ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) ◆LuuKRM2PEg



(少しはやるようだが……俺が今まで見てきた奴らと比べたら、お遊戯会に等しいな)

 ナイトレイダーAユニットの一隊員、石堀光彦の姿を騙った邪悪なる暗黒破壊神、ダークザギは目の前で繰り広げられている戦いをそう評した。
 この殺し合いの開幕式が行われた会場で加頭順に反旗を翻した一文字隼人が変身する仮面ライダー二号と、黒装束を纏った正体不明の男が姿を変えているキバと言う名の暗黒騎士。互いを敵と見做している彼らは今、石堀の前で己の武器を振るい続けていた。
 キバはその手に持つ禍々しい剣を横薙ぎに振るって大気を振動させるが、二号は驚異的身体能力で高く跳躍して軽々と避ける。そこから二号は空中で一回転した後、流星の如く勢いで飛び蹴りを叩き込んで、キバを僅かに後退させた。
 あの頑丈そうな鎧から漏れる呻き声から考えるに、二号の蹴りは相当な威力を誇る。そしてキバの方も、そんな二号の技を受けてもまともなダメージを受けていない。
 恐らく奴らは、TLTやナイトレイダーにあるような装備程度では太刀打ち出来る相手ではないだろう。あらゆる金属を腐食させる性質を持つKorrosion弾も、二号やキバにとっては大した脅威にならないかもしれない。
 放送前の戦いでキバが撤退したのは予想外の事態に驚き、撤退せざるを得なかったのだろうが今度はそうもいかないだろう。奴は、自分達を本気で抹殺する気でいるように見えた。

(もしもここで一文字が少しでも危なくなったら、本当にバイクに乗って逃げる必要があるかもしれない……まだ、俺の正体を知られるわけにもいかないからな)

 ダークザギの生み出すアンノウンハンドの力さえあれば、二号とキバを一瞬で屠るなど造作もない。これまで見てきたウルトラマン達やビーストと比べても、圧倒的に弱すぎるのだから。
 しかし、殺し合いの内面が掴めない今の状況で、迂闊な手段を取るなどできない。元の世界で演じている石堀光彦という、ただのナイトレイダー隊員として振舞うしかなかった。
 俺には戦闘能力がない。一文字隼人に対して口にしたその言葉は、石堀光彦という男にとっては真実だった。ただの人間として振舞っている以上、この状況でキバを倒す手段を持っていない。アンノウンハンドの力を発揮するわけにはいかない今、戦力として期待できるのは仮面ライダー二号だけ。
 故に、力を使わざるを得ないような状況に追い込まれる気配があれば、ビートチェイサー2000に乗って逃げるつもりだった。完全復活の為にも、少しでもリスクは減らす必要がある。
 その思考に反して二号は予想以上に粘るも、その動きは何処となく精彩を欠いていた。迫りくる刃を確実に反応しているものの完全な回避ができずに、装甲がほんの少しだけ切り裂かれていく。二号はそれを気にせず、体勢を微かに低くして振るわれる剣を避けてそこから拳を放つが、鈍い衝突音が響くだけでキバのダメージになっているようには見えない。
 そこからまた一閃されるのを見て、やはり二号はジリ貧になっていると石堀は推測する。
 尤も、無理はないと彼は考える。一文字隼人はキバとこれまでに二度も戦っているから、戦闘スタイルや対処法を見極められてもおかしくはない。加えて、隼人は二度目の戦いの直前に、二体の怪人とも戦っていたので顔に出していないが消耗は激しいはず。
 そんな不利な条件が揃っては二号が不利になるのも当然だった。

(簡単に隙を見せるような奴ではない……だとすると、一文字がそれを作ってくれるのを待つしかないか)

 無暗にKorrosion弾を撃ったとしても、キバはこちらにも警戒心を向けているので簡単に避けるだろう。陽動にもならない恐れがあるし、下手をすれば二号に当たってしまう危険があった。キバの全貌がわからない以上、武装を消耗するだけになる危険は避けなければならない。
 二号の攻撃を上手く捌きながら剣を振るうキバを標的に定めて、石堀はライフルを構えた。
 とはいえ、すぐに撃つような真似はしない。奴に悟られないように意識を集中させて、チャンスを窺わなければならなかった。例え戦っている最中でも、ほんの僅かな敵意でも見逃すことはないはずだから。
 そう思案を巡らせていると、二号はほんの一瞬だけ目を向けてくる。一秒に届くかどうかもわからないが、石堀は確かに視線を察した。

(あいつ、まさか俺に撃てとでも言いたいのか……?)

