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  • 鹿島灘乗切り(工事中)

harukaze_lab @ ウィキ

鹿島灘乗切り(工事中)

最終更新:2020年01月21日 01:27

Bot(ページ名リンク)

- view
管理者のみ編集可
鹿島灘乗切り
山本周五郎


【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)卯吉《うきち》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)坂|蔵屋敷《くらやしき》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定]
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符二つ、1-8-75]


[#3字下げ]島屋の運[#「島屋の運」は中見出し]

「卯吉《うきち》! 卯吉はいないか」島屋徳兵衛《しまやとくべえ》は、病床に半身を起しながら、嗽《せき》とともに叫んだ。
「卯吉※[#感嘆符二つ、1-8-75]」
「うん」障子の彼方《かなた》に答がして、のっそりと一人の少年があらわれた。下総《しもうさ》小見川《こみがわ》近在で、島屋のずぼら[#「ずぼら」に傍点]息子――ずぼ[#「ずぼ」に傍点]卯《う》と評判の高い子供だ。ふところ手をして立ったまま、

たつき92検査

たつき92完成



うちのコー

「父《とっ》さん、呼んだか」
「肩を貸せ――」
「起きなさるんかい」ずぼ[#「ずぼ」に傍点]卯が眉をひそめて、「医者様は、起きちゃいかぬといったが――」「ええ人並なことをいう!」徳兵衛は苛立たしげに、
まめ
いらだ
やみおとろ」
はしご
おもやたかやねうえ
にう
鹿島灘乗切り
一美のる貴なにを意があったら黒屋の盛近しも文夫だが、半馬度同様なその有様では、足手まといになるばかりだ―さ、肩を貸せ!」
処
合い「どうなさるだね」「真「黙って儂のいうとおりにすればいい」徳兵衛は病衰えた体を、卯吉の肩にもたれかかるようにしながら、居間をでて、土蔵前の梯子をのぼり、母屋の高屋根上にこしらえてある物見台へとあがってきた。「ああ今日もいかぬ」徳兵衛は東北の空を睨むなり、呻くように呟いた。
「何がいかぬのかい?」は、県警港る、いつで灘「貴様は黙っていろ、聞かせて分るくらいなら、とっくに話してある―」「へへん!」ずぽ卯独特の笑声だ。「関連重音県(
0
9年「己らあ知ってらあ」「なんだと?」
では「毎日々々、父さんがこの物見台へあがって、向うの空ばかり見ているわけさ」「いってみろ」徳兵衛の眼は悲痛に光る。ずぼ卵はにやにや笑いながら、ふところ手のまま、顎で東北の方をしゃくって、$「蝦夷へ産物を積取りにいった、佐太郎兄貴の船が、二三日内に銚子港口へ帰って
わらいごえ
とっ
あこ
えぞ
つみと
うちちょうしぐち?________________





