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お蝶夫人

最終更新:2020年01月09日 13:20

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お蝶夫人
徳田秋声


【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)天候《てんかう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)体|型《かた》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ハラ/\


 私達はその日私の末の娘M――子を誘ひだして、芝浦のカアル・ハアゲンベツク・サアカス見物にと出かけたのであつた。兎角春らしい天候《てんかう》に恵まれなかつた今年の花が、寒い荒い風と雨に、苛《さいな》まれながら、それでも何うにかかうにか咲くには咲いてゐたけれど、空は私の心や懐《ふとこ》ろのやうに苦《しか》め面《つら》をしてゐた。
 私達は曲馬が興行されつつある婦人子供博覧会を見る必要も興味もなかつたので、まつしぐらにサアカスの方へかかつて行《い》つた。そしてまだいくらも詰まつてゐない、二等席の腰掛におさまつた。私達は年がら年中旅興行をつゞけてゐる此のサアカスの偉大なテント張りの小屋が、行く先き先きで、簡単に組立てられ、又は解体して畳みこめるやうになつてゐるがつちりした形体と、観客を端から順々に場席へ詰めこんで行く仕組みの、総て要領よく出来あがつてゐるのに一応は感心したものゝ、曲馬そのものは、今迄屡々見馴れて来たものと、格別の違ひはなかつた。売りものゝ猛獣は、みな干《ひ》からびたやうに生気がなかつた。オツトセイの芸当も気味《きみ》のいゝものではなかつた。人間の曲芸の方が、遥かに人をハラ/\させたが、それすら昔し浅草でやつてゐた江川の玉乗り以上のものではなかつた。私は今世界のどこかをさすらひつゝあるであらう、あの江川の曲芸団を思ひ出してゐた。私は二十五六年前、――五六歳時代の長男を浅草へつれだす度に、よくこの玉乗を見たものであつた。たゞカアル・ハアゲンベツクの曲芸とともに演ぜられる道化は大体|型《かた》にはまつたものだけれど、少くとも浅草の芸人などのそれよりも軽妙で垢ぬけがして、従つて自然なものであつた。
 私は象や虎や熊や馬が、吼ゑるやうなあの不思議な革の鳴音に脅《おびや》かされて、哀れにも芸当を強ひられるのを見て、気持をわるくして小屋を出た。これらのサアカスは、今日では享楽の少ない植民地か未開国《みかいこく》をまはつてゐるより外ないのではないかと思つた。同時に私が野球や水泳や、蹴球や拳闘や、その他一切スポオツに興味をもちえないのもどこかこの気持と共通なものがあるのではないかと思つた。
 私達は銀座へ出て、手軽な食事をすますと、何か口直《くちなほ》しがほしくなつて来た。もつと恰《たの》しんで見てゐられるやうなものが見たくなつた。何といつても映画が尤も手近なものであつたが、最寄《もより》の活動館には、折あしく見たいものか何にもなかつた。活動館の集まつてゐる、浅草を猟《あさ》るより外なかつた。
 私達は浅草行きのバスに乗りこんだ。
 けれど、いくら浅草でも写真は年がら年中、好いものがきつとかゝつてゐるとは決《きま》らなかつた。其の時も、見たいと思ふやうなものが、どこにもなかつた私はK――子とM――子をつれて、不機嫌な顔をしながら、活動街を端から端へと歩《ある》いてみた。行きつけの大勝館の前へ来かゝつた。「爆走する悪魔」と「お蝶夫人」とがかゝつてゐた。シルビヤ・シドニイによつて演ぜられる「お蝶夫人」が大々的に宣伝されてあつた。蝶々さんに扮したシドニイのゲイシヤ・ガアルのやうな人形が、赤阪の「幸楽」の庭の実写から模造されたところの、橋かゝりのところに、東洋風の植込みや燈籠を背景として、入口のところに据えつけてあつたりした。
 私は何年か前に――多分今からは十五六年もの昔のことであらうか、何かの機会に、アメリカあたりで作られたものであつたらうか、「武士道」と題する、謂ゆる腹切りの芝居を見たことがあつた。筋も内容も俳優も覚えてゐないが、腹切りが立てまはされた屏風のなかで演ぜられた場面だけが、微かに思ひ出せる。勿論人間感情や風俗や習慣が、総てトンチンカンなものであつたことは、想像するに難くはない。何かしら沈痛な気分がたゞよつてゐた。日本の芝居の切腹が、少しも切腹らしい気分を出さないで、篠入《しのい》りか何かで、歌舞伎特有の型《かた》や台詞《せりふ》で見せるのとちがつて、凄愴の気が舞台に漂よつてゐたことだけは、記憶にのこつてゐる。
