オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク(宇宙暦?年 - 宇宙歴802年)は銀河帝国の貴族。原作登場人物である。ブラウンシュヴァイク派の領袖。

1 略歴

1-1 前世

 銀河帝国皇帝フリードリヒ四世の皇女アマーリエを妻に迎え、彼女との間にエリザベートを儲けた。
 リッテンハイム侯爵と並ぶ、帝国の大貴族。リップシュタット貴族連合軍を組織し、ラインハルトと対決するが敗北、死亡する。

1-2 新版

 銀河帝国の名門ブラウンシュヴァイク公爵家の当主。ヴァナヘイム総管区の惑星レーンドルフを首府として広大な家領を有していた。(資料)

 宇宙歴764年頃、クレメンツ皇太子を支持する政敵、ウィルヘルム・フォン・クロプシュトック侯爵らを失脚させる。
 宇宙歴786年頃、シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ侯爵夫人を皇后へ擁立しようとした政敵マティアス・フォン・ファルストロング伯爵らを失脚に追い込む。

 宇宙歴795年には枢密院議長を務めている。保守派に属し、開明的なルートヴィヒ皇太子の足を引っ張った。「君主たる資質に欠ける」として、ルートヴィヒ皇太子の廃太子を求めさえしている。(30話)その後、ルートヴィヒ皇太子に代わる皇位継承者に娘の皇孫女エリザベートを就けることを主張し、皇孫女サビーネを押す大審院ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム侯爵と対立を始める。この時点で両皇孫女の資質、父親の政治力、支持者の数ともに互角。また、同盟への出兵を主導する。(第四次ティアマト会戦)(36話)
 同年にクロプシュトック侯爵がフリードリヒ四世とルートヴィヒ皇太子を暗殺すると討伐軍副司令官に就任する。これはクラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵の「先帝の仇を討った者(の娘)が即位するというのはどうか」という提案を受けたものである。また、「先帝の遺詔」として元帥号を授与された。(37話)
 宇宙歴796年、リヒテンラーデ公爵が前述の約束を破り、故皇太子の遺児エルウィン=ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウムを即位させたことに怒り狂うが、警察と軍隊が消極的ににこれを支持していたためにしぶしぶ認める。(45話)同年に帝国軍が大規模出兵を行うという発表があった際、同盟の国家安全保障顧問ルチオ・アルバネーゼ退役大将は
「帝国政府は同盟産穀物の輸入再開を望んでいる。近日中に和平を申し出てくるだろう。例の報道はでたらめだ。フレーゲル少将は軍事のプロではない。帝国産穀物の利権を持つブラウンシュヴァイク公爵、我が国と帝国を共倒れさせようとするフェザーンが仕掛けた謀略だ」
と推測した。(48話)同年のシャンプール・ショック後、食糧不足の責任問題を巡り、宰相リヒテンラーデ公爵と対立。両者の争いは、宰相府が枢密院議長の弾劾状を発行し、枢密院が宰相に辞職を勧告する事態にまで発展した。(50話)