 キバの剣術を避けながらひたすら反撃を続ける二号の赤い瞳は、まるで何かを訴えているような雰囲気が感じられる。チャンスを作るから、援護をしろとでも言いたげだった。
 確かにこのまま戦い続けたところで戦況が変わるわけではないし、二号が敗北する恐れだってある。もしもキバがまだ本気を出していないのだとしたら、正体を隠すどころの話ではなくなるかもしれない。
 二号は戦いながらだが、確実に自分とキバを離れさせようと動いていた。奴は攻撃を避けるために跳躍すると、それを追うようにキバも駆ける。その動作が何度も繰り返されて、自分と両者の距離は既に10メートル以上も開いていた。
 二号の誘導があったおかげで、キバの体制はこちらに背を向けているようになっている。進攻の度に漆黒のマントが棚引いて、背中が露わとなった。

(ここだ!)

 ようやくチャンスが芽生えたと確信した石堀は、ライフル銃のトリガーを指で引く。耳を劈くような鋭い銃声と共に、弾丸が発射された。
 Korrosion弾は空気を切り裂きながら、暗黒の鎧を目指して一直線に突き進む。発射の轟音に気付いたのか、キバは二号との戦いを一時中断して瞬時に振り向いた。
 奴は後退して弾丸を回避するが、石堀は特に嘆かない。こちらに危険が及ばない条件で、意識を向けさせることこそが目的なのだから。

「トオオオオオオォォォォォォッ!」

 そして発砲の意図を察したのか、凄まじい咆哮と共に二号は跳躍する。
 一瞬で数メートル程の高さまでに到達した二号を追うように、キバは上空を見上げた。しかしその一瞬の間で二号は一回転した後、飛び蹴りの体制に入っていた。

「ライダアアアアァァァァァァキィィィィィィクッ!」

 力強く叫びながら、音すらも凌駕しかねない速度で必殺の一撃を放つ。
 一方でキバは仮面の下から微かに狼狽したような声を発しながらも、腕を振るおうとするが、二号の方が早い。ライダーキックはキバの頭部に容赦なく叩き込まれて、鈍い音を響かせた。
 そして蹴りの衝撃によってキバが吹き飛んでいく中、二号は地面に着地する。しかし彼の全身からは未だに警戒心が感じられるし、何よりも石堀自身も気を緩めていない。
 いくら仮面ライダー二号が強いとはいえ、あれだけで負けるような相手ではなかった。聞いた話によればキバという戦士は、沖一也という男が変身する仮面ライダースーパー1の協力があって初めて撃退できたらしい。
 そんな相手にたった一発の必殺技を当てただけでは、勝利に繋がるとは考えられなかった。
 そして案の定、キバはあっさりと立ち上がってくる。

「……どうした、その程度か。仮面ライダー」

 声からは苦悶の色が感じられるも、ライダーキックのダメージは致命傷となるには遠いようだった。恐らく、戦いには支障を及ぼさないかもしれない。

「さあ……どうだかな」

 しかし二号はその事実を前にしても、微塵にも狼狽える様子を見せずに再び走り出した。その仮面の下で、隼人が笑みを浮かべていることは容易に想像できる。
 気概は結構だが、やはり動きにはキレが減っていた。どれだけ四肢を用いた打撃を繰り出そうとも、キバは確実に回避しながら刃を振るう。その度に鋭い金属音を響かせながら、装甲に亀裂が生じた。
 唸り声が仮面から漏れて、ついには血液までが噴き出してくる。その量はまだ僅かだが、二号が危機に陥っていることを物語っていた。このまま戦闘を続けた所で、先に二号が崩れ落ちるのも時間の問題。

(道具に成り得る仮面ライダーを捨てるのは惜しい……しかし、このまま留まっているのもまずいな)

 二号の血が地面に飛び散っていくのを見て、石堀はビートチェイサー2000に目を移す。
 だが、ここから安易に逃亡を図ってもキバの脚力ならば追いつくのは造作もないだろうし、また遭遇しては今度こそ力を発揮する事態になりかねない。そんなことになっては、計画が狂う恐れがある。
 状況を打破する為にはどうするべきか……石堀はそう思案を巡らせていたが、その刹那に『Jet』という電子音声が背後から響いてきて、意識を瞬時に覚醒させた。
 そして次の瞬間には、発射されたエネルギー弾が凄まじい速度で彼の横を通り過ぎて、キバの鎧に命中。そのまま小規模の爆発を起こして、微かにふらつかせた。
 一体何があったのかと思い、石堀は振り向く。すると、数メートル離れた先から仮面ライダーと思われる謎の赤い戦士が、刃が銀色に輝く剣を握りながらやってくるのが見えた。
 今のエネルギー弾を発射したのも、この戦士。だが石堀は敵か味方かの判断がつかなかったので、思わず銃口を構えた。

