。これでは協力どころか寧ろ妨害行為ではないか。
どの様な時間の稼ぎ方をすればこの結果に結びつくのか。その過程には幾らかの興味を持ちつつも、ハンクは呟いた。
「これからは協力する相手は選ぶとしよう」
タイラントとの距離はまだ遠い。
今ならばエレベーターに戻り、上階に逃げる事も可能だが――――。
数秒程の観察と、そしてここでも弾き出される損得勘定。ハンクは、答えを出す。
「効率優先といくか」
扉の駆動音を背に、ハンクはVP70からMP5に持ち変えるとその場に右膝をついて屈み込み、左肘と左膝を合わせてロー・ニーリング・ポジションを取る。
身を隠せる場所も逃げる場所も無い、一本道の通路でのタイラントとの戦闘。
絶体絶命とも言える展開だが、ハンクの目には充分に勝機が見えている。
切り開ける道は、ある。
死が躍動して迫ろうとも、ハンクは冷静にMP5の照準を覗き込む。
それを合わせるポイントは既に決定している。フロントサイトの中に捉える、奴の『ウィーク・ポイント』。
次の瞬間、幾筋もの閃光が軽妙な響きを立てて通路内を駆け巡った。
本能か、知能か。タイラントは見事と言うべき反応を見せ、その硬質化した左腕を更に膨らませて上半身を覆い隠した。弾丸を遮断するつもりだ。
だが――――関係無い。ハンクにしてみればそれは滑稽とも言える対応。奴が守るべき箇所はそこではない。ハンクの狙いは元よりそちらにはないのだ。
閃光は集中する。5インチと間隔を開ける事もなくタイラントの“一つの部位”に集弾し、奴の肉を削ぎ落とす。
そしてマガジンから全ての弾丸を撃ち出すよりも早く、ハンクの勝利は確定した。
ほんの20フィートの手前。迫る巨体のサイズからすれば、目前と言い替えても差し支えはない。
そこでタイラントが左脚を踏み出した時、巨体は体勢を不自然に崩していた。
MP5が奏で上げる破裂音の中で、ゴムか何かの千切れる音が。固い物のへし折れる音が。確かに鳴っていた。
いや、それはハンクの耳に直接届いた訳ではない。しかし、タイラントには聞こえた事だろう。それらは、奴の身体の内側から上げられた悲鳴だったのだから。
計算通りだった。
異常な程、凶暴な程に肥大化している上半身と左腕。
反面、比較すると明らかに貧相とも言えてしまう下半身。バランスの取れた肉体とは言い難く、また、程遠い。
ダメージの刻まれた己の身を省みる事もなく、ただ敵を殲滅すべく暴れ狂う究極の名に恥じぬ強靭な生命力。
反面、皮膚や肉は焼け爛れ、右腕は千切れ飛び、確実に負荷はその肉体にかかっているというのに痛みを感じる素振も無く、それに気付く事の出来ない情報処理能力。
究極の生命体の進化が行き着いた先。それが極めて危うい均衡の上に成り立っている事は一目瞭然だった。奴は、肉体を制御し切れていない。
ハンクはそこに付け込んだ。
あれだけの肥大を遂げた半身と左腕であれば、その重量も大したものだろう。
そしてその重さを支えるのは、上半身程の発達を見せていない下半身。特に左脚。奴の重心はそこに掛けられる筈だ。
それさえ見抜ければ、後は狙い撃つだけだった。“一つの部位”――――左大腿部を。
左脚の筋肉や骨を抉り続け、その脚で自重を支え切れなくなった時、奴は勝手に自滅する。
ゴムか何かの千切れる音は、筋繊維の断裂する音。固い物のへし折れる音は、骨の折損する音。
タイラントの左大腿部が、通常では有り得ない角度に曲がっていた。
一度その脚に乗せられた全体重を退ける術は無い。筋繊維はますます捩れて千切れゆく。折れた骨は肉と皮を突き破り、剥き出しとなり外気に晒される。
二度と使い物にならなくなった左脚。翻筋斗打って倒れる巨体は、突進の勢いそのままに床を滑り突っ込んで来る。
ハンクはタイミングを見計らい、それを数歩の助走で軽々と飛び越えた。
丁度真下を滑るタイラントが今、どの様な表情を浮かべているのか。ハンクには伺い知る事は出来ない。それを確かめるつもりもない。
着地したハンクは、背後の一切を気にせず走り始めた。その背中にタイラントの吠え声が届くが、こうして切り抜けてしまえば最早どうでもいい事だ。
これで奴は二度と追っては来れない。ハンクとしてはそれだけで充分だ。止めなど刺す理由は無い。
任務の障害にならなくなったものを一々排除していては、弾薬と労力の無駄でしかないのだから。
「……ふむ。思ったより難しいことでもなかったか」
もう振り返る事もせず、ハンクは長い通路を駆け抜ける。
前方に見えるのはターンテーブル。やはりこのフロアも基本的にはラクーンシティ研究所と同じ造りらしい。
それが分かればこのフロア自体にはもう用は無い。後は目的とする場所に、ただ向かうのみだ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
