☆彡 ☆彡 ☆彡
5章 自分に打ち勝つことが、もっとも偉大な勝利である
「……」
私はアリスに手を引っ張られながら走っている。
石に躓くと、私は転ぶ。
『ちょ……大丈夫!?』
「……」
「……」
いいの?
これでいいの?
このまま、現場から逃げて。
目を瞑る。
そして、知り合いたちを想起する。
決意を固めるために。
これでいいの?
このまま、現場から逃げて。
目を瞑る。
そして、知り合いたちを想起する。
決意を固めるために。
『キヨス!まさか、こんなことで諦めないわよね?』
鳴門さん。ええ、勿論!
『……君の良さはその行動力だ。立ち止まるのはらしくないな』
立花先生。ありがとうございます。生きて帰ったら、私、立花先生のハーブティ飲みたいです。
『うん。やっぱり、へこたれないキヨスちゃんはかわいいなぁ』
近い!まったく……こいつは
『キヨスちゃん。その採取したのDNA鑑定するわよ?』
堀内さん。助かります。この生きた証は必ず展示したいので。
『キヨス先生。その生きた証は私が燻蒸に立ち会いますね』
ありがとう。さっしーなら心配しないで任せられる。お願いしていい?
『どれ、そのポケモン図鑑とやらを見せてみろ。』
ありがとうございます!緒方さんのレプリカの造形は私のヴンダーカンマーに必要不可欠なので!
『キヨス!また同定をお願いしたいから!死ぬんじゃないよ!』
勿論、死ぬつもりはないよ、アメリちゃん。だから……再開したら飲もうね!
『かなでの森の博物館の鳥類担当なんだから、死んじゃ駄目よ?』
雅ちゃん……そうだね!私もまだまだかなでの森の博物館での常設展とか内装でやりたいことあるから!
『おう……キヨス。お前が死んだら鞍替えした意味なくなるだろ!だからお前らしく行動しろ』
キク……あ!そうそう、私を助けてくれた少女。なんだか蝙蝠に似ていたよ!後で詳しく話を聞いてみるね!
『よう、キヨスケ。今年もゴメ数えるんだろ?』
私はキヨスです!貴明さん。……はい!今年もよろしくお願いします。
『キヨス先生。この事件、聞き取りたいんですが、よろしいですか?』
鬼瓦刑事。いいですけど、荒唐無稽だなんていわないでくださいよ
『キヨス先生と辰巳先生はいつもギリギリですから早くお願いしますよ』
ごめんなさい。事務局長。ついつい忘れちゃうの。
『……!!』
館長!元気?
『ちょっと……キヨス先生?それは、カメ。館長はボク!!』
あ!人間の館長もね
『ちょっとぉ』
『こんなに集めてどうするんですか?』
えーと……たしか役所から派遣された人だっけ。あのねー、どんな研究も材料がなきゃ始まんないでしょ!だから集めるの。100年後の未来にも届けるために。
『……アカリ』
マネーラ……
今の私を見たらマネーラは激怒するだろう。
今の私を見たらマネーラは激怒するだろう。
戦わずに理想を掴めると思ってるの!って。
うん、うじうじ悩むには私じゃない!
うん、うじうじ悩むには私じゃない!
『そいつがいたって証拠残せるのは俺だけだ』
……師匠。名も知らない私の師匠。
師匠との出会いがあるから私は今、ここにいる。
師匠との出会いがあるから私は今、ここにいる。
そう、この殺し合い。
”いたんだ”を残せるのは私だけ。
だから、私は集める!
そう……それは私のエゴ。
だけど、それ(エゴ)は人の心だから!!!
”いたんだ”を残せるのは私だけ。
だから、私は集める!
そう……それは私のエゴ。
だけど、それ(エゴ)は人の心だから!!!