あれどき」
とっ
くもゆき
274
もちょね、そう。
みなとみなとあわ
とまえる。
まつくらやまんきち
み

くる、毎年いまごろは荒天期だから、それで父さんは雲行を案じているんだ、どう
だ、ちがったか」ICC)「―」徳兵衛はぎくりとした。
な
のは、「島屋といえば下総小見川きって、二番と下らぬ廻船問屋、一時は持船百艘に近く、土蔵は港々を合せて七八十戸前もあったくらい、名だたる資産家であったが。同じ小見川に、一代成上りの松倉屋万吉という、性のよくない船問屋があって、この男の悪い策謀にかかり、ほんの二三年の間に失敗を重ねた結果、崩れるとなれば早い、ついに今日では見る影もない貧窮のどん底におちてしまった。
松倉万吉は、もと無頼あがりの乱暴者で、慈悲も情もなく、鬼のような奴だというところから、鬼万と綽名されるくらい、持前の非道で島屋を失敗させたが、それでもまだ飽足らず、いまだに狼のような歯をといで、隙があったら徳兵衛の骨までしゃぶろうと待かまえていた。
無論、1
室見川しかし、徳兵衛も男であった。自分は重なる失敗がもとで、いまは病床に臥す身となったが、あまりに横道な万吉の振舞、黙って見すごす口惜しさに、「己れひと泡吹かしてくれるぞ!」憤然として起った。当時、蝦夷地の産物を扱えば、一船万
こういう、美意があるのだが、こう完年式会星を乗きらねば
やくざ
なさけ
臆病一番首
あきた。
おおかみ
すぎ」
まち
「ふるまい
みょ
あれどき
しんとくまる
きんす
乗切り鹿島灘
ることになるの見ては、風雲よろしくて、波山のごとく、いかなる大船も航行不可能とされていた。「徳兵衛には三人の子がある、長男は佐太郎でその時二十歳、次が美代という娘で十七、末がずぽ卯――とこれだけ。兄貴の佐太郎は強胆不敵の若者だ。「島屋一代、のるか反るか!」徳兵衛が一世一代の冒険、一ばん危険な荒天期の十二月、たった一艘のこっている神徳丸へ、家屋敷衣類までかえた金子八百両と、交易に必要な品々をのせ、佐太郎を船頭にして蝦夷地へたたせたのである。神徳丸が無事に帰ってくれば、少く見積って十万両、間がよければ二三十万両の儲、みごと鬼万を見返してやれるのだが、もしまた船が沈むか、積荷に故障でもあれば、島屋一家はその日から乞食になるばかりである。
――どうか無事に帰るよう。徳兵衛が病をおして、毎日物見台へのぼって雲行を案ずるのは、こうしたわけがあったからだが、ずぼ卯と馬鹿にしていた卯吉が、意外やこのことを知っていたのである。「誰にきいた?」徳兵衛が睨みつけながらいうと、ずぼ卯はにやっと笑って答えた。「へへん、父さんの顔に書いてあらあ」
こじき」
275?________________




276
おおとね
ごへい
AN
ちんじゅはちまんさんけい
やくざ」
たた
臆病一番首
人の父はしている

[#3字下げ]鬼万の非道[#「鬼万の非道」は中見出し]

 大利根《おおとね》の流れに沿った道。島屋の娘お美代は、爺やの伍平をつれて、兄佐太郎が
夷から帰航ってくるよう、きょう鎮守八幡へ参詣した戻り、小見川町のはずれ、忍ぶの柳のところまでさしかかると、土堤の下にとぐろを巻いていた三人の男、ひと眼で無頼とみえるのが、
要「おいおい、ちっと待ちねえ」と声をかけた。悪い奴がいた、さわらぬ神に祟しと、伍平が聞えぬふりをして行すぎょうする、と―三人の男、ばらとばら上ってきて、二人の行手に立ふさがった。(
画おし「やい、手前達あ唖者か聾か!」「大きな声でよんでいるのに、挨拶もなしに行きやがるとは。さてはなんだな、己達が松倉屋の若い者というのを承知で、恥をかかしゃあがるつもりだな」入門、「と、飛んでもない」伍平は慌ててお美代を後に庇いながら、「帰りを急いでおりましたから川風でみな様の声が耳に入らなかったのでございましょう。どうかお赦しなすって」「ならねえ「一人が腕をまくりあげて、
あが。
たち
てめえ、
つんぼ
ま己(はなす
  • あいさつ
はじ
かは、
でっか
鹿島灘乗切り
「手置達を員屋の者と見かけたから、声をかけたのだ、それを手前達に、松倉屋の者と承知で恥をかかされちゃあ、万吉親分にあわせる顔がねえ」(いいお金「そうだそうだ」別のがかさにかかって、「こうなりゃあなんだ、その娘をしょっぴいて行って、親分の前で詫びをさせるんだ」のバーいい。「それがいい、さ、来やあがれ」いきなり毛むくじゃらな手で、お美代の手首をむずと掴んだ。乗「あれ伍平」
「あん_五千」灘「な、何をなさる!」伍平さすがにむっとして、いい時、最。)
「下手な言がかりをつけて、つまらぬ真似をすると勘弁ならぬぞ!」「わっはっはっは、勘弁ならぬとよ」韓だらけの奴が憎態に笑って、「面白え、ならぬ勘弁をして貰おうじゃあねえか、それ!やっつけろ!」「合点だ!」一人がお美代を理不尽に抱すくめる、伍平が必死に奪い返そうとするのを、韓の奴が後からパン
を通すのは、
まね
ひげ
「にくてい
おもしれ
だき、
277
【編集部注・以下数行原稿判読不能】
「うら』
ミンミン?________________