何処か小気味良い、連続した破裂音。
それがガスマスクの人物が構えていた銃から発せられた音である事は、いくら視界が砂嵐に閉ざされていようとも分かる。
怪物への抵抗の為の銃声。しかし、それはほんの数秒で鳴り止んでしまった。
死に際の叫び声は聞こえて来なかったが、代わりに怪物の咆哮が比沙子まで届いた。
恐らく、あの人物は殺されてしまったのだろう――――。
状況が許さなかったとはいえ、どうする事も出来ずにいた。
そんな無力感に苛まれていた比沙子だったが、少しして外からの足音をその耳に拾った。
重々しく走る怪物のものではない。もっと軽い、そう、普通の人間の駆け足の様な。
「もしかして……!」
意識を集中させれば、その目には赤色の二つの楕円が映った。
慣れない景色に若干戸惑うも、すぐにそれがガスマスクを通した視界だと気付く。
あの人物は生きていた。背後から怪物が追いかけて来る様子も無い。
倒したのだろうか。しかしあの咆哮は怪物のものだった。一体どういう状況になっているのだろうか。
安堵と疑問。二つの事に気を取られ、生じた気持ちの隙間をすり抜ける様に。
赤い視界はチラリと電車に向いたが、然程気にかける様子もなく素早く通路の角を曲がり、そのまま連絡通路を駆けていく。
はっとして比沙子は幻視を解いた。
漸く普通の人間と話せる機会が訪れたというのに。
この機を逃す訳にはいかない。後を追わなくては。
扉を開けて電車から出た比沙子は、一先ず通路に目をやった。
怪物が居る筈の通路。そこに見えたのは、想像していたよりも遥かに巨大な体躯をしていた怪物の、床を這いずる姿だった。
怪物はその爛れた顔で、比沙子を睨みつけていた。
背筋に薄ら寒いものが走る。もう慎重に動いている場合ではない。
充満する血の臭いと、目の前に広がる血溜まりの中に、申し訳無いと思いつつも比沙子は足を踏み出した。
――――――――と。
ど…………………………………………な…………
不意に、何かが聞こえた気がした。
ゾクリ、と再びの悪寒が体内を巡る。
怪物を見て感じたものとはまた別の、異質な悪寒。
現実に気温が下がっているかの様な肌寒さを、比沙子は今、全身で感じ取っていた。
ど……し…………れ………………な…………
聞こえる。
気のせいではない。
人の声。すぐ近くで。
しかし、誰が。何処に――――。
ど……し…………れ…………んな…………
声は次第に、言葉としての体を成していく。
近付いてくるのではなく、声が耳に馴染んできている、と言った感覚か。
辺りを見回すも、何処にも人の姿はない。
いや、それは人ではない。人成らざる物の声なのだ。
どうしてか、比沙子には直感的に理解出来ていた。
それが、屍人達ともまた違う物だという事も。
逃げなくては。
そう思いながらも、比沙子は動けなかった。
相手が何なのかも、何処に居るのかも分からない状況なのだ。
もしも下手に逃げようとして、動いた先にそいつが居たならば、それこそが命取りになる。
恐怖に身を震わせながら、比沙子は目を瞑った。
相手の位置が分からないなら、見つけ出すしかない。
自らを中心として円を描く様なイメージで、周辺に意識を向ける。
しかし――――暫くの間集中を続けていても、視界は全く変化を見せない。何かが側に居るのは確実な筈なのに。
イメージの円を、比沙子は徐々に広げていく。大きく。大きく。広げていく。
そうして幻視が見つけ出したのは、通路を這いずる怪物の視界だった。
距離はまだまだ離れているが、あちらはあちらでやはり比沙子を捉えている。
あの怪物から逃げる為にも、あまり時間をかけてはいられないのだが――――。
ど……して……れが……んな…………
あの声だ。
反射的に比沙子は、声そのものに意識を向けた。
暗闇が映像に切り替わる。見つけた。その、途端。
「ひっ!」
比沙子は引きつった悲鳴を上げていた。
漸く掴まえた映像の中には、彼女の足元で潰れている男の頭が大きく映し出されていた。
何かが居る場所は、すぐ真下――――。
幻視を解いて視界を戻そうとするより一瞬早く、映像はコロリと動く。比沙子の悲鳴に惹き付けられたかの様に。
途切れる寸前の映像は、間違いなく比沙子を見上げていた。
目を開くとほぼ同時に、それと視線が合った。
赤黒い血溜まりと、生々しい光沢を帯びた肉塊に混じるそれ。
潰れた顔からはみ出していた二つの眼球が、ギロリと比沙子を睨みつけていた。
「…………っ!」
今度は悲鳴すら上げられなかった。ただ目を見開く事しか出来なかった。
とにかくこの場から離れようと身体を動かせば――――靴底の血脂に、足を取られてしまう。
血溜まりの中に思い切り尻餅を付き、鉄臭い飛沫が跳ね上がった。
