概要
基本的には国鉄ATC-3型、ATS-P型をベースに大幅な改良を施したもので、様々な機能が追加されている。
近年普及している車内信号方式(CS)のD-ATCを採用しなかったのはあくまで乗務員が線路脇に設置された信号を確認し閉塞区間に入る前にブレーキをかける方が乗客の不快感を軽減できるという考えからである。ただしATSによるブレーキにおいても衝撃をできるだけ緩和するような制御が行われる。
近年普及している車内信号方式(CS)のD-ATCを採用しなかったのはあくまで乗務員が線路脇に設置された信号を確認し閉塞区間に入る前にブレーキをかける方が乗客の不快感を軽減できるという考えからである。ただしATSによるブレーキにおいても衝撃をできるだけ緩和するような制御が行われる。
特徴
ATCのような表示が可能
D-ATC風現示に対応している一部車両ではATCのようにスピードメーターの周囲に現在の制限速度を▼印で表示することができる。
車種による個別の制御パターン
ATS-Mでは、パターン発生時・ブレーキ作動時にそれぞれの車種に応じてブレーキのかけ方を変更し、乗り心地の改善、制輪子や車輪等の磨耗軽減、正確な減速を行う。この制御はグループ内の優秀な運転士の運転を参考とし、従来の電子制御ではあり得ない絶妙なブレーキの込め・緩めを実現している。なので例えば同じATS-Mを搭載していてもTS2300系とE231系700番台ではブレーキの制御が全く異なる。
EB装置を組み込み
緊急停止装置(EB)は15km/h以上で走行中の列車の運転士が、マスコン・ブレーキ・警笛などの機器のいずれかを1分以上操作しないと警報ブザーが鳴動するとともに警報ランプが点灯し、5秒以内にこれらの機器を操作するか、リセットボタンを操作しない場合、即座に非常ブレーキがかかるというシステムであり、最近のJRや第三セクター鉄道の車両には標準搭載されている。
ATS-Mではこの機能を組み込んであり、制限速度に応じてブザーが鳴るまでの時間が変化する。また制限60km/h以下では力行時以外は作動せず、制限45km/h以下では作動しない。またATS-P搭載車の場合は通常通りにEBが作動する。
これにより東鷹快速鉄道では私鉄には珍しくデッドマン装置を使用していない(立川CLは東急電鉄に直通するため一部車両には装備されている)。
ASSの組み込み
自動駅停車装置(ASS)は列車が駅に停車する際に自動的にブレーキをかけて、ホームの定位置に停止させるための運転支援装置であるが、ATS-Mでは電気指令式ブレーキの車両に搭載されたものにASSを組み込んであり、使用することができる。もちろんTASCのブレーキ制御も細やかな掛け方で快適な乗り心地を実現した。
ただし、ASSを使用するかどうかは乗務員がスイッチで選択するため、東鷹快速鉄道では「自分でキッチリ止める」という考えが強いためあまり使用されることは無い。時々、疲れたときや緊急の連絡がきた時に使用するぐらいで、正直付けなくても良かった機能である。
ATS-P下位互換
ATS-MはATS-Pと下位互換性があり、ATS-Mを搭載した車両はATS-P設置区間へ入線可能である。
しかしATS-Pを搭載した車両はATS-M設置区間に入線することは不可能である。
しかしATS-Pを搭載した車両はATS-M設置区間に入線することは不可能である。
これによりJR東日本の路線を使用した検査等のための回送も簡単に行うことができる。