【設定】
プラントのクライン派によって奪取されたザフトのMS運用専用母艦。
元々はザフトが開発した
フリーダムガンダムと
ジャスティスガンダムの専用母艦として開発された。そのため、両機の核分裂炉を整備するための専用設備が搭載されている。
ナスカ級を遥かに超える航行速度を持つが、これは両機の行動に随伴するためや、単艦運用になってでも両機を素早く戦場へ搬送する役割のためとされる。
一方で火力は高くなく、艦載機に頼る形となってはいるが、CIWSやミサイルによって防御・迎撃能力は確保されている。
【武装説明】
58mmCIWS
艦体に多数設置されている近接防御機関砲。
66mm連装レールガン
艦橋後方の両舷に2門装備されたレールガン。
ミサイル発射管
艦体に多数装備されているミサイル発射管。
単装エネルギー収束火線砲
艦橋前方に装備されている単装ビーム砲。
本艦の主砲だが射角は上か正面にしか取れず、基本的には正面に向けて撃つ。
核エンジン搭載MS用のアームドモジュール。
フリーダムおよびジャスティスが使用しない場合は本艦の艦体前方に装備され、可動砲台として運用される。
【原作の活躍】
ザフトの艦として運用される予定であったが、艦長として就任したバルトフェルドがクライン派だったため、そのまま奪取される形でプラントを離脱。
以後はラクスの座乗艦として運用され、
アークエンジェルおよびクサナギと共に地球連合軍やザフト軍と戦った。
停戦後はクライン派の兵器開発工廠「ファクトリー」に隠され、修復が行われていた。
宇宙におけるクライン派の拠点として使用されたが、プラント最高評議会議長デュランダルがデスティニープランの導入を宣言すると、それを阻止するべく活動を再開した。
C.E.75年ではザフトに復帰し、イザークやディアッカの母艦として運用されている。
ジャガンナート率いるザフト反乱軍がクーデターを起こした際にはプラント最高評議会議長ワルターを救出し、反乱軍の粛清に動いた。
【艦長】
アンドリュー・バルトフェルド
CV:置鮎 龍太郎
クライン派の戦艦エターナルの艦長。
以前はザフト軍の『
砂漠の虎』と呼ばれるエースパイロット兼
レセップス艦長であり、アフリカ砂漠でアークエンジェル隊に所属する
ストライクガンダムと交戦した。
その戦闘によって戦死したと思われたが奇跡的に生還する。
しかし、その代償は大きく、左目、左腕、左足、そして恋人のアイシャを失った。
奇跡の生還によって知名度が急上昇したのか、指揮官や艦長としての腕を買われたのか、或いは体調を慮られたのか、ザフトの新造艦エターナルの艦長へ任命される。
だが、彼は副官のダコスタに乗る形でクライン派となっており、エターナルは強奪された結果、彼らの旗艦として運用されることとなる。
アークエンジェルと合流後、かつて自分を倒したストライクのパイロットであったキラ・ヤマトと再会するが、戦争で敵対していたからと割り切っており、キラを恨むような事はしなかった。
エターナルに乗艦してからは艦長兼指揮官に集中していたため、MSに乗ること無く終戦を迎えた。
停戦後はオーブに身を隠し、アークエンジェルの艦長マリュー・ラミアスと親しい仲になるが、お互いに前大戦で喪った恋人のこともあるため友人的な仲で終わっている。
ラクスの暗殺未遂事件を機にアークエンジェルに乗り込み、再び戦場に舞い戻った。
ミネルバvs地球軍&オーブ戦に介入した際には専用にカラーチェンジされた
ムラサメに搭乗し、MSパイロットとしての腕は落ちていないことを証明。
宇宙に上がってからも1度だけ鹵獲した
ガイアガンダムに乗って数多くの赤服相手にその強さを見せ付けた。
最終決戦時には艦長兼指揮官に集中しており、再び
ガイアに乗り込むことは無かった。
指揮官としては正しい姿だろう。ダゴスタの胃にも優しいし
劇場版FREEDOMでも登場。クライン派としてザフトに復帰したらしい。
台詞はなかったものの、ジャガンナート派のクーデターの鎮圧に成功していた。
小説版ではダコスタとのやり取りが追加された。
【原作名台詞】
- 「戦争の中だ。誰にでもそんなもんあるし、誰にだってない。」
- キラと再会してお互い様と言った後に。彼なりに割り切っていた。
- バルトフェルド「戦場で、始めて人を撃った時……俺は震えたよ。だが、すぐ慣れると言われて……確かにすぐ慣れた」
マリュー「あれのボタンも、核のボタンも、同じと……?」
バルトフェルド「……違うか?人はすぐ慣れるもんだ。戦い…殺し合いにも」- ジェネシスが地球軍艦隊を焼き払うのを目撃し、その後のブリーフィングで地球に向けて撃ってくる可能性を聞かれて。
- 人は良くも悪くも「慣れる」生き物であり、核もジェネシスも一度撃たれた以上、次はどちらも躊躇いなく撃ってくるという危惧と「敵は殲滅すべし」というコズミック・イラ世界の狂気を目の当たりにして吐き捨てるようにつぶやく。
