せめて 輝きと ともに ◆LuuKRM2PEg


「霧彦さん……っ!」

 キュアパインに変身した山吹祈里は焦燥に満ちた表情を浮かべながら、市街地を駆け抜けていた。
 目が覚めたとき、園咲霧彦の姿は既に部屋の中にはなかった。
 何故、なんて考える必要はない。ゴ・ガドル・バと名乗った危険な男を止めるために、たった一人で飛び出していったのだ。その男は高町ヴィヴィオにとって大切な存在であるフェイト・テスタロッサとユーノ・スクライアを殺害した上、まだ他者を犠牲にしようとしている。
 ボロボロな身体でそんな危険な相手の所に向かったら、すぐ負けるだけだ。

(お願い……無事でいてください!)

 必死に祈ると共に辺りを見渡すが誰も見つからず、余計に不安を煽ってしまう。
 時計の針を見てみると、あれから既に一時間以上も経過していた。そんなにかかっていたら、もう生きていない可能性の方が高かったが、それでも最後まで信じていたかった。
 それにもしかしたら、霧彦の元に桃園ラブのような優しい人が助けに現れているかもしれない。殺し合いを防ごうとしている人達の為に戦うなら、この足を止めるなんてできる訳がなかった。
 もしも、ガドルの呼びかけを早乙女乱馬やヴィヴィオが聞いてしまったら絶対に向かうだろうし、何よりも乱馬の頑張りが無駄になってしまう。
 そうなっては、何の為に乱馬が嘘吐きになったのかがわからなかった。

『ガイアメモリを使う参加者がいたら、極力回収して誰も使用できないよう保管してくれ』

 目が覚めた時に見つけたメモの内容を思い出す。
 たったそれだけの短い文章だったが、それだけしか書き残せないほど霧彦は急いでいたのだ。
 それもそのはず。ヴィヴィオが強いと言っている二人を倒す程の相手なのだから、放置させる訳にはいかなかった。
 メモを見た彼女は急いで変身して飛び出したが、霧彦のスカーフ、そして彼にとって大切なキーホルダーや絵だけは置いている。もしも戦いが激しくなったら、巻き込まれて壊されてしまう恐れがあったからだ。
 だから一緒に帰った頃に、返せばいい。

(私が寝ている間にも誰かが不幸になってる……これ以上、誰も犠牲にさせちゃいけないんだから!)

 既に放送では18人もの名が呼ばれている。
 ノーザのような人々を不幸にする奴は別だろうが、本当なら犠牲になってはいけない人達だ。みんな、それぞれの生活があるのに主催者達はそれを台無しにした。
 せめて、残された人達だけでもどうにかして助けなければいけない。その思いを抱く彼女の足は自然に速くなっていった。
 その時だった。

「この世界には、やっぱり面白いリントがたくさんいるみたいだね」

 そんな穏やかで涼しげな言葉が、後ろより聞こえてくる。
 それに気づいたキュアパインが素早く振り向いた先では、純白の衣服を纏った男が笑みを浮かべているのを見た。その笑顔はまるで、純粋な興味を向けているにも見えて、思わず彼女は怪訝な表情を浮かべてしまう。

「あの……あなたは?」
「君も、僕を笑顔にしてくれるのかな?」
「えっ?」

 意図がまるで理解できない返事によって、キュアパインの疑問は更に膨れ上がった。
 出会えたのがそんなに嬉しいのか? もしかしたら彼はここに来るまで、誰とも出会えずにずっと一人だったか、誰かに襲われて酷い目に遭ったのかもしれない。
 そう思ったキュアパインは、数メートル離れた場所にいる男に声をかけようとした、その時だった。

「さあ……始めようか」

 そんな言葉がきっかけで、周囲の空気が一気に冷たくなっていくのをパインは感じる。まるで、横浜を襲ったフュージョンの闇に取り込まれた時のように。
 彼女は全身から滝のように冷や汗を流す中、男の姿が急激に変わっていった。純白の衣服は骨格のようになり、額からは金色に輝く角が伸びている。しかも全身には異様なまでに派手な装飾品が飾られていた。
 変身した男の姿は、まさに怪人と呼ぶに相応しかった。