「無事みたいね、石堀隊員」

 しかしその仮面の下から聞こえた女の声によって、彼は警戒心を一瞬で解く。何故なら、長年に渡る計画の鍵であるのだから。

「その声は……まさか、副隊長!?」
「ええ。この姿は新しく手に入れたアクセルという名の武装よ……詳しい事情はわからないけど、あの緑色の戦士はあなたの味方みたいね」
「はい! 彼はあの会場で加頭に反旗を翻した一文字隼人という男で、仮面ライダー二号です!」

 アクセルに変身した西条凪の声を聞いて、石堀は表情を輝かせながら答える。
 こちらの味方を瞬時に見分ける洞察力は相変わらず感心するが、それ以上に凪をようやく見つけられた喜びの方が大きい。

「わかったわ……なら、今はあの黒い騎士を抹殺することが最優先ね。石堀隊員、貴方は援護をしなさい」

 そう言い残して、アクセルは二号の隣に立つ。

「あんたが石堀の上官の西条凪さん……で、いいのかな?」
「そうよ。石堀隊員を守ってくれたことには感謝するけど、今は奴を倒すことを集中して」
「了解」

 頷いた二号が走り出し、それに続くようにアクセルも剣を掲げながら向かっていった。
 凪の言葉は冷静そのものだが、その裏には抑えられているとはいえ確かな殺意と憎悪が感じられる。
 当然だ。一八年前に来訪者研究チームの一員であり、ザギの存在に絶望した山岡一という男の身体を乗っ取ってから凪の母親をこの手で惨殺して、彼女の心に影を植え付けている。凪に光が渡った時、更なる闇で塗り潰すために。

「何人増えようが同じことだ……この手で、闇に送ってくれる」

 アクセルの乱入が原因なのか、キバの声から感じられる憤怒は濃さを増していく。だが石堀にとって、それは単なる子供騙しにしか思えなかった。
 奴の宿らせる闇も相当な濃さを持つが、アンノウンハンドからすれば足元にも及ばない。それに近い未来、斎田リコや溝呂木眞也を遥かに凌駕する闇を、西条凪は秘めることになる。
 暗黒騎士キバなど、計画の過程で凪の闇を強くさせる道具に過ぎなかった。

(奴との戦いで凪の闇が強くなればいいが、あまり油断はできないな……いざという時、凪だけでも確保して撤退しなければならない。一文字、どうか凪を死なせないでくれよ?)

 アクセルとキバの剣戟が繰り広げられることで金属音と火花が飛び散る中、横から機会を窺っていると思われる二号を見ながら、石堀は心中で呟く。
 幾らキバがアンノウンハンドより劣っているとはいえ、それでもビーストと同じ驚異的存在であることに変わりない。例えアクセルが加勢したとしても、キバはそれだけで打ち破れる相手ではなかった。
 アクセルの振るう剣を、キバはその手に持つ剣であっさりと弾く。その衝撃で怯んだのを好機と見たのか、キバはアクセルの装甲を横一文字に切り裂いた。
 凪は悲鳴を漏らしながら後ずさる中、二号が拳を振るう。対するキバは軽く上半身を弓なりに反っただけで避けるが、二号はそれに構わず攻撃を続けた。
 左足を軸に回転しながら蹴りを繰り出すが、キバは片腕だけで受け止める。そこから足を振り払われた二号は体制を崩してしまい、その隙を突いてキバは素早く剣を振るった。
 だが二号もただ受けるだけでなく、微かに身を捩る。そのおかげか、刃先が微かに胸の装甲を掠るだけでキバの一振りは終わった。
 そのまま二号は背後に飛んだことで、キバとの距離が一気に開く。奴らの睨み合いが始まるかと思われた、その瞬間だった。

『ENGINE MAXIMUM DRIVE』

 あの加頭順が使ったガイアメモリから発せられたのと同じトーンの人工音声が、戦場に響き渡る。
 続くようにバイクの排気音とよく似た音が鼓膜を刺激し、石堀は思わず振り向いた。見るとアクセルが全身から赤いオーラを発しながら、咆哮と共に突っ走っていく。

「来るがいい」

 彼女が駆け抜ける先にいるキバも、右手と黒い剣の刃を滑らせた。一体何をしているのかと疑問を抱いた瞬間、漆黒の刀身から禍々しい炎が噴き出してくる。
 そして刀を携えるキバもまた、地面を蹴って疾走した。すると、先程までキバが立っていた場所から鈍い破壊の音が響き、瞬時に数メートル規模のクレーターへと変わっていく。
 そのまま、同じタイミングで得物を掲げるアクセルとキバの距離は徐々に縮んでいき、放たれるオーラと炎はより濃さを増した。
 目前へと辿り着こうとした直前、互いに振るった剣が衝突。その影響なのか圧縮されたエネルギーが一気に解放され、盛大な爆発を起こす。
 爆撃のような轟音によって大気は震え、激突した地点より凄まじい煉獄の炎が燃え広がった。灼熱を帯びた衝撃は近くにいた二号を吹き飛ばし、少し離れた石堀の肌に突き刺さる。
 二号は勢いよく地面を転がるものの、すぐに立ち上がった。その様子を見届けてから、石堀は叫ぶ。