求導服の所々に赤黒い染みが付着するが、それを気にしている余裕は無い。
今も比沙子を睨みつけている眼球から、青白い燐光を放つ何かがゆらりと迫り上がって来ているのだから。
燐光はやがて人程の大きさまで膨らみ上がる。いや、人の姿を形作ろうとしている。
これが声の正体――――幽霊。
魅入られた様に固まっていた事に、はたと気が付いた。
鈍い痛みをどうにか堪え、比沙子は身体を反転させて立ち上がった。
手に肉塊が絡みつく不快感よりも、恐怖が勝っていた。
駈け出した。
慌てふためき縺れる足で。
血脂が尚も走る邪魔をする。
床の上で足が滑る。
思うように進めない。
もどかしさと恐ろしさを切に感じながらも、比沙子はどうにか連絡通路へと逃げ込んだ。
手摺が目に入った。それを支えにすれば、少しはまともに走る事が出来る筈。
そう期待を抱き、比沙子は手摺を掴む。――――その掌もまた血脂に塗れている事を忘れて。
当然の如く、比沙子の手は手摺から拒まれる。バランスを取る事も叶わず、傾いだ身体はそのまま金属板の上に打ち付けられた。
そして痛みに悶える間もなく、真後ろに感じた気配。
奇妙な衝撃と共に、全身に鳥肌が走った。その刹那、見ている景色が脈絡も無く変わった。
白黒の風景。施設内に居た筈が、今はここは、屋外か。
屋外で、息を切らして走っている。何故。またも記憶が途切れたのか。
立ち止まろうとするが、しかし、身体はその意に反して走り続けていた。
(……え? ……何なの、これ……?)
そう声を出した筈が、口を開くどころか自らの意思で動かす事も出来なかった。
身体の自由が全く利かない。いや、そもそもそれは自分の身体ですらない様子。
明度の落ちた暗い視界に見えている腕――――木製のバットと懐中電灯を握るその腕は、明らかに比沙子自身のものではない。
これは別の誰かの視界なのだ。ともすれば幻視とも思える現象だが、そうではない。
呼吸が苦しい。額からの汗が頬を伝わり流れ落ちていく。全身が熱を帯びた様に熱い。
走っているこの誰かの感覚が、自分の事の様に伝わって来ていた。
幻視とは違う。記憶の途切れとも関係無い。全く見当の付けられない現象だった。
出鱈目な呼吸を繰り返し、とにかく誰かは走り続ける。
何処か見覚えのある風景――――そうだ。ここは先程地上の様子を伺おうとした際、捉えた視界の人物が歩いていた場所だ。
この研究施設の上で、この誰かは走っている。
背後から凄まじい破砕音が追い掛けてきた。
走りながら振り返った先、数十メートル程の距離には洋風の建物が存在し、その玄関口に立ち込める粉塵から姿を現したのは通路で這いずっていた怪物だった。
喉が不器用に音を鳴らした。視界は前を向き直し、その後は二度と振り向こうとしなかった。
だが、後方からの連続した振動は、振り返らずとも怪物が駆け出した現実をはっきりと感じ取らせた。
次第に大きさを増していく背後の気配。怪物は容赦無く迫って来ている。距離は縮まる一方だ。
それでもこの誰かは、ただ我武者羅に、我武者羅に。前へ、前へ。喘ぎながらもとにかく足を動かし続けていた。
その抵抗も、たちまちの内に限界を迎えた。
脇腹が痛み出していた。
息を吐き出す事にすら、苦痛を伴っていた。
肺が、心臓が、筋肉が、悲鳴を上げていた。
逃げようとする意思に、最早身体の方は付いていく事が出来ていない。
すぐ後ろまで迫った怪物が咆哮を上げたのは、暗闇の前方に鉄柵が見え始めた時。
直後に背中全面に灼熱の痛みが走り、強烈な浮遊感が比沙子を襲った。
弾き飛ばされ、宙を舞った事は理解出来た。軽々と鉄柵を越え、放り出されたのはぽっかりと開けられた大穴の真上。
何かを考える間も与えられず、身体は真っ逆さまに墨色の闇に引きずり込まれた。
比沙子は叫びを上げようとした。それが決して音として発せられない事を忘れて。
誰かは叫びを上げようとしていた。それでも限界まで疲労し切った肺と喉が声を紡ぎ出す事は遂に無かった。
上下の区別もつけられぬ深い闇の中。風圧と重力が全身を縛り付けてくる。空気の壁を切り裂く音が耳を撃ち付けていく。
このまま永遠に落ち続けるのではないか。そんな想像すら過ぎった。恐怖は段々と意識を奪い、更なる深淵へと送ろうとしていた。
身体を縛る圧力も感じなくなり。風切り音も彼方へと遠ざかり。何もかもが闇に混じり消えて行く。
漆黒の世界の中にたった一人取り残された比沙子の脳裏に響いたのは――――。
どうして おれが こんなめに
「っ…………?」
その目に色彩を戻した時、比沙子はまず状況に対する理解が追いつかず、困惑していた。
ごう、と唸りを上げる強風が真上から吹き付けていた。
纏う求導服が風に煽られバタバタとけたたましく音を鳴らし続けていた。
乱れる白髪の隙間から見える薄汚い壁が物凄い勢いで下降していた。