「……ごめん。アリス」
『え?』
『え?』
言葉と同時に、私を立ち上がらせようと差し伸べた手を勢いよく払いのけると、自分で立ち上がって踵を返す。
『ちょ?ちょっと!もしかして戻るつもり!?』
「うん。やっぱりこのまま逃げたら私の勝利条件じゃなくなるから」
『アカリ。はっきりいって、ワタシたちは邪魔よ。』
「わかってる。でも、今のままじゃ”残せない”」
『残せないって……』
「”いたんだ”ってこと!!!」
「うん。やっぱりこのまま逃げたら私の勝利条件じゃなくなるから」
『アカリ。はっきりいって、ワタシたちは邪魔よ。』
「わかってる。でも、今のままじゃ”残せない”」
『残せないって……』
「”いたんだ”ってこと!!!」
私はアリスにそう答えると勢いよく走りだす。
零ちゃんに言われた言葉を思い出す。
零ちゃんに言われた言葉を思い出す。
「随分と、都合のいい解釈をするんですね。」
そうだね、でも、それができるのも大人なんだよ。
「命だったものを奪って。死者の生きた証に涙を流して――それで、死者は報われるんですか?」
私はそう信じている。この殺し合いがあったことを残さなければ、ただの行方不明者ですんじゃう。
そしたら、流すものも流せない。
そしたら、流すものも流せない。
「私は知ってるんです。死者の、私たちを妬む声も、恨む声も。苦しみも、嘆きも。目を瞑っても、耳を塞いでも、ずっとずっと心の奥に溜まってる。」
「――そんなあなたの『エゴ』に……私を巻き込まないでっ!」
ごめん!巻き込むね!だってそれが私だから!
『全く……アカリって突っ走る女ね』
「じっとしてられないんだ」
「じっとしてられないんだ」
苦笑する。
『はい、これ』
「?髪飾り?」
『わたしの前の契約者……赤城みりあ……小さなアイドルのよ』
「アリス……」
『結局、巨人から身を守るので必死で、それぐらいしか残せなかったけど……』
「ありがとう!みりあちゃんの生きた証。確かに受け取ったよ!」
『それと!主人が行くなら私も行くにきまってるわ!』
「?髪飾り?」
『わたしの前の契約者……赤城みりあ……小さなアイドルのよ』
「アリス……」
『結局、巨人から身を守るので必死で、それぐらいしか残せなかったけど……』
「ありがとう!みりあちゃんの生きた証。確かに受け取ったよ!」
『それと!主人が行くなら私も行くにきまってるわ!』
さぁ!急いで戻らなくちゃ!
気づいたら―――
世界は再びカラフルに色づいていた。
世界は再びカラフルに色づいていた。
☆彡 ☆彡 ☆彡
―――ザッ
「はぁ……はぁ……」
(思ったより、体力があるな……)
(思ったより、体力があるな……)
「くっ……」
(素早いわ……かゆいところに手がギリギリ届かないといった心境だわ)
(素早いわ……かゆいところに手がギリギリ届かないといった心境だわ)
互いに決定打が打てず、千日手といったところ。
しかし、互いに体力は極大の消耗。
どちらかが、強大な攻撃を決めれば勝負は決する。
しかし、互いに体力は極大の消耗。
どちらかが、強大な攻撃を決めれば勝負は決する。
「ちょっとまったーーー!!!」
山彦として帰ってきそうなほど、私は腹から大声を出した。
「あら?」
「ッ!」
(チっ!)
「ッ!」
(チっ!)
あちゃー……私を助けてくれたあの子。苛ついているな。
ごめんね。優しい蝙蝠?の女の子。
さて……覚悟を決めよう。
ごめんね。優しい蝙蝠?の女の子。
さて……覚悟を決めよう。
「そこをどいて!!!」
「!」
「!」
私の声が届いたのか、蝙蝠に似た少女は、プルトンから大きく距離をとってくれた。
よし、今なら!
私はグッと握りしめる。
朱い高級感漂うモンスターボール。
私の最後の支給品。
私をそれを―――
よし、今なら!
私はグッと握りしめる。
朱い高級感漂うモンスターボール。
私の最後の支給品。
私をそれを―――
「そりゃぁぁぁぁああああああ!!!!!」
勢いよく投げる。
ボールが開き、ポケモンが出てくる。
中に入っているのは―――
ボールが開き、ポケモンが出てくる。
中に入っているのは―――
「ズギャオォォォォォ!!!!!」
黄金に輝くボルケニオン。
☆彡 ☆彡 ☆彡
6章 人の器は、力を持ったとき、その力でなにを為すかで計られる
ボルケニオン―――それは幻のポケモンと呼ばれる中の一体。
だが、本来のボルケニオンは赤き紅き朱き空の平安京にも劣らない洋紅色のような真っ赤。
決して輝く色ではない。
では、所謂色違いなのか。
ポケモンには稀に見かける”色違い”と呼ばれる希少種がいる。
だが、本来のボルケニオンは赤き紅き朱き空の平安京にも劣らない洋紅色のような真っ赤。
決して輝く色ではない。
では、所謂色違いなのか。
ポケモンには稀に見かける”色違い”と呼ばれる希少種がいる。
でも、このボルケニオンは突然変異な希少な色違いではない。
では、”あかいギャラドス”のように、とある犯罪組織が発した電波によるものなのか?