「白い、怪人……!?」

 その姿にキュアパインが驚く一方で、怪人は真っ直ぐにその腕を翳してくる。すると、彼女の身体は一瞬で灼熱の炎に飲み込まれた。

「きゃああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」

 メラメラと燃え上がる炎によって、彼女は耳を劈くような絶叫を喉の奥から発する。その灼熱を振り解こうと足掻くがデイバッグを落としただけで、何も変わらなかった。
 しかしそんな彼女を気遣う者など、この場には誰一人としていない。次の瞬間、無防備となったキュアパインの腹部に衝撃が走って、華奢な身体が呆気なく浮かび上がる。
 不意打ちに対応できないまま声にならない悲鳴を漏らし、瞬時に地面へ叩き付けられた。その際、衝突によって地面に小さなクレーターが轟音と共に出来上がるも、それに意識を向けている余裕などキュアパインにはない。
 そんな中、ようやくその身体を蹂躙していた火炎が消えたのは、不幸中の幸いだったか。

「あ……う、あ……っ!」

 しかしだからといって、彼女の痛みが完全に消えたわけではなく、ただ呻き声を漏らすしかない。たった二発の攻撃だが、威力があまりにも桁外れだった。
 それでもキュアパインは必死に耐えて迫り来る怪人に目を向ける。辺り一面に広がる煉獄の炎の中で唯一、白だけが異彩を放っていた。
 だがその体色を見て、彼女はある事を思い出す。

「白い怪人……まさか、あなたが霧彦さんやヴィヴィオちゃんを……!?」
「ヴィヴィオ……そういえば、そんな名前のリントがいたね。とっても面白かったよ」
「やっぱり……!」

 今は中学校で乱馬と一緒にはずのヴィヴィオはその身体に酷い大火傷を負っていて、霧彦はそれを白い怪人のせいだと言っていた。
 それら二つから考えて、二人を襲った犯人はこの怪人だとキュアパインは気づき、痛む身体に鞭を打って必死に立ち上がった。

「一体どうして、そんなことを……!?」
「僕が笑顔になりたいからさ」
「え、笑顔……?」

 睨むキュアパインの事などまるで意に介していないかのように、その怪人は愉悦に満ちた声であっさりと答える。しかしその答えはキュアパインの疑問を強めるだけだった。

「僕は君みたいな面白そうなリントとゲゲルができれば、それでいいんだ……そうすることで、僕は笑顔になれるからね」
「そんなっ……じゃあ、あなたはそんな理由だけで霧彦さんやヴィヴィオちゃんを傷つけたの!?」
「そうだよ」
「なんですって……!?」

 さも当然であるかのような怪人の答えは、日頃穏やかなキュアパインといえども怒りを覚えてしまい、両手を強く握り締めた。
 この怪人はラビリンスと同じで人の不幸を喜ぶような悪人だ。止めなければ多くの被害が出てしまう。だから何としてでも戦わなければならないと考えて、キュアパインは前に進んだ。

「やあぁっ!」

 その脚力によって一瞬で怪人の目前にまで迫ってから、横薙ぎに拳を振るう。しかし怪人は微かに屈んだだけで避けてしまい、掠る事もない。気にせずキュアパインは反対側の拳を叩き込もうとするも、やはり当たらなかった。
 それでも彼女は怪人の胸部を目掛けて、もう一度拳を放つ。このまま行けば当たると彼女は思った。だが次の瞬間、パインの拳は怪人によって軽々と止められてしまう。
 それも、片手一本だけで。

「えっ!?」
「なかなか、面白いね」

 そんな声が聞こえてくるのと同時にパインの身体は急激に持ち上げられてしまい、そこから何発も殴られ、吹き飛ばされていった。
 地面に叩きつけられて転がるが、すぐに体制を立て直す。しかし次の瞬間、彼女の膝は震えてしまう。
 怪人の拳は、持久力に優れたプリキュアであるキュアパインの体力を容赦なく奪うくらいに重かった。

(強い……だけど、今は私だけでも頑張らなきゃ!)

