ラインハルト・フォン・ローエングラム(Reinhard von Lohengramm、宇宙暦776年3月14日 -宇宙歴801年7月26日)は銀河帝国の貴族軍人、原作主人公である。本名はラインハルト・フォン・ミューゼル。男性。

1 外見

豪奢な金髪と蒼氷色(アイス・ブルー)の瞳を持つ白皙の美青年。

2 略歴

2-1 前世

帝国の首都星オーディンにて帝国騎士ミューゼル家の長男として生まれる。帝国軍幼年学校後、帝国軍少尉として惑星カプチェランカ基地に勤務。中尉としてイゼルローン要塞駐留艦隊第237駆逐隊所属駆逐艦ハーメルンⅡ航海長。大尉として軍務省に勤務。少佐としてイゼルローン要塞駐留艦隊所属駆逐艦エルムラントⅡ艦長、第五次イゼルローン要塞攻防戦に参戦。中佐としてイゼルローン要塞駐留艦隊所属の巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェン艦長。大佐として憲兵隊に勤務。宇宙歴794年、准将となりグリンメルスハウゼン艦隊分艦隊司令官として同年3月21日のヴァンフリート星域の会戦に参戦。終戦後、少将に昇進し貴族家系候補として断絶していたローエングラム伯爵家を選ぶ。同年10月に第六次イゼルローン要塞攻防戦に参戦しヤン・ウェンリーと初対決。宇宙暦795年1月5日に中将に昇進し一個艦隊の司令官として第三次ティアマト会戦に参戦。猛攻を続ける第一一艦隊を攻勢の臨界点まで行くよう見極め一斉攻撃し瓦解寸前に追い込みウィレム・ホーランド中将を戦死させる。こうして大将に昇進し戦艦ブリュンヒルトを手に入れる。同年9月4日のレグニツア上空遭遇戦及び9月13日の第四次ティアマト会戦に参戦。終戦後ヤンの存在を知る。20歳にして上級大将となり、ローエングラム伯爵家の名跡を継ぐ。宇宙暦796年2月、アスターテ星域会戦に参戦。ダゴン星域会戦をまねたジェフリー・パエッタ中将の攻略を見破り各個撃破の策略で第四艦隊第六艦隊を壊滅寸前にしヤンの親友・ジャン=ロベール・ラップ少佐を戦死させる。そして第二艦隊も攻撃し完全勝利が目前とされた時、司令官代理となったヤンの奇策に妨害される。だが同盟軍を壊滅寸前にした功績により帝国元帥に昇進し宇宙艦隊副司令長官となり、同時にローエングラム元帥府を開く。同年8月22日の諸惑星の自由では打開策として焦土作戦を実施し第三艦隊第七艦隊第八艦隊第九艦隊第一〇艦隊第一二艦隊を壊滅させ軍はおろか政府をも瓦解寸前に陥れる。勝利したたものの帰還中にフリードリヒ四世が亡くなり一時軍や貴族から追放と思われたがエルウィン=ヨーゼフ二世を即位させた国務尚書・クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵によって武官代表として爵位を侯爵に進め宇宙艦隊司令長官に就任する。これにより門閥貴族との対決が濃くなるのを受け自由惑星同盟軍にも同様なクーデターを起こさせようとエル・ファシルの逃亡者・アーサー・リンチ少将に救国軍事会議を立ち上げさせるよう命令し更に瓦解寸前へと導かせる。そしてリップシュタット戦役が始まると先発して首都星オーディンを制圧し帝国軍三長官に就任し賊軍と名付けた貴族連合軍を打倒する。更に部下達によって帝国宰相リヒテンラーデ公も排除し爵位を公爵に進め帝国宰相も兼任。軍事のみならず国政の実権も掌中にし、幼い皇帝の下で事実上の銀河帝国の支配者となる。