「えっ? ……えっ?」
思わず疑問の声を零す。――――零す事が出来る。
思わず首を巡らせる。――――巡らせる事が出来る。
この視界は紛う事無く比沙子自身のもの。決して他の誰かのものではない。
つまり、自身の置かれている状況に明確なる変化が起きているという事に他ならない。
何がどうなっている。幽霊に襲われた後、何が起きた。連絡通路で這い蹲っていた筈が、今度は何処に来てしまったのだ。
訳の分からぬ状況下で感じているのは、内臓を握り締められているかの様な圧迫感。
それは、たった今見ていた誰かの視界から伝わって来ていたものと全く同じ感覚だった。
比沙子はやはり訳の分からぬままに足元に目を落とした。ところが、金属板の床が見える筈のその場所には何も存在していなかった。
代わりに目に止まったのは、下降している壁とそうは変わらぬ勢いで比沙子から離れていく、遥か下にある三本の橋であり。
その橋こそは、今まで比沙子の居た筈の連絡通路だった。
「そん……な…………!」
漸く事態が飲み込めた。
下降しているのは壁や通路ではない。風など何処からも吹いていない。
比沙子が深い吹き抜けの中を真っ逆さまに落ちているのだ。それこそあの視界の誰かと同じ様に。
天を仰げば、いや、“地を仰げば”と言うべきなのか。
視線を落下先に投げ出せば、薄闇の空間を通した向こうには無機質な灰色の床が見えていた。
重力に囚われてただ落ちていくだけの比沙子を受け止めるべく、床は無慈悲に迫っていた。
目前の未来に比沙子を待ち受けているのは、どうあがいても――――絶望。
「どうして」
漏らした声は、力無く震えていた。その一言には、様々な疑問が乗せられていた。
どうして、足を踏み外してしまった。どうして、あんな怪物や幽霊が居る。どうして、誰にも会えなかった。
どうして。どうして。どうして。どうして――――こんな場所に、自分は来てしまっているのだ。
絶望に支配された心中には、幾つもの謎が目まぐるしく去来して。
疑問としても答えとしても何一つ纏まりを見せずに虚空へと溶けていく。
――――その青白く透き通った燐光は、いつの間にか比沙子のすぐ前に現れていた。
影身の如く。落下していく比沙子の身体と重なり合い。人形(ひとがた)を取った燐光。
ただ空虚な表情と、ただ空虚な眼差しを比沙子に向けている燐光に、比沙子もまた、ただ虚ろな視線を返していた。
ゆっくりと口を開いていく燐光に、写し鏡であるかの様に、比沙子もまた、ゆっくりと口を開いていく。
二つの異なる口から、もう決して誰にも届く事の無い言葉が、小さく重なり紡ぎ出された。
どうして 俺が こんな目に……
どうして 私が こんな目に……
アンブレラ地下研究所B7階実験室の天井裏。
八尾比沙子の目には灰色の床に見えていたその場所から、鈍い激突音と肉の爆ぜる音が上がったのは、その直後だった。
反響が闇を駆け巡り、残響へと変わる。
やがて残響も何処かへと鳴りを潜め、辺りは静寂を取り戻す。
何事も無かったかの様にしんと静まり返った漆黒の空間。
そこにあるのは、一つの死骸。――――
新堂誠と寸分違わず同じ形に“広がった”八尾比沙子。
それはもう、時と共にただ存在するだけの、単なる肉塊だ。
既にその『実』は捧げられ、その『実』を捧げた神も討たれ、因果律の理からも外れてしまった求導女。
何物からも必要とされぬ、何者からも求められぬ、一人の老婆と変わらぬ存在と成り果てていた彼女を護るものは。
そう。初めから。何も無く――――。
【八尾比沙子@SIREN 死亡】
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
“それ”は、一つの側面から見れば完璧な存在だった。
感情は獣に等しいレベルにまで押さえ込まれ、自我は完全に消し去られた。
それでありながら知能は保ち続けており、あらゆる指令を迷い無くこなす従順な兵士。
行動理念としてあるものはただ一つ。与えられた指令を全うする事。
その際には手段など選ぶ事は無い。選ぶ必要性も無い。
“それ”を送り込む事を決めた者達が、成果以外の顛末に気をかけるつもりなど初めから毛頭無いからだ。
「
G-ウィルス」と「排除すべき障害」。
目的とする両方が消えたリフトの真下で、それは無機質な佇まいで壁を見上げていた。
目標を見失い、途方に暮れているのではない。
寧ろ、自らを取り巻く流れを敏感に掴み取るが故に、対応を決めあぐねている。そういった感覚だろうか。
最優先とする目標物の気配は二つ。上を遠ざかる物と、下を走る物。
今の状況で、追うべき側はどちらの方か――――。
本能に近しい場所に刻み込まれた指令を遂行する為だけに、“それ”はおもむろに右腕を振り上げる。