「副隊長!」

 その声に答えたのは、燃え盛る火炎の音だけ。
 石堀は心中で舌打ちをする。もしもあんな爆発程度で凪が殺されてしまっては、目も当てられないからだ。一応、アクセルという武装を身に纏っているとはいえ、あのキバを前に耐えられるかどうかは甚だ疑わしい。
 凪の憎しみを強化させるというメリットに釣られず、無理をしてでも逃げるように進言するべきだったか? そんな後悔が脳裏に芽生えた頃、風に流されていく灼熱の中からアクセルが飛び出し、地面に叩き付けられていく。
 衝突が原因なのか、地面を転がるアクセルの装甲は崩れ落ちていくように分解され、中で守られている西条凪の姿を無防備に晒した。
 起き上がる気配はなく、ぐったりと倒れている彼女の元に石堀は急いで駆け寄る。ナイトレイダーの制服に包まれた胸元がゆっくりと上下しているので、幸いにも気絶しているだけのようだった。
 生存しているのは幸いだったが、安堵する暇などない。燃え盛る炎の方に振り向くと、それを掻き分ける様に暗黒騎士キバが姿を現したからだ。
 漆黒の装甲から放たれる殺意は衰える気配が感じられず、未だ健在ということを物語っている。

「その女が秘める憎しみ……かなりの物だが、それだけでこの暗黒騎士キバを倒せると思ったら大間違いだ」

 ゆっくりと歩みを進めるキバの言葉は嘲りに満ちているが、石堀はそこまで気にとめない。凪が戦えない現状、どうやってこの場を切り抜けるべきかを考えていた。
 しかし剣を向けられたことですぐに思考を振り切って、彼女が持つアクセルへの変身アイテムを手に取る。何れキバを倒さなければならない機会が来るだろうから、多少のリスクには目を瞑って戦わなければならない。

『ACCEL』

 凪のようにアクセルドライバーを腰に装着して、アクセルのメモリのスイッチに手をつけた。そのままメーターとよく似たベルトの中央に挿入しようとした直前、二号が前に現れる。
 しかも、石堀と凪に背を向ける形で。

「石堀、あんたはその副隊長さんを連れて、先に行ってくれ!」

 そして振り向くことをせずに、力強くそう告げた。

「あんた、どういうつもりだ?」
「その人はあんたの上官なんだろ? そんな人が死んだら、あんたの所属する部隊はガタガタになる……それに、そんな別嬪さんを戦わせるのは俺の主義じゃない」
「そいつを前に、一人で戦えると思ってるのか」
「おいおい、俺を誰だと思ってる……こんな奴に負けるほど、柔じゃないさ」

 余裕ぶっているようだが、やはり疲弊した雰囲気を隠すことができていない。それにも関らず、自分達を逃がそうとしている。
 この男は救いようのないお人好しだと、石堀は思った。一見するとリアリストだが、実はただの理想主義者。M78星雲で戦ったウルトラマン達のように、誰かのためならば己の命を簡単に捨てるような愚か者だ。

「……わかった。だが、決して死ぬなよ。俺達には一文字の力が必要だからな」

 だから今は、凪を守るためにも二号の善意に甘える。その表面上では、さも心配しているかのように振舞って。

「当たり前だろ? 心配するなって……絶対に、あんたらを助けてみせるからよ」

 予想通りの答えを返す二号は、仮面の下で笑みを浮かべているのが容易に想像できる。
 実際、一文字の力が必要なのは確かだった。この世界は不確定要素が多い以上、一枚でも多くの手札を確保しておきたい。
 だが今は、凪を守るために一文字を切り捨てなければならなかった。有能な男と別れるのは惜しいと思うが、凪を守るためには仕方がない。

『ACCEL』

 故に、一文字が暗黒騎士キバを打ち破って生きて現れてくれるのを祈りながら、メモリをドライバーに差し込んだ。電子音声が響き渡るのと同時に、スロットルを捻じった石堀の肉体は、赤い装甲に包まれる。
 バイクとよく似ているから、力を解放させるキーになる部分があると思ったら、案の定だった。この他にもアクセルの力を更に発揮できる部分を調べたいが、そんな暇はない。
 今は戦いに巻き込まれないように、凪の身体とデイバッグを抱えて走り出した。本当ならビートチェイサー2000も確保したいが、諦めるしかない。
 超能力さえ使えば別かもしれないが、正体が知られてしまうリスクを背負ってまで欲しい物ではなかった。

(なるほど……これがガイアメモリって奴か。悪くない代物だな)