しばらくしてフェザーン自治領主・アドリアン・ルビンスキーの策略を知りわざと実行させ銀河帝国正統政府が樹立したのを見届け自由惑星同盟に宣戦布告、「神々の黄昏」作戦を発動させる。まず元凶のルビンスキーを打つ為にフェザーン自治領を無血占領する。そしてランテマリオ星域会戦で同盟軍宇宙艦隊を壊滅寸前に陥れる。この頃より発熱を患う。そしてバーミリオン星域会戦で元帥となったヤンと1対1の勝負をする。ヤンを完全敗北させる完璧な作戦だったが逆にこれを利用され敗北寸前へ、ナイトハルト・ミュラー大将の助けがあったものの遂に命運が尽きる所までに陥る。だがヒルダがボツにされた惑星ハイネセン征圧案をウォルフガング・ミッターマイヤーオスカー・フォン・ロイエンタール両上級大将に実行させ最高評議会議長ヨブ・トリューニヒト地球教と協力して無条件停戦命令を発動した事で一命を取り留める。そしてヤンと最初で最後の会談を行う。そして自由惑星同盟を併呑し銀河帝国正統政府を壊滅させ銀河の統一を果たす。オーディンに帰還後、皇帝ラインハルト1世として即位しローエングラム王朝を誕生させる。
即位からしばらくしてヒルダの従兄弟・ハインリッヒ・フォン・キュンメル男爵に暗殺されるも難を逃れる。ウルリッヒ・ケスラー上級大将の報告で背後に地球教の存在を知った彼はアウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将に討伐の命を下す。その後ホテル・シャングリラ事件において同盟駐在高等弁務官・ヘルムート・レンネンカンプ上級大将が自殺した事を受け当初計画sあれていた首都機能を惑星フェザーンに移動する事を決定。そして自由惑星同盟に宣戦布告する。マル・アデッタ星域会戦アレクサンドル・ビュコック元帥率いる宇宙艦隊を壊滅させ、惑星ハイネセンに降り立つと暗殺されたジョアン・レベロの葬儀をカール・ロベルト・シュタインメッツ上級大将に託し、卑劣なスタンリー・ロックウェル大将ら11名をアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト上級大将に公開処刑させるのであった。そして冬バラ園の勅令を発布させ自由惑星同盟を滅亡する。そして宿敵・ヤン・ウェンリーを討ち取ろうと回廊の戦いを行う。だが第3会戦が終了した直後再び発熱で寝込む。そしてヤンと再び会談する決心をする。だが地球教残党によるヤン・ウェンリー暗殺事件が発生し深いショックを受け撤退を余儀なくする。惑星フェザーンへ帰還後は統帥本部総長も兼ねる。
ライバルを失ってからは政務に政務に専念する。しばらくして新領土総督となったロイエンタールが再反逆という噂が流れる。そんな疑問の最中にロイエンタールから惑星ハイネセンへの招待文が届く。途中立ち寄った惑星ウルヴァシーで地球教残党に襲撃されコルネリアス・ルッツ上級大将を失う。脱出してワーレンに救助された彼は訃報を聞き愕然とする。そして何の返答もしないロイエンタールを見て討ち取る事を決意し怒りの末ミッターマイヤーの静止と助言を無視し彼を討伐指揮官に任命した。この苦痛の最中、ヒルダからルッツの最後の仕事を聞いて自分の不快さを思い知りルッツの意をくむため原因といわれた内務省・ハイドリッヒ・ラング次官を逮捕した。それでも返答しないロイエンタールにとうとう新領土総督解任と元帥号を剥奪するのであった。そしてとうとう第二次ランテマリオ星域会戦となりロイエンタールは遂に息を引き取る。この訃報とエルネスト・メックリンガー上級大将の調査報告を聞いた彼は元帥号を返上し戦死者達も不問にし隠蔽・反逆をしたアルフレット・グリルパルツァー大将を軍籍・階級を剥奪し毒ワインによる自決令を下した。同年12月30日、ヒルダから妊娠している事実を聞き求婚の受諾をする。こうして新帝国3年の新年パーティーで妊娠事実が報告され、同年1月29日、ホテル・シャングリラのパーティー会場で結婚式が営なわれた。
結婚後は柊館でヒルダと仲渦ましく生活するも同年2月12日に起きた第一一次イゼルローン要塞攻防戦イゼルローン共和政府の力を知ったラインハルトは遠征をするも発熱で寝込んでしまう。

