クロプシュトック討伐戦とは795年12月頃行われた皇帝弑逆犯ウィルヘルム・クロプシュトックの討伐戦。銀河帝国の内戦である。

1 戦いの背景

 宇宙歴795年11月頃、ゴールデンバウム朝銀河帝国皇帝フリードリヒ四世及びルートヴィヒ皇太子はクロプシュトック侯爵により暗殺された。帝国政府は直ちにクロプシュトック侯爵の討伐命令を下した。討伐理由は「大逆罪」で、四親等以内の親族全員が死刑判決を受けた。後にクロプシュトック侯爵が言及されたときには「フォン」が外されており(96話)、このとき爵位と貴族身分の剥奪も同時になされたものと思われる。

 空位となった帝位をめぐって、最有力の皇位継承者である皇孫女エリザベートを擁する枢密院議長ブラウンシュヴァイク公爵、皇孫女サビーネを擁する大審院リッテンハイム侯爵が対立した。この両者に対して、先帝の側近である国務尚書リヒテンラーデ侯爵は策謀を巡らせた。まず、侯爵は引退を表明し、皇位継承問題に関しては中立公正な助言者として振る舞った。そして、「先帝の仇を討った者が即位するというのはどうか」と両者に持ち掛けた。

 両派はこの提案に飛びつき、総力を上げて弑逆犯クロプシュトックを討伐に向かった。

2 両軍の指導者・指揮官


3 戦いの経過

 作中ではこの戦いの詳細については記述されていない。
 宇宙歴796年10月、副宰相カストロプ公爵が「事故死」した頃にはクロプシュトック討伐について触れられていないので、遅くともその頃には討伐は完了したものと思われる。

4 結果及びその影響

 クロプシュトック討伐のため、両者が帝都オーディンを離れた隙をついてリヒテンラーデ侯爵は動き出した。
 宇宙歴795年12月11日、侯爵は皇太子の遺児をエルウィン=ヨーゼフ二世として皇帝に擁立した。それと同時に「先帝の遺詔」として、ブラウンシュヴァイク公爵・リッテンハイム侯爵・カストロプ公爵・リンダーホーフ侯爵への元帥号授与、リヒテンラーデ侯爵自身のの公爵昇格と宰相就任、ミューゼル男爵のローエングラム伯爵家継承などが実施された。騙されたブラウンシュヴァイク公爵、リッテンハイム侯爵は怒り狂ったが、軍隊と警察がエルウィン=ヨーゼフ帝の即位を支持しているので、しぶしぶ即位を認めた。
 しかし、これにより帝国はリヒテンラーデ派ブランシュヴァイク派リッテンハイム派に分裂することが不可避となり、銀河帝国継承戦争への火種となった。
最終更新:2020年06月15日 23:24