 ドライバーを通じたガイアメモリの力が全身に流れ込むのを感じて、石堀はそう心の中で呟く。
 恐らく、クロムチェスター以外のナイトレイダーが使用するどの武装よりも優れているはずだ。この状況では是非とも凪に持たせたいが、暗黒騎士キバや溝呂木眞也のような連中が相手では通じないだろう。
 そして凪は、そんな人類に仇なす連中を殲滅しようと動くに違いない。本来なら彼女の影を強くできるのは大歓迎だが、こんな世界では下手に彼女を戦わせられなかった。

(凪、俺への憎しみを強くするのはいいが、どうか無茶をするのは止めてくれよ……)

 背後で繰り広げられている戦いによる怒号や金属音が響く中、仮面ライダーアクセルに変身した石堀光彦は腕の中で眠り続ける西条凪にそう告げる。
 きっと彼女はこの戦いの中で、更なる憤怒や憎悪を異形の存在に対して向けてくるはずだ。それによって生じる負のエネルギーこそ、ダークザギの糧になる。
 その為にも、彼女は絶対に生かさなければならなかった。




 空で輝く太陽から【E-2】エリアに降り注ぐ光はとても温かかったが、桃園ラブは一身に浴びても全く心地よくなれなかった。
 それもそのはず。井坂深紅郎やティアナ・ランスターとの戦いが終わってから、あまりにも重苦しい空気が漂っているからだ。
 涼村暁と黒岩省吾。この二人は出会ってから、ずっと顔を合わせていなかった。恐らく元の世界で知り合いだったのかもしれないが、かなり仲が悪いように見える。
 今のところ、喧嘩をする気配は感じられないがいつ爆発してもおかしくない。できることなら二人には仲良くして欲しいが、事情を知らないラブには何を言えばいいのか皆目見当がつかなかった。

「それにしても、暁さんも黒岩さんも強いですね! あたし達が力を合わせれば、きっと何だってできそうですよ!」

 だから、せめて空気を変えるためにラブは話題を出す。
 これだけで仲良くできるなんて到底思えなかったが、少しでも可能性に賭けたかった。

「はあ? 俺がこんな胡散臭い奴と力を合わせる? おいおいラブちゃん、何を言ってるの?」

 だが、暁から帰ってきたのはそんな彼女の願いを呆気なくぶち壊すような、無神経な発言だった。

「えっ?」
「こいつの正体見たでしょ! こんな野郎と一緒にいたら、騙されるだけだって!」
「それはこっちの台詞だシャンゼリオン!」

 そんな暁に張り合うかのように、黒岩は声を荒げる。

「貴様こそ、この場でもどうせ下らぬことを考えているのだろう……大方、主催者達の甘言に乗せられて殺し合いに乗り、俺達を利用する気なのだろうがそうはいかん!」
「ちょっと、黒岩さん!」

 幾らなんでも、その言い方は酷すぎる。そう思ったラブは黒岩を咎めようとしたが、その前に暁が出てきた。

「何ぃ!? 優勝しようとしているのはてめえの方じゃないのか!? そうやって気取っているけど、どうせ殺し合いのどさくさに紛れて俺達人間のラームを奪う気だろ!」
「フン、所詮貴様ではそんな浅はかな考えしかできないようだな……知っているか! ローマ帝政期に造られたコロッセオでは……」
「わけわかんないこと言うんじゃないの!」

 薀蓄を無理矢理遮った暁を前に、黒岩は憤りの表情を向ける。だが肝心の暁はそんな黒岩に目向きもせず、ラブに振り向いた。

「ラブちゃん、こんな奴は放っておいて俺達だけで行こう?」
「え、ええっ!? そんなの駄目ですよ!」
「あのね、こういうインテリぶった野郎といたって何もいいことはないの! それよりもほら、俺と一緒に……」
「待て、そうはいかんぞシャンゼリオン!」

 ラブの手を取ろうとした暁の言葉を、今度は黒岩が勢いよく邪魔する。それはまるで薀蓄を途中で止めたことに対する仕返しのようだった。

「貴様こそ、一人で行けばいいだろう! どうせ足手纏いにしかならないのだから、さっさと消えてしまえ!」
「何だと……足手纏いなのはどっちだ! てめえ、さっきの戦いは俺達に任せてサボってたくせに、何様のつもりだ!?」
「何……!?」

 そうして暁と黒岩は睨み合い、彼らの間に火花が飛び散っていく。どちらも、譲り合う気配はまるで感じられない。
 何とか二人の仲を取り持とうとしたのに、むしろ逆効果だった。それを思い知ったラブに後悔が芽生えるが、もう遅い。