続け様、渾身を以って拳を目の前の壁に叩き付けた。
発破の様な音と振動は、断末魔の悲鳴の代わりだろうか。壁の一部は容易に排除され、そこには熔鉄プール室の新たなる出口が造り出された。
“それ”が穴から外の様子を窺えば、そこは広く深い吹き抜け。下方に確認出来るのは三本の橋と、橋の上を這いずる“それ”の同族とも言うべき存在。
同族は“それ”を見上げ、その姿を視界に収めると、威嚇する様に吠え声を上げていた。
“それ”もまた、感情の無い目を同族に向けていた。
反応こそ真逆とも言えるが、どちらも込められた想念は同じもの。――――排除。
同族は巨大な左腕を支えに立ち上がろうとしていた。
だがバランスを保てないのか、すぐに床に倒れ込む。幾度試そうとも、結果は全て同じだ。
“それ”は一度身を屈めると、躊躇いも恐怖も見せず、橋に向かった高い跳躍を見せた。
そして緩やかな放物線を描き、着地するのは計算通りの場所。うつ伏せに倒れたまま“それ”を見上げようとする同族の、首の上。
重い衝撃音に混じり、ゴキリと小気味悪い音が鳴った。
“それ”の脚の下で、頬から下は完全に潰れ、首はあらぬ方向に折れ曲がった同族の頭部。
微かな息を残していたが、それも数秒の事。やがて完全に生命活動が停止した事を、“それ”は感覚で感じ取る。
障害の排除の完了を確認すると、“それ”は再び最優先とする目標の追跡に切り替える。同族の死体など、最早気にも止めずに。
目標は、近い。それがあるのは、この深い穴の――――。
【タナトス@バイオハザード・アウトブレイク 死亡】
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
目標地点の扉口から中を眺めていたハンクの目が、その内部に闇以外の物で初めて捉えたものは、逆さまになって落下していく人らしき物体だった。
それは一瞬の出来事。反射的には見送ったものの――――
ゾンビか何かが足を滑らせたのだろう。珍しい事ではない――――取り立てて気にする事も無く。
小さな激突音が耳に届いた後には、その出来事は不要な事として脳内から適切に処理される。
(さて……どうするか)
目的としていた部屋がある筈の場所は、崩落でもしてしまったらしい、果てしなく深い闇が口を広げていた。
本来であれば最初の目標地点はこのモニター室。
ここの設備が機能していなければ、奥の電算室かB6のセキュリティセンターを第二、第三の目的地とする予定だった。
しかし、電算室にはこのモニター室を通らねば辿り着けないし、B6のセキュリティセンターはモニター室の真下だ。
モニター室が崩落している以上、どちらの部屋にも到底進入など不可能。
ラクーンならば電算室へ通じる非常用通路はもう一つあったのだが、こちらでは非常用通路への通風口が金属板で塞がれており、やはり進入は不可能だった。
こうなると期待の持てそうな場所は最下層の地下運搬施設だが、果たしてそこまでが模されているものだろうか。
それ以前にこの崩落が地下のどれ程まで影響を及ぼしているのかも不明だ。
最悪を想定すれば、これより下の階層が壊滅している事も有り得ない話ではないが――――。
(……行ってみるしかないな)
暫しの思案を経て、ハンクは次の目的地に同フロアにあるカーゴルームを選択する。
最下層の運搬施設までが同じであれば、カーゴルームにはプラットホーム直通の搬送リフトがある筈。
崩落の影響でリフトは停止している可能性はあるが、その時はレール上を降りていけば良い。
とにかくまずは下の様子を確認する。次の判断は、それからだ。
ハンクは踵を返して廊下を引き返し、カーゴルームのある左に折れた。
直後、たった今までハンクの居た方向から小さな衝撃音が一度。ふと足を止めれば、続けてもう一度。
何気無しにハンクは目を戻す。そこには何も無い。単に何処からかの音が吹き抜けを通じて伝わってきただけか。
そう思った次の瞬間――――モニター室の扉口に、衝撃が轟いていた。一瞬の間の内にその場所に現れていた物は、モスグリーンの大きな塊。
それを視認したハンクは、直ぐ様通路を駆け出していた。
「やれやれ」
新型タイラント。何処から現れた。決まっている。単純に上から飛び降りてきたのだ。
では何故現れた。それも単純だ。理由は不明だが、恐らくハンクは奴にもターゲットとして選ばれてしまったという事だろう。
(流石にこんな連戦は御免被りたいものだがな)
通路奥の扉を開き、ハンクは素早く視線を走らせた。
どうやらやはりそこはカーゴルーム。中にはゾンビ等の危険も存在しない。
安全を確保すると、真正面に見えるリフトまで走り開閉スイッチを押す。幸いにもリフトはこの階で待機していたらしく、扉はすぐに開いた。