みかんばこ
いしころ
ふた
さっき
わき
ざし」
まちなか
おもてみせさき」
臆病一番
&

へ出ると、何にするつもりか蜜柑箱を二つ持ってきて、それへ石塊をぎっしり詰め、
蓋の表へ墨黒々と『千両』と書いた。「父さん、ちょっと姉さんを迎えにいってくるぜ、心配するこたあねえ、すぐだ」「これ、待て卯吉」驚いて止めようとするのをきき流し、「爺や、こいつをかついで供だ」。
ずんずん庭から出て行く。仕方がないから伍平、まさかの時の用意にと先刻の脇差を腰にして、蜜柑箱二つを肩に、ずぼ卯の後を追ってでた。道を急いでくる――、町中の大きな構え、松倉屋の表店先へ、伍平とずぼ卯が、例の通りふところ手をしてのっそりと入った。「鬼万親分はいるかい」「―P」店先にいた子分が驚いた。蔭でいう綽名ならともかく、面と向って「鬼万はいるか」とは呆れた奴と見るとずぼ卵だ。あるの「なんだ、島やのずぼ卯じゃあねえか、店っ先で鬼万とは何てえことをいやあがる」「まあお前さんの文句は後で聞かあ、いるなら早く取次いでくれ、鬼万さんは金に困っていなさるんで、ユうのくるのをお待兼だろう、島屋の卯吉が千両箱二つ持っ
かげ
まちかね」
こっち
自発力は1000のトータがいる11
こいっ
鹿島灘乗切り
「―P」毒気をぬかれて子分の者が奥へ行く、直にもどってきて、「此方へ上れ」という。卯吉は伍平の肩から蜜柑箱を受取ると、伍平をそこに待たせたまま、「ちょっとお前さん、此箱をかついでくれ」間「なにを―?」「千両箱だ、縁起がいいぜ」にやりと笑って先へとおる、仕方がないから子分の奴が、蜜柑箱二つを――たいそう軽い千両箱だな、と肩にかついで後からついて入る。鬼万は広惜て酒をのんでいた。「島屋のずぼ卵か、何をしにきた」(置く人物は
、「えー」ずぼ卯は、ふところ手をしたままむずと鬼万の前へすわって、「姉さんを迎えにきました」「ふん、迎えにくるにゃあ約束がある、約束の物あ持ってきたか」「へへへへ」ずぼ卯、いやな笑い方をして、「持ってきました、もって来ましたが―――ねえ鬼万?」
の大$「なに鬼万だあ?」?________________





SEO
はやて」
とにかんすい
ひざ
「怒っちゃあいけません、お前さんが己らのことをずほ卯といったから、己らもお前さんを鬼万といったまで、鬼万で、悪ければへへへへ、ねえ松倉屋の大親分」「いやな奴だな、さっさと用をいえ!」

[#3字下げ][#中見出し]疾風《はやて》※[#感嘆符二つ、1-8-75] 疾風※[#感嘆符二つ、1-8-75][#中見出し終わり]


 ずぼ[#「ずぼ」に傍点]卯はひと膝ゆすって、「約束の物は持ってきましたが、音に聞えた松倉屋も、ずい分貧乏をしたものですねえ」画「なんだと」「そうじゃあありませんか、これだけの屋台骨をしていて、二千両ぽっちの金に困るなんざあ、親分のお人柄にも似合わねえこった」「だ、黙りゃあがれ!」鬼万だみ声をあげて叫ぶ、「腐っても松倉屋万吉、一万や二万の金に困るんじゃあねえ、千や二千は石塊同様、何をごたくを吐かしやがる」「
では、愛知きて「へえ|千や二千の金は石塊同様ですか」
「あ
っ
た。そして二つを引きると、ずいと思
臆病一番首
いしころ
いしころ
いしころ
んころ
鹿島灘乗切り
いしころ
「お約束の二千両、あらためておくんなさい」承知で吹かけた難題、二千両はおろか五両もあるまいと、高をくくっていた鬼万、千両箱二つを眼の前へ出されて、一時はぎょっとしたが、よく見ると蜜柑箱―。「これがたしかに約束の物だな?」「へえ、二千両たしかにあるはずで」
いと「改めるぜ!」ぐいと一つを引よせて蓋をとると、小判どころか石塊だ。「や!こりゃ石塊!」「へへへへへ、親分はいま、千や二千の金は石塊同様とおっしゃいましたねえ!」ずぼ卯にやりとして、「じつは島屋でもご同様、二千両ばかりの端た金は石塊同然でお互いにこう気のあっている間なら、なにも重い小判を運ばずとも石塊で用の足りることと、こうして持ってきた千両箱二つ、どうか遠慮なくお納めなすっておくんなさいまし!」
唖然として声も出ぬ鬼万。見ていた子分の二三人が、拳を握って立上り、「野郎、ふざけた事をしやがる」「たたんじまえ!」と立かかる、とたんに鬼万が、「ええ待て!」と制し、
いしころ
「いしころ
あぜん
こぶし
たちあが
たち?________________