「え、えっと……暁さんも黒岩さんもちょっと……」
「「何だっ!?」」
「……何でもありません」

 おろおろしながらもラブは暁と黒岩を落ち着かせようとするが効果はなく、萎縮してしまう。
 こうなった以上、もうどうしようもなかった。せめてこの場に美希達がいてくれたらまだ希望はあったかもしれないが、ラブ一人では何もできない。
 このままじゃ、本当にどちらかが怒りのあまりに離れてしまう恐れがあった。そうなったらここで一人にさせるなんて危ないし、この二人がいがみ合ったままで終わらせたくはない。
 だからラブはもう一度、暁と黒岩を落ち着かせようとしたが、そう思った直後に足音が聞こえてくる。それに気づいた彼女が振り向いた先から、赤い鎧を纏った誰かが女の人を抱えながら近づいてくるのが見えた。

「な、何だぁ!?」
「何者だ!?」

 そして暁と黒岩も同じタイミングで、来訪者に対して警戒の言葉をぶつける。
 二人のようにラブも思わず身構えたが、その瞬間に鎧を纏った何者かは目の前で足を止めた。

「あんたら、この先の村に行くつもりか?」

 銀色の角に仕切られた青い瞳を輝かせている仮面の下から聞こえてきたのは、敵意の感じられない男の声。
 発せられた言葉と、腕の中で気絶している女性の存在を考えて敵ではないかもしれない。ラブがそう思うのと同時に、黒岩が前に出てきた。

「そうだが……どうかしたのか?」
「なら、やめておいた方がいい。あの村では今、俺の仲間が黒い化け物と戦っている……命が惜しかったら、すぐに引き返しておくんだな」
「それは本当か?」
「おいおい、こんな時に嘘を言ったってどうなる? 俺が信用できないのはわかる……だが、もしも本当に敵だったらこうして呑気に話しかけたりはしないぞ」

 黒岩に答える男の表情を窺う事はできないが、声には明らかな焦燥が感じられるので嘘を言っているようには思えない。
 目の前にいる二人とは味方になれるかもしれないとラブは思うが、だからと言って安心はできなかった。

「申し遅れた、俺の名は石堀光彦。どうやら、あんたらは俺達の敵じゃなさそうだな……なら、一緒に来てくれないか? ここにいたら危険だからな」
「待ってください!」

 だからラブは石堀光彦と名乗った男の提案を遮るように力強く叫ぶ。

「あの先にある村では、あなたの仲間が襲われてるんですよね!? だったら、あたしが行きます!」
「何を言ってるんだ? 君みたいな子どもを一人で戦場に向かわせるわけにはいかない……気持ちはわかるが、ここは俺について来てくれ」
「いいえ、行かせてください! あたしはもうこれ以上、誰も犠牲になって欲しくないんです!」

 そう宣言しながら、彼女は懐からリンクルンとクローバーキーを取り出した。
 プリキュアの正体は秘密にしないといけないが、今のラブは明かすことに対して躊躇いはない。巴マミや黒岩省吾には話したのだし、涼村暁には変身した所を見られているのだから、これ以上知られても同じだった。
 だから彼女はリンクルンにクローバーキーを挿して横に回し、表面を開ける。そこからローラーを勢いよく回して、輝きが辺りを包むのと同時に宣言した。

「チェインジ、プリキュア! ビート! アーップ!」

 するとラブの全身は光に包まれて、変身が始まる。
 茶髪は一瞬で黄金色に輝き、身体を覆っていた光は弾けて新たなるコスチュームやブーツ、そして鮮やかなアクセサリーやポシェットが姿を現した。
 変身を果たした頃、両手でハートを作りながら彼女は名乗りをあげる。

「ピンクのハートは愛あるしるし! もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!」

 そうして、軽く手拍子を取りながらキュアピーチに変身した桃園ラブは宣言した。
 プリキュアになった彼女は、赤い装甲を纏った石堀に振り向く。その仮面の下では、横にいる暁のように呆気に取られているかもしれない。
 そんなことを考えながら、キュアピーチは石堀に声をかけようとする。

「キュアピーチ……まさか君は、つぼみちゃんが言っていたプリキュアの一人なのか?」

 しかしその前に石堀から出てきたのは、キュアピーチの予想を遥かに超えた言葉だった。

「えっ? つぼみちゃんって……あなた、つぼみちゃんと会ったのですか!?」
「ああ。今は仲間を探すために別行動を取って、街を目指しているがな……キュアピーチってことは、君が桃園ラブちゃんなのか?」
「ええ、そうですけど……」
「だったら尚更、君を行かせるわけにはいかない。君にもしもの事があったら、つぼみちゃんが悲しむ……それに向こうで戦っている一文字の願いだって、俺は無碍にしたくない」
「一文字って……まさか、広間にいた一文字隼人って人ですか!?」
「そうだ。だから今は、俺の言う事を聞いて欲しい……彼も、君みたいな子には戦ってほしくないだろうから」