そして、正常に扉が作動するという事は、少なくとも崩落はリフトの使用には影響を及ぼしていないという事。下までの移動に関しては何ら問題は無いだろう。
リフト内に設置された操作パネルを操れば、リフトはハンクに微かな圧力を与え、低い稼働音を立てて最下層を目指し始めた。
時間の問題で抉じ開けられるであろうカーゴルーム側の扉を、ハンクは深い暗闇を降りるリフト上からただ見上げていた。
【Dー3/地下研究所・搬送リフト上/一日目真夜中】
【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
[状態]:健康
[装備]:
USS制式特殊戦用ガスマスク、H&K MP5(30/30)、
H&K VP70(残弾10/18)、
コンバットナイフ
[道具]:MP5の弾倉(30/30)×1、
コルトSAA(6/6)×2、無線機、
G-ウィルスのサンプル、懐中電灯、地図
[思考・状況]
基本行動方針:この街を脱出し、サンプルを持ち帰る。
0:タイラントから逃げ切る。
1:地下運搬施設、貨物列車運転室で通信機器を探す。
2:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
3:アンブレラ社と連絡を取る。
【Dー3/地下研究所・B5カーゴルーム前通路/一日目真夜中】
【タイラントT-103型@バイオハザードシリーズ】
[状態]:頭部に幾つかの銃創。(回復中)
[装備]:防弾・対爆性コート(損傷率1%)
[道具]:不明
[思考・状況]
基本行動方針:G-ウィルスの回収
1:G-ウィルスを追跡、回収。
2:任務遂行の障害となるものは排除する。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「人間をゾンビに変えちまうウィルスか……。ここまで来れば非主流(フリンジ)どころじゃない。SFの領域だ」
「でも
T-ウィルス、
T-ブラッド、
デイライトの名称は確かにノートにあったものよ。ゾンビのような人間も確認してる。これが偶然、とはならないんでしょうねえ」
「だろうな。……まあ幽霊はともかくとしても。全く訳の分からない事だらけだよ、この町は」
泣けるぜ。レオンは最後に付け足した。
B1階。開閉スイッチを押し続け、この階層に留めているエレベーターの中。
短い独白を終えた少女は、晴れない顔で三四達二人に視線を這わせ、戸惑い気味にその目を瞬かせていた。
幽霊に襲われた事。幽霊が彼等を導いてくれていた事。人間がゾンビ化するウィルスの事。
常識で測れば戯言として一蹴されるであろう話を、大の大人二人がこうして然程の抵抗も見せずに受け入れているのだ。
侮蔑されるかと構えていただろうに、意表を突かれたといったところだろうか。
果たして、どうかしたのかと三四が伺えば、ジェニファーはぎこちない表情で呟いた。
「信じてもらえないと思ってたんです……。こんな話、いっつも誰も信じてなんてくれないから」
「たまたま上でこのノートを見つけていたからよ。そうじゃなかったらいくらなんでもただのオカルト話で済ませてたわ。ラッキーだったわねえ、お嬢ちゃん」
尤もこの場合、幸運は三四達の方にもあったのだろうが。
あのノート。三四の読み込んだ範囲には、T-ウィルスが人体に入り込んだ際に発症する具体的な症状に関しての記述は見られなかった。
まだ開いていない別のページにそれは書かれているのかもしれないが、知らずにこの大学を出て行ってしまっては、それこそ何も分からずにゾンビ化して命を落としていたかもしれない。
三四はマントの下で、悍ましさに寒気立つ腕につい触れていた。
「正直言って半信半疑だけど、俺達も手伝うよ。ジェニファー。
確認するけど、君の友達はこの大学の何処かにワクチンの材料を探しに行ったんだな?」
「……そのはずです。マコトが……残った友達がそう教えてくれました」
「あのアジア系の少年か。でも彼は……」
そう。一人逃げ出した。
怪物を見て逃げ出したのなら、この大学の敷地内に未だ潜んでるという事もあるまい。
彼がその後何処に行ったのか。町に消えてしまったのなら探し当てるのは不可能に近い。つまりは、見捨てる他無いという事になる。
分かっています。少女は、微かに顔を曇らせて頷いた。
「それで、もう一人は……あの子なんだろう?」
レオンが誰を指しているのかは三四にも分かる。
エントランスホールで既にゾンビと化していたあの少女の事だ。
ジェニファーは再び頷いた。
「そのワクチンを打てばあの子も治せるのかな?」
「それは……分かりません」
「いえ、無理でしょうね」
三四は断言する。
何故言い切れるのかと言いたげなレオンの眼差しを真っ向から受け止めて、言葉を紡ぐ。