 この白い怪人はナケワメーケ達よりも遥かに強くて、一人だけではとても勝てる相手ではない。戦ってまだ数分も経過していないが、拳の重さは圧倒的な実力差を嫌でも思い知らされてしまった。
 だけど、ここで逃げ出してしまったらまたヴィヴィオが傷ついてしまうし、何よりもプリキュアのみんなだったら絶対に戦っているはずだ。
 例えどれだけ傷つこうとも、殺し合いを打ち破ろうとしている人達の為にも白い怪人を倒さなければならない。自身にそう言い聞かせながらキュアパインは一直線に走り、一瞬で距離を詰めた。
 その直後、当然ながら怪人の拳もまた砲弾のように迫り来るが、キュアパインは頭部を僅かに横へずらして回避に成功する。そこから疾走の勢いを乗せたパンチを白い上半身に放った。
 衝突によって鈍い音が響いて、怪人は微かに揺れる。それを好機と見たキュアパインは機関銃のような勢いで拳を何発も放ち、そこから回し蹴りを叩き込んだ。
 その甲斐があってか、怪人は呻き声を漏らしながらようやく後退するのを見て、キュアパインは両手を頭上に掲げて叩く。
 そのままハートの形を作る様に構えた両手に力を込めると、山吹色の光が放たれた。

「悪いの悪いの飛んでいけ! プリキュア・ヒーリングプレアー!」

 穏やかながらも力の籠った宣言と共に、二つの掌から光線が発射されて怪人を飲みこんで、その姿を見えなくする。
 本当ならキュアスティックを出して必殺技を使いたかったが、その時間すらも隙になってしまう恐れがあるので、ヒーリングプレアーにせざるを得なかった。
 だけど、この程度で勝てる訳がない。そう判断すると同時にピックルンが現れたので、キュアパインは掴もうとした。
 しかし次の瞬間、ようやく収まっていく光の中より小さな影が飛び出してくるのをキュアパインは見る。だがそれに反応しようとした直前、腹部に衝撃が走ると同時に膝が崩れ落ちた。
 立ち上がろうとしても力が入らず、その直後に彼女は咳き込んでしまい血を吐き出してしまった。

「……ッ!?」

 掌に付着した赤い液体に驚いたのも束の間、穴が開いたキュアパインの腹部から大量の血液が流れ出ていった。
 それと共に彼女の力も消えていき、水溜りのように広がった血の中へと体が倒れていった。
 全身が血で濡れた瞬間、足音が聞こえてきたのでキュアパインは顔を上げる。薄れていく意識の中で、あの白い怪人が赤く染まった剣を持ちながら見下ろしている姿があった。
 刃は赤で彩られている。それを見て、ヒーリングプレアーに飲み込まれている間に剣を投げたのだと気付いたが、怪人から与えられたダメージが身体の動きを阻害して反応を遅らせていた。
 結果、刃はキュアパインの腹部を容赦なく貫いてしまったのだ。

「もう終わり?」
「……ま、まだよ……私は、まだ……!」
「じゃあ、続けようか」

 そんな軽い言葉を呟く怪人は、キュアパインの腹部に空いた穴を踏みつけてくる。
 その一撃によって出血は更に激しくなり、声にならない悲鳴を口から漏らしながら目を見開いた。
 押し返そうとしても、今の彼女にそんな力など残っていない。意識を保っているだけでも精一杯だった。
 しかし数秒ほど経った後、突如として怪人はキュアパインから足を離す。それによって圧力は解放されるも、それでも命が削り落ちていくままに変わりはなかった。

「……君はもう駄目みたいだね」
「……え、っ……?」
「面白そうだと思ったけど、これじゃあもう僕を笑顔にするなんてとてもできないね……残念だよ」

 キュアパインの耳に届いたのは失望にも聞こえる言葉だった。
 怪人の表情は微塵にも変化を見せないが、まるで遊びがつまらなくなって失望したような雰囲気を放っているようだと、彼女は思う。

「もしもまた僕の前に現れてくれるのなら、今度は笑顔にできるようになってね……リントの戦士」

 そう語る怪人は興味をなくしたかのように目を逸らして、ここから離れようとする。
 しかしキュアパインは怪人が動く前に、必死に腕を伸ばして足を掴んだ。

「待ち、なさい……!」
「ん……?」

 必死に口を開きながら怪人を睨む。
 しかし怪人はキュアパインに見向きもせずに手を振り払って、そのまま勢いよく身体を蹴りつけた。
 まるで巨大な鉄球が激突したかのような凄まじい衝撃によって彼女は悲鳴と共に吹き飛ばされてしまい、そのまま地面を転がっていく。
 致命傷の身体にその一撃はあまりにも辛い。回転によって飛び散った血液の量は夥しく、キュアパインの命はもう長くないことを証明していた。
 戦うことはおろか、立ち上がることすらもできない。この場に第三者がいれば、間違いなくそう判断していただろう。
 だが――

