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遠足

最終更新:2020年01月09日 21:32

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遠足
徳田秋声


【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)見《み》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数)
(例)※[#「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)やい/\


「これから日曜は、きつと遠足てことにしようぢやないか。」
 いつの事だつたか、志村は或る日何を思ひついたか、そんなことを言出した。
「月四回ですか。」その時長男が言つた。
「四回か五回か月によつてだが、雨天は駄目だから、結局二回くらゐと見《み》ていゝだらう。」
「まあ二回が精々ですね。その時になれば色々《いろん》な故障も起きるだらうから。で、皆んな行くんですか。」
「成るべくね。」
「お母さんも。」
「お母さんは足が駄目だ。」
 すると其の中には「よし己もつれてつて貰ふ」と飛上るものもあつたが、中には学校とか友達とならだが、内輪の企てに加はることは、余り好まない子もあつた。次男なぞがさうであつた。
 で、「お前も行くだらう」と志村がきくと、「え、行つてもよござんす」と二男は答へるのであつた。
 郊外の地図が直ぐ拡げられた。測量部の地図などもあつた。お弁当の相談なんかも出た。
 勿論そんな相談の出るのは、きつと三月か四月頃の陽気の好い季節に限るのだが、それから一月ほどたつた六月の初旬に、第一回の遠足が漸と実行された。その時は玉川縁へ出て、そこから府中へ、府中から国分寺へと歩いたのであつた。志村はその時自分の心臓の大分弱つてゐることを感じた。
 それから一年たつた。その一年のあひだいつ遠足に行くといふ日がなかつたが、或る日それが企てられた。
「今度は余り歩かないことにしよう。」志村はその前日にそんな話をして、もつと小さい子供もつれて行くことにした。
 その日は天気がよかつた。子供達はもう洋服を着て飛びあるいてゐた。妻は子供にやい/\言はれながら弁当の仕度に忙しかつた。
「どこにしますか。」
「さあ何処がいゝかな。飯能は何うだ。」
「飯能もちよつと遊ぶところがあるけれど、汽車の長い割りに面白くないですよ。」
「井の頭は。」
「詰らんな。それよりか寧ろもぐさ園か、浮間ヶ原だつたら。それが遠ければ鴻の台あたり何うかな。」
「さうだ、江戸川縁はわるくないな。」
 そんな評議をしてゐる処へ、誰か来客があつて、女中が出てみると、それが大阪のお客であつた。声ですぐ判つたので、妻が飛出して行つた。
「まあ、お珍らしい。いつ入らしたんです。」妻はさう言つて、茶の間にゐる志村へ、「あなた杉村さんが………」と声かけた。
 志村は座敷へ出て行つて、暫らく逢はない杉村に逢つた。勿論暫らくといつても、志村は去年の冬大阪で逢つてゐたが、妻が杉村に逢ふのは、八九年振であつた。
「随分お変りになりましたわ。」志村の妻はすつかり紳士に成り切つてしまつてゐる杉村の様子に呆れてゐたが、杉村が東京に学生々活をしてゐた頃に比べて、彼女がどんなに変つてゐるかは志村がよく知つてゐた。
「こつちに何か会社の用事でもあつたんですか。」志村がきくと、
「実は本所の出張店が、今度新築が出来あがりまして………詰らんもんですけれど、三階の鉄筋コンクリートで、まあいくらか面目を新たにしました、そのお祝ひに大阪の本店と各出張店の店員を呼びましたので、私は若松の方から来た安岡と一緒に今着いたばかりで、安岡は途中ちよつと寄るところがあるさかえ言うて、事によつたら後から来るかも知れません。」
 安岡は杉村の義理の兄に当る男であつた。
「あゝ、安岡さんも。さうですか。では皆さんで。あの方もお子さんが沢山いらつしやるんださうですね。」
「えゝ、もう頭《あたま》が禿げてますさ。」
 杉村は「いづれゆつくり遊ばしてもらひます。今日はちよつと伺つたゞけですよつて」と今にも帰りさうな様子であつたけれど、志村は遠足のことが気になりながらも、妻と二人で杉村を引止めようとした。
「まあ、久しぶりぢやありませんか。ごゆつくりなすつて。」
「いや、さうはしてゐられません。プログラムがちやんと決まつてをりますんで、今日は社の楼上で祝賀会があつて、晩柳橋とかださうです。明日は帝劇で、その翌日が帝国ホテル、芝居も見せてもらはんなりません。その間に事務の打合せもせんなりませんさかえ、大抵やありませんわ。叔父さんなか/\喧《やかま》しんですからね。」
 叔父さんと云ふのは社長のことであつた。