「正確には、症状を抑えたとしても無意味だということよ。
レオンくん、さっきのあの子、見たでしょう? ウィルスのせいで痛覚が麻痺してるんでしょうね。全く痛みを感じていない。
仮にワクチンを打って症状を押さえたとしても、壊死した組織や怪我が治るわけじゃないの。
あんな状態で正気に戻したところで激痛のあまりにショック死するのがオチでしょうねえ。
助けるとしたら、きちんとした設備の整った施設で治療を施す事が最低条件。それが出来ないなら彼女を助ける方法はまずないわ」
そして、こんな町では治療を施す事など不可能だろうという事も、三四は冷たく言い放つ。
現状では、あの少女も見捨てるしか無いのだ。
「……そうなると、ここにいるはずのお友達は後一人なのね?」
暗い沈黙が漂い始める中、三四は話を先に進める。
二人が落ち込む気持ちは分からないでもないが、今はその時間も惜しい。
「……はい」
「その子の特徴を教えてくれる?」
「えっと……アジア系の男の子で、名前はケーイチ。苗字は……よく覚えてないの。アジア系の人の名前って難しくて。瞳の色はブラウンだったわ」
「ケーイチ?」
その名を聞き、三四は僅かばかりに眉を動かした。
ふと脳裏に過ぎる、つい先日自らの手で殺害したやんちゃな同名の少年の姿。
無論この大学に居る筈のケーイチは三四の知る圭一とは縁もゆかりもない人物ではあるのだろうが、この細やかな偶然に口元がくすりと緩む。
「……年齢はどれくらいかしら?」
「多分、アーリーティーン……ミドルティーンかも。ごめんなさい、これもよく分からない。アジア系の人って幼く見えるから」
幼く。そう呟いた隣の男がこちらを向いた気配を感じるが、三四は無視する。徹底的に。
「……とにかく、そのケーイチくんが何処に向かったのかまでは分からない」
「……はい」
「だったら、そうねえ。とりあえず三階に戻りましょう。
お友達もそこで何かを見つけたかもしれないわ。例えばT-ブラッドの保管されてる場所や研究してる場所のヒントとかね。
もしもそうなら向かった先が分かるのだから、後を追いかけられるわ。……ううん、もしかしたらもう戻って来てるかもしれないわね」
「あ……そう、ですね」
それでいいわね。確認する三四に、少女は同意する。
頷き、3と表示されたパネルを押そうと、開閉スイッチを押さえるレオンの前に三四が指を伸ばせば。
その指は、レオンの手によって遮られた。
「いや、一階だ」
先程から口数を減らしていたレオンは、はっきりとそう言い切った後に躊躇わずに1を押した。
すぐに扉は閉まり、エレベーターは低い唸りを立てて動き出す。
今度は、レオンの顔に二人分の怪訝そうな眼差しが集められる番だった。
何故かを問うまでもなく、レオンは続けた。
「あの子はもう治せないんだよな……?」
「……え?」
「ミクのこと、ですか?」
レオンは静かに肯定する。
「もしも俺がもっと早くに君達に気付いていれば、あの子だって守れたかもしれないんだよな……。
でも守れなかった。あの子はもう治せない。ウィルスのせいだとは言え、ゾンビみたいな怪物になっちまったんだ。B級映画も顔負けのモンスターさ。
あのままだったら彼女は死ぬまで人を襲い続けるんだろう? そんなの、あんまりじゃないか。
俺だったら、あんな風になってまで生きていたいとは思わない。……死なせてやりたいんだよ」
「……あなたが殺すというの?」
「ああ、そうだ。……ポリシーには反しちまうけどな」
馬鹿馬鹿しい。三四は思う。
ミクと言ったか。確かに少女がゾンビ化するなどの最期は哀れに思えるが、そんな事はこちらの背負い込む事ではない。
三四とレオンが彼女がああなる前に近くに居た事は事実だが、実際気付ける要素は無かったのだ。責任を感じる理由は無い。
ましてやゾンビ化した人間を殺すとなれば、それと対峙しなくてはならないのだ。
自らを危地に追い込んでまで死人同然の者を救済しなければならない道理が何処にあると言うのか。
あまりにも馬鹿馬鹿しすぎる。あまりにも非合理的だ。やらせるべきではない。そう、三四は思う。――――思うのだが。
レオンを止めようと口を開いた時、ふとレオンに重なった男性の姿に、三四は言葉を飲み込んでいた。
チクリ、と仄かな熱と痛みで刺激される心の奥。
富竹ジロウ。彼のあの眼差しが、レオンのそれと重なっていた。
まただ。どうして。レオンとジロウに共通点など見当たらないというのに。
強いて言うならば正義感か。それとも優しさか。他の何物でもないあの熱さか。或いはその全てなのだろうか。
三四には分からない。分からないが、それでも確かに、レオンからは何処かジロウを思い起こさせる雰囲気を感じ取れる。
その雰囲気は、三四の胸を優しく焦がし、心地良く燻らせ――――そして。
(………………え?)