それも違う。
これは、0と1の電子の海が生み出した虚構の産物。
多くの小さな怪物の育成者はその虚構を信じた。
踊らされた結果、己の分身を失い、辺獄に堕ちた。
その無数の恨みや辛みの魂の声を辺獄の管理者である悪魔の双子と黄幡神を担当する陰陽師が実体化させた。
黄金のボルケニオンを。
では、”あかいギャラドス”のように、とある犯罪組織が発した電波によるものなのか?
それも違う。
これは、0と1の電子の海が生み出した虚構の産物。
多くの小さな怪物の育成者はその虚構を信じた。
踊らされた結果、己の分身を失い、辺獄に堕ちた。
その無数の恨みや辛みの魂の声を辺獄の管理者である悪魔の双子と黄幡神を担当する陰陽師が実体化させた。
黄金のボルケニオンを。
「……ッ!」
これから行う行動は、傷が増える。
決して消えない傷が。
だけど、顔を背けない。
命を奪うことから。
だから……
決して消えない傷が。
だけど、顔を背けない。
命を奪うことから。
だから……
腹の底から技の指示を出す。
「スチームバースト!!!」
それは一瞬であった。
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終章 優しくあれ。人は誰しもみな、戦ってるのだから
「……」
「~~~♪」
「~~~♪」
ボルケニオンは、主人の敵を水蒸気の熱気で仕留めると、すりすりと頬を撫でつける。
それを私はポンポンと優しく頭に触れると、労をねぎらう。
それを私はポンポンと優しく頭に触れると、労をねぎらう。
「ありがとう。ゆっくりと休息して【アトミス】」
私はボルケニオン……アトミスをボールに戻す。
名前の由来はというと、ボルケニオンは分類にすると”スチームポケモン”というらしい。
スチームは蒸気を意味する。そこで、水蒸気を意味するギリシャ語から名付けた。
ボールにきちんと収納できたということは、どうやら、アトミスはギャブロ君やマネーラにエルピスとは違い、正真正銘のポケモンだったと証明された。
名前の由来はというと、ボルケニオンは分類にすると”スチームポケモン”というらしい。
スチームは蒸気を意味する。そこで、水蒸気を意味するギリシャ語から名付けた。
ボールにきちんと収納できたということは、どうやら、アトミスはギャブロ君やマネーラにエルピスとは違い、正真正銘のポケモンだったと証明された。
「……ワタシは主役ではなかったというわけね」
ボルケニオンの技を受けたアナムネシスは、プラトンから元の幽鬼の状態に戻っていた。
全身大火傷を負っている。
幽鬼でいえど、ここまでの傷を負っては助からない。
ゆっくりと衰弱死へと歩んでいる。
全身大火傷を負っている。
幽鬼でいえど、ここまでの傷を負っては助からない。
ゆっくりと衰弱死へと歩んでいる。
「……」
殺ってしまった。
それは、自分の信念(生きている生物は絶対生かす)を貫き通せなかった証拠。
喉が渇く。
誰かを殺すということはこういうことなのかな。
亡くなった生物を解体して剥製にしたときには感じたことない感覚が私の身体を駆け巡る。
もうすぐ、2回目の放送が流れる。
目の前の幽鬼と名乗る女性……アナムネシスの名が呼ばれる。
勿論、自分で選択した結果。
たとえ、殺し合いに乗った参加者の命を奪ってでも生きた証を集める私の”エゴ”
でも、もう迷わない。私は進む。
それは、自分の信念(生きている生物は絶対生かす)を貫き通せなかった証拠。
喉が渇く。
誰かを殺すということはこういうことなのかな。
亡くなった生物を解体して剥製にしたときには感じたことない感覚が私の身体を駆け巡る。
もうすぐ、2回目の放送が流れる。
目の前の幽鬼と名乗る女性……アナムネシスの名が呼ばれる。
勿論、自分で選択した結果。
たとえ、殺し合いに乗った参加者の命を奪ってでも生きた証を集める私の”エゴ”
でも、もう迷わない。私は進む。
「……真」
「……え?」
「……え?」
「……恵羽想真。ワタシがアナムネシスとなる前の名よ」
そう、幽鬼の姫の手で辺獄へ堕ち、復讐を誓い、幽鬼アナムネシスとなる前の名。