- 「要塞の裏側に回り込め!当たらなければどうということはない!」
- DESTINYの最終決戦にて。メサイアのネオジェネシスを攻略するが、分かりやすくこの人のオマージュである。
というかその要塞にいる議長が中の人である
- バルトフェルド「うーむ、今日のブレンドは格別だよ、ダコスタくん」
ダコスタ「それはよかったですね、隊長」
バルトフェルド「もうそろそろ引退して、コーヒー農園でも始めたかったんだがなァ……」
ダコスタ「はいはい、その時は手伝いますから、いまはこっちに集中してください」- FREEDOM小説版で追加されたシーン。クーデター鎮圧に出動する前。コーヒー好きは相変わらずどころか更に堪能するための夢まで持ち始めたが、物騒なご時世からプラントも猫の手ならぬ虎の手も借りたいらしく、夢をなかなか叶えられずにいるようだ。
バルトフェルドも感じている通りダコスタからの扱いも雑になってきている
【搭乗員】
マーチン・ダコスタ
CV:笹沼 晃
アンドリュー・バルトフェルドの副官。
アフリカ砂漠の戦いの後はクライン派となった。
自由気ままなバルドフェルドに振り回されることが多い苦労人。
バルドフェルドの出撃に際して艦を預けられる、数人のチームを率いてコロニーメンデルから貴重な資料を拾ってくるなど有能な人物であるが、敵性勢力に避難勧告するよう命令されたりコーヒーを押し付けられたり…
DESTINY後はプラントに復帰したようで、FREEDOMの小説版でもバルドフェルドの副官として登場。最高評議会の奪還作戦を迅速に完了した。
戸田版アストレイでは出番が増えており、アークエンジェル戦後に瀕死のバルトフェルドを保護していたところにやってきたロウ達と遭遇、賊と勘違いするものの共闘したことで和解する。ここでロウ達の考えに触れたことでクライン派への参加を決意することになる。
以後もロウ達とは付き合いがあり、三隻同盟への補給を依頼したりしている。
【原作名台詞】
- 「無茶な人ですね、あんたも。死ぬ気ですか?」
- 父パトリックの説得に失敗し、銃撃を受けたアスラン・ザラを救助した時の台詞。
ラクス・クライン
CV:田中 理恵
プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの一人娘で、プラントで人気の歌姫。
外見・性格共に気品のある美少女だが、おっとりしている反面、好奇心旺盛で肝の据わっている面があり、戦艦・エターナルの指揮官として自ら戦場に赴き、戦争終結に向けて奔走するなど意思の強さも持ち合わせている。
だが、父であるシーゲルが暗殺された際は気丈に振る舞いつつも、キラの胸で涙を流すなど決して強いわけではない。
当初はプロパガンダ的な意味合いも含め、プラントの歌姫として各地で慰問活動を行っており、自身もある程度利用されている事を理解した上で、父親に協力していたようである。
そのこともあり、プラント市民からの人気は絶大で、熱心なファンが多い。
また、かなりのお嬢様ではあるが意外にも炊事や掃除などといった家事が得意である。
実際「星のはざまで」や「DESTINY」では孤児院で食事を作ったり、子供達の面倒を見ていたりしていた。
アスラン・ザラとは許嫁の関係だったが、ザフトから反逆者として追われる立場になったことや、互いに
意中の人物が出来た為か、婚約に関しては自然消滅となった。
ヤキン・ドゥーエ戦役後はキラ達旧三隻同盟の主要メンバーと共にマルキオ導師の孤児院で子供たちの世話をしながら隠遁していた。
しかし、連合とザフトとの戦争再発直後にコーディネイターの特殊部隊による襲撃を受け、更に
カガリ・ユラ・アスハの政略結婚の件を知ると再び立ち上がる事を決意。
アークエンジェルと行動を共にした後はバルトフェルドと共にエターナルへ帰還、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの真の目的を探るために行動していた。
オーブ戦で
インフィニットジャスティスガンダムに搭乗して大気圏突入後アークエンジェルに着艦、プラント側がオーブの公式発表の中継を乗っ取った事を利用し、己の存在を晒す事によって「プラントのラクス・クライン」=
ミーア・キャンベルが逆に偽物である事を暴露、デュランダルとの対立が公となった。
オーブでの戦闘後はアークエンジェルと共に再び宇宙に戻り、エターナルに帰艦。
月軌道上におけるメサイア攻防戦終結後はキラと共にプラントに戻り、プラント最高評議会に入っている。
ヒロインの一人であるのだが、初登場時と再登場してからのキャラが変わっているように見えるため最初は演技していた疑惑がある、DESTENYでは戦後に最高評議会に入っていたりポジションについているため腹黒疑惑がある上、公式でラクス本人のモノローグや感情を吐露するシーンなどがほぼないので、彼女が何を考えているのか分からないと不憫な扱いを受けている。