 石堀の言葉は、キュアピーチには痛いほど理解できる。
 花咲つぼみや加頭順に反抗した一文字隼人と一緒にいたからには、きっと彼は優しい人間なのかもしれない。自分を犠牲にしないでつぼみのことも悲しませない為にも、ここで引き止めようとしているのだ。
 その気持ちはとても嬉しいし、キュアピーチもそんな石堀を心配させようと思わない。このまま村に行くのは、石堀の優しさや一文字の決意を裏切ることになってしまう。
 しかしそれでも、キュアピーチは石堀の言葉を受け入れることができなかった。

「石堀さん、心配してくれてありがとうございます……でも、ごめんなさい」

 だから彼女は、石堀の言葉に対して首を横に振ることで答える。

「もしもここで一文字さんに何かがあったら、それこそつぼみちゃんは悲しむと思います……から、あたしは行きます!」
「おいおいおい、ちょっと待ってラブちゃん!」

 石堀から返事が来る前にピーチは走ろうとしたが、その道を遮るかのように暁が出てきた。

「君がそこまでやる必要はないでしょ、危ないって! この石堀って野郎の言うとおり、ここは離れようよ!」 
「暁さんも、ありがとうございます。でもすぐに行かないと……」
「だったら、俺も行く!」
「いいえ……暁さんはさっきまでたくさん動いたから、無理しないでください!」
「無理をしているのは君の方でしょ!」

 必死になって止めてくれている暁を前に、キュアピーチは思わず表情を曇らせてしまう。

『駄目よ……行っちゃ駄目!』

 そして周りにいる石堀と暁の姿を見て、母親である桃園あゆみの言葉が脳裏に蘇った。
 それは、クローバータウンのみんなにプリキュアであると明かした、絶対に忘れられないあのクリスマス。あの時だって、お母さんを含む街のみんなはラビリンスに乗り込もうとした自分達を、必死に止めている。
 今だってあの日みたいに、ここにいるみんなを心配させていた。

「やはり君も、つぼみちゃんと同じプリキュアになっただけのことはあるな」

 その最中、彼女に芽生えた後ろめたさを振り払うかのように、石堀が声をかけてくる。

「わかった……なら、一文字を助けに行ってくれ」
「はぁ!? あんた、本気か!?」
「どうせここで俺達がいくら止めようとしたって、彼女は行くに決まっているさ……そうだろ?」

 驚愕で目を見開く暁に軽く答えてから、石堀はキュアピーチに振り向いた。
 その問いかけに、彼女は否定することはできない。実際、彼らの制止を無視してでも助けに行こうとしたのだから、反論しても無意味だった。
 太陽の光に照らされる仮面の下で真摯な表情を浮かべているはずの石堀は、何もいえないキュアピーチを前にそのまま続ける。

「ここにいるみんなはどうか俺に任せてくれ。ただし、絶対に生きて戻って来るんだ……一文字が戦っているキバという奴は強い。いざとなったら、迷わず逃げろ……無理をして君が死んだら、元も子もないからな」
「わかりました……ありがとうございます!」
「どうか、一文字のことを頼んだぞ。彼はこんな所で死んでいい男じゃないからな」
「はい、石堀さん達も気をつけてください!」

 石堀への感謝を告げたキュアピーチは、心配そうに見つめている暁と無言で頷く黒岩を一瞥した後、村に向かって走り出した。
 三人を心配させるのは心苦しいが、彼女は瞬時にそれを振り払う。今はつぼみや石堀達の為にも一文字隼人を助けることだけを考えなければならない。
 彼がどんな人物なのかは全く知らないが、強くて優しいのは確かだった。だから、キバという奴から助けたい。
 石堀達や今もどこかで頑張っているつぼみ、そしてみんなを守るために戦っている一文字の無事を強く願いながら、キュアピーチは走り続けていた。




 仮面ライダーアクセルに変身していた石堀光彦の視界から、キュアピーチの姿が見えなくなるまでそれほどの時間はかかっていない。
 花咲つぼみの仲間の一人、桃園ラブに出会えたのは僥倖だったかもしれないが、いつまでもここにいるわけにはいかなかった。
 凪は当然だが、彼女から頼まれたこの男達も一応守らなければならない。暁と黒岩……恐らく、涼村暁と黒岩省吾のことだろう。
 特に黒岩省吾は見覚えがあった。この孤島に飛ばされてつぼみと出会ってから、影から覗いていた男である。あの時は接触すらせずに立ち去ったのでこちらも干渉しなかったが、まさかこんな形でまた出会うとは予想外だった。

(一見するとただの人間にしか見えない……だがこんな所に呼び出されている以上、その可能性は低いな)

 きっとこの男達も何らかの変身能力を持っているのだろうが、邪魔をしない限りは何もする気はない。無論、警戒は怠らないし、現状では保護するつもりだが。

「本当に大丈夫なのかよ、あんな子を一人で行かせて?」

 そして案の定、涼村暁は不満を漏らしている。
 一見するとずぼらで軽い性格の男だろうが、それでも油断はできない。どんな相手だろうと、こんな状況では慎重に向き合わなければならなかった。
 不信を抱かれては、そこから崩壊に繋がりかねない。