死を目前なのか、ジグソーパズルが完成したかのように記憶が戻ったようだ。
故に……話す。このまま終わりを迎えるのを拒むかのように。
死を目前なのか、ジグソーパズルが完成したかのように記憶が戻ったようだ。
故に……話す。このまま終わりを迎えるのを拒むかのように。
「娘の名は千。……ねぇ記してくれるかしら?それが貴方の”エゴ”なんでしょ?」
「……はい!勿論です」
「……はい!勿論です」
―――フォン
白い本が目の前に現れた。
「これは……?」
「クス。大丈夫。それに触れれば、”知る”ことができるわ」
「クス。大丈夫。それに触れれば、”知る”ことができるわ」
記憶溜り。
私はそれに触れると―――
私はそれに触れると―――
☆彡 ☆彡 ☆彡
『本当にいいの?誠士郎さんと一緒に行かなくて』
『父さんは、あたしがそばにいなくても大丈夫な人だからね』
『あら?それって母さんをひとりにすると心配って言ってるように聞こえるわ』
『はは。父さんよりは、心配かな』
『……ごめんなさいね。あなたにとって、父さんは憧れだったのに』
『父さんの正義はあたしの目標だけど、離れていても目指し続けることはできるよ』
『あたしにとって、一緒の時間を歩きたかったのは母さんだから』
『……ありがとう、千。今は、その言葉に甘えさせてもらうわ』
『だkど……もしワタシたち家族に何かあったら……』
『あなたを守るのは、母さんの役目だからね。覚えておいて』
『父さんは、あたしがそばにいなくても大丈夫な人だからね』
『あら?それって母さんをひとりにすると心配って言ってるように聞こえるわ』
『はは。父さんよりは、心配かな』
『……ごめんなさいね。あなたにとって、父さんは憧れだったのに』
『父さんの正義はあたしの目標だけど、離れていても目指し続けることはできるよ』
『あたしにとって、一緒の時間を歩きたかったのは母さんだから』
『……ありがとう、千。今は、その言葉に甘えさせてもらうわ』
『だkど……もしワタシたち家族に何かあったら……』
『あなたを守るのは、母さんの役目だからね。覚えておいて』
『……ここは?』
『目が覚めた?』
『母さん?……すべて、夢……ではないのだな』
『……ええ。あのあと、あなた気を失って……。なんとか、ここまで運んできたの』
『あいつのせいか……あの幽鬼の姫とかいう……。くっ……!』
『すぐに動くのは無理よ。ここで、休んでいて千……』
『そうだ……あれからどうなった!?他の乗客は!?』
『……母さんね。人はみんな、本当は優しいんだって信じてたの』
『そんなところが……検事の誠士郎さんとは合わなかったのかな』
『……母さん?なんの話を……』
『強要されても、助かる道が他になかったとしても、人が、誰かを傷つけるなんて、ないって思ってた……』
『……乗客が、殺し合いをしているのか?』
『あなたが気を失っていてよかった。人の……あんな姿を、子供に見せなくて済んだから』
『……お願い。あなたはこのまま、目を閉じていて』
『なにを言っている?乗客が襲ってくるかもしれないなら、逃げないと……』
『心配しなくてもいいのよ。誰にも、あなたを傷つけさせないから』
『母さん!?まさか……ダメだ!』
『……それで、あなたが助かるなら、母さんはなんでもするわ』
『あんなやつの言うことに従ってどうなる!?』
『……あら。ルールに従うのは、正義でしょ?』
『違う!殺し合いはルールなんかじゃない!あいつが言った、なんの保証もない戯言だ!』
『戯言に惑わされて、他者の命を奪うのは正義ではない!』
『誠士郎さんの正義は、そうでしょうね』
『父さんは、昔こんなことを言ってたわ』
『自分が、裁判で頑なにルールや法を遵守するのは、そこに少しでも人の情や自分の意思を入れてしまったら……』
『それはもう、神様の仕事になってしまう……自分は、最後まで人で居続けたいんだ……って』
『……父さんが、そんなことを』
『でもね……母親の正義は、違うの』
『他のすべてを犠牲にしても、絶対に子供を守る』
『子供を守るために必要なら、人間でなくてもいいわ』
『それが、母親よ』
『……母さん、お願いだ……やめてくれ……』