声を担当したの田中氏からも「人間味があるミーアのほうが好き」的なことまで言われたほど。
平和を謳い続けながらも、自身の抱える戦力が
ほぼ全てザフトから実物なりデータなり盗んだ物である(彼女の指示かどうかは不明であるが)ことも批判の要因となっている。
人気の高いキャラであることは確かだが嫌う人も多い、SEEDによくあるタイプの典型だが、彼女の場合特に顕著。
ガンダムAにおいて「嫌いな悪役」投票で1位になってしまったこともあるほど。
スパロボなどのクロスオーバー作品では歌姫として、『マクロスF』のランカ・リーやシェリル・ノームといった他作品の歌姫たちと共演したり、原作後ならば議長(作品によっては議員)として平和のために裏方に徹したりと各作品ごとに優遇不遇はまちまちだがどれも独自の解釈のされた人物となっている。
ちなみに、「EXVS」などでは公式から悪乗りされており、「EXVS及びFB」のミーアは最初から
プレイヤーナビにいるのに、ラクスは勢力戦での解禁で、しかもその相手がギレンやハマーンなど、ヒロインの相手としては疑問視される相手にされた。
一応、「無双2」ではギャグキャラとしてだが初期のような(?)天真爛漫さを見る事が出来る。
「連合vs.Z.A.F.T.II」およびEXVS.FBでは、一度MSに搭乗したからか、オペレーターだけではなくプレイヤーキャラクターとしても登場した。
FBだとまさかの∞ジャスティス(原作で乗ったのもこれだが)となった。
【原作名台詞】
- 「アスランの髪は青ですのね。では、私たちの子供は、紫の髪になるのでしょうか。」
- 「ちょっと違いますわね、これはZGMF-X10A フリーダムです。でも、ガンダムの方が強そうでいいですわね。」
- 格納庫のフリーダムを見たキラが驚いて「ガンダム!?」と叫んだ際に返した言葉。
- 「戦闘をやめ、道を開けなさい!」
- 彼女の決まり文句の一つ。ゲームなどではこのセリフを言いながらミサイルなどを撃つことも。
- 「みなさん、元気で楽しそうですわ。」
- ディオキアで行われていたミーアのライブ中継を見ての一言。
顔は笑っているが目は笑っておらず、小説版ではカガリが引くほどの迫力だった。
まあ自分の偽物でキャラも正反対、スタイル抜群、おまけにきわどい格好をしていて人気抜群と来たら気持ちもわかる気もする。
彼女が生の感情を表した珍しいシーン。
【その他名台詞】
- 「黙りなさい!自分で自分を偽者に貶めたあなた達に彼女の歌の邪魔はさせません!」
- ゲーム「スーパーロボット大戦Z」より。
命を振り絞って平和のために歌うミーアを邪魔しようとしたフロスト兄弟の前に立ちはだかり、「なぜ自分の偽物をかばうのか」と問われてのシーン。同作だとキラ達AA組の扱いはかなり悪かったがこのシーンの彼女はファンからは漢前と評価された。
【ゲーム内での活躍】
EXVS
PS3版のCPU専用の戦艦として登場。
ビーム単装砲とミサイルで攻撃し、一定時間が経過すると
ミーティアからビームを放ってくる。
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
原作での登場タイミングの都合上、参戦は後半以降になる。
原作終了後の時系列ではアークエンジェルやミネルバが登場しない中、ヒロインの搭乗した艦のおかげか唯一参戦するSEED系の戦艦となっている。
エターナルが出撃することでストライクフリーダムとインフィニットジャスティスが、合体攻撃としてミーティアを使用できるようになる。
ラクスは原作通りの活躍だが、扱いの悪い『Z』では
ギンガナムから「戦乱の歌姫」「お前の歌は戦いの歌だ」と、
ハマーンからは陰で「(デュランダルが恐れる何かを持っている)危険な女」と散々な言われようだったが、上記の様にミーアを庇う場面があるなどの見せ場も用意されている。
独自行動に関しては「明確な証拠はないもののデュランダルの息のかかった暗殺部隊に襲撃され、連邦政府にもネットワーク社会に関して不信感を抱いていたのでどちらにも味方出来ず、自分達だけで動くしかなかった」と説明し、クワトロ達にも一定の理解を得ることが出来た。
原作終了後の『V』では、共演作品の一つである『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』とのクロスオーバーで、クロスアンジュでの重要な存在となる「歌」の全容を知っており、ルート次第だがそれが終盤の展開で自軍の窮地を救い、黒幕であるエンブリヲ打倒の切っ掛けになるなど中々の存在感と待遇だった。
最後は激昂したエンブリヲに攻撃されそうになるが、彼に嫌気がさしていたレナード・テスタロッサの裏切りにより事なきを得る。
最終更新:2025年05月11日 11:17