みなみのみ
すえ
ひっこ
すぐ
なきは
臆病一番首
&「ずぼ卯!この勝負は万吉の負だ、その度胸に免じて、蜜柑箱二つ金二千両、たしかに松倉屋が受とるぜ!」倉居力受とるモ!」
の大-ずぼ卯にこりともせず、最
長3人「じゃあ姉さんを返して貰おうか」最
大
7「やい、誰か島屋の娘をつれてこい」、
CADGN1)「しかし――親分」子分が渋るのを、、、、
金
パー「いいから返してやれ、こっちにゃあ例の術があるんだ、早くしろい!」「へえ――」引込んでいったが、直にお美代をつれてきた。髪も乱れ、眼を泣脹らせていたお美代、弟を見るより肛よって、「ああ卯吉」「姉さん、迎えにきたぜ、さあ帰ろう――」姉を抱いてずぼ卯が立つ。「大事に帰んねえよ」鬼万が皮肉にあびせる。「帰ったら親爺にいってくれ、松倉屋万吉は、負けっ放しでいるような男じゃあねえと、わかったか」「へへへへよく分りました、さようなら」大胆不敵もここまで来れば行止りだろう、みごと鬼万をやりこめて、別に気を負う様子もなく、ずぼ卵はお美代をつれて松倉の言ったってうとうついてきた三子が、いきなりずらの曲を演
けえ
けぇ
おやじ
ちょうしみなと
みはりぶね
「はやぶね-
鹿島灘乗切り
きりこ
「わ、若旦那、たいへんな事ができましたぞ」「なんだ?」「いま店先で待っているうちに、子分の奴らが話すのを聞いていますとな」
伍平の話によると―。万吉はかねてから、蝦夷へ行った佐太郎の神徳丸が、もし無事に帰ってきたら大変と、銚子港の沖へ絶えず見張船を出していたところ、今しがたその見張の者がかけこんできて、鹿島灘沖へ、いよいよ神徳丸の姿があらわれたという知らせだ。そこで鬼万は早船三艘に命知らずの子分をのせて、これから神徳丸へ斬込み、銚子沖へかからぬ前に船ぐるみ、神徳丸の積荷を奪いとろうという悪企み、すでに、子分の狩集めにかかっている――という始終、聞くより卯吉、「しまった!」と歯噛みをして、
かいぶお「爺や、お前はすぐに船番所へ走れ、海賊船が現われたから御用船を出してくれというんだ、姉さんは家へかえって、父さんに神徳丸が帰ってきました、安心して待っているように伝えて下さい!」おおなんという変りようだ。これが島屋のずぼら息子といわれた卯吉か、見よ!彼は伍平の腰から脇差を奪いとると、「頼んだぞ!」とひと言、折から吹つのる北東の疾風の中を、脱兎のように船着場
わるだく
りあつ
「はが
ふなばんしょ
きょうせん
うち一
とっ
ふき」
はやて
だっと一?________________




外

へむけて走りだした。

[#3字下げ]血闘鹿島灘[#「血闘鹿島灘」は中見出し]