 宇宙歴797年にリヒテンラーデ派リッテンハイム派が和解し、連合を組んだことで枢密院議長の座を奪われたが、リヒテンラーデ=リッテンハイム連合に反発する貴族を結集し、巻き返しを図る。同年2月ブラウンシュヴァイク公爵領の首府レーンドルフにおいて、娘であり先帝の孫であるエリザベートが即位。自身が帝国摂政となり、各尚書と帝国軍三長官以下の文武百官を任命し、味方になった軍人を全員一階級昇進させるなど、政府の体裁を整えた。さらに「エルウィン・ヨーゼフこそが偽帝である」と宣言し、偽帝討伐軍の総司令官に就任、リヒテンラーデ=リッテンハイム連合の偽帝討伐軍を迎え撃つ体制を取った。(51話)同年にイゼルローン要塞が陥落すると「リヒテンラーデ=リッテンハイム連合の無能が原因」と批判し、要塞陥落の責任を押し付け合った。また、同盟への軍事支援を要請したという噂が流れた。(52話)同盟が帝国侵攻に向けて動き始めるとリヒテンラーデ=リッテンハイム連合からブラウンシュヴァイク派に対して和解の申し入れがあったが、エルウィン=ヨーゼフ帝とエリザベート帝のどちらが退位するか、官職をどのように配分するかで折り合いがつかず、物別れに終わった。(55話)
 宇宙歴798年、「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦を発動した同盟軍が侵攻を開始すると再び和解交渉が行われ、フェザーンのオーディン駐在弁務官ヘルツォークから、「エルウィン=ヨーゼフ帝とエリザベート帝を同格の共同皇帝とする」「官庁を分割して幹部職を倍増させることで、両陣営の高官が失職しないようにする」との妥協案を提示されたが、共同皇帝の役割分担などで折り合えず和解交渉は失敗に終わる。(57話)リッテンハイム公爵率いるアースガルズ総軍が同盟軍との戦いで劣勢になると「帝都を救援する」と称し、リヒテンラーデ=リッテンハイム連合の拠点を制圧しながら、オーディンを目指した。第一次ヴァルハラ会戦終盤にオーディンに到着し、敗残兵を収容しつつ同盟軍と交戦するが、痛み分けに終わった。(59話)オーディンでの敗戦後、各惑星の地上部隊を増強する一方で、宇宙戦力を後方に下げて長期戦に持ち込もうとしたが、第一統合軍集団司令官ウランフ中将は、進軍を急がず、分艦隊規模から機動部隊規模の別働隊をいくつも作り、敵の後方へと侵入させることでヴァナヘイムのアースガルズ側宙域の実質的な使用権を手に入れた。また、同時期に「劣悪遺伝子排除法」を改正した。マクシミリアン=ヨーゼフ二世が付け加えた「晴眼帝条項」による特例措置を完全に廃止し、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム時代の厳しい水準に戻した。さらに、同盟諸組織・要人やラインハルトのネガティブ・キャンペーンを行った。(61話)
 宇宙歴799年にはベネディクト・フォン・オフレッサー元帥の活躍により、ヴァナヘイムから反体制派を追い払った。3月頃、アースガルズ予備軍の総攻撃と第三次ビブリス会戦の同盟軍敗北に乗じて攻勢を行う。(65話)4月頃、ラインハルトを連合軍総司令官として認め、第二次ヴァルハラ会戦グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー元帥率いる艦艇約八万隻を派遣する。(67話)

 宇宙歴801年10月には帝国首相を務めている。ルドルフ原理主義革命においてラインハルトが大勝したことから、帝国第一副首相リッテンハイム侯爵と共に民主化路線に転じ、同盟との永久停戦、議会創設、憲法制定、立憲君主制の導入を打ち出した。これは皇帝権威を弱めることでラインハルトを含む先帝側近グループを弱体化させる狙いがある。(91話)さらに同盟に対し
。対等な国家同士の平和条約という形式はとらない。帝国は「反乱勢力は沈静化した」と宣言し、同盟を「現地の自治的集団」として扱い、サジタリウス腕における自治的集団の統治権を「尊重」する。同盟は「銀河帝国との戦いは終結した」と宣言し、帝国を「現地統治者」として扱い、オリオン腕における現地統治者の統治権を「尊重」する。両国が戦闘終結と不干渉を別々に宣言し、承認問題を棚上げすることで、実質的な講和を実現する。
という大胆な講和案を提示した。また、捕虜回収事業を主導し、その功績で帝国軍大元帥に任じられた。(93話)

 宇宙歴802年には民主化を求める「リップシュタット上奏文」を提出する。(94話)
 同年2月24日、ローエングラム大元帥のクーデターにより大逆罪として爵位と貴族身分を剥奪された上で処刑される。(96話)ファルストロング伯爵の推測によると宇宙港で出迎えに来たところを一網打尽にされたのではないかとのこと。

2 能力

 情報・治安部門で出世してきた人物であり(55話)、煽動や工作が得意。(61話)政敵が「病死」する幸運に恵まれることで有名。(60話)同盟政界で例えると「中道右派の中の一番右」に位置する。(59話)

3 性格

 選民主義で悪名高い。頑健な肉体を持ち、強さを渇望し、弱さを憎み、外見を美々しく飾り立てるところは小ルドルフそのもの。人権侵害や下品な宣伝戦略によって同盟市民の怒りを買った。(64話)
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最終更新:2021年05月01日 11:47