「仕方ないだろう。ここで無理矢理連れて行ったとしても、彼女はきっと抜け出して一文字を助けに行っていたはずだ」
「そりゃ、そうかもしれないけどよ……」
「心配なのはわかるが、今は彼女を信じるしかない。言っておくが、あんたまで行かせる訳にはいかないからな。俺について来てもらう」

 本来なら人間の一人や二人が死んだ所で何とも思わないが、味方になるのならば情報を引き出すつもりだ。それにナイトレイダーとして振舞っている以上、危険人物以外はできる限り保護しなければならない。
 いい加減な暁も、胡散臭い黒岩も同じだった。

「はいはい、わかったよ……」

 暁がさも面倒臭そうに答えた後、先導するように石堀は森を通って進む。本来のルートとは違うが、もしも二号とキュアピーチがキバに敗れたりしたら、そのまま追跡される恐れがあった。
 こんな戦場に安全地帯などある訳ないが、生存の確率を少しでも上げる為に遮蔽物の多い森を進んだ方が得策かもしれない。

(それにしてもあの光……力そのものは圧倒的に劣るが、ウルトラマンの光とよく似ていたな)

 そして太陽の光が木々に遮られていく位置にまで辿り着いた頃、アクセルは歩を進めながらキュアピーチとキュアブロッサムの姿を思い出す。
 人々を守るという下らない信念やその身体から放たれた光は、忌むべきウルトラの一族達が持つそれとよく似ている。しかもキュアブロッサムの話によるとプリキュアとやらはこの地にも八人いて、元の世界ではもっと多くいるそうだ。
 その話はアクセルにとって忌々しいと思わせるのと同時に、強い興味を抱かせる。もし、もっと早くプリキュアの存在を知っていれば、完全なる復活を果たすための拠点をそちらの地球に選んでいたかもしれない。
 一つ一つはウルトラマンに比べれば弱いだろうが、つぼみ曰くどんな困難が訪れても諦めない限り、強い光が宿ってその度に危機を乗り越えてきたようだ。
 そんな光を闇に変換できれば、少しは力になるかもしれない。無論、過度な期待はしないが。

(来海えりか……キュアマリンは死んだがまだ七人は残っているか。精々、生きていてくれよ)

 この殺し合いに巻き込まれたプリキュア達は一人減ったが、まだ大勢残っているのは有り難かった。もしも可能であればウルトラマンと同じように戦いの中で光を強化させて、復活のエネルギーの足しにするのも悪くないかもしれない。
 本当ならあの場でキュアピーチやキュアブロッサムの光を奪うこともできたが今は協力者なので、まだやらなかった。それに何よりも、目先の利益だけに囚われては西条凪や姫矢准を生かすことができなくなる恐れもある。
 何故なら、彼女達も邪魔者を消すための手段なのだから。



(石堀という男……やはり、あの時の男か)

 そして黒岩省吾もまた、赤い鎧を纏った石堀光彦の背中を見ながらこの殺し合いに放り込まれた当初を思い返している。
 あの時は情報収集を優先していたので接触をしなかったが、こんな形で再び再会することになるとは思いもしなかった。この男もどうやら善人のようなので、自分もそういう風に振舞わなければならない。
 だが、油断はできなかった。一見すると軽い感じの男だが、その裏では何を考えているかは分からない。もしもこちらがダークザイドであることを知ったら、一気に警戒を強める恐れがあった。

(チッ……シャンゼリオンさえいなければ、まだ動きやすかったのだが……)

 涼村暁を見ながら、黒岩は心の中で舌打ちをする。
 もしもこの男が余計なことを石堀に口走ったりなどしたら、自分の立場が危うくなるかもしれない。そうなっては、敵と認識される恐れもあった。
 一刻も早く決着をつけたかったが、そんなことなどできない。それに何よりも、シャンゼリオンの様子がどこかおかしかった。
 そんな状態のシャンゼリオンと戦ったとしても、何にもならない。

(とにかく今は、こいつが余計なことを口走ったとしても何とか誤魔化さなければな……)

 一応、シャンゼリオンがこちらの正体を明かそうとしても、それを誤魔化せる自信はある。自惚れるつもりはないが、東京都知事を目指しているので多くの人を魅了させた話術さえ用いれば、切り抜けることはできるはずだ。
 それに石堀が抱えている女性も、魅了することができるかもしれなかった。無論、それはやるにしても余裕があってからの話だが。
 今はキュアピーチやキュアブロッサムと再び出会えることを信じながら、自分の安全を確保しなければならない。その為にも、涼村暁には細心の注意を向けなければならなかった。



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最終更新:2013年03月15日 00:27