2-2 逆行後


3 能力

4 人柄

「その人となり、戦いを嗜む」と評され、自己主張をはっきりと行う性分で、好戦的で激情家としての側面がしばしば登場する。特に姉について中傷されると激昂する。幼少期よりその傾向があったようで、敵を作ってばかりとキルヒアイスに心配されたり、挑発したクラスメイトの頭部を石で執拗に殴る事もあった。「戦いを嗜む」とは、状況の解決に軍事的手段を優先させがちな彼の本質を端的に表した言葉といえる。当然ながら提督達もこの性格を熟知しており、ミッターマイヤーはラインハルトが危篤に陥った時、ラインハルトが死んでヴァルハラに行ったら、先に死んでいった提督達を集めてヴァルハラの征服に乗り出すのではと一瞬夢想した程である。


5 パートナー

5-1 キルヒアイス

ジークフリード・キルヒアイスは下町へ引っ越した時から幼馴染みで学校も一緒。帝国軍の入隊時期も階級は違うが同期。准尉から大尉までは傍らとして少佐から大佐までは副官として仕えさせ、ローエングラム元帥府を開くと一気に少将に昇進させる。発生中のカストロプ動乱をキルヒアイスにやらせるよう国務尚書・クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵に頼み見事平定させ中将に昇進し誰もが認めるNo.2の地位を占めるようなる。諸惑星の自由でもNo.2のの力を見せ終結後、エルウィン=ヨーゼフ二世が即位すると上級大将に昇進させ宇宙艦隊副司令長官に就任する。リップシュタット戦役では辺境を平定し副盟主・ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム侯爵を討ち取る。だがその最中、盟主・オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵が引き起こしオーベルシュタインが進言し黙認したヴェスターラントの虐殺でラインハルトが自分は政治宣伝の為に黙認したと認めた事で2人の友情の絆に亀裂が入る。更にオーベルシュタインのNo.2不要論でキルヒアイスを部下扱いにしてしまう。リップシュタット戦勝記念式典においてラインハルトは部下扱いを実行するもブラウンシュヴァイクの副官・アンスバッハ准将がハンドキャノンでラインハルトを討とうとするもキルヒアイスはその身を盾にしてラインハルトを庇うも凶弾に倒れラインハルトに看取られながら「ラインハルト様、どうか宇宙を手にお入れください。」と言い残し息を引き取る。更にこの訃報を聞いたアンネローゼはショックの末ラインハルトと離れる事となる。最愛の友を部下扱いにした事が彼の命を奪い姉までも遠ざかってしまう悲劇を作り出しラインハルトはこの絶望感を背負い戦い続けなければこの心情が収まらないようになる。
終戦後、キルヒアイスは国葬に処され、帝国元帥と帝国軍三長官、帝国軍最高司令官代理、帝国宰相顧問の地位と称号が与えられ、墓はアンネローゼが移り住んだ帝都西方にあるフロイデン山岳地帯の山荘近くに立てられ墓にはわが友という文字が刻まれた。
キルヒアイスの死後、最初に発生した悲劇は第八次イゼルローン攻防要塞戦だった。フェザーン自治領主・アドリアン・ルビンスキーが仕組み科学技術総監・アントン・ヒルマー・フォン・シャフト技術大将が提案したがイエスブルク要塞を使ったイゼルローン要塞攻略をラインハルトはすんなり認めてしまったのだ。キルヒアイスが生きていればこのような計画は実行されなかった閣僚は皆思っていた。結果は要塞は大爆発をして崩壊し司令官のカール・グスタフ・ケンプ大将が戦死するという最悪な結果に終わった。大重傷で戻ってきた副司令官のナイトハルト・ミュラー大将を最初は処断しようと思ったがキルヒアイスの幻を見て自分が間違っていたと気付きミュラーを不問にしケンプを国葬に処され、上級大将に昇進させた。
ローエングラム王朝が成立すると大公の地位を贈られるとともに彼の名を冠した勲章が創設された。
回廊の戦い・第3会戦が終了しラインハルトが熱で寝こんでいる最中、ラインハルトの夢の中に出てきて問いかけヤンとの再会談へと導く。

5-2 オーベルシュタイン

パウル・フォン・オーベルシュタイン第七次イゼルローン攻防要塞戦において駐留艦隊司令官・ハンス・ディートリッヒ・フォン・ゼークト大将を補佐出来ず素早く旗艦から脱出した事から軍法会議にかけられる事となった。不服と思った彼はローエングラム元帥府へ赴きラインハルトに今の気持ちを全てぶつけた。この事にラインハルトとキルヒアイスは逮捕しようと思ったが次々と御託を言いまくるオーベルシュタインを見てラインハルトは彼の才能を認めるのであった。そこに国務尚書・クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵より呼び出しが入った。軍務尚書エーレンベルク、統帥本部総長・シュタインホフ幕僚総監ユリウス・フォン・クラーゼン、宇宙艦隊司令長官・グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー両元帥が一斉に辞表を提出したのでどれを選ぶか決めて欲しいと言うのだ。だがラインハルトはフリードリヒ四世に罪はゼークトとトーマ・フォン・シュトックハウゼン大将にあるももうすでに罰を受けているから4人には慰留して貰いその代わりにオーベルシュタインを罪に問わないよう進言するのであった。こうしてオーベルシュタインは貴族に代われ准将に昇進し付参謀となった。諸惑星の自由終結後、エルウィン=ヨーゼフ二世が即位すると中将に昇進し宇宙艦隊総参謀長、元帥府事務長に就任する。リップシュタット戦役ではラインハルトはおろかアンネローゼをも侮辱したベネティクト・フォン・オフレッサー上級大将を貴族連合軍に疑心暗鬼の種を植え付ける為の囮にし味方の手で処刑するよう仕向ける。そして盟主・オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵が甥の報復の為に自身の領地・惑星ヴェスターラントを熱核攻撃すると宣言し、アンスバッハ准将やウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将が切り捨てらているの聞き更に内紛を深刻化させようと黙認し映像を撮って政治宣伝するよう進言する。その結果、貴族連合軍は大分裂するがラインハルトとキルヒアイスの友情の絆に亀裂が入る。そんな状況下に彼は前々から進言したNo.2不要論を改めて訴える。そしてリップシュタット戦勝記念式典においてアンスバッハ准将がラインハルト暗殺未遂事件を起こしキルヒアイスが返り討ちにあって亡くなる。この大絶望の中、部下全員に復帰策として背後の敵・帝国宰相・リヒテンラーデ公の排除を提案。そして自身は誰も出来なかったキルヒアイスの訃報をアンネローゼに告知するのであった。終戦後、上級大将に昇進し統帥本部総長代理も兼ねるようになる。

6 家族


7 座乗艦

最終更新:2025年04月28日 12:07