 志村は遠足がお流れになることは苦痛ではなかつた。杉村がゆつくりしてくれゝばいゝと思つた。志村は以前極りのわるい思ひをしたことがあつた。或る親しい出版屋を訪問して、呑気に話しこんでゐると、大分たつてから盛装した細君が美しく化粧した顔に少し上気して、入口へやつて来て、主人に何か言つてゐた。ぼんやりの志村はしかし気がつかなかつた。その夫婦が二人連で芝居へ行くのが、何よりの享楽であることを後で知つて、本当に悪いことをしたと思つて、今でもそれを思出すと、冷汗が出るのであつた。それは芝居好きでなければ判らない心理であつた。その心理は芝居好きな志村によく判るのであつた。その積りにして、折角楽しんでゐた芝居が、一幕か二幕すんだ後へ入つて行くのも、興ざめのするものだが、中止にするのは尚更ら不愉快だ。
 志村はその日の遠足に、さう気乗りがしてゐた訳ではなかつたけれど、どつちともつかない中途半端な時分に、杉村に帰つて行かれたことが、彼の気分を妙にごぢれたものにしてしまつた。
「子供は………。」志村が茶の室へ入つてきくと、
「もう先刻お弁当をもつて、正雄がつれて三人で出かけて行きました。」
「二郎も。」
「二郎はお友達のところへ行きました。」
 志村は何うしようかと思つたが、多分市川だらうと思つて、後を追ふことにして、急いで家を出た。
 外は風があつて、軽い砂がたつてゐた。志村はあわたゞしい、しかし何か物足りない気分で電車に乗つた。そして錦糸堀まで行くと、そこで押上行の電車に乗りかへたが、どこかで逢ひはしないかと、絶えず気にしてゐた。やかて志村は市川へおりた。そして今し方、子供たちが通つて行つたであらう、町を辿つて行つたが、やがて道の岐目《わかれめ》へ来た。志村はこの辺の地理をよく知らなかつたが、さう広いところでもないので、片端から捜して見ようと思つた。彼は新しい住宅や、小さな別荘や、安料理などの続いてゐる通りを、先づ最初に奥まで行きつめて見たが、高い石段のうへにある神社の下まで来ると、やがて又同じ道を引返して、今度は田圃なかの道を取つて、川ぞひの土手を江戸川べりの方へ出て行つた。慵い晩春の風が自転車などの通るたんびに、白い砂をあげて、冬帽子を冠つた志村は、頭のむれるやうな暑さを感じた。
 やがて彼は江戸川縁へ突当つたところで、右へ折れてだら/\した広い坂道を上つて行つた。右も左も高台で、その下をその道が果しもなくつゞいてゐた。兵士が奥に兵営のあるらしい、左側の高台から時々おりて来た。偶には騎兵もゐた。花見気分の名残りの、ビールの広告自働車などが、旗を立てゝ幾台となく通つたりした。その度に砂が高く捲きあがつて、志村は足袋も裾も、真白ぼつけにされてしまつた。咽喉がむせつぽく干からびつくのを感じた。六七町も行つたが、行きつめる勇気がなかつた。
 やがて彼は水辺へ出て見た。草ツ原を、あつちこつち歩いても見た。葉桜の生茂つた向ふ河岸も眺めて見た述、子供たちの姿はどこにも見えなかつた。
 疲れきつて、志村が江戸川から京成電車によつて帰路についたのは、二時間ばかり捜しまはつてからであつた。電車はやがて鉄橋を渡り、野を横裁つて、きり/\した響を立てゝ、ひた走りに走つた。志村はその間も、絶えずあちこちと目を見張つた。
 浅草へ来たとき、彼は可なり空腹を感じてゐたので、その辺で、軽く食事をした。そして自分だけで※[#「彳+低のつくり」、第3水準1-84-31]徊的な気分の落着を求めようとして、其にはちやうど歌舞伎劇の開演されてゐることを思ひ出して、その劇場の切符を買つた。期待してゐた「盛綱陣屋」が今幕を開けようとしてゐる処であつた。陣屋はいくら見ても飽かないものゝ一つであつた。
 長十郎の盛綱は、しかし今迄見た幾人もの盛綱と、型が変はつてゐた。それが誰の型であるかは判らなかつたが、首実見は幾人かの名優のそれに比べても、見劣りがしなかつた。志村はそれで漸と償はれたやうな気がした。
 その一幕がすむと、彼は直きにそこを出た。
 帰つてから志村と正雄とのあひだに、今日の行違ひの径路が明かにされた。
「ぢやあ、僕等はお父さんの乗つて来た汽車を見てゐたんだ。あの兵営のあるところが鴻の台ですよ。お父さんが中途で引返したから逢はなかつたんです。僕等は草ツ原で弁当を食べながら、その汽車の通るのを見囃してゐたんだ。」正雄は悟かしさうに言ふのであつた。[#地付き](大正13[#「13」は縦中横]年1月「随筆」)



底本:「徳田秋聲全集第14巻」八木書店
   2000(平成12)年7月18日初版発行
底本の親本:「随筆」
   1924(大正13)年1月
初出:「随筆」
   1924(大正13)年1月
入力:特定非営利活動法人はるかぜ

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徳田秋声
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