「ま、まだよ……まだ……まだ……!」

 華奢な体躯の至る所に傷と痣が生まれて、腹部からの出血が止まる気配を見せないにも関わらずキュアパインは立ち上がった。
 激痛と失血によって意識は朦朧としていて、怪人の姿すらもまともに見えない。足元は覚束なくて今にも崩れ落ちてもおかしくなかった。
 それでもキュアパインは痛む身体に鞭を打ち、最後の力を振り絞るように立ち上がったのだ。

「へぇ、まだ立てたんだね……ちょっとだけ驚いたよ」

 そんな中、怪人の声が聞こえてくる。
 まるで小さな子どもが物事を訪ねてくるかのような穏やかも感じられるが、それが逆に異常性を引きたてていた。
 しかしキュアパインはそんな事などお構いなしに、腰からリンクルンを取る。

「どうして、君達リントはそんなに頑張るのかな……僕を笑顔にできないのに」
「私は……あなた達から……みんなを、守らないと、いけないから……! プリキュアだから……!」
「プリキュア……?」
「乱馬君やヴィヴィオちゃん……それに、霧彦さんだって守って……みんなで、帰るの……! 元の世界に帰って、楽しい毎日を送らないといけないから……!」

 震える声で必死に喋る彼女は反対側の手を伸ばして、現れたピックルンを掴んだ。目の前はまともに見えないが、それでもすぐ近くにあるという確信があったからこそ、触れることが出来た。
 そのまま彼女は身体を無理矢理動かして、キルンをリンクルンに差し込み、そして横に捻る。それによって現れたキュアスティック・パインフルートを掴み、音色を奏でた。
 いつもならば簡単にできているはずのそれが、今回は重労働に感じられる。音を響かせる度に血は流れていき、キュアパインの命は確実に削り落ちていった。
 死ぬのは怖い。みんなに会えなくなるのは嫌だ。誰も助けられないなんて信じたくない……様々な弱音が彼女の脳裏に過っていく。
 しかし、彼女はそれを振り払って演奏を続けて、最後のパートを終わらした。それによって、パインフルートから輝きが放つ音が耳に届く。

(みんなを……助けなきゃ……みんなを、絶対に……!)

 パインフルートを握り締めるキュアパインの脳裏に、大切な人達の姿が浮かび上がっていった。
 桃園ラブ、蒼乃美希、東せつな、早乙女乱馬、高町ヴィヴィオ、園咲霧彦、四つ葉町に住むみんな……本当ならみんなとまた会いたかったが、それすらも叶いそうにない。
 でも、それならばせめてみんなに危害を与える怪人を止めなければならなかった。ヴィヴィオや霧彦に大怪我を負わせて、今だって誰かを襲おうとする邪悪な怪人からみんなを守らなければならない。
 そんな決意を胸に抱いて、キュアパインはパインフルートを振るった。

「プリキュア……ッ、ピー……リン、グ・プレアー……フレーッシュ!」

 掠れるような声と共に、山吹色の光線が杖の先端より勢いよく発射されるが、それすらもキュアパインにはまともに見えない。
 せめて、この一撃だけは届くことを信じるしかできなかった。そして、あの白い怪人が浄化されてもう誰も殺さないようになって欲しい。
 誰かを傷つけるのが幸せだなんて絶対に有り得ないし、何よりも悲しすぎた。出来るなら、ラブ達には彼に本当の幸せを教えてくれるのを信じるしかない。
 そして最後にはあの怪人もせつなのように心を入れ替えて、みんなの為に戦って欲しかった。それがあまりにも難しすぎることはわかっているが。
 ピーリング・プレアーフレッシュが眩い輝きを放つ中、キュアパインの身体はゆっくりと倒れていく。もう、彼女は限界だったのだ。
 そのまま血の中に沈んでいき、瞼がゆっくりと閉じていく。

(みんな……無事でいてね……みんなが生きて帰れるって事を、私は信じているから……)

 そして、キュアパインは最期にそう祈った。
 もうこれ以上、誰も殺し合いなんかの犠牲にならずに無事でいることを。そして、無意味な戦いなんかが早く終わってたくさんの幸せと笑顔が生まれてくれることを。
 そんな純粋な祈りこそが、山吹祈里という少女が最期に抱いた願いだった。