『だから、あなたは助かるわ』
『母が、すべてを捧げて、そう願い続けるから』
『ダメだ……戻って……』
『最後にひとつだけ、母さんの我儘をきいて……』
『これから母さんがすることを……あなたにだけは、見てほしくないから……』
『だから、千……すべてが終わるまで、目を閉じていて』
『……母さん!母さんっ!』
『こんなのはイヤだっ!母さん……行かないで!』
『なぜ、こんなときにあたしは、なにもできない……っ!』
『……あたしは……どこまで、無力なんだ……!』
『……強くなりたい……』
『自分の正義を……貫き通せるくらいにっ!』
『……母さん……』
『目が覚めた?』
『母さん?……すべて、夢……ではないのだな』
『……ええ。あのあと、あなた気を失って……。なんとか、ここまで運んできたの』
『あいつのせいか……あの幽鬼の姫とかいう……。くっ……!』
『すぐに動くのは無理よ。ここで、休んでいて千……』
『そうだ……あれからどうなった!?他の乗客は!?』
『……母さんね。人はみんな、本当は優しいんだって信じてたの』
『そんなところが……検事の誠士郎さんとは合わなかったのかな』
『……母さん?なんの話を……』
『強要されても、助かる道が他になかったとしても、人が、誰かを傷つけるなんて、ないって思ってた……』
『……乗客が、殺し合いをしているのか?』
『あなたが気を失っていてよかった。人の……あんな姿を、子供に見せなくて済んだから』
『……お願い。あなたはこのまま、目を閉じていて』
『なにを言っている?乗客が襲ってくるかもしれないなら、逃げないと……』
『心配しなくてもいいのよ。誰にも、あなたを傷つけさせないから』
『母さん!?まさか……ダメだ!』
『……それで、あなたが助かるなら、母さんはなんでもするわ』
『あんなやつの言うことに従ってどうなる!?』
『……あら。ルールに従うのは、正義でしょ?』
『違う!殺し合いはルールなんかじゃない!あいつが言った、なんの保証もない戯言だ!』
『戯言に惑わされて、他者の命を奪うのは正義ではない!』
『誠士郎さんの正義は、そうでしょうね』
『父さんは、昔こんなことを言ってたわ』
『自分が、裁判で頑なにルールや法を遵守するのは、そこに少しでも人の情や自分の意思を入れてしまったら……』
『それはもう、神様の仕事になってしまう……自分は、最後まで人で居続けたいんだ……って』
『……父さんが、そんなことを』
『でもね……母親の正義は、違うの』
『他のすべてを犠牲にしても、絶対に子供を守る』
『子供を守るために必要なら、人間でなくてもいいわ』
『それが、母親よ』
『……母さん、お願いだ……やめてくれ……』
『だから、あなたは助かるわ』
『母が、すべてを捧げて、そう願い続けるから』
『ダメだ……戻って……』
『最後にひとつだけ、母さんの我儘をきいて……』
『これから母さんがすることを……あなたにだけは、見てほしくないから……』
『だから、千……すべてが終わるまで、目を閉じていて』
『……母さん!母さんっ!』
『こんなのはイヤだっ!母さん……行かないで!』
『なぜ、こんなときにあたしは、なにもできない……っ!』
『……あたしは……どこまで、無力なんだ……!』
『……強くなりたい……』
『自分の正義を……貫き通せるくらいにっ!』
『……母さん……』
☆彡 ☆彡 ☆彡
「……」
(今のは……想真さんの記憶?)
(今のは……想真さんの記憶?)
「……」
(これが……母親……)
(これが……母親……)
なんとも言い表せないこの気持ち。
私はまだ、結婚をしていない身。しかし、同じ女性としてその行動原理は分かる。
勿論、だから他者の命を奪っていい理由にはならない。
ギュっと両手を強く握りしめる。
こんな悪趣味を行った幽鬼の姫への憤りを発散するために。
私はまだ、結婚をしていない身。しかし、同じ女性としてその行動原理は分かる。
勿論、だから他者の命を奪っていい理由にはならない。
ギュっと両手を強く握りしめる。
こんな悪趣味を行った幽鬼の姫への憤りを発散するために。
「!」
(これって……!?)
(これって……!?)
