クラウス・フォン・リヒテンラーデ(Klaus von Lichtenlade、宇宙暦721年 - 宇宙歴797年)は銀河帝国の貴族。原作登場人物である。男性。

略歴

前世

 第36代皇帝・フリードリヒ四世の下で内務尚書宮内尚書財務尚書を経て国務尚書兼帝国宰相代理に就任。アスターテ星域会戦に先だってオットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵、軍務尚書エーレンベルク統帥本部総長シュタインホフ幕僚総監ユリウス・フォン・クラーゼン宇宙艦隊司令長官グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー両元帥と共に上級大将に昇進しローエングラム伯爵家を継いだラインハルト・フォン・ローエングラムににウォルフガング・ミッターマイヤーオスカー・フォン・ロイエンタールエルネスト・メックリンガーカール・ロベルト・シュタインメッツらを転属という辞令を下すという大嫌がらせをする。カストロプ動乱においてはラインハルトの口利きでジークフリード・キルヒアイス少将を討伐司令官に任命する。諸惑星の自由後、自らの保身と外戚による帝国私物化を阻止する為にエルウィン=ヨーゼフ二世を第37代皇帝に即位させ、帝国宰相(摂政)に就任し公爵になる。そしてラインハルトを武官代表として宇宙艦隊司令長官に就任させ侯爵にしキルヒアイスを宇宙艦隊副司令長官に就任させる。リップシュタット戦役の終結が近づくと貴族達を取り入ってラインハルト排除の陰謀を進めるが、ガイエスブルク要塞アンスバッハ准将によるローエングラム元帥暗殺未遂事件が発生しパウル・フォン・オーベルシュタイン中将の策略でキルヒアイス暗殺事件の黒幕として一族共々逮捕され(自身は自邸の寝室で読書していた所をロイエンタール大将に拘束される。)、ラインハルトの命で毒ワインを飲まされ自決される。

新版

 少なくとも、後継者となった長男ハインリヒ(116話)、査閲総監となる次男カールスバート伯爵(97話)、オクセンハウゼン子爵に嫁いだ娘(97話)の三人の子供がいる。また、一族に、テレーゼという少女がいる。(116話)

 宇宙歴794年時点で国務尚書を務めている。「行政宰相」と呼ばれている。侯爵。(23話)元は子爵であったが、フリードリヒ四世によって侯爵へと引き上げられた人物
 宇宙歴795年には「正統な後継者だから」とルートヴィヒ皇太子を消極的に支持してきたが、あまりのラディカルぶりに頭を痛めているという。(31話)同年にフリードリヒ四世がウィルヘルム・フォン・クロプシュトック侯爵に暗殺された後、公爵に昇格し、宰相就任した。(38話)
 宇宙歴796年、当初は引退を表明し、皇位継承問題に関しては中立公正な助言者として振る舞っていたが、ブラウンシュヴァイク派リッテンハイム派に対し、「先帝の仇を討った者が即位するというのはどうか」と提案し、両派が帝都を留守にしている間に皇太子の遺児エルウィン=ヨーゼフを皇帝として擁立した。(45話)同年にオイゲン・フォン・カストロプ公爵が宇宙船事故で死亡すると、長子マクシミリアンの相続手続きを不正蓄財疑惑を理由に延期した。同年のシャンプール・ショック後、食糧不足の責任問題を巡り、枢密院議長オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵と対立。両者の争いは、宰相府が枢密院議長の弾劾状を発行し、枢密院が宰相に辞職を勧告する事態にまで発展した。(50話)
 宇宙歴797年には大審院ウィルヘイム・フォン・リッテンハイム侯爵と連合を組む。これがきっかけとなり、ブラウンシュヴァイク派との内戦状態に突入する。また、内戦に巻き込まれることを嫌うイゼルローン方面の中立派諸将と協定を結び、内戦への参加を求めない代わりにエルウィン=ヨーゼフ帝への忠誠を誓わせた。(51話)
 宇宙歴798年、「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦を発動した同盟軍が侵攻を開始すると再び和解交渉が行われ、フェザーンのオーディン駐在弁務官ヘルツォークから、「エルウィン=ヨーゼフ帝とエリザベート帝を同格の共同皇帝とする」「官庁を分割して幹部職を倍増させることで、両陣営の高官が失職しないようにする」との妥協案を提示されたが、共同皇帝の役割分担などで折り合えず和解交渉は失敗に終わる。(57話)同年の第一次ヴァルハラ会戦で同盟軍にヴァルハラを奪われた後、旧カストロプ公爵領の主星ラパートに本拠を移す。一か月の間に恩赦や減税を何回も行い、断絶した名門を復活させ、食糧や酒を無料で配るなどの人気取り政策を行ったが、弱体ぶりを示すだけの結果に終わった。(60話)
 宇宙歴799年にはヨトゥンヘイム戦線で要衝であるビブリス星系を巡り同盟軍第三統合軍集団、第六統合軍集団の主力と激戦を繰り広げた。(64話)同年3月に第三次ビブリス会戦ウォルフガング・ミッターマイヤー宇宙軍中将が同盟軍ヘプバーン高速集団を破った後、すべての大逆犯に恩赦を与えた。解放区選挙で首長や議員となった者、反体制派として帝国に反乱した者、亡命者として同盟軍に協力した者までも、無条件で赦免されるという内容である。(65話)
 ラグナロック作戦終了後、フェザーン自治領から無利子融資を持ちかけられると受け入れた。(71話)
 宇宙歴801年頃、ブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム公爵を中心とする保守派貴族たちと対立し、ラインハルト・フォン・ローエングラム大元帥らと共に先帝側近グループを構成した。元老会議議長を務めている。(87話)
 宇宙歴802年2月、ローエングラム大元帥のクーデター後、帝国摂政に就任している。その後、門閥派の財産の殆どを接収し、開明派ラインハルト派が主張する特権企業解体論を強引に潰し、門閥派の私兵を内務省管轄下に置いた。さらにラインハルト派の重鎮であるジークフリード・キルヒアイス宇宙軍大将にブラウンシュヴァイク公爵位を与えるなど厚遇しラインハルト派分断を図った。(96話)
 同年4月の政変で首相ゲルラッハ伯爵と共に記者会見を開き引退を宣言した。しかし、リヒテンラーデ派への粛清は行われなかった。(98話)
 宇宙歴803年8月、フェザーンで逝去。享年八二歳、死因はホルニッヒ病であった。葬儀は国葬とされ、大公に準ずる格式を持って葬られた。勅命により、「誰よりも皇室を敬い、誰よりも国家を憂い、誰よりも正義を愛した人、ここに眠る」という賛辞が墓石に刻まれた。帝国名誉大法官、帝国大元帥、枢密院名誉議長の称号を追贈され、政府と軍部と貴族の最高位者となった。(116話)
 同年10月、ローエングラム大元帥のクーデター救国軍事会議のクーデター)後、収賄や横領や職権乱用など五九の罪で有罪判決を受けた。死後に追贈された称号はすべて剥奪された。後継者のハインリヒに巨額の罰金が科せられ、全財産を差し出しても足りないほどの借金が残った。皇帝とクラウスの孫テレーゼの婚約は破棄された。遺体はフリードリヒ四世廟から運び出され、遺族のもとに戻された。キールマンゼクらが作らせたクラウスの銅像二万体、クラウス語録二〇億冊、クラウス著作集八億冊は、すべて廃棄処分となった。(117話)
最終更新:2024年12月18日 10:44