エステル・ヘーグリンド(宇宙暦?年 - )は自由惑星同盟の政治家。オリジナルキャラクターである。女性

略歴

 ヨブ・トリューニヒトが台頭する以前の同盟の権力者。同じ国民平和会議(NPC)所属の ラウロ・オッタヴィアーニエティエンヌ・ドゥネーヴバイ・ジェンミンビハーリー・ムカルジとともに「ビッグ・ファイブ」の通称で知られていた。(15話)
 宇宙歴770年代の自由惑星同盟政界の中枢にあり、NPCを支配したウェーバー派は金権政治にあけくれ、腐敗の極みにあった。780年代彼らはこの惨状を批判しハイネセン主義への回帰を訴えた。財政再建と政治浄化を進めれば、民主主義は蘇ると主張した。同盟市民はこの主張を歓迎し、彼らを「ジャスティス・ファイブ」と讃えた。そしてついに、789年NPCと進歩党による改革派連立政権が発足した。しかし、改革の効果は上がらず同盟は更なる混迷に陥った。低支持率に苦しむ連立政権は、人気取りのための出兵を頻繁に起こした。「ジャスティス・ファイブ」は「ビッグ・ファイブ」となり、希望ではなく停滞の象徴と化した。(100話)

 宇宙歴791年、辺境星域を席巻したポリスーン出血熱の緊急対策予算案を潰し、当時のバイ最高評議会議長を総辞職に追い込んだ。
 宇宙歴794年1月、因果は巡るもので、同盟全体を巻き込む経済危機において、最高評議会議長の地位にあったが、オッタヴィアーニらの妨害に遭い、思うような対処法がとれなかった。この頃はドゥネーヴと手を組んでいた。(15話)これがヘーグリンド政権である。
 宇宙歴794年2月、ヴァンフリート戦役において、昨年に進歩党と取り決めた「一度に動員する宇宙部隊は三個艦隊を限度とする」との協定を破った。帝国軍が五個艦隊を動員してきたためやむを得ない措置ともとれるが、これによって進歩党の心証を害してしまう。
 同年5月10日、宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス元帥は勝利宣言を行うが、実態は痛み分けであった。(20話)
 戦勝による支持率回復を期待して、ロボス元帥に大軍を与えた賭けは失敗に終わり、6月には辞任に追い込まれた。(21話)
 宇宙歴797年3月、下院選挙にむけてNPCのオッタヴィアーニ派ドゥネーヴ派ムカルジ派バイ派など主流派とともに、トリューニヒト派クリップスグループを除名し、中道左派の進歩党、環境党、楽土教民主連合とともに中道連合を結成する動きがあるとの観測が流れた。(51話)
 同年3月、イゼルローン要塞攻略によって生じた「ヤン・ウェンリーの春」では、シトレ派と協調することで失地回復を図った。(52話)イゼルローン失陥にもかかわらず内戦を続ける銀河帝国への出兵が取りざたされたときには、バイ派とともに「神々の黄昏(ラグナロック)作戦」を消極的に支持した。(55話)

 宇宙歴798年3月、帝国首星オーディン陥落後の上院選挙で遠征推進派であるNPC主流派として圧勝する。(59話)しかし、戦局の悪化とともにその立場は揺らぎ始める。
 宇宙歴799年5月、ラグナロック戦役が終わったときには、新議長に選ばれたのはジョアン・レベロであり、その後任はホワン・ルイとなり、もはや議長候補にすら擁立されないほどその勢いは凋落した。
 宇宙歴800年9月、トリューニヒトの復権を阻止することもできなかった。(73話)
 宇宙歴801年3月、上院・下院同時選挙において、長らく同盟政界を動かしてきた「ビッグ・ファイブ」も五名のうち二名が落選した。このときに議席を失っている可能性もある。(74話)現在の動向は不明。
最終更新:2019年09月16日 00:01