記憶をメモに残そうと目を向けると、自分の字ではない一文がそこには記されていた。
『悪魔の契約を打ち破るには、トラウマを克服するしかない』
それは、アナムネシスがメモに記した一文。
辺獄の悪魔に踊らされた一人の女性の抵抗の証。
辺獄の悪魔に踊らされた一人の女性の抵抗の証。
「想真さん……」
「くす……頼んだわよ。千……貴方の成長を見守ることが出来なくて……母さんの役目を果たせないで……ごめんなさい……ね」
「くす……頼んだわよ。千……貴方の成長を見守ることが出来なくて……母さんの役目を果たせないで……ごめんなさい……ね」
それは、親としての無念。
だが、託した。
一組の親子がたしかに”いた”ことを。
かくして運命に翻弄された女性は、舞台から降りた。
だが、託した。
一組の親子がたしかに”いた”ことを。
かくして運命に翻弄された女性は、舞台から降りた。
【アナムネシス@CRYSTAR -クライスタ- 死亡】
「……」
(想真さんに、娘の千ちゃん。必ず”いなかった”ことにはしません)
(想真さんに、娘の千ちゃん。必ず”いなかった”ことにはしません)
両手を合わせ黙とうする。
内なる決意を深めつつ。
内なる決意を深めつつ。
「以外に落ち着いてるのね」
私を守ってくれた少女。
”優しい”少女。
私と想真さんとのやり取りを黙って見守ってくれていたことがなによりの証。
”優しい”少女。
私と想真さんとのやり取りを黙って見守ってくれていたことがなによりの証。
「必死に平静を取り繕っているだけだよ。自分の意志で命を奪った事実に押しつぶされないように」
(そう、自分の人生の一部を切り捨ててでも前に進むことを選んだ)
(そう、自分の人生の一部を切り捨ててでも前に進むことを選んだ)
「でも、もう迷わない。私はこの殺し合いに巻き込まれた人たちのたくさんの”いたんだ”を残す」
「……ふーん」
(死地を乗り越えたいい顔になったわね)
(死地を乗り越えたいい顔になったわね)
―――スッ
「……?」
「自己紹介してなかったね。私は清棲あかり……エゴの理想を叶えようとする博物館人だよ」
「自己紹介してなかったね。私は清棲あかり……エゴの理想を叶えようとする博物館人だよ」
―――ニッ
「ドミノ・サザーランド。この世界を統べる女王よ」
別れ、そして新たな出会い。
へんなものみっけ!
へんなものみっけ!
【E-5 火災現場/一日目/昼】
【清棲あかり@へんなものみっけ 】
[状態]: 負傷(小) 疲労(中)身体のいたるところに切り傷(移動には支障なし) 自らのエゴを受け入れた黄金の精神、爆風で煤けて汚れている アリスと契約
[装備]:ポケモン図鑑@ポケットモンスター モンスターボール×8 ひかりのドレス@ドラクエ7 キングラウザー・スペードのラウズカード@仮面ライダー剣 色違いボルケニオン(アトミス)入りプレシャスボール@ワザップ!
[道具]:基本支給品X2(自分、アナムネシス) Eー3かねでの森博物館から持ってきたフィールドワークや解体用の道具(双眼鏡・ハイヒール(大型動物解体・調理用刃物)など) 火山灰(一人分の量)@血と灰の女王 エルピスの舌 理念(イデア) みりあの髪飾り 超大型巨人の皮膚(ベルトルト)ランダム支給品×0~2 (アナムネシス) メガリスロッド@ファンタシースターオンライン2
[思考・状況]
基本方針:
0:ドミノちゃんと情報交換する。
1:たくさんの”いたんだ”を集めて伝え残す
2:ロック・鬼くびれ大羅漢(金髪の外人)に注意する
3:二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ戻り、ギャブロ君達と合流して手にした情報を交換する
4:トラウマを克服……それが、紋章を打ち破る……
5:マネーラ……のらないよね?
6:エルピス……トッペイ君。私、必ず伝え残すよ
7:よろしくね、アリス!アトミス!