「お蝶夫人でも見るかね。」私は二人を振顧《ふりかへ》つた。
「さうね。」K――子が小鳥のやうな目に笑みかけた。
 私たちは一階へ入《はい》つた。「爆走する悪魔」の映写中であつた。インチキ自動車会社に巣くつてゐる悪漢を取扱つたギヤングものである。私たちは漸うのことで、づつと左側の銀幕に近いところの場席に、最初離れ/\に納まつてゐたが、例の漫画やニユースが終りに近づいた頃に、私は真中の列に三つ四つ席のあいたのを見つけて、急いで自分もそこへ移つて行くとともに、K――子とM――子をも誘ひいれた。
 やがて静粛《せいしゆく》にかへつた場内の気分につれて、「お蝶夫人」の映写がはじまつた。
 勿論プログラムの解説にもあるとほり、「お蝶夫人」が初めてニユーヨルクのブロオド・ウヱイに上演されたのは明治卅三年の三月二十五日で、戯曲に描かれた蝶々さんが、明治二十年代のものだとすると、私たちは先づ日本の黙阿弥ものでも見るやうな心構へで、見なければならない種類のものだらうが、今度のフヰルム化は、色々の手数をかけた点で、附立《つけたて》や、服装や、動作が大体において、さう噴笑《ふきだ》すほどでもない程度に工夫されてゐる。勿論シルビア・シドニイの扮装は、ゲイシヤ・ガアルに近いもので、これが日本の善良な家庭夫人とは受取れないのだか、そこは芸者あがりの彼女のことであり、或時代の日本のシムボルとして、外国人の目に訴《うつた》へるやうに出来たものである以上、非難するのは無理である。私はシルビア・シドニイか――或ひは外国の俳優が、その芸において、相当すぐれたものであることを、シルビア・シドニイの古い型の、日本流の柔順其物であるところの女を、いかに気分的に巧みに出してゐるかによつて、十分知ることができたと同時に、シルビア・シドニイの美しさが、蝶々さんの扮装によつて、尤もよく発揮されたことを、むしろ不思議に感じたものである。総ての女の美《うつく》しさと、神秘的な魅力とが、かうも日本着物や日本髷によつて現はれるものだらうか。私はもつと年が若かつたら、「あなたは何の場合でも、日本婦人に扮したときほど艶麗ではない」と彼女に書きおくるだけの物数奇《ものずき》を敢てしたかも知れないと思つたくらゐであつた。
 私は又お附の女中スズキに扮したルイズ・カアタアの妙技にも驚かされた。彼女は日本の待合などによく見かける、取まはしの老練な、どこかとぼけ味沢山の、年増女《としまをんな》に成りすましてゐた。
 幻が銀幕のうへに、やがて消えてしまつたとき、私は椅子を立ちかけようとした。
 その瞬間、私の隣りにゐたK――子が、
「あら先生!」とさう言つて、呟《つぶや》きながら私の顔を見た。
 私は気がつかなかつた。
「先生|紙幣入《かみい》れ何《ど》うして?」
「何《ど》うして?」
「これ何《ど》うしたの?」さう言つて下を見る彼女の目《め》を私は追《お》つた。
 するとちやうど、私達の場席の入口の往来になつてゐるフロワーのところに、私は三年前京都の四條通りで買つて来て、づつと持ちつゞけてゐるところの、イタリイ製の「紙入れ」が、そこに落ちてゐた。
 私が入場券を買はうとして、上着の内隠しから出して、入れたつもりで、裏《うら》のどこかに引懸《ひつかか》つてゐたのが、あたふた席をうつるとき、するりと、辷《すべ》りおちでもしたものだらうか。と、さう考へるより外なかつた。
 私はぞつとした。私はそのとき、六七百円支払はなければならない必要に迫られたので、百方奔走して、安くない利子づきの金を借入れたのであつた。金はそれであつた。今の場合、私に取つて、それは生命線であつた。それにしてもそれが其のまゝに落ちてゐたのは、活動館が暗いからであつた。
 私はそれをポケツトに拾ひいれて、ほつと溜息をついた。[#地付き](昭和8年5月「あらくれ」)



底本:「徳田秋聲全集第17巻」八木書店
   1999(平成11)年1月18日初版発行
底本の親本:「あらくれ」
   1933(昭和8)年5月
初出:「あらくれ」
   1933(昭和8)年5月
入力:特定非営利活動法人はるかぜ

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