 白い怪人――ン・ダグバ・ゼバは戦場であった市街地に一人で佇んでいた。
 赤と銀の戦士・ウルトラマンネクサスとの戦いの後に生き残ってから市街地を歩いていると、暁美ほむらという魔法少女のようなリントの少女が駆けつけているのを見つける。
 その速度と跳躍力を見ると、ただのリントとは思えなかったので戦いを挑んだが、その実力はダグバには遠く及ばなかった。無論、ズやメのグロンギと比べると強いだろうが、それでもダグバにとっては何の障害にもなりえなかった。
 腹部が剣を貫通したにも関わらず立ち上がり、そこから光線を発射してきたが面白かったので受けてやったが、やはり碌なダメージは残っていない。
 そして肝心の少女は血で出来た水溜りの中に倒れていて、起き上がる気配を見せなかった。
 そういえば、この少女の名前を結局知る事はできなかったと今更になって思い出す。殺してしまったのでもう関係ないが、聞いておくべきだっただろうかと、ぼんやりと考えた。
 こうして死んでしまった以上、もうどうにもならないが。

(それでも、ちょっとだけ笑顔にはなれた……楽しかったよ)

 暇潰し程度とはいえ存外楽しくなれた。だから、もう未練はない。
 ダグバは少女の持っていた支給品を全て回収した後、携帯電話のようなアイテムに手を触れる。しかしその瞬間、奇妙な衝撃が掌に駆け巡る。
 その携帯電話・リンクルンは邪悪な心を持つ者が触れようとすると拒絶する性質を持ち、かつてイースだった東せつなの手を払い除けていた。
 しかしその抵抗はダグバにとってあまりにも弱弱しく、あまり意味を成さなかった。

(プリキュアって他にもいるのかな……? ソウルジェムを持つリントみたいに)

 もしもあのプリキュアは他にもいて、この携帯電話を見せつけたらどんな反応を示すだろうか? ゴ・ジャラジ・ダと戦ったクウガのように怒りを見せてくれるだろうか?
 面白いことになってくれそうなのは確かだが、ここでそれを考えても仕方がない。後の楽しみにすればいいだろう。
 携帯電話をデイバッグの中に収めたダグバは腕を少女に翳して、超自然発火能力を発動した。すると、少女の身体を構成していた全ての分子が摩擦を起こして、そのまま灼熱の炎に飲み込まれていく。
 それは彼女から流れ出た血や崩れ落ちた瓦礫も飲み込んで、全てを焼き切ろうと容赦なく広がった。その勢いならば、それほど長い時間はかからずに少女の体は燃え尽きるだろう。
 この事をリントの戦士が知ったら、きっと面白くなるはずだった。特にそれがクウガだったら、凄まじき戦士となってくれるかもしれない。

(そういえば、リントには火葬っていう文化もあったね……これも、そうなのかな)

 純白の衣服を纏った青年の姿に戻ったダグバはそんな事を考えながら、笑みを浮かべる。
 無論、この行為に敬意など一切存在しない。それどころか、死者となった少女や残された者達への愚弄しかなかった。
 しかしそれ以前に、ダグバの中に敬意という感情など存在しない。自分自身が笑顔になる事しか求めていないのだから、当然だった。
 天に高く昇る太陽な強い輝きを放っているが、それはダグバの心に届かない。
 何故なら、ン・ダグバ・ゼバの中には太陽すらも葬ろうとする究極の闇しか存在しないのだから。



【1日目/昼前】
【H-8/市街地】

※【G-8/中学校】 には蚊取り線香の匂いを発する春眠香、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置きが置かれています。


【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
[状態]: 全身に中程度のダメージ
[装備]:クモジャキーの剣@ハートキャッチプリキュア!、T-2ガイアメモリ(ナスカ)@仮面ライダーW、 T2ヒートメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×4(食料と水は3人分、祈里:食料と水を除く、霧彦)、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、スタンガン、リンクルン@フレッシュプリキュア!、ランダム支給品(ほむら1~2(武器ではない)、祈里0~1)
[思考]
基本:この状況を楽しむ。
0:警察署側に向かう。
1:市街地を適当に歩いて、リント達を探す。
2:強い変身能力者たちに期待
[備考]
※参戦時期はクウガアルティメットフォームとの戦闘前です
※発火能力の威力は下がっています。少なくとも一撃で人間を焼き尽くすほどの威力はありません。


【山吹祈里@フレッシュプリキュア! 死亡確認】
【残り35人】



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最終更新:2014年05月20日 21:41