[備考]
※参戦時期は原作1話 事故死したカモシカを博物館に持って帰ったところ
※ロックの危険性について知りました。征史郎との会話から爆発させる能力はスタンドの力ではないかと推測しています。
※マネーラ・ギャブロ・藤丸立香の世界について簡単に知りました。
※トッペイとの情報交換でクライスタの世界観を大まかに把握しました。
※征史郎との情報交換でリベリオンズ、ブルーリフレクション、よるのないくに2の情報を得ました。
ただしリベリオンズはDルートの為充、琴美以外の人物とは話が合いません。
※トッペイの治療により、本来の服装であるパーカーを足りない包帯代わりに使用しました。
※トッペイの治療でかなでの森博物館から持ってきたフィールドワーク用の包帯は使い切りました。治療に使える薬はまだあります。
※スペードスートのラウズカードの内、スート7メタルトリロバイト、スート10タイムスカラベを使用しました。
※劇場の涙を流したことで理念を出現させ、手に入れました。
※アナムネシスの記憶溜りからアナムネシスの記憶を見ました。
※ポケモン図鑑に参加者の情報が記録されました
(清棲あかり、マネーラ、ギャブロ 、藤丸立香、パンドラボックス、幡田零 、城本征史郎 、細谷はるな、司城夕月 、トッペイ、ベルトルト・フーバー 、赤城みりあ、松坂さとう、アルーシェ・アナトリア、アナムネシス、)
[状態]: 負傷(小) 疲労(中)身体のいたるところに切り傷(移動には支障なし) 自らのエゴを受け入れた黄金の精神、爆風で煤けて汚れている アリスと契約
[装備]:ポケモン図鑑@ポケットモンスター モンスターボール×8 ひかりのドレス@ドラクエ7 キングラウザー・スペードのラウズカード@仮面ライダー剣 色違いボルケニオン(アトミス)入りプレシャスボール@ワザップ!
[道具]:基本支給品X2(自分、アナムネシス) Eー3かねでの森博物館から持ってきたフィールドワークや解体用の道具(双眼鏡・ハイヒール(大型動物解体・調理用刃物)など) 火山灰(一人分の量)@血と灰の女王 エルピスの舌 理念(イデア) みりあの髪飾り 超大型巨人の皮膚(ベルトルト)ランダム支給品×0~2 (アナムネシス) メガリスロッド@ファンタシースターオンライン2
[思考・状況]
基本方針:
0:ドミノちゃんと情報交換する。
1:たくさんの”いたんだ”を集めて伝え残す
2:ロック・鬼くびれ大羅漢(金髪の外人)に注意する
3:二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ戻り、ギャブロ君達と合流して手にした情報を交換する
4:トラウマを克服……それが、紋章を打ち破る……
5:マネーラ……のらないよね?
6:エルピス……トッペイ君。私、必ず伝え残すよ
7:よろしくね、アリス!アトミス!
[備考]
※参戦時期は原作1話 事故死したカモシカを博物館に持って帰ったところ
※ロックの危険性について知りました。征史郎との会話から爆発させる能力はスタンドの力ではないかと推測しています。
※マネーラ・ギャブロ・藤丸立香の世界について簡単に知りました。
※トッペイとの情報交換でクライスタの世界観を大まかに把握しました。
※征史郎との情報交換でリベリオンズ、ブルーリフレクション、よるのないくに2の情報を得ました。
ただしリベリオンズはDルートの為充、琴美以外の人物とは話が合いません。
※トッペイの治療により、本来の服装であるパーカーを足りない包帯代わりに使用しました。
※トッペイの治療でかなでの森博物館から持ってきたフィールドワーク用の包帯は使い切りました。治療に使える薬はまだあります。
※スペードスートのラウズカードの内、スート7メタルトリロバイト、スート10タイムスカラベを使用しました。
※劇場の涙を流したことで理念を出現させ、手に入れました。
※アナムネシスの記憶溜りからアナムネシスの記憶を見ました。
※ポケモン図鑑に参加者の情報が記録されました
(清棲あかり、マネーラ、ギャブロ 、藤丸立香、パンドラボックス、幡田零 、城本征史郎 、細谷はるな、司城夕月 、トッペイ、ベルトルト・フーバー 、赤城みりあ、松坂さとう、アルーシェ・アナトリア、アナムネシス、)
【ボルケニオン(色違い)@ワザップ!】
「背中の アームから 体内の 水蒸気を 噴射する。山 ひとつ 吹き飛ばす 威力」byポケモン図鑑
分類:スチームポケモン タイプ:ほのお、みず とくせい:ちょすい
あかりに支給された、プレシャスボールに入っていた幻のポケモン。
しかし、この色のボルケニオンは本来なら存在しない。
辺獄ロワという特殊環境が生み出した産物。とはいえ、本来のボルケニオン同様の力を有する。
あかりにより【アトミス】と名付けられた。
技構成
スチームバースト
フレアドライブ
くろいきり
だいばくはつ
「簡単です! まず初めに ボックス1の一番左上にポケモンがいないことを確認する。