そして唐突に、その心地良い筈の燻りは、暗さを帯びてざわめき出した。
T-ウィルスの成果を間近に見た時に感じていたものと同じ暗いざわめき。黒く染まった燻り。吐き気にも似た不快感。
何かが、気に食わない。何かが。それは何に対しての感情なのだろうか。
レオンの甘さは常ならば好みではない類の物だが、それでも不快とまでは感じていない。
虫酸が走る程に気に障るものなど、この場には有りはしない筈なのだが。
そのざわめきの正体はやはり分からぬままに、エレベーターは一階に到着する。
レオンを止める気は失せていた。何となく、機を逃してしまった様に思えていた。
扉が開く瞬間、怪物の襲撃を警戒した三人に幾ばくかの緊張が走るが、幸いそこには何物の姿も無い。
「待っててくれ」
言い残してレオンは通路に足を踏み入れ、エントランスホールへと消えて行く。
そしてすぐに走った閃光と響き渡った銃声に、ジェニファーが息を呑んだ。
続けて響く、もう一発の銃声。
残響が、やけに耳にこびり付いていた。
【Dー3/研究所(ラクーン大学)・1階エレベーター前通路付近/一日目真夜中】
【
鷹野三四@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康、
サイレントヒルに対する強い怒りと憎悪
[装備]:9mm拳銃(8/9)、懐中電灯
[道具]:手提げバッグ(中身不明)、
プラーガに関する資料、サイレントヒルから来た手紙、グレッグのノート
[思考・状況]
基本行動方針:野望の成就の為に、一刻も早くサイレントヒルから脱出する。手段は選ばない。
0:この不快感は一体……?
1:デイライトを作る。
2:プラーガの被験体(北条悟史)も探しておく。
3:『あるもの』の効力とは……?
4:ジェニファーの友人を探す。
※手提げバッグにはまだ何か入っているようです。
※鷹野がレオンに伝えた情報がどの程度のものなのかは後続の方に一任します。
※グレッグのノートにはまだ情報が書かれているかもしれません。
※ジェニファーからこれまでの経緯を聞きました。
【レオン・S・ケネディ@バイオハザード2】
[状態]:打ち身、頭部に擦過傷、決意、背中に打撲
[装備]:
ブローニングHP(装弾数3/13)、懐中電灯
[道具]:コルトM4A1(30/30)、コンバットナイフ、ライター、ポリスバッジ、
シェリーのペンダント@バイオハザードシリーズ
[思考・状況]
基本行動方針:鷹野とジェニファーを守る
1:ジェニファーの友人を探す。
2:デイライトを作る。
3:人のいる場所を探して情報を集める。
4:弱者は保護する。
5:ラクーン市警に連絡をとって応援を要請する?
※ジェニファーからこれまでの経緯を聞きました。
【
ジェニファー・シンプソン@クロックタワー2】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:私服
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:ここが何処なのか知りたい
0:ミク……。
1:デイライトを作る。ケーイチを探す。
2:レオンたちについていく。
3:安全な場所で二人から情報を得る。
4:ここは普通の街ではないみたい……。
5:ヘレン、心配してるかしら。
※大学のエントランスホールにゾンビ化した深紅の死体があります。ラクーン大学裏口付近には寸断された圭一の残骸が、地下研究所のターンテーブルの床には転落死した誠の残骸が散らばっています。
※大学一階の裏口からエントランスホール、二階の学長室からバルコニーまでの壁がそれぞれ壊されています。また、実験室とエレベーターの天井には大きな穴があいています。
※上記の破壊痕は
サイレン後の世界には影響がないかもしれません。
※大学の3階実験室に、丈夫な手提げ鞄(分厚い参考書と辞書、筆記用具入り)、ヨーコのリュックサック(
ハンドガンの弾×20発、試薬生成メモ、
ハリー・メイソンの日記@サイレントヒル3)が置かれています。また生成機には
V-ポイズン、
P-ベースが設置されています。
※研究所地下は、ラクーンシティの地下研究所にエレベーターで直結しています。エレベーター前の通路は原作よりも長くなっているようです。
※ターンテーブルには、新堂の持ち物(学生証、
ギャンブル・トランプ(男)、地図(
ルールと名簿付き))が散乱しています。
※ヨーコが今後どういう行動を取るのか。どうなったのかは後続の方にお任せします。
※ターンテーブルを動かすには専用の鍵が必要です。
※地上の穴の縁、及びターンテーブルそのものにコンソールが設置されています。
※裏世界での地下研究所B5階モニター室、及びB6セキュリティーセンターは大穴に変わっています。
※タナトス@バイオハザード・アウトブレイクの死骸が地下研究所B4階連絡通路上にあります。
最終更新:2014年01月17日 22:20