やるCC3連発展中
の国の
ではでは
、

 三艘の早船に、腕っこきの頼を満載した松倉屋万吉、銚子口を出ると、真向に
り越え乗こえ、犬吠の鼻を右に見て、真一文字に鹿島
してい
やくざ」
まっこう
しっぷうどとう
のり
いぬぼう
はこ1自たいきち良らののいまし卯
灘へ!
あやつ
「こぎつ一
首
番
一
病
さい
これより先。ずは自ら早船を操って、早くも神徳丸に漕着いていた。店「やあ卯吉か、どうしたんだ」
と
、関西、#「兄貴!」半年ぶりの挨拶をかわす間もない。臆「松倉屋の一味が、この船へ斬込みにやってくるんだ、仕度をしてくんな」に
「なに鬼万が?」手短かに仔細を語る、佐太郎怒って、線「しゃら臭え、長い間、じっと我慢してきた、島屋一家の骨っ節、きょうこそ鬼万
吐を吐かせてやるぞ!みんな仕度をしろ!」??二十名の船夫、声に応じて、いずれも得物をとってたった。待つほどもなく、怒濤を乗こえ近づいてくる三艘の早船、巨鯨を狙う鯱のごとく、右と左から神徳丸を望んでまよってくる。二番目に笑ってこの言葉を見ていた子は和が、いきな
くせ
かこ
もの
きょげい」
ねらしゃち|
しっこう
みよし
たま
みよし」
じん
鹿島灘乗切り
はくじん|
「おも―!」と叫んだ。
まんぽ」。しっぷう-満帆に疾風をはらんで、矢のように疾航していた神徳丸、突如としておも舵を取
うげんったから、ぐぐぐと船首を右に転じた。何かはもって耐ろう、右舷へ廻ろうとしいた松倉屋の早船一艘、あっと叫ぶまもあらず、神徳丸の船首に激突し、木っ葉微塵に砕け沈んだ。
ある。「わあ!」とあがる神徳丸の喚声。だがその時、速力のにぶった好機をつかんで、二艘の早船は神徳丸の横腹につく、それ!というと三十人あまりのあぶれ者、手に手に白刃を振かざしてよじ登ってきた。「ござんなれ」とずぼ卯、佐太郎、いずれも抜つれて舷に、先ずよじのぼってきた奴を三五人、眼にもとまらず斬ってすてる。そうで
、「野郎共ぬかるな、相手はたかの知れた貧乏船夫、一人ものこらず片づけろ!」喚きわめき、鬼万が躍りこんだ。それに勢を得た子分の無頼、わっとおめいて斬込んでくる、風浪荒き鹿島灘、神徳丸の甲板は、たちまち血飛沫とび散る修羅場と化した。一
言、入国時の費用の「鬼万、来い!」
ぬき
ふなばた。
ま
かこ
いきおい
ざ
かんぱん
ちしぶき?________________

かとり
あせ
ふみこ
おおなみ
かし
編「やあ、うぬはずぼ卵だな」「驚いたか、島屋一家には鹿島、香取の大明神がついているぞ、貴様の悪計は先刻
やくびょうがみごぞんじ、ひと足先にきて待っていた、下総一国の厄病神鬼万に、ずぼ卵が引導わたしてやる、さあ来い!」「しゃれたことを吐かしゃあがる、畜生!」焦って斬込んでくる刀、とび違えて、
ずぼ卯が、横に払う剣、ちゃりん!激しく受とめておし返す、刹那!ひっぱず首して、「くたばれ!」わめいて踏込む卯吉の剣。
「お!」受けようとした時、大浪をくらって船が傾ぐ、よろめくとたんに体が崩れたから、肩先深く斬込まれた。「わっ!無念!」逃げようとするところを、詰よってもう一刀、腰車を深々と斬放す。「ひー!」悲鳴と共に前のめり、だだだだだのめって行って船首の踊場から、泡立ち狂う海の中へざぶーんと転げおちた。鬼万がやられたと見ると、子分の奴らはもう戦う気力もなく、ある者は海へとび込み、ある者は刃を投出してへたばった。「卯吉――!」「兄貴!」
こ
をこまかしたらのだ、
臆病一番首
HOS
みよ
「なげだ
「ははははは」ずは卯は刃の血ぶるいをして、犬吠岬の鼻の方を指さした。「見なよ兄貴、船番所の御用船がやってきたぜ、海賊一味を受とりにな、ははははは」なるほど、伍平にいいつけたとおり、御用船が三艘、波をけって近づいてくる。神徳丸の積荷三十万両。鬼万亡んで小見川の島屋は、ふたたび昔の大廻船問屋となる、鹿島灘の荒浪は、いまこそ祝福の白波を高々とあげるであろう。



底本:「周五郎少年文庫 臆病一番首 時代小説集」新潮文庫、新潮社
   2019(令和1)年10月1日発行
底本の親本:「少年少女譚海」
   1934(昭和9)年4月号
初出:「少年少女譚海」
   1934(昭和9)年4月号
※表題は底本では、「鹿島灘《かしまなだ》乗切《のっき》り」となっています。
入力:特定非営利活動法人はるかぜ

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山本周五郎
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