いるなら別の場所に移動してください。 ~~~→結果 ボルケニオンゲット! 」byワザップ
※この裏技はセーブデータを削除させようとする悪質な投稿です。決して実行なさらないでください。
詐欺罪と器物損壊罪で訴えないようお願い申し上げます。
「背中の アームから 体内の 水蒸気を 噴射する。山 ひとつ 吹き飛ばす 威力」byポケモン図鑑
分類:スチームポケモン タイプ:ほのお、みず とくせい:ちょすい
あかりに支給された、プレシャスボールに入っていた幻のポケモン。
しかし、この色のボルケニオンは本来なら存在しない。
辺獄ロワという特殊環境が生み出した産物。とはいえ、本来のボルケニオン同様の力を有する。
あかりにより【アトミス】と名付けられた。
技構成
スチームバースト
フレアドライブ
くろいきり
だいばくはつ
「簡単です! まず初めに ボックス1の一番左上にポケモンがいないことを確認する。
いるなら別の場所に移動してください。 ~~~→結果 ボルケニオンゲット! 」byワザップ
※この裏技はセーブデータを削除させようとする悪質な投稿です。決して実行なさらないでください。
詐欺罪と器物損壊罪で訴えないようお願い申し上げます。
【ドミノ・サザーランド@血と灰の女王】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(極大)、身体を再生中、主催に対する強い怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2、応急手当セット@現実
[思考・状況]
基本方針:メフィスとフェレスとかいうクソ野郎二人は必ず叩き潰す
1 :清棲あかりと情報交換をする。
2 :攻勢にでるわよ。西に行って様子を確認する。
3 :下僕たち(佐神善、日ノ元明)に充や彰の知り合いを探す。ニアミスなのは残念
4 :首輪及び紋章を何とかするために、主催を知ってそうな参加者は見つけた。後はどうするか……
5 :あの悪魔(不動明)がまた挑んでくるようなら迎え撃つ。
6 :日ノ元士郎はここで斃しておきたいけど今は待つ。堂島は信用しない。
7 :しおが『下僕』になるかは彼女次第。
8 :日ノ元とは何とか協定を結べたけど、下僕たちはどうするのやら。
9 :強姦魔(モッコス)とヘルメット(ジャギ)は出会ったら潰す。
10:蒔岡彰、先に出会ってたら下僕だったんだけどねぇ……
11:伯爵の関係者も漁ってみる。
12:ユーベン……まさか?
13:零や可奈美にあったら、まあ軽く仲裁はしておく。
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(極大)、身体を再生中、主催に対する強い怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2、応急手当セット@現実
[思考・状況]
基本方針:メフィスとフェレスとかいうクソ野郎二人は必ず叩き潰す
1 :清棲あかりと情報交換をする。
2 :攻勢にでるわよ。西に行って様子を確認する。
3 :下僕たち(佐神善、日ノ元明)に充や彰の知り合いを探す。ニアミスなのは残念
4 :首輪及び紋章を何とかするために、主催を知ってそうな参加者は見つけた。後はどうするか……
5 :あの悪魔(不動明)がまた挑んでくるようなら迎え撃つ。
6 :日ノ元士郎はここで斃しておきたいけど今は待つ。堂島は信用しない。
7 :しおが『下僕』になるかは彼女次第。
8 :日ノ元とは何とか協定を結べたけど、下僕たちはどうするのやら。
9 :強姦魔(モッコス)とヘルメット(ジャギ)は出会ったら潰す。
10:蒔岡彰、先に出会ってたら下僕だったんだけどねぇ……
11:伯爵の関係者も漁ってみる。
12:ユーベン……まさか?
13:零や可奈美にあったら、まあ軽く仲裁はしておく。
[備考]
※参戦時期は88話から。
※真祖の能力に制限が課せられています
※主催者の関係者にユーベンが関係してる可能性を考えてます。
※ドミノ、しお、日ノ元、彰、オフィエル、みらい、沙夜と情報交換をしました。
充はDルートなのではるなと彼女から話を聞いた人物、
途中までならCルートと同一なので途中までは結衣と話が嚙み合います。
※ムラクモ達と情報交換をしました。
※参戦時期は88話から。
※真祖の能力に制限が課せられています
※主催者の関係者にユーベンが関係してる可能性を考えてます。
※ドミノ、しお、日ノ元、彰、オフィエル、みらい、沙夜と情報交換をしました。
充はDルートなのではるなと彼女から話を聞いた人物、
途中までならCルートと同一なので途中までは結衣と話が嚙み合います。
※ムラクモ達と情報交換をしました。
076:クレーターの中心で愛を求む | 投下順 | 078:襲葬来斬 |
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